説明

表示制御装置および方法

【課題】近接により操作可能な表示装置に表示されるアイテムの中から所望のアイテムを確実に選択できるようにする。
【解決手段】近接により操作可能な入出力パネルに表示されている撮影待機画面の撮影モードアイコン106への入力ツールの近接が検出された場合、撮影モードアイコン106に関連するオプションアイコン141乃至143を含むオプションメニュー133が表示される。また、入力ツールの近接位置の移動に伴い、近接位置の周辺に表示されているオプションアイコン141乃至143の表示態様が変化する。本発明は、例えば、ディジタルカメラに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および方法に関し、特に、近接により操作可能な表示装置の表示制御を行う場合に用いて好適な表示制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置において、ユーザが表示画面に指を近接させると、その付近に所定のメニューを地図に重畳させて表示し、表示したメニューに指を触れてアイテム(項目)の選択を行うようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−358162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ユーザが、メニュー内の意図しないアイテムに誤って指を触れてしまい、希望しない処理が実行されてしまうといった誤操作が発生することが想定される。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、近接により操作可能な表示装置に表示されるアイテムの中から所望のアイテムを確実に選択できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の表示制御装置は、近接により操作可能な表示装置の表示画面への物体の近接を検出する検出手段と、前記表示画面への物体の近接が検出された場合、前記物体が近接した近接位置の周辺に表示されているアイテムである注目アイテムに関連するアイテムである関連アイテムを含むメニューを表示するとともに、前記近接位置の移動に伴い、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させる表示制御を行う表示制御手段とを備える。
【0007】
前記表示制御手段には、前記メニューを、前記注目アイテムの周辺に、前記表示画面に表示されている画像の一部に重畳させて表示させるようにすることができる。
【0008】
前記表示制御手段には、前記注目アイテムの表示領域の少なくとも一部を含む第1の領域への前記物体の近接が検出された場合、前記メニューを表示させ、前記表示画面への前記物体の近接が検出されなくなった場合、または、前記第1の領域を含み、前記第1の領域より大きい第2の領域から前記近接位置が外れた場合、前記メニューを非表示にさせるようにすることができる。
【0009】
前記第2の領域は、前記メニューの表示領域を含むようにすることができる。
【0010】
前記注目アイテムを含むアイテムの列を前記表示画面の端部に表示させ、前記表示制御部には、前記列に対して直交する方向に前記メニューを延伸させるようにすることができる。
【0011】
前記表示装置は、さらにタッチにより操作可能であり、前記検出手段には、さらに前記表示画面への前記物体のタッチを検出させ、前記表示制御手段には、前記表示画面への前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記メニューを非表示にさせるとともに、前記メニューの表示中に前記注目アイテムへのタッチが検出された場合、前記表示画面への物体の近接が検出されなくなっても、前記メニューの表示を継続させるようにすることができる。
【0012】
前記表示装置は、さらにタッチにより操作可能であり、前記検出手段には、さらに前記表示画面への前記物体のタッチを検出させ、前記表示制御手段には、前記注目アイテムへのタッチが検出された場合、前記メニューに表示する前記関連アイテムの種類を変更させるようにすることができる。
【0013】
前記表示制御手段には、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させるとともに、前記関連アイテムに関する関連情報を表示させるようにすることができる。
【0014】
前記表示装置は、さらにタッチにより操作可能であり、前記検出手段には、さらに前記表示画面への前記物体のタッチを検出させ、前記表示制御手段には、前記表示画面に前記物体がタッチした接触位置に基づいて、前記関連アイテムに対する選択を確定させるようにすることができる。
【0015】
前記表示制御手段には、前記表示画面から前記物体が離れる直前の前記接触位置に基づいて、前記関連アイテムの選択を確定させるようにすることができる。
【0016】
前記表示制御手段には、前記接触位置の移動に応じて、前記接触位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させるようにすることができる。
【0017】
前記表示制御手段には、前記近接位置の周辺に表示されている前記注目アイテムまたは前記関連アイテムの表示態様を変化させるようにすることができる。
【0018】
本発明の一側面の表示制御方法は、近接により操作可能な表示装置の表示画面への物体の近接を検出し、前記表示画面への物体の近接が検出された場合、前記物体が近接した近接位置の周辺に表示されているアイテムである注目アイテムに関連するアイテムである関連アイテムを含むメニューを表示するとともに、前記近接位置の移動に伴い、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させる表示制御を行うステップを含む。
【0019】
本発明の一側面においては、近接により操作可能な表示装置の表示画面への物体の近接が検出され、前記表示画面への物体の近接が検出された場合、前記物体が近接した近接位置の周辺に表示されているアイテムである注目アイテムに関連するアイテムである関連アイテムを含むメニューが表示され、前記近接位置の移動に伴い、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様が変化する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によれば、近接により操作可能な表示装置に表示されるアイテムの中から所望のアイテムを確実に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用したディジタルカメラの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】ディジタルカメラの外観構成例を示す斜視図である。
【図3】ディジタルカメラのCPUにより実現される機能の構成例を示すブロック図である。
【図4】撮影待機画面の表示例を示す図である。
【図5】ディジタルカメラにより実行される表示制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】ディジタルカメラにより実行される表示制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】撮影モードアイコンの近接反応領域、接触反応領域の例を示す図である。
