説明

表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法

【課題】コメント表示にかかる使用エリアを極小化するとともに、部門ごとのコメント対応を可能とすることにより、チェック作業にかかる作業負担の軽減化および作業効率の向上を図ること。
【解決手段】レセコン装置101は、レセプトデータRa内の明細項目単位で設けられた各部門1〜3の表示領域に関連付けられたコメントデータがコメントDB120に登録されているか否かを表示領域ごとに判定し、コメントデータが登録されていると判定された部門の表示領域を強調表示する。これにより、表示画面上にコメントを直接表示することなく、各部門1〜3に対するコメントの有無を報知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示画面上の明細データに対するコメント表示にかかる使用エリアを最適化する表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
健康保険を利用して医療を受ける保険診療は、被保険者(患者)が保険者から発行された被保険者証を保険指定された医療機関に提示し、保険医指定された医師によっておこなわれる。この保険診療には、診療報酬が定められている。診療報酬の一部は保険診療を受ける被保険者により医療機関に支払われ、残りの診療報酬は保険者から医療機関へ支払われる。
【0003】
このとき、医療機関から保険者に提出される書類をレセプトという。レセプトは、医療機関で保険診療を受けたときの被保険者の自己負担分以外の料金を医療機関が保険者に請求するための診療報酬明細書である。一般に、レセプトは1ヶ月単位で患者ごとの診療内容を入院・外来、医療保険別に分けて規定のフォーマットにとりまとめたものである。
【0004】
保険者に提出されたレセプトの記載に誤りがあった場合、保険者から医療機関への支払いがおこなわれないという問題が発生する。このため、保険者へレセプトを提出する前に、医療機関においてレセプトに誤りがないかどうかを事前にチェックする必要がある。
【0005】
ところが、患者数の増加や事務作業の細分化、医療制度の複雑化にともなって、レセプトのチェックにかかる作業負担が増大している。また、レセプトのチェックには、記載不備などの単純なレベルから、病名に対する診療内容が妥当か否かといった医学的知識が必要となるものまである。
【0006】
このようなことから、レセプトのチェック作業にかかる作業負担の軽減化および効率化を図る技術が提供されている。たとえば、レセプト内の誤り箇所および誤り内容をわかりやすい態様で表示する技術が開示されている(たとえば、下記特許文献1参照。)
【0007】
【特許文献1】特開平10−143562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来技術によれば、特定の誤り箇所について、複数部門(たとえば、医師課、医事課など)に対するコメントが混在する場合であっても、それらコメントが一括表示されてしまう。各部門の担当者は、一括表示されたコメント内容を確認して、自部門に対するコメントを判断する必要がある。このため、対象部門を識別する手間がかかるだけでなく、コメント内容の確認漏れを招いてしまい、チェック作業にかかる作業負担が増大するという問題があった。
【0009】
また、画面上にコメントを残すためには、コメント文字数分のコメント欄の設置やコメント内容が記入された電子付箋を貼り付けることによるエリアの占有が必要となる。ところが、このエリアの占有によりレセプトの表示エリアが小さくなり、一画面で確認できる情報量が少なくなってしまう。この結果、スクロール操作などの手間が増えるだけでなく、未表示部分の確認漏れを招くという問題があった。
【0010】
さらに、一画面に一つの専用のコメント欄を設置する場合、コメント欄に表示されたコメントが、レセプト内のどの箇所についてのものなのかを特定するのに時間がかかる場合があるという問題があった。コメント記入者が対象となる箇所を明確に記入することも考えられるが、コメント記入者の作業負担が増大してしまうという問題がある。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、コメント表示にかかる使用エリアを極小化するとともに、部門ごとのコメント対応を可能とすることにより、チェック作業にかかる作業負担の軽減化および作業効率の向上を図ることができる表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法は、表示画面上の明細データ内の明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域に関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを前記表示領域ごとに判定し、コメントデータが登録されていると判定された部門の表示領域を強調表示することを要件とする。
【0013】
この表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法によれば、明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域を強調表示することで、各部門に対するコメントの有無を報知することができる。このとき、表示画面上にコメントを直接表示しないため、コメント表示にかかる使用エリアを極小化することができる。
【発明の効果】
【0014】
この表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法によれば、コメント表示にかかる使用エリアを極小化するとともに、部門ごとのコメント対応を可能とすることにより、チェック作業にかかる作業負担の軽減化および作業効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1の概要について説明する。本実施の形態1において、表示制御装置とは、保険医指定された医師や歯科医師により医療処置を受けることができる病院や診療所などの施設に設置されるレセプトコンピュータ装置であり、表示制御プログラムとは、レセプトコンピュータ装置にインストールされたプログラムである。
【0017】
図1は、実施の形態1の概要を示す説明図である。図1において、レセプトコンピュータ装置(以下、「レセコン装置」という)101は、レセプトDB110とコメントDB120とを備え、レセプトデータおよびコメントデータの作成、修正、削除をおこなうコンピュータ装置である。
【0018】
レセプトデータとは、医療機関で保険診療を受けたときの被保険者の自己負担分以外の料金を医療機関が審査支払機関(国民健康保険組合連合会や社会保険診療報酬支払基金など)に請求する診療報酬明細書である。また、コメントデータとは、レセプトデータ内の誤り箇所を指摘するコメントである。
【0019】
審査支払機関に提出されたレセプトデータに誤りがあった場合には、審査支払機関から医療機関への支払いがおこなわれないため、審査支払機関への提出前に、医療機関において独自にレセプトデータのチェックをおこなう必要がある。ここで、医療機関におけるレセプトデータのチェック作業について説明する。
【0020】
ここでは医療業務に携わる部門として、レセプトデータをチェックするチェック部門の他に、医事課部門(以下、「部門1」という)、医師課部門(以下、「部門2」という)、システム部門(以下、「部門3」という)がある場合を例に挙げる。また、レセプトデータRは、複数の明細項目1〜5からなる診療報酬明細書である。
