説明

表示制御装置、遊技機及び遊技画像表示制御プログラム

【課題】 遊技者の当たりに対する期待感や興奮度を効果的に高める。
【解決手段】 パチンコ遊技機10の遊技盤面12上の入賞口24に遊技玉が入賞したことを受けて抽選された当り、外れ情報をパチンコ遊技機10の送信部326から受信する受信部352と、受信に応答して12種類の識別図柄を画像表示部22の3つの表示領域のそれぞれに変動表示動作を行わせた後、変動終了時の3つの表示領域への識別図柄の種類によって抽選結果を報知する識別図柄表示処理部354とを備える。更に、組み合わせによって互いの関連性の有無を観念可能な4種類の付随図柄及び5種類のオブジェを記憶するROM36と、当り、外れ情報に基づいて付随図柄とオブジェとの組み合わせを抽選する抽選部353と、抽選された付随図柄とオブジェとを、識別図柄の変動表示動作中に画像表示部22に表示する組み合わせ画像表示処理手段(354,355)とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ遊技機等の表示制御装置、この表示制御装置が適用される遊技機、パチンコ遊技機等の遊技画像表示制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、遊技者の操作に応じてゲームが進行され、そのゲーム結果に応じた遊技価値が付与される遊技機の1つであるパチンコ遊技機は、盤面の略中央にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる画像表示部が配設されて構成されたものが主流となっている。
【0003】このようなパチンコ遊技機では、画像表示部に例えば3つの表示領域が横方向に形成され、始動入賞口に打球が入賞することにより各表示領域に複数の図柄が変動表示(例えば、縦方向にスクロール表示)され、一定時間経過後に各表示領域の図柄が停止表示(例えば、スクロール表示が停止)されたときに各図柄が予め設定された図柄と一致していると、所定時間が経過するまで特定の遊技状態(いわゆる、大当りの状態)になって大当り入賞口が開口される。この結果、打球の多くが大当り入賞口に導かれ、多量の賞球の払出が行われるようになっている。
【0004】また、3つの表示領域のうち2つの表示領域に表示される図柄が一致して停止した状態(すなわち、リーチが成立した状態)になった後の残る1つの表示領域に表示される図柄の移動速度を遅くしたり(いわゆるロングリーチ)、その図柄を通常とは異なるパターンで表示させたり(いわゆるスペシャルリーチ)することで、遊技者の興味を増大させるようなことが行われている。さらには、3つの表示領域に表示される図柄の色彩等を変化させてリーチ予告を行うようにしたり、画像表示部にキャラクタを登場させてリーチ予告を行うようにしたりすることで、遊技者の興味を増大させるようなことも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のパチンコ遊技機では、上記のロングリーチやスペシャルリーチ等が成立したときに通常のリーチの状態よりも高い確率で大当たりを発生させるようにした場合、上記ロングリーチやスペシャルリーチ等が成立すると、遊技者に大当たりが発生するのではないかという期待感を抱かせることができるため、遊技者の興奮度を高めることができる。また、図柄の色彩等を変化させたり、背景画を変化させたりすることでリーチ予告を行うようにした場合でも、遊技者に大当たりが発生するのではないかという期待感を抱かせることができるため、遊技者の興奮度を高めることができる。
【0006】しかしながら、従来のパチンコ遊技機では、遊技者に大当たりが発生するのではないかという期待感を抱かせることには一定の限界があり、それ故に遊技者の興奮度を高めることに関して改良の余地が残されていた。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、遊技者の高い遊技価値(当り)に対する期待感や興奮度を効果的に高めることができる遊技機における表示制御装置、遊技機及び遊技画像表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、遊技機本体の入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて抽選された当り、外れ情報を本体制御部から受信可能な受信手段と、受信に応答して複数種類の識別図柄を画像表示部の所定の複数の表示領域のそれぞれにおいて所定の変動表示動作を行わせた後、変動終了時の各表示領域への識別図柄の表示状態によって前記抽選結果を報知する識別図柄表示処理手段とを備えた遊技機における表示制御装置において、組み合わせによって互いの関連性の有無を観念可能な複数種類の付随図柄及び複数種類のオブジェを記憶する画像記憶手段と、前記当り、外れ情報に基づいて前記付随図柄とオブジェとの組み合わせを抽選する抽選手段と、抽選された付随図柄とオブジェとを、前記識別図柄の変動表示動作中に前記画像表示部に表示する組み合わせ画像表示処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】請求項11記載の発明は、遊技機本体の入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて抽選された当り、外れ情報を本体制御部から受信させ、受信に応答して複数種類の識別図柄を画像表示部の所定の複数の表示領域のそれぞれにおいて所定の変動表示動作を行わせた後、変動終了時の各表示領域への識別図柄の表示状態によって前記抽選結果を報知させるための遊技画像表示制御プログラムであって、コンピュータに、画像記憶手段に記憶されている、組み合わせによって互いの関連性の有無を観念可能な複数種類の付随図柄及び複数種類のオブジェから、前記当り、外れ情報に基づいて前記付随図柄とオブジェとの組み合わせを抽選させ、抽選されたれた付随図柄とオブジェとを、前記識別図柄の変動表示動作中に前記画像表示部に表示させることを特徴とするものである。
【0010】これらの発明によれば、遊技機本体の入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて抽選された当り、外れ情報が本体制御部から受信されると、この受信に応答して予め準備されている複数種類の識別図柄が画像表示部の所定の複数の表示領域、例えば左、中、右の各列のそれぞれにおいて所定の変動表示動作としての変動パターン表示動作を行わせ、変動終了時に各表示領域への識別図柄の表示状態例えば前記左、中、右の各列の表示領域に対して所定の配列となるように制御される。遊技画像表示制御プログラムを記録した媒体を備える表示制御装置では、組み合わせによって互いの関連性の有無を観念可能な複数種類の付随図柄及び複数種類のオブジェが記憶されており、受信された前記当り、外れ情報に基づいて前記付随図柄とオブジェとの組み合わせが抽選される。この抽選は、付随図柄とオブジェの一方が遊技機本体側で行われてもよいが、少なくとも他方は表示制御装置側で行われるので、結果的に両者の組み合わせ(の確定)は表示制御装置で行われたことになる。そして、抽選された付随図柄とオブジェとが、前記識別図柄の変動表示動作中に前記画像表示部に表示される。