【図8】オプションメニューの表示例を示す図である。
【図9】撮影モードアイコンの拡大された近接反応領域、オプションアイコンの接触反応領域の例を示す図である。
【図10】オプションアイコンに指を近接させたときの撮影待機画面の表示例を示す図である。
【図11】撮影モード設定画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0023】
<1.実施の形態>
[ディジタルカメラ1の構成例]
図1は、本発明を適用したディジタルカメラ(ディジタルスチルカメラ)1の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0024】
レンズ部11は、撮影レンズ、絞り、フォーカスレンズ等を含み、レンズ部11に入射する光は、撮像素子12に照射される。
【0025】
撮像素子12は、例えば、CCDや(Charge Coupled Device)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージャ等で構成され、レンズ部11からの光を光電変換し、その結果得られるアナログの画像信号を、アナログ信号処理部13に供給する。
【0026】
アナログ信号処理部13は、撮像素子12からの画像信号に、相関二重サンプリング処理や自動利得調整処理等のアナログ信号処理を施し、A/D(Analog/Digital)変換部14に供給する。
【0027】
A/D変換部14は、アナログ信号処理部13からの画像信号をA/D変換し、その結果得られるディジタルの画像データを、ディジタル信号処理部15に供給する。
【0028】
ディジタル信号処理部15は、A/D変換部14からの画像データに、ホワイトバランス調整処理や、ノイズ除去処理、必要な圧縮符号化処理(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)符号化等)等のディジタル信号処理を施し、入出力パネル18の表示部17や記録デバイス19に供給する。
【0029】
入出力パネル18は、入力部16と表示部17とで構成される。
【0030】
入力部16は、外部からの入力を受け付ける(検出する)機能を有するデバイス、すなわち、例えば、静電式等のタッチパネルや、光を照射する光源と、その光の、物体からの反射光を受光するセンサとのセット等で構成される。
【0031】
入力部16は、外部からの物体(例えば、ユーザの指や、ユーザが扱うタッチペン等)の近接およびタッチ(接触)を検出し、その近接またはタッチされている位置を表す信号(以下、操作信号と称する)を、CPU23に供給する。
【0032】
表示部17は、画像を表示するデバイス(表示装置)、例えば、液晶パネル等で構成され、ディジタル信号処理部15から供給される画像データ等に応じて、画像を表示する。
【0033】
入出力パネル18は、以上のような入力部16と表示部17とが一体的になっており、表示部17において画像を表示し、入力部16において、表示部17に表示された画像に対する外部からの操作入力(ここでは、近接とタッチの両方)を受け付けることができる。
【0034】
なお、以下、入出力パネル18の入力部16に対する入力(近接またはタッチ)に用いる指やタッチペン等の物体を入力ツールと称する。
【0035】
なお、指やタッチペン以外にも、入出力パネル18の入力部16上の位置を指定するために近接およびタッチさせることが可能な任意の物体を、入力ツールとして用いることが可能である。
【0036】
記録デバイス19には、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスクや、メモリカード等の半導体メモリその他のリムーバブルな記録媒体(図示せず)の着脱が可能になっている。そして、記録デバイス19は、装着された記録媒体に対する画像データの記録再生制御を行う。すなわち、記録デバイス19は、ディジタル信号処理部15からの画像データを、記録媒体に記録し、また、記録媒体に記録された画像データを読み出し、ディジタル信号処理部15に供給する。
【0037】
アクチュエータ20は、レンズ部11のフォーカスレンズや絞りを調整するモータであり、モータドライブ21によって駆動される。
【0038】
モータドライブ21は、CPU(Central Processing Unit)23の制御に従い、アクチュエータ20を駆動する。
【0039】
TG(Timing Generator)22は、CPU23の制御に従い、露出時間等を調整するためのタイミング信号を、撮像素子12に供給する。
【0040】
CPU23は、プログラムROM(Read Only Memory)26に記憶されたプログラム、さらには、必要に応じて、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)25に記憶されたプログラムを実行することにより、ディジタルカメラ1を構成する各ブロックを制御する。
【0041】
操作部24は、ユーザによって操作される物理的なボタン等であり、ユーザの操作に対応する信号(以下、操作信号と称する)を、CPU23に供給する。
【0042】
EEPROM25は、例えば、ユーザが操作部24等を操作することにより設定した撮像パラメータ等の、ディジタルカメラ1の電源がオフされたときにも保持する必要があるデータや、プログラムを記憶する。
【0043】
プログラムROM26は、CPU23が実行するプログラム等を記憶している。
【0044】
RAM27は、CPU23の動作上必要なデータやプログラムを一時記憶する。
【0045】
以上のように構成されるディジタルカメラ1では、CPU23が、プログラムROM26等に記録されているプログラムを実行することにより、ディジタルカメラ1の各部を制御する。
【0046】
一方、レンズ部11に入射した光は、撮像素子12において光電変換され、その結果得られる画像信号が、アナログ信号処理部13に供給される。アナログ信号処理部13では、撮像素子12からの画像信号に、アナログ信号処理が施され、A/D変換部14に供給される。
【0047】
A/D変換部14では、アナログ信号処理部13からの画像信号が、A/D変換され、その結果得られるディジタルの画像データが、ディジタル信号処理部15に供給される。
【0048】
ディジタル信号処理部15では、A/D変換部14からの画像データに、ディジタル信号処理が施され、入出力パネル18の表示部17に供給されて、対応する画像、すなわち、いわゆるスルー画が表示される。
【0049】
また、CPU23は、入出力パネル18の入力部16や操作部24からの操作信号に従い、所定の処理を実行する。
【0050】
すなわち、入出力パネル18の入力部16や操作部24が、例えば、撮像を行うように操作されると、CPU23は、写真としての静止画を撮影するための処理を行い、ディジタル信号処理部15に、A/D変換部14からの画像データに対して、圧縮符号化処理を施させ、記録デバイス19を介して、記録媒体に記録させる。
【0051】
また、入出力パネル18の入力部16や操作部24が、例えば、再生を行うように操作されると、CPU23は、ディジタル信号処理部15を制御することにより、記録デバイス19を介して、記録媒体から、画像データを読み出させる。
【0052】
さらに、CPU23は、ディジタル信号処理部15に、記録媒体から読み出した画像データを伸張させ、入出力パネル18に供給して表示させる。
【0053】
