表示装置、表示方法、及び表示プログラム
【課題】一度ユーザによって表示指示の入力がされた表示データや、記憶媒体から予め読み出された表示データを、電源OFF後も短時間で迅速に表示部に表示できる表示装置、表示方法、及び表示プログラムを提供する。
【解決手段】表示部に表示する表示データは、SDカード161のデータテーブル21に格納される。表示データはデータテーブル21から読み出され、表示部に直接表示することが可能なフォーマットに変換される。変換された表示データ(変換データ)は、表示中バッファ22に格納され(矢印32)、表示部に表示される。表示データが更新された場合、表示中バッファ22に格納されていた変換データは、既読テーブル24に格納される(矢印34)。電源をOFFする指示が入力された場合、既読テーブル24に格納された変換データは、圧縮され、データテーブル21に格納される(矢印36)。
【解決手段】表示部に表示する表示データは、SDカード161のデータテーブル21に格納される。表示データはデータテーブル21から読み出され、表示部に直接表示することが可能なフォーマットに変換される。変換された表示データ(変換データ)は、表示中バッファ22に格納され(矢印32)、表示部に表示される。表示データが更新された場合、表示中バッファ22に格納されていた変換データは、既読テーブル24に格納される(矢印34)。電源をOFFする指示が入力された場合、既読テーブル24に格納された変換データは、圧縮され、データテーブル21に格納される(矢印36)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、及び表示プログラムに関する。より詳細には、記憶媒体から読み出した表示データをRAMに記憶するとともに、RAMから表示データを読み出して表示部に表示する表示装置、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示データが表示部に表示された後、記憶媒体から読み出された表示済みの表示データを、記憶媒体よりもアクセス速度の速いRAMに記憶する表示装置が提案されている。また、表示部に表示させる表示データをユーザが選択入力する前に、該当する表示データを記憶媒体から読み出し、RAMに予め記憶しておくことが可能な表示装置が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の表示装置では、ユーザによる入力内容に応じて、表示指示が近々に入力される可能性の高い表示データが決定される。決定された表示データは、表示データが複数記憶された記憶媒体から予め読み出され、RAMに記憶される。実際に表示指示がユーザによって入力された場合、RAMに記憶された表示データは読み出され、表示部に表示される。これによって表示装置は、表示データを短時間で表示部に表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−109880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置の電源がOFFされた場合、RAMに記憶されている表示データは消去される。電源が再投入された場合、RAMに表示データは残っていないので、表示装置は、該当する表示データを再度記憶媒体から読み出し、RAMに記憶する必要がある。従って電源再投入直後の状態では、過去にユーザによって表示指示の入力がされた表示データや、記憶媒体から予め読み出された表示データであっても、表示データを表示部に表示するまでに長時間を要してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、一度ユーザによって表示指示の入力がされた表示データや、記憶媒体から予め読み出された表示データを、電源OFF後も短時間で迅速に表示部に表示できる表示装置、表示方法、及び表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る表示装置は、表示データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部と、前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換手段と、前記変換手段によって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御手段と、前記変換手段によって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御手段と、電源をOFFする指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御手段によって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御手段とを備えている。
【0008】
本発明の第一態様によれば、揮発性記憶手段に記憶された変換データは、電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、不揮発性記憶手段に記憶される。電源がOFFされた後も、不揮発性記憶手段に記憶された変換データは保持される。これによって表示装置は、電源のOFF後、再度ONされた場合に、不揮発性記憶手段に記憶された変換データを迅速に取得し、表示手段に表示できる。このように表示装置は、電源がOFFされた後も、表示データを短時間で迅速に表示部に表示させることができる。
【0009】
また、第一態様において、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第一判断手段と、前記第一判断手段によって、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第三記憶制御手段とを備えていてもよい。これによって表示装置は、揮発性記憶手段に記憶された変換データの総量が大きくなった場合に、揮発性記憶手段に記憶された変換データを読み出して、不揮発性記憶手段に記憶できる。これによって表示装置は、揮発性記憶手段の空き領域を確保することができるので、変換データを確実に揮発性記憶手段に記憶できる。
【0010】
また、第一態様において、前記第一記憶制御手段は、前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記変換データを前記揮発性記憶手段に記憶し、前記第三記憶制御手段は、前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が古い順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。揮発性記憶手段には、表示手段に表示された変換データが記憶される。この場合、揮発性記憶手段に対する記憶の順番が古い変換データは、表示手段に表示させるための変換データとしてユーザに繰り返し選択される可能性が低い。従って、順番が古い変換データが優先して揮発性記憶手段から読み出され、不揮発性記憶手段に記憶される。これによって、繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは揮発性記憶手段に残存するので、表示装置は、ユーザからの指示に即座に応じ、変換データを表示手段に表示させることができる。
【0011】
また、第一態様において、前記取得手段は、前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データに関連する表示データである関連表示データを更に取得し、前記変換手段は、前記関連表示データを前記変換データに変換し、前記第一記憶制御手段は、前記表示制御手段によって前記変換データが前記表示手段に表示される前に、前記関連表示データを変換した前記変換データを、更に前記揮発性記憶手段に記憶し、前記第三記憶制御手段は、前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が新しい順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。揮発性記憶手段には、ユーザによって表示指示が入力される可能性が高い変換データが、表示部に対して表示される前に予め記憶される。このような場合、揮発性記憶手段に対する記憶のタイミングが新しい変換データは、表示手段に表示させるための変換データとしてユーザに繰り返し選択される可能性が低い。従って、順番が新しい変換データが優先して揮発性記憶手段から読み出され、不揮発性記憶手段に記憶される。これによって、繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは揮発性記憶手段に残存するので、表示装置は、ユーザからの指示に即座に応じて変換データを表示手段に表示させることができる。
【0012】
また、第一態様において、前記入力部を介した操作の有無を判断する第二判断手段を備え、前記第三記憶制御手段は、前記第二判断手段によって、前記入力部を介して入力操作がされたと判断された場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶する処理を行わなくてもよい。ユーザによる入力操作が実行されている状態では、操作内容に応じた処理を優先して行うために、変換データを不揮発性記憶手段に記憶する処理は行わない。これによって表示装置は、確実に変換データを不揮発性記憶手段に記憶できる。又、表示装置は、ユーザによる入力操作に即座に応じて、対応する処理を実行できる。
【0013】
また、第一態様において、前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第三判断手段と、前記第三判断手段によって、前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、複数の前記表示データを備えた表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に既に記憶されているか判断する第四判断手段と、前記第四判断手段によって、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に記憶されていると判断された場合に、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを、前記不揮発性記憶手段から削除する削除手段とを備えていてもよい。これによって表示装置は、不揮発性記憶手段に記憶できる空き領域が少なくなった場合に、表示ファイルを削除できる。これによって表示装置は、不揮発性記憶手段の空き領域を確保し、多くの表示データを記憶できる。
【0014】
また、第一態様において、前記第二記憶制御手段は、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データと同一の変換データが前記不揮発性記憶手段に記憶されていない場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。これによって表示装置は、同一の変換データを不揮発性記憶手段に複数記憶することを防止できる。表示装置は、不揮発性記憶手段を効率的に使用し、変換データを保持できる。
【0015】
また、第一態様において、前記第二記憶制御手段は、前記変換データを圧縮して前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。これによって、変換データは圧縮されて不揮発性記憶手段に記憶されるので、より多くの変換データを不揮発性記憶手段に記憶できる。
【0016】
本発明の第二態様に係る表示方法は、表示データを表示する表示手段を備えた表示装置において実行される表示方法であって、前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップとを備えている。
【0017】
本発明の第二態様によれば、揮発性記憶手段に記憶された変換データは、電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、不揮発性記憶手段に記憶される。電源がOFFされた後も、不揮発性記憶手段に記憶された変換データは保持される。これによって表示装置は、電源のOFF後、再度ONされた場合に、不揮発性記憶手段に記憶された変換データを迅速に読み出し、表示手段に表示できる。このように表示装置は、電源がOFFされた後も、表示データを短時間で迅速に表示部に表示させることができる。
【0018】
本発明の第三態様に係る表示プログラムは、表示手段に表示する表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップとをコンピュータにに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】SDカード161及びRAM13に記憶されるデータの流れを示す図である。
【図3】データテーブル21を示す模式図である。
【図4】既読テーブル24を示す模式図である。
【図5】先読テーブル23を示す模式図である。
【図6】パラメータテーブル41を示す模式図である。
【図7】メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】メイン処理を示すフローチャートである。
【図10】圧縮格納処理を示すフローチャートである。
【図11】受付処理を示すフローチャートである。
【図12】先読処理を示すフローチャートである。
【図13】先読処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0021】
図1を参照し、表示装置1の概要について説明する。表示装置1は、表示部15を備えている。表示装置1は、電子書籍などの様々な表示ファイルのフォーマットを、表示部15に直接表示させることが可能なフォーマットに変換し、表示部15に表示する。表示ファイルのフォーマット変換は、表示ファイルを構成するページ毎のデータ(以下「表示データ」という。)の単位で実行される。以下、表示可能なフォーマットに変換された表示データを「変換データ」という。表示ファイル及び表示データのフォーマットとして、例えばPDF(Portable Document Format)が挙げられる。変換データのフォーマットとして、例えばBMPフォーマットが挙げられる。表示装置1は、ユーザによる入力部14を介した操作に応じ、表示部15に表示させる変換データを更新する。表示装置1として、周知の様々な表示装置(電子ブックリーダ、PDAなど)が使用できる。
【0022】
表示装置1の電気的構成について説明する。表示装置1は、表示装置1の制御を司るCPU11を備えている。CPU11は、フラッシュROM(以下、単に「ROM」という。)12、RAM13、入力部14、表示部15、及びドライブ装置16と電気的に接続している。不揮発性の記憶素子であるROM12には、制御プログラムやOS等が記憶される。揮発性の記憶素子であるRAM13には、後述する各種テーブルが記憶される。入力部14は、ユーザからの入力を受け付けるボタンやタッチパネルである。表示部15は、所望の電子データを表示させるLCD(Liquid Crystal Display)である。ドライブ装置16は、不揮発性の記憶素子であるSDカード161に記憶された情報を読み書きするための駆動装置である。
