説明

表示装置、表示装置の制御方法及び表示制御プログラム

【課題】時々刻々と変化する商品販売状況に対応した効果的な広告を提供することができる表示装置、表示装置の制御方法及び表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】投写コンテンツを投写するプロジェクター1であって、投写コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付けるPOS情報取得部51と、キーワードに関連する関連情報を取得する関連情報取得部53と、関連情報を利用して投写コンテンツ100を生成するコンテンツ生成部55と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示コンテンツを表示する表示装置、表示装置の制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーやコンビニエンス・ストア等の小売業では、購入商品並びにその金額に関するいわゆる決済情報に、商品広告やイベント告知などの付加情報を付加してレシート上に印刷可能なPOSシステム(Point Of Sales)が広く利用されている。また、近年では付加情報として、広告情報だけでなく、クーポン券や抽選券としての販促情報が付加される場合もあり、販売促進に有効な広告手段となっている。さらに、近年では広告を電子的に表示する、所謂デジタルサイネージが周知である。
【0003】
例えば特許文献1には、広告主業者側に設置されてネットワークを介してPOS端末及び本部端末に接続されると共に、本部端末から指定される広告配信設定指示に従って本部端末に対して広告用配信設定を行う広告主端末を備えたPOSシステムが提案されている。本部端末では広告主端末からの広告用配信設定に応じて必要な広告表示用情報を生成してPOS端末へ送信し、POS端末では本部端末から送信された広告表示用情報を受信すると共に、この広告表示用情報に基づいて広告主端末から取得した広告データを表示パネルに広告として表示する。
【0004】
また特許文献2には、POSシステムから送信される商品の在庫状況、受発注情報などを示す受発注在庫情報を利用して、ウエッブ広告の出現頻度や表示位置などを適宜調整する機能を備える広告管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−30115号公報
【特許文献2】特開2008−287622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載のPOSシステムでは、予めデータベースに登録されている広告情報を用いて商品広告が作成されている。しかしながら、予めデータベースに登録されている広告情報を使用しているだけでは、時々刻々と変化する商品販売状況に対応した効果的な広告を提供することができない場合がある。
【0007】
また、POSシステムは、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いるシステムである。このため、POS端末に商品の購入情報が入力されなければ、販売情報として反映されない。つまり、顧客が商品棚から商品を採ってカゴに入れると商品棚からは商品がなくなっていても、店舗内で買い物をしている他の顧客にはその商品棚に残っている商品の数を知らせることはできない。このように、POSシステムから得られる販売情報だけでなく、売り場に陳列されている商品のリアルタイムな情報も広告に含めたいという要望もある。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、時々刻々と変化する商品販売状況に対応することができ、さらに、商品のリアルタイムな情報を利用した効果的な広告を提供することができる表示装置、表示装置の制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決することのできる本発明は、表示コンテンツを表示する表示装置であって、前記表示コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付ける入力部と、前記キーワードに関連する関連情報を取得する取得部と、前記関連情報を利用して前記表示コンテンツを生成する生成部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、受け付けたキーワードに関連する関連情報を取得することができる。また取得した関連情報を利用して表示コンテンツを生成し表示することができる。このため、予めデータベースに登録されている情報を使用するだけでなく、時々刻々と変化する情報に対応した関連情報を取得し、効果的な表示コンテンツを生成することが可能となる。
【0010】
また、本発明の表示装置において、前記表示装置はPOSシステムと通信可能に接続され、前記取得部は、前記POSシステムから前記関連情報を取得することが好ましい。
