説明

表示装置、ユーザインタフェース方法及びプログラム

【課題】画面に表示される画像や情報に応じた態様でスクロールを行い、ユーザにとって使い勝手の良いユーザインタフェースを提供する。
【解決手段】表示装置は、ユーザの操作に応じてカスタマイズ領域又は非カスタマイズ領域を表示する(S3、S7)。カスタマイズ領域は、左右方向にスクロール可能であり、ソフトウェアに対応する画像がユーザの操作に応じた位置に表示される領域である。一方、非カスタマイズ領域は、上下方向にスクロール可能であり、あらかじめ決められた種類の情報があらかじめ決められた位置に表示される領域である。表示装置は、非カスタマイズ領域において上下方向のフリック操作を受け付けると、これを画面サイズよりも小さい単位でスクロールさせる(S5)一方、カスタマイズ領域において左右方向のフリック操作を受け付けると、これを画面サイズ単位でスクロールさせる(S9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GUI(Graphical User Interface)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器のデスクトップや待受画面に複数のウィジェットの画像を表示する技術が知られている(特許文献1参照)。ここにおいて、ウィジェットとは、画面に埋め込まれた表示態様で実行可能なソフトウェアをいい、ニュースや天気予報といった情報を表示したり、電卓や付箋に相当する機能を提供したりするものである。このようなウィジェットは、一般に、ユーザの操作に応じて表示位置を変更することが可能であり、その表示・非表示を制御することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−070582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子機器に表示される情報はさまざまであり、ユーザが比較的自由に配置などを変更できるものとそうでないものとがある。これらの情報を一律の表示態様で表示させると、ユーザの使い勝手を損なう可能性がある。
そこで、本発明は、画面に表示される画像や情報に応じた態様でスクロールを行い、ユーザにとって使い勝手の良いユーザインタフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る表示装置は、画像を表示する表示面を有する表示部と、初期画面を含む複数の画面のいずれかを前記表示面に表示させるように前記表示部を制御する表示制御部と、ユーザの操作を受け付ける操作部とを備え、前記表示制御部は、前記初期画面の左側又は右側に隣接し左右方向にスクロール可能なカスタマイズ領域の前記操作部により受け付けられた操作に応じた位置に、ソフトウェアに対応する画像を表示させるとともに、前記初期画面に前記カスタマイズ領域と異なる位置で隣接し上下方向にスクロール可能な非カスタマイズ領域のあらかじめ決められた位置に、あらかじめ決められた種類の情報を表示させ、前記操作部により前記カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位で画面をスクロールさせ、前記操作部により前記非カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位よりも小さい単位で画面をスクロールさせる構成を有する。
【0006】
好ましい態様において、前記表示制御部は、前記操作部により前記カスタマイズ領域に対して上方向又は下方向にスクロールさせるスクロール操作が受け付けられることにより、実行可能な複数の前記ソフトウェアを一覧表示する第1の一覧領域を表示させ、前記操作部により前記第1の一覧領域に対して上方向又は下方向にスクロールさせるスクロール操作が受け付けられることにより、前記カスタマイズ領域を表示させる。
別の好ましい態様において、前記表示制御部は、前記カスタマイズ領域から前記第1の一覧領域にスクロールさせた後に前記カスタマイズ領域に再度スクロールさせる場合に、前記カスタマイズ領域をスクロール前の表示位置で表示させる。
さらに別の好ましい態様において、前記操作部は、前記表示面に前記第1の一覧領域が表示されている状態において、前記ソフトウェアを起動する起動操作を受け付け、前記表示制御部は、前記起動操作の後に前記第1の一覧領域から前記カスタマイズ領域に画面をスクロールさせる場合に、前記カスタマイズ領域のうちの当該起動操作により起動されたソフトウェアに対応する前記画像が配置されている位置を表示させる。
さらに別の好ましい態様において、前記操作部は、前記表示面に前記第1の一覧領域が表示されている状態において、前記カスタマイズ領域に向かう方向である上下方向又は斜め方向を指示する指示操作を受け付け、前記表示制御部は、前記操作部により前記指示操作が受け付けられると、前記カスタマイズ領域のうちの当該指示操作により指示された方向に相当する位置を表示させる。
さらに別の好ましい態様において、前記表示制御部は、前記表示面に前記カスタマイズ領域が表示されている状態において、上方向又は下方向の前記スクロール操作であって前記第1の一覧領域を表示させるためのスクロール操作と異なる方向の前記スクロール操作が前記操作部により受け付けられることにより、前記カスタマイズ領域に表示されている前記画像に対応する前記ソフトウェアを一覧表示する第2の一覧領域を表示させる。
さらに別の好ましい態様において、前記ソフトウェアは、決められた属性をそれぞれ有し、前記カスタマイズ領域は、左右方向に複数画面分のサイズを有するとともに、各々の画面について決められた属性を有し、前記表示制御部は、前記画像を、前記カスタマイズ領域のうちの当該画像に対応する前記ソフトウェアが有する属性に応じた属性を有する画面に表示させる。
さらに別の好ましい態様において、前記操作部は、前記カスタマイズ領域のサイズを大きくする拡張操作を受け付け、前記表示制御部は、前記操作部により前記拡張操作が受け付けられると、前記カスタマイズ領域が当該延長操作前よりも左右方向に長くなるように拡張する。
【0007】
