説明

表示器の表示状態評価システム

【課題】表示器の表示状態を評価システムにおいて、人が違和感を感じる種々の表示状態の異常を判定する。
【解決手段】カメラ10によって撮像した画像を取得し(S41)、取得した画像を複数の領域に分割し(S42)、領域別に輝度値を算出する(S43)。その輝度値に基づいて、輝度差分を算出し(S44)、さらに、輝度差分の変化パターンを決定する(S45)。また、擬似信号を取得するとともに、その擬似信号の差分の変化パターンを決定する(S46)。そして、両変化パターンの相関度を算出し(S47)、この相関度に基づいて表示状態が異常か否かを判定する(S48)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器の表示状態評価システムに関し、特に、表示状態の異常を自動で判定するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の表示異常を自動で判定する装置として、従来、特許文献1の装置が知られている。特許文献1の装置は、表示装置を撮影するカメラと、そのカメラによって撮像された画像を解析するパソコンとを備えている。パソコンはメモリを備えており、このメモリに、カメラによって撮像された映像の絵素毎の輝度が記憶される。そして、その絵素毎の輝度の標準偏差から、表示装置の表示のちらつきを判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−10641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、標準偏差によりちらつきを判定する場合、標準偏差に有意な差として現れる輝度変化でなければ、ちらつきがあると判定することができない。すなわち、輝度変化が、ある程度の回数は繰り返されるようなちらつき(周期的なちらつき)でなければ、ちらつきがあると判定することができない。
【0005】
一方、人が違和感を感じる表示異常には、周期的なちらつき以外のものもある。たとえば、瞬間的な点灯・消灯などの一瞬だけの輝度変化や、表示器としてメータの針などを表示する車載用表示器を考えた場合、メータの針がスムーズに動作しないときも違和感を感じる。しかし、特許文献1の装置では、周期的な輝度変化を示すちらつきしか判定できず、それ以外の種々の表示異常を判定することはできなかった。
【0006】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、表示器の表示状態を評価システムにおいて、人が違和感を感じる種々の表示状態の異常を判定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その目的を達成するための請求項1記載の発明では、カメラは経時的に表示器を撮像し、情報処理装置は、カメラによって撮像された画像を取得して、その画像の輝度を経時的に算出し、さらに、その経時的に算出した輝度に基づいて輝度差分の変化パターンを決定する。そして、表示異常判定手段は、この輝度差分の変化パターンと所定の参照パターンとの比較に基づいて、表示器の表示状態に異常があるかを判定する。
【0008】
瞬間的な点灯・消灯が生じた場合には、輝度の変化が生じる。また、表示器に表示された図形の動作が異常動作である場合にも、輝度の変化が生じる。輝度の変化は輝度差分により判断できることから、本発明のように、輝度差分の変化パターンを用い、この輝度差分の変化パターンと参照用パターンとの比較により表示器の表示状態に異常があるかを判定するようにすれば、人が違和感を感じる種々の表示状態の異常を判定することができる。
【0009】
請求項2記載の発明では、表示異常判定手段は、参照パターンとして、予め設定した異常変化パターンを用いる。このように、予め設定した異常変化パターンを用いれば、輝度差分の変化パターンが、予め設定した異常変化パターンと似ている場合に異常と判定できる。
【0010】
さらに、請求項3記載の発明のように、異常変化パターンとして、表示状態の複数種類の異常にそれぞれ対応した複数種類の異常変化パターンを用いることもできる。
【0011】
請求項4記載の発明では、表示器の表示状態を変化させる信号である表示変化信号を、擬似的に生成して表示器に出力する擬似信号生成装置をさらに備える。そして、表示異常判定手段は、参照パターンとして、擬似的に生成した表示変化信号の差分の変化パターンを用いる。このようにすれば、表示器が車両に搭載された場合と同様の条件を設定して表示器の表示異常の有無を判定することができる。
【0012】
表示異常判定手段における判定は、具体的には、請求項5のように、輝度差分の変化パターンにおける特徴点の発生時点と、参照パターンにおける特徴点の発生時点との比較に基づいて行うことができる。この特徴点とは、たとえば、請求項6記載のように、変化パターンにおける信号の立ち上がり点および立ち下がり点の少なくともいずれか一方である。
【0013】
また、表示異常判定手段における判定は、請求項7のように、異常変化パターンの所定時間における輝度差分の変化と、輝度差分の変化パターンの所定時間における輝度差分の変化との比較に基づいて行ってもよい。
【0014】