【0021】
まず、チェック部門の担当者により、レセプトDB110内のレセプトデータRの内容がチェックされる。チェック部門の担当者は、誤り箇所を発見した場合、その誤り箇所に関するコメントを入力する。このとき、確認して欲しい部門1〜3を指定することで、指定された部門専用のコメントとしてコメントDB120に登録される。
【0022】
このあと、各部門1〜3の担当者により、コメント付きのレセプトデータR’の内容がチェックされる。各部門1〜3の担当者は、部門1〜3ごとに設けられた表示領域に表示されたアイコンを確認することで、自部門に対するコメントの有無を容易に判断することができる。
【0023】
具体的には、部門1の担当者は、自部門に対して明細項目3についてのコメントが登録されていることがわかる。部門2の担当者は、自部門に対して明細項目1についてのコメントが登録されていることがわかる。部門3の担当者は、自部門に対して明細項目5についてのコメントが登録されていることがわかる。
【0024】
また、たとえば、部門1の担当者は、画面上のカーソルCを操作してアイコン130を選択すると、明細項目3についてのコメントを確認することができる。さらに、部門1の担当者によるコメント内容の確認および誤り箇所の修正が完了すると、アイコン130が非表示となる。
【0025】
このように、明細項目についてのコメントを直接表示することなく、コメントが登録されていることを報知するアイコンを表示することにより、コメント表示にかかる占有エリアの極小化を図ることができる。さらに、各明細項目について部門ごとにアイコンを表示することにより、どの明細項目についてどの部門に対するコメントが登録されているのかをユーザに認識させることができる。
【0026】
(レセプトDBの記憶内容)
つぎに、図1に示したレセコン装置101に用いられるレセプトDB110の記憶内容について説明する。図2は、レセプトDBの記憶内容を示す説明図である。図2において、レセプトDB110には、患者ごとに、患者ID、レセプトIDおよびレセプトデータR1〜Rnが記憶されている。
【0027】
患者IDは、患者を特定する識別子である。レセプトIDは、レセプトデータR1〜Rnを特定する識別子である。レセプトデータR1〜Rnは、たとえば、CSV(Comma Separated Value format)形式で記述された電子データである。
【0028】
(コメントDBの記憶内容)
つぎに、図1に示したレセコン装置101に用いられるコメントDB120の記憶内容について説明する。図3は、コメントDBの記憶内容を示す説明図である。図3において、レセプトデータR1〜Rnごとに、レセプトID、明細項目ID、部門IDおよびコメント内容に関するコメントリスト300−1〜300−nが記憶されている。
【0029】
明細項目IDは、各レセプトデータR1〜Rn内の明細項目を特定する識別子である。部門IDは、部門を特定する識別子である。コメント内容は、明細項目に関するコメントの内容である。レセコン装置101は、コメントリスト300−1〜300−nを参照することにより、レセプトデータR1〜Rn内のどの明細項目について、どの部門に対するコメントが登録されているのかを認識することができる。
【0030】
各コメントリスト300−1〜300−nは、少なくとも一つ以上のコメントデータから構成されている。たとえば、コメントリスト300−iは、5つのコメントデータCi−1〜Ci−5から構成されている。コメントデータCi−5を例に挙げると、レセプトデータRi内の明細項目Hi−5についての部門1に対するコメント内容は『合計点数が誤っています』である。
【0031】
(レセコン装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したレセコン装置101のハードウェア構成について説明する。図4は、レセコン装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
図4においてレセコン装置101は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、ディスプレイ408と、I/F(インターフェース)409と、キーボード410と、マウス411と、スキャナ412と、プリンタ413と、を備えている。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続されている。
【0033】
ここで、CPU401は、レセコン装置101の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、磁気ディスク405として、ハードディスク、フレキシブルディスクなどを採用することができる。
【0034】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク407に記憶されたデータをコンピュータ装置に読み取らせたりする。
【0035】
また、光ディスク407として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical)、メモリーカードなどを採用することができる。ディスプレイ408は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ408は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0036】
I/F409は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク414に接続され、このネットワーク414を介して他のコンピュータ装置に接続される。そして、I/F409は、ネットワーク414と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F409には、たとえば、モデムやLAN(Local Area Network)アダプタなどを採用することができる。
【0037】
キーボード410は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス411は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0038】
スキャナ412は、画像を光学的に読み取りコンピュータ装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ412は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ413は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ413には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0039】
(レセコン装置の機能的構成)
つぎに、レセコン装置101の機能的構成について説明する。図5は、レセコン装置の機能的構成を示すブロック図である。図5において、レセコン装置101は、レセプトDB110と、コメントDB120と、取得部501と、表示部502と、入力部503と、強調表示部504と、判定部505と、表示制御部506と、検出部507と、コメント表示部508と、決定部509と、を備えている。
【0040】