本発明の他の態様に係るユーザインタフェース方法は、画像を表示する表示面を有する表示部と、ユーザの操作を受け付ける操作部とを備える表示装置において、前記表示面に初期画面を表示する第1のステップと、前記表示面に前記初期画面が表示された状態で、前記操作部により受け付けられた操作に応じて、ソフトウェアに対応する画像がユーザの操作に応じた位置に表示され、左右方向にスクロール可能なカスタマイズ領域と、あらかじめ決められた種類の情報があらかじめ決められた位置に表示され、上下方向にスクロール可能な非カスタマイズ領域のいずれかを表示する第2のステップと、前記操作部により前記カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位で画面をスクロールし、前記操作部により前記非カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位よりも小さい単位で画面をスクロールする第3のステップとを有する。
【0008】
本発明の他の態様に係るプログラムは、画像を表示する表示面を有する表示部と、ユーザの操作を受け付ける操作部とを備える表示装置のコンピュータに、前記表示面に初期画面を表示させる第1のステップと、前記表示面に前記初期画面が表示された状態で、前記操作部により受け付けられた操作に応じて、ソフトウェアに対応する画像がユーザの操作に応じた位置に表示され、左右方向にスクロール可能なカスタマイズ領域と、あらかじめ決められた種類の情報があらかじめ決められた位置に表示され、上下方向にスクロール可能な非カスタマイズ領域のいずれかを表示させる第2のステップと、前記操作部により前記カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位で画面をスクロールさせ、前記操作部により前記非カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位よりも小さい単位で画面をスクロールさせる第3のステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画面に表示される画像や情報に応じた態様でスクロールを行い、ユーザにとって使い勝手の良いユーザインタフェースを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示装置の外観上の構成を示す図
【図2】表示装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】表示部が表示する画面を説明するための画面遷移図
【図4】制御部の機能的構成を示す機能ブロック図
【図5】表示装置が実行する表示制御処理を示すフローチャート
【図6】表示部が表示する画面を説明するための画面遷移図
【図7】表示部が表示する画面を説明するための画面遷移図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である表示装置100の外観上の構成を示す図である。表示装置100は、表示面101を備える電子機器である。表示面101は、画像を表示する面であり、かつ、ユーザの指による操作を受け付けることができる面である。表示面101は、ここでは縦長の長方形であるとする。すなわち、表示面101は、上下方向(縦方向)に長く、左右方向(横方向)に短い形状を有している。なお、表示面101は、裸眼立体視などの方法により画像を立体的に知覚させるものであってもよい。
【0012】
表示装置100は、ユーザが表示面101に対して指で操作を行える程度のサイズであり、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む。)、タブレットPC(Personal Computer)又はスレートPC、PDA(Personal Digital Assistant)である。表示装置100は、ユーザがこれを手に持って操作できる程度のサイズであってもよいが、机の上に置いたりホルダに取り付けたりして操作するものであってもよい。なお、表示装置100は、必ずしも平板状でなくてもよい。
【0013】
図2は、表示装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。表示装置100は、制御部110と、記憶部120と、タッチスクリーン部130と、通信部140とを少なくとも備える。なお、表示装置100は、図2に示した構成のほかに、スピーカやマイクロホン(又はその入出力部)、カメラ(ビデオカメラを含む。)、バイブレータなどを備えてもよい。
【0014】
制御部110は、表示装置100の各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置を備え、ROM又は記憶部120に記憶されたプログラムを実行することによって本発明に係るGUIを実現する。また、制御部110は、複数のアプリケーションソフトウェア(以下単に「アプリケーション」ともいう。)を実行し、各々のアプリケーションに応じた機能を実現することが可能である。制御部110は、複数のタスク(プロセス)を同時に実行できるマルチタスクシステムであってもよく、また、マルチコア構成によってマルチタスク処理を実現してもよい。
【0015】
記憶部120は、データを記憶する手段である。記憶部120は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記録媒体を備え、制御部110が使用するデータを記憶する。記憶部120は、いわゆるリムーバブルディスク、すなわち着脱可能な記録媒体を含んでもよい。記憶部120は、制御部110が実行するプログラムや、表示面101に表示される画像データを記憶することができる。また、記憶部120は、同一のユーザが複数の表示装置100を利用したり、あるいは複数のユーザが同一の表示装置100を利用したりする場合には、各ユーザを識別するための識別情報を記憶していてもよい。
【0016】
タッチスクリーン部130は、画像を表示する手段であり、かつ、ユーザの操作を受け付ける手段である。タッチスクリーン部130は、より詳細には、表示面101に画像を表示する表示部131と、表示面101に対するユーザの操作を受け付けるセンサ部132とを含んで構成される。
【0017】