請求項8記載の発明では、画像を複数の領域に分割し、一部または全部の領域に対して領域別に輝度を経時的に算出する。そして、輝度差分の変化パターンは、予め設定された1つまたは複数の領域に対して決定する。このようにすれば、輝度差分の変化パターンを、画像の一部分に対して決定することから、画像の一部分に限定した詳細な輝度差分の変化パターンを決定することができる。
【0015】
請求項9記載の発明では、複数の領域に対して領域別に輝度差分の変化パターンを決定する。また、それら複数の輝度差分の変化パターンと比較する参照パターンも、輝度差分の変化パターン別に異なる参照パターンとする。このようにすれば、複数の領域に対して、異なる表示状態の異常を判定することができる。
【0016】
請求項10記載の発明では、1つの輝度差分の変化パターンを、異なる複数の参照パターンと比較して判定を行う。このようにすれば、1つの領域に対して、複数の種類の表示状態の異常を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明が適用された表示状態評価システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の表示状態評価システム1を用いて行う表示器Dの表示状態テストの手順を示すフローチャートである。
【図3】表示器Dの表示状態の異常の例を示す図である。
【図4】オペレーションPC40が実行する表示異常判定処理を詳しく示すフローチャートである。
【図5】図4の表示異常判定処理の具体例を説明する図である。
【図6】図4のステップS47で算出する相関度を説明する図である。
【図7】第1実施形態における異常判定の具体的事例であって、図5とは別の例を説明する図である。
【図8】第2実施形態においてオペレーションPC40が実行する表示異常判定処理を詳しく示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態における表示異常判定処理の具体例を説明する図である。
【図10】合致度の算出方法を説明する図である。
【図11】第2実施形態における異常判定の具体的事例であって、図9とは別の例を説明する図である。
【図12】その他の具体的事例1を説明する図である。
【図13】その他の具体的事例2を説明する図である。
【図14】その他の具体的事例3を説明する図である。
【図15】その他の具体的事例4を説明する図である。
【図16】その他の具体的事例5を説明する図である。
【図17】その他の具体的事例6を説明する図である。
【図18】その他の具体的事例7を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された表示状態評価システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の表示状態評価システム1は、カメラ10、シミュレータ20、オペレーションPC40を備えている。
【0019】
カメラ10は、評価対象の表示器Dの画面を連続的に撮像するものであり、撮像した画像をオペレーションPC40へ出力する。このカメラ10の台数は、図1では2台が示されているが、カメラ10の台数には特に制限はなく、1台でもよいし、また3台以上でもよい。このカメラ10が撮像する表示器Dは、本実施形態では、車両に搭載される表示器(車載用表示器)であり、速度メータ、タコメータなどを表示するものである。
【0020】
シミュレータ20は、表示器Dに対して、表示器Dが車両に搭載された場合の環境を模擬的に生成する装置であり、たとえば、模擬的な電源や通信線を備える。また、シミュレータ20は、特許請求の範囲の擬似信号生成装置としての機能も備えており、表示器Dが車両に搭載された場合に表示器Dに入力される信号であって、表示器Dの表示状態の変化を指示する信号である表示変化信号を擬似的に生成して表示器Dに出力する(以下、この擬似的に生成した表示変化信号を擬似信号という)。
【0021】
シミュレータ20は、表示状態テストプログラムによる自動操作または、操作者の直接入力操作に基づいて、種々のテスト条件(電源条件、通信条件など)を生成し、また、種々の擬似信号を生成する。この擬似信号としては、たとえば、表示器Dの方向指示表示灯(方向指示灯が点灯していることを示すもの)をオンオフさせる信号に相当する擬似信号、AFS(Adaptive Front-Lighting System)のオンオフを示す信号に相当する擬似信号などがある。
【0022】
オペレーションPC40は、表示状態テストプログラム41、カメラ操作部42、シミュレータ操作部43、画像処理部44、画像解析部45、画像判定部46、画像判定結果出力部47、擬似信号処理部48、記憶部49を備えている。
【0023】
表示状態テストプログラム41が実行されることで、そのプログラムに従ってオペレーションPC40の各部42〜49が作動して表示器Dの表示状態の異常を判定する。
【0024】
カメラ操作部42は、表示状態テストプログラム41に従って、カメラ10による表示器Dの画面の録画開始、終了等のカメラ10の操作を行う。シミュレータ操作部43は、シミュレータ20に対する操作を行うとともに、シミュレータ20が表示器Dへ出力する信号を計測する。画像処理部44は、カメラ10が撮像した画像を取得し、その取得した画像に対して、画像解析部45において画像解析するための前処理を行う。画像解析部45は、画像処理部44が処理を行った画像を解析して、画像の所定部分の輝度を決定する。
