説明

表示色調整制御装置及びLED表示色調整システム

【課題】 周囲環境の変化に対して、常に標準的な表示色(色濃度)に色調整制御する。
【解決手段】 周囲環境の状況を検出する輝度センサー1及び色度センサー2と、所定の周囲環境下の輝度センサーの出力及び色度センサーの出力から輝度固定値及びCIE表色系におけるxref値,yref値,zref値を取得し記憶する基礎データテーブル13aと、輝度センサーの現在出力に相当する輝度値及び色度センサーの現在出力に相当するCIE表色系におけるx値,y値,z値に変換する入力データ変換手段14Aと、これら変換輝度値及び変換x値,y値,z値と輝度固定値及びxref値,yref値,zref値とに基づいて、輝度及び色に関する補正信号を求める色補正信号取得演算手段14Bと、得られた輝度及び色に関する補正信号を用いて、画像表示すべきR・G・Bのx値,y値,z値を補正して出力する表示データ出力手段14Cとを備えた表示色調整制御装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示色調整制御装置及びLED表示色調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED表示体に表示された画像の表示色(色濃度)調整は、人間が視覚的に認識し、所望とする鮮やかな色となるように調整しているが、各人の好みも有り、人為的なバラツキが生じている。
【0003】
そこで、最近,LED表示体の近傍に輝度センサーを設置し、輝度センサーから得られる検出輝度に基づいてLED表示体に表示される画像全体の明暗を制御し、色調整することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4313032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以上のようなLED表示体の色調整技術は、LED表示体の設置場所によって大きく異なってくる。一般に、LED表示体は、個々の表示特性が存在することから、LED表示体に入力された色と表示体に表示される画像の表示色とが異なるだけでなく、LED表示体の設置される周囲の環境光の影響を受ける結果、LED表示体に入力された色と表示体に表示される画像の表示色とがさらに大きく異なってくる。そのため、輝度センサーの出力に基づいてLED表示体の輝度制御を行っても、周囲環境の影響を避けることが難しく、LED表示体に表示される画像の色が適切に表現できない。
【0006】
特に、LED表示体の設置場所が屋外である場合、季節(春・秋等)、天候(晴・曇等)、一日の中でも朝・昼・夕方によって周囲環境が異なることによって画像の表示色が変化するが、それに合わせて人為的または輝度制御だけでは、表示画像の色調整を正確に行うことは困難である。
【0007】
そこで、本表示色調整制御装置及びLED表示色調整システムは、周囲環境の変化に応じて適切な表示色(色濃度)となるように色調整することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、実施形態によれば、周囲環境の影響を受けて変化する表示色を色調整する表示色調整制御装置であって、周囲環境の状況を検出する輝度センサー及び色度センサーと、予め通常の周囲環境下で得られる前記輝度センサーの出力及び前記色度センサーの出力から得られる輝度固定値及びCIE表色系におけるxref値,yref値,zref値を取得して記憶する基礎データテーブルと、前記輝度センサーの現在出力に相当する輝度値及び前記色度センサーの現在出力に相当するCIE表色系におけるx値,y値,z値に変換する入力データ変換手段と、これら変換輝度値及び変換x値,y値,z値と前記基礎データテーブルの輝度固定値及びxref値,yref値,zref値とに基づいて、前記輝度及び色に関する補正信号を求める色補正信号取得演算手段と、この色補正信号取得演算手段で得られた輝度及び色に関する補正信号を用いて、画像表示すべきR・G・Bのx値,y値,z値を補正して出力する画像表示データ出力手段とを備えた表示色調整制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】各実施形態に係る表示色調整制御装置を含むLED表示色調整システムの全体構成を示す概念図。
【図2】データベースに記憶される基礎データテーブルの一例図。