表示部131は、液晶素子や有機EL(electroluminescence)素子により画像を表示する表示パネルと、この表示パネルを駆動する駆動回路などを備え、制御部110から供給される表示データに応じた画像を表示面101に表示させる。センサ部132は、表示面101に対する指の接触を検出するセンサを備え、指の接触を検出した位置(以下「接触点」という。)を示す操作情報を制御部110に供給する。センサ部132は、いわゆるマルチタッチに対応し、複数の接触点を同時に検出することが可能なものであってもよい。
【0018】
通信部140は、データを送受信する手段である。通信部140は、移動体通信網、インターネットなどのネットワークに接続するネットワークインタフェースであってもよいが、NFC(Near Field Communication)による無線通信のように、他の電子機器とネットワークを介さずに接続するものであってもよい。また、通信部140は、電子マネーや電子チケット(電子クーポン)のような、金銭的な価値を有する情報のやりとりに用いられてもよい。
【0019】
表示装置100のハードウェア構成は、以上のとおりである。表示装置100は、この構成のもと、さまざまなアプリケーションを実行する。表示装置100が実行するアプリケーションは、例えば、ニュースや天気予報の通知、映像(静止画又は動画)や音楽の再生、ゲーム、電子書籍の閲覧などを実行するためのもののほか、いわゆるメーラやWebブラウザに相当するものを含んでもよい。これらのアプリケーションは、他のアプリケーションと同時に実行可能なものや、バックグラウンドで実行可能なものを含む。また、これらのアプリケーションは、表示装置100にあらかじめインストールされていてもよいし、コンテンツプロバイダなどの事業者からユーザが購入し、通信部140を介して取得するようにしてもよい。
【0020】
また、本実施形態に係るソフトウェアにはウィジェットが含まれる。ここでいうウィジェットは、アプリケーションと同等のものであってもよいが、いわゆるアプレットなどのように、あるアプリケーションの一部の機能のみに相当するソフトウェアのことであってもよい。例えば、本実施形態のウィジェットには、各地の天気予報や週間予報のデータを取得して情報を提供するためのアプリケーションの一部をなし、特定の地域(例えばユーザが事前に設定した地域)のその日の天気や気温などといった限定的な情報のみを提供するように構成されたソフトウェアなどが含まれ得る。この例において、アプリケーションは、特定の機能を提供するためのソフトウェアであり、ウィジェットは、当該機能の一部を提供するためのソフトウェアである。以下においては、ウィジェットとこのような対応関係を有するアプリケーションのことを特に「親アプリ」という。なお、ウィジェットは、親アプリを構成するプログラムの一部であってもよいが、親アプリを構成するプログラムからは独立した別のプログラムであってもよい。
【0021】
表示装置100は、複数の画面を切り替えながら表示する。この複数の画面には、ウィジェットを表すウィジェット画像を表示するために設けられた画面が含まれる。ウィジェット画像を表示するように定義されている表示領域のことを、以下においては「カスタマイズ領域」という。カスタマイズ領域は、ウィジェット画像の表示位置をユーザの操作に応じて変更可能な表示領域である。また、カスタマイズ領域は、複数画面分のサイズを有する領域である。また、ウィジェット画像のサイズは、表示面101の1画面分よりも小さいサイズであるとする。
【0022】
図3は、表示部131が表示する画面を説明するための画面遷移図である。同図に示すように、表示部131が表示する画面には、ホーム画面と、カスタマイズ領域と、非カスタマイズ領域と、アプリ一覧画面とが含まれる。このうち、ホーム画面は、本発明の初期画面の一例に相当し、アプリ一覧画面は、本発明の第1の一覧領域に相当する。
【0023】
ホーム画面は、図3に示す画面遷移の基準となる画面である。ホーム画面は、例えば、表示装置100の電源投入時やいわゆる画面ロックの解除時に、表示面101に最初に表示される画面である。ここにおいて、画面ロックとは、ユーザが一定時間以上操作を行わなかった場合などに、タッチスクリーン部130が画像の表示やユーザの操作を制限する機能のことである。なお、ホーム画面のサイズは、表示面101のサイズと同等である。
【0024】
カスタマイズ領域は、上述したようにウィジェット画像を表示可能な表示領域である。図3の例において、カスタマイズ領域は、表示面101の3画面分、すなわち表示面101のサイズを左右方向に3倍した分のサイズを有する。以下において、この3画面を左から順に、それぞれ「第1の画面」、「第2の画面」、「第3の画面」ともいう。
【0025】
非カスタマイズ領域は、あらかじめ決められた種類の情報が表示される表示領域である。非カスタマイズ領域に表示される情報は、例えば、ユーザのプロフィール(氏名、電話番号など)、よくアクセスするWebサイト、移動体通信網の事業者(いわゆるキャリア)から提供される情報(広告、各種通知など)である。つまり、非カスタマイズ領域に表示される情報は、あらかじめ記憶部120に記憶されている情報であってもよいし、通信部140を介して外部から取得される情報であってもよい。
【0026】
また、非カスタマイズ領域に表示される情報は、文字や画像によって構成されており、基本的には横書きである。この情報は、いくつかの表示項目に分けられており、表示項目毎に枠や区切り線で区分され、これらが上下方向に並んだ状態で表示される。また、非カスタマイズ領域のサイズは、左右方向については表示面101と同等であるが、上下方向については表示される情報量に応じて異なる。ここでは、非カスタマイズ領域の上下方向のサイズは、表示面101のそれよりも大きい(長い)ものとする。
【0027】
なお、非カスタマイズ領域は、情報の表示を行うが、当該領域に表示されている情報を変更する操作を受け付けないように定義された表示領域である。ただしこれは、非カスタマイズ領域に表示される情報が不変であるということを意味するものではない。非カスタマイズ領域に表示される情報は、(ウィジェット画像のように)非カスタマイズ領域に対する操作によってはその内容や配置を変更することができないだけである。よって、表示装置100は、ユーザのプロフィールを変更するための画面を別途設けたり、移動体通信網の事業者から新たな情報を受信した場合に情報を更新したりすることは可能である。
【0028】
