表示装置、表示方法およびプログラム
【課題】水滴によりタッチパネルが見にくくなるのを防ぐ、とともに誤認識を防ぐ。
【解決手段】表示部110が情報を表示し、近接センサ130−1,130−2が物体の接近を検知し、制御部120が近接センサ130−1,130−2における検知の結果に基づいて、表示部110の表示を制御し、複数のセンサが物体の接近を同時に検知した場合、表示部の表示を非表示とする。
【解決手段】表示部110が情報を表示し、近接センサ130−1,130−2が物体の接近を検知し、制御部120が近接センサ130−1,130−2における検知の結果に基づいて、表示部110の表示を制御し、複数のセンサが物体の接近を同時に検知した場合、表示部の表示を非表示とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル機能を持つディスプレイが搭載された装置が市場に出回っている。このような装置においては、タッチパネルから複雑な入力操作が行えるものも考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そのような装置の代表として、スマートフォンが挙げられる。このスマートフォンは、急速に普及してきており、さらに防水仕様であるものも市場に出始めている。
【0004】
防水仕様のスマートフォンの利用者は、例えば、入浴中に、当該スマートフォンを用いて、テレビを視聴したり、電子書籍を読んだり、または電子メールの作成を行ったりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−117842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなスマートフォンを入浴中に使用した場合、水滴のついた指が画面に触れると、画面に水滴が付着してしまい、画面に表示されている情報が見にくくなってしまうという問題点がある。
【0007】
さらに、タッチパネルが、画面に付着した水滴を指の接触であると誤認識をしてしまうおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する表示装置、表示方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、
タッチパネル機能部と、
情報を表示する表示部と、
物体の接近を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記表示部の表示を制御する制御部とを有する。
【0010】
また、本発明の表示方法は、
タッチ操作を出力するタッチパネル機能処理と、
ディスプレイに情報を表示する処理と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する処理と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する処理とを行う。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
タッチ操作を出力するタッチパネル機能の手順と、
ディスプレイに情報を表示する手順と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する手順と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明においては、水滴によるタッチパネルの誤認識を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の表示装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【図3】図1に示した表示装置における表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示した制御部における制御の第1の例を説明するための図である。
【図5】図1に示した制御部における制御の第1の例を説明するための図である。
【図6】図1に示した近接センサにて物体の接近を検知してからの制御を示すタイミングチャートである。
【図7】図1に示した制御部における制御の第2の例を説明するための図である。
【図8】図1に示した制御部における制御の第3の例のうち、拡大表示を説明するための図である。
【図9】図1に示した制御部における制御の第3の例のうち、縮小表示を説明するための図である。
【図10】図1に示した制御部における制御の第4の例を説明するための図である。
【図11】本発明の表示装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図12】図11に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【図13】本発明の表示装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図14】図13に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の表示装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0016】
本形態における表示装置100には図1に示すように、タッチパネル機能部170と、表示部110と、制御部120と、複数の近接センサ130−1,130−2とが設けられている。なお、図1には、表示装置100が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。また、表示装置100は、防水仕様のスマートフォン等の電子装置である。
【0017】
タッチパネル機能部170は、タッチ操作を検知して制御部120へ出力する。なお、このタッチパネル機能については、特に静電容量式タッチパネル型のものにおいて、本発明の特徴および効果が顕著に見られる。
【0018】
表示部110は、情報を表示するディスプレイである。
【0019】
近接センサ130−1,130−2は、物体の接近を検知するセンサである。また、近接センサ130−1,130−2は、物体の接近を検知した場合、その旨を制御部120へ通知する。なお、図1において、近接センサが2つである場合を例に挙げて示しているが、3つ以上のものであっても良い(後述する第2および第3の実施の形態について同じ)。また、近接センサ130−1,130−2が物体を検知する方式としては、多種の種類があるが、装置としての防水構造化が容易であり、水が付着していても物体の接近が検知できるものが望ましい。具体的には、赤外線を照射し、その反射波を受けて検知する赤外線方式である。また、水が付着していると比較的検知しにくい、装置としては開口部が必要である非防水構造で、超音波を発してその反射波を受けて検知する超音波方式でも代用することもできる。この場合は、センサが配置されている筐体表面、開口部に撥水コートを行い、検知を阻害する水を排水することが必須である。また、センサ自体も防水機能や撥水による排水ができるものであることは言うまでもない。
