説明

表示素子の駆動方法および表示装置

【課題】中間調表示の制御が容易で正確な中間調表示の可能なダイナミック駆動方式のコレステリック液晶表示装置の実現。
【解決手段】表示素子10と、表示素子を駆動する駆動回路28,29と、を備え、駆動回路は、液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させるリセットパルスと、表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、第1の配向状態を第2の配向状態に変化させる選択パルスと、第2の配向状態を維持する維持パルスと、を出力する表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子の駆動方法および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば電子ペーパー等の、液晶を用いた表示装置が開発されている。例えば、コレステリック液晶を用いた表示素子は、印加する電場強度の調整により、特定の波長の光を反射するプレーナ状態、光を透過するフォーカルコニック状態、プレーナ状態とフォーカルコニック状態との中間状態をとることができ、各画素の液晶をいずれかの状態に設定して画像を表示する。
【0003】
液晶を用いた表示装置の駆動方法として、例えばダイナミック駆動方式(DDS)が用いられている。DDSを用いることにより、高コントラストの画像を高速に書換えることができる。
【0004】
DDSによる駆動期間は、3つのステージに大別され、先頭から、「前選択(Preparation)」期間、選択(Selection)」期間および「後選択(Evolution)」期間を含む。Preparation期間、Selection期間およびEvolution期間の前後には、非選択期間が設けられる。
【0005】
Preparation期間は、液晶をホメオトロピック状態に初期化する期間である。Preparation期間では、比較的高電圧の複数のPreparationパルスが印加される。
【0006】
Selection期間は、最終的な状態をプレーナ状態(明状態:白表示)かフォーカルコニック状態(暗状態:黒表示)に分岐するきっかけを与える期間である。Selection期間では、最終的にプレーナ状態にスイッチングする場合はホメオトロピック状態、フォーカルコニック状態にスイッチングする場合は過渡プレーナ状態がほぼ形成される。Selection期間では、プレーナ状態にスイッチングする時には相対的に高電圧のパルスが印加され、フォーカルコニック状態にスイッチングする時には相対的に低電圧のパルスが印加される。
【0007】
Evolution期間は、直前のSelection期間での過渡状態への変化を受けて、プレーナ状態またはフォーカルコニック状態に確定させる。Evolution期間では、PreparationパルスとSelectionパルスの間の電圧の複数のEvolutionパルスが印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−326871号公報
【特許文献2】特開2008−268566号公報
【特許文献3】特開2007−128043号公報
【特許文献4】特開2004−205705号公報
【特許文献5】特開2001−329256号公報
【特許文献6】米国特許第5453863号
【特許文献7】米国特許第6154190号
【特許文献8】米国特許第6982691号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】J. Ruth, et.al.: “LOW COST DYNAMIC DRIVE SCHEME FOR REFLECTIVE BISTABLE CHOLESTERIC LIQUID CRYSTAL DISPLAYS”, Flat Panel Display ’97.
【非特許文献2】Nam-Seok Lee and Woon-Seop Choi, Displays 25 (2004) 201-205)
【非特許文献3】X. Y. Huang, et.al. :“Gray Scale of Bistable Reflective Cholesteric Displays“, SID 98 DIGEST
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、例えばコレステリック液晶のDDSでは、Selection期間においてプレーナとフォーカルコニックのいずれの状態に遷移するかを決定する条件のマージンが小さい。このため、パネルの製造誤差や周囲温度に対する表示(特に中間調)の安定性向上が一般的な課題である。
【0011】
また、DDSで中間調表示を行うには、例えばSelection期間において印加する電圧信号を変化させ、液晶をプレーナ状態とフォーカルコニック状態の中間状態にする。DDSで中間調表示を行う場合、Selection期間において印加する選択(Selection)パルスの幅、電圧、またはPreparation期間からの位置を変化させる。
しかし、全ての変化範囲に対して、中間調表示の範囲は非常に狭いため、精度の高い制御を必要とする。しかも、パネルの製造誤差や周囲温度により、反射値が変化するデューティはシフトするため、中間調を安定して表示するのが難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の一観点によれば、液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させ、表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、前記第1の配向状態を第2の配向状態に変化させ、前記第2の配向状態を維持する表示素子の駆動方法が提供される。