画像判定部46は、画像解析部45が解析した輝度に基づいて、輝度差分の変化パターンを決定し、さらに、その輝度差分の変化パターンを所定の参照パターンと比較することで、表示器Dの表示状態に異常があるかを判定する。画像判定結果出力部47は、たとえば、モニタであり、画像判定部46での判定結果を出力する。擬似信号処理部48は、シミュレータ操作部43から擬似信号を取得して、擬似信号の差分の変化パターンを作成する。記憶部49は、書き込み可能な記憶部であり、オペレーションPC40の各部42〜48の処理結果を記憶する。また、記憶部49には、カメラ10によって撮像された画像を示す信号(以下、撮像画像信号)や後述する輝度差分の変化パターンも記憶される。なお、オペレーションPC40は特許請求の範囲の情報処理装置に相当する。
【0025】
図2は、図1の表示状態評価システム1を用いて行う表示器Dの表示状態テストの手順を示すフローチャートである。表示状態テストにおいては、まず、ステップS1に示すように、カメラ10によって表示器Dの録画を開始する。この開始は、操作者のスイッチ操作により開始するようになっていてもよいし、また、オペレーションPC40がカメラ10を制御して自動的に録画を開始させるようになっていてもよい。このステップS1の後は、カメラ10から撮像画像信号がオペレーションPC40へ逐次入力され、オペレーションPC40は、入力された撮像画像信号を記憶部49へ記憶する。
【0026】
続くステップS2ではテスト条件を生成する。このテスト条件は、たとえば、断線、ショートなどである。また各種のセンサ信号の擬似信号も生成する。このステップS2は、操作者がシミュレータ20を操作することにより行う。シミュレータ20が生成した擬似信号は表示器Dへ入力される。また、オペレーションPC40は、シミュレータ20から表示器Dへ入力される擬似信号を計測して記憶部49へ記憶する。
【0027】
続くステップS3では、カメラ10による表示器Dの録画を終了する。このステップSも操作者が行ってもよいし、また、所定の時間が経過したことをオペレーションPC40が判断し、オペレーションPC40がカメラ10を制御して録画を終了させてもよい。
【0028】
続くステップS4は、オペレーションPC40が行う処理であり、ステップS1の後、ステップS3を実行するまでの間に取得した撮像画像信号、擬似信号に基づいて、表示器Dの表示状態の異常を判定する。このステップS4の処理は、図4を用いて後述する。
【0029】
続くステップS5もオペレーションPC40の処理であり、ステップS4において判定した判定結果を、画像判定結果出力部47から出力する。以上で、表示状態のテストの一連の手順が終了する。
【0030】
上述のステップS4における表示異常判定処理を説明する前に、そのステップS4で判定する表示状態の異常の例を説明する。図3は、表示器Dの表示状態の異常の例であり、図3(A)は、ある機器の状態を示すランプが、t2時点において一瞬だけ点灯したことを示している。図3(B)は、ブレーキ異常を示す文字が、t2時点において一瞬だけ点灯したことを示している。
【0031】
オペレーションPC40は、図3に例示した表示異常やその他の種々の表示異常を、表示異常判定処理を実行することで判定する。図4は、オペレーションPC40が実行する表示異常判定処理を詳しく示すフローチャートである。まず、ステップS41では、図2のステップS1〜S3の間に録画された撮像画像信号を、記憶部49から取得する。
【0032】
続くステップS42では画面分割を行う。この画面分割は、表示器Dを撮像した撮像画像を複数の領域に分割するものであり、どのように分割するかは予め設定されている。図5は、このステップS42の画面分割処理など、図4の表示異常判定処理の一連の処理の具体例を説明する図である。ステップS42における画面分割の一例は、図5(A)に示されており、この例では、縦及び横に等間隔に分割線が設定されており、分割線により囲まれた矩形範囲が各分割領域である。
【0033】
続くステップS43は、特許請求の範囲の輝度算出手段に相当する処理であり、録画を開始してから終了するまでの全期間に渡り、分割領域の輝度値を所定時間間隔毎(図5では50ms毎)に算出する。輝度値を算出する分割領域は、ステップS42で分割した分割領域の全てである。ここでは、説明を簡略にするために、図5(A)に示す領域Rの輝度値を算出する。
図5(B)には、このステップS43で算出した輝度値の時間変化が示されており、図5(B)の例では、50ms毎に、点灯を示す輝度値(=70)と、消灯を示す輝度値(=0)とが繰り返されている。
【0034】
続くステップS44では、ステップS43で所定時間間隔で算出した輝度値を用いて、各輝度算出時点の輝度から、直前の輝度算出時点の輝度を引くことで輝度差分を算出する。輝度差分を算出することで、輝度の絶対値が0→100→0と変化する場合も150→250→150と変化する場合も同じ条件で表示異常を判定できることから、輝度値をそのまま用いる場合に比べて、汎用性が高くなる。図5(C)には、このステップS44で算出した輝度差分の一例が示されている。