【0023】
ユーザは、表示装置1による閲覧を望む表示ファイルが記憶されたSDカード161を、ドライブ装置16に挿入する。ユーザは、入力部14を介して入力操作を行うことで、表示ファイル及びそのページを選択する。表示装置1は、選択された表示ファイルのうち、選択されたページの表示データを、SDカード161に記憶された表示ファイルから読み出して変換データに変換し、表示部15に表示する。表示装置1には、入力部14を介してユーザが入力可能な入力メニューとして、「前ページ」、「後ページ」、及び「電源OFF」が少なくとも用意されている。ユーザによって「前ページ」が入力された場合、表示部15には、表示中のページの前のページの表示データが表示される。ユーザによって「後ページ」が入力された場合、表示部15には、表示中のページの次のページの表示データが表示される。ユーザは、入力部14を介して入力操作を行うことで、所望のページの表示データを閲覧できる。又、ユーザによって「電源OFF」が入力された場合、表示装置1の電源はOFFされる。
【0024】
図2を参照し、SDカード161及びRAM13に記憶される各種データについて説明する。SDカード161には、データテーブル21が記憶されている。表示ファイルは、データテーブル21に格納されている。はじめに、データテーブル21に格納された表示ファイルのうち特定のページの表示データが読み出され、変換データに変換される。変換された変換データは、RAM13内の一記憶領域である表示中バッファ22に格納される(矢印32)。表示装置1は、表示中バッファ22に変換データが格納されている場合に、この変換データを表示部15に表示する。
【0025】
ユーザによって、「後ページ」が入力されたとする。表示中バッファ22に格納されている変換データは、RAM13内に設けられた既読テーブル24に格納される(矢印34)。データテーブル21に格納された表示ファイルのうち、表示部15に表示されていたページの次のページの表示データが読み出され、変換データに変換される。変換された変換データは、表示中バッファ22に格納され(矢印32)、表示部15に表示される。
【0026】
ユーザによって「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、既読テーブル24に格納された変換データと同一の変換データに対応する表示データが、再度ユーザによって選択されたとする。この場合、データテーブル21に格納された表示データは読み出されず、既読テーブル24に格納された変換データが優先的に読み出され、表示部15に表示するためのデータとして表示中バッファ22に格納される(矢印35)。これによって、表示データを変換データに変換する処理が不要となるので、ユーザの入力操作に即座に反応して変換データが表示部15に表示される。また、RAM13のアクセス速度はSDカード161のアクセス速度と比較して速いので、SDカード161のデータテーブル21から表示データが読み出された場合と比較して、RAM13の既読テーブル24から変換データが読み出された場合の方が、表示部15への変換データの表示速度は大幅に速くなる。
【0027】
更に表示装置1では、変換データを表示部15に表示した場合に、以後ユーザによって選択される可能性の高いページの表示データが決定される。決定されたページの表示データは、データテーブル21から読み出され、変換データに変換される。変換された変換データは、RAM13内に設けられた先読テーブル23に格納される(矢印31)。「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、先読テーブル23に格納された変換データと同一の変換データに対応する表示データが、再度ユーザによって選択されたとする。この場合、データテーブル21に格納された表示データは読み出されず、先読テーブル23に格納された変換データが優先的に読み出され、表示部15に表示するためのデータとして表示中バッファ22に格納される(矢印33)。これによって、過去に表示部15に表示されていない表示データがユーザによって選択された場合であっても、選択された表示データを短時間で表示部15に表示できる。
【0028】
ユーザによって「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、既読テーブル24に多くの変換データが格納されることによって、既読テーブル24の空き領域が少なくなってしまったとする。この場合、既読テーブル24に格納された順番が古い順番に変換データが既読テーブル24から読み出される。読み出された変換データは、圧縮され、SDカード161のデータテーブル21に記憶される(矢印36)。既読テーブル24から読み出された変換データは、既読テーブル24から削除される。これによって既読テーブル24に十分な空き領域が確保されるので、新たな変換データを既読テーブル24に格納することができる。
【0029】
またユーザによって「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、先読テーブル23に多くの変換データが格納されることによって、先読テーブル23に空き領域が少なくなってしまったとする。この場合、先読テーブル23に格納された順番が新しい順番に変換データが先読テーブル23から読み出される。読み出された変換データは、圧縮され、SDカード161のデータテーブル21に記憶される(矢印37)。以下、圧縮された変換データを「圧縮変換データ」という。先読テーブル23から読み出された変換データは、先読テーブル23から削除される。これによって先読テーブル23に十分な空き領域が確保されるので、新たな変換データを先読テーブル23に格納することができる。
【0030】
ユーザによって選択された変換データがRAM13の既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されていない場合であって、SDカード161のデータテーブル21に対応する圧縮変換データが格納されている場合、該当する圧縮変換データはデータテーブル21から優先的に読み出される。読み出された圧縮変換データは、元の変換データに展開され、表示中バッファ22に格納される(矢印38)。また、ユーザによって選択される可能性の高いページに対応する変換データを圧縮した圧縮変換データが、SDカード161のデータテーブル21に記憶されている場合、該当する圧縮変換データはデータテーブル21から優先的に読み出される。読み出された圧縮変換データは、元の変換データに展開される。展開された変換データは、先読みテーブル23に格納される(矢印39)。
【0031】
圧縮変換データを変換データに展開する場合に要する時間は、表示データを変換データに変換する場合に要する時間と比較して短い。従って、通信装置1は、データテーブル21に記憶された圧縮変換データを適宜参照することで、短時間で変換データを取得できる。また、RAM13に記憶された既読テーブル24及び先読テーブル23は、表示装置1の電源がOFFされた場合に消去されてしまう。しかしながら上述のように、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納された変換データは、圧縮後、SDカード161のデータテーブル21に記憶される。データテーブル21に記憶された圧縮変換データは、電源OFF後も保持される。従って、表示装置1の電源が再度ONされた場合に、SDカード161に記憶された圧縮変換データが利用できるので、ユーザの所望する表示データは迅速に表示部15に表示される。
【0032】
図3を参照し、データテーブルの一例であるデータテーブル21について説明する。データテーブル21には、表示ファイルの名称、作成者、作成日時、及びページ数が、表示ファイルに対応付けて格納されている。またデータテーブル21には、圧縮変換データと未/済情報とが対応付けて格納されている。「未/済情報」は、表示ファイルに含まれる其々の表示データに対応する圧縮変換データが作成されているか否かを示す情報である。「未/済情報」には、圧縮変換データが作成されている場合、圧縮変換データが格納されている領域のアドレス情報がページ番号に対応付けて格納される。一方「未/済情報」には、圧縮変換データが作成されていない場合、作成されていないことを示す情報(図3中「未」)がページ番号に対応付けて格納される。SDカード161に複数の表示ファイルが記憶されている場合、其々の表示ファイルに対応する複数のデータテーブル21がSDカード161に記憶される。データテーブル21に格納可能な圧縮変換データの数は予め所定数に制限されている。
【0033】
図4を参照し、既読テーブルの一例である既読テーブル24について説明する。既読テーブル24には、ページ番号と変換データとが対応付けて格納されている。ページ番号は、変換データの変更前の表示データのページ番号を示している。既読テーブル24に格納可能な変換データの数は予め所定数に制限されている。
【0034】
図5を参照し、先読テーブルの一例である先読テーブル23について説明する。先読テーブル23は、ページ番号、状態、及び変換データが対応付けて格納されている。「状態」は、先読テーブル23への変換データの格納状態を、「登録中」「登録済」のいずれかによって示している。「状態」の詳細は後述する。ページ番号は、変換データの変換前の表示データのページ番号を示している。先読テーブル23に格納可能な変換データの数は予め所定数に制限されている。
【0035】
図6を参照し、パラメータテーブルの一例であるパラメータテーブル41について説明する。パラメータテーブル41には、表示中バッファ(表示中バッファ22(図2参照)に相当)、表示中ページ番号、及び先読ページ番号が格納される。表示中バッファに格納された変換データは、表示部15に表示される。表示中ページ番号として、表示中バッファに格納された変換データに対応する表示データのページ番号が格納される。先読ページ番号として、先読テーブル23に格納する変換データに対応する表示データのページ番号が格納される。
【0036】
図7から図13を参照し、表示装置1のCPU11において実行されるメイン処理、及び先読処理について説明する。メイン処理は、表示装置1の電源が投入された場合において、CPU11において起動され実行される。先読処理は、メイン処理においてタスク起動用のフラグがONされた状態で、CPU11によって実行される。其々の処理は、OSによって適宜スイッチングされる。これによって、其々の処理は独立に且つ並列に実行される。
【0037】
図7から図11を参照し、メイン処理について説明する。パラメータテーブル41(図6参照)の表示中ページ番号に「1」が格納され、初期化される(S11)。これによって電源投入直後の状態では、1ページ目の表示データが常に表示部15に表示されることになる(S33参照、後述)。しかしながら例えば、入力部14を介してユーザによって予め入力操作が行われている場合には、入力操作によって選択されたページを表示中ページに格納してもよい。これによって、ユーザの入力操作によって選択されたページの表示データを、はじめに表示部15に表示させることができる。既読テーブル24(図4参照)に、表示中ページ番号に対応する表示データを変換した変換データ(以下、単に「表示中ページ番号の変換データ」という。)が格納されているかが判断される(S13)。表示中ページ番号の変換データが既読テーブル24に格納されている場合(S13:YES)、表示中ページ番号の変換データが既読テーブル24から読み出される(S15)。読み出された変換データは、表示中バッファ22(図2参照)に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。
【0038】
既読テーブル24(図4参照)に、表示中ページ番号の変換データが格納されていない場合(S13:NO)、先読テーブル23(図5参照)に、表示中ページ番号の変換データが格納されており、且つ、該当する変換データに対応付けられた「状態」が「登録済」であるかが判断される(S17)。条件に合致する変換データが先読テーブル23に格納されている場合(S17:YES)。該当する変換データが先読テーブル23から読み出される(S19)。読み出された変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。
【0039】
これらのように、表示部15に表示する変換データは、RAM13の既読テーブル24又は先読テーブル23から優先的に取得される。RAM13のアクセス速度は、SDカード161のアクセス速度よりも高速なので、変換データは素早く読み出される。表示部15に変換データが表示されるまでの時間は大幅に短くなる。
【0040】
条件に合致する変換データが先読テーブル23に格納されていない場合(S17:NO)、データテーブル21(図3参照)に、表示中ページ番号の変換データを圧縮した圧縮変換データ(以下、単に「表示中ページ番号の圧縮変換データ」という。)が格納されているかが判断される(S21)。データテーブル21に、表示中ページ番号の圧縮変換データが格納されている場合(S21:YES)、表示中ページ番号の圧縮変換データがデータテーブル21から読み出される(S23)。読み出された圧縮変換データは、変換データに展開される(S25)。圧縮変換データを展開することで得られた変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。このように、表示部15に表示する変換データは、データテーブル21から取得された圧縮変換データを展開することで取得されるので、変換データが取得されるまでの時間は短縮される。
【0041】
データテーブル21に、表示中ページ番号の圧縮変換データが格納されていない場合(S21:NO)、データテーブル21が参照される。表示中ページ番号に対応する表示データが読み出される(S27)。読み出された表示データは、変換データに変換される(S29)。得られた変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。
【0042】
図8に示すように、入力部14を介して、表示部15に表示させるページを特定するための入力操作を含む何らかの操作が、ユーザによってされたかが判断される。具体的には、表示部15に表示させるページとして「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のいずれかの入力がユーザによってされたかが判断される(S41)。「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のいずれかの入力もされていない場合(S41:NO)、既読テーブル24に格納された変換データの総数に基づいて、既読テーブル24に空き領域が十分残っているかが判断される(S43)。格納された変換データの総数が所定数未満であり、既読テーブル24に空き領域が十分残っている場合(S43:YES)、処理はS51に進む。格納された変換データの総数が所定数以上であり、既読テーブル24の空き領域が不足している場合(S43:NO)、既読テーブル24に空き領域を確保するために、以下の処理が実行される。