これら各機能501〜509は、レセコン装置101のROM402やRAM403などの記憶部に記憶された当該機能501〜509に関するプログラムをCPU401に実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。また、各機能501〜509からの出力データは上記記憶部に保持される。また、図5中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶部から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPU401に実行させるものとする。
【0041】
まず、取得部501は、明細データを取得する機能を有する。明細データは、少なくとも一つの明細項目からなる電子データである。明細データとしては、たとえば、医療業務にかかるレセプトデータや会計業務にかかる帳票データなどがある。以下において、本実施の形態1では、『明細データ』を、医療機関において作成される『レセプトデータ』として説明する。
【0042】
レセプトデータ(明細データ)は、レセコン装置101に直接入力することとしてもよく、また、レセプトDB110からの抽出により取得することとしてもよい。後者の場合、たとえば、ユーザが任意に指定した患者(患者ID)のレセプトデータR1〜RnをレセプトDB110から取得することとなる。
【0043】
表示部502は、取得部501によって取得されたレセプトデータをディスプレイ408に表示する機能を有する。ここで、ディスプレイ408に表示されたレセプトデータの具体例について説明する。以降において、図2に示した患者ID『××−i』のレセプトデータRiを例に挙げて説明する。
【0044】
図6は、レセプトデータの画面例を示す説明図である。図6において、ディスプレイ408には、レセプトデータRiに関するレセプト画面600が表示されている。レセプトデータRi内の明細項目Hi−1〜Hi−9と同一行の表示領域には、各明細項目Hi−1〜Hi−9についてのコメントが登録されている場合に強調表示される表示領域が部門1〜3ごとに設けられている。
【0045】
明細項目Hi−5を例に挙げると、明細項目Hi−5と同一行の表示領域610には、明細項目Hi−5についてのコメントが登録されている場合に強調表示される部門1〜3ごとの表示領域610a,610b,610cが設けられている。
【0046】
ここで、部門とは、たとえば、医療業務に携わる各部門を業務内容によって区別するものであり、医師部門、看護師部門、医療事務課部門などで区別してもよく、また、外科や内科などの診療科部門で区別することとしてもよい。ここでは部門1〜3は、それぞれ医事課部門、医師部門、システム部門をあらわしている。また、レセプト画面600において、カーソルCを移動させてボタンB2をクリックすると、レセプト画面600を閉じることができる。なお、ボタンB1については後述する。
【0047】
図5の説明に戻り、入力部503は、レセプトデータ内の明細項目に関するコメントデータの入力を受け付ける機能を有する。具体的には、たとえば、図4に示したキーボード410やマウス411などをユーザが操作することにより、任意の明細項目についてのコメントを入力することができる。
【0048】
たとえば、医療機関におけるチェック部門の担当者は、図6に示したレセプト画面600に表示されたレセプトデータRiの内容を確認して、誤り箇所の有無をチェックする。このとき、誤り箇所を発見した場合には、上記入力部503により、その誤り箇所についてのコメントを入力することができる。
【0049】
具体的には、たとえば、レセプト画面600において、カーソルCを移動させて明細項目Hi−1〜Hi−8と同一行に設けられた表示領域をダブルクリックすることで、任意の部門1〜3に対するコメントを入力することができる。ここで、コメントを入力する際にディスプレイ408に表示されるコメント欄の一例について説明する。ここではレセプトデータRi内の明細項目Hi−5に誤りがあり、部門1の担当者に対してコメントを残す場合を想定する。
【0050】
図7は、コメント欄の一例を示す説明図である。図7において、レセプト画面600には、コメントを入力するコメント欄700が表示されている。このコメント欄700は、図6に示したレセプト画面600において、カーソルCを移動させて明細項目Hi−5と同一行に設けられた表示領域610aをダブルクリックすることで出現する。コメント欄700において、ユーザがキーボード410やマウス411などを操作することで、明細項目Hi−5についての任意のコメントを入力することができる。
【0051】
また、カーソルCを移動させてボタン710をクリックすると、コメントの編集を中止することができる。また、カーソルCを移動させてボタン720をクリックすると、コメントを削除することができる。なお、ボタン720のクリック操作は、最初のコメント入力時のみおこなうことができることとしてもよい。
【0052】
また、カーソルCを移動させてボタン730をクリックすると、磁気ディスク405や光ディスク407などの記憶部に保持されているコメント一覧が表示される。このコメント一覧から任意のコメントを選択することで、コメント入力にかかる手間を軽減することができる。コメント一覧には、たとえば、一般的によく使用される定型コメントが部門ごとに登録されている。上述の例では、部門1に対するコメント一覧が表示される。
【0053】
また、コメント内容が確定したあと、カーソルCを移動させてボタン740をクリックすると、コメント欄700が閉じる。そして、コメント欄700を閉じたあと、カーソルCを移動させてボタンB1をクリックすると、コメント欄700に入力されたコメントに関するコメントデータが、表示領域610aと関連付けてコメントDB120に登録される。より具体的には、レセプトデータRiのレセプトID『Ri』と、明細項目ID『Hi−5』と、部門『1』と、コメントデータとが関連付けられてコメントDB120に登録される。
【0054】
図5の説明に戻り、強調表示部504は、レセプトデータ内の明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域を強調表示する機能を有する。具体的には、たとえば、表示領域の色を変えることで強調表示することとしてもよく、また、図形や記号などのアイコンを表示することとしてもよい。
【0055】
判定部505は、明細項目単位で設けられた部門の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを表示領域ごとに判定する機能を有する。ここで、レセプトデータRiを例に挙げて、判定部505による判定処理の具体的な処理内容の一例について説明する。
【0056】
まず、取得部501により、レセプトデータRiと関連付けられているコメントリスト300−iをコメントDB120から取得する。そして、判定部505により、取得部501によって取得されたコメントリスト300−iに基づいて、表示領域に関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを表示領域ごとに判定する。
【0057】
より詳細に説明すると、コメントリスト300−iの中から任意のコメントデータCi−1〜Ci−5を抽出して、抽出されたコメントデータCi−1〜Ci−5から表示領域を特定する。そして、特定された表示領域を、コメントデータCi−1〜Ci−5が登録されている表示領域と判定する。
【0058】
たとえば、コメントリスト300−iの中からコメントデータCi−1が抽出された場合、明細項目Hi−1と同一行に設けられた部門1の表示領域が特定され、コメントデータCi−1が登録されている表示領域であると判定する。判定部505は、未抽出のコメントデータCi−1〜Ci−5がなくなるまで上記処理を繰り返す。