上記において、付随図柄とオブジェとの組み合わせは当り、外れ情報に基づいて抽選されるので、抽選された付随図柄とオブジェとが観念上関連性有るか否かの組み合わせで、大当りになるか否かが予測できることとなる。従って、遊技者に対して大当りへの期待感を抱かせることが可能となり、遊技者の興奮度を効果的に高めることができる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機における表示制御装置において、前記識別図柄表示処理手段は、前記当り、外れに応じた変動パターンで変動表示動作を行うものである。この構成によれば、当り、外れに応じて、例えば予め準備されている変動パターンが抽選乃至は設定され、これに基づいて変動表示動作が行われる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の遊技機における表示制御装置において、前記識別図柄表示処理手段は、複数の表示領域の特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作を停止した後、該特定の一の表示領域の変動表示動作を停止するものである。この構成によれば、特定の一の表示領域の変動表示動作を最後に停止するので、この最後の識別図柄の変動表示動作が終了するまで、当たりが確定しないこととなり、その間、遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項3記載の遊技機における表示制御装置において、前記組み合わせ画像表示処理手段は、前記特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作が停止されるまで、前記複数種類の付随図柄を変更しつつ表示するものである。この構成によれば、特定の一の表示領域を除く表示領域で変動表示動作が行われている間は、複数種類の付随図柄も変更可能な状況にあるので、その間、いずれの付随図柄で確定するかという期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項4記載の遊技機における表示制御装置において、前記組み合わせ画像表示処理手段は、前記付随図柄の前記変動表示動作を特定の付随図柄から開始する。この構成によれば、付随図柄の変動表示動作が特定の付随図柄から開始するようにしたので、変動表示動作開始毎に特別な表示制御処理を行う必要がなくなり、また、遊技者に変動表示動作の開始を示唆できることとなる。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の遊技機における表示制御装置において、前記組み合わせ画像表示処理手段は、前記特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作が停止した後、抽選された付随図柄を識別図柄に付随させて確定表示すると共に、その後、オブジェを表示するものである。この構成によれば、特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作が停止してから、特定の一の表示領域の変動表示動作が最後に停止するまでの間、抽選された付随図柄とオブジェとが表示されるので、遊技者はこの付随図柄とオブジェの組み合わせから、最後に停止する識別図柄によって当りになるかという予測が可能となり、期待感を抱かせることができることとなる。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機における表示制御装置において、前記組み合わせ画像表示処理手段は、付随図柄を表示する付随図柄表示処理手段と、オブジェを表示するオブジェ表示処理手段とを備える。この構成によれば、付随図柄を表示する付随図柄表示処理手段と、オブジェを表示するオブジェ表示処理手段とを個別に備えることで、付随図柄、オブジェをそれぞれ独自の形態で表示する汎用性が得られる。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項7記載の遊技機における表示制御装置において、前記付随図柄表示処理手段は、付随図柄を、前記変動表示動作される識別図柄の裏側に重畳して表示する。この構成によれば、付随図柄が変動表示動作される識別図柄の裏側に重畳して表示されるので、遊技者からすれば、変動している識別別図柄及び付随図柄のそれぞれの確認が容易となる。
【0018】請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の遊技機における表示制御装置において、前記オブジェ表示処理手段は、オブジェを、画像表示部の全面であって前記識別図柄及び付随図柄の裏側に重畳して表示する。この構成によれば、オブジェが、画像表示部の全面であって識別図柄及び付随図柄の裏側に重畳して表示されるので、より広い範囲を利用しての画像表示が可能となり、オブジェの種類の認識も容易、迅速となる。
【0019】請求項10記載の発明は、遊技盤面に設けられた入賞口に遊技玉を入れることを競う遊技機本体と、前記入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて当り、外れを抽選する手段と、請求項1〜9のいずれかに記載の画像表示装置と、抽選結果を前記画像表示装置に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする遊技機である。この構成によれば、抽選された付随図柄とオブジェとが観念上関連性有るか否かの組み合わせで、大当りになるか否かが予測できることとなる。従って、遊技者に対して大当りへの期待感を抱かせることが可能となり、遊技者の興奮度を効果的に高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機の表示制御装置が適用されたパチンコ遊技機の外観構成を示す図である。この図において、パチンコ遊技機10は、遊技盤面12と、遊技盤面12の下方に位置する賞球用の上受け皿14と、上受け皿14の下方に位置する賞球用の下受け皿16と、下受け皿16の右端に位置する打球操作を行うためのハンドル18とを備えている。
【0021】遊技盤面12には、周縁部に円形状に配設された打球の誘導レール20と、略中央部に配設された画像表示部22と、画像表示部22の下方位置に配設された始動入賞口24と、始動入賞口24の下方に配設された大当り入賞口26と、大当り入賞口26の下方に配設されたアウト口28と、遊技盤面12の背面側に配設され、パチンコ遊技機10の動作を制御する制御部30とを備えている。遊技盤面12には、他の入賞口、風車、飾りランプ等が配設されているが、図示を省略している。
【0022】また、画像表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ等から構成されたもので、表示面221にパチンコ遊技を演出表示するための図柄やオブジェが画像表示される。表示面221は、例えば横(列)方向に3つの表示領域に分けられて演出表示が行われるようになっている。3つの表示領域のそれぞれには個別に、複数種類の識別図柄、例えば図2に示すような「0」〜「9」までの10種類の数字及び「D」、「S」の2種類の文字からなる合計12種類の図柄が順次繰り返して連続的に変動表示(例えば、縦方向へのスクロール表示等)するようになっている。この各列の変動表示は変動開始後におけるそれぞれの所定のタイミングであって、所定の識別図柄全体が表示された状態でスクロール表示が停止されるようになっている。識別図柄は、本実施形態では、始動入賞口24に入賞した各遊技玉について大当りになる当り玉か大当りにならない外れ玉か(すなわち、当り及び外れ情報)を画像表示部22の3つの表示領域に停止表示される図柄の組み合せ(配列)により報知するために使用される。識別図柄としては、上記のような数字やアルファベット文字等の文字に限るものではなく、他の文字、さらには図形や記号等も採用可能である。