本実施形態において、ホーム画面、カスタマイズ領域及び非カスタマイズ領域は、ホーム画面の右辺側にカスタマイズ領域が隣接し、ホーム画面の左辺側に非カスタマイズ領域が隣接するように配置されている。ただし、ここでいう「隣接」は、各画面が隣接しているようにユーザに知覚される表示制御が行われる様子を意味するものであり、これらの画面が実際に隣接しているデータが存在することを意味するものではない。
【0029】
アプリ一覧画面は、表示装置100が実行可能なソフトウェア(アプリケーション又はウィジェット)に対応する画像が表示される表示領域である。アプリ一覧画面に表示される画像は、例えば、表示装置100が実行可能なソフトウェアを表すアイコン画像であるが、当該ソフトウェアを表す文字列(名称など)であってもよい。また、この画像は、ソフトウェア毎にあらかじめ決められていてもよいが、ユーザが変更できるようになっていてもよい。アプリ一覧画面のサイズは、ここでは表示面101のサイズと同等であるとするが、上下方向や左右方向にスクロール可能なサイズ(すなわち1画面分よりも大きいサイズ)であってもよい。
【0030】
なお、ホーム画面は、ウィジェット画像を表示可能な画面であってもよい。すなわち、ホーム画面は、カスタマイズ領域の一部であってもよい。本実施形態においては、5画面分のカスタマイズ領域のうちの非カスタマイズ領域と隣接する部分に相当する画面のことを、特に「ホーム画面」と呼ぶことにしている。
【0031】
図4は、制御部110の機能的構成のうち、特に図3に示す画面遷移に関連するものを示す機能ブロック図である。制御部110は、所定のプログラムを実行することにより、同図に示す情報取得部111、操作判別部112及び表示制御部113の各部に相当する機能を実現する。なお、これらの機能は、複数のプログラムの協働によって実現されてもよい。例えば、操作情報取得部111や操作判別部112は、表示制御部113を実現するためのソフトウェアではなく、OS(Operating System)などのシステムソフトウェアによって実現されてもよい。
【0032】
情報取得部111は、操作情報と、そのとき表示面101に表示されている画面を表す情報(以下「画面情報」という。)とを取得する手段である。操作情報取得部111は、より詳細には、タッチスクリーン部130のセンサ部132から操作情報を取得する。操作情報は、ここでは、表示面101の所定の位置(例えば、中心や四隅のいずれか)を原点とした2次元直交座標系によって表示面101の各位置を表すものとする。操作情報は、ユーザが接触点を移動させながら表示面101に触れる場合には、時々刻々と変化する。
【0033】
操作判別部112は、情報取得部111により取得された操作情報及び画面情報に基づいて、ユーザの操作を判別する手段である。本実施形態において、操作判別部112は、「タップ操作」、「フリック操作」、「ドラッグ操作」、「ドラッグアンドドロップ操作」といった複数の種別の操作を判別するとともに、これらの操作がいずれの画面(又はいずれの画像)に対して行われたかを判別することにより、ユーザがそのとき意図している操作を判別する。
【0034】
タップ操作は、表示面101の1点に触れて素早く離す操作であり、特定の画像を選択する場合などに用いられる。フリック操作は、表示面101に触れた状態で接触点を所定の方向に移動させる操作であり、画面をスクロールさせる場合などに用いられる。ドラッグ操作は、表示面101に触れた状態で接触点を移動させる操作であり、指を表示面101から離すまでの操作のことである。一方、ドラッグアンドドロップ操作は、ドラッグ操作に続けて指を表示面101から離すまでの操作のことである。ドラッグ操作は、フリック操作と同様に、画面をスクロールさせる場合などに用いられる。また、ドラッグアンドドロップ操作は、画像の表示位置を移動させる場合などに用いられる。
【0035】
表示制御部113は、表示部131に表示させる画像を制御する手段であり、表示面101の画面遷移を制御する手段である。表示制御部113は、操作判別部112により判別された操作に基づき、その操作に応じた画面を表示面101に表示させるように表示部131を制御する。
【0036】
以上の構成のもと、表示装置100は、カスタマイズ領域上のユーザの操作に応じた位置にウィジェット画像を配置したり、ユーザの操作に応じて画面を遷移させたりする表示制御処理を実行する。表示装置100が実行する表示制御処理は、具体的には以下のとおりである。
【0037】
図5は、表示装置100の制御部110が実行する表示制御処理を示すフローチャートである。なお、同図に示す表示制御処理は、制御部110が表示制御において実行する処理全体のうち、本発明において特徴的な部分のみである。表示装置100は、実際には、以下に説明する操作だけでなく、他のさまざまな操作を受け付け、受け付けた操作に応じた処理を実行することができる。
【0038】
この表示制御処理において、制御部110は、まず、ホーム画面を表示面101に表示させる(ステップS1)。この状態において、制御部110は、カスタマイズ領域、非カスタマイズ領域又はアプリ一覧画面をスクロール表示させるための操作を受け付ける。そのため、制御部110は、ユーザの操作を判別し、いずれの画面を表示させるための操作であるか判別する。
【0039】
カスタマイズ領域を表示させるための操作は、ホーム画面を現在の表示位置から左方向に移動させるような感覚の操作である。本実施形態において、ホーム画面からカスタマイズ領域にスクロールさせるための操作は、指を左方向に動かすフリック操作である。一方、非カスタマイズ領域を表示させるための操作は、ホーム画面を現在の表示位置から右方向に移動させるような感覚の操作であり、カスタマイズ領域にスクロールさせるための操作とは逆方向の操作である。本実施形態において、ホーム画面から非カスタマイズ領域にスクロールさせるための操作は、指を右方向に動かすフリック操作である。また、アプリ一覧画面を表示させるための操作は、ホーム画面を現在の表示位置から上方向に移動させるような感覚の操作であり、本実施形態においては指を上方向に動かすフリック操作である。
【0040】
以下においては、説明の便宜上、指を左方向に動かすフリック操作のことを「左フリック」ともいう。同様に、指を右方向に動かすフリック操作のことを「右フリック」、指を上方向に動かすフリック操作のことを「上フリック」、指を下方向に動かすフリック操作のことを「下フリック」ともいう。なお、これらのフリック操作は、その方向が上下左右のいずれかであると判断できるものであれば十分であり、表示面101に対して真上や真下に向かう操作である必要はない。
