説明

表示制御方法、表示制御装置およびプログラム

【課題】文字の削除および入力が連続しておこなわれた場合であっても、削除された文字の残像を目立たなくすることで、ユーザーに与える違和感を軽減すること。
【解決手段】表示制御装置は、表示部に表示する文字データを取得する文字取得部と、文字取得部が取得した文字データに応じた文字を、表示部における文字表示領域に表示させる表示制御部とを備える。表示制御部は、文字表示領域において、予め定められた形状を有する画素群を複数用いて、文字取得部が取得した文字データに応じた文字を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御方法、表示制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
共通電極が形成された基板と、画素ごとに画素電極が形成された基板との間に、電気泳動材料液が注入されたマイクロカプセルを画素ごとに配置した、電気泳動方式を利用したディスプレイが知られている(たとえば、特許文献1参照。)。このようなディスプレイによれば、表示情報に対応する画素の画素電極に対し、電圧を印加してマイクロカプセル内の粒子を移動させることにより、表示情報に対応する画素を着色し、表示情報として表示することができる。一方、文字の入力用に、画面上にキーボードを表示させ、表示されたキーボードのうちの任意のキーが選択された場合に、選択されたキーをバッファ用の文字入力欄に表示するソフトウェアキーボードが知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−237395号公報
【特許文献2】特開2008−257551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような電気泳動方式を用いたディスプレイにおいては、その構造上、表示を切り替えた際に、過去の表示が残像として残ってしまう。このため、このようなディスプレイを、特許文献2に記載されているようなソフトウェアキーボードの表示に用いた場合、表示された文字が削除された場合であっても、この削除された文字の残像が残って表示されてしまう。さらに、文字の入力及び文字の削除が繰り返された場合、削除された複数の文字の残像が積み重なって表示されてしまう。このような残像は、文字の表示領域において目立つため、ユーザーに違和感を与えてしまう。
【0005】
本発明にかかる幾つかの態様は、上記課題を解決することで、文字の削除および入力が連続しておこなわれた場合であっても、削除された文字の残像を目立たなくすることで、ユーザーに与える違和感を軽減することができる表示制御方法、表示制御装置およびプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の表示制御方法は、複数の画素を備えた表示部における文字の表示を制御する表示制御方法であって、文字データを取得する文字取得工程と、前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字を、前記表示部における文字表示領域に表示させる表示制御工程とを有し、前記表示制御工程では、前記文字表示領域において、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字を表示させることを特徴とする。上記本発明に係る表示制御方法によれば、文字を消去した場合にこの文字の残像が生じる場合であっても、この残像を、予め定められた形状をなす画素群を複数組み合わせたものとすることができる。また、消去された文字の残像に対し、新たに入力された文字を画素群単位で重ねて表示させることができる。これにより、削除された文字の残像のうち、新たに入力された文字を構成する複数の画素群のうち一の画素群と重なる画素群に生じた残像は、この新たに入力された文字の画像の一部によって上書きされる。さらに、削除された文字の残像のうち、新たに入力された文字を構成する複数の画素群のいずれとも重ならない画素群に生じた残像も目立たなくすることができるため、ユーザーに対して与える違和感を軽減することができる。
【0007】
上記表示制御方法において、前記文字表示領域は、前記画素群を複数含むとともに一の文字を表示するための、部分領域を複数有し、前記表示制御工程では、一つの前記部分領域につき、前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字の一つを表示させてもよい。かかる構成によれば、部分領域以外の領域に残像が表示されたり、複数の部分領域にまたがって残像が表示されたりすることがないため、残像をより目立たなくしてユーザーに対して与える違和感を軽減することができる。
【0008】
上記表示制御方法において、前記文字表示領域において、互いに隣り合う2つの画素群同士は、文字の表示に用いない画素が間に設けられていることで、互いに離間していてもよい。かかる構成によれば、画素群が着色されたときに、たとえば文字が表示されたときに、相対的に画素群の輪郭を強調することができ、結果的に文字表示領域に表示された文字を強調する効果を得ることができる。
【0009】
上記表示制御方法において、前記複数の画素群のそれぞれは、表示用セグメント形状を有してもよい。かかる構成によれば、複数の画素群のそれぞれを従来の表示装置に用いられている表示用セグメント形状としたことで、削除された文字の残像をより目立たなくし、ユーザーに対して与える違和感をより軽減することができる。
【0010】
上記表示制御方法において、前記複数の画素群のそれぞれは、ドット形状を有してもよい。かかる構成によれば、複数の画素群のそれぞれを従来の表示装置に用いられているドット形状としたことで、削除された文字の残像をより目立たなくし、ユーザーに対して与える違和感をより軽減することができる。
【0011】
上記表示制御方法において、表示制御工程では、前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字を表示する前に、前記複数の画素群のそれぞれを、文字を表示させたときと異なる階調レベルで、予め表示させておくことを特徴とする。かかる構成によれば、文字の表示に用いられなかった画素群でも既に残像が生じているので、文字を消去したときに生じる残像が、文字の表示に用いられなかった画素群で生じている残像にまぎれる。そのため、文字を消去したときに生じる残像をより目立たなくすることができる。また、文字の書き込みと消去を繰り返すと、残像が蓄積され、画素群によって残像の濃さが異なることがある。しかし、文字を表示する前に既に複数の画素群のそれぞれに残像が生じているため、ユーザーが不均一な濃度の残像から受ける不快感を低減することが出来る。さらに、文字の表示に用いられた画素群と、文字の表示に用いられなかった画素群とでは、表示される階調レベルが異なるので、ユーザーは、表示された文字を容易に認識することができる。