【0023】図3は、識別図柄と同じく各表示領域において縦スクロール表示のように変動表示される付随図柄を示すもので、(a)は岩石を模した岩石図柄R、(b)は肉塊を模した肉塊図柄M、(c)は木の葉を模した木の葉図柄L、(d)は木片を模した木片図柄Wである。付随図柄は、本実施形態では、識別図柄と重畳され、連動して(あたかも一体的に)縦スクロール動作を行うように制御される。
【0024】図4は、識別図柄とその裏側で付随図柄とが重畳して表示されている状態を示す図で、例えば識別図柄「7」を例に示している。(a)は岩石図柄Rと重畳して表示された状態を示し、(b)は肉塊図柄Mと重畳して表示された状態を示し、(c)は木の葉Lと重畳して表示された状態を示し、(d)は木片図柄Wと重畳して表示された状態を示している。
【0025】図5〜図7の左側に示すオブジェとしての恐竜は、肉食恐竜D1と草食恐竜D2で、背景となる風景画像上に表示される。背景画は、本実施形態では画像表示部22の表示面221に原始時代を模写した風景画像(例えば図16中、恐竜を除く画像)と、この風景画像内に登場する形で併記表示される、オブジェとしての肉食恐竜D1や草食恐竜D2、図略の「飛竜」、それ以外の動物(生物)である「その他」、及び風景画像のみの「なし」という5種類が準備されている。
【0026】本実施形態では、画像表示部22に付随図柄と背景画との組み合わせで表示を行うようにし、組み合わせの相性(広い意味で、付随図柄とオブジェとの観念的な関連性)により遊技者に大当たりになる期待感を抱かせ、遊技者の興奮度を高める演出表示を行うものである。相性とは、付随図柄とオブジェとの関連性の度合いをいい、両者の関連性の度合いが強い場合は相性が良いものとし、両者の関連性の度合いが弱い場合は相性が悪いものとしている。また、ここでいうオブジェには、付随図柄との間で観念的な関連性を有する画像であれば、例えばキャラクタやその他種々の形態の画像を含めることができる。
【0027】例えば、図5に示すように、肉食恐竜D1と肉塊図柄Mとの組み合わせの場合、及び草食恐竜D2と木の葉図柄Lとの組み合わせの場合には、いずれも相性が良いものとされる。また、図6に示すように、草食恐竜D2と肉塊図柄Mとの組み合わせの場合、及び肉食恐竜D1と木の葉図柄Lとの組み合わせの場合には、いずれも相性が悪いものとされる。また、図7に示すように、肉食恐竜D1と木片図柄Wとの組み合わせの場合、及び草食恐竜D2と木片図柄Wとの組み合わせの場合には、いずれも略中間的な相性とされる。背景画が「飛竜」、「その他」、「なし」の場合には、相性的にはそれぞれ悪い相性とされている。
【0028】図8は、制御部30の構成を示すブロック図である。制御部30は、始動入賞口24に入賞した遊技玉についての当り及び外れの抽選処理や停止図柄の抽選処理等のパチンコ遊技のルールに従った所定の処理を実行する本体制御部32と、各図柄及び背景画(背景とオブジェ)の表示処理及びかかる表示処理に必要な信号乃至画像処理等の画像表示部22への表示に対する処理、制御を実行する表示制御部35とから構成されている。
【0029】本体制御部32は、本体制御装置を構成するものであり、所定の演算乃至制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)321と、所定のパチンコ遊技及び各種抽選実行プログラム、図9のテーブルデータを含む各種データが記憶されたROM(Read-Only Memory)33と、処理データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)34とを備えている。これらCPU321、ROM33及びRAM34は、図略の配線基板等に搭載されている。なお、RAM34には、後述する各種抽選結果を記憶する領域(抽選結果記憶領域)が設定されている。
【0030】CPU321には、始動入賞口24に入賞した打球を検出するセンサを備えた入賞検出部241が接続され、入賞検出部241から出力された検出信号がCPU321に入力されるようになっている。また、CPU321には、大当り入賞部26に設けられているソレノイド等の入賞駆動部261が接続されており、CPU321から出力される駆動信号により入賞駆動部261が駆動され、大当り入賞部26が開放状態になるようになっている。また、CPU321には、遊技盤面12に配設されている図略の飾りランプ、スピーカ等が動作可能に接続されており、CPU321から出力される点灯駆動信号や音響信号により適宜駆動されるようになっているが、図示は省略している。
【0031】また、CPU321は、入賞判別部322、当り・外れ抽選部323、停止図柄抽選部324、変動パターン抽選部325、送信部326及び遊技形態変更部327としての各機能実現手段を備えている。
【0032】入賞判別部322は、始動入賞口24に打球が入賞した(入った)か否かを判別するものである。すなわち、始動入賞口24には、入賞玉の通過を検出する入賞玉センサが配設されており、入賞判別部322は入賞玉センサから出力される信号の有無により入賞の有無を判別する。
【0033】当り・外れ抽選部323は、始動入賞口24に打球が入賞したとき、その入賞した遊技玉を当り玉(当り)にするか外れ玉(外れ)にするかを抽選するものである。上記のように、この当り玉とは大当たりになる遊技玉をいい、外れ玉とは大当たりにならない遊技玉をいう。すなわち、大当りになる確率が例えば300分の1に設定されているとすると、例えば1〜300の間で高速でカウントするカウンタをカウント動作を行わせ、任意乃至は所定のタイミングで選択したカウンタ値が予め設定した当り数値であると当り玉になるように設定され、予め設定した当り数値でなければ外れ玉になるように設定されている。この抽選結果は、入賞した各遊技玉に対応させてRAM34の抽選結果記憶領域に記憶されるようになっている。
【0034】停止図柄抽選部324は、画像表示部22において変動表示される12種類の識別図柄のうち、3つの表示領域について何れの識別図柄を停止表示させるかを入賞した各遊技玉について始動入賞口24に打球が入賞したときに予め抽選により決定するものである。すなわち、各表示領域に上記のように12種類の識別図柄が表示されるものとすると、識別図柄「0」〜「S」を値1〜12に割り当て、例えば各表示領域について、カウンタを高速で1〜12の間でカウント動作させ、ランダムな時点で選択したカウント値に対応する識別図柄が「抽選図柄」とされる。各表示領域についての抽選図柄情報は、入賞した各遊技玉に対応させてRAM34の抽選結果記憶領域に記憶される。
【0035】変動パターン抽選部325は、画像表示部22の3つの表示領域における各識別図柄の変動動作の開始から変動動作の停止に至るまでの各識別図柄の動きを規定する種々の変動パターン(停止図柄表示モード)を当り・外れ抽選部323による抽選結果及び停止図柄抽選部324による抽選図柄情報に基づいて抽選するものである。