【0013】
発明の別の一観点によれば、表示素子と、前記表示素子を駆動する駆動回路と、を備え、前記駆動回路は、液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させるリセットパルスと、表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、前記第1の配向状態を第2の配向状態に変化させる選択パルスと、前記第2の配向状態を維持する維持パルスと、を出力する表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
上記の観点によれば、表示素子の中間調表示の制御が容易になり、正確な中間調表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、コレステリック液晶の電圧応答特性を示す図である。
【図2】図2は、コンベンショナル駆動方式およびダイナミック駆動方式における状態遷移を説明する図である。
【図3】図3は、ダイナミック駆動方式における印加波形を示す図である。
【図4】図4は、ダイナミック駆動方式におけるスキャン動作を説明する図である。
【図5】図5は、ダイナミック駆動方式で画像を書き込む場合の、各画素に印加される電圧波形の分布を示す図である。
【図6】図6は、液晶分子へ印加される電圧波形を、より具体的に示す図である。
【図7】図7は、ダイナミック駆動方式で中間調表示を行う場合に、Selection期間において印加する電圧信号、すなわち選択(Selection)パルスを変化させる例を示す図である。
【図8】図8は、Selection期間のオンデューティ(duty)を変化させた場合の、表示値の変化および中間調を得るためのオンデューティを示す図である。
【図9】図9は、実施例1のコレステリック液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、実施例1で使用する表示素子10の構成を示す図である。
【図11】図11は、1枚のパネル10Aの基本構成を示す図である。
【図12】図12は、セグメントドライバおよびコモンドライバの構成を示す図である。
【図13】図13は、実施例1において、コモンドライバが、Preparation期間、Selection期間、Evolution期間およびNon-Select 期間に出力する駆動波形、セグメントドライバがONおよびOFに対して出力する駆動波形、および液晶への印加波形を示す図である。
【図14】図14は、コモンドライバにおける電圧データ・LCD電圧変換回路および出力ドライバの1スキャン電極に対応する部分の構成を示す図である。
【図15】図15は、実施例1において、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を示す図である。
【図16】図16は、実施例1で、Selection期間に16通りの電圧波形を印加した場合の表示の反射特性を示す図である。
【図17】図17は、実施例2において、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を示す図である。
【図18】図18は、実施例3において、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0017】
図1は、コレステリック液晶の電圧応答特性を示す図であり、(A)は60msのパルスを印加した場合の特性を、(B)は10msのパルスを印加した場合の特性を、示す。一般に、液晶の印加電圧は、液晶の分極を防止するために、正負のパルスを一組として印加する。以下の説明では、正負の一組のパルスを合わせてパルスと称する場合があり、正負の一組のパルスを合わせた期間をパルス幅と称する場合がある。
【0018】
図1に示すように、線Pで示すように、初期状態がプレーナ状態の場合には、パルス電圧をある範囲に上げるとフォーカルコニック状態への駆動帯域となり、さらにパルス電圧を上げると再度プレーナ状態への駆動帯域へとなる。線Fで示すように、初期状態がフォーカルコニック状態の場合には、パルス電圧を上げるにつれて次第にプレーナ状態への駆動帯域へとなる。
【0019】
パルス幅の短いパルスを印加する場合は、与えるエネルギーが小さくなるため、パルス幅が大きなパルスを印加した場合に比べて変化量は小さくなり、電圧特性は高電圧側へシフトする。
【0020】
コレステリック液晶表示装置の駆動方法は、コンベンショナル駆動方式とダイナミック駆動方式に大別できる。
【0021】
図2は、コンベンショナル駆動方式およびダイナミック駆動方式における状態遷移を説明する図であり、(A)がコンベンショナル駆動方式における状態遷移を、(B)がダイナミック駆動方式における状態遷移を示す。
【0022】
図2の(A)に示すように、コンベンショナル駆動方式は、上記のプレーナ状態(PL)、フォーカルコニック状態(FC)およびホメオトロピック状態(HT)の3状態間の遷移を、図1の特性にしたがって、パルス波高とパルス幅で制御するものである。フォーカルコニック状態への遷移には長い時間を要するため、表示の高速化が一般的な課題である。
【0023】
図2の(B)に示すように、ダイナミック駆動方式は、上記の3状態に加えて、トランジェントプレーナ状態(TP)を用いる。トランジェントプレーナ状態は、プレーナ状態と同様に、液晶のらせん軸が基板(電極)に垂直な方向に配向しているが、らせん軸のピッチがプレーナ状態の約2倍である。トランジェントプレーナ状態は、所定の強度の電界を印加するとフォーカルコニック状態に変化する。
【0024】