【0043】
既読テーブル24に格納されている変換データのうち、既読テーブル24に格納された順番が最も古い変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして特定される(S45)。既読テーブル24に格納された順番が最も古い変換データは、近々にユーザによって選択される可能性が、既読テーブル24に格納された変換データの中で最も低い。このため、データテーブル21に格納される変換データとして優先的に特定される。特定された変換データは、圧縮された後、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S47)。圧縮された変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データは既読テーブル24から削除され、既読テーブル24が更新される(S49)。これによって、RAM13のうち既読テーブル24の空き領域が確保されるので、以後、変換データは確実に既読テーブル24に格納される。
【0044】
例えば図4に示すように、既読テーブル24に「001.bmp」(ページ番号:1)、「002.bmp」(ページ番号:2)、及び「003.bmp」(ページ番号:3)の変換データが格納されていたとする。1→2→3→4ページの順で変換データが表示部15に表示されており、現時点でページ番号が4の変換データ「004.bmp」が表示部15に表示されているものとする。ユーザは、表示中の変換データ「004.bmp」から順に先のページに進めるか、順に前のページに戻す操作を行う可能性が高い。このため、近々にユーザによって選択される可能性が最も低い変換データは、最も古い順番で既読テーブル24に格納された変換データ「001.bmp」(1ページ目)ということになる。従ってこの変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして優先的に特定される。これによって、既読テーブル24から変換データが削除された後、削除された変換データがユーザによって選択されてしまう可能性を小さくしている。一方、繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは、既読テーブル24に残存することになるので、ユーザによって選択された変換データを高い確率で既読テーブル24内から読み出し、迅速に表示部15に表示させることができる。
【0045】
図10を参照し、圧縮格納処理について説明する。S45(図8参照)において特定された変換データを圧縮した圧縮変換データが、データテーブル21(図3参照)に既に格納されているかが判断される(S91)。特定された変換データを圧縮した圧縮変換データが、データテーブル21に既に格納されている場合(S91:YES)、圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。これによって、同一の圧縮変換データがデータテーブル21に複数格納されることを防止している。一方、特定された変換データを圧縮した圧縮変換データが、データテーブル21に格納されていない場合(S91:NO)、特定された変換データは圧縮される(S93)。作成された圧縮変換データは、データテーブル21に格納される(S95)。未/済情報として、圧縮変換データが格納された領域のアドレス情報が、ページ番号に対応付けて格納される(S96)。
【0046】
データテーブル21に格納された圧縮変換データの総数量に基づいて、データテーブル21に空き領域が十分残っているかが判断される(S97)。格納された圧縮変換データの総数量が所定数未満であり、データテーブル21に空き領域が十分残っている場合(S97:YES)、圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。
【0047】
データテーブル21に格納された圧縮変換データの総数量が所定数以上であり、データテーブル21の空き領域が不足している場合(S97:NO)、データテーブル21に空き領域を確保するために、以下の処理が実行される。S95でデータテーブル21に格納した表示データを含む表示ファイルが特定される。データテーブル21のうち、特定された表示ファイルに対応付けられている未/済情報が参照される。特定された表示ファイルを構成する全ての表示データが圧縮変換データに変換されており、未/済情報として、全てのページにアドレス情報が対応付けられているかが判断される(S99)。未/済情報として、アドレス情報が格納されていない(「未」(図3参照)が格納されている)ページが存在する場合(S99:NO)、そのまま圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。未/済情報として、全てのページにアドレス情報が対応付けられている場合(S99:YES)、元の表示ファイルは不要と判断され、データテーブル21から削除される(S101)。圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。このように表示装置1は、データテーブル21の空き領域が少なくなった場合に、表示ファイルを削除できる。これによって表示装置1は、データテーブル21の空き領域を確保し、多くの表示ファイルを記憶できる。なお、表示ファイルに対応する圧縮変換データは全てデータテーブル21に格納されている。従って、変換データを表示部15に表示する場合に、データテーブル21に格納された圧縮変換データを使用することができる。
【0048】
図8に示すように、S51では、S31(図7参照)で表示中バッファ22(図2参照)に格納された変換データが、既に既読テーブル24(図4参照)に格納されているかが判断される(S51)。表示中バッファ22に格納された変換データが、既に既読テーブル24に格納されている場合(S51:NO)、処理はS41に戻る。表示中バッファ22に格納された変換データが、既読テーブル24に未だ格納されていない場合(S51:YES)、表示中バッファ22に格納された変換データは、既読テーブル24に格納される(S53)。変換データに対応する表示データのページが、格納された変換データに対応付けられる。処理はS41に戻る。
【0049】
一方、S41で、入力部14を介して、「前ページ」「後ページ」及び「電源OFF」のいずれかの入力がユーザによってされた場合(S41:YES)、図9に示すように、入力内容に応じて先読テーブル23への変換データの格納処理を開始する受付処理(図11参照)が実行される(S61)。図11を参照し、受付処理について説明する。ユーザによって「後ページ」の入力がされたかが判断される(S111)。ユーザによって「後ページ」の入力がされていない場合(S111:NO)、先読処理(図12、13参照)の実行を許可するために、フラグがONされる(S113)。受付処理は終了し、処理はメイン処理(図9参照)に戻る。
【0050】
図12及び図13を参照し、先読処理について説明する。先読処理では、表示部15に表示中の変換データの次ページ以降のページの変換データを、予め先読テーブル23(図5参照)に格納する処理が実行される。パラメータテーブル41(図6参照)のうち先読ページ番号に、パラメータテーブル41の表示中ページ番号が格納され、初期化される(S121)。入力部14を介して、「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のいずれかの入力がユーザによってされたかが判断される(S122)。「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のうちいずれかの入力がされている場合(S122:YES)、処理はS122に戻る。
【0051】
「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のうちいずれの入力もされていない場合(S122:NO)、先読テーブル23に格納された変換データの総数量に基づいて、先読テーブル23に空き領域が残っているかが判断される(S123)。格納された変換データの総数量が所定数未満であり、先読テーブル23に空き領域が残っている場合(S123:YES)、処理はS129に進む。格納された変換データの総数量が所定数以上であり、先読テーブル23の空き容量が不足している場合(S123:NO)、先読テーブル23に空き領域を確保するために、以下の処理が実行される。
【0052】
先読テーブル23に記憶されている変換データのうち、先読テーブル23に格納された順番が最も新しい変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして特定される(S125)。先読処理では、後述するように、表示部15に表示されている変換データのページの次のページから、ベージ番号順に表示データを変換データに変換し、先読テーブル23に順に格納する。
【0053】
例えば図5に示すように、先読テーブル23に「002.bmp」(ページ番号:2)、「003.bmp」(ページ番号:3)、「004.bmp」(ページ番号:4)の変換データが格納されていたとする。現時点でページ番号が1の変換データ「001.bmp」が表示部15に表示されているものとする。ユーザは、表示中の変換データ「001.bmp」から順に先のページに進める操作を行う可能性が高い。このため、近々にユーザによって選択される可能性が最も低い変換データは、最も新しい順番で既読テーブル24に格納された変換データ「004.bmp」(4ページ目)ということになる。従ってこの変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして優先的に特定される。これによって、既読テーブル24から変換データが削除された後、削除された変換データがユーザによって選択されてしまう可能性を小さくしている。繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは、先読テーブル23に残存することになるので、ユーザによって選択された変換データを高い確率で先読テーブル23内から読み出し、迅速に表示部15に表示させることができる。特定された変換データは、圧縮された後、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S127)。圧縮格納データの詳細は省略する。
【0054】
圧縮変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データが先読テーブル23から削除されることで、先読テーブル23が更新される(S128)。処理はS129に進む。これによって、RAM13のうち先読テーブル24の空き領域が確保されるので、以後、変換データは確実に先読テーブル23に記憶される。
【0055】
パラメータテーブル41のうち、先読ページ番号に1が加算され、更新される(S129)。先読ページ番号に対応する表示データを変換した変換データ(以下、単に「先読ページ番号の変換データ」という。)が、既読テーブル24に格納されているかが判断される(S131)。先読ページ番号の変換データが、既読テーブル24に既に格納されている場合(S131:YES)、先読ページ番号の変換データを既読テーブル24に格納する必要はないので、処理はS122に戻る。
【0056】
先読ページ番号の変換データが、既読テーブル24に格納されていない場合(S131:NO)、先読ページ番号の変換データが、先読テーブル23に既に記憶されており、且つ、該当する変換データに対応付けられた「状態」が「登録済」であるかが判断される(S133)。条件に合致する変換データが先読テーブル23に格納されている場合(S133:YES)、先読ページ番号の変換データを先読テーブル23に格納する必要はないので、処理はS122に戻る。条件に合致する変換データが先読テーブル22に格納されていない場合(S133:NO)、先読テーブル23の一領域が新しく確保される。パラメータテーブル41のうち先読ページ番号が、確保された先読テーブル23の一領域に格納される。状態として「登録中」が格納される(S135)。
【0057】
図13に示すように、先読ページ番号の変換データを圧縮した圧縮変換データ(以下、単に「先読ページ番号の圧縮変換データ」という。)が、データテーブル21に格納されているかが判断される(S137)。先読ページ番号の圧縮変換データが、データテーブル21に格納されている場合(S137:YES)、先読ページ番号の圧縮変換データがデータテーブル21から読み出される(S139)。読み出された圧縮変換データは、変換データに展開される(S141)。展開された変換データは、先読テーブル23のうちS135(図12参照)で確保された先読テーブル23の一領域に格納される(S143)。S135で格納された状態は、「登録中」から「登録済」に更新される(S145)。処理はS122(図12参照)に戻る。先読ページに1加算されて更新され(S129、図12参照)て処理が繰り返されることで、変換データがページ番号順で順番に先読テーブル23に格納される。
【0058】
先読ページ番号の圧縮変換データが、データテーブル21に格納されていない場合(S137:NO)、先読ページ番号の表示データがデータテーブル21から読み出される(S147)。読み出された表示データは変換され、変換データが作成される(S149)。作成された変換データは、先読テーブル23のうちS135で確保された先読テーブル23の一領域に格納される(S151)。S135で格納された状態は、「登録中」から「登録済」に更新される(S153)。処理はS122(図12参照)に戻る。
【0059】
一方、図11の受付処理で、ユーザによって「後ページ」の入力がされた場合(S111:YES)、表示部15に表示中の変換データの次のページの変換データを表示中バッファ22に格納し、該当する変換データを表示部15に表示させる必要がある。該当する変換データは、先読テーブル23に格納されている可能性が高い。そこで、先読テーブル23に格納された変換データが使用可能であるかを判断するために、先読テーブル23の「状態」が確認される。先読テーブル23の「状態」が「登録済」である場合(S115:NO)、処理はS119に進む。
【0060】
先読処理のS135(図12参照)で示されているように、変換データの作成が開始された場合、変換データが先読テーブル23に格納されるまでの間、先読テーブル23の「状態」に「登録中」が格納される。従って、先読テーブル23の「状態」に「登録中」が格納されている場合(S115:YES)、表示データが変換データに変換されている最中であるか、又は、圧縮変換データが変換データに展開されている最中であるということになる。この場合、変換データを読み出すことができない。従って、先読テーブル23の「状態」が「登録済」となるまで待機される(S117)。先読テーブル23の「状態」が「登録中」である場合(S117:NO)、処理はS117に戻る。