【0020】
制御部120は、近接センサ130−1,130−2から通知される検知の結果に基づいて、表示部110の表示を制御する。例えば、制御部120は、近接センサ130−1,130−2の双方にて物体の接近が同時に検知された場合、表示部110に表示されている画面を消して(非表示として)、省電力モードへ移行する。また、制御部120における他の制御の具体例については、後述する。また、制御部120は、タッチパネル機能部170からの出力に応じて、表示部110の表示を制御する。
【0021】
図2は、図1に示した表示装置100の外観の一例を示す図である。
【0022】
図1に示した表示装置100は図2に示すように、表示部110と、レシーバ160とが表面に配置されており、レシーバ160の近辺に近接センサ130−2,130−2が配置されている。表示部110に指等を接触させることで、表示部110に表示されている画面を移動させたり、拡大表示させたり、画面上のカーソルを移動させたりすることができる。
【0023】
以下に、図1に示した表示装置100における表示方法について説明する。
【0024】
図3は、図1に示した表示装置100における表示方法を説明するためのフローチャートである。
【0025】
まず、起動しているアプリケーション等により、表示部110に情報画面が表示されている状態で(ステップS1)、近接センサ130−1,130−2にて物体の接近が検知されたかどうかが制御部120にて判断される(ステップS2)。
【0026】
近接センサ130−1,130−2にて物体の接近が検知されたと判断されると、制御部120によって、その検知に応じて、表示部110に表示されている表示画面が移動、拡大または縮小表示される(ステップS3)。
【0027】
以下、制御部120における具体的な制御について、いくつか例を挙げて説明する。なお、以下の説明において、図面の上側を表示装置100の上側とし、図面の下側を表示装置100の下側とし、図面の右側を表示装置100の右側とし、また、図面の左側を表示装置100の左側とする。
【0028】
図4および図5は、図1に示した制御部120における制御の第1の例を説明するための図である。
【0029】
図4に示すように、指を近接センサ130−2に近づけることで、近接センサ130−2にて指の接近が検知される。その後、図5に示すように、指を上方向へ移動させ、近接センサ130−1に近づけると、近接センサ130−1にて指の接近が検知される。つまり、近接センサ130−2への接近と、近接センサ130−1への接近とが順に検知されることにより、制御部120にて、指が近接センサ130−2から近接センサ130−1の方向へ移動したと判断される。すると、近接センサ130−2から近接センサ130−1への方向へ、表示部110に表示されている画面(図4および5においては、顔)を移動させて表示するように制御部120にて制御される。一方、指を近接センサ130−1に近づけた状態から、指を下方向へ移動させ、近接センサ130−2に近づけると、表示部110に表示されている画面を下方向へ移動させて表示するように制御部120にて制御される。
【0030】
図6は、図1に示した近接センサ130−1,130−2にて物体の接近を検知してからの制御を示すタイミングチャートである。ここでは、説明を簡素化するために、近接センサ130−1,130−2からの出力信号をデジタル信号とし、近接センサ130−1,130−2に指が接近した場合、「出力有り」とし、近接センサ130−1,130−2に指が接近していない場合は、「出力無し」とする。
【0031】
図6の上段の図は、近接センサ130−1,130−2の出力の時間的変化を示している。図6の上段の図において、横軸は時間、縦軸は出力の有無のみを表し、量は示していない。指が近接センサ130−1,130−2と重なった場合、出力有りとしている。
【0032】
この図6の上段の図によれば、図4に示した状態から図5で示した状態へ指の操作を行った場合、まず近接センサ130−2に指が接近すると、時刻t0から出力が「有り」となり、その後時刻t1に出力が「無し」となる。
【0033】
続いて、近接センサ130−1に指が接近すると、時刻t2から出力が「有り」となり、その後時刻t3に出力が「無し」となる。
【0034】
この出力を持って時刻t2の出力を受けて、制御部120は、近接センサ130−1と近接センサ130−2との間の距離に操作係数をかけた量だけ画面(表示部110に表示されている)操作を行う。この操作係数は、比例する定数であっても良いし、時刻t1から時刻t2までの時間に応じて変動するものや、同一の画面操作に対する連続回数に応じて変動するものであっても良い。
【0035】
なお、後述する他の操作を考慮すると、時刻t2における出力を受けて、制御部120は、0<a<t2−t1<b(a、bは、a<bとなる所定値)となる場合にのみ画面操作を行うのが望ましい。時刻t2の出力に限定されず、時刻t3の出力停止を受けて画面操作を行う処理としても良い。
【0036】
さらに、時刻t1から時刻t2までの時間に応じて、制御部120が操作速度を変えることを行っても良い。
【0037】
図6の中段の図は、時刻t2における近接センサ130−1からの出力を受けて、制御部120が画面操作速度v1で操作を行う例を示す図である。図6の中段の図において、縦軸の画面操作速度は画面のスクロールや拡大縮小、カーソルの移動速度を表している。また、横軸は図6の上段の図と同様に、時間軸としている。
【0038】
図6の中段の図によれば、時刻t2における近接センサ130−1からの出力を受けて、制御部120が、時刻t1から時刻t2までの時間に反比例するような画面操作速度v1を算出し、算出した画面操作速度v1で所定時間だけ画面操作を行う。図6の中段の図に示すように、近接センサ130−1からの出力が「無し」になるまで操作を行うとしても良い。
【0039】
なお、後述する他の操作を考慮すると、時刻t2における出力を受けて、制御部120は、0<a<t2−t1<bとなる場合にのみ画面操作を行うのが望ましい。
【0040】
図6の中段の図では、時刻t2における出力を受けた場合の動作を説明したが、時刻t3において出力が「無し」となったことをトリガとした動作であっても良い。
【0041】