【0041】
制御部110は、ホーム画面においてこれらのフリック操作のいずれが受け付けられたかを判断する。具体的には、制御部110は、ステップS2において右フリックが受け付けられたか否かを判断し、これが否定的(NO)である場合には、ステップS6において左フリックが受け付けられたか否かを判断する。また、制御部110は、ステップS2、S6のいずれの判断も否定的である場合には、ステップS10において上フリックが受け付けられたか否かを判断する。
【0042】
ステップS2の判断が肯定的(YES)である場合、すなわち右フリックが受け付けられた場合、制御部110は、非カスタマイズ領域を表示面101にスクロール表示させる(ステップS3)。制御部110は、非カスタマイズ領域においては、上下方向にスクロールを行う。そのため、制御部110は、非カスタマイズ領域が表示されている状態において、上フリック又は下フリックが受け付けられたか否かを判断する(ステップS4)。非カスタマイズ領域が表示されている状態における上フリック又は下フリックは、非カスタマイズ領域をスクロールさせるためのスクロール操作に相当する。
【0043】
制御部110は、非カスタマイズ領域が表示されている状態において上フリック又は下フリックが受け付けられると、非カスタマイズ領域を上下方向にスクロールさせる(ステップS5)。ここにおいて、制御部110は、非カスタマイズ領域を、表示面101の縦方向のサイズ単位(すなわち画面単位)よりも小さい単位でスクロールさせる。例えば、制御部110は、表示面101のピクセル毎や、非カスタマイズ領域に表示されている文字の高さ毎(あるいは表示項目の単位毎)の単位で画面をスクロールさせる。
【0044】
なお、制御部110は、非カスタマイズ領域の上端部が表示されている場合には、非カスタマイズ領域をそれよりも下に移動できないように制御する。同様に、制御部110は、非カスタマイズ領域の下端部が表示されている場合には、非カスタマイズ領域をそれよりも上に移動できないように制御する。
【0045】
また、制御部110は、非カスタマイズ領域が表示されている状態において上フリック又は下フリック以外の操作が受け付けられると、当該操作によっては画面をスクロールさせず、これを無視する。すなわち、この場合制御部110は、ステップS5の処理を省略(スキップ)する。
【0046】
一方、ステップS2の判断が否定的であり、かつ、ステップS6の判断が肯定的である場合、すなわち左フリックが受け付けられた場合、制御部110は、カスタマイズ領域を表示面101にスクロール表示させる(ステップS7)。制御部110は、カスタマイズ領域においては、左右方向にスクロールを行う。そのため、制御部110は、カスタマイズ領域が表示されている状態において、右フリック又は左フリックが受け付けられたか否かを判断する(ステップS8)。カスタマイズ領域が表示されている状態における右フリック又は左フリックは、カスタマイズ領域をスクロールさせるためのスクロール操作に相当する。
【0047】
制御部110は、カスタマイズ領域が表示されている状態において右フリック又は左フリックが受け付けられると、カスタマイズ領域を左右方向にスクロールさせる(ステップS9)。ここにおいて、制御部110は、カスタマイズ領域を、表示面101のサイズ単位(すなわち画面単位)でスクロールさせる。例えば、制御部110は、第1の画面が表示されている状態で左フリックが受け付けられると、第2の画面を表示させる。つまり、制御部110は、第1の画面の右半分と第2の画面の左半分とを1画面に表示させるような中途半端な状態でスクロールを終わらせない。
【0048】
なお、制御部110は、カスタマイズ領域(第3の画面)の右端部が表示されている場合には、カスタマイズ領域をそれよりも左に移動できないように制御する。一方、制御部110は、非カスタマイズ領域の左端部(第1の画面)が表示されている場合には、右フリックを受け付けるとホーム画面を表示させる。
【0049】
また、ステップS2、S6のいずれの判断も否定的であり、かつ、ステップS10の判断が肯定的である場合、すなわち上フリックが受け付けられた場合、制御部110は、アプリ一覧画面を表示面101にスクロール表示させる(ステップS11)。これに加え、制御部110は、カスタマイズ領域が表示されている状態において上フリックが受け付けられた場合、すなわちステップS8の判断が否定的でステップS10の判断が肯定的である場合にも、アプリ一覧画面をスクロール表示させる。
【0050】
なお、ステップS10の判断が否定的である場合には、制御部110は、その他の処理を実行する(ステップS12)。ここにおいて、「その他の処理」とは、画面の表示状態を変えずにそのままの状態を維持するものであってもよいし、カスタマイズ領域においてウィジェット画像の表示位置を移動させる処理であってもよい。ウィジェット画像を移動させるための操作は、例えば、移動対象のウィジェット画像に対するドラッグアンドドロップ操作である。この操作は、ウィジェット画像を第1の画面から第3の画面まで移動させる、といったように、カスタマイズ領域の複数の画面をまたがって行われてもよい。
【0051】
また、制御部110は、アプリ一覧画面からカスタマイズ領域(又はホーム画面)に画面遷移する場合に、以下のような表示制御を行うことも可能である。アプリ一覧画面は、第1の画面から第3の画面のいずれの画面(又はホーム画面)から遷移しても同一の画面であるが、アプリ一覧画面からカスタマイズ領域(又はホーム画面)に遷移する場合には、複数の選択肢がある。そこで、制御部110は、カスタマイズ領域からアプリ一覧画面にスクロールさせた後に、カスタマイズ領域に再度スクロールさせる場合には、あらかじめ決められた画面に常に遷移するようにしてもよいが、表示するカスタマイズ領域の画面をスクロール前の表示位置にさせてもよい。あるいは、制御部110は、アプリ一覧画面において下フリックが受け付けられた場合には、スクロール前の画面がカスタマイズ領域であっても、常にホーム画面に戻るようにしてもよい。
【0052】