【0061】
先読処理のS145及びS153(図13参照)で示されているように、変換データの作成が完了して先読テーブル23に変換データが格納された後、先読テーブル23の「状態」に「登録済」が格納される。従って、先読テーブル23の「状態」に「登録済」が格納された場合(S117:YES)、先読テーブル23に格納された変換データを読み出すことが可能となったので、処理はS119に進む。S119では、先読処理(図12及び図13参照)の実行を禁止するために、フラグがOFFされる(S119)。受付処理は終了し、処理はメイン処理(図9参照)に戻る。
【0062】
図9に示すように、受付処理(S61)が終了した後、ユーザによってされた入力操作の内容に応じた処理が実行される。ユーザによって「前ページ」の入力がされている場合(S63:YES)、パラメータテーブル41のうち表示中ページ番号がら1減算される(S65)。処理はS13(図7参照)に戻る。ユーザによって「後ページ」の入力がされている場合(S63:NO、S67:YES)、パラメータテーブル41のうち表示中ページ番号に1加算される(S69)。処理はS13(図7参照)に戻る。これらの処理で更新された表示中ページ番号に基づいて、変換データが取得される(S15、S19、S25、及びS29(図7参照))。取得された変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31、図7参照)。これによって、ユーザによって指示されたページの変換データが表示部15に表示される(S33、図7参照)。
【0063】
ユーザによって「前ページ」「後ページ」のいずれの入力もされていない場合(S67:NO)、「電源OFF」がユーザによって入力されたかが判断される(S71)。「電源OFF」がユーザによって選択されていない場合(S71:NO)、処理はS61に戻る。
【0064】
「電源OFF」がユーザによって入力された場合(S71:YES)、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されている変換データの全てをデータテーブル21に格納する為に、以下の処理が実行される。はじめに、既読テーブル24に格納されている変換データの全てが、データテーブル21に格納する変換データとして選択される(S73)。選択された変換データは、圧縮され、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S75)。圧縮格納処理の詳細は省略する。圧縮変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データが既読テーブル24から削除される。これによって、既読テーブル24が更新される(S77)。
【0065】
次に、先読テーブル23に格納された変換データの全てが、データテーブル21に格納する変換データとして選択される(S79)。選択された変換データは、圧縮され、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S81)。圧縮格納処理の詳細は省略する。圧縮変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データが先読テーブル23(図4参照)から削除される。これによって、先読テーブル23が更新される(S83)。メイン処理は終了する。
【0066】
なお上述では、「電源OFF」が選択された場合、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納された変換データの全てが圧縮され、データテーブル21に格納されていたが、本発明はこれに限定されない。既読テーブル24及び先読テーブルに格納された変換データのうち、以後ユーザによって選択される可能性が高い変換データを抽出し、抽出された変換データのみをデータテーブル21に格納してもよい。
【0067】
以上説明したように、表示装置1では、RAM13の既読テーブル24及び先読テーブル23に格納された変換データは、「電源OFF」の入力操作がされた場合に、圧縮された状態でSDカード161に記憶される。電源がOFFされた後も、SDカード161に記憶された圧縮変換データは保持される。これによって表示装置1は、電源がOFFされた後、再度電源がONされた場合に、SDカード161に記憶された圧縮変換データを迅速に読み出し、展開後、表示部15に表示できる。このように表示装置1は、電源がOFFされた後も、表示データを短時間で迅速に表示部15に表示させることができる。
【0068】
また表示装置1は、RAM13の空き容量が少なくなった場合に、RAM13に記憶された変換データを読み出して圧縮し、SDカード161に記憶できる。これによって表示装置1は、RAM13の空き領域を確保することができるので、変換データを確実にRAM13に記憶できる。なお表示装置1では、ユーザによる入力操作が実行されている状態では、操作内容に応じた処理が優先して行われる。このため、変換データをSDカード161に記憶する処理は行われない。従って表示装置1は、ユーザによる入力操作に基づいた処理を迅速かつ的確に実行できる。
【0069】
図1の表示部15が本発明の「表示手段」に相当し、SDカード161が本発明の「不揮発性記憶手段」に相当し、RAM13が本発明の「揮発性記憶手段」に相当する。図7のS27の処理を行うCPU11が本発明の「取得手段」に相当し、S29の処理を行うCPU11が本発明の「変換手段」に相当し、S33の処理を行うCPU11が本発明の「表示制御手段」に相当する。図8のS53の処理を行うCPU11が本発明の「第一記憶制御手段」に相当する。図9のS71の処理を行うCPU11が本発明の「受付手段」に相当し、S77及びS83の処理を行うCUP11が本発明の「第二記憶制御手段」に相当する。図8のS43、図12のS123の処理を行うCPU11が本発明の「第一判断手段」に相当する。図8のS45、S47、図12のS125、S127の処理を行うCPU11が本発明の「第三記憶制御手段」に相当する。図8のS41、図12のS122の処理を行うCPU11が本発明の「第二判断手段」に相当する。図10のS97の処理を行うCPU11が本発明の「第三判断手段」に相当し、S99の処理を行うCPU11が本発明の「第四判断手段」に相当し、S101の処理を行うCPU11が本発明の「削除手段」に相当する。図9のS63、S67の処理が本発明の「特定ステップ」に相当する。図7のS27の処理が本発明の「第一取得ステップ」に相当し、S29の処理が本発明の「変換ステップ」に相当し、S33の処理が本発明の「表示制御ステップ」に相当する。図8のS53の処理が本発明の「第一記憶制御ステップ」に相当する。図9のS71の処理が本発明の「受付ステップ」に相当し、S77及びS83の処理が本発明の「第二記憶制御ステップ」に相当する。
【0070】
なお本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、種々の変更が可能である。上述の実施形態では、データテーブル21はSDカード161に記憶されていたが、本発明はこれに限定されない。データテーブル21は、表示装置1に内蔵されたフラッシュROMに記憶されてもよい。またデータテーブル21は、電池によって常時電源が供給される状態のRAMに記憶されてもよい。
【0071】
上述では、表示データは変換データに変換され、RAM13の表示中バッファ22、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されていた。しかしながら本発明はこれに限定されない。表示データを直接表示部15に表示できる場合は、表示データのフォーマットを変換することなく、そのままRAM13の表示中バッファ22、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されてもよい。また上述では、表示データのフォーマットを変換することで変換データが作成されていたが、本発明はこれに限定されない。表示データに設定されているスクランブルを解除したり、所定の鍵情報で復号化することによって、表示データを変換データに変換してもよい。
【0072】
上述では、既読テーブル24、及び先読テーブル23に格納された変換データの総数量に基づいて、データテーブル21に圧縮変換データを退避させるか否かを決定した。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、既読テーブル24、及び先読テーブル23に格納された変換データの総容量に基づいて、圧縮変換データを退避させるか否かを決定してもよい。同様に上述では、データテーブル21に格納された圧縮変換データの総数量に基づいて、表示ファイルを削除するか否かを決定した。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、データテーブル21に格納された圧縮変換データの総容量に基づいて、圧縮変換データを退避させるか否かを決定してもよい。
【0073】
上述では、SDカード161のデータテーブル21に変換データが記憶される場合、変換データを圧縮した圧縮変換データが記憶されていた。本発明はこれに限定されない。変換データは、そのままSD161のデータテーブル21に記憶されてもよい。
【0074】
上述では、既読テーブル24と先読テーブル23との両方がRAM13に記憶されていたが、本発明はこれに限定されない。既読テーブル24と先読テーブル23とのいずれか一方のみがRAM13に記憶されてもよい。
【0075】
上述では、「電源OFF」の入力操作がユーザによって行われた場合、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されている変換データが圧縮され、圧縮変換データがSDカード161のデータテーブル21に格納されていた。本発明はこれに限定されない。表示中バッファ22に格納された変換データが圧縮され、圧縮変換データがSDカード161に格納されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 表示装置
13 RAM
15 表示部
21 データテーブル
22 表示中バッファ
23 先読テーブル
24 既読テーブル
25 入力部
161 SDカード
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、及び表示プログラムに関する。より詳細には、記憶媒体から読み出した表示データをRAMに記憶するとともに、RAMから表示データを読み出して表示部に表示する表示装置、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示データが表示部に表示された後、記憶媒体から読み出された表示済みの表示データを、記憶媒体よりもアクセス速度の速いRAMに記憶する表示装置が提案されている。また、表示部に表示させる表示データをユーザが選択入力する前に、該当する表示データを記憶媒体から読み出し、RAMに予め記憶しておくことが可能な表示装置が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の表示装置では、ユーザによる入力内容に応じて、表示指示が近々に入力される可能性の高い表示データが決定される。決定された表示データは、表示データが複数記憶された記憶媒体から予め読み出され、RAMに記憶される。実際に表示指示がユーザによって入力された場合、RAMに記憶された表示データは読み出され、表示部に表示される。これによって表示装置は、表示データを短時間で表示部に表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−109880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置の電源がOFFされた場合、RAMに記憶されている表示データは消去される。電源が再投入された場合、RAMに表示データは残っていないので、表示装置は、該当する表示データを再度記憶媒体から読み出し、RAMに記憶する必要がある。従って電源再投入直後の状態では、過去にユーザによって表示指示の入力がされた表示データや、記憶媒体から予め読み出された表示データであっても、表示データを表示部に表示するまでに長時間を要してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、一度ユーザによって表示指示の入力がされた表示データや、記憶媒体から予め読み出された表示データを、電源OFF後も短時間で迅速に表示部に表示できる表示装置、表示方法、及び表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る表示装置は、表示データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部と、前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換手段と、前記変換手段によって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御手段と、前記変換手段によって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御手段と、電源をOFFする指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御手段によって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御手段とを備えている。
【0008】
本発明の第一態様によれば、揮発性記憶手段に記憶された変換データは、電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、不揮発性記憶手段に記憶される。電源がOFFされた後も、不揮発性記憶手段に記憶された変換データは保持される。これによって表示装置は、電源のOFF後、再度ONされた場合に、不揮発性記憶手段に記憶された変換データを迅速に取得し、表示手段に表示できる。このように表示装置は、電源がOFFされた後も、表示データを短時間で迅速に表示部に表示させることができる。
【0009】
また、第一態様において、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第一判断手段と、前記第一判断手段によって、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第三記憶制御手段とを備えていてもよい。これによって表示装置は、揮発性記憶手段に記憶された変換データの総量が大きくなった場合に、揮発性記憶手段に記憶された変換データを読み出して、不揮発性記憶手段に記憶できる。これによって表示装置は、揮発性記憶手段の空き領域を確保することができるので、変換データを確実に揮発性記憶手段に記憶できる。