【0035】
続くステップS45は、特許請求の範囲の変化パターン決定手段に相当し、ステップS44で算出した輝度差分の時間変化を示す輝度差分の変化パターンを決定する。そして、続くステップS46では、擬似信号の変化パターンを取得するとともに、擬似信号の差分の変化パターンを決定する。
【0036】
図5(D)、(E)は、それぞれ、擬似信号としてのスイッチ信号の時間変化、および、そのスイッチ信号の差分を示している。なお、スイッチ信号の差分を算出する時間間隔は、前述の輝度差分を算出する時間間隔と同等か、もしくは、それよりも短い時間間隔とする。ここでは、上記時間間隔よりも十分に短い時間間隔となっているので、図5(E)に示すように、スイッチ信号の差分は、輝度差分の算出周期(50ms毎)とは異なる時点でも値が変化している。
【0037】
続くステップS47では、ステップS45で決定した輝度差分の変化パターンと、ステップS46で決定した擬似信号の差分の変化パターンとの相関度を算出する。この相関度の算出においては、輝度差分の変化パターンの特徴を抽出するとともに、擬似信号の差分の変化パターンからも、輝度差分の変化パターンに対応する特徴を抽出する。そして、抽出した特徴から上記相関度を算出する。抽出する特徴としては、たとえば、プラス値を示す輝度差分の出現時点、マイナス値を示す輝度差分の出現時点、輝度差分の極大値、極小値などがあり、どのような特徴を抽出するかは予め設定されている。
【0038】
図6は、このステップS47で算出する相関度を説明する図であり、本実施形態では、プラス値の出現時点の時間差およびマイナス値の出現時点の時間差を算出する。そして、相関度は、これら2つの時間差を用いて算出する。ここでは、2つの時間差の平均値を相関度として以下を説明する。このようにして算出する相関度は、値が小さいほど、輝度差分と擬似信号の差分とが相関することを意味する。
【0039】
続くステップS48では、上記ステップS47で算出した相関度に基づいて表示器Dの表示状態の異常を判定する。たとえば、相関度が予め設定された閾値よりも小さければ、すなわち、輝度差分と擬似信号の差分との相関が高ければ、擬似信号に応じて表示器Dの表示状態が変化したと考えられることから、表示器Dの表示状態は正常であると判定する。逆に、相関度が予め設定された閾値以上であれば、表示器Dの表示状態が擬似信号と対応しない変化を示したと考えられることから、表示器Dの表示状態が異常であると判定する。なお、ステップS46〜S48が特許請求の範囲の表示異常判定手段に相当する処理である。
【0040】
このステップS48を実行したら、図4に示す処理を終了する。その後は、図2のステップS5により、判定結果が、オペレーションPC40の表示画面等から出力される。
(第1実施形態の具体事例2)
次に、第1実施形態における異常判定の具体的事例であって、図5とは別の例を図7を用いて説明する。図7において、(A)はカメラ10が撮像した撮像画像であり、この具体事例では、40ms周期で撮像している。(B)は、各撮像画像に対応する輝度であり、この例では、画像を小さな正方形に分割し、分割領域毎の平均の輝度を決定している。(C)は、輝度差分であり、この図7には、図に示す分割領域のうちの右下の領域の輝度差分を示している。これら図7(A)〜(C)から分かるように、この事例は、短時間(たとえば100ms以下)の間、「AFS OFF」のランプが消灯した事例である。最後の(D)は擬似信号であるスイッチ(SW)信号と、そのSW信号の差分を示している。なお、このSW信号は、撮像画像における「AFS OFF」の点灯を指示する信号である。SW信号は、この図7に示す期間中ON状態のまま変化がなく、そのためSW信号の差分は、一定値のゼロのままである。
【0041】
図7(C)の輝度差分は、120msと200msにおいて値の変化がある一方で、SW信号の差分には変化がない。すなわち、両者には相関がない。よって、表示器Dの表示状態は異常であると判定することができる。
【0042】
以上、説明した第1実施形態によれば、カメラ10で撮像した表示器Dの画像から輝度差分の変化パターン(すなわち、表示器Dの輝度差分の経時的な変化)を決定しており、この輝度差分の変化パターンを擬似信号の差分の変化パターンと比較している。よって、表示器Dの輝度変化が、表示器Dへ入力される信号に対応した正常な変化であるか否かを判断することができる。また、表示器Dに、瞬間的な点灯・消灯が生じた場合にも輝度の変化が生じることから、瞬間的な点灯・消灯が生じたことは輝度差分の変化パターンに反映される。従って、本実施形態のように、輝度差分の変化パターンを擬似信号の差分の変化パターンと比較することにより、瞬間的な点灯・消灯が、表示器Dの異常により生じたか否かを自動で判定することができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態のシステム構成は第1実施形態と同じく図1に示す構成を有し、また、テスト手順も第1実施形態と同じく図2に示す手順である。ただし、図2のステップS4において実行する表示異常判定処理の内容が第1実施形態と相違する。第1実施形態では、輝度差分の変化パターンを擬似信号の差分の変化パターンと比較していたが、第2実施形態では、輝度差分の変化パターンを異常変化パターンと比較する。この異常変化パターンとは、表示器Dが異常状態となっているときの輝度差分の変化パターンであり、第2実施形態においては、記憶部49に、異常変化パターンが1種類または複数種類記憶されている。なお、この異常変化パターンは、表示器Dが異常であったときの実際の輝度差分の変化パターンでもよいし、任意に設定したパターンでもよい。