また、CPU23は、入出力パネル18の入力部16や操作部24からの操作信号等に応じて、ディジタルカメラ1の操作や各種の情報の確認等を行うためのGUI(Graphical User Interface)の画像を、ディジタル信号処理部15を介して、入出力パネル18に供給して表示させる。
【0054】
なお、GUIに用いるデータは、例えば、EEPROM25やプログラムROM26に記憶されている。
【0055】
また、CPU23に実行させるプログラムは、例えば、リムーバブルな記録媒体からディジタルカメラ1にインストールしたり、ネットワークを介してダウンロードし、ディジタルカメラ1にインストールしたりすることができる。
【0056】
図2は、図1のディジタルカメラ1の外観構成例を示す斜視図である。
【0057】
すなわち、図2Aは、ディジタルカメラ1の前面側(撮像時に被写体に向けられる側)の斜視図であり、図2Bは、ディジタルカメラ1の背面側の斜視図である。
【0058】
レンズカバー31は、ディジタルカメラ1の前面を覆うように設けられており、上下に移動可能になっている。
【0059】
レンズカバー31が上側に位置しているときには、レンズ部11等が覆われた状態になる。また、レンズカバー31が下側に位置しているときには、レンズ部11等が露出し、ディジタルカメラ1は、撮影可能な状態となる。
【0060】
図2Aでは、レンズカバー31は、下側に位置しており、レンズ部11が露出している。
【0061】
レンズ部11の左側には、AFイルミネータ32が設けられている。AFイルミネータ32は、例えば、被写体が暗く、AF機能によってフォーカスを合わせることが困難な場合に、被写体を照明するための光(補助光)を発する。
【0062】
なお、AFイルミネータ32は、セルフタイマを使用して撮影を行う場合に、ユーザに、セルフタイマによる撮影のタイミングを知らせるために発光するセルフタイマランプとしても機能する。
【0063】
ディジタルカメラ1の上部には、図1の操作部24を構成する電源ボタン33、再生ボタン34、シャッタボタン(レリーズボタン)35、及び、ズームレバー36が設けられている。
【0064】
電源ボタン33は、ディジタルカメラ1の電源のオンとオフとを切り替えるときに操作され、再生ボタン34は、記録デバイス19(図1)に装着された記録媒体に記録された画像データを再生するときに操作される。
【0065】
シャッタボタン(レリーズボタン)35は、記録デバイス19(図1)に装着された記録媒体に画像データを記録する(写真(静止画)を撮る)ときに操作され、ズームレバー36は、ズームを調整するときに操作される。
【0066】
ディジタルカメラ1の背面には、入出力パネル18が設けられている。入出力パネル18には、スルー画やGUI等が表示される。
【0067】
ユーザは、入出力パネル18に、入力ツールを近接、または、タッチすることで、ディジタルカメラ1に、各種の(操作)入力を与えることができる。
【0068】
[CPU23により実現される機能の構成例]
図3は、図1のCPU23が所定の制御プログラムを実行することにより実現される機能の一部の構成例を示すブロック図である。CPU23が所定の制御プログラムを実行することにより、表示制御装置51および情報処理装置52として動作する機能を含む機能が実現される。
【0069】
表示制御装置51は、入出力パネル18の入力部16に対する操作(入力ツールの近接またはタッチ)、および、操作部24に対する操作に応じて、ディジタル信号処理部15を介して、ディジタルカメラ1の操作や各種の情報の確認等を行うためGUIを入出力パネル18の表示部17に表示させる。
【0070】
表示制御装置51は、入力検出部61および表示制御部62を含むように構成される。
【0071】
入力検出部61は、入出力パネル18の入力部16からの操作信号に基づいて、入出力パネル18の入力部16に対する外部からの入力(入力ツールの近接またはタッチ)、並びに、その近接またはタッチされた入力部16上の位置等を検出する。そして、入力検出部61は、それらの検出結果を含む情報を、入出力パネル18の入力部16に対してユーザが行った操作を表す操作情報として、表示制御部62に供給する。
【0072】
表示制御部62は、操作部24からの操作信号、および、入力検出部61からの操作情報により示されるユーザ操作に応じて、EEPROM25やプログラムROM26に記憶されているデータ等に基づいて、ディジタル信号処理部15を介して、GUIを入出力パネル18の表示部17に表示させる。
【0073】
また、表示制御部62は、入力検出部61からの操作情報に基づいて、入出力パネル18の表示部17に表示されているGUIに対してユーザが入力部16を操作することにより、実行が指令されたディジタルカメラ1の機能を認識する。そして、表示制御部62は、認識した機能を情報処理装置52に通知する。
【0074】
情報処理装置52は、ディジタルカメラ1の各部を制御して、表示制御部62から通知された機能を実行させる。
【0075】
[入出力パネル18の表示例]
図4は、入出力パネル18の表示部17の表示画面の表示例を示す図である。
【0076】
図4は、ディジタルカメラ1が撮影待機状態になっており、かつ、入力部16に対して入力ツールが近接もタッチもしていない状態の入出力パネル18の表示部17の表示画面の表示例を示している。
【0077】
ここで、撮影待機状態とは、シャッタボタン35(図2)が操作されたならば、写真(静止画)の撮影が行われる状態(画像が撮像され、記録デバイス19(図1)に装着された記録媒体に記録される状態)を意味する。
【0078】
図4の表示画面では、左右の縦長の帯状の領域AL,ARを除く中央の領域AC内に、スルー画が表示されている。また、所定の機能が割り当てられているアイコン101乃至105が、領域AL内の所定の位置に所定のサイズで縦に並べて表示されている。さらに、所定の機能が割り当てられているアイコン106,107、並びに、ディジタルカメラ1の状態等を示すアイコン群108が、領域AR内の所定の位置に所定のサイズで縦に並べて表示されている。
【0079】
なお、アイコン群108には、例えば、ディジタルカメラ1のバッテリ残量、記録媒体への写真(静止画)の記録可能枚数、設定されている撮影モード等を表すアイコンが含まれる。
【0080】
ユーザは、例えば、図4の表示画面上のアイコン101乃至107に、入力ツールを近接またはタッチさせることにより、各アイコンに割り当てられている機能をディジタルカメラ1に実行させることができる。
【0081】
なお、以下、図4の表示画面を撮影待機画面と称する。
【0082】
また、以下、入出力パネル18の入力部16および表示部17の横方向をx軸方向とし、縦方向をy軸方向とする。従って、例えば、図4の撮影待機画面の横方向がx軸方向となり、縦方向がy軸方向となる。
【0083】
さらに、以下、入出力パネル18の入力部16および表示部17の記載を省略し、単に、入出力パネル18と記載する場合がある。例えば、「入出力パネル18の表示部17が画像を表示する」ことを、「入出力パネル18が画像を表示する」と記載したり、「入出力パネル18の入力部16に入力ツールを近接またはタッチさせる」ことを、「入出力パネル18に入力ツールを近接またはタッチさせる」と記載したりする場合がある。
【0084】
[撮影モードアイコンの操作時の表示制御処理]
次に、図5および図6のフローチャートを参照して、図4の撮影待機画面において、撮影モードを設定するためのアイコン106(以下、撮影モードアイコン106と称する)に注目し、撮影モードアイコン106の操作時に、ディジタルカメラ1により実行される表示制御処理について説明する。