【0010】
また、第一態様において、前記第一記憶制御手段は、前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記変換データを前記揮発性記憶手段に記憶し、前記第三記憶制御手段は、前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が古い順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。揮発性記憶手段には、表示手段に表示された変換データが記憶される。この場合、揮発性記憶手段に対する記憶の順番が古い変換データは、表示手段に表示させるための変換データとしてユーザに繰り返し選択される可能性が低い。従って、順番が古い変換データが優先して揮発性記憶手段から読み出され、不揮発性記憶手段に記憶される。これによって、繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは揮発性記憶手段に残存するので、表示装置は、ユーザからの指示に即座に応じ、変換データを表示手段に表示させることができる。
【0011】
また、第一態様において、前記取得手段は、前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データに関連する表示データである関連表示データを更に取得し、前記変換手段は、前記関連表示データを前記変換データに変換し、前記第一記憶制御手段は、前記表示制御手段によって前記変換データが前記表示手段に表示される前に、前記関連表示データを変換した前記変換データを、更に前記揮発性記憶手段に記憶し、前記第三記憶制御手段は、前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が新しい順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。揮発性記憶手段には、ユーザによって表示指示が入力される可能性が高い変換データが、表示部に対して表示される前に予め記憶される。このような場合、揮発性記憶手段に対する記憶のタイミングが新しい変換データは、表示手段に表示させるための変換データとしてユーザに繰り返し選択される可能性が低い。従って、順番が新しい変換データが優先して揮発性記憶手段から読み出され、不揮発性記憶手段に記憶される。これによって、繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは揮発性記憶手段に残存するので、表示装置は、ユーザからの指示に即座に応じて変換データを表示手段に表示させることができる。
【0012】
また、第一態様において、前記入力部を介した操作の有無を判断する第二判断手段を備え、前記第三記憶制御手段は、前記第二判断手段によって、前記入力部を介して入力操作がされたと判断された場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶する処理を行わなくてもよい。ユーザによる入力操作が実行されている状態では、操作内容に応じた処理を優先して行うために、変換データを不揮発性記憶手段に記憶する処理は行わない。これによって表示装置は、確実に変換データを不揮発性記憶手段に記憶できる。又、表示装置は、ユーザによる入力操作に即座に応じて、対応する処理を実行できる。
【0013】
また、第一態様において、前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第三判断手段と、前記第三判断手段によって、前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、複数の前記表示データを備えた表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に既に記憶されているか判断する第四判断手段と、前記第四判断手段によって、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に記憶されていると判断された場合に、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを、前記不揮発性記憶手段から削除する削除手段とを備えていてもよい。これによって表示装置は、不揮発性記憶手段に記憶できる空き領域が少なくなった場合に、表示ファイルを削除できる。これによって表示装置は、不揮発性記憶手段の空き領域を確保し、多くの表示データを記憶できる。
【0014】
また、第一態様において、前記第二記憶制御手段は、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データと同一の変換データが前記不揮発性記憶手段に記憶されていない場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。これによって表示装置は、同一の変換データを不揮発性記憶手段に複数記憶することを防止できる。表示装置は、不揮発性記憶手段を効率的に使用し、変換データを保持できる。
【0015】
また、第一態様において、前記第二記憶制御手段は、前記変換データを圧縮して前記不揮発性記憶手段に記憶してもよい。これによって、変換データは圧縮されて不揮発性記憶手段に記憶されるので、より多くの変換データを不揮発性記憶手段に記憶できる。
【0016】
本発明の第二態様に係る表示方法は、表示データを表示する表示手段を備えた表示装置において実行される表示方法であって、前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップとを備えている。
【0017】
本発明の第二態様によれば、揮発性記憶手段に記憶された変換データは、電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、不揮発性記憶手段に記憶される。電源がOFFされた後も、不揮発性記憶手段に記憶された変換データは保持される。これによって表示装置は、電源のOFF後、再度ONされた場合に、不揮発性記憶手段に記憶された変換データを迅速に読み出し、表示手段に表示できる。このように表示装置は、電源がOFFされた後も、表示データを短時間で迅速に表示部に表示させることができる。
【0018】
本発明の第三態様に係る表示プログラムは、表示手段に表示する表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップとをコンピュータにに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】SDカード161及びRAM13に記憶されるデータの流れを示す図である。
【図3】データテーブル21を示す模式図である。
【図4】既読テーブル24を示す模式図である。
【図5】先読テーブル23を示す模式図である。
【図6】パラメータテーブル41を示す模式図である。
【図7】メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】メイン処理を示すフローチャートである。
【図10】圧縮格納処理を示すフローチャートである。
【図11】受付処理を示すフローチャートである。
【図12】先読処理を示すフローチャートである。
【図13】先読処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0021】
図1を参照し、表示装置1の概要について説明する。表示装置1は、表示部15を備えている。表示装置1は、電子書籍などの様々な表示ファイルのフォーマットを、表示部15に直接表示させることが可能なフォーマットに変換し、表示部15に表示する。表示ファイルのフォーマット変換は、表示ファイルを構成するページ毎のデータ(以下「表示データ」という。)の単位で実行される。以下、表示可能なフォーマットに変換された表示データを「変換データ」という。表示ファイル及び表示データのフォーマットとして、例えばPDF(Portable Document Format)が挙げられる。変換データのフォーマットとして、例えばBMPフォーマットが挙げられる。表示装置1は、ユーザによる入力部14を介した操作に応じ、表示部15に表示させる変換データを更新する。表示装置1として、周知の様々な表示装置(電子ブックリーダ、PDAなど)が使用できる。
【0022】
表示装置1の電気的構成について説明する。表示装置1は、表示装置1の制御を司るCPU11を備えている。CPU11は、フラッシュROM(以下、単に「ROM」という。)12、RAM13、入力部14、表示部15、及びドライブ装置16と電気的に接続している。不揮発性の記憶素子であるROM12には、制御プログラムやOS等が記憶される。揮発性の記憶素子であるRAM13には、後述する各種テーブルが記憶される。入力部14は、ユーザからの入力を受け付けるボタンやタッチパネルである。表示部15は、所望の電子データを表示させるLCD(Liquid Crystal Display)である。ドライブ装置16は、不揮発性の記憶素子であるSDカード161に記憶された情報を読み書きするための駆動装置である。
【0023】
ユーザは、表示装置1による閲覧を望む表示ファイルが記憶されたSDカード161を、ドライブ装置16に挿入する。ユーザは、入力部14を介して入力操作を行うことで、表示ファイル及びそのページを選択する。表示装置1は、選択された表示ファイルのうち、選択されたページの表示データを、SDカード161に記憶された表示ファイルから読み出して変換データに変換し、表示部15に表示する。表示装置1には、入力部14を介してユーザが入力可能な入力メニューとして、「前ページ」、「後ページ」、及び「電源OFF」が少なくとも用意されている。ユーザによって「前ページ」が入力された場合、表示部15には、表示中のページの前のページの表示データが表示される。ユーザによって「後ページ」が入力された場合、表示部15には、表示中のページの次のページの表示データが表示される。ユーザは、入力部14を介して入力操作を行うことで、所望のページの表示データを閲覧できる。又、ユーザによって「電源OFF」が入力された場合、表示装置1の電源はOFFされる。
【0024】
図2を参照し、SDカード161及びRAM13に記憶される各種データについて説明する。SDカード161には、データテーブル21が記憶されている。表示ファイルは、データテーブル21に格納されている。はじめに、データテーブル21に格納された表示ファイルのうち特定のページの表示データが読み出され、変換データに変換される。変換された変換データは、RAM13内の一記憶領域である表示中バッファ22に格納される(矢印32)。表示装置1は、表示中バッファ22に変換データが格納されている場合に、この変換データを表示部15に表示する。
【0025】
ユーザによって、「後ページ」が入力されたとする。表示中バッファ22に格納されている変換データは、RAM13内に設けられた既読テーブル24に格納される(矢印34)。データテーブル21に格納された表示ファイルのうち、表示部15に表示されていたページの次のページの表示データが読み出され、変換データに変換される。変換された変換データは、表示中バッファ22に格納され(矢印32)、表示部15に表示される。
【0026】
ユーザによって「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、既読テーブル24に格納された変換データと同一の変換データに対応する表示データが、再度ユーザによって選択されたとする。この場合、データテーブル21に格納された表示データは読み出されず、既読テーブル24に格納された変換データが優先的に読み出され、表示部15に表示するためのデータとして表示中バッファ22に格納される(矢印35)。これによって、表示データを変換データに変換する処理が不要となるので、ユーザの入力操作に即座に反応して変換データが表示部15に表示される。また、RAM13のアクセス速度はSDカード161のアクセス速度と比較して速いので、SDカード161のデータテーブル21から表示データが読み出された場合と比較して、RAM13の既読テーブル24から変換データが読み出された場合の方が、表示部15への変換データの表示速度は大幅に速くなる。
【0027】
更に表示装置1では、変換データを表示部15に表示した場合に、以後ユーザによって選択される可能性の高いページの表示データが決定される。決定されたページの表示データは、データテーブル21から読み出され、変換データに変換される。変換された変換データは、RAM13内に設けられた先読テーブル23に格納される(矢印31)。「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、先読テーブル23に格納された変換データと同一の変換データに対応する表示データが、再度ユーザによって選択されたとする。この場合、データテーブル21に格納された表示データは読み出されず、先読テーブル23に格納された変換データが優先的に読み出され、表示部15に表示するためのデータとして表示中バッファ22に格納される(矢印33)。これによって、過去に表示部15に表示されていない表示データがユーザによって選択された場合であっても、選択された表示データを短時間で表示部15に表示できる。
【0028】
ユーザによって「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、既読テーブル24に多くの変換データが格納されることによって、既読テーブル24の空き領域が少なくなってしまったとする。この場合、既読テーブル24に格納された順番が古い順番に変換データが既読テーブル24から読み出される。読み出された変換データは、圧縮され、SDカード161のデータテーブル21に記憶される(矢印36)。既読テーブル24から読み出された変換データは、既読テーブル24から削除される。これによって既読テーブル24に十分な空き領域が確保されるので、新たな変換データを既読テーブル24に格納することができる。
【0029】
またユーザによって「前ページ」「後ページ」の入力が繰り返され、先読テーブル23に多くの変換データが格納されることによって、先読テーブル23に空き領域が少なくなってしまったとする。この場合、先読テーブル23に格納された順番が新しい順番に変換データが先読テーブル23から読み出される。読み出された変換データは、圧縮され、SDカード161のデータテーブル21に記憶される(矢印37)。以下、圧縮された変換データを「圧縮変換データ」という。先読テーブル23から読み出された変換データは、先読テーブル23から削除される。これによって先読テーブル23に十分な空き領域が確保されるので、新たな変換データを先読テーブル23に格納することができる。
【0030】