【0044】
図8は、第2実施形態においてオペレーションPC40が実行する表示異常判定処理を詳しく示すフローチャートである。図8において、図4と同じステップ番号を付したステップでは、図4と同じ処理を実行する。すなわち、図8においても、カメラ10から画像を取得し(ステップS41)、撮像画像の画面分割を行い(ステップS42)、分割領域の輝度を算出し(ステップS43)、輝度差分を算出し(ステップS44)、輝度差分の変化パターンを決定する(ステップS45)。
【0045】
そして、ステップS45を実行後は、ステップS47−1にて、ステップS45で決定した輝度差分の変化パターンと、記憶部49に記憶されている異常変化パターンとの合致度を算出する。
【0046】
図9は、第2実施形態における表示異常判定処理の具体例を説明する図であり、図9(A)〜(C)は、それぞれ図5(A)〜(C)と同じである。図9(D)は、図8のステップS47−1にて用いる異常変化パターンの一例である。図9(D)に示す異常変化パターンは、過去の実際の異常事例(ちらつきありであり、輝度差分は、大きいプラス値(+70)→0→絶対値が大きいマイナス値(−70)を、極めて短い周期で繰り返している。
【0047】
ここで合致度について具体的に説明する。図10は、合致度の算出方法を説明する図であり、変化パターンの一部を模式的に示している。第2実施形態で算出する合致度は、図10に(1)、(2)で示すように、縦軸値(輝度差分値)の合致の程度(1)と、横軸値(時間)の合致の程度(2)をそれぞれ示す合致度である。(1)としては、それぞれの変化パターンにおいて、隣り合う信号の差、所定時間内における最大値と最小値の差などを算出し、それらの算出値の差を合致度とする。(2)としては、それぞれの変化パターンにおいて、輝度差分値がプラスに変化した時点とマイナスに変化した時点との時間差や、上記最大値を示す時点と上記最小値を示す時点との時間差を算出し、それらの算出値の差を合致度とする。なお、このようにして算出する合致度は、(1)の合致度も(2)の合致度も、いずれも、値が小さいほど両変化パターンが合致していることを意味している。
【0048】
このようにして合致度を算出したらステップS48に進む。ステップS48では、ステップS47で算出した合致度に基づいて表示器Dの表示状態が異常であったか否かを判定する。具体的には、前述のように、この実施形態の合致度は値が小さいほど合致していることを意味していることから、合致度の値が所定の判定値よりも小さい場合には、輝度差分の変化パターンは異常変化パターンと合致しており、表示器Dの表示状態は異常であったと判定する。なお、合致度は(1)、(2)の2つを算出しているので、判定値はそれぞれの合致度に対して設定する。また、(1)、(2)の2つとも判定値よりも小さい場合に合致していると判定するようになっていることが好ましいが、要求される判定精度によっては、(1)、(2)のいずれか少なくとも一方が判定値よりも小さい場合に合致していると判定するようにしてもよい。
【0049】
図9に示した(C)、(D)の例の場合、輝度差分の変化パターンと異常変化パターンとは合致しておらず、表示器Dの表示状態は正常であると判定することになる。
【0050】
(第2実施形態の具体事例2)
次に、第2実施形態における異常判定の具体的事例であって、図9とは別の例を図11を用いて説明する。図11において(A)、(B)、(C)は図7と同じである。すなわち、図11の事例も、短時間の間、「AFS OFF」のランプが消灯した事例である。図11の(D)は異常変化パターンを示している。図11の(C)と(D)を比較するために両者の合致度を算出する。この事例では、縦軸値の合致度として、輝度差分が減少している期間における輝度差分値((1)−1)の合致度(すなわち(C)と(D)の差)、および、輝度差分が増加している期間における輝度差分値((1)−2)の合致度を算出し、横軸値の合致度(2)として、輝度差分が減少傾向となってから増加傾向となるまでの期間の合致度を算出する。これらの合致度の具体的数値は示していないが、図11(C)、(D)を比較すれば分かるように、上記合致度は、両変化パターンがよく合致することを示す値となる。すなわち、輝度差分の変化パターンが異常変化パターンとよく合致すると判定できる。よって、表示器Dの表示状態は異常であると判定することができる。
【0051】
以上、説明した第2実施形態によれば、カメラ10で撮像した表示器Dの画像から輝度差分の変化パターンを決定し、この輝度差分の変化パターンを、予め記憶されている異常変化パターンと比較している。よって、表示器Dの輝度変化が、異常な変化であるか否かを判断することができる。また、表示器Dに、瞬間的な点灯・消灯が生じた場合にも輝度の変化が生じることから、瞬間的な点灯・消灯が生じたことは輝度差分の変化パターンに反映される。従って、第2実施形態のように、輝度差分の変化パターンを異常変化パターンと比較することにより、表示器Dに生じた瞬間的な点灯・消灯が、異常であるか否かを自動で判定することができる。