上記構成によれば、表示装置はPOSシステムと通信可能に接続されているので、POSシステムから関連情報を取得することができる。したがって、POSシステムにおいて管理されているPOS情報を利用した表示コンテンツを生成し表示させることができる。
【0011】
また、本発明の表示装置において、前記関連情報は、前記POSシステムにおいて管理されている商品に関連する商品関連情報を含み、前記取得部は、ネットワークを介して前記商品関連情報を取得することが好ましい。
上記構成によれば、POSシステムで管理されている商品に関連する商品関連情報をインターネットなどのネットワークから取得して表示コンテンツを作成することができる。このため、データベースに登録されている固定的な表示コンテンツを使用する場合と比べ、商品販売状況に合わせた流動的な表示コンテンツを作成することができる。
例えば、食材を商品としたときの商品関連情報には、その食材を用いたメニューの画像や、その食材を用いたメニューのレシピなどを、インターネットから取得し、表示コンテンツに含めることができる。
【0012】
また、本発明の表示装置において、前記関連情報は、コンテンツ素材に関する情報を含み、前記生成部は、前記表示装置の内部又はネットワーク上に設けられた記憶部から取得した前記コンテンツ素材を利用して前記表示コンテンツを生成することが好ましい。
上記構成によれば、記憶部に記憶されているコンテンツ素材を利用して表示コンテンツを生成することができる。例えば、コンテンツ素材としてテンプレートのような素材情報に、POSシステムから取得したPOS情報や、ネットワークから取得した商品関連情報などを付加することができる。このため、表示コンテンツの生成処理速度を極端に低下させることを防止しつつ、効果的な表示コンテンツを提供することができる。
【0013】
また、本発明の表示装置において、前記商品に付与された電子タグのタグ計数値を取得する計数値取得部を更に有し、前記生成部は前記タグ計数値を前記表示コンテンツに含めることが好ましい。
上記構成によれば、商品に付与されている電子タグの計数値を取得することができるので、商品棚に陳列されている商品の数をリアルタイムで取得することができる。そして、タグ計数値を含めた表示コンテンツを表示することによって、売り場の商品数を顧客に知らせることができる。
【0014】
また、本発明の表示装置において、前記タグ計数値を分析する計数値分析部を更に有することが好ましい。
上記構成によれば、例えばタグ係数値の分析結果に基づき、商品の在庫が売り切れるまでの時間を予測して表示したり、商品が無くなる勢いをグラフで表示させたりすることで、顧客に購買意欲を高める効果的な表示コンテンツを表示させることができる。
【0015】
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る表示装置の制御方法は、表示コンテンツを表示する表示装置の制御方法であって、前記表示コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付けるステップと、前記キーワードに関連する関連情報を取得するステップと、前記関連情報を利用して前記表示コンテンツを生成するステップと、を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る表示制御プログラムは、表示コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付けるステップと、前記キーワードに関連する関連情報を取得するステップと、前記関連情報を利用して前記表示コンテンツを生成するステップと、を表示装置が備えるコンピューターに実行させることを特徴とする。
上記構成によれば、従来のように、予めデータベースに登録されている情報を使用するだけでなく、時々刻々と変化する情報に対応する関連情報を取得して、効果的な表示コンテンツを生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態のプロジェクターの内部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のプロジェクターのアプリケーション実行環境を説明するソフトウェア階層図である。
【図3】本実施形態の投写コンテンツ生成機能の概要を説明するためのネットワーク図である。
【図4】本実施形態のプロジェクターの内部処理を説明するための機能ブロック図である。
【図5】本実施形態のプロジェクターが取得するPOS情報の一例を示した図である。
【図6】投写コンテンツの生成に必要なコンテンツ素材リストの一例を示した図である。
【図7】タグ計数値の時間的変化を示したグラフである。
【図8】本実施形態のプロジェクターによる投写コンテンツの生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】コンテンツ生成部が取得したテンプレート画像の一例を示した図である。