【0012】
また、本発明の第2の態様の表示制御装置は、複数の画素を備えた表示部における文字の表示を制御する表示制御装置であって、文字データを取得する文字取得部と、前記文字取得部が取得した文字データに応じた文字を、前記表示部における文字表示領域に表示させる表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記文字表示領域において、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、前記文字取得部が取得した文字データに応じた文字を表示させることを特徴とする。上記本発明に係る表示制御装置によれば、文字を消去した場合にこの文字の残像が生じる場合であっても、この残像を、予め定められた形状をなす画素群を複数組み合わせたものとすることができる。また、消去された文字の残像に対し、新たに入力された文字を画素群単位で重ねて表示させることができる。これにより、削除された文字の残像のうち、新たに入力された文字を構成する複数の画素群のうち一の画素群と重なる画素群に生じた残像は、この新たに入力された文字の画像の一部によって上書きされる。さらに、削除された文字の残像のうち、新たに入力された文字を構成する複数の画素群のいずれとも重ならない画素群に生じた残像も目立たなくすることができるため、ユーザーに対して与える違和感を軽減することができる。
【0013】
また、本発明の第3の態様のプログラムは、コンピューターを、文字データを取得する文字取得手段、文字取得手段が取得した文字データに応じた文字を、表示部における文字表示領域に表示させる表示制御手段であって、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、前記文字取得手段が取得した文字データに応じた文字を表示させる表示制御手段として機能させる。上記本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムをコンピューターが実行することにより、コンピューターは、文字を消去した場合にこの文字の残像が生じる場合であっても、この残像を、予め定められた形状をなす画素群を複数組み合わせたものとすることができる。また、消去された文字の残像に対し、新たに入力された文字を画素群単位で重ねて表示させることができる。これにより、削除された文字の残像のうち、新たに入力された文字を構成する複数の画素群のうち一の画素群と重なる画素群に生じた残像は、この新たに入力された文字の画像の一部によって上書きされる。さらに、削除された文字の残像のうち、新たに入力された文字を構成する複数の画素群のいずれとも重ならない画素群に生じた残像も目立たなくすることができるため、ユーザーに対して与える違和感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1に係る表示装置100の外観の一例を示す。
【図2】表示装置100の機能構成の一例を示す。
【図3】ディスプレイ120に表示された画面の一例を示す。
【図4】文字入力枠312の構成例を示す。
【図5】表示制御部214による表示制御処理の手順の一例を示す。
【図6】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図7】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図8】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図9】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図10】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図11】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図12】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図13】表示制御処理による文字の表示例を示す。
【図14】文字入力枠312の他の構成例を示す。
【図15】表示制御処理による文字の他の表示例を示す。
【図16】表示制御処理による文字の他の表示例を示す。
【図17】表示制御処理による文字の他の表示例を示す。
【図18】表示装置100のハードウェア構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
図1は、実施例1に係る表示装置100の外観の一例を示す。表示装置100は、本発明にかかる表示制御装置の一例である。表示装置100は、たとえば文字データを表示することが可能な、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、電子ブック、携帯音楽再生装置、携帯動画再生装置、携帯ナビゲーション装置などである。上記に限らず、本発明にかかる表示制御装置は、少なくとも文字データを表示することが可能な装置であればよく、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPCなどによって実現されてもよい。
【0016】
表示装置100は、筐体110、入力部の一例としてのキーボード115、および表示部の一例としてのディスプレイ120を備える。筐体110は、電源、CPU、メモリー、ハードディスク、キーボード115、ディスプレイ120、ディスプレイ駆動回路122など、表示装置100を動作させるための各種ハードウェアを収容する。
【0017】
キーボード115は、複数の入力キーを有する。キーボード115は、複数の入力キーをユーザーが操作することにより、操作された入力キーに応じた文字または制御信号を、表示装置100に対して入力する。
【0018】