【0085】
なお、この処理は、例えば、ディジタルカメラ1の電源がオンされたとき、または、入出力パネル18もしくは操作部24に対して、入出力パネル18に撮影待機画面を表示させる操作が行われたとき開始される。
【0086】
また、以下、説明を簡単にするために、撮影モードアイコン106に対する操作に関わる処理以外の処理(例えば、撮影モードアイコン106以外のアイコンが操作されたときの処理等)の説明は省略する。
【0087】
ステップS1において、ディジタルカメラ1は、撮影待機画面を表示する。具体的には、撮像素子12は、撮像の結果得られる画像信号をアナログ信号処理部13に供給する。アナログ信号処理部13は、撮像素子12からの画像信号に、アナログ信号処理を施し、A/D変換部14に供給する。A/D変換部14は、アナログ信号処理部13からの画像信号をA/D変換し、その結果得られるディジタルの画像データを、ディジタル信号処理部15に供給する。ディジタル信号処理部15では、A/D変換部14からの画像データに、ディジタル信号処理を施し、入出力パネル18に供給する。入出力パネル18は、ディジタル信号処理部15からの画像信号に基づいて、撮影待機画面の領域ACにスルー画を表示する。
【0088】
また、表示制御部62は、ディジタル信号処理部15を介して、アイコン101乃至105を、撮影待機画面の領域ALに縦に並べて表示させ、撮影モードアイコン106、アイコン107、および、アイコン群108を撮影待機画面の領域ARに縦に並べて表示させる。
【0089】
ステップS2において、表示制御部62は、撮影モードアイコン106の近接反応領域、接触反応領域を設定する。
【0090】
ここで、近接反応領域とは、入出力パネル18に表示されているアイコン、文字列、サムネイル等の各アイテムへの入力ツールの近接を検出する基準となる領域である。また、接触反応領域とは、入出力パネル18に表示されている各アイテムへの入力ツールの接触を検出する基準となる領域である。
【0091】
図7は、ステップS2の処理において、撮影モードアイコン106に対して設定される近接反応領域Rcおよび接触反応領域Rt1の一例を示している。近接反応領域Rcは、撮影モードアイコン106の見た目より一回り大きく、撮影モードアイコン106を囲む矩形の領域に設定される。また、接触反応領域Rt1は、近接反応領域Rcと同じ領域に設定される。
【0092】
ステップS3において、入力検出部61は、入出力パネル18からの操作信号に基づいて、入力ツールの近接位置の検出を行う。入力検出部61は、入力ツールの近接位置の検出結果を含む操作情報を表示制御部62に供給する。
【0093】
ステップS4において、表示制御部62は、撮影モードアイコン106の近接反応領域Rcに入力ツールが近接されているか否かを判定する。そして、入出力パネル18への入力ツールの近接が検出されなかった場合、または、検出された近接位置が近接反応領域Rcから外れている場合、撮影モードアイコン106の近接反応領域Rcに入力ツールが近接されていないと判定され、処理はステップS3に戻る。
【0094】
その後、ステップS4において、撮影モードアイコン106の近接反応領域Rcに入力ツールが近接されていると判定されるまで、ステップS3およびS4の処理が繰り返し実行される。
【0095】
一方、ステップS4において、入出力パネル18への入力ツールの近接が検出され、検出された近接位置が近接反応領域Rc内である場合、撮影モードアイコン106の近接反応領域Rcに入力ツールが近接されていると判定され、処理はステップS5に進む。
【0096】
ステップS5において、表示制御部62は、ディジタル信号処理部15を介して、撮影モードアイコン106の表示態様を変化させるとともに、オプションメニューを表示させる。
【0097】
図8は、入力ツールとしての指121を撮影モードアイコン106に近づけた場合に、ステップS5の処理で、入出力パネル18に表示される表示画面の一例を示している。
【0098】
図8の表示画面では、撮影モードアイコン106およびその周囲が反転表示されるとともに、撮影モードアイコン106を囲むようにカーソル131が表示されている。これにより、ユーザは、指121を撮影モードアイコン106に近づけることにより、撮影モードアイコン106が選択されている(撮影モードアイコン106が指121に反応している)ことを直感的に認識することができる。
【0099】
なお、反転表示やカーソル表示は一例であり、それ以外の態様で、撮影モードアイコン106が選択されていることを示すようにしてもよい。例えば、撮影モードアイコン106の色、大きさ、デザイン、明るさ等を変化させるようにしてもよい。また、複数の表示態様の変化を組み合わせるようにしてもよい。
【0100】
また、撮影モードアイコン106の上方に、撮影モードアイコン106に関する関連情報として、撮影モードアイコン106に割り当てられている機能を説明する機能ガイド132が表示されている。これにより、ユーザは、撮影モードアイコン106に割り当てられている機能の詳細を、簡単かつ迅速に認識することができる。
【0101】
さらに、横長のオプションメニュー133が、撮影モードアイコン106の左隣に、領域ARに直交する方向に延伸し、かつ、領域ACのスルー画に重畳するように表示されている。また、オプションアイコン141乃至143が、オプションメニュー133内の所定の位置に所定のサイズで横に並べて表示されている。
【0102】
オプションアイコン141乃至143は、撮影モードアイコン106に関連するアイコンである。より具体的には、オプションアイコン141乃至143は、ディジタルカメラ1のメニュー体系において撮影モードアイコン106の下位の階層に属するアイコンである。そして、オプションアイコン141乃至143には、ディジタルカメラ1の撮影モードのうちの1つを設定する機能がそれぞれ割り当てられている。
【0103】
また、オプションメニュー133に表示させるオプションアイコン141乃至143は、ユーザが自由に設定することができる。例えば、ユーザは、よく使用する撮影モードを迅速に設定できるように、その撮影モードに対応するアイコンをオプションアイコンに設定し、オプションメニュー133に表示させるようにすることができる。
【0104】
さらに、機能ガイド132およびオプションメニュー133は、背景のスルー画が透けて見えるように半透明で表示されている。これにより、機能ガイド132およびオプションメニュー133が表示された状態でも、背景のスルー画を確実に視認することができる。
【0105】
このようにして、入力ツールが近接した近接位置の周辺に表示されている撮影モードアイコン106に関連するオプションアイコン141乃至143を含むオプションメニュー133を表示される。
【0106】
ステップS6において、表示制御部62は、撮影モードアイコン106の近接反応領域を拡大するとともに、オプションアイコン141乃至143の接触反応領域を設定する。
【0107】
図9は、ステップS6の処理において設定される撮影モードアイコン106の近接反応領域Rc’、および、オプションアイコン141乃至143の接触反応領域Rt2乃至Rt4を示している。なお、この図では、図を分かりやすくするために、カーソル131および機能ガイド132の図示、並びに、撮影モードアイコン106の反転表示を省略している。また、オプションメニュー133の上方の二点鎖線で示される領域は、図10を参照して後述する、オプションアイコン141乃至143の機能ガイドが表示される領域である。