ダイナミック駆動方式は、図1の電圧応答特性の右側の斜線部を用い、最終的な状態がプレーナ状態かフォーカルコニック状態かを1ライン毎に設定し、そのラインの状態確定を待たずに次ラインの処理に進む方式である。各ラインの設定に要する時間は1ms程度であり、この設定をパイプライン的に行うので、表示パネルのライン数を1000ラインとすると、約1秒で表示を書換えることが可能である。
【0025】
図3は、ダイナミック駆動方式における印加波形を示す図であり、(A)が黒画素にする場合の波形を、(B)が白画素にする場合の波形を、示す。
【0026】
図3に示すように、ダイナミック駆動方式における印加波形は、「リセット (Preparation)」期間、選択(Selection)」期間および「維持(Evolution)」期間を含む。
【0027】
Preparation期間では、液晶をホメオトロピック状態に対応する電圧が印加される。その後、短時間のSelection期間において低電圧のパルスを与えることで、ホメオトロピック状態を維持するか、それともトランジェントプレーナ状態に緩和するかが設定される。その後のEvolution期間では、プレーナ状態からフォーカルコニック状態への移行に適した電圧が印加される。ホメオトロピック状態にある画素は、Evolution期間中これを維持し、Evolution期間終了時にプレーナ状態に移行する。トランジェントプレーナ状態にある画素は、Evolution期間中にフォーカルコニック状態に遷移する。Selection期間においては、プレーナとフォーカルコニックのいずれかの状態に遷移するかを設定するだけであるから、極めて短い時間で行える。このため、高速表示が可能である。
【0028】
図4は、ダイナミック駆動方式におけるスキャン動作を説明する図である。液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイの駆動方法には、単純マトリクス方式とTFT方式がある。コレステリック液晶表示装置は、製造コストの点などから、単純マトリクス方式を用いるのが一般的である。単純マトリクス方式の表示装置では、スキャン電極をコモンドライバ28で駆動し、データ電極をセグメントドライバ29で駆動する。
【0029】
図4では、Selection期間の前後に、Selection期間の5倍の長さのPreparation期間およびEvolution期間が設けられている例を示している。図4の(A)は、0ライン目がSelection期間である場合を示している。この場合、1ライン目〜5ライン目はPreparation期間であり、0ライン目〜5ライン目以外のラインはNon-Select期間である。図4の(B)は、1ライン目がSelection期間である場合を示している。この場合、2ライン目〜6ライン目はPreparation期間であり、0ライン目はEvolution期間であり、0ライン目〜6ライン目以外のラインはNon-Select期間である。図4の(C)は、2ライン目がSelection期間である場合を示している。この場合、3ライン目〜7ライン目はPreparation期間であり、0〜1ライン目はEvolution期間であり、0ライン目〜7ライン目以外のラインはNon-Select期間である。以下、Selection期間のラインをシフトしながら書込みを行う。
【0030】
Selection期間の前後のPreparation期間およびEvolution期間は、黒表示の状態であり、黒帯がシフトするように見える。上記の例では、Preparation期間およびEvolution期間は、Selection期間の5倍の長さであるとして示したが、実際には数十倍から百倍程度であり、画像の書換え中は、太い黒帯がシフトするように見える。
【0031】
図5の(A)は、“F”を書き込む様子を示す図である。図5の(A)に示すように、Selection期間のラインが、“F”の途中まで進んだ状態で、Selection期間の前後にPreparation期間の4ラインとEvolution期間の4ラインが存在し、それ以外のラインはNon-Select期間である。この時、セグメントドライバ29は、Selection期間の画像(白黒)データに対応する電圧信号を出力する。
【0032】
図5の(B)は、図5の(A)の状態で、各画素に印加される電圧波形の分布を示す図である。画素の印加波形は、Non-Select期間、Selection期間、Evolution期間およびPreparation期間の4種のコモンドライバ28の出力に、白表示および黒表示の2種のセグメントドライバ29の出力で、8種類ある。この8種類の波形を、NW(Non-Selectと白)、NB(Non-Selectと黒)、SW(Selectionと白)、SB(Selectionと黒)、EW(Evolutionと白)、EB(Evolutionと黒)、PW(Preparationと白)、PB(Preparationと黒)で表す。図5の(B)に示すように、8種類の電圧波形NW、NB、SW、SB、EW、EB、PW、PBが印加される画素が存在する。
【0033】
図6は、液晶分子へ印加される電圧波形を、より具体的に示す図である。この電圧波形が、1つのスキャンラインの各画素に印加され、画素データに応じて、Selection期間の波形が異なる。液晶表示装置では、液晶の分極を防止するために、正負のパルスを一組として印加するのが一般的であり、図6でも正負のパルスを例として示している。
【0034】
コレステリック液晶のダイナミック駆動方式では、Selection期間においてプレーナとフォーカルコニックのいずれの状態に遷移するかを決定する条件はマージンが小さいため、パネルの製造誤差や周囲温度に対する表示(特に中間調)の安定性が課題である。
【0035】
ダイナミック駆動方式を用いるコレステリック液晶表示装置において、中間調表示を行うには、Selection期間において印加する電圧信号を変化させる。
【0036】