【図10】図9のテンプレート画像にコンテンツ素材が貼り付けられた状態を示す図である。
【図11】図10の残り個数エリアが書き換えられた状態を示す図である。
【図12】コンテンツ生成部が取得したタイムセールの終了を知らせるためのテンプレート画像にコンテンツ素材が貼り付けられた状態の例を示した図である。
【図13】コンテンツ生成部が取得した他のテンプレート画像の例を示した図である。
【図14】図13のテンプレート画像にコンテンツ素材が貼り付けられた状態を示す図である。
【図15】図13のテンプレート画像のレシピ画像エリア及びレシピエリアに、インターネットから取得した商品関連情報が貼り付けられた情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る表示装置、表示装置の制御方法及び表示制御プログラムの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る表示装置の一実施の形態に係るネットワークプロジェクター(以下、単に「プロジェクター」と言う)1の概略構成を示す図である。図1に示すように、プロジェクター1は、制御部10と、投写ユニット11と、拡張スロット12と、ネットワークカード13と、フラッシュROM14とを有している。
【0019】
制御部10は、プロジェクター1の各部を中枢的に制御するものであり、演算処理プロセッサとしてのCPU15と、このCPU15により実行される制御プログラム(いわゆるファームウェア)が格納されるROM17と、CPU15のワークエリアとして機能して演算結果や各種データを一時的に格納するRAM16とを有している。本実施例では、ROM17は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やFlashメモリーなど、電気的に書換え可能な不揮発性メモリーで構成されているものとする。
【0020】
投写ユニット11は、例えば、放電発光型の光源ランプや、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子等からなる光源と、光源から射出された光束を画像信号に基づいて変調して画像光を形成する光変調装置(例えば、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板を備えた液晶ライトバルブやマイクロミラーを用いたデバイス等)と、画像光を拡大投写する投写レンズ等と、を備えて構成されている。
【0021】
拡張スロット12は、プロジェクター1に内設され、当該プロジェクター1の機能を拡張するためのカード型の回路が挿脱されるソケットであり、この拡張スロット12には、上記ネットワークカード13が挿着されている。
【0022】
ネットワークカード13は、データ通信部18と周辺機器接続部19とを有し、建物内に敷設されたLANやインターネット等のネットワーク2を介して他のプロジェクターや通信端末(例えばコンテンツサーバー20やウェブサーバー80)とデータ通信する機能、および、周辺機器を接続する機能を有するものである。すなわち、上記データ通信部18は、TCP/IP等の所定の通信プロトコルに基づいて信号処理するネットワークコントローラー21と、有線または無線にてネットワーク2に接続される通信I/F22とを有して構成されている。また、周辺機器接続部19は、周辺機器を接続するためのものであり、例えばUSB規格やIEEE1394規格等の所定規格に準拠して信号処理を実行する接続I/Fコントローラー23と、周辺装置24の接続口たる複数(図示例では2つ)の接続コネクタ25を備えている。本実施形態では周辺機器として、電子タグ読取装置90が接続される。
【0023】
フラッシュROM14は、書き換え可能な不揮発性メモリーであり、各種のアプリケーションが格納されている。これらのアプリケーションは、例えばメモリカード等の記録媒体26に記録されて配布され、或いは、ネットワーク2等の電気通信回線を通じて配布され、そして、このようにして配布されたアプリケーションがフラッシュROM14にインストール可能に構成されている。また、制御部10のROM17に格納される制御プログラムもアプリケーションと同様に、記録媒体26、あるいは、ネットワーク2等の電気通信回線を介して配布可能であり、このように配布された制御プログラムがROM17にインストール可能に構成されている。
【0024】
上記フラッシュROM14等に格納されるアプリケーションとしては、プロジェクター1が投写する投写コンテンツの生成に必要な関連情報を取得し、自ら投写コンテンツを生成するアプリケーションがある。このアプリケーションの実行環境について図2を参照して説明する。
【0025】