【0036】本実施形態では、画像表示部22の3つの表示領域に対する抽選図柄がすべて同一であるときの「当り」を演出する停止図柄表示モード(A表示モード)、2つの表示領域(例えば、左右の表示領域)に対する抽選図柄が同一で、残る1つの表示領域(例えば、中央の表示領域)の抽選図柄が他の図柄と異なる図柄であるときの「リーチ外れ」を演出する停止図柄表示モード(B表示モード)、及び3つの表示領域に対する抽選図柄がすべて不一致であるときの「リーチなし外れ」を演出する停止図柄表示モード(C表示モード)が準備されている。A表示モードは、始動入賞口24に入賞した遊技玉が当り玉である場合に確率100%で抽選決定されるものであり、B表示モード及びC表示モードは、始動入賞口24に入賞した遊技玉が外れ玉である場合に予め設定したそれぞれ所定の確率で抽選されるものである。なお、「リーチ」とは、少なくとも2つの表示領域(例えば、左右の表示領域)に対する抽選図柄が同一(すなわちA表示モードかB表示モード)の場合に、2つの表示領域に抽選図柄が停止された表示状態をいい、残る1つの表示領域(例えば、中央の表示領域)に抽選図柄が停止されるまでの間の演出をいう。
【0037】また、変動パターンは、図9に示すように、A表示モード〜C表示モードのそれぞれに5種類のオブジェが下層構造として規定されており、変動パターン抽選部325は表示モードをオブジェの種別と関連づけてパターン名情報として抽選するようにしている。背景画の種別としては、図9に示すように、肉食恐竜D1が表示される場合、草食恐竜D2が表示される場合、「飛竜」が表示される場合、「その他」が表示される場合、及び「なし」の場合がある。風景画像が本実施形態のように共通の場合、別途記憶するようにしてもよい。
【0038】変動パターンのパターン名情報は、入賞した各遊技玉について始動入賞口24に打球が入賞したときに予め抽選により決定され、入賞した各遊技玉に対応させてRAM34の抽選結果記憶領域に記憶されるようになっている。
【0039】これらのパターンの抽選手法を、ROM33に記憶されているデータを示す図9を参照して説明する。入賞口に入った遊技玉が当り玉で表示モードA、入賞口に入った遊技玉が外れ玉で表示モードB、及び入賞口に入った遊技玉が外れ玉で表示モードCについて、例えばカウンタを高速で0〜210の間でカウント動作させ、そのカウント中の数値をランダムな時点で1つ選択し、この選択した数値が含まれるカウンタ範囲に対応する確率で、1つのオブジェが、すなわち変動パターンが抽選される。
【0040】まず、表示モードAが抽選されている場合では、カウンタ値が例えば0〜8の場合(確率4%)には「ノーマルリーチ当り」と称する変動パターン(パターン名A−a)が抽選される。この変動パターンでは、動物の登場しない「なし」の背景画(オブジェ)が選択され。また、カウンタ値が例えば9〜103の場合(確率45%)には「肉食恐竜リーチ当り」と称する変動パターン(パターン名A−b)が抽選される。この変動パターンでは、肉食恐竜D1が登場する背景画が選択される。また、カウンタ値が例えば104〜198の場合(確率45%)には「草食恐竜リーチ当り」と称する変動パターン(パターン名A−c)が抽選される。この変動パターンでは、草食恐竜D2が登場する背景画が選択される。
【0041】また、カウンタ値が例えば199〜204の場合(確率3%)には「飛竜リーチ当り」と称する変動パターン(パターン名A−d)が抽選される。この変動パターンでは、飛竜が登場する背景画が選択される。さらに、カウンタ値が例えば205〜210の場合(確率3%)には「全回転リーチ当り」と称する変動パターン(パターン名A−e)が抽選決定される。この変動パターンでは、変身図柄との関連性の低い動物が登場する背景画が選択される。
【0042】ここで、パターン名A−a、A−b、A−c、A−d及びA−eで示される各変動パターンが抽選される確率は、付随図柄との相性の良いオブジェが登場する背景画が高い値になるように設定されて高い相性の組み合わせとなる可能性を付与している。付随図柄との関連性の元々低い相性のものは低い値になるように設定されている。なお、「全回転リーチ当り」と称する変動パターンは、例えば変動表示中の3つの図柄が略同時に停止するようなモードに設定されたものである。
【0043】また、表示モードBが抽選されている場合では、カウンタ値が例えば0〜20の場合(確率10%)には「ノーマルリーチ外れ」と称する変動パターン(パターン名B−a)が抽選される。この変動パターンでは、動物の登場しない「なし」の背景画が選択される。また、カウンタ値が例えば21〜104の場合(確率40%)には「肉食恐竜リーチ外れ」と称する変動パターン(パターン名B−b)が抽選される。この変動パターンでは、肉食恐竜D1が登場する背景画が選択される。また、カウンタ値が例えば105〜188の場合(確率40%)には「草食恐竜リーチ外れ」と称する変動パターン(パターン名B−c)が抽選される。この変動パターンでは、草食恐竜D2が登場する背景画が選択される。
【0044】また、カウンタ値が例えば189〜199の場合(確率5%)には「飛竜リーチ外れ」と称する変動パターン(パターン名B−d)が抽選される。この変動パターンでは、飛竜が登場する背景画が選択される。さらに、カウンタ値が例えば200〜210の場合(確率5%)には「その他リーチ外れ」と称する変動パターン(パターン名B−e)が抽選される。この変動パターンでは、変身図柄との関連性の低い動物が登場する背景画が選択される。
【0045】ここで、パターン名B−a、B−b、B−c、B−d及びB−eで示される各変動パターンが抽選される確率は、付随図柄との相性のよいオブジェが登場する背景画が比較的高い値になるように設定されて高い相性の組み合わせとなる可能性を付与している。付随図柄との関連性の元々低い相性のものは比較的低い値になるように設定されている。
【0046】さらに、表示モードCが抽選されている場合では、カウンタ値が例えば0〜41の場合(確率20%)には「通常変動外れ」と称する変動パターン(パターン名C−a)が抽選され、この変動パターンでは、動物の登場しない「なし」の背景画が選択される。また、カウンタ値が例えば42〜83の場合(確率20%)には先と同様の「通常変動外れ」と称する変動パターン(パターン名C−b)が抽選され、この変動パターンでは、肉食恐竜D1が登場する背景画が選択される。また、カウンタ値が例えば84〜125の場合(確率20%)には先と同様の「通常変動外れ」と称する変動パターン(パターン名C−c)が抽選され、この変動パターンでは、草食恐竜D2が登場する背景画が選択される。また、カウンタ値が例えば126〜167の場合(確率20%)には先と同様の「通常変動外れ」と称する変動パターン(パターン名C−d)が抽選され、この変動パターンでは、飛竜が登場する背景画が選択される。さらに、カウンタ値が例えば168〜210の場合(確率20%)には先と同様の「通常変動外れ」と称する変動パターン(パターン名C−e)が抽選され、この変動パターンでは、変身図柄との関連性の低い動物が登場する背景画が選択される。パターン名C−a〜C−eで示される変動パターンが抽選される確率は、上記のように何れも同一の値となるように設定されている。