図7は、ダイナミック駆動方式で中間調表示を行う場合に、Selection期間において印加する電圧信号、すなわち選択(Selection)パルスを変化させる例を示す図である。
【0037】
図7の(A)は、Selectionパルスの幅を変化させる例を示し、PWM(Pulse Width Modulation)方式と呼ばれる。Selectionパルスの幅がもっとも大きい場合が白表示で、Selectionパルスの幅が狭くなるにしたがって白表示から黒表示に向かって変化し、Selectionパルスの幅がゼロの場合に黒表示になる。
【0038】
図7の(B)は、Selectionパルスの電圧を変化させる例を示し、PAM (Pulse Amplitude Modulation)方式と呼ばれる。Selectionパルスの電圧がもっとも大きい場合が白表示で、Selectionパルスの電圧が小さくなるにしたがって白表示から黒表示に向かって変化し、Selectionパルスの電圧がゼロの場合に黒表示になる。
【0039】
図7の(C)は、Selectionパルスの位置を変化させる例を示し、PPM(Pulse Position Modulation)方式と呼ばれる。Selectionパルスの位置が、もっともPreparation期間に近い場合が白表示で、Selectionパルスの位置がPreparation期間から離れるにしたがって白表示から黒表示に向かって変化し、Selectionパルスの位置がPreparation期間からもっともはなれた場合に黒表示になる。
【0040】
図8の(A)は、Selection期間が一定の幅で、Selectionパルスの幅、すなわちデューティ(duty)を変化させた場合の、表示値の変化を示す図である。反射値は、最高反射率を1とした相対値であり、Selectionパルスとして±12Vの正負パルスを印加する。言い換えれば、図8の(A)は、図7の(A)に示したパルスの幅を変化させるPWM方式で、パルス幅を変化させた時の表示輝度の変化を示す。
【0041】
図8の(A)に示すように、デューティが10%〜30%の範囲、特に20%〜30%の範囲で反射値が急激に変化しており、中間調を表示するには、デューティをこの範囲で変化させる。
【0042】
図8の(B)は、デューティが0%、22%、24%、100%の時のパルス幅を示す。この時、Selectionパルスの幅は、0ms、0.22ms、0.24ms、1msで、反射値は、それぞれ0.12、0.42、0.68、1であり、4値の輝度レベルを表示できる。
【0043】
図8(B)に示すように、中間調のレベルを表示するには、1msに対して0.01msを正確に制御する必要があり、非常に厳しいSelectionパルスの幅の制御が必要である。しかも、パネルの製造誤差や周囲温度により、反射値が変化するデューティはシフトするため、中間調を安定して表示するのが難しいという問題があった。
【0044】
以上説明したように、ダイナミック駆動方式は、高速駆動が可能な反面、中間調表示の制御が難しいという問題がある。
【0045】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0046】
実施例1について、図9から図16を参照して説明する。
【0047】
図9は、実施例1のコレステリック液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【0048】
液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイの駆動方法には、例えば単純マトリクス方式とTFT方式がある。コレステリック液晶表示装置は、製造コストの点などから、単純マトリクス方式を用いるのが一般的であり、実施例1のコレステリック液晶表示装置も単純マトリクス方式を用いる。
【0049】
実施例1のコレステリック液晶表示装置は、表示素子10と、電源21と、昇圧部22と、多電圧生成部23と、クロック部24と、ドライバ制御回路27と、コモンドライバ28と、セグメントドライバ29と、を含む。
【0050】
電源21は、例えば3V〜5Vの電圧を出力する。昇圧部22は、DC−DCコンバータなどのレギュレータにより、電源21からの入力電圧を+36V〜+40Vに昇圧する。多電圧生成部23は、昇圧された電源から、コモンドライバ28およびセグメントドライバ29に供給する各種の電圧を生成する。
【0051】
クロック部24は、動作の基本となる基本クロックを発生し、発生した基本クロックから動作に必要な各種クロックを生成する。
【0052】
表示素子10は、例えばRGBの3枚のコレステリック液晶パネルを積層したカラー表示可能な表示素子である。表示素子10は、例えば、A4判XGA仕様で、1024×768画素を有する。ここでは1024本のスキャン電極と768本のデータ電極が設けられ、コモンドライバ28が1024本のスキャン電極を、セグメントドライバ29が768本のデータ電極を、駆動する。RGBの各画素に与える画像データが異なるため、セグメントドライバ29は各データ電極を独立して駆動する。コモンドライバ28は、RGBのスキャン電極を共通に駆動する。画面の最上部のスキャン電極に対応するスキャンラインを0ライン目とし、画面の最下部のスキャン電極に対応するスキャンラインを1023ライン目とする。
【0053】