あるいは、制御部110は、上下方向のフリック操作と斜め方向のフリック操作とを区別して判別し、カスタマイズ領域のうちのそれぞれの操作に相当する画面を表示させるようにしてもよい。例えば、制御部110は、アプリ一覧画面において下方向のフリック操作を受け付けた場合には、カスタマイズ領域のうちの第2の画面を表示させる一方、アプリ一覧画面において右下に向かう方向のフリック操作を受け付けた場合には、第1の画面を表示させ、アプリ一覧画面において左下に向かう方向のフリック操作を受け付けた場合には、第3の画面を表示させる。このようにすれば、ユーザは、第1の画面から第3の画面のうちの所望の画面を、画面を引き寄せるような直感的な操作によって表示させることが可能となる。
【0053】
さらに、制御部110は、表示面101にアプリ一覧画面を表示させた場合において、以下のような表示制御を行ってもよい。例えば、制御部110は、アプリ一覧画面が表示されている状態において、当該領域に表示されているアイコン画像のいずれかを選択する操作が受け付けられた場合に、当該アイコン画像に対応するソフトウェアを起動させてもよい。この場合、制御部110は、表示面101に当該ソフトウェアに対応する画面を表示させてもよいし、当該ソフトウェアをバックグラウンドで実行させてもよい。ここにおいて、特定のアイコン画像を選択する操作は、当該アイコン画像に対するタップ操作やダブルタップ操作(タップ操作を2回繰り返す操作)であり、本発明の起動操作に相当する。
【0054】
このような起動操作が受け付けられた後において、画面をアプリ一覧画面からカスタマイズ領域にスクロールさせる場合に、制御部110は、カスタマイズ領域のうちの起動操作によって起動させたソフトウェアに対応するウィジェット画像が配置されている画面を表示させてもよい。このようにすれば、ユーザが所望のソフトウェアを起動させた場合に、当該ソフトウェアと関連を有しない画面を表示させないようにすることができる。
【0055】
以上のように、本実施形態の表示装置100によれば、画面のスクロールの態様をカスタマイズ領域と非カスタマイズ領域とで異ならせることが可能である。これにより、ユーザは、それぞれの領域に表示されている画像又は情報に適したスクロールを行うことが可能になる。例えば、カスタマイズ領域をピクセル単位でスクロールしたり、非カスタマイズ領域を画面単位でスクロールしたりすることができても、これによってユーザの使い勝手が向上する可能性は低く、むしろ悪化する可能性の方が高いといえる。
【0056】
また、表示装置100は、画面のスクロールの態様をカスタマイズ領域と非カスタマイズ領域とで異ならせることによって、性質が異なる2つの領域の違いをユーザに認識させやすくすることが期待できる。例えば、ユーザは、スクロールの方向や単位が異なると、それぞれの領域が異質であると認識することが可能である。すなわち、ユーザは、ホーム画面という同一の画面から遷移する画面でありながらも、カスタマイズ領域と非カスタマイズ領域の違いを容易に認識することが可能である。
【0057】
さらには、同一の画面から遷移可能な画面のスクロールの態様を異ならせることにより、ユーザの操作に変化を与え、ユーザに面白みを感じさせることを期待することもできる。例えば、スマートフォンなどの携帯機器のユーザは、暇つぶしなどの目的で、特に意味のない操作を繰り返す場合がある。本実施形態のように画面をスクロールさせた場合には、同じ方向のスクロールがずっと繰り返されるような場合に比べると、その操作が一様ではなく、多様性があるため、操作を単調でないものにすることが可能である。
【0058】
[第2実施形態]
本実施形態は、表示装置のハードウェア構成を第1実施形態と共通にするが、表示する画面やその表示制御処理が第1実施形態と異なるものである。なお、本実施形態の表示装置の構成については、第1実施形態の表示装置100と同様であるため、第1実施形態と同一の符号を用いて説明することとし、その詳細な説明を省略する。
【0059】
図6は、本実施形態において表示される画面を説明するための画面遷移図である。本実施形態において表示される画面は、ウィジェット一覧画面を含む点において第1実施形態のそれ(図3参照)と異なる。ウィジェット一覧画面は、カスタマイズ領域にウィジェット画像が表示されているウィジェット(ソフトウェア)を一覧表示するための画面である。ユーザは、ウィジェット一覧画面を参照すると、実行中のウィジェットを1つの画面を見るだけで確認することが可能である。ウィジェット一覧画面は、各ウィジェットを文字列(名称など)で示してもよいし、アイコン画像で示してもよい。ウィジェット一覧画面は、本発明の第2の一覧領域に相当する。
【0060】
ウィジェット一覧画面は、カスタマイズ領域の上部に位置しているようにユーザに知覚される。一方、アプリ一覧画面は、カスタマイズ領域の下部に位置しているようにユーザに知覚される。それゆえ、カスタマイズ領域からウィジェット一覧領域を表示させるための操作は、カスタマイズ領域の画面を下方向に引き下げるような操作、すなわち下フリックである。つまり、カスタマイズ領域からウィジェット一覧領域を表示させるための操作は、カスタマイズ領域からアプリ一覧領域を表示させるための操作(上フリック)と逆方向の操作である。
【0061】
なお、ウィジェット一覧画面が表示されている状態でカスタマイズ領域を再度表示させるための操作は、フリック操作の方向が逆方向である点を除き、アプリ一覧画面が表示されている状態でカスタマイズ領域を再度表示させるための操作と同様であってよい。アプリ一覧画面が表示されている状態でカスタマイズ領域を再度表示させるための操作は、第1実施形態において説明されたものと同様である。
【0062】
[変形例]
本発明は、上述した各実施形態の態様に限らず、他の態様でも実施することができる。本発明は、例えば、以下の変形例に示す態様によっても実施可能である。なお、本発明は、これら複数の変形例を組み合わせた態様で実施されてもよい。
【0063】
(1)カスタマイズ領域と非カスタマイズ領域の位置関係は、上述した実施形態において例示されたものに限定されない。カスタマイズ領域と非カスタマイズ領域の位置関係は、例えば、以下のようにすることも可能である。また、表示面101は、縦長ではなく横長に用いられてもよい。
【0064】