【0059】
表示制御部506は、強調表示部504を制御して、判定部505によってコメントデータが登録されていると判定された部門の表示領域を強調表示する機能を有する。ここで、表示領域が強調表示された画面例について説明する。
【0060】
図8は、表示領域が強調表示された画面例を示す説明図である。図8に示すレセプト画面600において、レセプトデータRi内の明細項目Hi−1,Hi−3,Hi−5と同一行に設けられた表示領域A1〜A4が強調表示されている。具体的には、部門1〜3ごとに異なる色により強調表示されている。
【0061】
ユーザは、強調表示された表示領域A1〜A4を確認することで、どの明細項目についてコメントがあるのかを確認することができる。さらに、表示領域A1〜A4が部門ごとに分類されているため、自部門に対するコメントの有無を迅速に判断することができる。また、カーソルCを移動させて強調表示された表示領域A1〜A4を指し示すことで、コメントの一部または全部を吹き出し表示することができる。
【0062】
検出部507は、ディスプレイ408に表示されたカーソルCが指し示す位置が強調表示された表示領域内であることを検出する機能を有する。また、取得部501は、検出部507によってカーソルCが指し示す位置が強調表示された表示領域内であることが検出された場合、当該表示領域と関連付けられたコメントデータを取得する機能を有する。
【0063】
コメント表示部508は、コメントデータの一部または全部を吹き出し表示する機能を有する。吹き出し表示とは、特定の大きさの吹き出し図形を表示するとともに、その吹き出し図形内に表示可能な文字数のコメントを表示することである。具体的には、表示制御部506は、コメント表示部508を制御して、取得部501によって取得されたコメントデータの一部または全部を吹き出し表示する。なお、吹き出し図形の表示位置は、たとえば、吹き出し口をカーソルCが指し示す表示領域内とし、コメントデータを表示する吹き出し図形本体部をその表示領域近傍(たとえば、斜め左下45度付近)とする。
【0064】
ここで、吹き出し表示された画面例について説明する。図9は、吹き出し表示された画面例を示す説明図である。図9に示すレセプト画面600において、カーソルCが指し示す表示領域A4と関連付けられたコメントデータが、吹き出し図形900内に吹き出し表示されている。
【0065】
具体的には、明細項目Hi−5についての部門1に対するコメント『合計点数が誤っています』が吹き出し図形900内に表示されている。このように、カーソルCを移動させて強調表示された表示領域を指し示すだけで、コメントの一部または全部を確認することができる。
【0066】
また、コメント表示部508は、ディスプレイ408にコメントデータを表示する機能を有する。画面上におけるコメントデータの表示位置は任意である。たとえば、レセプトデータを表示する表示領域とは異なる表示領域に表示することとしてもよく、また、レセプトデータと重畳表示することとしてもよい。
【0067】
また、検出部507は、強調表示部504によって強調表示された表示領域の選択指示を検出する機能を有する。具体的には、たとえば、キーボード410やマウス411などをユーザが操作することで、カーソルCを移動させて強調表示された表示領域をダブルクリックしたことを検出する。
【0068】
また、取得部501は、検出部507によって選択指示が検出された表示領域と関連付けられたコメントデータを取得する機能を有する。たとえば、図8に示したレセプト画面600において、表示領域A4の選択指示が検出された場合、コメントDB120からコメントデータCi−4を取得することとなる。表示制御部506は、コメント表示部508を制御して、取得部501によって取得されたコメントデータを所定の表示領域に表示する。
【0069】
ここで、コメントが表示された画面例について説明する。図10は、コメントが表示された画面例を示す説明図である。図10に示すレセプト画面600において、明細項目Hi−5についての部門1に対するコメントがコメント欄700に表示されている。このコメント欄700は、図8に示したレセプト画面600において、カーソルCを移動させて表示領域A4をダブルクリックすることで出現する。
【0070】
これにより、ユーザ(たとえば、部門1の担当者)は、明細項目Hi−5についての部門1に対するコメントを確認することができる。このように、強調表示された表示領域の選択指示が検出された場合に、その表示領域と関連付けられたコメントを表示することにより、コメント表示にかかる使用エリアを極小化することができる。また、コメントを確認したあと、カーソルCを移動させてボタン1010をクリック(チェック)した状態で、ボタン740をクリックすると、表示領域A4の強調表示が解除される。
【0071】
具体的には、表示制御部506は、強調表示部504を制御して、検出部507によってボタン1010がチェックされた状態でのボタン740のクリック操作が検出された表示領域A4の強調表示を解除する。これにより、各部門1〜3の担当者によりコメント内容が確認された表示領域の強調表示を解除することができる。
【0072】
また、コメント表示部508によって表示される吹き出し表示の表示位置は任意に決定することができる。具体的には、決定部509は、検出部507によってコメントの入力指示が検出された場合、カーソルCが指し示す位置を吹き出し表示の表示位置に決定する機能を有する。
【0073】
この場合、表示制御部506は、コメント表示部508を制御して、決定部509によって決定された表示位置にコメントデータの一部または全部を吹き出し表示することとなる。なお、検出部507によって検出されたカーソルCが指し示す位置に吹き出し表示する場合の詳細な説明は実施例3において後述する。
【0074】
(レセコン装置の表示制御処理手順)
つぎに、本実施の形態1にかかるレセコン装置101の表示制御処理手順について説明する。まず、明細項目についてのコメントを特定の部門に対して登録する場合の表示制御処理手順について説明する。図11は、実施の形態1にかかるレセコン装置の表示制御処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。図11のフローチャートにおいて、まず、入力部503により、レセプトデータの表示指示の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1101)。
【0075】
ここで、レセプトデータの表示指示を待って(ステップS1101:No)、表示指示を受け付けた場合(ステップS1101:Yes)、取得部501により、表示指示から特定されるレセプトデータをレセプトDB110から取得し(ステップS1102)、表示部502により、取得されたレセプトデータをディスプレイ408に表示する(ステップS1103)。
【0076】
このあと、検出部507により、明細項目についての特定の部門に対するコメントの入力指示が検出されるのを待って(ステップS1104:No)、コメントの入力指示が検出された場合(ステップS1104:Yes)、表示制御部506により、コメント表示部508を制御してコメント欄を表示する(ステップS1105)。
【0077】