制御回路27は、基本クロック、各種クロックおよび画像データDに基づいて制御信号を生成して、コモンドライバ28およびセグメントドライバ29に供給する。ライン選択データは、コモンドライバ28に、Preparation期間、Selection期間およびEvolution期間のスキャンラインを指示するデータであり、ここでは2ビットのデータである。画像データは、各画素の中間調表示を指示するデータであり、セグメントドライバ29は、画像データに基づいて各データ電極に印加する信号を出力する。データ取り込みクロックは、画像データ転送用クロックであり、セグメントドライバ29は画像データ転送用クロックに同期して画像データを内部で転送する。フレーム開始信号は、書換える表示画面のデータ転送の開始を指示する信号で、コモンドライバ28は、フレーム開始信号に応じて内部をリセットする。データラッチ信号は、セグメントドライバ29における画像データの転送終了を指示する信号で、セグメントドライバ29は、この信号に応じて転送された画像データをラッチする。また、コモンドライバ28は、データラッチ信号に応じて、ライン選択データをラッチすると同時に1ラインシフトする。ドライバ出力オフ信号/DSPOFは、印加電圧の強制オフ(OFF)信号である。フェーズ信号は、Selection期間を4等分した信号であり、セグメントドライバ29は画像データに応じて各フェーズにおいてSelectionパルスを出力するか否か(オン・オフ)制御し、コモンドライバ28は、フェーズ信号に応じて4回同じ出力を繰り返す。
【0054】
図10は、実施例1で使用する表示素子10の構成を示す図である。図10に示すように、表示素子10は、見る側から順番に、青(ブルー)用パネル10B、緑(グリーン)用パネル10G、および赤(レッド)用パネル10Rの3枚のパネルが積層されており、レッド用パネル10Rの下側には光吸収層17が設けられている。パネル10B、10Gおよび10Rは、ほぼ同じ構成を有するが、パネル10Bは反射の中心波長が青色(約480nm)、パネル10Gは反射の中心波長が緑色(約550nm)、パネル10Rは反射の中心波長が緑色(約630nm)になるように、液晶材料およびカイラル材が選択され、カイラル材の含有率が決定されている。パネル10B、10Gおよび10Rのスキャン電極およびデータ電極は、コモンドライバ28およびセグメントドライバ29により駆動される。
【0055】
パネル10B、10Gおよび10Rは、反射の中心波長が異なる以外ほぼ同じ構成を有する。以下、パネル10B、10Gおよび10Rの代表例を、パネル10Aとして表し、その構成を説明する。
【0056】
図11は、1枚のパネル10Aの構成を示す図である。
【0057】
図11に示すように、パネル10Aは、上側基板11と、上側基板11の表面に設けられた上側電極層14と、下側基板13の表面に設けられた下側電極層15と、シール材16と、を含む。上側基板11と下側基板13は、電極が対向するように配置され、間に液晶材料を封入した後シール材16で封止される。なお、液晶層12内にスペーサが配置されるが図示は省略している。上側電極層14と下側電極層15の電極には、電圧パルス信号が印加され、それにより液晶層12に電圧が印加される。液晶層12に電圧を印加して、液晶層12の液晶分子をプレーナ状態またはフォーカルコニック状態にして表示を行う。複数のスキャン電極および複数のデータ電極は、上側電極層14と下側電極層15に形成される。
【0058】
コレステリック液晶表示素子のパネル構成については広く知られているので、これ以上の説明は省略する。
【0059】
動作モードを設定することにより、コモンドライバとしても、セグメントドライバとしても使用可能な汎用STNドライバが製品化されている。実施例1では、コモンドライバ28およびセグメントドライバ29は、汎用STNドライバで実現する。
【0060】
図12の(A)は、セグメントドライバ29の構成を示し、図12の(B)は、コモンドライバ28の構成を示す。
【0061】
セグメントドライバ29は、データレジスタ31と、ラッチレジスタ32と、電圧データ・LCD電圧変換回路33と、出力ドライバ34と、を含む。データレジスタ31は、データ取込みクロックに応じて画像データを取り込み、1段ずつシフトする。ラッチレジスタ32は、データラッチ信号に応じて、データレジスタ31に取り込まれた1ライン分のデータをラッチする。データレジスタ31は、ラッチレジスタ32が1ライン分の画像データを出力している間に、次の1ライン分の画像データの取込みを行う。電圧データ・LCD電圧変換回路33は、ラッチレジスタ32の出力する各データラインの画像データに応じて各データラインに印加する電圧を生成する。出力ドライバ34は、電圧データ・LCD電圧変換回路33の出力する電圧を、各データラインに出力する。したがって、データレジスタ31、ラッチレジスタ32、電圧データ・LCD電圧変換回路33および出力ドライバ34は、それぞれデータ電極の本数分の出力、実施例1では、768個の出力を有する。
【0062】
実施例1では、画像データは4ビットの中間調データを含む。電圧データ・LCD電圧変換回路33は、出力を4つのフェーズに分割して行い、各フェーズの出力を画像データの中間調データの4ビットの値に対応させて行う。
【0063】
コモンドライバ28は、シフトレジスタ41と、ラッチレジスタ42と、電圧データ・LCD電圧変換回路43と、出力ドライバ44と、を含む。コモンドライバ28がセグメントドライバ29と異なる点は、データレジスタ31の代わりにシフトレジスタ41が設けられていることと、出力の本数がスキャン電極の本数分の出力、実施例1では、1024個の出力を有することである。したがって、データレジスタ41、ラッチレジスタ42、電圧データ・LCD電圧変換回路43および出力ドライバ44は、それぞれ1024個の出力を有する。シフトレジスタ41は、フレーム開始信号に応じて内部をリセットし、データラッチ信号に応じてライン選択データを取り込み、1段ずつシフトする。ラッチレジスタ42は、データラッチ信号に応じてシフトレジスタ41の出力をラッチする。
【0064】
実施例1では、電圧データ・LCD電圧変換回路43は、フェーズ信号に対応させて、同一のパルスを4回繰り返して出力する。
【0065】