【0047】なお、パターン名C−b〜C−eは「リーチなし外れ」であることから、実際には動物の登場しない背景画が表示されるように制御される。表示モードCのパターン名C−b〜C−eで動物を表示しないようにしているのは、この表示モードCはリーチにはならず遊技者に大当りになるのではないかという期待感を持たせる必要のないものであるためである。但し、抽選された動物が登場した背景画を表示する態様としてもよい。
【0048】抽選された変動パターンは、入賞した各遊技玉について始動入賞口26に打球が入賞したときに抽選により決定するものであり、これらの変動パターンの抽選結果は、入賞した各遊技玉に対応させてRAM34の抽選結果記憶領域に記憶される。
【0049】送信部326は、RAM34の抽選結果記憶領域に記憶された情報を所定のタイミングで表示制御部35側に送信するものである。遊技形態変更部327は、始動入賞口26に入賞した打球が当り・外れ抽選部323により当り玉と抽選決定された場合、その抽選決定から一定時間が経過したときに大当り入賞口28を一定時間だけ開放させることにより多くの打球が大当り入賞口28に入賞するようにするものである。これにより、多数の賞球が上受け皿14や下受け皿16に排出されるようになっている。なお、当り玉に抽選決定されてから大当り入賞口28が開放されるまでの時間は、画像表示部22の3つの表示領域における図柄が一致した状態で停止するタイミングに合致するように設定されている。
【0050】次に、表示制御部35について説明する。表示制御部35は、表示制御装置を構成するものであり、画像表示処理及びそのための所定の演算(組み合わせの抽選含む)乃至制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)351と、表示制御プログラム及び識別図柄、付随図柄、背景画(オブジェ、背景の風景画像)情報、図10のテーブルデータ等の各種データが記憶されたROM(Read-Only Memory)36と、処理データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)37と、画像表示部22に表示する画像を一時的に記憶する表示バッファ38を備えている。CPU351、ROM36、RAM37及び表示バッファ38は、本体制御部32が搭載される配線基板とが別個の配線基板に搭載されている。
【0051】CPU351は、送信部326からの情報を受信する受信部352、付随図柄抽選部353、識別図柄表示処理部354、付随図柄表示処理部355及び背景画表示処理部356としての各機能実現手段を備えている。付随図柄表示処理部355及び背景画表示処理部356は組み合わせ画像表示処理部として機能する。
【0052】付随図柄抽選部353は、図10のテーブルに基づいて「パターン」に対応する付随図柄を抽選するもので、すなわち、この抽選処理で初めて、背景画と付随図柄との組み合わせが抽選決定される。抽選方法は、例えばカウンタを高速で0〜126の間でカウント動作させ、そのカウント中の数値をランダムな時点で1つ選択し、この選択した数値が含まれるカウンタ範囲に対応する確率で、1つの背景画が、すなわち変動パターンが抽選される。
【0053】例えば、抽選されたパターンが「パターンA―b」(当り、かつオブジェが肉食恐竜D1)の場合、付随図柄として相性の高い図柄である、肉塊図柄Mが高い確率(例えば80%;カウンタ範囲0〜100)で抽選され、相性の低い木の葉図柄Lや木片図柄Wはそれぞれ低い確率(例えば10%;カウンタ範囲101〜113,114〜126)で抽選される。また、「パターンA―c」(当り、かつオブジェが草食恐竜D2)の場合、付随図柄として相性の高い図柄である、木の葉図柄Lが高い確率(例えば80%;カウンタ範囲13〜113)で抽選され、相性の低い肉塊図柄Mや木片図柄Wはそれぞれ低い確率(例えば10%;カウンタ範囲0〜12,114〜126)で抽選される。これにより、付随図柄とオブジェとが相性の良い組み合わせが高い確率となって抽選されるので遊技者に大当たりになるのではないかという大きな期待感を抱かせることができ、遊技者の興奮度を効果的に高めることができるようになる。さらに、抽選されたパターンが「パターンA―a」、「パターンA―d」、「パターンA―e」の場合、いずれの付随図柄とも相性がないことから、肉塊図柄M、木の葉図柄L、木片図柄Wに対して均等(33%;カウンタ範囲0〜41,42〜83,84〜126)に抽選されるようにされている。
【0054】また、抽選されたパターンが「パターンB―b」(リーチ外れ、かつオブジェが肉食恐竜D1)の場合、付随図柄として相性の高い図柄である、肉塊図柄Mが中間的な確率(例えば50%;カウンタ範囲0〜63)で抽選され、相性の低い木の葉図柄Lが低い確率(例えば20%;カウンタ範囲64〜89)で抽選され、木片図柄Wはその間の低い確率(例えば30%カウンタ範囲90〜126)で抽選される。また、「パターンB―c」(リーチ外れ、かつオブジェが草食恐竜D2)の場合、付随図柄として相性の高い図柄である、木の葉図柄Lが中間的な確率(例えば50%カウンタ範囲25〜87)で抽選され、相性の低い肉塊図柄Mが低い確率(例えば20%カウンタ範囲0〜24)で抽選され、木片図柄Wはその間の低い確率(例えば30%カウンタ範囲88〜126)で抽選される。さらに、抽選されたパターンが「パターンB―a」、「パターンB―d」、「パターンB―e」の場合、いずれの付随図柄とも相性がないことから、肉塊図柄M、木の葉図柄L、木片図柄Wに対して均等(33%;カウンタ範囲0〜41,42〜83,84〜126)に抽選されるようにされている。
【0055】また、抽選されたパターンが「パターンC―b」(リーチなし外れ、かつオブジェが肉食恐竜D1)の場合、付随図柄として相性の高い図柄である、肉塊図柄Mが低い確率(例えば5%;カウンタ範囲0〜5)で抽選され、相性の低い木の葉図柄Lが高い確率(例えば70%;カウンタ範囲6〜94)で抽選され、木片図柄Wはその間の低い確率(例えば25%;カウンタ範囲95〜126)で抽選される。また、「パターンC―c」(リーチなし外れ、かつオブジェが草食恐竜D2)の場合、付随図柄として相性の高い図柄である、木の葉図柄Lが低い確率(例えば5%;カウンタ範囲89〜94)で抽選され、相性の低い肉塊図柄Mが高い確率(例えば70%;カウンタ範囲0〜88)で抽選され、木片図柄Wはその間の低い確率(例えば25%;カウンタ範囲95〜126)で抽選される。さらに、抽選されたパターンが「パターンC―a」、「パターンC―d」、「パターンC―e」の場合、いずれの付随図柄とも相性がないことから、肉塊図柄M、木の葉図柄Lが低い確率(例えば30%;カウンタ範囲0〜37,38〜75)で、さらに相性のない木片図柄Wが低い確率(例えば40%;カウンタ範囲76〜126)に抽選されるようにされている。従って、リーチ外れの場合には、リーチなし外れに比して相対的に期待感を抱かせることができることとなる。
【0056】識別図柄表示処理部354、付随図柄表示処理部355及び背景画表示処理部356は、表示予定の識別図柄及び付随図柄をROM36の各種データ内からそれぞれ順次読み出し、及び背景画を所要のタイミングでROM36から読み出して表示バッファ38内に画像データとして作成する描画処理を行うと共に、表示バッファ38の記憶内容を所定の高速周期で繰り返し読み出し、画像表示部22の表示面221に表示バッファ38の画像データを画像として表示するものである。