そして、コメントの入力が完了するのを待って(ステップS1106:No)、コメントの入力が完了すると(ステップS1106:Yes)、レセプトデータ内の明細項目と、部門と、入力されたコメントに関するコメントデータとを関連付けてコメントDB120に登録して(ステップS1107)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0078】
これにより、レセプトデータ内の各明細項目についてのコメントを部門ごとに登録することができる。
【0079】
つぎに、コメント付きのレセプトデータを表示する場合の表示制御処理手順について説明する。図12は、実施の形態1にかかるレセコン装置の表示制御処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。図12のフローチャートにおいて、まず、入力部503により、レセプトデータの表示指示の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1201)。
【0080】
ここで、レセプトデータの表示指示を待って(ステップS1201:No)、表示指示を受け付けた場合(ステップS1201:Yes)、取得部501により、表示指示から特定されるレセプトデータをレセプトDB110から取得するとともに、そのレセプトデータと関連付けられたコメントリスト300−1〜300−nをコメントDB120から取得する(ステップS1202)。
【0081】
このあと、判定部505により、取得されたコメントリスト300−1〜300−nの中から任意のコメントデータを抽出し(ステップS1203)、抽出されたコメントデータから特定される表示領域を、コメントデータが登録されている表示領域として判定する(ステップS1204)。
【0082】
つぎに、取得されたコメントリスト300−1〜300−nの中から抽出されていない未抽出のコメントデータがあるか否かを判断し(ステップS1205)、未抽出のコメントデータがある場合(ステップS1205:Yes)、ステップS1203に戻り、コメントリスト300−1〜300−nの中から未抽出のコメントデータを取得する。
【0083】
一方、未抽出のコメントデータがない場合(ステップS1205:No)、表示部502により、レセプトデータをディスプレイ408に表示するとともに、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、コメントデータが登録されている表示領域を強調表示して(ステップS1206)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0084】
これにより、明細項目と同一行に設けられた部門ごとの表示領域のうち、部門に対するコメントデータが登録されている表示領域を強調表示することができる。
【0085】
つぎに、各部門の担当者によるコメントの確認作業時の表示制御処理手順について説明する。図13は、実施の形態1にかかるレセコン装置の表示制御処理手順の一例を示すフローチャート(その3)である。図13のフローチャートにおいて、まず、検出部507により、強調表示部504によって強調表示された表示領域の選択指示が検出されたか否かを判断する(ステップS1301)。
【0086】
ここで、強調表示された表示領域の選択指示が検出されるのを待って(ステップS1301:No)、検出された場合(ステップS1301:Yes)、取得部501により、選択指示が検出された表示領域と関連付けられたコメントデータをコメントDB120から取得して(ステップS1302)、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、取得されたコメントデータを所定の表示領域に表示する(ステップS1303)。
【0087】
このあと、検出部507により、コメント表示部508によって表示されたコメントデータの削除指示が検出されたか否かを判断する(ステップS1304)。具体的には、たとえば、図10に示したボタン1010がチェックされた状態でのボタン740のクリック操作を検出する。
【0088】
ここで、コメントデータの削除指示が検出されるのを待って(ステップS1304:No)、検出された場合(ステップS1304:Yes)、表示制御部506により、強調表示部504を制御して、削除指示が検出されたコメントデータと関連付けられている表示領域の強調表示を解除して(ステップS1305)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0089】
これにより、強調表示されている表示領域のうち、コメントデータの削除指示があった表示領域の強調表示を解除することができる。
【0090】
以上説明した実施の形態1によれば、レセプトデータ内の各明細項目についてのコメントを部門ごとに登録することができる。また、明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域を強調表示することで、各部門に対するコメントの有無を報知することができる。このとき、表示画面上にコメントを直接表示しないため、コメント表示にかかる使用エリアを極小化することができる。
【実施例1】
【0091】
つぎに、実施の形態1の実施例1について説明する。実施例1では、特定の明細項目について、同じ部門に対して複数のコメントが登録されている場合の吹き出し表示について説明する。ここでは、図8に示したレセプト画面600において、カーソルCを移動させて表示領域A3を指し示した場合の吹き出し表示を例に挙げて説明する。
【0092】
まず、判定部505は、カーソルCが指し示す強調表示された表示領域A3と関連付けられたコメントデータが複数登録されているか否かを判定する。具体的には、取得部501によって取得される表示領域A3と関連付けられたコメントデータCi−3,Ci−4によって複数登録を判定する。
【0093】
そして、表示制御部506は、判定部505によって複数登録されていると判定された場合、コメント表示部508を制御して、コメントデータCi−3,Ci−4の一部または全部を、複数のコメントデータ間で切り替え可能に吹き出し表示する。図14は、複数コメントの吹き出し表示の一例を示す説明図である。
【0094】
図14に示すレセプト画面600において、カーソルCが指し示す表示領域A3と関連付けられたコメントデータが、吹き出し図形1400内に吹き出し表示されている。具体的には、明細項目Hi−4についての部門2に対するコメント『傷病名が誤っています』が吹き出し図形1400内に表示されている。
【0095】
また、レセプト画面600において、カーソルCを移動させてボタン1402をクリックすると、コメント内容が切り替わって、明細項目Hi−4についての部門2に対するコメント『すべての担当医師が確認して下さい』が吹き出し図形1400内に表示される。さらにこのあとカーソルCを移動させてボタン1401をクリックすると、コメント内容が部門2に対するコメント『傷病名が誤っています』に切り替わる。なお、吹き出し表示するコメントの順序は、コメントが登録された順序にあわせることとしてもよい。
【0096】
また、複数コメントが登録された表示領域A3をダブルクリックすると、任意のコメントを選択する選択欄が表示される。図15は、選択欄の一例を示す説明図である。図15において、選択欄1500には、表示領域A3と関連付けて登録されているコメントを表示するボックス1501,1502が表示されている。
【0097】