図13は、実施例1において、コモンドライバ28が、Preparation期間、Selection期間、Evolution期間およびNon-Select 期間に出力する駆動波形、セグメントドライバ29がONおよびOFに対して出力する駆動波形、および液晶への印加波形を示す。コモンドライバ28は、このような駆動波形を、フェーズ信号が指示するフェーズごとに繰り返し出力する。セグメントドライバ29は、フェーズごとに、画像データの中間調データの各ビットの値に対応してONまたはOFFの駆動波形を出力する。したがって、前述のように、画素の印加波形は、Non-Select期間、Selection期間、Evolution期間およびPreparation期間の4種のコモンドライバ28の出力に、白表示および黒表示の2種のセグメントドライバ29の出力で、8種類ある。前述のように、この8種類の波形を、NW(Non-Selectと白)、NB(Non-Selectと黒)、SW(Selectionと白)、SB(Selectionと黒)、EW(Evolutionと白)、EB(Evolutionと黒)、PW(Preparationと白)、PB(Preparationと黒)で表す。
【0066】
実施例1では、コモンドライバ28およびセグメントドライバ29は、Selection期間を4等分したフェーズをさらに4等分したサイクルを単位として出力を変化させる。サイクルは、図示していないサイクル信号により指示される。
【0067】
コモンドライバ28は、例えば、Non-Select期間では、4サイクルで+15V、+15V、−15V、−15Vに変化する駆動波形を出力し、Selection期間では、4サイクルで+9V、+21V、−9V、−21Vに変化する駆動波形を出力する。さらに、コモンドライバ28は、Evolution期間では、4サイクルで−9V、−9V、+9V、+9Vに変化する駆動波形を出力し、Preparation期間では、4サイクルで−21V、−21V、+21V、+21Vに変化する駆動波形を出力する。
【0068】
セグメントドライバ29は、例えば、ONの場合は4サイクルで+21V、+9V、−21V、−9Vに変化する駆動波形を出力し、OFFの場合は4サイクルで+9V、+21V、−9V、−21Vに変化する駆動波形を出力する。
【0069】
これにより、図13に示すような8種類の電圧波形が、各画素の状態に応じて印加される。EWおよびEBの波形は、例えば±24Vのパルスを近似する波形で、PWおよびPBの波形は、例えば±36Vのパルスを近似する波形である。
【0070】
図14は、コモンドライバ28における電圧データ・LCD電圧変換回路43および出力ドライバ44の1スキャン電極に対応する部分の構成を示す図である。電圧データ・LCD電圧変換回路43は、選択制御回路46と、アナログ・マルチプレクサ(MUX)43Aと、スイッチ45と、を含む。選択制御回路46は、ラッチレジスタ42の出力するライン選択データから、フェーズ信号およびサイクル信号に応じて選択データを発生する。MUX43Aは、選択データに応じて、6種類の電圧V1〜V6から1つを選択する。V1〜V6は、±9V、±15V、±21Vのいずれかに対応する。
【0071】
例えば、選択制御回路46は、Selection期間で、“0”サイクルであれば9Vを、“1”サイクルであれば21Vを、“2”サイクルであれば−9Vを、“3”サイクルであれば−21Vを、選択する選択データを発生し、4フェーズの間、この選択信号を繰り返す。
【0072】
スイッチ45は、/DSPOF信号が有効(/DSPOF=“0”)の時には、ドライバ44Aに供給する信号をグランドGNDにし、/DSPOF信号が無効(/DSPOF=“1”)の時には、出力ドライバ44AにMUX43Aの出力を供給するように切り替える。出力ドライバ44は、ドライバ44Aを有する。
【0073】
電圧データ・LCD電圧変換回路43および出力ドライバ44は、MUX43A、スイッチ45およびドライバ44Aの組を、スキャン電極の本数分、すなわち1024組有する。
【0074】
セグメントドライバ29における電圧データ・LCD電圧変換回路33および出力ドライバ34も、図14に示した構成とほぼ同様の構成を有するが、選択制御回路46が異なる。セグメントドライバ29においては、選択制御回路は、ONフェーズでは、図13のON駆動波形を出力し、OFFフェーズでは、図13のON駆動波形を出力する。
【0075】
図15は、実施例1において、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を示す図である。Selection期間は4つのフェーズに等分され、4つのフェーズはb3〜b0のビットに対応し、各フェーズで白表示(オン)の場合には、図13のSW(Selectionと白)の電圧波形が、黒表示(オフ)の場合には、SB(Selectionと黒) の電圧波形が印加される。b3〜b0は、それぞれ、オンの時に“1”、オフの時に“0”の値であり、b3〜b0の組合せにより“0”〜“15”のパターン値を表す。例えば、パターン値は、b3〜b0がすべて“1”であれば“15”、b3〜b1が“1”でb0が“0”であれば“14”、b3〜b1が“0”でb0が“1”であれば“1”、b3〜b0がすべて“0”であれば“0”である。
【0076】
画像データには、b3〜b0のオン・オフデータ(4ビット)が含まれる。セグメントドライバ29は、4つのフェーズにおいて、b3〜b0の“0”と“1”に応じて、“0”の場合には黒表示の電圧波形を、“1”の場合には白表示の電圧波形を出力する。これに応じて、コモンドライバ28は、図13のSelection期間の電圧信号をフェーズごとに繰り返し出力する。これにより、Selection期間に、4個のパルスのオン・オフ制御を行い、16通りの電圧波形を印加することができる。
【0077】