ディスプレイ120は、ディスプレイ駆動回路122(図18参照)によって駆動され、キーボード115によって入力された文字データに応じた文字を表示する。ディスプレイ120は、キーボード115によって入力された文字データに応じた文字に限らず、文書、画像、管理情報、ボタン、アイコンなどを表示することもできる。実施例1の表示装置100は、ディスプレイ120として、電気泳動方式を利用した電子ペーパーを用いている。ディスプレイ120は、電子ペーパーに限らず、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど、他の表示デバイスを表示部として備えてもよい。
【0019】
表示装置100は、キーボード以外の入力部が設けられていてもよい。例えば、ディスプレイ120の表示面に、タッチパネルが重ねて設けられていてもよい。この場合、表示装置100は、このタッチパネルによって、文字データが入力されてもよい。表示装置100は、文字データを入力するための入力部が設けられていなくてもよい。すなわち、表示装置100は、外部から文字データが入力されるものや、文字データの入力機能を有さないものであってもよい。
【0020】
図2は、表示装置100の機能構成の一例を示す。表示装置100は、文字取得部212、および表示制御部214を備える。文字取得部212は、文字データを取得する。具体的には、文字取得部212は、キーボード115によって入力された文字データを取得する。ディスプレイ120に表示させる文字は、キーボード115によって入力されたものに限らない。たとえば、表示装置100は、表示を伴うソフトウェアの処理結果などとして、文字をディスプレイ120に表示してもよい。このような場合、文字取得部212は、ディスプレイ120に表示させる文字を、CPU、メモリー、または外部の装置などから取得してもよい。
【0021】
表示制御部214は、ディスプレイ120による各種データの表示を制御する。たとえば、文字取得部212が文字データを取得した場合、表示制御部214は、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字をディスプレイ120に表示させる。具体的には、表示制御部214は、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字を、ディスプレイ120における文字表示領域に表示させる。
【0022】
文字表示領域は、文書作成ソフトウェアのように、既に表示されている文書に続けて入力された文字を表示することができるような主画面上の領域であってもよい。また、文字表示領域は、検索キーワードを入力するボップアップ画面や、ツールバーのように、主画面に対して重ねてまたは並べて設けられている副画面上の領域であってもよい。
【0023】
実施例1の表示制御部214は、文字表示領域において、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字を表示させる。ここで、画素群とは、複数の画素からなる、画素の塊を示す。具体的には、表示制御部214は、文字表示領域において、画素群を文字の表示に用い、文字表示領域に含まれる複数の画素のうち画素群に含まれない画素は、文字の表示に用いない。そして、表示制御部214は、文字表示領域において、一または複数の画素群を選択的に表示させることにより、1つの文字を表示させる。
【0024】
たとえば、複数の画素群のそれぞれには、表示用セグメント形状を有するものが用いられる。たとえば、画素群の形状としては、n列m行の複数の画素からなる長方形や平行四辺形のセグメント形状が用いられる。この場合、画素群の形状は、完全な長方形や平行四辺形でなくてもよく、角を丸くする、角を落とすなどの加工を加えられたものであってもよい。また、画素群は、表示に用いない画素が一部含まれていることにより、当該画素群が表示されたときに、この表示に用いない画素が隙間や模様となるように構成されていてもよい。
【0025】
他の例として、複数の画素群のそれぞれには、ドット形状を有するものが用いられる。たとえば、画素群の形状としては、複数の画素からなる正方形が用いられる。この場合も、画素群の形状は、完全な正方形でなくてもよく、角を丸くする、角を落とすなどの加工を加えられたものであってもよい。このように、画素群をドット形状とするこの場合も、画素群は、表示に用いない画素が一部含まれていることにより、当該画素群が表示されたときに、この表示に用いない画素が隙間や模様となるように構成されていてもよい。
【0026】
なお、複数の画素群のそれぞれは、表示用セグメント形状、ドット形状に限定するものではない。複数の画素群のそれぞれは、画素群を組み合わせることによって文字をなすことができるものであれば、どのような形状を有していてもよい。
【0027】
文字表示領域は、一の文字を表示するための部分領域を複数有するものであってもよい。一の部分領域は画素群を複数含んでいる。この場合、表示制御部214は、一つの部分領域につき、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字の一つを表示させるようにしてもよい。たとえば、文字表示領域には、p個の部分領域が並べて設けられていてよい。この場合、表示制御部214は、一つの部分領域につき、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字の一つを表示させることで、最大p個の文字を文字表示領域に表示させるようにしてもよい。また、文字表示領域には、複数の部分領域がq列r行に並べて設けられていてよい。この場合、表示制御部214は、一つの部分領域につき、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字の一つを表示させることで、最大q×r個の文字を文字表示領域に表示させるようにしてもよい。
【0028】
なお、文字領域は上記したような部分領域を有さないものであってもよい。この場合、文字表示領域に表示させる文字数および文字幅の制限がなくなるため、表示制御部214は、より多くの文字を文字表示領域に表示させたり、より幅の広い文字を文字表示領域に表示させたりすることができる。
【0029】