選択欄1500において、カーソルCを移動させてボックス1501をクリックすると、明細項目Hi−4についての部門1に対するコメント『傷病名が誤っています』がコメント欄700(図10参照)に表示される。一方、カーソルCを移動させてボックス1502をクリックすると、明細項目Hi−4についての部門1に対するコメント『すべての担当医師が確認して下さい』の一部がコメント欄700に表示される。
【0098】
つぎに、複数コメントを吹き出し表示する表示制御処理手順について説明する。図16は、複数コメントを吹き出し表示する表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図16において、まず、検出部507により、カーソルCが指し示す位置が強調表示された表示領域内であることが検出されたか否かを判断する(ステップS1601)。
【0099】
ここで、強調表示された表示領域内であることが検出されるのを待って(ステップS1601:No)、検出された場合(ステップS1601:Yes)、取得部501により、カーソルCが指し示す表示領域と関連付けられたコメントデータをコメントDB120から取得する(ステップS1602)。
【0100】
このあと、判定部505により、取得されたコメントデータに基づいて、コメントデータが複数登録されているか否かを判定する(ステップS1603)。ここで、複数登録されていると判定された場合(ステップS1603:Yes)、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、複数のコメントデータの一部または全部を、複数のコメントデータ間で切り替え可能に吹き出し表示する(ステップS1604)。
【0101】
一方、複数登録されていないと判定された場合(ステップS1603:No)、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、コメントデータの一部または全部を吹き出し表示する(ステップS1605)。
【0102】
このように実施例1によれば、特定の明細項目について、同一部門に対する複数のコメントデータが登録されている場合、それら複数のコメント間で切り替え可能に吹き出し表示することができる。これにより、カーソルCを移動させて強調表示された表示領域を指し示すことで、複数部門に対するコメント内容を表示することができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0103】
つぎに、実施の形態1の実施例2について説明する。実施例2では、特定の明細項目について複数の部門に対してコメントが登録されている場合のコメント表示について説明する。ここでは、図8に示したレセプト画面600において、カーソルCを移動させて表示領域A1をダブルクリックした場合を例に挙げて説明する。
【0104】
まず、判定部505は、検出部507によって表示領域A1の選択指示が検出された場合、明細項目Hi−1と同一行に設けられた複数の表示領域のうち、表示領域A1とは異なる他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを判定する。
【0105】
具体的には、たとえば、取得部501によって取得されるコメントデータCi−1,Ci−2に基づいて、他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを判定する。ここでは、表示領域A2と関連付けられたコメントデータCi−2が登録されていると判定する。
【0106】
このあと、表示制御部506は、コメント表示部508を制御して、コメントデータCi−1,Ci−2を、複数のコメントデータ間で切り替え可能にコメント欄700に表示する。図17は、複数コメントを表示するコメント欄の一例を示す説明図である。図17に示すレセプト画面600において、明細項目Hi−1についての部門1に対するコメント『患者IDが未入力です』がコメント欄700に表示されている。
【0107】
レセプト画面600において、カーソルCを移動させてボタン1702をクリックすると、コメント内容が切り替わって(ここではコメント内容は同じ)、明細項目Hi−1についての部門3に対するコメント『患者IDが未入力です』がコメント欄700に表示される。
【0108】
このときコメント欄700に表示されているコメントは、他部門に対するコメントのため、『確認済』のチェックをおこなうことができない『参照モード』(図中、符号1703)となっている。さらにこのあとカーソルCを移動させてボタン1701をクリックすると、コメント内容が部門1に対するコメント『患者IDが未入力です』に切り替わる。
【0109】
また、部門1に対するコメント『患者IDが未入力です』を確認したあと、カーソルCを移動させてボタン1010をクリック(チェック)した状態で、ボタン740をクリックすると、表示領域A41強調表示が解除される。
【0110】
なお、自部門に対するコメントを表示する際のコメント欄700の背景色と、他部門に対するコメントを表示する際のコメント欄700の背景色とを、表示領域を強調表示する際の色とそれぞれ合わせることとしてもよい。これにより、ユーザが自部門に対するコメントなのか他部門に対するコメントなのかを簡単に識別することができる。
【0111】
つぎに、複数コメントをコメント欄に表示する表示制御処理手順について説明する。図18は、複数コメントをコメント欄に表示する表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートにおいて、まず、検出部507により、強調表示された表示領域の選択指示が検出されたか否かを判断する(ステップS1801)。
【0112】
ここで、選択指示が検出されるのを待って(ステップS1801:No)、検出された場合(ステップS1801:Yes)、取得部501により、選択指示が検出された表示領域と同一行の明細項目に関するコメントデータをコメントDB120から取得する(ステップS1802)。
【0113】
このあと、判定部505により、取得されたコメントデータに基づいて、明細項目単位で設けられた複数の表示領域のうち、選択指示が検出された一の表示領域とは異なる他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを判定する(ステップS1803)。
【0114】
ここで、他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されていると判定された場合(ステップS1803:Yes)、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、一の表示領域と関連付けられたコメントデータと、他の表示領域と関連付けられたコメントデータとを、複数のコメントデータ間で切り替え可能にコメント欄700に表示する(ステップS1804)。
【0115】
一方、他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されていないと判定された場合(ステップS1803:No)、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、一の表示領域と関連付けられたコメントデータをコメント欄700に表示する(ステップS1805)。
【0116】
このように実施例2によれば、自部門に対するコメントデータを確認する際に、他部門に対するコメントデータも一度に参照することができる。また、このとき、他部門に対するコメントは参照モードでの表示とすることにより、他部門に対するコメントが誤って削除されることを防ぐことができる。
【実施例3】
【0117】