図6の下段の図は、時刻t3において近接センサ130−1からの出力が「無し」となったとき、制御部120が、時刻t1から時刻t2までの時間に反比例するような画面操作速度v3を算出し、算出した画面操作速度v3で所定時間だけ画面操作を行う。図6の下段の図に示すように、制御部120が、近接センサ130−1の出力時間(t3−t2)だけ操作を行うとしても良い。
【0042】
なお、後述する他の操作を考慮すると、時刻t2における出力を受けて、制御部120は、0<a<t2−t1<bとなる場合にのみ画面操作を行うのが望ましい。
【0043】
このように、表示部110上に接触させた指の移動に伴う画面の上下の移動(例えば、画面スクロール)を、近接センサ130−1,130−2へ指を接近させることで行うことができる。図4および図5においては、近接センサ130−1,130−2が互いに上下方向に並べて配置されている場合を例に挙げて示しているが、互いに左右方向に並べて配置されているものであっても良い。その場合、表示部110上に接触させた指の移動に伴う画面の左右の移動を、近接センサ130−1,130−2へ指を接近させることで行うことができる。また、4つの近接センサを用いて、上下左右の移動を制御するものであっても良い。
【0044】
図7は、図1に示した制御部120における制御の第2の例を説明するための図である。
【0045】
図7に示すように、表示装置100には、4つの近接センサ130−1〜130−4が搭載れている。近接センサ130−1,130−2は、図2に示したように、互いに上下方向に並べて配置されている。また、近接センサ130−3,130−4は、互いに左右方向に並べて配置されている。
【0046】
例えば、指を近接センサ130−3に近づけた状態から、指を右方向へ移動させ、近接センサ130−4に近づけると、表示部110に表示されている画面を右方向へ移動させて表示するように制御部120にて制御される。また、指を近接センサ130−4に近づけた状態から、指を左方向へ移動させ、近接センサ130−3に近づけると、表示部110に表示されている画面を左方向へ移動させて表示するように制御部120にて制御される。上下方向については、上述したものと同じ制御が行われる。
【0047】
このように、近接センサ上で指を移動させることで、制御部120にてその移動方向を判断し、タッチパネルの画面をスライドしたのと同様の機能を実現できる。電子書籍であればページを変更し、インターネットや電子メールの画面であれば画面スクロール、テレビ視聴であればチャンネル変更などが実現できる。
【0048】
また、1本の指を近接センサ130−1,130−2のどちらか一方に接近させておき、他の1本の指を他方の近接センサにかざして、そのかざし量で、表示部110に表示されている画面を拡大または縮小するように制御するものであっても良い。
【0049】
図8は、図1に示した制御部120における制御の第3の例のうち、拡大表示を説明するための図である。
【0050】
図8に示すように、近接センサ130−2に親指を近接させておき、近接センサ130−1の一部に人差し指をかざすことで、表示部110に表示されている画面を拡大表示するように制御部120が制御するものであっても良い。この場合、その一部の量(かざし量:かざした部分の大きさ、広さ)に基づいて、その拡大率が調整されるものであっても良い。つまり、物体のかざし量が多ければ、拡大率を高いものとするものであっても良いし、その逆であっても良い。
【0051】
図9は、図1に示した制御部120における制御の第3の例のうち、縮小表示を説明するための図である。
【0052】
図9に示すように、近接センサ130−1に人差し指を近接させておき、近接センサ130−2の一部に親指をかざすことで、表示部110に表示されている画面を縮小表示するように制御部120が制御するものであっても良い。この場合、そのかざし量に基づいて、その縮小率が調整されるものであっても良い。つまり、物体のかざし量が多ければ、縮小率を高いものとするものであっても良いし、その逆であっても良い。
【0053】
なお、図8および図9を用いて説明した例では、近接センサ130−1の一部に物体をかざしたときに拡大表示させ、近接センサ130−2の一部に物体をかざしたときに縮小表示させる場合を例に挙げて説明したが、その逆であっても良い。つまり、近接センサ130−2の一部に物体をかざしたときに拡大表示させ、近接センサ130−1の一部に物体をかざしたときに縮小表示させるものであっても良い。これらは、表示装置100にあらかじめ設定されているものであれば、特に規定しない。
【0054】
図10は、図1に示した制御部120における制御の第4の例を説明するための図である。
【0055】
図10に示すように、一方の近接センサ(図10においては、近接センサ130−2)に指を近接させておいた状態で、表示装置100を傾けたとき、傾けた方向に応じて、表示部110の画面を移動させるように制御部120が制御するものであっても良い。
【0056】
また、近接センサの代わりに、照度を測定する照度センサを用いるものであっても良い。
【0057】
図11は、本発明の表示装置の第2の実施の形態を示す図である。
【0058】
図12は、図11に示した表示装置101の外観の一例を示す図である。
【0059】
本形態における表示装置101には図11および図12に示すように、図1に示した近接センサ130−1,130−2の代わりに照度センサ140−1,140−2が設けられたものとなっている。
【0060】
照度センサ140−1,140−2は、表示装置101の筺体外部の照度を測定するセンサであり、測定した照度を制御部121へ通知する。
【0061】
制御部121は、照度センサ140−1,140−2から通知される照度に基づいて、表示部110の表示を制御する。照度センサ140−1,140−2が測定した照度が暗いものである場合、物体が照度センサ140−1,140−2に近づいていると、制御部121にて判断することができる。つまり、照度センサ140−1,140−2が測定する照度が、近接センサ130−1,130−2にて検知される物体の接近に相当するものとして制御することができる。
【0062】
図13は、本発明の表示装置の第3の実施の形態を示す図である。
【0063】
図14は、図13に示した表示装置102の外観の一例を示す図である。
【0064】
本形態における表示装置102には図13および図14に示すように、図1に示した近接センサ130−1,130−2の代わりにカメラ150−1,150−2が設けられたものとなっている。
【0065】
カメラ150−1,150−2は、撮影用のカメラであり、撮影した画像を制御部122へ出力する。なお、カメラ150−1,150−2は、3D撮影用ツインカメラであっても良い。この3D撮影用ツインカメラは、撮像素子が1つでレンズ部が2つあり、左目用画像と右目用画像とを時分割で交互に撮影するようなものも2つのカメラとして含まれる。また、いずれのカメラも撮像部が配置された筐体に撥水処理を行うと、さらに望ましい。