文字表示領域において、互いに隣り合う2つの画素群同士は、間に文字の表示に用いない画素が設けられていることで、互いに離間していてもよい。一の画素を所定の階調レベルで着色するために、所定の駆動電圧をその画素に供給しても、その画素の表示履歴によっては、所定の階調レベルで着色できないことがある。そのため、互いに隣り合う2つの画素群をいずれも同じ階調レベルで着色しようとしたとき、各画素群の中では階調レベルが均一であっても、2つの画素群の間で階調レベルが異なることが起こりうる。このとき、互いに隣り合う2つの画素群の間にユーザーに認識可能な非着色領域が設けられていなければ、2つの画素群の間での階調レベルの差がユーザーに認識される。そのため、ユーザーは不快感を覚える。しかし、各々の内部で階調レベルが均一な互いに隣り合う2つの画素群の間に、文字の表示に用いない画素が設けられていれば、互いに隣り合う2つの画素群の間に階調レベルの差があっても、その階調レベルの差は認識されにくい。そのため、ユーザーが不快感を覚えることを低減できる。
【0030】
表示制御部214は、文字取得部212が取得した文字を表示する前に、複数の画素群のそれぞれを、文字を表示させたときと異なる階調レベルで、予め表示させておいてもよい。たとえば、表示制御部214は、文字取得部212が取得した文字データに応じた文字を表示する前に、複数の画素群のそれぞれを、文字を表示させたときよりも薄い濃度(階調)で、予め表示させておいてもよい。表示制御部214は、たとえば、複数の画素群のそれぞれで黒を表示した後に、複数の画素群それぞれの表示を白に切り替えることで、複数の画素群それぞれに残像を残しておいてもよい。この時の残像は黒と白の間の中間の階調レベルになる。これにより、文字の表示に用いられなかった画素群でも既に残像が生じているので、文字を消去したときに生じる残像が、文字の表示に用いられなかった画素群で生じている残像にまぎれる。そのため、文字を消去したときに生じる残像をより目立たなくすることができる。また、文字の書き込みと消去を繰り返すと、残像が蓄積され、画素群によって残像の濃さが異なることがある。しかし、文字を表示する前に既に複数の画素群のそれぞれに残像が生じているため、ユーザーが不均一な濃度の残像から受ける不快感を低減することが出来る。さらに、文字の表示に用いられた画素群と、文字の表示に用いられなかった画素群とでは、表示される階調レベルが異なるので、ユーザーは、表示された文字を容易に認識することができる。なお、一の画素群に残像を残すとき、必ずしも該一の画素群に含まれる全ての画素に、残像を残さなくてもよい。要は、文字を消去したときに生じる残像が目立ちにくいように、画素群の形状にほぼ対応する領域に残像を残せばよい。
【0031】
図3は、ディスプレイ120に表示された画面の一例を示す。ディスプレイ120には、主画面300が表示されている。たとえば、主画面300は、文書を作成および表示する文書ソフトウェアの表示画面である。たとえば、主画面300は、既に作成されている文書を表示する。また、キーボード115から入力された文字を用いて、新規文書を作成する。また、キーボード115から入力された文字を用いて、既に作成されている文書を編集する。
【0032】
主画面300上には、副画面310が重ねて表示されている。副画面310は、表示されることで文字入力をユーザーに促す。副画面310は、文字入力枠312を有する。文字入力枠312は、本発明にかかる文字表示領域の一例である。副画面310が表示されている状態で、キーボード115によって文字データに応じた文字が入力された場合、入力された文字データに応じた文字は、文字入力枠312内に表示される。そして、文字入力枠312に文字が表示されている状態で、確定ボタン314が押下されることにより、文字入力枠312に表示されている文字が主画面300の所定の位置に表示される。
【0033】
このとき、表示制御部214は、ディスプレイ120の画素電極を部分的に駆動させることにより、文字を文字入力枠312内に表示させる。また、表示制御部214は、ディスプレイ120の画素電極を全体的に駆動させることにより、文字を主画面300の所定の位置に表示させる。これにより、文字の表示にかかる画素電極の駆動時間および消費電力量を抑えることができる。これに限らず、表示制御部214は、ディスプレイ120の画素電極を全体的に駆動させることにより、文字を文字入力枠312内に表示させてもよい。また、表示制御部214は、ディスプレイ120の画素電極を部分的に駆動させることにより、文字を主画面300の所定の位置に表示させてもよい。
【0034】
このように、図3では、副画面310を介して、主画面300に文字を入力する構成例を示したが、これに限らず、副画面310を介さずに、主画面300に直接文字を入力することができるようにしてもよい。この場合、文字表示領域はたとえば、主画面300に表示され、編集されている文書のうち、現在編集されている行に対応する領域であり、副画面310が表示されなくてもよい。また、本発明にかかる文字表示領域は、主画面300上に設けられていてもよい。
【0035】
なお、副画面310は、主画面300が表示されている間、常に表示されているものであってもよい。また、副画面310は、主画面300が表示され、かつ表示装置100が文字入力モード(ユーザーが文字を入力するモード)に遷移した場合に、表示されるものであってもよい。また、副画面310は、主画面に対して並べて表示されていてもよい。また、副画面310は、主画面300に表示する文字を確定するためのものに限らず、検索キーワードを入力するものなど、文字の入力を必要とするその他の機能に用いられるものであってもよい。
【0036】
図4は、文字入力枠312の構成例を示す。文字入力枠312には、複数の部分領域400が所定の間隔を有して横一列に並べて設けられている。表示制御部214は、一つの部分領域400に対して、文字を一つだけ表示させる。各部分領域400は、複数の画素群402を含む。図4に示す例では、複数の画素群402のそれぞれは、表示セグメント形状を有する。また、一つの部分領域400は、英語のアルファベットやアラビア数字を表示するため、図4に示したように、互いに形状が異なる複数の画素群402を有する。図4では、全ての画素群402を表示させた例を示す。図4において、着色されている部分は、文字の表示に用いる複数の画素からなる領域(すなわち、複数の画素群402)を示す。一方、着色されていない部分は、文字の表示に用いない複数の画素からなる領域(すなわち、複数の画素群402以外の領域)を示す。表示制御部214は、複数の画素群402を選択的に組み合わせ、これを文字として表示させる。
【0037】