【0052】
(その他の具体的事例1)
さらに、具体的事例を説明する。図12はその他の具体的事例1を説明する図である。この事例では、シミュレータ20により、テスト条件として、図12(A)に示すように、表示器Dに供給する電源電圧を、一時的に12Vから4Vまで低下させる。この事例では、これにより、図12(B)に示すように、t2時点において一瞬だけランプが消灯している。そのため、ランプ部分の領域の輝度差分は、図12(C)に示すように、ランプが一瞬消灯したt2時点において低下し、ランプが再点灯したt3時点で増加するパターンとなっている。一方、このランプの点消灯を指示するスイッチ信号は、この事例では、図12(D)に示すように、ずっとオフのままである。従って、図示していないが、スイッチ信号の差分も、ずっとゼロのままである。よって、第1実施形態と同様に、輝度差分の変化パターンと擬似信号(スイッチ信号)の差分の変化パターンとの相関度を算出すると、その相関度は、両変化パターンが相関しないことを示す値となる。よって、輝度差分の変化パターンはスイッチ信号の変化によるものではないと判定でき、この事例では、表示状態が異常であると判定することができる。
【0053】
(その他の具体的事例2)
次にその他の具体的事例2を説明する。図13はその他の具体的事例2を説明する図である。この事例では、シミュレータ20により、テスト条件として、図13(A)に示すように、表示器Dへ情報を送信する通信線を一時的にショートさせる。この事例では、このショートにより、図13(B)に示すように、表示器Dの画像の一部に、文字「ブレーキ」が一瞬だけ点灯している(t2時点)。そのため、その文字の部分を含む領域の輝度差分の変化パターンは、図13(C)に示すように、t2時点で増加し、t3時点で減少するパターンとなる。この事例では、第2実施形態と同様に、輝度差分の変化パターンを異常変化パターンと比較しており、図11と同様に、輝度差分値が増減しているときの輝度差分値の合致度((1)−1、(1)−2)と、輝度差分が減少傾向と増加傾向との間の期間の合致度(2)を算出する。この事例では、合致度は、両変化パターンがよく合致することを示す値となる。すなわち、輝度差分の変化パターンが異常変化パターンとよく合致すると判定できる。よって、表示器Dの表示状態は異常であると判定することができる。
【0054】
(その他の具体的事例3)
次にその他の具体的事例3を説明する。図14はその他の具体的事例3を説明する図である。この事例は、表示器Dが車両のメータであり、このメータには、点消灯可能な針50が示される。この事例では、この針50の動作が正常かどうかを判定する。
【0055】
動作例としては、図14(A)に示すように、正常な動作と、3種類の異常な動作を例示している。正常な動作とは一定の速度で針50が動作することである。また、異常な動作の例としては、跳ね上がるような急激な動作、スムーズさを欠いた動作(換言すれば、動作速度が一定ではない動作)、針が細かく振動する動作を例示している。また、この事例においては、(A)に示す領域Rの輝度差分を用いる。
【0056】
この領域Rの輝度差分は、メータの針50が正常に動作する場合、図14(B)の最左欄に示すようになる。このような輝度差分の変化パターンになる理由を説明する。まず、針50が差し掛かることにより輝度が上昇するので、輝度差分にプラスのピークP(+)が生じる。その後、針50が通過している時間T1は略一定の輝度となるので、輝度差分は略ゼロとなる。そして、針50が領域Rを過ぎてしまうと領域Rの輝度が低下することから、輝度差分にマイナスのピークP(−)が生じる。よって、メータの針50が正常に動作する場合、輝度差分は図14(B)の最左欄に示すように変化する。
【0057】
これに対して、メータの針50が跳ね上がるような急激な動作をする場合、針50が領域Rを通過するのに要する時間が短くなることから、図14(B)の左から2番目の欄に示すような変化パターンとなる。また、メータの針50がスムーズさを欠いた動作をする場合には、プラスのピークP(+)とマイナスのピークP(−)との間隔が変動することから、図14(B)の左から3番目の欄に示すような変化パターンとなる。また、メータの針50が細かく振動する場合には、プラスのピークP(+)とマイナスのピークP(−)との間隔が狭い状態が継続することから、図14(B)の最右欄に示すような変化パターンとなる。
【0058】
これらの異常に対する変化パターンは予め用意しておくことができるので、その予め用意した異常変化パターンとの合致度を算出して、算出した合致度に基づいて異常判定を行うことにより、これら3種の異常を自動的に異常と判定することができる。このように、本発明では、表示器Dに表示されて、動作をする図形(ここではメータの針50)の動作異常を判定することもできる。
【0059】
(その他の具体的事例4)