【0066】
制御部122は、カメラ150−1,150−2から出力されてきた画像に基づいて、表示部110の表示を制御する。つまり、制御部122は、カメラ150−1,150−2から出力されてきた画像に基づいて、当該画像に映り込んでいる物体の近接を判断する。具体的には、制御部122は、カメラ150−1,150−2から出力されてきた画像の暗部の面積が所定値以上であれば第2の実施の形態の照度センサ同様に暗いと判断でき、画像の中の色の違いや撮影輝度の違いをエッジ処理化した物体の形状であらかじめ定義した指状のものや物体を判断し、指や物体が近接したと判断できる。これにより、判断された接近が近接センサ130−1,130−2にて検知される物体の接近に相当するものとして制御することができる。
【0067】
また、カメラにおいては必ずしも複数必要ではない。撮像画像中にあらかじめ定義した指や物体を検知し、連続して撮像した画像でその移動速度を計算しても良い。この場合は、指や物体までの正確な距離が測れる測距センサのようなものであれば良い。
【0068】
なお、上述した近接センサ、照度センサおよびカメラを組み合わせて搭載したものであっても良い。つまり、図7に示した表示装置100の上下方向には図14に示した表示装置102のようにカメラ150−1,150−2を搭載し、左右方向には、近接センサ130−3,130−4を搭載するものであっても良い。また、カメラ150−1,150−2は、筐体を縦長方向に配置して利用者を自撮影する場合に3D撮影カメラとして用いるように配置しただけで、利用形態によっては近接センサ130−3,130−4と入れ替えても良いことは言うまでもない。また、近接センサ130−1と照度センサ140−2とを搭載するものであっても良い。つまり、物体の接近を検知できるセンサであれば、どのようなものであっても良い。
【0069】
また、表示装置100に温湿度センサや水滴センサを搭載させておき、温湿度センサや水滴センサが所定の温湿度や水滴量を検知したとき、上述した処理を起動するものであっても良い。
【0070】
また、一般的なタッチパネルは、検出能力に上限があり、その上限を超えた場合には誤って検知する場合がある。そのため、指や物体の位置を出力しない、もしくは検知能力を超えた等のエラー信号に相当するものを出力する。その場合にのみ、上述したようなセンサによる処理を起動するものであっても良い。これにより、静電容量式タッチパネルのみならず、様々な方式のタッチパネルで検出できない状態や検出故障が発生した場合でも、代替操作方法として提供することもできる。
【0071】
また、第1の実施の形態から第3の実施の形態まで、画面(表示部110)とは別の構成要素として、指や物を検知して入力するタッチパネル(タッチパネル機能部170)を備える構成を例に挙げて説明したが、表示部110がタッチパネル機能を具備することで、表示部110がタッチパネル機能をも担うものであっても良い。
【0072】
このように、本発明においては、水滴によるタッチパネルの誤認識を防ぐことができる。
【0073】
上述した表示装置100(表示装置101,102についても同様)に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を表示装置100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを表示装置100に読み込ませ、実行するものであっても良い。表示装置100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、表示装置100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、表示装置100に設けられた制御部120にて読み込まれ、制御部120の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、制御部120は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0074】
100〜102 表示装置
110 表示部
120〜122 制御部
130−1〜130−4 近接センサ
140−1,140−2 照度センサ
150−1,150−2 カメラ
160 レシーバ
170 タッチパネル機能部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル機能を持つディスプレイが搭載された装置が市場に出回っている。このような装置においては、タッチパネルから複雑な入力操作が行えるものも考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そのような装置の代表として、スマートフォンが挙げられる。このスマートフォンは、急速に普及してきており、さらに防水仕様であるものも市場に出始めている。
【0004】
防水仕様のスマートフォンの利用者は、例えば、入浴中に、当該スマートフォンを用いて、テレビを視聴したり、電子書籍を読んだり、または電子メールの作成を行ったりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−117842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなスマートフォンを入浴中に使用した場合、水滴のついた指が画面に触れると、画面に水滴が付着してしまい、画面に表示されている情報が見にくくなってしまうという問題点がある。
【0007】
さらに、タッチパネルが、画面に付着した水滴を指の接触であると誤認識をしてしまうおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する表示装置、表示方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、
タッチパネル機能部と、
情報を表示する表示部と、
物体の接近を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記表示部の表示を制御する制御部とを有する。
【0010】
また、本発明の表示方法は、
タッチ操作を出力するタッチパネル機能処理と、
ディスプレイに情報を表示する処理と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する処理と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する処理とを行う。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