図7は、表示装置100における画面遷移の他の例を示す図である。図7(a)は、カスタマイズ領域がホーム画面の右側にあり、非カスタマイズ領域がホーム画面の左側にある例であり、図3に示した位置関係の左右を逆にしたものである。また、図7(b)は、非カスタマイズ領域をホーム画面の左右方向ではなく上下方向(同図の場合、下側)に配置した例である。なお、図7(b)の例の場合、ホーム画面から非カスタマイズ領域にスクロールさせるための操作は、上フリックである。
【0065】
また、アプリ一覧画面とウィジェット一覧画面は、それぞれの位置関係が逆であってもよい。すなわち、これらの画面は、アプリ一覧画面がホーム画面の上方向にあるようにスクロール表示され、ウィジェット一覧画面がホーム画面の下方向にあるようにスクロール表示されてもよい。なお、アプリ一覧画面及びウィジェット一覧画面は、必ずしもホーム画面からスクロールによって遷移する画面である必要はなく、例えば、ホーム画面に表示された所定のアイコン画像をタップすることによって遷移する画面であってもよい。
【0066】
(2)本発明のソフトウェアは、それぞれ属性を有していてもよい。ここにおいて、属性とは、ソフトウェアの分類を可能にする特徴をいう。ソフトウェアの属性は、例えば、「ニュース」、「ビジネス」、「ゲーム」、「エンターテインメント」、「コミュニケーション」といったものである。ソフトウェアの属性は、各ソフトウェアにあらかじめ記述されて定義されたものであってもよいが、ユーザが定義するものであってもよい。また、ソフトウェアの属性は、当該ソフトウェアの使用頻度に基づき、「使用頻度が高いもの」「使用頻度が低いもの」といった分類を表すものであってもよい。
【0067】
この場合において、カスタマイズ領域は、それぞれの画面にソフトウェアの属性に応じた属性を与えられてもよい。カスタマイズ領域の各画面の属性は、ソフトウェアの属性と同一のものであってもよいが、一定の対応関係を有するものであれば、必ずしも完全に同一である必要はない。例えば、ソフトウェアに「電子メール」や「SNS(Social Network Service)」といった属性がある場合、カスタマイズ領域の画面には、これらを包含する属性として「コミュニケーション」という属性が与えられていてもよい。
【0068】
このようにソフトウェアとカスタマイズ領域の画面とが属性を有する場合、制御部110は、ウィジェット画像を表示させる画面を、当該ウィジェット画像に対応するソフトウェアの属性に対応する属性を有する画面にするように制御してもよい。このようにすれば、共通性のあるウィジェット画像同士をカスタマイズ領域の同じ画面内に表示させることが可能である。
【0069】
(3)本発明のカスタマイズ領域は、ユーザの操作によって、そのサイズ(すなわち画面数)を増加させたり、あるいは減少させたりできるものであってもよい。以下においては、カスタマイズ領域のサイズを大きくする操作のことを「拡張操作」という。例えば、制御部110は、カスタマイズ領域に表示されるウィジェット画像の数が上限に達した場合において、新たなウィジェット画像を表示させるための操作が拡張操作として受け付けられた場合に、カスタマイズ領域のサイズを拡張し、新たな画面を設けるようにしてもよい。この場合、カスタマイズ領域のサイズは、左右方向に長くなるように拡張されるが、上下方向のサイズは変化しない。
【0070】
また、延長操作は、他の態様で行われてもよい。例えば、タッチスクリーン部130がマルチタッチに対応している場合であれば、延長操作は、カスタマイズ領域において左右方向にピンチアウト操作を行うものであってもよい。ここにおいて、ピンチアウト操作とは、2つの接触点(例えば親指と人差し指)を接触した状態のまま、この2点の距離を広げるように少なくとも一方の接触点を移動させる操作をいう。なお、カスタマイズ領域の画面数を減らす場合にも、同様の要領で、カスタマイズ領域において左右方向にピンチイン操作を行ってもよい。ここにおいて、ピンチイン操作とは、ピンチアウト操作の逆の操作をいい、2つの接触点の距離を狭めるように移動させる操作のことである。
【0071】
(4)本発明の操作部は、上述したセンサ部132に加え、いわゆる物理キー(ハードウェアキー)が用いられてもよい。例えば、上述した起動操作や延長操作は、物理キーの操作によっても実現可能である。
【0072】
(5)本発明において、ユーザは、自身の指に限らず、スタイラスなどのユーザが手に持って(あるいは手に装着して)動かす指示用の器具(以下「指示体」という。)を用いて操作を行ってもよい。このような指示体を用いる場合の操作部は、指示体の位置を赤外線や超音波によって検出するものであってもよい。また、先端に磁性体を備える指示体を用いた場合には、指示体の位置を磁気的に検出することも可能である。すなわち、本発明の表示装置は、タッチスクリーンを備えるものである必要はない。
【0073】
また、ユーザの操作は、必ずしも表示面に接触する操作でなくてもよい。例えば、上述した表示装置100のタッチスクリーン部130を静電容量方式で構成した場合であれば、ユーザが表示面101に触れる前の近接した状態であっても、その指の位置を検出することが可能である。
【0074】
(6)本発明は、ゲーム機、音楽プレーヤ、電子書籍リーダなど、複数の画面を表示するさまざまな電子機器に対しても適用可能である。また、本発明は、表示装置単体ではなく、少なくとも表示部を備える表示装置と、表示装置とは独立に設けられた他の装置(表示装置の表示を制御するための装置)との協働によって実現されてもよい。この場合において、当該他の装置は、図4に示した機能的構成を備えれば十分であり、表示部やセンサ部を備えていなくてもよい。この場合、本発明は、図4に示した機能的構成を実現するためのプログラムや、これを記録した記録媒体の形態でも実施され得る。また、かかるプログラムは、サーバ装置からネットワークを介してダウンロードされて電子機器にインストールされてもよい。
【符号の説明】
【0075】
100…表示装置、101…表示面、110…制御部、111…情報取得部、112…操作判別部、113…表示制御部、120…記憶部、130…タッチスクリーン部、131…表示部、132…センサ部、140…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示面を有する表示部と、
初期画面を含む複数の画面のいずれかを前記表示面に表示させるように前記表示部を制御する表示制御部と、