したがって、実施例1では、各スキャンライン(各画素)には、図6に示すように、Non-Selectパルス、Preparationパルス、Selectionパルス、Evolutionパルス、Non-Selectパルスの列が印加される。そして、Non-Selectパルス、Selectionパルス、Evolutionパルスの各パルスは、図13に示すパルスを4回繰り返すパルスで、Selectionパルスは図15に示す16通りのパルス(“0”のGNDを含む)である。
【0078】
図16は、実施例1で、Selection期間に16通りの電圧波形を印加した場合の表示の反射特性を示す図であり、横軸はb3〜b0の組合せにより表される“0”〜“15”のパターン値であり、縦軸は反射率である。
【0079】
パターン値に応じて、約6%から32%の反射率が得られるので、いずれか4つのパターン値を選択することにより、4階調表示に適したパターン値を決定することができる。例えば、パターン値“15”、“10”、“12”、“0”を4階調表示のパターン値として用い、“0”階調をパターン値“0”に、“1”階調をパターン値“12”に、“2”階調をパターン値“10”に、“3”階調をパターン値“15”に、対応させる。画像データとして階調データを転送する場合には、パターン値“0” “12” “10”および “15”をセグメントドライバ29に入力する。
【0080】
次に、実施例2の単純マトリクス型表示装置を説明する。
【実施例2】
【0081】
実施例2の単純マトリクス型表示装置は、実施例1の単純マトリクス型表示装置と、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成が異なるのみで、他の部分は同じである。
【0082】
図17は、実施例2において、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を示す図である。
【0083】
実施例1では、Selection期間を4つのフェーズに等分したが、実施例2では、2つのフェーズに等分する。
【0084】
図16において、パターン値“0”、“3”、“12”および“15”は、4つの階調値を表現できる。パターン値“0”、“3”、“12”および“15”の4つのフェーズのオン・オフ値は、“0000”、“0011”、“1100”および“1111”である。パターン値をこのように選択すれば、2ビットで4つの階調値を表示でき、Selection期間を構成するパルス数を削減して、制御を簡略化できる。
【0085】
実施例2において、2つのフェーズはb1とb0のビットに対応し、各フェーズで白表示(オン)の場合には、図13のSW(Selectionと白)の電圧波形が、黒表示(オフ)の場合には、SB(Selectionと黒) の電圧波形が印加される。b1とb0は、それぞれ、オンの時に“1”、オフの時に“0”の値であり、b1とb0の組合せにより“0”〜“3”のパターン値を表す。例えば、パターン値は、b1とb0が、 “1,1”であれば“3”、b1とb0が“1,0”であれば“2”、b1とb0が“0,1”であれば“1”、b1とb0が “0,0”であれば“0”である。
【0086】
画像データには、b1とb0のオン・オフデータ(2ビット)が含まれる。セグメントドライバ29は、2つのフェーズにおいて、b1とb0の“0”と“1”に応じて、“0”の場合には黒表示の電圧波形を、“1”の場合には白表示の電圧波形を出力する。これに応じて、コモンドライバ28は、図13のSelection期間の電圧信号をフェーズごとに繰り返し出力する。これにより、Selection期間に、2個のパルスのオン・オフ制御を行い、4通りの電圧波形を印加することができる。
【0087】
次に、実施例3の単純マトリクス型表示装置を説明する。
【実施例3】
【0088】
実施例3の単純マトリクス型表示装置は、実施例3の単純マトリクス型表示装置と、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成が異なるのみで、他の部分は同じである。
【0089】
図18は、実施例3において、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を示す図である。
【0090】
実施例2においては、Selection期間は長さの等しい2つのフェーズに分けられた。実施例3においては、Selection期間は2つのフェーズに分けられるが、その長さが異なる。これにより、コレステリック液晶表示素子10の特性に合わせて、より正確に中間調を制御することが可能になる。
【0091】
以上、実施例1〜3を説明したが、各種の変形例が可能であるのは言うまでもない。例えば、実施例1〜3では、表示素子10は、RGBの3枚のコレステリック液晶パネルを積層したカラー表示可能な表示素子であったが、1枚のコレステリック液晶パネルを有するモノクロ表示の表示素子に実施例1〜3の構成を適用することも可能である。
【0092】
また、実施例1〜3では、RGBの3枚のコレステリック液晶パネルのスキャン電極は、コモンドライバ28により共通に駆動されたが、パネルごとにコモンドライバ28を設けて、3枚のパネルのスキャン電極を独立して駆動することも可能である。この場合、少なくとも2枚の表示パネルで、Selection期間に各画素に印加されるパルス構成を異ならせてもよい。具体的には、少なくとも2枚の表示パネルで、Selection期間に含まれるSelectionパルスの個数(フェーズ数)を異ならせても、Selectionパルスの長さ(フェーズの長さ)を異ならせても、Selectionパルスの個数と長さの両方を異ならせてもよい。
【0093】
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
【0094】
以下、実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させることと、