タッチ操作を出力するタッチパネル機能の手順と、
ディスプレイに情報を表示する手順と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する手順と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明においては、水滴によるタッチパネルの誤認識を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の表示装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【図3】図1に示した表示装置における表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示した制御部における制御の第1の例を説明するための図である。
【図5】図1に示した制御部における制御の第1の例を説明するための図である。
【図6】図1に示した近接センサにて物体の接近を検知してからの制御を示すタイミングチャートである。
【図7】図1に示した制御部における制御の第2の例を説明するための図である。
【図8】図1に示した制御部における制御の第3の例のうち、拡大表示を説明するための図である。
【図9】図1に示した制御部における制御の第3の例のうち、縮小表示を説明するための図である。
【図10】図1に示した制御部における制御の第4の例を説明するための図である。
【図11】本発明の表示装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図12】図11に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【図13】本発明の表示装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図14】図13に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の表示装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0016】
本形態における表示装置100には図1に示すように、タッチパネル機能部170と、表示部110と、制御部120と、複数の近接センサ130−1,130−2とが設けられている。なお、図1には、表示装置100が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。また、表示装置100は、防水仕様のスマートフォン等の電子装置である。
【0017】
タッチパネル機能部170は、タッチ操作を検知して制御部120へ出力する。なお、このタッチパネル機能については、特に静電容量式タッチパネル型のものにおいて、本発明の特徴および効果が顕著に見られる。
【0018】
表示部110は、情報を表示するディスプレイである。
【0019】
近接センサ130−1,130−2は、物体の接近を検知するセンサである。また、近接センサ130−1,130−2は、物体の接近を検知した場合、その旨を制御部120へ通知する。なお、図1において、近接センサが2つである場合を例に挙げて示しているが、3つ以上のものであっても良い(後述する第2および第3の実施の形態について同じ)。また、近接センサ130−1,130−2が物体を検知する方式としては、多種の種類があるが、装置としての防水構造化が容易であり、水が付着していても物体の接近が検知できるものが望ましい。具体的には、赤外線を照射し、その反射波を受けて検知する赤外線方式である。また、水が付着していると比較的検知しにくい、装置としては開口部が必要である非防水構造で、超音波を発してその反射波を受けて検知する超音波方式でも代用することもできる。この場合は、センサが配置されている筐体表面、開口部に撥水コートを行い、検知を阻害する水を排水することが必須である。また、センサ自体も防水機能や撥水による排水ができるものであることは言うまでもない。
【0020】
制御部120は、近接センサ130−1,130−2から通知される検知の結果に基づいて、表示部110の表示を制御する。例えば、制御部120は、近接センサ130−1,130−2の双方にて物体の接近が同時に検知された場合、表示部110に表示されている画面を消して(非表示として)、省電力モードへ移行する。また、制御部120における他の制御の具体例については、後述する。また、制御部120は、タッチパネル機能部170からの出力に応じて、表示部110の表示を制御する。
【0021】
図2は、図1に示した表示装置100の外観の一例を示す図である。
【0022】
図1に示した表示装置100は図2に示すように、表示部110と、レシーバ160とが表面に配置されており、レシーバ160の近辺に近接センサ130−2,130−2が配置されている。表示部110に指等を接触させることで、表示部110に表示されている画面を移動させたり、拡大表示させたり、画面上のカーソルを移動させたりすることができる。
【0023】
以下に、図1に示した表示装置100における表示方法について説明する。
【0024】
図3は、図1に示した表示装置100における表示方法を説明するためのフローチャートである。
【0025】
まず、起動しているアプリケーション等により、表示部110に情報画面が表示されている状態で(ステップS1)、近接センサ130−1,130−2にて物体の接近が検知されたかどうかが制御部120にて判断される(ステップS2)。
【0026】
近接センサ130−1,130−2にて物体の接近が検知されたと判断されると、制御部120によって、その検知に応じて、表示部110に表示されている表示画面が移動、拡大または縮小表示される(ステップS3)。
【0027】
以下、制御部120における具体的な制御について、いくつか例を挙げて説明する。なお、以下の説明において、図面の上側を表示装置100の上側とし、図面の下側を表示装置100の下側とし、図面の右側を表示装置100の右側とし、また、図面の左側を表示装置100の左側とする。
【0028】
図4および図5は、図1に示した制御部120における制御の第1の例を説明するための図である。
【0029】
図4に示すように、指を近接センサ130−2に近づけることで、近接センサ130−2にて指の接近が検知される。その後、図5に示すように、指を上方向へ移動させ、近接センサ130−1に近づけると、近接センサ130−1にて指の接近が検知される。つまり、近接センサ130−2への接近と、近接センサ130−1への接近とが順に検知されることにより、制御部120にて、指が近接センサ130−2から近接センサ130−1の方向へ移動したと判断される。すると、近接センサ130−2から近接センサ130−1への方向へ、表示部110に表示されている画面(図4および5においては、顔)を移動させて表示するように制御部120にて制御される。一方、指を近接センサ130−1に近づけた状態から、指を下方向へ移動させ、近接センサ130−2に近づけると、表示部110に表示されている画面を下方向へ移動させて表示するように制御部120にて制御される。