つぎに、実施の形態1の実施例3について説明する。実施例3では、明細項目についてのコメント入力時に指定された表示位置に吹き出し表示する場合について説明する。ここでは、図19に示すレセプト画面を用いて、レセプトデータRi内の明細項目Hi−5の『72,402』の部分が誤っている旨のコメントを部門1に対して残す場合について説明する。
【0118】
図19は、指定された表示位置に吹き出し表示する画面例を示す説明図である。図19において、まず、検出部507により、カーソルCが指し示す表示位置の明細項目Hi−5に関するコメントデータの入力指示を検出する。具体的には、たとえば、カーソルCが『72,402』の部分を指し示した状態での右クリックを検出する。
【0119】
そして、決定部509により、検出部507によって検出された表示位置を吹き出し表示の表示位置に決定する。具体的には、たとえば、検出部507によって検出されたカーソルCが指し示す表示位置の座標位置を特定し、特定された座標位置を吹き出し表示の表示位置に決定することとしてもよい。なお、カーソルCが指し示す表示位置の座標位置は、たとえば、レセプトデータRi内での座標位置として特定してもよく、また、明細項目内での座標位置として特定してもよい。ここでは、明細項目内での座標位置として特定する。明細項目内での原点位置は任意に設定可能であり、たとえば、左上角、右上角、左下角または右下角などに設定する。
【0120】
このあと、表示制御部506は、コメント表示部508を制御して、選択欄1900を表示する。ここで、カーソルを移動して任意のボタン1901〜1903をクリックすることで、任意の部門1〜3に対するコメントを入力することができる。コメントの入力が完了すると、レセプトID『Ri』と、明細項目ID『Hi−5』と、部門『1』と、コメントデータと、決定部509によって決定された座標位置とが関連付けられてコメントDB120に登録される。
【0121】
以降において、レセプト画面600において、カーソルCを移動させて表示領域A4を指し示すと、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、表示領域A4と関連付けて登録されているコメントデータCi−5が、明細項目Hi−5内の『71,402』の表示位置に吹き出し表示される。
【0122】
具体的には、まず、取得部501により、検出部507によってカーソルCが指し示す位置が表示領域A4内であることが検出された場合、表示領域A4と関連付けられたコメントデータ(決定部509によって決定された座標位置を含む)をコメントDB120から取得する。そして、表示制御部506により、コメント表示部508を制御して、取得部501によって取得されたコメントデータの一部または全部を、決定部509によって決定された座標位置に吹き出し表示する。
【0123】
より詳細に説明すると、取得部501によって取得されたコメントデータから特定される明細項目(ここでは明細項目Hi−5)内での座標位置を特定し、特定された座標位置に吹き出し口が位置するように吹き出し表示する。このように、吹き出し表示する表示位置を明細項目内での座標位置として特定することで、レセプトデータRiの記載内容が修正された場合(たとえば、明細項目の追加、削除など)であっても、適切な表示位置に吹き出し表示することができる。
【0124】
さらに、吹き出し表示する表示位置を、カーソルCが指し示す文字(図19に示す例では『7』)を含む文字列(図19に示す例では『7,2402』)の表示位置として特定することとしてもよい。この場合、コメントデータから特定される明細項目Hi−5内での文字列『7,2402』の座標位置(たとえば、文字列の中心位置)を特定し、特定された座標位置に吹き出し表示する。これにより、同一の明細項目の内容が修正された場合であっても、文字列が削除されていない限り、適切な表示位置に吹き出し表示することができる。なお、吹き出し表示する表示位置を特定することができなかった場合には、通常の表示位置(ここでは表示領域A4)に吹き出し表示することとしてもよい。
【0125】
このように実施例3によれば、任意の表示位置にコメントを吹き出し表示することができる。これにより、明細項目内の誤り箇所に吹き出し表示することができる。この結果、明細項目内のどの部分について指摘されているのかをユーザが容易に特定することができる。さらに、明細項目内のどの部分が誤っているのかをコメントとして詳細に残す必要がないため、コメント入力時の手間を軽減することができる。
【0126】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明した表示制御装置を医療業務支援システムに適用する場合について説明する。なお、実施の形態1で示した構成と同一構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0127】
まず、本実施の形態2にかかる医療業務支援システムのシステム構成について説明する。図20は、本実施の形態2にかかる医療業務支援システムのシステム構成図である。図20において、医療業務支援システム2000は、サーバ2001と、複数のクライアント端末2002−1〜2002−m(図20では3台)と、がインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク414を介して相互に通信可能に接続されている。
【0128】
サーバ2001は、レセプトDB110とコメントDB120とを備え、クライアント端末2002−1〜2002−mからのレセプトデータの表示要求を受け付けるコンピュータ装置である。各クライアント端末2002−1〜2002−mでおこなわれたレセプトデータの作成、修正、削除、およびコメントデータの作成、修正、削除はサーバ2001において一元管理される。
【0129】
クライアント端末2002−1〜2002−mは、医師課部門や医事課部門の担当者(図20では、医師A、医師B、医療事務員C)が使用するコンピュータ装置である。各担当者は、クライアント端末2002−1〜2002−mにおいて、レセプトデータの作成、修正、削除、およびコメントデータの作成、修正、削除をおこなうことができる。なお、クライアント端末2002−1〜2002−mは、各端末のブラウザ機能を利用して、レセプトデータをHTML(HyperText Markup Language)形式でディスプレイ408に表示する。
【0130】
ここで、医療業務支援システム2000における一連の処理の概要を説明する。まず、サーバ2001は、たとえば、医師Aが使用するクライアント端末2002−1からレセプトデータの表示要求があった場合、その表示要求から特定されるレセプトデータをレセプトDB110から取得して要求元のクライアント端末2002−1に送信する。
【0131】
この結果、医師Aが使用するクライアント端末2002−1にレセプトデータが表示される。このあと、クライアント端末2002−1において、レセプトデータの修正やコメントデータの作成、修正、削除などの変更処理がおこなわれた場合、その変更結果がサーバ2001に送信される。
【0132】
また、サーバ2001において受信された変更結果は、レセプトDB110およびコメントDB120の記憶内容に反映される。なお、レセプトデータの同時閲覧を防止するために、クライアント端末2002−1がサーバ2001にアクセス中は、他のクライアント端末2002−2〜2002−mからサーバ2001へのアクセスを禁止することとしてもよい。
【0133】