【0108】
撮影モードアイコン106の近接反応領域Rc’は、図7の近接反応領域Rcより大きく、近接反応領域Rc、オプションメニュー133、および、オプションアイコン141乃至143の機能ガイドの表示領域を含む矩形の領域に設定される。
【0109】
なお、近接反応領域Rc’に、機能ガイドの表示領域の一部または全部を含めないようにしてもよい。
【0110】
接触反応領域Rt2乃至Rt4は、それぞれオプションアイコン141乃至143の見た目より一回り大きく、オプションアイコン141乃至143をそれぞれ囲む矩形の領域に設定される。
【0111】
なお、撮影モードアイコン106の接触反応領域Rt1、および、オプションアイコン141乃至143の接触反応領域Rt2乃至Rt4は、ほぼ等しい大きさに設定される。
【0112】
ステップS7において、入力検出部61は、入出力パネル18からの操作信号に基づいて、入力ツールの接触位置の検出を行う。入力検出部61は、入力ツールの接触位置の検出結果を含む操作情報を表示制御部62に供給する。
【0113】
ステップS8において、表示制御部62は、入力検出部61による検出結果に基づいて、入出力パネル18に入力ツールがタッチしているか否かを判定する。入出力パネル18に入力ツールがタッチしていないと判定された場合、処理はステップS9に進む。
【0114】
ステップS9において、ステップS3の処理と同様に、入力ツールの近接位置の検出が行われ、入力ツールの近接位置の検出結果を含む操作情報が、入力検出部61から表示制御部62に供給される。
【0115】
ステップS10において、表示制御部62は、撮影モードアイコン106の拡大された近接反応領域Rc’に入力ツールが近接されているか否かを判定する。そして、入出力パネル18への入力ツールの近接が検出され、検出された近接位置が近接反応領域Rc’内である場合、近接反応領域Rc’に入力ツールが近接されていると判定され、処理はステップS11に進む。
【0116】
ステップS11において、表示制御部62は、ディジタル信号処理部15を介して、入力ツールの近接位置に応じて、各アイコンの表示態様等を変化させる。
【0117】
具体的には、表示制御部62は、入力ツールの近接位置のx座標が、接触反応領域Rt1乃至Rt4のいずれかのx軸方向の範囲内である場合、その接触反応領域に対応するアイコンを選択中であると判定する。
【0118】
なお、以下、各接触反応領域Rt1乃至Rt4のx軸方向の範囲と、近接反応領域Rc’のy軸方向の範囲により定義される領域を選択判定領域と称する。例えば、撮影モードアイコン106の選択判定領域は、接触反応領域Rt1のx軸方向の範囲と、近接反応領域Rc’のy軸方向の範囲により定義される領域となる。
【0119】
そして、表示制御部62は、選択中であると判定したアイコンの表示態様を変化させるとともに、そのアイコンに割り当てられている機能を説明する機能ガイドを表示させる。
【0120】
例えば、図8に示される状態から、指121を入出力パネル18に近づけたまま動かし、図10に示されるように、指121をオプションアイコン143上に持ってきた場合について説明する。
【0121】
この場合、指121の近接位置のx座標がオプションアイコン143の選択判定領域内に含まれ、オプションアイコン143を選択中であると判定される。そして、オプションアイコン143が反転表示されるとともに、オプションアイコン143を囲むようにカーソル131が表示される。すなわち、入力ツールである指121の移動に伴い、指121の近接位置の周辺に表示されているオプションアイコン143の表示態様が変化する。
【0122】
これにより、ユーザは、指121を入出力パネル18に近づけたまま動かすことにより、アイコンの選択が切り替わるとともに、指121の近くに表示されているアイコンが選択されている(アイコンが指121に反応している)ことを直感的に認識することができる。
【0123】
なお、図8の撮影モードアイコン106の場合と同様に、反転表示やカーソル表示以外の態様を用いたり、複数の表示態様の変化を組み合わせたりして、各オプションアイコンが選択されていることを示すようにしてもよい。
【0124】
また、オプションメニュー133の上方に、オプションアイコン143に割り当てられている機能の名称と内容を説明する機能ガイド151が表示されている。これにより、ユーザは、オプションアイコン143に割り当てられている機能の詳細を、簡単かつ迅速に認識することができる。
【0125】
さらに、機能ガイド151は、背景のスルー画が透けて見えるように半透明で表示されている。これにより、機能ガイド151が表示された状態でも、背景のスルー画を確実に視認することができる。
【0126】
なお、入力ツールの近接位置が、いずれのアイコンの選択判定領域にも含まれていない場合、アイコンの選択状態は変化せず、そのまま維持される。
【0127】
例えば、図10の状態から、指121をオプションアイコン143の上方からオプションアイコン142の上方に移動させる場合、その途中で、指121の近接位置が、いずれのアイコンの選択判定領域にも含まれなくなる状態が生じる。このとき、オプションアイコン143の選択状態がそのまま維持され、図10の表示画面がそのまま継続して表示される。そして、指121の近接位置が、オプションアイコン142の選択判定領域に入った時点で、オプションアイコン142を選択中であると判定され、オプションアイコン142の表示態様が変化し、オプションアイコン142の機能ガイドが表示される。
【0128】
図5に戻り、その後、処理はステップS7に戻る。そして、ステップS8において、入出力パネル18に入力ツールがタッチしていると判定されるか、ステップS10において、近接反応領域Rc’に入力ツールが近接されていないと判定されるまで、ステップS7乃至S11の処理が繰り返し実行される。
【0129】
従って、ユーザは、入力ツールを入出力パネル18にタッチさせなくても、入出力パネル18に近づけたまま近接反応領域Rc’内で動かすことにより、撮影モードアイコン106およびオプションアイコン141乃至143に対する選択を自由に変更することができる。また、アイコンの選択の変更に伴い、選択されたアイコンの表示態様が変化し、機能ガイドの表示が切り替わる。
【0130】
一方、ステップS10において、入出力パネル18への入力ツールの近接が検出されなかった場合、または、検出された近接位置が近接反応領域Rc’から外れている場合、近接反応領域Rc’に入力ツールが近接されていないと判定され、処理はステップS12に進む。
【0131】
ステップS12において、表示制御部62は、各アイコンの反応領域を元に戻す。すなわち、表示制御部62は、撮影モードアイコン106の近接反応領域Rc’を近接反応領域Rcに縮小し、オプションアイコン141乃至143の接触反応領域Rt2乃至Rt4の設定を解除する。これにより、各アイコンの反応領域の状態が、図9の状態から図7の状態に戻る。
【0132】
ステップS13において、表示制御部62は、ディジタル信号処理部15を介して、オプションメニュー133を非表示にする。すなわち、オプションメニュー133が閉じられ、機能ガイドおよびカーソル131が消され、入出力パネル18の表示画面が、図4の状態に戻る。
【0133】
その後、処理はステップS3に戻り、ステップS3以降の処理が実行される。