ここで、図4に示すように、互いに隣り合う2つの画素群402同士は、文字の表示に用いない画素(すなわち、文字も残像も表示されない画素)が間に設けられていることで、互いに離間している。これにより、たとえば文字が表示され、この表示に用いられた複数の画素群402が着色されたときに、相対的にこれら複数の画素群402の輪郭を強調することができ、結果的に文字入力枠312に表示された文字を強調する効果を得ることができる。なお、文字入力枠312には、カーソルや、句読点などの制御文字を表示することができる。表示制御部214は、制御文字を、部分領域400に表示させてもよい。この場合、表示制御部214は、部分領域400において、画素群402を用いて制御文字を表示させてもよく、画素群402以外の画素を用いて制御文字を表示させてもよい。他の例として、表示制御部214は、部分領域400以外の領域に制御文字を表示させてもよい。
【0038】
なお、部分領域400および複数の画素群402のそれぞれは、文字入力枠312に表示される文字のフォントサイズ、文字の複雑さなどによって、形状、大きさ等が異なるものであってもよい。たとえば、文字入力枠312に表示される文字のフォントサイズがより大きいほど、複数の画素群402のそれぞれのサイズをより大きくし、これに応じて、部分領域400のサイズをより大きくしてもよい。他の例として、文字入力枠312に表示される文字のフォントサイズがより大きいほど、部分領域400のサイズをより大きくし、これに応じて、部分領域400内における画素群402の数を増やしてもよい。他の例として、文字入力枠312に漢字などのより複雑な文字が表示される場合、これに応じて、部分領域400内における画素群402のサイズを小さくし、数を増やしてもよい。
【0039】
図5は、表示制御部214による表示制御処理(表示制御工程における処理)の手順の一例を示す。ここでは、主画面300が表示されている状態からの、表示制御部214による表示制御処理の一例を説明する。
【0040】
まず、表示制御部214は、文字入力モードが開始されると(ステップS502)、ディスプレイ120に既に表示されている主画面300上に、副画面310を重ねて表示させる(ステップS504)。たとえば、表示制御部214は、図3に示したように、文字入力枠312を有する副画面310を表示する。
【0041】
つぎに、表示制御部214は、文字入力枠312に含まれている複数の画素群402の全てを表示する(ステップS506)。そして、表示制御部214は、文字入力枠312に含まれている複数の画素群402の全ての表示を消去する(ステップS508)。これにより、表示制御部214は、文字入力枠312に含まれている複数の画素群402の全てに残像を発生させる。ここで生じた残像は、後で説明するステップS514を実行するまでは、自発的に完全に消えることはない。
【0042】
つぎに、表示制御部214は、キーボード115によって文字入力モードの終了コードが入力されたか否かを判断する(ステップS510)。ステップS510において、「文字入力モードの終了コードが入力された」と判断した場合(ステップS510:Yes)、表示制御部214は、文字入力枠312に表示されている文字列を主画面300に表示(ステップS512)する。そして、表示制御部214は、副画面310の表示を消去して(ステップS514)、表示制御処理を終了する。一方、ステップS510において、「文字入力モードの終了コードが入力されていない」と判断した場合(ステップS510:No)、表示制御部214は、ステップS516へ処理を進める。
【0043】
ステップS516では、表示制御部214は、キーボード115によってbackspaceが入力されたか否かを判断する(ステップS516)。ステップS516において、「backspaceが入力された」と判断した場合(ステップS516:Yes)、表示制御部214は、文字入力枠312に表示されているカーソルの現在位置の前の文字の表示を消去して(ステップS518)、消去した文字の前にカーソルの現在位置を移動させる(ステップS520)。そして、表示制御部214は、ステップS510へ処理を戻す。一方、ステップS516において、「backspaceが入力されていない」と判断した場合(ステップS516:No)、表示制御部214は、ステップS522へ処理を進める。
【0044】
ステップS522では、表示制御部214は、キーボード115によって文字データが入力されたか否かを判断する(ステップS522)。ステップS522において、「文字データが入力された」と判断した場合(ステップS522:Yes)、表示制御部214は、文字入力枠312に表示されているカーソルの現在位置の後ろの部分領域400に、入力された文字データに応じた文字を表示させる(ステップS524)。そして、文字を表示した部分領域400の後にカーソルの現在位置を移動させ(ステップS526)、ステップS510へ処理を戻す。一方、ステップS522において、「文字データが入力されていない」と判断した場合(ステップS522:No)、表示制御部214は、ステップS510へ処理を戻す。
【0045】
図6〜図13は、表示制御処理による文字の表示例を示す。図6〜図13に示すように、文字入力枠312は、20個の部分領域400が横一列に並べて設けられている。すなわち、文字入力枠312には、最大で20個の文字が、横一列に並べて表示される。
【0046】
まず、表示制御部214は、図6に示すように、ステップS506およびステップS508の処理をおこなうことにより、文字入力枠312に含まれている複数の画素群402の全てを表示し、これを消去する。具体的には、図4に示したように白地に黒の文字を表示するならば、文字入力枠312に含まれる全ての画素であらかじめ白を表示しておく。そして、ステップS506において、図6に示したように全ての画素群402の表示を黒に切り替える。さらにS508において、全ての画素群402の表示を白に切り替える。これにより、図7に示すように、文字入力枠312に含まれている複数の画素群402において、ステップS506で表示した黒画像の残像が残る。S508で得られた残像を初期残像と呼ぶことにする。なお、図7以降では、便宜上、ある時刻において文字入力枠312に生じている残像の相対的な濃さを表現するために、文字入力枠312に生じている残像のうち比較的薄い残像の縁を点線で示し、また、比較的濃い残像の縁を実線で示し、さらに濃い残像については、残像の縁を実線で示すとともに、斜線でハッチングを施してある。残像のこのような表現方法は、ある時刻において生じている残像の濃さの空間的な分布を表すものであって、残像の濃さの時間的な変化を表すものではない。
【0047】