ユーザによって選択された変換データがRAM13の既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されていない場合であって、SDカード161のデータテーブル21に対応する圧縮変換データが格納されている場合、該当する圧縮変換データはデータテーブル21から優先的に読み出される。読み出された圧縮変換データは、元の変換データに展開され、表示中バッファ22に格納される(矢印38)。また、ユーザによって選択される可能性の高いページに対応する変換データを圧縮した圧縮変換データが、SDカード161のデータテーブル21に記憶されている場合、該当する圧縮変換データはデータテーブル21から優先的に読み出される。読み出された圧縮変換データは、元の変換データに展開される。展開された変換データは、先読みテーブル23に格納される(矢印39)。
【0031】
圧縮変換データを変換データに展開する場合に要する時間は、表示データを変換データに変換する場合に要する時間と比較して短い。従って、通信装置1は、データテーブル21に記憶された圧縮変換データを適宜参照することで、短時間で変換データを取得できる。また、RAM13に記憶された既読テーブル24及び先読テーブル23は、表示装置1の電源がOFFされた場合に消去されてしまう。しかしながら上述のように、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納された変換データは、圧縮後、SDカード161のデータテーブル21に記憶される。データテーブル21に記憶された圧縮変換データは、電源OFF後も保持される。従って、表示装置1の電源が再度ONされた場合に、SDカード161に記憶された圧縮変換データが利用できるので、ユーザの所望する表示データは迅速に表示部15に表示される。
【0032】
図3を参照し、データテーブルの一例であるデータテーブル21について説明する。データテーブル21には、表示ファイルの名称、作成者、作成日時、及びページ数が、表示ファイルに対応付けて格納されている。またデータテーブル21には、圧縮変換データと未/済情報とが対応付けて格納されている。「未/済情報」は、表示ファイルに含まれる其々の表示データに対応する圧縮変換データが作成されているか否かを示す情報である。「未/済情報」には、圧縮変換データが作成されている場合、圧縮変換データが格納されている領域のアドレス情報がページ番号に対応付けて格納される。一方「未/済情報」には、圧縮変換データが作成されていない場合、作成されていないことを示す情報(図3中「未」)がページ番号に対応付けて格納される。SDカード161に複数の表示ファイルが記憶されている場合、其々の表示ファイルに対応する複数のデータテーブル21がSDカード161に記憶される。データテーブル21に格納可能な圧縮変換データの数は予め所定数に制限されている。
【0033】
図4を参照し、既読テーブルの一例である既読テーブル24について説明する。既読テーブル24には、ページ番号と変換データとが対応付けて格納されている。ページ番号は、変換データの変更前の表示データのページ番号を示している。既読テーブル24に格納可能な変換データの数は予め所定数に制限されている。
【0034】
図5を参照し、先読テーブルの一例である先読テーブル23について説明する。先読テーブル23は、ページ番号、状態、及び変換データが対応付けて格納されている。「状態」は、先読テーブル23への変換データの格納状態を、「登録中」「登録済」のいずれかによって示している。「状態」の詳細は後述する。ページ番号は、変換データの変換前の表示データのページ番号を示している。先読テーブル23に格納可能な変換データの数は予め所定数に制限されている。
【0035】
図6を参照し、パラメータテーブルの一例であるパラメータテーブル41について説明する。パラメータテーブル41には、表示中バッファ(表示中バッファ22(図2参照)に相当)、表示中ページ番号、及び先読ページ番号が格納される。表示中バッファに格納された変換データは、表示部15に表示される。表示中ページ番号として、表示中バッファに格納された変換データに対応する表示データのページ番号が格納される。先読ページ番号として、先読テーブル23に格納する変換データに対応する表示データのページ番号が格納される。
【0036】
図7から図13を参照し、表示装置1のCPU11において実行されるメイン処理、及び先読処理について説明する。メイン処理は、表示装置1の電源が投入された場合において、CPU11において起動され実行される。先読処理は、メイン処理においてタスク起動用のフラグがONされた状態で、CPU11によって実行される。其々の処理は、OSによって適宜スイッチングされる。これによって、其々の処理は独立に且つ並列に実行される。
【0037】
図7から図11を参照し、メイン処理について説明する。パラメータテーブル41(図6参照)の表示中ページ番号に「1」が格納され、初期化される(S11)。これによって電源投入直後の状態では、1ページ目の表示データが常に表示部15に表示されることになる(S33参照、後述)。しかしながら例えば、入力部14を介してユーザによって予め入力操作が行われている場合には、入力操作によって選択されたページを表示中ページに格納してもよい。これによって、ユーザの入力操作によって選択されたページの表示データを、はじめに表示部15に表示させることができる。既読テーブル24(図4参照)に、表示中ページ番号に対応する表示データを変換した変換データ(以下、単に「表示中ページ番号の変換データ」という。)が格納されているかが判断される(S13)。表示中ページ番号の変換データが既読テーブル24に格納されている場合(S13:YES)、表示中ページ番号の変換データが既読テーブル24から読み出される(S15)。読み出された変換データは、表示中バッファ22(図2参照)に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。
【0038】
既読テーブル24(図4参照)に、表示中ページ番号の変換データが格納されていない場合(S13:NO)、先読テーブル23(図5参照)に、表示中ページ番号の変換データが格納されており、且つ、該当する変換データに対応付けられた「状態」が「登録済」であるかが判断される(S17)。条件に合致する変換データが先読テーブル23に格納されている場合(S17:YES)。該当する変換データが先読テーブル23から読み出される(S19)。読み出された変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。
【0039】
これらのように、表示部15に表示する変換データは、RAM13の既読テーブル24又は先読テーブル23から優先的に取得される。RAM13のアクセス速度は、SDカード161のアクセス速度よりも高速なので、変換データは素早く読み出される。表示部15に変換データが表示されるまでの時間は大幅に短くなる。
【0040】
条件に合致する変換データが先読テーブル23に格納されていない場合(S17:NO)、データテーブル21(図3参照)に、表示中ページ番号の変換データを圧縮した圧縮変換データ(以下、単に「表示中ページ番号の圧縮変換データ」という。)が格納されているかが判断される(S21)。データテーブル21に、表示中ページ番号の圧縮変換データが格納されている場合(S21:YES)、表示中ページ番号の圧縮変換データがデータテーブル21から読み出される(S23)。読み出された圧縮変換データは、変換データに展開される(S25)。圧縮変換データを展開することで得られた変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。このように、表示部15に表示する変換データは、データテーブル21から取得された圧縮変換データを展開することで取得されるので、変換データが取得されるまでの時間は短縮される。
【0041】
データテーブル21に、表示中ページ番号の圧縮変換データが格納されていない場合(S21:NO)、データテーブル21が参照される。表示中ページ番号に対応する表示データが読み出される(S27)。読み出された表示データは、変換データに変換される(S29)。得られた変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31)。表示中バッファ22に格納された変換データは、表示部15に表示される(S33)。処理はS41(図8参照)に進む。
【0042】
図8に示すように、入力部14を介して、表示部15に表示させるページを特定するための入力操作を含む何らかの操作が、ユーザによってされたかが判断される。具体的には、表示部15に表示させるページとして「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のいずれかの入力がユーザによってされたかが判断される(S41)。「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のいずれかの入力もされていない場合(S41:NO)、既読テーブル24に格納された変換データの総数に基づいて、既読テーブル24に空き領域が十分残っているかが判断される(S43)。格納された変換データの総数が所定数未満であり、既読テーブル24に空き領域が十分残っている場合(S43:YES)、処理はS51に進む。格納された変換データの総数が所定数以上であり、既読テーブル24の空き領域が不足している場合(S43:NO)、既読テーブル24に空き領域を確保するために、以下の処理が実行される。
【0043】
既読テーブル24に格納されている変換データのうち、既読テーブル24に格納された順番が最も古い変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして特定される(S45)。既読テーブル24に格納された順番が最も古い変換データは、近々にユーザによって選択される可能性が、既読テーブル24に格納された変換データの中で最も低い。このため、データテーブル21に格納される変換データとして優先的に特定される。特定された変換データは、圧縮された後、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S47)。圧縮された変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データは既読テーブル24から削除され、既読テーブル24が更新される(S49)。これによって、RAM13のうち既読テーブル24の空き領域が確保されるので、以後、変換データは確実に既読テーブル24に格納される。
【0044】
例えば図4に示すように、既読テーブル24に「001.bmp」(ページ番号:1)、「002.bmp」(ページ番号:2)、及び「003.bmp」(ページ番号:3)の変換データが格納されていたとする。1→2→3→4ページの順で変換データが表示部15に表示されており、現時点でページ番号が4の変換データ「004.bmp」が表示部15に表示されているものとする。ユーザは、表示中の変換データ「004.bmp」から順に先のページに進めるか、順に前のページに戻す操作を行う可能性が高い。このため、近々にユーザによって選択される可能性が最も低い変換データは、最も古い順番で既読テーブル24に格納された変換データ「001.bmp」(1ページ目)ということになる。従ってこの変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして優先的に特定される。これによって、既読テーブル24から変換データが削除された後、削除された変換データがユーザによって選択されてしまう可能性を小さくしている。一方、繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは、既読テーブル24に残存することになるので、ユーザによって選択された変換データを高い確率で既読テーブル24内から読み出し、迅速に表示部15に表示させることができる。
【0045】
図10を参照し、圧縮格納処理について説明する。S45(図8参照)において特定された変換データを圧縮した圧縮変換データが、データテーブル21(図3参照)に既に格納されているかが判断される(S91)。特定された変換データを圧縮した圧縮変換データが、データテーブル21に既に格納されている場合(S91:YES)、圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。これによって、同一の圧縮変換データがデータテーブル21に複数格納されることを防止している。一方、特定された変換データを圧縮した圧縮変換データが、データテーブル21に格納されていない場合(S91:NO)、特定された変換データは圧縮される(S93)。作成された圧縮変換データは、データテーブル21に格納される(S95)。未/済情報として、圧縮変換データが格納された領域のアドレス情報が、ページ番号に対応付けて格納される(S96)。
【0046】
データテーブル21に格納された圧縮変換データの総数量に基づいて、データテーブル21に空き領域が十分残っているかが判断される(S97)。格納された圧縮変換データの総数量が所定数未満であり、データテーブル21に空き領域が十分残っている場合(S97:YES)、圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。
【0047】
データテーブル21に格納された圧縮変換データの総数量が所定数以上であり、データテーブル21の空き領域が不足している場合(S97:NO)、データテーブル21に空き領域を確保するために、以下の処理が実行される。S95でデータテーブル21に格納した表示データを含む表示ファイルが特定される。データテーブル21のうち、特定された表示ファイルに対応付けられている未/済情報が参照される。特定された表示ファイルを構成する全ての表示データが圧縮変換データに変換されており、未/済情報として、全てのページにアドレス情報が対応付けられているかが判断される(S99)。未/済情報として、アドレス情報が格納されていない(「未」(図3参照)が格納されている)ページが存在する場合(S99:NO)、そのまま圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。未/済情報として、全てのページにアドレス情報が対応付けられている場合(S99:YES)、元の表示ファイルは不要と判断され、データテーブル21から削除される(S101)。圧縮格納処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。このように表示装置1は、データテーブル21の空き領域が少なくなった場合に、表示ファイルを削除できる。これによって表示装置1は、データテーブル21の空き領域を確保し、多くの表示ファイルを記憶できる。なお、表示ファイルに対応する圧縮変換データは全てデータテーブル21に格納されている。従って、変換データを表示部15に表示する場合に、データテーブル21に格納された圧縮変換データを使用することができる。
【0048】