【図3】図1に示す第1の実施形態としての表示色調整制御装置における一連の処理手順を説明するフロー図。
【図4】第2の実施形態を説明するための機能ブロック及びデータベースの内部データを示す図。
【図5】データベースに記憶される環境基礎データテーブルの一例図。
【図6】図4に示す第2の実施形態としての表示色調整制御装置における一連の処理手順を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は実施形態に係る色調整制御装置を含むLED表示体の色調整システムの全体構成を示す概念図である。
【0011】
LED表示色調整システムは、色度センサー1及び輝度センサー2を含む表示色調整制御装置3と、LEDコントローラ4と、LED表示体5を含む構成である。
【0012】
色度センサー1は、光の色の特性を表す概念であって、色相と彩度を合わせたデータ,つまり、CIE表色系におけるx−y直交座標のx,y数値に相当するデータを取り出すセンサーである。色度センサー1は、LED表示体5の設置場所周辺であって、LED表示体5の表示色が周囲環境の影響を平均的に受け易い場所に設置される。
【0013】
輝度センサー2は、色度センサー1と同様の考えのもとに設置されるが、色度センサー1を含めて、周囲環境の影響を平均的に受け易い場所、取付位置、取付方法等を試行しながら設置される。
【0014】
これら色度センサー1及び輝度センサー2は表示色調整制御装置3に直接またはハブ(集線装置)を介して接続される。
【0015】
表示色調整制御装置3は、LED表示体5に表示する画像データを管理し提供する機能を有し、ハード的には、必要なデータや制御指示を入力するキーボード,マウス等の入力部11と、プログラムメモリ12と、データベース13と、CPUで構成される色調整制御部14と、表示部15とを含む。
【0016】
プログラムメモリ12には色補正信号を取得する色補正信号取得用プログラムが記憶される。
【0017】
データベース13には、少なくとも基礎データテーブル13a,センサー関連データ記憶部13b及び画像表示データ記憶部13cが設けられている。
【0018】
基礎データテーブル13aには、通常の周囲環境下で多数の人がLED表示体5の画像を認識したときに標準(平均)的な値と認めるに相当する輝度センサー1の出力の輝度固定値と同じくその周囲環境下での色度センサー2の出力から得られるCIE表色系におけるx値,y値,z値をそれぞれxref値,yref値,zref値として格納するテーブルである(図2参照)。なお、輝度固定値やCIE表色系におけるxref値,yref値,zref値は、例えば季節ごとに可変しても構わない。
【0019】
色調整制御部14は、入力データ変換手段14A、補正信号取得演算手段14B及び画像表示データ出力手段14Cが設けられている。
【0020】
入力データ変換手段14Aは、色度センサー1及び輝度センサー2の各出力から輝度相当データ及びCIE表色系でのx−y直交座標のx,y,z値に相当するデータに変換する機能を有する。
【0021】
補正信号取得演算手段14Bは、前述したxref値,yref値,zref値のデータと入力データ変換手段14Aで変換されたx,y,z値に相当するデータとから色補正信号(色補正係数)α,β,γを取得する。
【0022】
画像表示データ出力手段14Cは、x,y,zに対応する色補正信号α,β,γを用いて、画像表示データとなる各R・G・Bのx,y,zデータを補正し、例えば16進数データに変換し、LEDコントローラ4に送信する。
【0023】
LEDコントローラ4は、LED表示体5に対してRGBに関するデジタル表示画像データ(映像信号)を送出する機能を持っている。
【0024】
LED表示体5は、LEDコントローラ4から送られてくるRGBに関するデジタル表示画像データに応じてR色系LED群、G色系LED群、B色系LED群を駆動制御するLED駆動制御部を備え、所要の画像表示データを表示する。
【0025】
一般に、LED表示体5は屋内に設置されるが、本実施形態においては、周囲環境の影響を受けてLED表示体5の画像表示色が変化することを回避することから、屋外に設置した場合に特に有効なものである。
【0026】
次に、以上のようなLED表示色調整システムの作用について、図3を参照して説明する。
【0027】