以上説明した実施の形態2によれば、各部門の担当者が使用するクライアント端末2002−1〜2002−mからサーバ2001にアクセスすることで、レセプトチェックにかかる各種作業を自端末でおこなうことができる。これにより、各担当者が操作端末(実施の形態1で説明したレセコン装置101)に足を運ぶ手間が省け、利便性の向上を図ることができる。
【0134】
このように、この表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法によれば、コメント表示にかかる使用エリアを極小化するとともに、部門ごとのコメント対応を可能とすることにより、レセプトチェックにかかる作業負担の軽減化および作業効率の向上を図ることができる。
【0135】
なお、本実施の形態で説明した表示制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】実施の形態1の概要を示す説明図である。
【図2】レセプトDBの記憶内容を示す説明図である。
【図3】コメントDBの記憶内容を示す説明図である。
【図4】レセコン装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】レセコン装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】レセプトデータの画面例を示す説明図である。
【図7】コメント欄の一例を示す説明図である。
【図8】表示領域が強調表示された画面例を示す説明図である。
【図9】吹き出し表示された画面例を示す説明図である。
【図10】コメントが表示された画面例を示す説明図である。
【図11】実施の形態1にかかるレセコン装置の表示制御処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図12】実施の形態1にかかるレセコン装置の表示制御処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図13】実施の形態1にかかるレセコン装置の表示制御処理手順の一例を示すフローチャート(その3)である。
【図14】複数コメントの吹き出し表示の一例を示す説明図である。
【図15】選択欄の一例を示す説明図である。
【図16】複数コメントを吹き出し表示する表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】複数コメントを表示するコメント欄の一例を示す説明図である。
【図18】複数コメントをコメント欄に表示する表示制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】指定された表示位置に吹き出し表示する画面例を示す説明図である。
【図20】本実施の形態2にかかる医療業務支援システムのシステム構成図である。
【符号の説明】
【0137】
101 レセプトコンピュータ装置
110 レセプトDB
120 コメントDB
501 取得部
502 表示部
503 入力部
504 強調表示部
505 判定部
506 表示制御部
507 検出部
508 コメント表示部
509 決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
表示画面上の明細データ内の明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域を強調表示する強調表示手段、
前記明細項目単位で設けられた前記部門の表示領域に関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを前記表示領域ごとに判定する判定手段、
前記強調表示手段を制御して、前記判定手段によってコメントデータが登録されていると判定された部門の表示領域を強調表示する表示制御手段、
として機能させることを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記表示画面にコメントデータを表示するコメント表示手段、
前記強調表示手段によって強調表示された表示領域の選択指示を検出する検出手段、
前記検出手段によって選択指示が検出された表示領域と関連付けられたコメントデータを取得する取得手段として機能させ、
前記表示制御手段は、
前記コメント表示手段を制御して、前記取得手段によって取得されたコメントデータを所定の表示領域に表示することを特徴とする請求項1に記載の表示制御プログラム。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記検出手段によって選択指示が検出された場合、前記明細項目単位で設けられた複数の表示領域のうち、前記選択指示が検出された一の表示領域とは異なる他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを判定し、
前記取得手段は、
前記判定手段によって前記他の表示領域と関連付けられたコメントデータが登録されていると判定された場合、前記一の表示領域と関連付けられたコメントデータとともに、前記他の表示領域と関連付けられたコメントデータを取得し、
前記表示制御手段は、
前記コメント表示手段を制御して、前記取得手段によって取得された前記一の表示領域と関連付けられたコメントデータと、前記他の表示領域と関連付けられたコメントデータとを前記所定の表示領域に表示することを特徴とする請求項2に記載の表示制御プログラム。
【請求項4】
前記検出手段は、
前記表示画面に表示されたカーソルが指し示す位置が強調表示された表示領域内であることを検出し、
前記取得手段は、
前記検出手段によって前記カーソルが指し示す位置が強調表示された表示領域内であることが検出された場合、当該表示領域と関連付けられたコメントデータを取得し、
前記表示制御手段は、
前記コメント表示手段を制御して、前記取得手段によって取得されたコメントデータの一部または全部を吹き出し表示することを特徴とする請求項2または3に記載の表示制御プログラム。
【請求項5】
表示画面上の明細データ内の明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域を強調表示する強調表示手段と、
前記明細項目単位で設けられた前記部門の表示領域に関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを前記表示領域ごとに判定する判定手段と、
前記強調表示手段を制御して、前記判定手段によってコメントデータが登録されていると判定された部門の表示領域を強調表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
コンピュータによる表示制御方法であって、
表示画面上の明細データ内の明細項目単位で設けられた部門ごとの表示領域を強調表示する強調表示工程と、
前記明細項目単位で設けられた前記部門の表示領域に関連付けられたコメントデータが登録されているか否かを前記表示領域ごとに判定する判定工程と、
前記強調表示工程を制御して、前記判定工程によってコメントデータが登録されていると判定された部門の表示領域を強調表示する表示制御工程と、
を含んだことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−237954(P2009−237954A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83924(P2008−83924)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】