表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、前記第1の配向状態を第2の配向状態に変化させることと、
前記第2の配向状態を維持することと、
を含むことを特徴とする表示素子の駆動方法。
(付記2)
前記複数のパルスの組み合わせは、
所定の電圧のオン・オフ制御により生成されることを特徴とする付記1記載の表示素子の駆動方法。
(付記3)
前記複数のパルスは、異なる幅のパルスを含む付記1または2記載の表示素子の駆動方法。
(付記4)
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス幅を含む付記1から3のいずれか記載の表示素子の駆動方法。
(付記5)
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス数を含む付記1から3のいずれか記載の表示素子の駆動方法。
(付記6)
表示素子と、
前記表示素子を駆動する駆動回路と、を備え、
前記駆動回路は、
液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させるリセットパルスと、
表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、前記第1の配向状態を第2の配向状態に変化させる選択パルスと、
前記第2の配向状態を維持する維持パルスと、
を出力することを特徴とする表示装置。
(付記7)
前記複数のパルスの組み合わせは、
所定の電圧のオン・オフ制御により生成されることを特徴とする付記6記載の表示素子の駆動方法。
(付記8)
前記複数のパルスは、異なる幅のパルスを含む付記6または7記載の表示装置。
(付記9)
前記駆動回路は、
前記表示素子のスキャン電極を駆動するコモンドライバと、
前記表示素子のデータ電極を駆動するセグメントドライバと、を備え、
前記セグメントドライバは、前記複数のパルスの周期に対応したフェーズ信号に応じて、前記複数のパルスをオン・オフ制御し、
前記コモンドライバは、1ラインの書き込み中、前記フェーズ信号に応じて、同じ出力を繰り返す付記6から8のいずれか記載の表示装置。
(付記10)
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス幅を含む付記6から9のいずれか記載の表示装置。
(付記11)
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス数を含む付記6から9のいずれか記載の表示装置。
【符号の説明】
【0095】
10 表示素子
27 制御回路
28 コモンドライバ
29 セグメントドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させることと、
表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、前記第1の配向状態を第2の配向状態に変化させることと、
前記第2の配向状態を維持することと、
を含むことを特徴とする表示素子の駆動方法。
【請求項2】
前記複数のパルスの組み合わせは、
所定の電圧のオン・オフ制御により生成されることを特徴とする請求項1記載の表示素子の駆動方法。
【請求項3】
前記複数のパルスは、異なる幅のパルスを含む請求項1または2記載の表示素子の駆動方法。
【請求項4】
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス幅を含む請求項1から3のいずれか記載の表示素子の駆動方法。
【請求項5】
表示素子と、
前記表示素子を駆動する駆動回路と、を備え、
前記駆動回路は、
液晶の配向状態を第1の配向状態に変化させるリセットパルスと、
表示する画像の階調データに応じた複数のパルスの組み合わせにより、前記第1の配向状態を第2の配向状態に変化させる選択パルスと、
前記第2の配向状態を維持する維持パルスと、
を出力することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記複数のパルスの組み合わせは、
所定の電圧のオン・オフ制御により生成されることを特徴とする請求項5記載の表示素子の駆動方法。
【請求項7】
前記複数のパルスは、異なる幅のパルスを含む請求項5または6記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、
前記表示素子のスキャン電極を駆動するコモンドライバと、
前記表示素子のデータ電極を駆動するセグメントドライバと、を備え、
前記セグメントドライバは、前記複数のパルスの周期に対応したフェーズ信号に応じて、前記複数のパルスをオン・オフ制御し、
前記コモンドライバは、1ラインの書き込み中、前記フェーズ信号に応じて、同じ出力を繰り返す請求項5から7のいずれか記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス幅を含む請求項5から8のいずれか記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示素子は、反射中心波長が異なる複数の表示パネルを備え、
前記複数の表示パネルのそれぞれに印加される前記複数のパルスは、少なくとも2枚の前記表示パネルで、異なるパルス数を含む請求項5から8のいずれか記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−8258(P2012−8258A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142860(P2010−142860)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】