LED表示色調整システムにおける表示色調整制御装置3の色調整制御部14は、動作が開始すると、色補正信号取得用プログラムに従い、入力データ変換手段14Aを実行する。この入力データ変換手段14Aは、先ず、初期化処理を実行する(S1)。この初期化処理は、センサー関連データ記憶部13cに記憶される例えば前回取得された各センサー1,2などの出力データなど、不要なデータを消去する処理である。
【0028】
入力データ変換手段14Aは、初期化処理後(S1)、輝度センサー2の出力を取り込み(S2)、従来の一般的な変換式等により単位面積当たりの明るさを表す輝度値(カンデラ値cd/m2)に変換し(S3)、センサー関連データ記憶部13bに一時的に記憶する。なお、輝度センサー2の出力がアナログの場合にはデジタル変換値とし、色調整制御部14で処理可能な信号にする。
【0029】
引き続き、入力データ変換手段14Aは、色度センサー1の出力を取り込むと(S4)、従来の一般的な変換式等によりCIE表色系におけるx−y直交座標のx値,y値に相当するデータに変換する。このとき、z座標は、x+y+z=1の関係にあるので、変換されたx値,y値からz値を求めることができる(S5)。ここで、求めた各x値,y値,z値はセンサー関連データ記憶部13bに一時的に記憶する。
【0030】
さらに、表示色調整制御装置3の色調整制御部14は、補正信号取得演算手段14Bを実行する。
【0031】
補正信号取得演算手段14Bは、基礎データテーブル13aの輝度固定値とデータ変換された輝度値との偏差に相当する分だけ,つまり輝度固定値よりも周囲環境の変換輝度値が大きい場合、+偏差相当分だけ高くする補正輝度として取得する(S6)。
【0032】
また、補正信号取得演算手段14Bは、変換された各x値,y値,z値を基礎データテーブル13aの各xref値,yref値,zref値でそれぞれ個別に除算し、x値に対する色補正信号α、y値に対する色補正信β、z値に対する色補正信号γを取得する(S7,S8)。
【0033】
しかる後、色調整制御装置3の色調整制御部14は、画像表示データ出力手段13Cを実行する。
【0034】
画像表示データ出力手段13Cは、画像表示データ記憶部13cから所望とする画像表示データとなるR・G・Bのx値,y値,z値を例えば16進数に変換して出力するが、補正信号取得演算手段14Bから輝度補正信号や色補正信号α,β,γを受けると、所望とする画像表示データの輝度を輝度補正信号を用いて補正し(S9)、また画像表示データを構成する3原色であるRGBの色光の強さとなる各R・G・Bのx,y,zにそれぞれ個別に色補正信号α,β,γを乗算などして補正処理を行う(S10)。
【0035】
そして、補正された各R・G・Bのx,y,zを例えば16進数に変換し、LEDコントローラ4に送信する(S11)。
【0036】
さらに、継続処理するか否かを判断し(S12)、継続処理する場合にはステップS1に戻り、同様の処理を繰り返し実行する。
【0037】
従って、以上のような実施の形態によれば、通常の周囲環境下で多数の人がLED表示体5の画像を認識したときに標準(平均)値と認めるに相当する輝度センサー1の出力である輝度固定値と同じく色度センサー2の出力であるCIE表色系におけるxref値,yref値,zref値とを基準とし、任意の時間に輝度センサー1及び色度センサー2で得られる輝度値及びx値,y値,z値との相対関係から例えばx値に対する色補正信号α、y値に対する色補正信号β、z値に対する色補正信号γを得るので、周囲環境の変化に対して当該色補正信号α,β、γを用いて、画像の色濃度を自動的に調整することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るLED表示体の色調整システムは、図1と同様であるので、ここではその重複する説明は省略する。
【0039】
第2の実施形態において特に異なるところは、図4に示すように表示色調整制御装置3の色調整制御部14としては新たに環境条件判定手段14Dを設けたこと、また、データベース13には新たに図5に示すような環境基礎データテーブル13dが設けられている。
【0040】
環境条件判定手段14Dは、例えば入力部11から入力される分類分けされた特定の1つの環境条件データの従い、現在の周囲環境を判定することにある。
【0041】