そして、文字入力枠312に文字が表示されていない状態から、キーボード115によって文字列「THIS IS A PEN」が入力された場合、表示制御部214は、ステップS522からステップS526までの処理をこの文字列の文字数分(13回)繰り返しおこなうことにより、図8に示すように、文字入力枠312に文字列「THIS IS A PEN」を表示させ、この後ろにカーソル800の現在位置を移動させる。ここで、図7に示した初期残像が残ったまま、文字入力枠312に文字列「THIS IS A PEN」が表示される。このとき、文字入力枠312には、文字列「THIS IS A PEN」が初期残像と重なって表示されるが、その文字列を構成する複数の画素群402は、初期残像を構成する複数の画素群402の一部である。このように、表示される文字の画像は、画素群402単位で初期残像と重なっている。また、初期残像が残っている画素群402を用いて新たな画像が表示されるため、初期残像の一部は表示しようとする画像によって上書きされる。この文字列と重なっていない画素群402には初期残像が残っているため、この画素群402の表示濃度は、この文字列と重なっている画素群402の表示濃度よりも低く、かつ初期残像は予め定められた表示セグメント形状に生じている。そのため、この初期残像が目立つことはなく、ユーザーは、文字入力枠312において、文字列「THIS IS A PEN」を容易かつ違和感なく認識することができる。
【0048】
さらに、キーボード115によってbackspaceが4回入力された場合、表示制御部214は、ステップS516からステップS520までの処理を4回繰り返しおこなうことにより、図9に示すように、「 PEN」の表示を消去し、残った文字列「THIS IS A」の後ろにカーソル800の現在位置を移動させる。「PEN」の表示が消去されたことによって、「PEN」という文字の残像が初期残像に加えられるため、残像の濃さの分布は図9に示したように不均一になる。
【0049】
さらに、キーボード115によって文字列「N APPLE」が入力された場合、表示制御部214は、ステップS522からステップS526までの処理をこの文字列の文字数分(7回)繰り返しおこなうことにより、図10に示すように、文字入力枠312に対し、すでに表示されている文字列「THIS IS A」に続いて文字列「N APPLE」を表示させ、この後ろにカーソル800の現在位置を移動させる。このとき、文字入力枠312には、文字列「THIS IS AN APPLE」が、初期残像と、消去した文字列「PEN」の残像とに重なって表示されているが、表示される文字の画像は、画素群402単位で残像と重なっている。この文字列と重ならず、かつ残像が残っている画素群402の表示濃度は、この文字列と重なっている画素群402の表示濃度よりも低い。さらに、これらの残像は予め定められた表示セグメント形状に生じている。そのため、これらの残像が目立つことはなく、ユーザーは、文字入力枠312において、文字列「THIS IS AN APPLE」を容易かつ違和感なく認識することができる。
【0050】
さらに、キーボード115によってbackspaceが16回入力された場合、表示制御部214は、ステップS516からステップS520までの処理を16回繰り返しおこなうことにより、図11に示すように、文字列「THIS IS AN APPLE」の表示を消去し、カーソル800の現在位置を先頭に移動させる。文字列「THIS IS AN APPLE」の表示が消去されることによって、「THIS IS AN APPLE」という文字の残像が、初期残像と「PEN」という文字の残像に加えられるため、残像の濃さの分布は図11に示したように、さらに不均一になる。
【0051】
さらに、キーボード115によって文字列「IS THIS AN ORANGE?」が入力された場合、表示制御部214は、ステップS522からステップS526までの処理をこの文字列の文字数分(18回)繰り返しおこなうことにより、図12に示すように、文字入力枠312に対し、文字列「IS THIS AN ORANGE?」を表示させ、この後ろにカーソル800の現在位置を移動させる。このとき、文字入力枠312には、文字列「IS THIS AN ORANGE?」が、初期残像と、文字列「PEN」の残像と、文字列「THIS IS AN APPLE」の残像とに重なって表示されているが、表示される文字の画像は、画素群402単位で残像と重なっている。この文字列と重ならず、かつ残像が残っている画素群402の表示濃度は、この文字列と重なっている画素群402の表示濃度よりも低い。さらに、これらの残像は予め定められた表示セグメント形状に生じている。そのため、これらの残像が目立つことはなく、ユーザーは、文字入力枠312において、文字列「IS THIS AN ORANGE?」を容易かつ違和感なく認識することができる。
図6から図12に示したような課程を経て「IS THIS AN ORANGE?」という文字を文字入力枠312に表示させた場合、「THIS IS AN APPLE」という文字の残像と「PEN」という文字の残像が初期残像に加えられるため、残像の濃さの分布は図11に示したように不均一になっている。しかし、これらの残像は予め定められた表示セグメント形状に生じているため、いろいろな文字の残像が蓄積された場合でも、ユーザーは、残像に対して強い不快感を感じることなく、文字入力枠312に表示されている文字列を容易かつ違和感なく認識することができる。
【0052】
そして、図13に示すように、文字列「IS THIS AN ORANGE?」が文字入力枠312に表示されている状態から、確定ボタン314が押下された場合、表示制御部214は、文字列「IS THIS AN ORANGE?」を主画面300の所定の位置に表示する。その後、表示制御部214は、副画面310の表示を消去させてもよく、副画面310を表示させたままとしてもよい。
【0053】
このように、表示制御部214は、予め定められた表示セグメント形状を有する複数の画素群402を用いて、文字入力枠312に文字を表示させる。これにより、予め定められた表示セグメント形状を有する画素群402単位で、消去された文字の残像を表示させることができる。また、消去された文字の残像と、新たに入力された文字とを画素群402単位で重ねて表示させることができる。これにより、削除された文字の残像を目立たなくし、ユーザーに対して与える違和感を軽減することができる。
【0054】
(実施例2)