【0057】識別図柄表示処理部354及び付随図柄表示処理部355は、打球が始動入賞口24に入賞するまでは、すなわち本体制御部32からの抽選結果情報を受信するまでは、各列に対して初期状態としてのあるいは無作為に選定された所定の識別図柄に付随図柄(本実施形態では初期の付随図柄として岩石図柄Rを想定している)を重畳した画像を静止表示しており、抽選結果情報を受信すると、表示面221の3つの表示領域内でそれぞれ上下方向に識別図柄と付随図柄とを縦スクロールさせる動作を開始するもので、図2、図3に示す識別図柄データをROM36のメモリアドレスを順次変更しながら読み出すようにして表示バッファ38に書き込むようにしている。
【0058】本実施形態では、静止中、スクロール中のいずれも、識別図柄に重畳して付随図柄が表示されるように読み出しアドレスを同期して変更するようにして、遊技者による両図柄の認識容易を図っている。また、識別図柄表示処理部354及び付随図柄表示処理部355は、図略の内蔵タイマによる時間情報を利用して、各変動パターンによる表示形態に応じて所定のタイミングで左列のスクロール動作を停止し、次いで所定の時点で右列のスクロール動作を停止し、表示モードC(リーチなし外れ)では、例えばこの直後に中列のスクロール動作を停止して変動パターン動作を終了し、表示モードA、Bでは右列のスクロール動作を停止後の所定時間後に中列に対するスクロール動作を停止して変動パターン動作を終了するようにしている。
【0059】さらに、識別図柄表示処理部354は、左列におけるスクロール動作の停止時点で、左列の停止図柄として抽選された識別図柄が停止するように、また、右列におけるスクロール動作の停止時点で、右列の停止図柄として抽選された識別図柄が停止するように、さらに中列におけるスクロール動作の停止時点で、中列の停止図柄として抽選された識別図柄が停止するように、それぞれ停止制御(例えば、各列に対してスクロール速度の変更を含むなどして)を行う。
【0060】付随図柄表示処理部355は、変動パターン動作の開始時点では岩石図柄Rの付随図柄が、本実施形態では初期図柄として選択し、表示させている一方、この付随図柄は変動パターン動作中に所定回数だけ無作為に変更され、乃至は任意時点で所定の順番で変更する(あるいはいずれも無作為で変更)ように制御される一方、右列に対する識別図柄のスクロール動作が停止した時点で、付随図柄の変更を停止する(確定する)ようにしている。付随図柄の変更は全ての列(3つの表示領域)に対して一括で行うように表示制御される。この場合、スクロール動作が表示面221の上から下へなされる態様では、上方から新たに出現する付随図柄に対して図柄変更を行い、既に表示中の付随図柄は下方で消失するまで直前の図柄を維持するようにしてもよく、あるいは表示中の付随図柄も同時に変更するようにしてもよい。
【0061】背景画表示処理部356は、変動パターン動作中の左列に対するスクロール動作が停止した時点で、ROM36から抽選された背景画を読み出し、表示バッファ38で識別図柄及び付随図柄の裏側に貼り付けることで背景画の重畳表示を表示面221の全体に対して行わせ、より大きな画像を提供するようにしている。
【0062】図11は、本体制御部32における抽選処理の一例を説明するフローチャートである。先ず、始動入賞口24に打球が入賞したか否かが入賞判別部322により判別される(ステップST1)。この判別が肯定されると、その遊技玉を当り玉にするか外れ玉にするかの抽選が当り・外れ抽選部323により行われる(ステップST3)。当り玉とは上述したように大当りになる遊技玉であり、外れ玉とは大当りにならない遊技玉のことである。一方、ステップST1で判定が否定されたときは、次に遊技玉が入賞口に入賞するまで待機する。
【0063】次いで、画像表示部22の各表示領域に対する停止図柄の抽選が停止図柄抽選部324により行われ(ステップST5)、さらに変動パターンの抽選が変動パターン抽選部325により行われる(ステップST7)。続いて、ステップST3,5,7での抽選結果が送信部326により表示制御部35に送信される(ステップST9)。
【0064】図12は、表示制御部35における画像表示処理のうち、表示モードA,Bの表示処理の一例を説明するフローチャートである。先ず、本体制御部32から送信される抽選結果情報が受信部352で受信されるまで待機し(ステップST21でNO)、受信されると、付随図柄抽選部353により付随図柄の抽選が行われる(ステップST23)。付随図柄が複数回数変更される態様の場合には、各回の付随図柄が順に抽選される。
【0065】次いで、画像表示部22の表示面221に停止状態で表示されている、本実施形態における識別図柄と岩石図柄Rとが識別図柄表示処理部354及び付随図柄表示処理部355によって、抽選された変動パターンに基づくスクロール動作される(ステップST25)。
【0066】スクロール動作の開始後は、識別図柄が順次、例えば「0」、「1」…「S」の順番を繰り返しながら順次(帯状を想定した態様で)スクロール表示され、一方、初期図柄である岩石図柄Rは付随図柄抽選部353で抽選された順に変更される。例えば図13では、肉塊図柄Mが識別図柄と重畳されて各列でスクロール表示されている状態を示している。
【0067】この後、所定の時間が経過したときに左図柄(識別図柄及び付随図柄)のスクロール動作が停止され(ステップST27、図14参照)、続いて所定の時間が経過したときに右図柄のスクロール動作が停止される(ステップST29)。これにより、例えば図15に示す例では、左右図柄が共に「7」となって、リーチが成立した状態となる。さらに、右図柄の停止と同期して、付随図柄の確定処理が行われる(ステップST31)。
【0068】次いで、オブジェを含む背景画の表示処理が行われる(ステップST33)。
【0069】本実施形態では、停止した識別図柄と共に付随図柄も画像表示部22の上下左右位置に移動され(図16)、その空いた表示領域を利用する形で、抽選された背景画(ここでは、図16に示すように肉食恐竜D1が登場する背景画)が表示される。そして、予め設定されている時間が経過したときに中図柄のスクロール動作が停止され(ステップST33、大当たりを示している)、さらに図17に示すように、左右の図柄が当初の表示領域に復帰した形で、一連の図柄表示動作が終了する。
【0070】なお、本体制御部32は抽選結果情報の送信から所定時間(変動パターン動作の終了と同一タイミングとなるように予め設定されている)経過後に確定信号を送信するようになっており、表示制御部35はこの確定信号を受信することで、停止された識別図柄の確定、すなわち図柄の完全停止を行う。
【0071】図18は、表示制御部35における画像表示処理のうち、表示モードC(リーチなし外れ)の表示処理の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートにおける表示処理と、図12に示すフローチャートにおける表示処理とは、リーチの有無が相違する。なお、図18において、ステップST41〜ST49の処理は、図12のステップST21〜ST29と同様である。図18では、ステップST49における右図柄の停止は、左図柄とは文字図柄が異なる種類の図柄で停止表示されることになる。これにより、リーチが成立しないことになる。また、ステップST49で右図柄が停止した後、所定の時間が経過したときに中図柄が停止される(ステップST51)。