図2は、プロジェクター1のアプリケーション実行環境を示すソフトウェア概略構成図である。この図に示すように、プロジェクター1の制御部10には、OSプラットフォーム30上にインタプリタ環境であるソフトウェアプラットフォーム31が構成されている。ソフトウェアプラットフォーム31は、Java(登録商標)プラットフォームのランタイム環境として構成されており、インタプリタとしてのJava(登録商標)VM(Java(登録商標)仮想マシン)32、ライブラリー33およびフレームワーク群34を備えて構成されている。Javaはサンマイクロシステムズ社の登録商標である。
ライブラリー33は標準のAPIライブラリーとプロジェクター1に専用のライブラリーを含んで構成されており、OSプラットフォーム30が提供する抽象化された各種コンピューター資源を、さらにソフトウェアプラットフォーム31専用のモデルによって抽象化して、この上で動作するアプリケーションのための実行環境を提供する。
【0026】
フレームワーク群34はOSGi(Open Service Gateway initiative)フレームワーク34aを含んで構成されており、このOSGiフレームワーク34aは単一のJava(登録商標)VM32上に複数のアプリケーションを動作させる。また、OSGiフレームワーク34aは、アプリケーションのライフサイクルの管理やアプリケーション間通信機能などを提供する。このOSGiフレームワーク34a上には、複数のシステムサービスがプリインストールされている。システムサービスには、新たなアプリケーションを追加したり更新したり削除したりするためのアプリケーション管理サービス等がある。
【0027】
以下では、図2に示したアプリケーション実行環境において実行される、本実施形態におけるアプリケーション(表示制御プログラム)が提供するPOSシステムと連携して投写コンテンツを生成し表示する機能について説明する。
【0028】
<POSシステムと連携して投写コンテンツを生成し表示する機能の概要について>
本実施形態のプロジェクター1は、スパーマーケットなどの店舗の商品売り場内に設置されている。図3に示すように、プロジェクター1は、POSシステム60と通信可能に接続されており、POSシステム60において管理されている商品の販売時点情報を取得することができる。また、POSシステム60から得られたPOS情報から、投写コンテンツ100の生成に必要な情報であって、特定のキーワードに関連する商品情報を抽出する。さらに、プロジェクター1は、構内ネットワーク71に接続して、コンテンツサーバー20から商品に関連するコンテンツ素材(後述)を取得したり、インターネット70に接続して、商品に関連する商品関連情報をウェブサーバー80から取得したりすることができる。
【0029】
また、店舗の商品売り場には商品棚75が設けられ、商品棚75には複数の商品85が陳列されている。各商品85には、RFID(Radio Frequency Identification)等の電子タグ81が搭載されている。
【0030】
プロジェクター1には、上述した周辺機器として電子タグ読取装置90が接続されている。電子タグ読取装置90は、商品棚75に陳列されている商品85の電子タグ81に書き込まれている商品情報を読み取り、プロジェクター1内部へ送信する。プロジェクター1は、受信した商品情報に基づいて商品85の残数を計数し、タグ計数値として保持する。これにより、商品棚75に陳列されている商品85の残数をリアルタイムに取得することができる。
【0031】
このように、本実施形態のプロジェクター1は、POSシステム60から取得したPOS情報、インターネット70と構内ネットワーク71とを含むネットワーク2から取得したコンテンツ素材や商品関連情報及び電子タグ読取装置90が読み取った商品情報に基づいて得られるタグ計数値、を利用して投写コンテンツ100を生成し店舗内に投写する。すなわち、プロジェクター1は与えられた特定のキーワードに関連する店舗内商品の関連情報を自ら取得し、適切なタイミングで効果的な電子広告を投写することができる。
【0032】
<投写コンテンツの生成機能について>
次に、上述したアプリケーションが提供する投写コンテンツの生成機能について、図4を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、アプリケーションが実行されると、プロジェクター1の制御部10には、POS情報取得部51、関連情報取得部53、コンテンツ生成部55、タグ計数値取得部58及び計数値分析部59が構成される。また、プロジェクター1のフラッシュROM14には、記憶部として、コンテンツ情報記憶部57が設定される。
【0033】
POS情報取得部51(入力部)は、POSシステム60から特定のキーワードを含むPOS情報の入力を受け付ける。本実施形態では、特定のキーワードはPOSシステム側から指定され、POS情報とともに受け付けるものとする。例えば、特定の日時に自動的に設定されるキーワードであってもよい。
図5は、POS情報取得部51が取得するPOS情報の一例である。商品名、特売品情報、特売時間、特価、通常価格、在庫、既販売数及び販売期限に関する情報が含まれている。POS情報取得部51は、図5のPOS情報の中から、POSシステム60において管理されている商品の商品情報を抽出し、関連情報取得部53やコンテンツ生成部55へ送信する。つまり、指定されたキーワードに関連する商品の商品情報が抽出される。