続いて、実施例2を説明する。実施例1では、画素群の形状を表示用セグメント形状とする例について説明したが、実施例2では、画素群の形状をドット形状とする例について説明する。図14は、文字入力枠312の他の構成例を示す。文字入力枠312には、複数の部分領域410が所定の間隔を有して横一列に並べて設けられている。表示制御部214は、一つの部分領域410に対して、文字を一つだけ表示させる。各部分領域410は、複数の画素群412を含む。図14に示す例では、複数の画素群412のそれぞれは、ドッド形状を有する。図14では、全ての画素群412を表示させた例を示す。図14において、着色されている部分は、文字の表示に用いる複数の画素からなる領域(すなわち、複数の画素群412)を示す。一方、着色されていない部分は、文字の表示に用いない複数の画素からなる領域(すなわち、複数の画素群412以外の領域)を示す。表示制御部214は、複数の画素群412を選択的に組み合わせ、これを文字として表示させる。
【0055】
ここで、図14に示すように、隣り合う画素群412同士は、文字の表示に用いない画素(すなわち、文字も残像も表示されない画素)が間に設けられていることで、互いに離間している。そのため、実施例1の場合と同様に、各々の内部で階調レベルが均一な互いに隣り合う2つの画素群の間に、文字の表示に用いない画素が設けられているため、互いに隣り合う2つの画素群の間に階調レベルの差があっても、その階調レベルの差は認識されにくい。そのため、ユーザーが不快感を覚えることを低減できる。
【0056】
なお、部分領域410および複数の画素群412のそれぞれは、文字入力枠312に表示される文字のフォントサイズ、文字の複雑さなどによって、形状、大きさ等が異なるものであってもよい。たとえば、文字入力枠312に表示される文字のフォントサイズがより大きいほど、複数の画素群412のそれぞれのサイズをより大きくし、これに応じて、部分領域400のサイズをより大きくしてもよい。他の例として、文字入力枠312に表示される文字のフォントサイズがより大きいほど、部分領域410のサイズをより大きくし、これに応じて、部分領域410内における画素群412の数を増やしてもよい。他の例として、文字入力枠312に漢字などのより複雑な文字が表示される場合、これに応じて、部分領域410内における画素群412のサイズを小さくし、数を増やしてもよい。
【0057】
図15〜図17は、表示制御処理による文字の他の表示例を示す。図15〜図17に示すように、文字入力枠312は、20個の部分領域410が横一列に並べて設けられている。すなわち、文字入力枠312には、最大で20個の文字が、横一列に並べて表示される。
【0058】
まず、表示制御部214は、図15に示すように、ステップS506およびステップS508の処理をおこなうことにより、文字入力枠312に含まれている複数の画素群412の全てを表示し、これを消去する。具体的には、図14に示したように白地に黒の文字を表示するならば、文字入力枠312に含まれる全ての画素であらかじめ白を表示しておく。そして、図15に示したように全ての画素群412の表示を黒に切り替える。全ての画素群412の表示を白に切り替える。これにより、図16に示すように、文字入力枠312に含まれている複数の画素群412において、表示した黒画像の残像が残る。なお、図16以降では、便宜上、残像を点線で示している。
【0059】
そして、文字入力枠312に文字が表示されていない状態から、キーボード115によって文字列「Is this an orange?」が入力された場合、表示制御部214は、ステップS522からステップS526までの処理をこの文字列の文字数分(18回)繰り返しおこなうことにより、図17に示すように、文字入力枠312に文字列「Is this an orange?」を表示させ、この後ろにカーソル800の現在位置を移動させる。ここで、図17に示す例では、文字入力枠312には、文字列「Is this an orange?」が図16に示した初期残像と重なって表示されているが、表示される文字の画像は、画素群412単位で残像と重なっている。この文字列と重ならず、かつ残像が残っている画素群412の表示濃度は、この文字列と重なっている画素群412の表示濃度よりも低い。さらに、これらの残像は予め定められたドット形状に生じている。そのため、これらの残像が目立つことはなく、ユーザーは、文字入力枠312において、文字列「Is this an orange?」を容易かつ違和感なく認識することができる。
【0060】
このように、表示制御部214は、予め定められたドット形状を有する複数の画素群412を用いて、文字入力枠312に文字を表示させる。これにより、予め定められたドット形状を有する画素群412単位で、消去された文字の残像を表示させることができる。また、消去された文字の残像と、新たに入力された文字とを画素群412単位で重ねて表示させることができる。これにより、削除された文字の残像を目立たなくし、ユーザーに対して与える違和感を軽減することができる。
【0061】
本発明の表示制御方法、表示制御装置、およびプログラムは、実施例1および実施例2の表示装置100に限らず、表示部に文字を表示することが可能な様々な情報処理装置に適用することができる。特に、実施例1および実施例2の表示装置100のように、電気泳動方式を利用した表示部を有する情報処理装置は、表示画面の書き換え時に書き換え前の情報の残像が残りやすい。このため、このような情報処理装置に本発明の表示制御方法、表示制御装置、およびプログラムを適用することで、より高い効果を得ることができる。
【0062】
図18は、表示装置100のハードウェア構成の一例を示す。表示装置100は、図1で説明したディスプレイ120、ディスプレイ駆動回路122、およびキーボード115に加えて、CPU1505、ROM1510、RAM1520、HD(ハードディスク)ドライブ1525、通信インターフェース1530、外部メモリードライブ1540、および外部メモリー1542をさらに備える。
【0063】
ROM1510、RAM1520、およびHDドライブ1525は、各種データおよび各種プログラムを格納する。CPU1505は、ROM1510、RAM1520、またはHDドライブ1525に格納されたプログラムを実行することで、各種データ処理および各種ハードウェア制御をおこなう。
【0064】