【0030】
図6は、図1に示した近接センサ130−1,130−2にて物体の接近を検知してからの制御を示すタイミングチャートである。ここでは、説明を簡素化するために、近接センサ130−1,130−2からの出力信号をデジタル信号とし、近接センサ130−1,130−2に指が接近した場合、「出力有り」とし、近接センサ130−1,130−2に指が接近していない場合は、「出力無し」とする。
【0031】
図6の上段の図は、近接センサ130−1,130−2の出力の時間的変化を示している。図6の上段の図において、横軸は時間、縦軸は出力の有無のみを表し、量は示していない。指が近接センサ130−1,130−2と重なった場合、出力有りとしている。
【0032】
この図6の上段の図によれば、図4に示した状態から図5で示した状態へ指の操作を行った場合、まず近接センサ130−2に指が接近すると、時刻t0から出力が「有り」となり、その後時刻t1に出力が「無し」となる。
【0033】
続いて、近接センサ130−1に指が接近すると、時刻t2から出力が「有り」となり、その後時刻t3に出力が「無し」となる。
【0034】
この出力を持って時刻t2の出力を受けて、制御部120は、近接センサ130−1と近接センサ130−2との間の距離に操作係数をかけた量だけ画面(表示部110に表示されている)操作を行う。この操作係数は、比例する定数であっても良いし、時刻t1から時刻t2までの時間に応じて変動するものや、同一の画面操作に対する連続回数に応じて変動するものであっても良い。
【0035】
なお、後述する他の操作を考慮すると、時刻t2における出力を受けて、制御部120は、0<a<t2−t1<b(a、bは、a<bとなる所定値)となる場合にのみ画面操作を行うのが望ましい。時刻t2の出力に限定されず、時刻t3の出力停止を受けて画面操作を行う処理としても良い。
【0036】
さらに、時刻t1から時刻t2までの時間に応じて、制御部120が操作速度を変えることを行っても良い。
【0037】
図6の中段の図は、時刻t2における近接センサ130−1からの出力を受けて、制御部120が画面操作速度v1で操作を行う例を示す図である。図6の中段の図において、縦軸の画面操作速度は画面のスクロールや拡大縮小、カーソルの移動速度を表している。また、横軸は図6の上段の図と同様に、時間軸としている。
【0038】
図6の中段の図によれば、時刻t2における近接センサ130−1からの出力を受けて、制御部120が、時刻t1から時刻t2までの時間に反比例するような画面操作速度v1を算出し、算出した画面操作速度v1で所定時間だけ画面操作を行う。図6の中段の図に示すように、近接センサ130−1からの出力が「無し」になるまで操作を行うとしても良い。
【0039】
なお、後述する他の操作を考慮すると、時刻t2における出力を受けて、制御部120は、0<a<t2−t1<bとなる場合にのみ画面操作を行うのが望ましい。
【0040】
図6の中段の図では、時刻t2における出力を受けた場合の動作を説明したが、時刻t3において出力が「無し」となったことをトリガとした動作であっても良い。
【0041】
図6の下段の図は、時刻t3において近接センサ130−1からの出力が「無し」となったとき、制御部120が、時刻t1から時刻t2までの時間に反比例するような画面操作速度v3を算出し、算出した画面操作速度v3で所定時間だけ画面操作を行う。図6の下段の図に示すように、制御部120が、近接センサ130−1の出力時間(t3−t2)だけ操作を行うとしても良い。
【0042】
なお、後述する他の操作を考慮すると、時刻t2における出力を受けて、制御部120は、0<a<t2−t1<bとなる場合にのみ画面操作を行うのが望ましい。
【0043】
このように、表示部110上に接触させた指の移動に伴う画面の上下の移動(例えば、画面スクロール)を、近接センサ130−1,130−2へ指を接近させることで行うことができる。図4および図5においては、近接センサ130−1,130−2が互いに上下方向に並べて配置されている場合を例に挙げて示しているが、互いに左右方向に並べて配置されているものであっても良い。その場合、表示部110上に接触させた指の移動に伴う画面の左右の移動を、近接センサ130−1,130−2へ指を接近させることで行うことができる。また、4つの近接センサを用いて、上下左右の移動を制御するものであっても良い。
【0044】
図7は、図1に示した制御部120における制御の第2の例を説明するための図である。
【0045】
図7に示すように、表示装置100には、4つの近接センサ130−1〜130−4が搭載れている。近接センサ130−1,130−2は、図2に示したように、互いに上下方向に並べて配置されている。また、近接センサ130−3,130−4は、互いに左右方向に並べて配置されている。
【0046】
例えば、指を近接センサ130−3に近づけた状態から、指を右方向へ移動させ、近接センサ130−4に近づけると、表示部110に表示されている画面を右方向へ移動させて表示するように制御部120にて制御される。また、指を近接センサ130−4に近づけた状態から、指を左方向へ移動させ、近接センサ130−3に近づけると、表示部110に表示されている画面を左方向へ移動させて表示するように制御部120にて制御される。上下方向については、上述したものと同じ制御が行われる。
【0047】
このように、近接センサ上で指を移動させることで、制御部120にてその移動方向を判断し、タッチパネルの画面をスライドしたのと同様の機能を実現できる。電子書籍であればページを変更し、インターネットや電子メールの画面であれば画面スクロール、テレビ視聴であればチャンネル変更などが実現できる。
【0048】
また、1本の指を近接センサ130−1,130−2のどちらか一方に接近させておき、他の1本の指を他方の近接センサにかざして、そのかざし量で、表示部110に表示されている画面を拡大または縮小するように制御するものであっても良い。
【0049】
図8は、図1に示した制御部120における制御の第3の例のうち、拡大表示を説明するための図である。
【0050】