【0134】
一方、ステップS8において、入出力パネル18に入力ツールがタッチされていると判定された場合、処理はステップS14に進む。
【0135】
ステップS14において、表示制御部62は、撮影モードアイコン106の拡大された近接反応領域Rc’内に入力ツールがタッチされているか否かを判定する。そして、検出された入力ツールの接触位置が近接反応領域Rc’内である場合、近接反応領域Rc’内に入力ツールがタッチされていると判定され、処理はステップS15に進む。
【0136】
ステップS15において、表示制御部62は、ディジタル信号処理部15を介して、入力ツールの接触位置に応じて、各アイコンの表示態様等を変化させる。
【0137】
なお、ステップS15では、近接位置を接触位置に置き換えただけで、基本的にステップS12と同様の処理が行われる。すなわち、近接位置を用いた場合と同様の判定方法により、入力ツールの接触位置に基づいて、選択中のアイコンが検出される。また、選択中のアイコンの表示態様が変化するとともに、そのアイコンに対応する機能ガイドが表示される。
【0138】
ステップS16において、ステップS7の処理と同様に、入力ツールの接触位置の検出が行われ、入力ツールの接触位置の検出結果を含む操作情報が、入力検出部61から表示制御部62に供給される。
【0139】
ステップS17において、表示制御部62は、入力検出部61による検出結果に基づいて、入出力パネル18から入力ツールが離れたか否かを判定する。入出力パネル18から入力ツールが離れていないと判定された場合、換言すれば、入出力パネル18に入力ツールがタッチされたままであると判定された場合、処理はステップS14に戻る。
【0140】
その後、ステップS14において、撮影モードアイコン106の近接反応領域Rc’内に入力ツールがタッチされていないと判定されるか、ステップS17において、入出力パネル18から入力ツールが離れたと判定されるまで、ステップS14乃至S17の処理が繰り返し実行される。
【0141】
従って、ユーザは、入力ツールを入出力パネル18にタッチさせたまま近接反応領域Rc’内で動かすことにより、撮影モードアイコン106およびオプションアイコン141乃至143に対する選択を自由に変更することができる。また、アイコンの選択の変更に伴い、選択されたアイコンの表示態様が変更され、機能ガイドの表示が切り替わる。
【0142】
一方、ステップS17において、入出力パネル18から入力ツールが離れたと判定された場合、処理はステップS18に進む。なお、これは、入力ツールが、近接反応領域Rc’内にタッチされたまま、入出力パネル18から離れた場合である。
【0143】
ステップS18において、ディジタルカメラ1は、選択されたアイコンに割り当てられている機能を実行する。具体的には、まず、表示制御部62は、入出力パネル18から入力ツールが離れる直前に選択されていたアイコンの選択を確定する。例えば、撮影モードアイコン106の選択中に、入力ツールが入出力パネル18から離れた場合、撮影モードアイコン106の選択が確定する。同様に、オプションアイコン141乃至143のいずれかの選択中に、入力ツールが入出力パネル18から離れた場合、選択中のオプションアイコンの選択が確定する。これにより、入出力パネル18から入力ツールが離れる直前の接触位置に基づいて、アイコンの選択が確定する。
【0144】
そして、オプションアイコン141乃至143のいずれかの選択が確定した場合、例えば、表示制御部62は、そのアイコンに割り当てられている機能を情報処理装置52に通知する。情報処理装置52は、ディジタルカメラ1の各部を制御して、通知された機能を実行させる。
【0145】
一方、撮影モードアイコン106の選択が確定した場合、例えば、表示制御部62は、ディジタル信号処理部15を介して、撮影モードを設定するための表示画面を入出力パネル18に表示させる。
【0146】
図11は、このとき入出力パネル18に表示される表示画面(以下、撮影モード設定画面と称する)の一例を示している。
【0147】
図11の撮影モード設定画面では、ディジタルカメラ1の撮影モードのうちの1つを設定する機能がそれぞれ割り当てられているアイコン201乃至208が、格子状に配列されている。なお、オプションメニュー133に表示されるオプションアイコン141乃至143は、例えば、アイコン201乃至208の中からユーザにより選択される。
【0148】
また、各アイコンの機能説明の表示を行う際に操作されるアイコン209、および、撮影モード設定画面を閉じ、図4の撮影待機画面を表示させる際に操作されるアイコン210が、右上隅に表示されている。
【0149】
ユーザは、オプションメニュー133に対する操作と同様にして、入力ツールを入出力パネル18に近接またはタッチさせることにより、撮影モード選択画面のアイコン201乃至210の中から所望のアイコンを選択し、その選択を確定することができる。
【0150】
そして、表示制御部62は、選択が確定したアイコンに割り当てられている機能を情報処理装置52に通知する。情報処理装置52は、ディジタルカメラ1の各部を制御して、通知された機能を実行させる。
【0151】
その後、表示制御処理は終了する。
【0152】
一方、ステップS14において、検出された入力ツールの接触位置が近接反応領域Rc’から外れている場合、近接反応領域Rc’外に入力ツールがタッチされていると判定され、処理はステップS19に進む。
【0153】
ステップS19において、ステップ12の処理と同様に、各アイコンの反応領域が元に戻される。
【0154】
ステップS20において、ステップS13の処理と同様に、オプションメニュー133が非表示にされる。
【0155】
ステップS21において、ステップS7の処理と同様に、入力ツールの接触位置の検出が行われる。
【0156】
ステップS22において、ステップS17の処理と同様に、入出力パネル18から入力ツールが離れたか否かが判定され、入出力パネル18から入力ツールが離れていないと判定された場合、処理はステップS21に戻る。その後、入出力パネル18から入力ツールが離れたと判定されるまで、ステップS21およびS22の処理が繰り返し実行される。
【0157】
そして、ステップS22において、入出力パネル18から入力ツールが離れたと判定された場合、処理はステップS3に戻り、ステップS3以降の処理が実行される。
【0158】
以上のようにして、ユーザは、入力ツールを撮影モードアイコン106に近接させるだけで、オプションメニュー133を表示させることができる。さらに、ユーザは、そのままオプションアイコン141乃至143のいずれかの周辺に入力ツールをタッチさせるだけで、タッチしたアイコンに割り当てられている機能を実行させることできる。
【0159】
従って、例えば、撮影モードアイコン106にタッチしてから、オプションメニュー133を表示させた後、オプションアイコン141乃至143のいずれかにタッチするような操作を行う場合と比較して、操作ステップ数が減少する。そのため、迅速に撮影モードを設定することができ、所望の撮影モードでシャッターチャンスを逃さずに撮影することが可能になる。また、ユーザが撮影モードの設定操作に対して感じる煩わしさを軽減することができる。
【0160】
また、入力ツールを入出力パネル18に近づけたまま動かすだけで、アイコンの選択が切り替わり、選択されたアイコンの表示態様が変化するので、ユーザは、入出力パネル18にタッチする前に、選択されているアイコンを確実に認識することができる。そのため、誤って違うアイコンにタッチして、希望しない機能を実行させるような誤操作を減少させることができる。