【0034】
関連情報取得部53(取得部)は、POS情報取得部51から商品情報を受信すると、その商品に関連する商品関連情報をインターネット70から取得する。商品関連情報とは、コンテンツ情報記憶部57やコンテンツサーバー20に記憶されていない情報であって、投写コンテンツ100をより効果的なものにするために付加する情報である。例えば、商品名「ニンジン」に関連する商品関連情報としては、ニンジンを使ったメニューの画像や、そのメニューのレシピ情報などがある。
【0035】
コンテンツ生成部55は、POS情報取得部51から商品情報を受信すると、その商品についての投写コンテンツ100を生成するために必要なコンテンツ素材を、コンテンツ情報記憶部57や構内ネットワーク71上にあるコンテンツサーバー20から取得する。このとき、コンテンツ生成部55は取得部としても機能する。また、コンテンツ生成部55は、POS情報取得部51から受信した商品情報、関連情報取得部53から受信した商品関連情報及び自ら取得したコンテンツ素材、に基づいて投写コンテンツ100を生成する。
【0036】
上述した、POS情報取得部51、関連情報取得部53及びコンテンツ生成部55が果たす機能について図5及び図6を参照して具体的に説明する。
例えば、POSシステム60において指定されたキーワードが「特売品」であったとすると、POS情報取得部51は、商品名「ニンジン」、特売品情報「特売品」、特価「50円」を抽出し、関連情報取得部53及びコンテンツ生成部55へ送信する。
コンテンツ生成部55は、「特売品」,「ニンジン」,「50円」についての投写コンテンツ100を生成するために必要なコンテンツ素材を、図6に示すコンテンツ素材リストに基づき、コンテンツ情報記憶部57やコンテンツサーバー20から取得する。
【0037】
具体的には、コンテンツ生成部55は、「特売品」に関するテンプレート「特売品広告+レシピ」のコンテンツ「Tokubai_recipe.tplt」を「\localdata\template」から読み出す。また、「ニンジン」に関する商品画像「Carrot.jpg」を「\\192.168.123.100¥data¥picture」から読み出す。さらに、「50円」に関する文字フォント「Font.ttf」を「\localdata\font」から読み出す。本実施形態では、「\localdata」はコンテンツ情報記憶部57であり、「\\192.168.123.100¥data¥picture」はIPアドレス:192.168.123.100の構内ネットワーク71上のコンテンツサーバー20である。
なお、図6のコンテンツ素材リストは、フラッシュROM14等の不揮発性の記憶部に記憶されている。
【0038】
関連情報取得部53は、「ニンジン」についての商品関連情報として、インターネット70からニンジンを使ったメニューの画像や、ニンジンを使ったメニューのレシピ情報を検索し取得する。ここで、商品関連情報をインターネット70から検索するには、”ニンジン”+”レシピ”等を検索式として検索すればよい。”ニンジン”についてはPOS情報取得部51から取得し、”レシピ”についてはコンテンツ生成部55が参照するコンテンツ素材リストから取得することができる。
【0039】
図4に戻り、引き続きタグ計数値取得部58、計数値分析部59について説明する。
タグ計数値取得部58は、商品棚75に陳列されている各商品85に付与されている電子タグ81を読み取った数を、タグ計数値として送信する。すなわち、電子タグ読取装置90が電子タグ情報を読み取り電子タグの数を計数する。電子タグ読取装置90が計数した結果をタグ計数値としてプロジェクター1へ送信すると、プロジェクター1のタグ計数値取得部58がこれを取得する。
【0040】
計数値分析部59は、タグ計数値取得部58が取得したタグ計数値を分析し、商品85が無くなる勢いを算出する。例えば図7に示すように、計数値分析部59は、タグ計数値の変化を時間軸で記録し、商品の無くなる勢いを計測する。計数値分析部59が、タグ計数値が「0」になる時刻を予測し、売り切れ予測時間としてコンテンツ生成部55へ送信すれば、コンテンツ生成部55は売り切れ予測時間を含めた投写コンテンツ100を生成することができる。
【0041】
次に、各プロジェクター1が投写コンテンツ100を生成し投写する制御方法について図8のフローチャートにしたがい、図9〜図12を参照しつつ説明する。
プロジェクター1は、POSシステム60から投写コンテンツ100の投写要求を受信すると(ステップS11:Yes)、POS情報取得部51が、投写対象商品情報すなわち図5に示したPOS情報をPOS情報提供部61から取得する(ステップS13)。一方、POSシステム60から投写要求を受信しない場合は(ステップS11:No)、POS情報取得部51は自らPOSシステム60にアクセスしPOS情報を取得することもできる(ステップS15)。