図8に示すように、近接センサ130−2に親指を近接させておき、近接センサ130−1の一部に人差し指をかざすことで、表示部110に表示されている画面を拡大表示するように制御部120が制御するものであっても良い。この場合、その一部の量(かざし量:かざした部分の大きさ、広さ)に基づいて、その拡大率が調整されるものであっても良い。つまり、物体のかざし量が多ければ、拡大率を高いものとするものであっても良いし、その逆であっても良い。
【0051】
図9は、図1に示した制御部120における制御の第3の例のうち、縮小表示を説明するための図である。
【0052】
図9に示すように、近接センサ130−1に人差し指を近接させておき、近接センサ130−2の一部に親指をかざすことで、表示部110に表示されている画面を縮小表示するように制御部120が制御するものであっても良い。この場合、そのかざし量に基づいて、その縮小率が調整されるものであっても良い。つまり、物体のかざし量が多ければ、縮小率を高いものとするものであっても良いし、その逆であっても良い。
【0053】
なお、図8および図9を用いて説明した例では、近接センサ130−1の一部に物体をかざしたときに拡大表示させ、近接センサ130−2の一部に物体をかざしたときに縮小表示させる場合を例に挙げて説明したが、その逆であっても良い。つまり、近接センサ130−2の一部に物体をかざしたときに拡大表示させ、近接センサ130−1の一部に物体をかざしたときに縮小表示させるものであっても良い。これらは、表示装置100にあらかじめ設定されているものであれば、特に規定しない。
【0054】
図10は、図1に示した制御部120における制御の第4の例を説明するための図である。
【0055】
図10に示すように、一方の近接センサ(図10においては、近接センサ130−2)に指を近接させておいた状態で、表示装置100を傾けたとき、傾けた方向に応じて、表示部110の画面を移動させるように制御部120が制御するものであっても良い。
【0056】
また、近接センサの代わりに、照度を測定する照度センサを用いるものであっても良い。
【0057】
図11は、本発明の表示装置の第2の実施の形態を示す図である。
【0058】
図12は、図11に示した表示装置101の外観の一例を示す図である。
【0059】
本形態における表示装置101には図11および図12に示すように、図1に示した近接センサ130−1,130−2の代わりに照度センサ140−1,140−2が設けられたものとなっている。
【0060】
照度センサ140−1,140−2は、表示装置101の筺体外部の照度を測定するセンサであり、測定した照度を制御部121へ通知する。
【0061】
制御部121は、照度センサ140−1,140−2から通知される照度に基づいて、表示部110の表示を制御する。照度センサ140−1,140−2が測定した照度が暗いものである場合、物体が照度センサ140−1,140−2に近づいていると、制御部121にて判断することができる。つまり、照度センサ140−1,140−2が測定する照度が、近接センサ130−1,130−2にて検知される物体の接近に相当するものとして制御することができる。
【0062】
図13は、本発明の表示装置の第3の実施の形態を示す図である。
【0063】
図14は、図13に示した表示装置102の外観の一例を示す図である。
【0064】
本形態における表示装置102には図13および図14に示すように、図1に示した近接センサ130−1,130−2の代わりにカメラ150−1,150−2が設けられたものとなっている。
【0065】
カメラ150−1,150−2は、撮影用のカメラであり、撮影した画像を制御部122へ出力する。なお、カメラ150−1,150−2は、3D撮影用ツインカメラであっても良い。この3D撮影用ツインカメラは、撮像素子が1つでレンズ部が2つあり、左目用画像と右目用画像とを時分割で交互に撮影するようなものも2つのカメラとして含まれる。また、いずれのカメラも撮像部が配置された筐体に撥水処理を行うと、さらに望ましい。
【0066】
制御部122は、カメラ150−1,150−2から出力されてきた画像に基づいて、表示部110の表示を制御する。つまり、制御部122は、カメラ150−1,150−2から出力されてきた画像に基づいて、当該画像に映り込んでいる物体の近接を判断する。具体的には、制御部122は、カメラ150−1,150−2から出力されてきた画像の暗部の面積が所定値以上であれば第2の実施の形態の照度センサ同様に暗いと判断でき、画像の中の色の違いや撮影輝度の違いをエッジ処理化した物体の形状であらかじめ定義した指状のものや物体を判断し、指や物体が近接したと判断できる。これにより、判断された接近が近接センサ130−1,130−2にて検知される物体の接近に相当するものとして制御することができる。
【0067】
また、カメラにおいては必ずしも複数必要ではない。撮像画像中にあらかじめ定義した指や物体を検知し、連続して撮像した画像でその移動速度を計算しても良い。この場合は、指や物体までの正確な距離が測れる測距センサのようなものであれば良い。
【0068】
なお、上述した近接センサ、照度センサおよびカメラを組み合わせて搭載したものであっても良い。つまり、図7に示した表示装置100の上下方向には図14に示した表示装置102のようにカメラ150−1,150−2を搭載し、左右方向には、近接センサ130−3,130−4を搭載するものであっても良い。また、カメラ150−1,150−2は、筐体を縦長方向に配置して利用者を自撮影する場合に3D撮影カメラとして用いるように配置しただけで、利用形態によっては近接センサ130−3,130−4と入れ替えても良いことは言うまでもない。また、近接センサ130−1と照度センサ140−2とを搭載するものであっても良い。つまり、物体の接近を検知できるセンサであれば、どのようなものであっても良い。
【0069】
また、表示装置100に温湿度センサや水滴センサを搭載させておき、温湿度センサや水滴センサが所定の温湿度や水滴量を検知したとき、上述した処理を起動するものであっても良い。
【0070】
また、一般的なタッチパネルは、検出能力に上限があり、その上限を超えた場合には誤って検知する場合がある。そのため、指や物体の位置を出力しない、もしくは検知能力を超えた等のエラー信号に相当するものを出力する。その場合にのみ、上述したようなセンサによる処理を起動するものであっても良い。これにより、静電容量式タッチパネルのみならず、様々な方式のタッチパネルで検出できない状態や検出故障が発生した場合でも、代替操作方法として提供することもできる。
【0071】
また、第1の実施の形態から第3の実施の形態まで、画面(表示部110)とは別の構成要素として、指や物を検知して入力するタッチパネル(タッチパネル機能部170)を備える構成を例に挙げて説明したが、表示部110がタッチパネル機能を具備することで、表示部110がタッチパネル機能をも担うものであっても良い。