次にその他の具体的事例4を説明する。図15はその他の具体的事例4を説明する図である。この事例は、表示器Dのランプ(「Startup」、「End」)の表示状態を示す事例であり、いずれも、一定速度でゆっくり輝度変化をした事例である。図15(A)には、各ランプの表示状態の時間変化を示している。(A−1)に示すように、ランプ「Startup」の事例は、消灯から点灯へ変化した事例であり、(A−2)に示すように、ランプ「End」の事例は、点灯から消灯へ変化した事例である。図15(B)には、この事例において輝度差分を抽出する領域を示している。この図15(B)に示すように、この事例では、1文字分の表示領域の輝度差分を抽出する。図15(C)は、輝度差分の変化パターンを示している。ランプが消灯状態から点灯状態へと一定速度でゆっくりと変化する場合、その変化過程では、輝度差分は一定のプラスの値となり、ランプが点灯状態となると、輝度差分はゼロで一定となる。よって、図15(C−1)に示す変化パターンとなる。一方、ランプが消灯状態から点灯状態へと一定速度でゆっくりと変化する場合、その変化過程では、輝度差分は一定のマイナスの値となり、ランプが消灯状態となると、輝度差分はゼロで一定となる。よって、図15(C−2)に示す変化パターンとなる。
【0060】
図15(D)には判定結果を示している。異常変化パターンは図示していないが、図15に示す2つの事例は、いずれも、正常な表示状態の変化であり、異常変化パターンとは合致しない。よって、表示状態は正常であると判定することになる。このように、本発明では、表示器Dの表示状態がゆっくりと変化する場合(点灯から消灯、消灯から点灯のいずれも)であって、その変化が一度だけであっても、正しい判定を行うことができる。
【0061】
(その他の具体的事例5)
次にその他の具体的事例5を説明する。図16はその他の具体的事例5を説明する図である。この事例では、表示器Dに表示される特定の文字・図形の表示状態の異常を判定する事例であり、図16(A)に示すように、それら文字・図形よりもやや大きい領域が輝度差分を抽出する領域Rに設定されている。(A−1)は、文字「A」の事例であり、表示がされている状態から一時的に暗くなり、その後、元の輝度に戻っていることを示している。(A−2)は、図形「○」の事例であり、表示状態の変化は文字「A」の場合と同じである。
【0062】
図16(B)は、この事例における輝度差分の変化パターンを示している。表示がされている状態から一時的に暗くなることに対応してマイナスのピークP(−)が生じている。また、その後、元の輝度に戻ったことに対応してプラスのピークP(+)が生じている。また、輝度差分の変化パターンは、輝度の変化が同じであれば、文字・図形の形状によらず、同じ変化パターンとなる。よって、図16(B)に示すように、輝度差分の変化パターンは、文字「A」の場合も図形「○」の場合も同じになる。この輝度差分の変化パターンを、擬似信号の差分の変化パターンや異常変化パターンと比較することで、特定の文字・図形の表示状態の異常を判定することができる。また、本発明では、文字や図形の形状に影響されず、表示器Dの表示状態の異常判定を行うことができる。
【0063】
(その他の具体的事例6)
次にその他の具体的事例6を説明する。図17はその他の具体的事例6を説明する図である。図17(A)の表示例は、いずれも、図16の表示例(A−1)と同じである。図17において、右側と左側の違いは、図17(B)に示すように、輝度差分の抽出領域の大きさにあり、右側では、図16と同じ領域R(3画素×3画素)を輝度差分の抽出領域としているのに対して、左側では、上記領域Rのうちの1画素(より詳しくは、左上の画素)のみを輝度差分の抽出領域としている。このように抽出領域に違いがあるものの、輝度差分の変化パターンは、図17(C)に示すように、互いに同じ傾向の変化パターンとなる。このように、本発明では、輝度差分を抽出する領域の大きさを適宜変更することもできる。
【0064】
(その他の具体的事例7)
次にその他の具体的事例7を説明する。図18はその他の具体的事例7を説明する図である。図18の事例は、メータの表示状態を異常判定の対象とするが、その全体が判定対象ではなく、メータの針と、メータ内に設けられたランプを判定対象とする。そして、この事例では、メータの針に対する判定条件と、ランプに対する判定条件とを異ならせている。
【0065】
図18(B)に示す判定条件1では、メータの針に対して判定パターンAを適用し、ランプに対して、それとは異なる判定パターンBを適用する。なお、これら判定パターンは、擬似信号の差分の変化パターンまたは異常変化パターンのいずれかを用いるものである。また、図18(C)に示す判定条件2では、メータの針に対して、異常変化パターンを用いて判定を行う判定パターンCおよびスイッチ信号(擬似信号)の差分の変化パターンを用いて判定を行う判定パターンDの2つを適用する。一方、ランプに対しては、判定パターンCとは別の異常変化パターンを用いて判定を行う判定パターンEおよび判定パターンDとは別のスイッチ信号(擬似信号)の差分の変化パターンを用いて判定を行う判定パターンFの2つを適用する。このように、表示状態を判定する領域により異なる判定パターンを適用することもでき、また、一つの表示領域の判定に対して複数の条件を設定することもできる。
【0066】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0067】