【0042】
POS情報取得部51は取得したPOS情報から、指定されているキーワードに関連する商品情報を抽出し(ステップS17)、コンテンツ生成部55及び関連情報取得部53へ送信する。具体的には、POSシステム60において指定されたキーワードが「タイムセール」であったとすると、POS情報取得部51は、商品名「ほうれん草」、特売品情報「タイムセール」、販売時間「10:00−11:00」、特価「70円」を抽出し、関連情報取得部53及びコンテンツ生成部55へ送信する。
【0043】
次に、コンテンツ生成部55は、図6に示したコンテンツ素材リストに基づき、取得した商品情報について、投写コンテンツ100を生成するために必要な情報の格納場所を知っているか否かを判定する。具体的には、「タイムセール」、「ほうれん草」、「10:00−11:00」、「70円」についての投写コンテンツ100を生成するために必要なコンテンツ素材が、図6に示すコンテンツ素材リストに基づき、コンテンツ情報記憶部57や構内ネットワーク71上にあるコンテンツサーバー20から取得できるか否かを判定する。
【0044】
コンテンツ生成部55は、格納場所を知っている場合は(ステップS19:Yes)、コンテンツ素材の格納場所にアクセスして、コンテンツ素材を取得する(ステップS21)。
「タイムセール」に関するテンプレート「タイムセール+残量」のコンテンツ「TimeSale.tplt」の格納場所「\localdata\template」を知っているので、これをコンテンツ情報記憶部57から取得する。また、「ほうれん草」に関する商品画像「Spinach.jpg」の格納場所「\\192.168.123.100¥data¥picture」を知っているのでコンテンツサーバー20から取得する。また、「ほうれん草」及び「70円」に関する文字フォント「Font.ttf」の格納場所「\localdata\font」を知っているので、これをコンテンツ情報記憶部57から取得する。
【0045】
一方、格納場所を知らない場合は(ステップS19:No)、関連情報取得部53を介してインターネット70から取得する(ステップS23)。
【0046】
ここで、ステップS21で取得した、「タイムセール+残量」のテンプレートには商品の残量が含まれている。このため、電子タグ読取装置90がほうれん草に付与されている電子タグ81を読み取り、タグ計数値取得部58はタグ計数値提供部91からからタグ計数値を取得する(ステップS25)。計数値分析部59はタグ計数値を分析し、商品の残数が「0」でなければ(ステップS27:Yes)、取得したタグ計数値をコンテンツ生成部55へ送信する。
【0047】
コンテンツ生成部55は、ステップS21で取得したコンテンツ素材と、ステップS25で取得したタグ計数値に基づき、投写コンテンツ100を生成する(ステップS31)。
図9は、コンテンツ生成部55が取得したテンプレート画像200を示している。テンプレート画像200には、商品画像エリア210、残り個数エリア220、商品名エリア230及び値段エリア240の4つの空白エリアが設けられている。各エリアには、コンテンツ生成部55が、各格納場所から取得した情報が貼り付けられる。図10に示すように、商品画像エリア210には「ほうれん草」に関する商品画像250が、残り個数エリア220にはほうれん草の残数すなわちタグ計数値260が、商品名エリア230には「ほうれん草」に関する文字フォント270が、値段エリア240には「70円」に関する文字フォント280がそれぞれ貼り付けられる。
【0048】
なお、商品の残り個数ととともに、図7に示したタグ計数値の変化を時間軸で記録したグラフを貼り付けてもよい。このようなグラフを投写コンテンツに含めることによって、商品の無くなる勢いを分かりやすく表現することができる。これにより、顧客の購買意欲をさらに高めることができる。
【0049】
そして、投写コンテンツ100の生成が終了すると、投写ユニット11が店舗内の商品売り場に投写コンテンツを投写する(ステップS33)。
【0050】
なお、顧客が商品棚75から商品85を採ってカゴに入れると、商品棚75に陳列されている商品85の数が減少するが、電子タグ読取装置90が再度電子タグ81を読み取ることによって、減少後の商品の数を計数することができる。このため、図11に示すように、商品が減っていく毎に残り個数エリア220だけを書き換えて、投写コンテンツ100を再生成したものを投写することができる。
【0051】
一方、ステップS27において、商品の残数が「0」であれば(ステップS27:No)、計数値分析部59はタグ計数値「0」をコンテンツ生成部55へ送信し、コンテンツ生成部55は、商品が売切れである旨のコンテンツ素材をコンテンツ情報記憶部57から取得し、投写する(ステップS29)。すなわち、「タイムセール終了」に関するテンプレートのコンテンツ「TimeSale_End.tplt」を格納場所「\localdata\template」から取得する。図12に示すようにテンプレート画像300の商品画像エリア310に「ほうれん草」に関する商品画像250が貼り付けられた投写コンテンツ100を投写する。