【0072】上記のように構成された本実施形態に係る表示制御装置及びこの表示制御装置が適用される遊技機では、所定のタイミングで互いに抽選された組み合わせとしての付随図柄とオブジェとを表示するようにしたので、付随図柄とオブジェとに相性が良い等の所定の関係性があるときに高い確率で大当りになるようにしておくことで、画像表示部22の表示面221に表示される付随図柄とオブジェとの関係性から大当りになるかどうかを予測することが可能となる。また、初期図柄から如何なる付随図柄に変更表示され、如何なるオブジェが表示されるかに遊技者の関心を集中させることができるようになる結果、遊技者に対して大当りへの大きな期待感を抱かせることができ、遊技者の興奮度を効果的に高めることができる。
【0073】なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に述べる態様を採用することができる。
【0074】(1)上記実施形態では、パチンコ遊技機を例示して説明しているが、本発明はパチンコ遊技機に限るものではなく、遊技者の操作に応じて実行プログラムに従ったゲームが進行され、そのゲーム結果に応じた遊技価値(賞球、クレジット等の有体物、無体物)が付与されるものであって画像表示部を備えた遊技機であれば、スロットマシン等の他の遊技機であっても適用可能である。従って、本明細書でいう遊技玉は、パチンコ遊技機の場合にはゲームを実行するための媒体となるパチンコ玉を指し、スロットマシンの場合にはゲームを実行するための媒体となるコインを指すものであって、各種遊技機に適したゲームを実行するための媒体となるものであれば如何なる形態のものであってもよい。
【0075】(2)画像表示部22への図柄表示表示領域を左、中、右の3つ形成した例で説明したが、これに限らず、例えば、表示領域は2つでもよいし、4つ以上とすることも可能である。
【0076】(3)上記実施形態では、背景画に登場するオブジェである肉食恐竜D1、草食恐竜D2、飛竜等との相性の度合いという観点から付随図柄として肉塊図柄M、木の葉図柄L及び木片図柄Wを採用したが、これに限らず、例えば、猿、馬を表すオブジェがそれぞれ登場する背景画を採用し、かつ猿との相性の高いバナナを模した付随図柄、馬との相性の高い人参を模した付随図柄を採用するようにしてもよい。また、相性の他、例えばスポーツの種目を示す画像と用いる道具を示す画像とをオブジェと付随図柄としてもよい。要は、オブジェと付随図柄との間の相性を含む関連性の有無を遊技者が容易に理解できる構成となっておればよい。さらに、画面に表示される背景画に付随図柄との間で相性度合いを示すような実施形態を採用するときは、この背景画をオブジェとして扱えばよい。
【0077】(4)上記実施形態では、変動パターン抽選部325により抽選される変動パターンに背景画情報を含んでいるが、これに限らず、例えば、変動パターンと背景画とを個別に抽選するようにしてもよい。この場合、本体制御部32に背景画(すなわちオブジェ)を抽選するための背景画抽選部としての機能実現部を備えるようにしておけばよい。付随図柄とオブジェとの組み合わせの抽選の確定は、本実施形態では付随図柄の抽選終了時となるが、これに限定されず、両者の抽選を表示制御装置35側で行ってもよく、少なくとも付随図柄とオブジェの一方に対して表示制御装置35側で行われることによって、表示制御装置側で最終的な(実質の)組み合わせが確定することとなる。
【0078】(5)上記実施形態では、背景画はリーチが成立した段階で表示されるようになっているが、これに限らず、例えば、変動表示が開始された直後や、途中から表示されるようにしてもよい。
【0079】(6)上記実施形態では、初期図柄なるものを採用したが、初期図柄は特に採用せず、任意のあるいは直前の変動の最終の付随図柄から付随図柄の変更が介しする態様としてもよい。
【0080】(7)上記実施形態では、付随図柄を識別図柄と重畳して表示するようにしているが、これに限らず、識別図柄と独立して表示動作させてもよい。例えば、識別図柄の変動表示の途中から付随図柄が登場する態様でもよいし、また、両方の図柄が全く異なる動きを行う態様としてもよい。例えば、スクロール方向が互いに逆向きとか、付随図柄は左右方向にスクロールする等が考えられる。あるいは、付随図柄はスクロール動作を行わず、特有の表示態様を採用してもよい。
【0081】
【発明の効果】請求項1,10,11記載の発明によれば、遊技者の高い遊技価値(当り)に対する期待感や興奮度を効果的に高めることができる。
【0082】請求項2記載の発明によれば、当り、外れに応じて、例えば予め準備されている変動パターンを抽選乃至は設定するので、これに基づいて変動表示動作を行わせることができる。
【0083】請求項3記載の発明によれば、特定の一の表示領域の変動表示動作を最後に停止するので、この最後の識別図柄の変動表示動作を終了するまで、当たりが確定しないこととなり、その間、遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0084】請求項4記載の発明によれば、特定の一の表示領域を除く表示領域で変動表示動作を行わせている間は、複数種類の付随図柄も変更可能な状況にあるため、その間、いずれの付随図柄で確定するかという期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0085】請求項5記載の発明によれば、付随図柄の変動表示動作を特定の付随図柄から開始するようにしたので、変動表示動作開始毎に特別な表示制御処理を行うことを不要とし、また、遊技者に変動表示動作の開始を示唆できる。
【0086】請求項6記載の発明によれば、特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作を停止してから、特定の一の表示領域の変動表示動作を最後に停止させるまでの間、抽選された付随図柄を識別図柄に付随させて確定表示すると共に、その後、オブジェを表示させるので、遊技者をしてこの付随図柄とオブジェの組み合わせから、最後に停止する識別図柄によって当りになるかという予測を可能とさせ、期待感を抱かせることができることとなる。
【0087】請求項7記載の発明によれば、付随図柄を表示する付随図柄表示処理手段と、オブジェを表示するオブジェ表示処理手段とを個別に備えることで、付随図柄、オブジェをそれぞれ独自の形態で表示させる汎用性アップが図れる。
【0088】請求項8記載の発明によれば、付随図柄を、変動表示動作される識別図柄の裏側に重畳して表示するので、遊技者に対し、変動している識別別図柄及び付随図柄のそれぞれの確認を容易にさせることができる。
【0089】請求項9記載の発明によれば、オブジェを、画像表示部の全面であって識別図柄及び付随図柄の裏側に重畳して表示させるので、より広い範囲を利用しての画像表示が可能となり、オブジェの種類の認識も容易、迅速とし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の画像表示部に表示される識別図柄の一例を示す図である。