この環境基礎データテーブル13cは、季節・気候・朝昼夕における各周囲環境条件下で多数の人がLED表示体5の画像を認識したときに標準(平均)値と認めるに相当する輝度センサー1の出力の輝度固定値と、同じくその周囲環境下での色度センサー2の出力から得られるCIE表色系におけるx,y,z値を基準となるxref値,yref値,zref値として取得し、分類分けされた周囲環境条件ごとに設定していく。
【0042】
次に、第2の実施形態におけるLED表示色調整システムの作用について、図6を参照して説明する。
【0043】
表示色調整制御装置3の色調整制御部14においては、図3と略同じ処理を実行するものであって、入力データ変換手段14Aは、初期化処理後(S21)、図3のステップS2〜S5と同様な処理を行う(S22〜S25)。
【0044】
しかる後、色調整制御部14は環境条件判定手段14Dを実行する(S26,S27)。
【0045】
環境条件判定手段14Dは、表示部15に環境要求メッセージを表示し、入力部11から例えば春期・晴・昼間を含む現在の周囲環境データを受け取るか、あるいは表示部15に周囲環境条件項目データを表示し、その中から現在の周囲環境条件項目データの1つのクリック選択によって受け取るか、あるいはオペレータが予め所定時間(5時間)ごとにデータベース13に現在の周囲環境条件データを設定することにより、現在の周囲環境を判定する。
【0046】
すなわち、環境条件判定手段14Dは、具体的には、色度センサー1の出力からx値,y値,z値を求めた後(S25)、現在の周囲環境に関する指示があるか否か,つまり前述するように入力部11から現在の周囲環境条件データを受け取ったか、クリックにより現在の周囲環境条件データの1つを受け取るか、あるいはオペレータによって既にデータベース13に設定されている周囲環境条件データに基づき(S26)、イエスであれば、その入力された周囲環境条件データを現在の周囲環境として確定する(S27)。
【0047】
色調整制御部14は、現在の周囲環境が確定した後(S27)、補正信号取得演算手段14Bを実行する。
【0048】
補正信号取得演算手段14Bは、図3のステップS6〜S8と同様な処理を行う(S28〜S30)。すなわち、補正信号取得演算手段14Bは、環境基礎データテーブル13dの現在周囲環境に対応する輝度固定値とデータ変換された輝度値との偏差に相当する分だけ,つまり輝度固定値よりも周囲環境の変換輝度値が大きい場合、+偏差相当分だけ高くする輝度補正信号を取得する(S28)。
【0049】
また、補正信号取得演算手段14Bは、変換された各x値,y値,z値を環境基礎データテーブル13dの現在周囲環境に対応する各xref値,yref値,zref値でそれぞれ個別に除算し、x値に対する色補正信号α、y値に対する色補正信号β、z値に対する色補正信号γを取得する(S29,S30)。
【0050】
さらに、表示色調整制御装置3の色調整制御部14は画像表示データ出力手段13Cを実行する。
【0051】
画像表示データ出力手段13Cは、画像表示データ記憶部13cから所望とする画像表示データとなるR・G・Bのx値,y値,z値を例えば16進数に変換して出力するが、補正信号取得演算手段14Bから輝度補正信号や色補正信号α,β,γを受けると、所望とする画像表示データの輝度を輝度補正信号を用いて補正し(S31)、また画像表示データを構成する3原色であるRGBの色光の強さとなる各R・G・Bのx,y,zにそれぞれ個別に色補正信号α,β,γを乗算などして補正処理を行う(S32)。
【0052】
そして、補正された各R・G・Bのx,y,zを例えば16進数に変換し、LEDコントローラ4に送信する(S33)。
【0053】
さらに、継続処理するか否かを判断し(S34)、継続処理する場合にはステップS21に戻り、同様の処理を繰り返し実行する。
【0054】
従って、以上のような実施形態によれば、その時々の周囲環境を考慮しつつ、x値に対する色補正信号α、y値に対する色補正信号β、z値に対する色補正信号γを得るので、周囲環境の変化に応じた色補正信号α,β、γを用いて、画像の色濃度を自動的に調整することができる。
【0055】
(その他の実施形態)
(1) 前述した第2の実施形態では、オペレータからの何らかの入力指示や入力設定により現在の周囲環境条件データを入手するようにしたが、例えば任意の時刻(例えばステップS26の処理時点)において、図1に示すようにネットワーク21を介して気象情報サービス提供会社22からLED表示体5の設置地域の現在の周囲環境のデータを入手するようにしてもよい。
【0056】