【0052】
上述した実施形態では、ステップS25において商品85のタグ計数を取得し、ステップS27において商品がまだあるか否かを判定したが、ステップS25及びステップS27を省略することもできる。つまり、ステップS21において取得したコンテンツ素材が、図13に示すようなテンプレート画像400である場合は、残り個数エリア220を含まないためタグ計数値を取得する必要がない。
【0053】
また、図13に示したテンプレート画像400の場合には、商品画像エリア410、商品名エリア420、値段エリア430、レシピ画像エリア440及びレシピエリア450の5つの空白エリアが設けられている。各エリアには、コンテンツ生成部55がステップS21において各格納場所から取得した情報が貼り付けられる。商品画像エリア410、商品名エリア420、値段エリア430には、上述したとおり図6に示すコンテンツ素材リストに示されている格納場所から取得したコンテンツ素材を貼り付けることができる。
【0054】
例えば図14に示すように、商品画像エリア410には「ニンジン」に関する商品画像460が、商品名エリア420には「ニンジン」に関する文字フォント470が、値段エリア430には「50円」に関する文字フォント480がそれぞれ貼り付けられる。
【0055】
しかしながら、レシピ画像エリア440及びレシピエリア450については、図6に示すコンテンツ素材リストに格納場所が示されていないため、コンテンツ素材を貼り付けることができない。つまり、ステップS19において、投写コンテンツを生成するために必要な情報の格納場所を知らないため(ステップS19:No)、コンテンツ生成部55は関連情報取得部53を介して商品関連情報を、例えばインターネット70上のウェブサーバー80から取得する(ステップS23)。
【0056】
上述したように、関連情報取得部53は、”ニンジン”+”レシピ”を検索式として検索すれば、ニンジンを使用したメニューの画像データや、ニンジンを使用したメニューのレシピ情報を取得することができる。そしてコンテンツ生成部55は、図15に示すように、ニンジンを使用したメニューの画像データ490をレシピ画像エリア440に貼り付け、ニンジンを使用したメニューのレシピ情報500をレシピエリア450に貼り付けて、投写コンテンツ100を完成させる。
【0057】
このように上記実施形態によれば、プロジェクター1はPOSシステム60と通信可能に接続されているので、投写コンテンツ100に必要な情報として、予めデータベースに登録されている情報を使用するだけでなく、POSシステム60から取得したPOS情報を使用することができる。このため、時々刻々と変化する商品販売状況に対応した、効果的な投写コンテンツを生成することが可能となる。
【0058】
また、POSシステム60で管理されている商品に関連する商品関連情報をインターネット70などのネットワークから取得して投写コンテンツを作成することができる。このため、データベースに登録されている固定的な投写コンテンツを使用する場合と比べ、商品販売状況に合わせた流動的な投写コンテンツ100を生成することができる。
【0059】
また、コンテンツ素材としてテンプレート画像200や400のようなコンテンツ素材に、POSシステム60から取得した商品のPOS情報(その商品が特売品であることや特価の値段等)や、インターネット70から取得した商品関連情報(メニュー画像やレシピ情報等)などを貼り付ける。このため、投写コンテンツの生成処理速度を極端に低下させることを防止しつつ、効果的な投写コンテンツ100を提供することができる。
【0060】
また、商品に付与されている電子タグ81の計数値を取得することができるので、商品棚75に陳列されている商品85の数をリアルタイムで取得することができる。そして、タグ計数値を含めた投写コンテンツ100を表示することによって、売り場の商品数を顧客に知らせることができる。
【0061】
また、商品の在庫と単位時間当たりの販売個数とから予測される売り切れ予測時間や、商品残数変化を示したグラフ等を投写コンテンツに含めることもできるので、購買意欲を高める効果的な投写コンテンツを表示させることができる。
【0062】
なお、上記実施形態では、キーワードはPOSシステム60側で予め指定されていたが、プロジェクター1のユーザーが入力装置を介して与えることもできる。
【0063】