【図3】パチンコ遊技機の画像表示部に表示される付随図柄を示す図で、(a)は岩石図柄、(b)は肉塊図柄、(c)は木の葉図柄、(d)は木片図柄を示す図である。
【図4】識別図柄とその裏側で付随図柄とが重畳して表示されている状態を示す図で、例えば識別図柄「7」を例に示し、(a)は岩石図柄Rと重畳して表示された状態を、(b)は肉塊図柄Mと重畳して表示された状態を、(c)は木の葉Lと重畳して表示された状態を、(d)は木片図柄Wと重畳して表示された状態を示している。
【図5】画像表示部に表示される付随図柄とオブジェとの関係性を説明するための図である。
【図6】画像表示部に表示される付随図柄とオブジェとの関係性を説明するための図である。
【図7】画像表示部に表示される付随図柄とオブジェとの関係性を説明するための図である。
【図8】パチンコ遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【図9】本体制御部のROMに記憶されるテーブルデータの内容を示す図である。
【図10】表示制御部35のROMに記憶されるテーブルデータの内容を示す図である。
【図11】本体制御部による抽選処理を説明するフローチャートである。
【図12】表示制御部による表示処理を説明するフローチャートである。
【図13】画像表示部における図柄の変動途中の一画面を示す図である。
【図14】画像表示部における左図柄停止時の画面を示す図である。
【図15】画像表示部におけるリーチが成立したときの画面を示す図である。
【図16】画像表示部における背景画表示画面を示す図である。
【図17】画像表示部における変動パターンの動作終了時の画面を示す図である。
【図18】表示制御部におけるリーチなし外れ時の表示処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機
12 遊技盤面
22 画像表示部
24 始動入賞口(入賞口)
26 大当り入賞口
32 本体制御部
322 入賞判定部
323 当り・外れ抽選部
324 停止図柄抽選部
325 変動パターン抽選部
326 送信部
33 ROM
35 表示制御部
352 受信部
353 付随図柄抽選部
354 識別図柄表示処理部(組み合わせ画像表示処理手段)
355 付随図柄表示処理部(組み合わせ画像表示処理手段)
356 背景画表示処理部(オブジェ表示処理手段)
36 ROM(画像記憶手段)
38 表示バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技機本体の入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて抽選された当り、外れ情報を本体制御部から受信可能な受信手段と、受信に応答して複数種類の識別図柄を画像表示部の所定の複数の表示領域のそれぞれにおいて所定の変動表示動作を行わせた後、変動終了時の各表示領域への識別図柄の表示状態によって前記抽選結果を報知する識別図柄表示処理手段とを備えた遊技機における表示制御装置において、組み合わせによって互いの関連性の有無を観念可能な複数種類の付随図柄及び複数種類のオブジェを記憶する画像記憶手段と、前記当り、外れ情報に基づいて前記付随図柄とオブジェとの組み合わせを抽選する抽選手段と、抽選された付随図柄とオブジェとを、前記識別図柄の変動表示動作中に前記画像表示部に表示する組み合わせ画像表示処理手段とを備えたことを特徴とする遊技機における表示制御装置。
【請求項2】 前記識別図柄表示処理手段は、前記当り、外れに応じた変動パターンで変動表示動作を行うものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項3】 前記識別図柄表示処理手段は、複数の表示領域の特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作を停止した後、該特定の一の表示領域の変動表示動作を停止するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項4】 前記組み合わせ画像表示処理手段は、前記特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作が停止されるまで、前記複数種類の付随図柄を変更しつつ表示するものであることを特徴とする請求項3記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項5】 前記組み合わせ画像表示処理手段は、前記付随図柄の前記変動表示動作を特定の付随図柄から開始することを特徴とする請求項4記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項6】 前記組み合わせ画像表示処理手段は、前記特定の一の表示領域を除く表示領域での変動表示動作が停止した後、抽選された付随図柄を識別図柄に付随させて確定表示すると共に、その後、オブジェを表示するものであることを特徴とする請求項4又は5記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項7】 前記組み合わせ画像表示処理手段は、付随図柄を表示する付随図柄表示処理手段と、オブジェを表示するオブジェ表示処理手段とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項8】 前記付随図柄表示処理手段は、付随図柄を、前記変動表示動作される識別図柄の裏側に重畳して表示することを特徴とする請求項7記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項9】 前記オブジェ表示処理手段は、オブジェを、画像表示部の全面であって前記識別図柄及び付随図柄の裏側に重畳して表示することを特徴とする請求項7又は8記載の遊技機における表示制御装置。
【請求項10】 遊技盤面に設けられた入賞口に遊技玉を入れることを競う遊技機本体と、前記入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて当り、外れを抽選する手段と、請求項1〜9のいずれかに記載の画像表示装置と、抽選結果を前記画像表示装置に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項11】 遊技機本体の入賞口に遊技玉が入賞したことを受けて抽選された当り、外れ情報を本体制御部から受信させ、受信に応答して複数種類の識別図柄を画像表示部の所定の複数の表示領域のそれぞれにおいて所定の変動表示動作を行わせた後、変動終了時の各表示領域への識別図柄の表示状態によって前記抽選結果を報知させるための遊技画像表示制御プログラムであって、コンピュータに、画像記憶手段に記憶されている、組み合わせによって互いの関連性の有無を観念可能な複数種類の付随図柄及び複数種類のオブジェから、前記当り、外れ情報に基づいて前記付随図柄とオブジェとの組み合わせを抽選させ、抽選した付随図柄とオブジェとを、前記識別図柄の変動表示動作中に前記画像表示部に表示させるための遊技画像表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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