【0161】
さらに、入力ツールを入出力パネル18にタッチさせた後も、入力ツールを入出力パネル18から離すまで、アイコンを自由に選択することができるので、仮に誤ったアイコンに入力ツールをタッチしても、所望のアイコンを選択することが可能になる。
【0162】
また、オプションメニュー133を横方向に細長く、かつ、半透明で表示することにより、領域ACに表示されているスルー画が隠れる部分を小さくすることができる。そのため、被写体を十分視界に入れながら撮影モードを設定することが可能になる。従って、ユーザは、被写体の変化を認識しながら撮影モードを設定し、シャッターチャンスを逃さず撮影することができる。
【0163】
また、撮影モードを設定するために画面全体が切り替わり、スルー画が見えなくなることがなく、撮影中の画面の変化によりユーザが感じるストレスを軽減することができる。
【0164】
さらに、入力ツールを撮影モードアイコン106に近接させたときに、撮影モードアイコン106の近接反応領域が拡大されるため、操作中に入力ツールの位置が少々ぶれても、オプションメニュー133が閉じずに、継続して表示される。これにより、誤ってオプションメニュー133を閉じてしまうことが減少し、ユーザは、ストレスを感じずに、迅速に撮影モードを設定することが可能になる。
【0165】
<2.変形例>
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0166】
[変形例1]
例えば、撮影モードアイコン106(接触反応領域Rt1)をタッチしたときに、オプションメニュー133に表示されるオプションアイコンの種類を変更するようにしてもよい。すなわち、撮影モードアイコン106に入力ツールを近接させたときとタッチさせたときで、オプションメニュー133の内容を変更するようにしてもよい。
【0167】
[変形例2]
また、例えば、撮影モードアイコン106(接触反応領域Rt1)をタッチした後、オプションメニュー133の表示を固定するようにしてもよい。すなわち、オプションメニュー133の表示中に、撮影モードアイコン106をタッチすると、その後、入力ツールを入出力パネル18から離しても、オプションメニュー133の表示を継続させるようにしてもよい。これにより、ユーザは、オプションメニュー133の中から撮影モードをじっくり選択することが可能になる。そして、例えば、アイコンの選択を確定するか、または、近接反応領域Rc’の外をタッチしたときに、オプションメニュー133を閉じるようにすればよい。
【0168】
[変形例3]
さらに、例えば、撮影モードアイコン106に入力ツールを近づけたときに、オプションメニュー133の代わりに、図11の撮影モード設定メニューを表示するようにしてもよい。この場合、一時的にスルー画が見えなくなるが、オプションメニュー133を操作する場合と同様に、アイコンの選択にかかる操作ステップが少なくてすむため、より多くの候補の中から撮影モードを迅速に選択し、スルー画を再表示させることができる。
【0169】
[変形例4]
また、例えば、入力ツールを入出力パネル18から離したとき(リリース時)ではなく、タッチしたときにアイコンの選択を確定するようにしてもよい。これにより、より迅速に撮影モードの設定を行うことが可能になる。
【0170】
[変形例5]
さらに、例えば、入力ツールの近接位置または接触位置が近接反応領域Rc’から外れた場合に、すぐにオプションメニュー133を閉じずに、待機時間を設けるようにしてもよい。これにより、例えば、入力ツールの近接位置または接触位置が一時的に近接反応領域Rc’から外れても、すぐに近接反応領域Rc’内に戻すことにより、オプションメニュー133の表示を継続させることができる。
【0171】
[変形例6]
また、以上の説明では、近接時と接触時とで、オプションメニュー133を非表示にするか否かの判定に用いる領域(近接反応領域Rc’)を同じにする例を示したが、変化させるようにしてもよい。例えば、近接時に比べて接触時の方が、入出力パネル18に対する入力ツールの位置を認識しやすいため、近接時に比べて接触時の近接反応領域Rc’を小さくするようにしてもよい。
【0172】
[変形例7]
同様に、近接時と接触時とで、各アイコンの選択判定領域を変化させるようにしてもよい。例えば、上述したように、近接時に比べて接触時の方が、入出力パネル18に対する入力ツールの位置を認識しやすいため、近接時に比べて接触時の選択判定領域を小さくするようにしてもよい。
【0173】
[変形例8]
また、以上の説明では、各アイコンの選択判定領域を接触反応領域より大きくする例を示したが、接触反応領域をそのまま選択判定領域として用いるようにしてもよい。
【0174】
[変形例9]
さらに、各アイコンの接触反応領域(あるいは選択判定領域)を、必ずしも対応するアイコンの表示領域を全て含むようにする必要はなく、対応するアイコンの表示領域の一部のみを含むようにしてもよい。例えば、アイコンが狭い間隔で隣接している場合、接触反応領域(あるいは選択判定領域)を各アイコンの表示領域より小さく設定することにより、隣のアイコンを誤って選択することを防止することができる。
【0175】
また、アイコン毎に各種の反応領域の大きさを変えるようにしてもよい。
【0176】
[変形例10]
さらに、以上の説明では、入力ツールの近接位置または接触位置が、いずれのアイコンの選択判定領域にも含まれていない場合、アイコンの選択状態を維持する例を示したが、例えば、オプションメニュー133を表示したまま、アイコンの選択を解除するようにしてもよい。
【0177】
[変形例11]
また、オプションメニュー133内のオプションアイコンの配置は、上述した例に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。例えば、オプションアイコンを縦に並べたり、2次元に配列したりすることも可能である。
【0178】
さらに、オプションメニュー133の形状、大きさ、表示位置、表示方向等も、撮影モードアイコン106の位置、撮影モードアイコン106を含むアイコンの列の方向や位置、オプションメニュー133の内容等により、変えるようにしてもよい。
【0179】
[変形例12]
また、以上の説明では、オプションメニュー133の表示のトリガとなる撮影モードアイコン106も選択できるメニュー構成を示したが、本発明は、メニュー表示のトリガとなるアイコンを選択できない構成のメニューを表示する場合にも適用できる。例えば、撮影モードアイコン106がオプションメニュー133を表示させるために用いられ、オプションアイコン141乃至143のみを選択できるようなメニュー構成の場合である。
【0180】
[変形例13]
さらに、本発明は、撮影モードの設定以外の操作を行う場合にも適用することができる。例えば、各種操作のショートカット機能を複数のショートカットアイコンに割り当てておき、所定のアイコンに入力ツールを近接させたときに、それらのショートカットアイコンを含むメニューを表示させる場合等が考えられる。
【0181】
[変形例14]
また、本発明は、例えば、文字列、動画や静止画のサムネイルなど、アイコン以外のアイテムを選択する場合にも適用することができる。従って、例えば、オプションメニュー133内のアイテムを、機能名等を示す文字列により構成することも可能である。
【0182】
[変形例15]