たとえば、前述の第1実施形態では、変化パターンにおけるプラス値の出現時点の時間差およびマイナス値の出現時点の時間差を算出し、相関度は、これら2つの時間差の平均値としていたが、いずれか一方の時間差のみを算出し、それをそのまま相関度としてもよい。
【0068】
また、変化パターンの比較として、相関度を算出する態様(第1実施形態)と、合致度を算出する態様(第2実施形態)を説明したが、比較の方法はこれに限られない。たとえば、2つのパターンの形状を比較してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1:表示状態評価システム、 10:カメラ、 20:シミュレータ(擬似信号生成装置)、 40:オペレーションPC(情報処理装置)、 41:表示状態テストプログラム、 42:カメラ操作部、 43:シミュレータ操作部、 44:画像処理部、 45:画像解析部、 46:画像判定部、 47:画像判定結果出力部、 48:擬似信号処理部、 49:記憶部、 50:針、 D:表示器、 R:領域、 S43:輝度算出手段、 S45:変化パターン決定手段、 S46〜S48:表示異常判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器を撮像するカメラと、前記カメラによって撮像された画像を取得して前記表示器の表示状態の異常を判定する情報処理装置とを備えた表示器の表示状態評価システムであって、
前記カメラは経時的に前記表示器を撮像し、
前記情報処理装置は、
前記カメラによって撮像された画像を取得して、その画像の輝度を経時的に算出する輝度算出手段と、
前記輝度算出手段が経時的に算出した輝度に基づいて、輝度差分の変化パターンを決定する変化パターン決定手段と、
その変化パターン決定手段が決定した輝度差分の変化パターンと、所定の参照パターンとの比較に基づいて、表示器の表示状態に異常があるかを判定する表示異常判定手段と、を備えることを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示異常判定手段は、前記参照パターンとして、予め設定した異常変化パターンを用いることを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記異常変化パターンとして、表示状態の複数種類の異常にそれぞれ対応した複数種類の異常変化パターンを用いることを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記表示器の表示状態を変化させる信号である表示変化信号を、擬似的に生成して表示器に出力する擬似信号生成装置をさらに備え、
前記表示異常判定手段は、前記参照パターンとして、擬似的に生成した表示変化信号の差分の変化パターンを用いることを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
前記表示異常判定手段は、輝度差分の変化パターンにおける特徴点の発生時点と、前記参照パターンにおける前記特徴点の発生時点との比較に基づいて前記判定を行うことを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記特徴点は、前記変化パターンにおける信号の立ち上がり点および立ち下がり点の少なくともいずれか一方であることを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項7】
請求項2、3、5、6のいずれか1項において、
前記表示異常判定手段は、異常変化パターンの所定時間における輝度差分の変化と、変化パターン決定手段が決定した輝度差分の変化パターンの所定時間における輝度差分の変化との比較に基づいて前記判定を行うことを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記輝度算出手段は、前記画像を複数の領域に分割し、一部または全部の領域に対して領域別に輝度を経時的に算出し、
前記変化パターン決定手段は、前記輝度算出手段が経時的に算出した輝度に基づいて、予め設定された1つまたは複数の領域についての輝度差分の変化パターンを決定することを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記変化パターン決定手段は、複数の領域に対して領域別に輝度差分の変化パターンを決定し、
前記表示異常判定手段は、前記変化パターン決定手段が決定した輝度差分の変化パターンと比較する参照パターンとして、輝度差分の変化パターン別に異なる参照パターンを用いることを特徴とする表示器の表示状態評価システム。
【請求項10】
請求項8または9において、
前記表示異常判定手段は、1つの輝度差分の変化パターンを、異なる複数の参照パターンと比較して判定を行うことを特徴とする表示器の表示状態評価システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−175183(P2012−175183A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32437(P2011−32437)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】