【0072】
このように、本発明においては、水滴によるタッチパネルの誤認識を防ぐことができる。
【0073】
上述した表示装置100(表示装置101,102についても同様)に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を表示装置100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを表示装置100に読み込ませ、実行するものであっても良い。表示装置100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、表示装置100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、表示装置100に設けられた制御部120にて読み込まれ、制御部120の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、制御部120は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0074】
100〜102 表示装置
110 表示部
120〜122 制御部
130−1〜130−4 近接センサ
140−1,140−2 照度センサ
150−1,150−2 カメラ
160 レシーバ
170 タッチパネル機能部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル機能部と、
情報を表示する表示部と、
物体の接近を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記表示部の表示を制御する制御部とを有する表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記複数のセンサが、物体の接近を同時に検知した場合、前記表示部の表示を非表示とすることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記物体の移動方向を判断し、該移動方向へ前記表示部の表示を移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記物体のかざし量を判断し、該かざし量に基づいて、前記表示部の表示を拡大または縮小させることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数のセンサに代えて、照度を測定する複数の照度センサを有し、
前記制御部は、前記複数の照度センサが測定した照度に基づいて、前記表示部の表示を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数のセンサに代えて、複数のカメラを有し、
前記制御部は、前記複数のカメラが撮影した画像に基づいて、前記表示部の表示を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
タッチ操作を出力するタッチパネル機能処理と、
ディスプレイに情報を表示する処理と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する処理と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する処理とを行う表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
タッチ操作を出力するタッチパネル機能の手順と、
ディスプレイに情報を表示する手順と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する手順と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項1】
タッチパネル機能部と、
情報を表示する表示部と、
物体の接近を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記表示部の表示を制御する制御部とを有する表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記複数のセンサが、物体の接近を同時に検知した場合、前記表示部の表示を非表示とすることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記物体の移動方向を判断し、該移動方向へ前記表示部の表示を移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記複数のセンサにおける検知の結果に基づいて、前記物体のかざし量を判断し、該かざし量に基づいて、前記表示部の表示を拡大または縮小させることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数のセンサに代えて、照度を測定する複数の照度センサを有し、
前記制御部は、前記複数の照度センサが測定した照度に基づいて、前記表示部の表示を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数のセンサに代えて、複数のカメラを有し、
前記制御部は、前記複数のカメラが撮影した画像に基づいて、前記表示部の表示を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
タッチ操作を出力するタッチパネル機能処理と、
ディスプレイに情報を表示する処理と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する処理と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する処理とを行う表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
タッチ操作を出力するタッチパネル機能の手順と、
ディスプレイに情報を表示する手順と、
複数のセンサを用いて物体の接近を検知する手順と、
前記検知の結果に基づいて、前記ディスプレイの表示を制御する手順とを実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−238152(P2012−238152A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106236(P2011−106236)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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