通信インターフェース1530は、通信ネットワークに接続し、通信ネットワークを介して外部装置に対するデータの送受信をおこなう。外部メモリードライブ1540は、外部メモリー1542に接続し、外部メモリー1542に対するデータの送受信をおこなう。外部メモリー1542としては、たとえば、メモリーカードが挙げられる。外部メモリー1542は、フレキシブルディスク、CD、DVD等の記録媒体であってもよい。
【0065】
たとえば、図2に示した文字取得部212は、ROM1510、RAM1520、またはHDドライブ1525に格納された表示制御プログラム(本発明にかかるプログラム)をCPU1505が実行することによって、その機能が実現される。また、図2に示した、表示制御部214は、ROM1510、RAM1520、またはHDドライブ1525に格納された表示制御プログラムをCPU1505が実行し、CPU1505がディスプレイ駆動回路122を制御することによって、その機能が実現される。
【0066】
表示制御プログラムは、外部メモリー1542に格納されているものであってもよく、外部装置が備えるメモリー、ハードディスクなどの記録媒体に格納されているものであってもよい。また、表示制御プログラムは、あらかじめ、ROM1510、RAM1520、またはHDドライブ1525に格納されていてもよい。また、表示制御プログラムは、外部メモリー1542によって、または外部装置から通信ネットワークを介して、表示装置100に提供されてもよい。
【0067】
(変形例)
実施例1および2においては、図5(ステップS506、ステップS508)、図6、および図7で説明したように、複数の画素群のそれぞれに、残像を予め表示させておくこととしたが、このような処理をおこなわない構成としてもよい。すなわち、複数の画素群のそれぞれに残像が表示されていない状態から、文字の表示をおこなうようにしてもよい。この変形例においても、文字表示領域において、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて文字を表示させる、という点では、実施例1および2と同様である。このため、この変形例においても、実施例1および2と同様に、文字列を消去しこの文字列の残像が残った状態で、新たな文字列を表示した場合、この残像と、この書き込んだ文字列とが、画素群単位で重なる。この文字列と重ならない画素群については、残像が生じているが、この残像はこの文字列と重なっている画素群の表示濃度よりも低く、かつ予め定められた形状(セグメント形状、ドット形状等)に生じているため、この残像が目立つことはない。よって、この変形例においても、ユーザーは、文字表示領域において、新たに書き込まれた文字列を容易かつ違和感なく認識することができる。
【符号の説明】
【0068】
100…表示装置、110…筐体、115…キーボード、120…ディスプレイ、212…文字取得部、214…表示制御部、300…主画面、310…副画面、312…文字入力枠、314…確定ボタン、400…部分領域、402…画素群、410…部分領域、412…画素群、800…カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備えた表示部における文字の表示を制御する表示制御方法であって、
文字データを取得する文字取得工程と、
前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字を、前記表示部における文字表示領域に表示させる表示制御工程と
を有し、
前記表示制御工程では、
前記文字表示領域において、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字を表示させる
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
前記文字表示領域は、
前記画素群を複数含むとともに一の文字を表示するための、部分領域を複数有し、
前記表示制御工程では、
一つの前記部分領域につき、前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字の一つを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記文字表示領域において、
互いに隣り合う2つの画素群同士は、文字の表示に用いない画素が間に設けられていることで、互いに離間している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記複数の画素群のそれぞれは、
表示用セグメント形状を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記複数の画素群のそれぞれは、
ドット形状を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記表示制御工程では、
前記文字取得工程で取得された文字データに応じた文字を表示する前に、前記複数の画素群のそれぞれを、文字を表示させたときと異なる階調レベルで、予め表示させておく
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示制御方法。
【請求項7】
複数の画素を備えた表示部における文字の表示を制御する表示制御装置であって、
文字データを取得する文字取得部と、
前記文字取得部が取得した文字データに応じた文字を、前記表示部における文字表示領域に表示させる表示制御部と
を備え、
前記表示制御部は、
前記文字表示領域において、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、前記文字取得部が取得した文字データに応じた文字を表示させる
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
コンピューターを、
文字データを取得する文字取得手段、
文字取得手段が取得した文字データに応じた文字を、表示部における文字表示領域に表示させる表示制御手段であって、予め定められた形状をなす画素群を複数用いて、前記文字取得手段が取得した文字データに応じた文字を表示させる表示制御手段
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−242659(P2011−242659A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115761(P2010−115761)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】