(2) また、上記実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…色度センサー、2…輝度センサー、3…表示色調整制御装置、4…LEDコントローラ、5…LED表示体、11…入力部、13…データベース、13a…基礎データテーブル、13b…センサー関連データ記憶部、13c…画像表示データ記憶部、13d…環境基礎データテーブル、14…色調整制御部、14A…入力データ変換手段、14B…補正信号取得演算手段、14C…画像表示データ出力手段、14D…環境条件判定手段、15…表示部、21…ネットワーク、22…気象情報サービス提供会社。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲環境の影響を受けて変化する表示色を色調整する表示色調整制御装置において、
周囲環境の状況を検出する輝度センサー及び色度センサーと、
予め通常の周囲環境下で得られる前記輝度センサーの出力及び前記色度センサーの出力から得られる輝度固定値及びCIE表色系におけるxref値,yref値,zref値を取得して記憶する基礎データテーブルと、
前記輝度センサーの現在出力に相当する輝度値及び前記色度センサーの現在出力に相当するCIE表色系におけるx値,y値,z値に変換する入力データ変換手段と、
これら変換輝度値及び変換x値,y値,z値と前記基礎データテーブルの輝度固定値及びxref値,yref値,zref値とに基づいて、前記輝度及び色に関する補正信号を求める色補正信号取得演算手段と、
この色補正信号取得演算手段で得られた輝度及び色に関する補正信号を用いて、画像表示すべきR・G・Bのx値,y値,z値を補正して出力する表示データ出力手段と
を備えたことを特徴とする表示色調整制御装置。
【請求項2】
周囲環境の影響を受けて変化する表示色を色調整する表示色調整制御装置において、
周囲環境の状況を検出する輝度センサー及び色度センサーと、
複数の周囲環境ごとに分け、当該各周囲環境下で得られる前記輝度センサーの出力及び前記色度センサーの出力から得られる輝度固定値及びCIE表色系におけるxref値,yref値,zref値を取得して記憶する環境基礎データテーブルと、
前記輝度センサーの現在出力に相当する輝度値及び前記色度センサーの現在出力に相当するCIE表色系におけるx値,y値,z値に変換する入力データ変換手段と、
外部から入力される現在の周囲環境に関する環境条件データに基づき、現在の周囲環境を判定する環境条件判定手段と、
前記変換輝度値及び変換x値,y値,z値と前記判定された環境基礎データテーブルの現在環境に対応する輝度固定値及びxref値,yref値,zref値とに基づいて、前記輝度及び色に関する補正信号を求める色補正信号取得演算手段と、
この色補正信号取得演算手段で得られた輝度及び色に関する補正信号を用いて、画像表示すべきR・G・Bのx値,y値,z値を補正して出力する表示データ出力手段と
を備えたことを特徴とする表示色調整制御装置。
【請求項3】
前記環境条件判定手段は、外部の気象情報サービス提供会社から提供される周囲環境条件データから現在の周囲環境を判定することを特徴とする請求項2に記載の表示色調整制御装置。
【請求項4】
前記複数の周囲環境は、季節、天候及び朝,昼,夕方のうち、少なくとも春・秋、天候、朝・昼に分類分けした周囲環境であることを特徴とする請求項2に記載の表示色調整制御装置。
【請求項5】
周囲環境の影響を受けて変化する表示色を色調整するLED表示色調整システムにおいて、
前記請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載する構成の表示色調整制御装置と、
この色調整制御装置から出力される補正されたR・G・Bのx値,y値,z値に従ってR・G・Bの画像信号を出力するLEDコントローラと、
このLEDコントローラから出力されるR・G・Bの画像信号を表示するLED表示体と
を備えたことを特徴とするLED表示色調整システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−191308(P2012−191308A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51434(P2011−51434)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】