さらに、例えば、選択中のアイテムに関連する情報として、ファイル名、撮影日、更新日等、機能以外の情報を表示するようにすることも可能である。
【0183】
[変形例16]
また、本発明は、一度に複数のアイテムを選択可能な場合にも適用することができる。例えば、複数のアイテムの間に入力ツールを近接またはタッチさせることにより、その周辺の複数のアイテムを一度に選択したり、検出される近接位置および接触位置の範囲が大きく、一度に複数のアイテムを選択できる場合にも適用できる。この場合、例えば、選択中の複数のアイテムの表示態様を、上述したように変化させるようにすればよい。
【0184】
[変形例17]
さらに、本発明は、ディジタルカメラ以外の、近接により、または、近接およびタッチにより操作が可能な表示装置を備えた装置、および、それらの装置の表示制御を行う装置に適用することが可能である。例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、携帯情報端末(例えば、携帯電話機、携帯型音楽プレーヤ、電子ブックリーダ等)、ディジタルビデオカメラ、ゲーム機器、ナビゲーション装置、テレビジョン受像機、ディスプレイ、表示機能付の各種装置のコントローラ(リモートコントローラを含む)等に適用できる。
【0185】
具体的には、例えば、PC等で画像の編集を行っているときに、編集中の画像を表示したまま、編集の種類を選択するためのメニューを表示する場合に適用できる。また、例えば、PCやナビゲーション装置等で地図の閲覧中に、地図の表示形態(衛星写真表示、地図表示、ランドマーク表示等)を選択するためのメニューを表示する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0186】
1 ディジタルカメラ, 15 ディジタル信号処理部, 16 入力部, 17 表示部, 18 入出力パネル, 19 記録デバイス, 23 CPU, 24 操作部, 25 EEPROM, 26 プログラムROM, 27 RAM, 51 表示制御装置, 52 情報処理装置, 61 入力検出部, 62 表示制御部, 106 撮影モードアイコン, 131 カーソル, 132 機能ガイド, 133 オプションメニュー, 141乃至143 オプションアイコン, 151 機能ガイド, 201乃至210 アイコン, Rc,Rc’ 近接反応領域, Rt1乃至Rt4 接触反応領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接により操作可能な表示装置の表示画面への物体の近接を検出する検出手段と、
前記表示画面への物体の近接が検出された場合、前記物体が近接した近接位置の周辺に表示されているアイテムである注目アイテムに関連するアイテムである関連アイテムを含むメニューを表示するとともに、前記近接位置の移動に伴い、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させる表示制御を行う表示制御手段と
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記メニューを、前記注目アイテムの周辺に、前記表示画面に表示されている画像の一部に重畳させて表示する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記注目アイテムの表示領域の少なくとも一部を含む第1の領域への前記物体の近接が検出された場合、前記メニューを表示し、前記表示画面への前記物体の近接が検出されなくなった場合、または、前記第1の領域を含み、前記第1の領域より大きい第2の領域から前記近接位置が外れた場合、前記メニューを非表示にする
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第2の領域は、前記メニューの表示領域を含む
請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記注目アイテムを含むアイテムの列が前記表示画面の端部に表示され、
前記表示制御部は、前記列に対して直交する方向に前記メニューを延伸させる
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示装置は、さらにタッチにより操作可能であり、
前記検出手段は、さらに前記表示画面への前記物体のタッチを検出し、
前記表示制御手段は、前記表示画面への前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記メニューを非表示にするとともに、前記メニューの表示中に前記注目アイテムへのタッチが検出された場合、前記表示画面への物体の近接が検出されなくなっても、前記メニューの表示を継続する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示装置は、さらにタッチにより操作可能であり、
前記検出手段は、さらに前記表示画面への前記物体のタッチを検出し、
前記表示制御手段は、前記注目アイテムへのタッチが検出された場合、前記メニューに表示する前記関連アイテムの種類を変更する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させるとともに、前記関連アイテムに関する関連情報を表示する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示装置は、さらにタッチにより操作可能であり、
前記検出手段は、さらに前記表示画面への前記物体のタッチを検出し、
前記表示制御手段は、前記表示画面に前記物体がタッチした接触位置に基づいて、前記関連アイテムに対する選択を確定する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記表示画面から前記物体が離れる直前の前記接触位置に基づいて、前記関連アイテムの選択を確定する
請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記接触位置の移動に応じて、前記接触位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させる
請求項10に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記近接位置の周辺に表示されている前記注目アイテムまたは前記関連アイテムの表示態様を変化させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項13】
近接により操作可能な表示装置の表示画面への物体の近接を検出し、
前記表示画面への物体の近接が検出された場合、前記物体が近接した近接位置の周辺に表示されているアイテムである注目アイテムに関連するアイテムである関連アイテムを含むメニューを表示するとともに、前記近接位置の移動に伴い、前記近接位置の周辺に表示されている前記関連アイテムの表示態様を変化させる表示制御を行う
ステップを含む表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−138012(P2012−138012A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291081(P2010−291081)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】