ユーザの操作を受け付ける操作部とを備え、
前記表示制御部は、
前記初期画面の左側又は右側に隣接し左右方向にスクロール可能なカスタマイズ領域の前記操作部により受け付けられた操作に応じた位置に、ソフトウェアに対応する画像を表示させるとともに、前記初期画面に前記カスタマイズ領域と異なる位置で隣接し上下方向にスクロール可能な非カスタマイズ領域のあらかじめ決められた位置に、あらかじめ決められた種類の情報を表示させ、
前記操作部により前記カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位で画面をスクロールさせ、前記操作部により前記非カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位よりも小さい単位で画面をスクロールさせる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記操作部により前記カスタマイズ領域に対して上方向又は下方向にスクロールさせるスクロール操作が受け付けられることにより、実行可能な複数の前記ソフトウェアを一覧表示する第1の一覧領域を表示させ、前記操作部により前記第1の一覧領域に対して上方向又は下方向にスクロールさせるスクロール操作が受け付けられることにより、前記カスタマイズ領域を表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記カスタマイズ領域から前記第1の一覧領域にスクロールさせた後に前記カスタマイズ領域に再度スクロールさせる場合に、前記カスタマイズ領域をスクロール前の表示位置で表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記操作部は、
前記表示面に前記第1の一覧領域が表示されている状態において、前記ソフトウェアを起動する起動操作を受け付け、
前記表示制御部は、
前記起動操作の後に前記第1の一覧領域から前記カスタマイズ領域に画面をスクロールさせる場合に、前記カスタマイズ領域のうちの当該起動操作により起動されたソフトウェアに対応する前記画像が配置されている位置を表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記操作部は、
前記表示面に前記第1の一覧領域が表示されている状態において、前記カスタマイズ領域に向かう方向である上下方向又は斜め方向を指示する指示操作を受け付け、
前記表示制御部は、
前記操作部により前記指示操作が受け付けられると、前記カスタマイズ領域のうちの当該指示操作により指示された方向に相当する位置を表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記表示面に前記カスタマイズ領域が表示されている状態において、上方向又は下方向の前記スクロール操作であって前記第1の一覧領域を表示させるためのスクロール操作と異なる方向の前記スクロール操作が前記操作部により受け付けられることにより、前記カスタマイズ領域に表示されている前記画像に対応する前記ソフトウェアを一覧表示する第2の一覧領域を表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ソフトウェアは、決められた属性をそれぞれ有し、
前記カスタマイズ領域は、左右方向に複数画面分のサイズを有するとともに、各々の画面について決められた属性を有し、
前記表示制御部は、
前記画像を、前記カスタマイズ領域のうちの当該画像に対応する前記ソフトウェアが有する属性に応じた属性を有する画面に表示させる
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記操作部は、
前記カスタマイズ領域のサイズを大きくする拡張操作を受け付け、
前記表示制御部は、
前記操作部により前記拡張操作が受け付けられると、前記カスタマイズ領域が当該延長操作前よりも左右方向に長くなるように拡張する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
画像を表示する表示面を有する表示部と、ユーザの操作を受け付ける操作部とを備える表示装置において、
前記表示面に初期画面を表示する第1のステップと、
前記表示面に前記初期画面が表示された状態で、前記操作部により受け付けられた操作に応じて、ソフトウェアに対応する画像がユーザの操作に応じた位置に表示され、左右方向にスクロール可能なカスタマイズ領域と、あらかじめ決められた種類の情報があらかじめ決められた位置に表示され、上下方向にスクロール可能な非カスタマイズ領域のいずれかを表示する第2のステップと、
前記操作部により前記カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位で画面をスクロールし、前記操作部により前記非カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位よりも小さい単位で画面をスクロールする第3のステップと
を有すること特徴とするユーザインタフェース方法。
【請求項10】
画像を表示する表示面を有する表示部と、ユーザの操作を受け付ける操作部とを備える表示装置のコンピュータに、
前記表示面に初期画面を表示させる第1のステップと、
前記表示面に前記初期画面が表示された状態で、前記操作部により受け付けられた操作に応じて、ソフトウェアに対応する画像がユーザの操作に応じた位置に表示され、左右方向にスクロール可能なカスタマイズ領域と、あらかじめ決められた種類の情報があらかじめ決められた位置に表示され、上下方向にスクロール可能な非カスタマイズ領域のいずれかを表示させる第2のステップと、
前記操作部により前記カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位で画面をスクロールさせ、前記操作部により前記非カスタマイズ領域をスクロールさせるスクロール操作が受け付けられると、前記表示面のサイズ単位よりも小さい単位で画面をスクロールさせる第3のステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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