図8に示すように、S51では、S31(図7参照)で表示中バッファ22(図2参照)に格納された変換データが、既に既読テーブル24(図4参照)に格納されているかが判断される(S51)。表示中バッファ22に格納された変換データが、既に既読テーブル24に格納されている場合(S51:NO)、処理はS41に戻る。表示中バッファ22に格納された変換データが、既読テーブル24に未だ格納されていない場合(S51:YES)、表示中バッファ22に格納された変換データは、既読テーブル24に格納される(S53)。変換データに対応する表示データのページが、格納された変換データに対応付けられる。処理はS41に戻る。
【0049】
一方、S41で、入力部14を介して、「前ページ」「後ページ」及び「電源OFF」のいずれかの入力がユーザによってされた場合(S41:YES)、図9に示すように、入力内容に応じて先読テーブル23への変換データの格納処理を開始する受付処理(図11参照)が実行される(S61)。図11を参照し、受付処理について説明する。ユーザによって「後ページ」の入力がされたかが判断される(S111)。ユーザによって「後ページ」の入力がされていない場合(S111:NO)、先読処理(図12、13参照)の実行を許可するために、フラグがONされる(S113)。受付処理は終了し、処理はメイン処理(図9参照)に戻る。
【0050】
図12及び図13を参照し、先読処理について説明する。先読処理では、表示部15に表示中の変換データの次ページ以降のページの変換データを、予め先読テーブル23(図5参照)に格納する処理が実行される。パラメータテーブル41(図6参照)のうち先読ページ番号に、パラメータテーブル41の表示中ページ番号が格納され、初期化される(S121)。入力部14を介して、「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のいずれかの入力がユーザによってされたかが判断される(S122)。「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のうちいずれかの入力がされている場合(S122:YES)、処理はS122に戻る。
【0051】
「前ページ」「後ページ」、及び「電源OFF」のうちいずれの入力もされていない場合(S122:NO)、先読テーブル23に格納された変換データの総数量に基づいて、先読テーブル23に空き領域が残っているかが判断される(S123)。格納された変換データの総数量が所定数未満であり、先読テーブル23に空き領域が残っている場合(S123:YES)、処理はS129に進む。格納された変換データの総数量が所定数以上であり、先読テーブル23の空き容量が不足している場合(S123:NO)、先読テーブル23に空き領域を確保するために、以下の処理が実行される。
【0052】
先読テーブル23に記憶されている変換データのうち、先読テーブル23に格納された順番が最も新しい変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして特定される(S125)。先読処理では、後述するように、表示部15に表示されている変換データのページの次のページから、ベージ番号順に表示データを変換データに変換し、先読テーブル23に順に格納する。
【0053】
例えば図5に示すように、先読テーブル23に「002.bmp」(ページ番号:2)、「003.bmp」(ページ番号:3)、「004.bmp」(ページ番号:4)の変換データが格納されていたとする。現時点でページ番号が1の変換データ「001.bmp」が表示部15に表示されているものとする。ユーザは、表示中の変換データ「001.bmp」から順に先のページに進める操作を行う可能性が高い。このため、近々にユーザによって選択される可能性が最も低い変換データは、最も新しい順番で既読テーブル24に格納された変換データ「004.bmp」(4ページ目)ということになる。従ってこの変換データが、データテーブル21に格納される変換データとして優先的に特定される。これによって、既読テーブル24から変換データが削除された後、削除された変換データがユーザによって選択されてしまう可能性を小さくしている。繰り返しユーザに選択される可能性が高い変換データは、先読テーブル23に残存することになるので、ユーザによって選択された変換データを高い確率で先読テーブル23内から読み出し、迅速に表示部15に表示させることができる。特定された変換データは、圧縮された後、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S127)。圧縮格納データの詳細は省略する。
【0054】
圧縮変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データが先読テーブル23から削除されることで、先読テーブル23が更新される(S128)。処理はS129に進む。これによって、RAM13のうち先読テーブル24の空き領域が確保されるので、以後、変換データは確実に先読テーブル23に記憶される。
【0055】
パラメータテーブル41のうち、先読ページ番号に1が加算され、更新される(S129)。先読ページ番号に対応する表示データを変換した変換データ(以下、単に「先読ページ番号の変換データ」という。)が、既読テーブル24に格納されているかが判断される(S131)。先読ページ番号の変換データが、既読テーブル24に既に格納されている場合(S131:YES)、先読ページ番号の変換データを既読テーブル24に格納する必要はないので、処理はS122に戻る。
【0056】
先読ページ番号の変換データが、既読テーブル24に格納されていない場合(S131:NO)、先読ページ番号の変換データが、先読テーブル23に既に記憶されており、且つ、該当する変換データに対応付けられた「状態」が「登録済」であるかが判断される(S133)。条件に合致する変換データが先読テーブル23に格納されている場合(S133:YES)、先読ページ番号の変換データを先読テーブル23に格納する必要はないので、処理はS122に戻る。条件に合致する変換データが先読テーブル22に格納されていない場合(S133:NO)、先読テーブル23の一領域が新しく確保される。パラメータテーブル41のうち先読ページ番号が、確保された先読テーブル23の一領域に格納される。状態として「登録中」が格納される(S135)。
【0057】
図13に示すように、先読ページ番号の変換データを圧縮した圧縮変換データ(以下、単に「先読ページ番号の圧縮変換データ」という。)が、データテーブル21に格納されているかが判断される(S137)。先読ページ番号の圧縮変換データが、データテーブル21に格納されている場合(S137:YES)、先読ページ番号の圧縮変換データがデータテーブル21から読み出される(S139)。読み出された圧縮変換データは、変換データに展開される(S141)。展開された変換データは、先読テーブル23のうちS135(図12参照)で確保された先読テーブル23の一領域に格納される(S143)。S135で格納された状態は、「登録中」から「登録済」に更新される(S145)。処理はS122(図12参照)に戻る。先読ページに1加算されて更新され(S129、図12参照)て処理が繰り返されることで、変換データがページ番号順で順番に先読テーブル23に格納される。
【0058】
先読ページ番号の圧縮変換データが、データテーブル21に格納されていない場合(S137:NO)、先読ページ番号の表示データがデータテーブル21から読み出される(S147)。読み出された表示データは変換され、変換データが作成される(S149)。作成された変換データは、先読テーブル23のうちS135で確保された先読テーブル23の一領域に格納される(S151)。S135で格納された状態は、「登録中」から「登録済」に更新される(S153)。処理はS122(図12参照)に戻る。
【0059】
一方、図11の受付処理で、ユーザによって「後ページ」の入力がされた場合(S111:YES)、表示部15に表示中の変換データの次のページの変換データを表示中バッファ22に格納し、該当する変換データを表示部15に表示させる必要がある。該当する変換データは、先読テーブル23に格納されている可能性が高い。そこで、先読テーブル23に格納された変換データが使用可能であるかを判断するために、先読テーブル23の「状態」が確認される。先読テーブル23の「状態」が「登録済」である場合(S115:NO)、処理はS119に進む。
【0060】
先読処理のS135(図12参照)で示されているように、変換データの作成が開始された場合、変換データが先読テーブル23に格納されるまでの間、先読テーブル23の「状態」に「登録中」が格納される。従って、先読テーブル23の「状態」に「登録中」が格納されている場合(S115:YES)、表示データが変換データに変換されている最中であるか、又は、圧縮変換データが変換データに展開されている最中であるということになる。この場合、変換データを読み出すことができない。従って、先読テーブル23の「状態」が「登録済」となるまで待機される(S117)。先読テーブル23の「状態」が「登録中」である場合(S117:NO)、処理はS117に戻る。
【0061】
先読処理のS145及びS153(図13参照)で示されているように、変換データの作成が完了して先読テーブル23に変換データが格納された後、先読テーブル23の「状態」に「登録済」が格納される。従って、先読テーブル23の「状態」に「登録済」が格納された場合(S117:YES)、先読テーブル23に格納された変換データを読み出すことが可能となったので、処理はS119に進む。S119では、先読処理(図12及び図13参照)の実行を禁止するために、フラグがOFFされる(S119)。受付処理は終了し、処理はメイン処理(図9参照)に戻る。
【0062】
図9に示すように、受付処理(S61)が終了した後、ユーザによってされた入力操作の内容に応じた処理が実行される。ユーザによって「前ページ」の入力がされている場合(S63:YES)、パラメータテーブル41のうち表示中ページ番号がら1減算される(S65)。処理はS13(図7参照)に戻る。ユーザによって「後ページ」の入力がされている場合(S63:NO、S67:YES)、パラメータテーブル41のうち表示中ページ番号に1加算される(S69)。処理はS13(図7参照)に戻る。これらの処理で更新された表示中ページ番号に基づいて、変換データが取得される(S15、S19、S25、及びS29(図7参照))。取得された変換データは、表示中バッファ22に格納される(S31、図7参照)。これによって、ユーザによって指示されたページの変換データが表示部15に表示される(S33、図7参照)。
【0063】
ユーザによって「前ページ」「後ページ」のいずれの入力もされていない場合(S67:NO)、「電源OFF」がユーザによって入力されたかが判断される(S71)。「電源OFF」がユーザによって選択されていない場合(S71:NO)、処理はS61に戻る。
【0064】
「電源OFF」がユーザによって入力された場合(S71:YES)、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されている変換データの全てをデータテーブル21に格納する為に、以下の処理が実行される。はじめに、既読テーブル24に格納されている変換データの全てが、データテーブル21に格納する変換データとして選択される(S73)。選択された変換データは、圧縮され、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S75)。圧縮格納処理の詳細は省略する。圧縮変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データが既読テーブル24から削除される。これによって、既読テーブル24が更新される(S77)。
【0065】
次に、先読テーブル23に格納された変換データの全てが、データテーブル21に格納する変換データとして選択される(S79)。選択された変換データは、圧縮され、データテーブル21に格納される(圧縮格納処理(図10参照))(S81)。圧縮格納処理の詳細は省略する。圧縮変換データがデータテーブル21に格納された後、元の変換データが先読テーブル23(図4参照)から削除される。これによって、先読テーブル23が更新される(S83)。メイン処理は終了する。
【0066】
なお上述では、「電源OFF」が選択された場合、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納された変換データの全てが圧縮され、データテーブル21に格納されていたが、本発明はこれに限定されない。既読テーブル24及び先読テーブルに格納された変換データのうち、以後ユーザによって選択される可能性が高い変換データを抽出し、抽出された変換データのみをデータテーブル21に格納してもよい。
【0067】
以上説明したように、表示装置1では、RAM13の既読テーブル24及び先読テーブル23に格納された変換データは、「電源OFF」の入力操作がされた場合に、圧縮された状態でSDカード161に記憶される。電源がOFFされた後も、SDカード161に記憶された圧縮変換データは保持される。これによって表示装置1は、電源がOFFされた後、再度電源がONされた場合に、SDカード161に記憶された圧縮変換データを迅速に読み出し、展開後、表示部15に表示できる。このように表示装置1は、電源がOFFされた後も、表示データを短時間で迅速に表示部15に表示させることができる。
【0068】
また表示装置1は、RAM13の空き容量が少なくなった場合に、RAM13に記憶された変換データを読み出して圧縮し、SDカード161に記憶できる。これによって表示装置1は、RAM13の空き領域を確保することができるので、変換データを確実にRAM13に記憶できる。なお表示装置1では、ユーザによる入力操作が実行されている状態では、操作内容に応じた処理が優先して行われる。このため、変換データをSDカード161に記憶する処理は行われない。従って表示装置1は、ユーザによる入力操作に基づいた処理を迅速かつ的確に実行できる。
【0069】
図1の表示部15が本発明の「表示手段」に相当し、SDカード161が本発明の「不揮発性記憶手段」に相当し、RAM13が本発明の「揮発性記憶手段」に相当する。図7のS27の処理を行うCPU11が本発明の「取得手段」に相当し、S29の処理を行うCPU11が本発明の「変換手段」に相当し、S33の処理を行うCPU11が本発明の「表示制御手段」に相当する。図8のS53の処理を行うCPU11が本発明の「第一記憶制御手段」に相当する。図9のS71の処理を行うCPU11が本発明の「受付手段」に相当し、S77及びS83の処理を行うCUP11が本発明の「第二記憶制御手段」に相当する。図8のS43、図12のS123の処理を行うCPU11が本発明の「第一判断手段」に相当する。図8のS45、S47、図12のS125、S127の処理を行うCPU11が本発明の「第三記憶制御手段」に相当する。図8のS41、図12のS122の処理を行うCPU11が本発明の「第二判断手段」に相当する。図10のS97の処理を行うCPU11が本発明の「第三判断手段」に相当し、S99の処理を行うCPU11が本発明の「第四判断手段」に相当し、S101の処理を行うCPU11が本発明の「削除手段」に相当する。図9のS63、S67の処理が本発明の「特定ステップ」に相当する。図7のS27の処理が本発明の「第一取得ステップ」に相当し、S29の処理が本発明の「変換ステップ」に相当し、S33の処理が本発明の「表示制御ステップ」に相当する。図8のS53の処理が本発明の「第一記憶制御ステップ」に相当する。図9のS71の処理が本発明の「受付ステップ」に相当し、S77及びS83の処理が本発明の「第二記憶制御ステップ」に相当する。