また、電子タグ読取装置90は、プロジェクター1と別体構成となっていたが、プロジェクター1に内蔵されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、表示装置としてプロジェクター1を一例として説明したが、本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を備えたデジタルテレビジョンにも適用することができる。なお、上記実施例では、コンテンツサーバー20が構内ネットワーク71に、ウェブサーバー80がインターネット70に、それぞれ接続されているものとして説明したが、例えば、ウェブサーバー80は構内ネットワーク70上に設けられていてもよいし、コンテンツサーバー20はインターネット70に接続されていてもよい。要するに、ネットワーク2に接続された他の通信機器から、必要な情報を取得することができればよい。
【符号の説明】
【0065】
1,3,5,7:プロジェクター、2:ネットワーク、10:制御部、11:投写ユニット、12:拡張スロット、13:ネットワークカード、15:CPU、16:RAM、17:ROM、18:データ通信部、19:周辺機器接続部、20:コンテンツサーバー、21:ネットワークコントローラー、22:通信I/F、23:接続I/Fコントローラー、24:周辺装置、25:接続コネクタ、26:記憶媒体、30:OSプラットフォーム、31:ソフトウェアプラットフォーム、32:Java(登録商標)VM、33:ライブラリー、34:フレームワーク群、34a:OSGiフレームワーク、51:POS情報取得部、53:関連情報取得部、55:コンテンツ生成部、57:コンテンツ情報記憶部、58:タグ計数値取得部、59:計数値分析部、60:POSシステム、61:POS情報提供部、70:インターネット、71:構内ネットワーク、75:商品棚、80:ウェブサーバー、81:電子タグ、85:商品、90:電子タグ読取装置、91:タグ計数値提供部、100:投写コンテンツ、200,400:テンプレート画像、210,410:商品画像エリア、220:残り個数エリア、230,420:商品名エリア、240,430:値段エリア、250,460:商品画像、260,270,280,470,480:文字フォント、440:レシピ画像エリア、450:レシピエリア、490:メニューの画像データ、500:レシピ情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示コンテンツを表示する表示装置であって、
前記表示コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付ける入力部と、
前記キーワードに関連する関連情報を取得する取得部と、
前記関連情報を利用して前記表示コンテンツを生成する生成部と、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示装置はPOSシステムと通信可能に接続され、
前記取得部は、前記POSシステムから前記関連情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記関連情報は、前記POSシステムにおいて管理されている商品に関連する商品関連情報を含み、
前記取得部は、ネットワークを介して前記商品関連情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記関連情報は、コンテンツ素材に関する情報を含み、
前記生成部は、前記表示装置の内部又はネットワーク上に設けられた記憶部から取得した前記コンテンツ素材を利用して前記表示コンテンツを生成することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記商品に付与された電子タグのタグ計数値を取得する計数値取得部を更に有し、
前記生成部は前記タグ計数値を前記表示コンテンツに含めることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記タグ計数値を分析する計数値分析部を更に有することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
表示コンテンツを表示する表示装置の制御方法であって、
前記表示コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付けるステップと、
前記キーワードに関連する関連情報を取得するステップと、
前記関連情報を利用して前記表示コンテンツを生成するステップと、を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項8】
表示コンテンツを生成するためのキーワードの入力を受け付けるステップと、
前記キーワードに関連する関連情報を取得するステップと、
前記関連情報を利用して前記表示コンテンツを生成するステップと、を表示装置が備えるコンピューターに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−100316(P2011−100316A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254714(P2009−254714)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】