【0070】
なお本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、種々の変更が可能である。上述の実施形態では、データテーブル21はSDカード161に記憶されていたが、本発明はこれに限定されない。データテーブル21は、表示装置1に内蔵されたフラッシュROMに記憶されてもよい。またデータテーブル21は、電池によって常時電源が供給される状態のRAMに記憶されてもよい。
【0071】
上述では、表示データは変換データに変換され、RAM13の表示中バッファ22、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されていた。しかしながら本発明はこれに限定されない。表示データを直接表示部15に表示できる場合は、表示データのフォーマットを変換することなく、そのままRAM13の表示中バッファ22、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されてもよい。また上述では、表示データのフォーマットを変換することで変換データが作成されていたが、本発明はこれに限定されない。表示データに設定されているスクランブルを解除したり、所定の鍵情報で復号化することによって、表示データを変換データに変換してもよい。
【0072】
上述では、既読テーブル24、及び先読テーブル23に格納された変換データの総数量に基づいて、データテーブル21に圧縮変換データを退避させるか否かを決定した。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、既読テーブル24、及び先読テーブル23に格納された変換データの総容量に基づいて、圧縮変換データを退避させるか否かを決定してもよい。同様に上述では、データテーブル21に格納された圧縮変換データの総数量に基づいて、表示ファイルを削除するか否かを決定した。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、データテーブル21に格納された圧縮変換データの総容量に基づいて、圧縮変換データを退避させるか否かを決定してもよい。
【0073】
上述では、SDカード161のデータテーブル21に変換データが記憶される場合、変換データを圧縮した圧縮変換データが記憶されていた。本発明はこれに限定されない。変換データは、そのままSD161のデータテーブル21に記憶されてもよい。
【0074】
上述では、既読テーブル24と先読テーブル23との両方がRAM13に記憶されていたが、本発明はこれに限定されない。既読テーブル24と先読テーブル23とのいずれか一方のみがRAM13に記憶されてもよい。
【0075】
上述では、「電源OFF」の入力操作がユーザによって行われた場合、既読テーブル24及び先読テーブル23に格納されている変換データが圧縮され、圧縮変換データがSDカード161のデータテーブル21に格納されていた。本発明はこれに限定されない。表示中バッファ22に格納された変換データが圧縮され、圧縮変換データがSDカード161に格納されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 表示装置
13 RAM
15 表示部
21 データテーブル
22 表示中バッファ
23 先読テーブル
24 既読テーブル
25 入力部
161 SDカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示データを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部と、
前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換手段と、
前記変換手段によって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御手段と、
前記変換手段によって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御手段と、
電源をOFFする指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御手段によって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段によって、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第三記憶制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一記憶制御手段は、
前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記変換データを前記揮発性記憶手段に記憶し、
前記第三記憶制御手段は、
前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が古い順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データに関連する表示データである関連表示データを更に取得し、
前記変換手段は、前記関連表示データを前記変換データに変換し、
前記第一記憶制御手段は、
前記表示制御手段によって前記変換データが前記表示手段に表示される前に、前記関連表示データを変換した前記変換データを、更に前記揮発性記憶手段に記憶し、
前記第三記憶制御手段は、
前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が新しい順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記入力部を介した操作の有無を判断する第二判断手段を備え、
前記第三記憶制御手段は、
前記第二判断手段によって、前記入力部を介して入力操作がされたと判断された場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶する処理を行わないことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第三判断手段と、
前記第三判断手段によって、前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、複数の前記表示データを備えた表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に既に記憶されているか判断する第四判断手段と、
前記第四判断手段によって、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に記憶されていると判断された場合に、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを、前記不揮発性記憶手段から削除する削除手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記第二記憶制御手段は、
前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データと同一の変換データが前記不揮発性記憶手段に記憶されていない場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第二記憶制御手段は、
前記変換データを圧縮して前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
表示データを表示する表示手段を備えた表示装置において実行される表示方法であって、
前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、
電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップと
を備えたことを特徴とする表示方法。
【請求項10】
表示手段に表示する表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、
電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップと
をコンピュータに実行させるための表示プログラム。
【請求項1】
表示データを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部と、
前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換手段と、
前記変換手段によって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御手段と、
前記変換手段によって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御手段と、
電源をOFFする指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御手段によって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段によって、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第三記憶制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一記憶制御手段は、
前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記変換データを前記揮発性記憶手段に記憶し、
前記第三記憶制御手段は、
前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が古い順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データに関連する表示データである関連表示データを更に取得し、
前記変換手段は、前記関連表示データを前記変換データに変換し、
前記第一記憶制御手段は、
前記表示制御手段によって前記変換データが前記表示手段に表示される前に、前記関連表示データを変換した前記変換データを、更に前記揮発性記憶手段に記憶し、
前記第三記憶制御手段は、
前記揮発性記憶手段に複数の前記変換データが記憶されている場合に、前記揮発性記憶手段へ記憶した順番が新しい順に前記変換データを選択して読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記入力部を介した操作の有無を判断する第二判断手段を備え、
前記第三記憶制御手段は、
前記第二判断手段によって、前記入力部を介して入力操作がされたと判断された場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶する処理を行わないことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすか判断する第三判断手段と、
前記第三判断手段によって、前記不揮発性記憶手段に記憶された前記変換データの総量が所定の条件を満たすと判断された場合に、複数の前記表示データを備えた表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に既に記憶されているか判断する第四判断手段と、
前記第四判断手段によって、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを変換した前記変換データが、前記不揮発性記憶手段に記憶されていると判断された場合に、前記表示ファイルに含まれる全ての前記表示データを、前記不揮発性記憶手段から削除する削除手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記第二記憶制御手段は、
前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データと同一の変換データが前記不揮発性記憶手段に記憶されていない場合に、前記変換データを前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第二記憶制御手段は、
前記変換データを圧縮して前記不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
表示データを表示する表示手段を備えた表示装置において実行される表示方法であって、
前記表示手段に表示する前記表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、
電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップと
を備えたことを特徴とする表示方法。
【請求項10】
表示手段に表示する表示データを特定するための操作を受け付ける入力部を介して受け付けられた操作により特定される前記表示データを、不揮発性の記憶手段である不揮発性記憶手段から取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記表示データを、前記表示手段に直接表示することが可能なデータである変換データに変換する変換ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、前記表示手段に表示する表示制御ステップと、
前記変換ステップによって変換された前記変換データを、揮発性の記憶手段である揮発性記憶手段に記憶する第一記憶制御ステップと、
電源をOFFする指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって電源をOFFする指示が受け付けられた場合に、前記第一記憶制御ステップによって前記揮発性記憶手段に記憶された前記変換データを読み出し、前記不揮発性記憶手段に記憶する第二記憶制御ステップと
をコンピュータに実行させるための表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−13774(P2012−13774A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147683(P2010−147683)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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