説明

表示装置およびテレビジョン装置

【課題】ホワイトバランス調整を行う際の作業者の負担を軽減することが可能な表示装置およびテレビジョン装置を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置100(表示装置)は、ホワイトバランスを調整する際の白ベタ画像を表示可能な液晶表示部12と、判定者による白ベタ画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、RGBの階調値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組のRGBの階調値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置およびテレビジョン装置に関し、特に、ホワイトバランスを調整することが可能な表示装置およびテレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホワイトバランスを調整することが可能な表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ホワイトバランスを調整する際のテストパターン(基準画像)を表示可能な表示画面(表示部)と、作業者(判定者)によるテストパターンに対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいてホワイトバランスを調整するマイコン(制御部)とを備えたリア型液晶プロジェクタ(表示装置)が開示されている。このリア型液晶プロジェクタでは、作業者が、緑用液晶表示パネルの調整値(色の出力値)を基準として赤および青用液晶表示パネルのそれぞれの調整値を選択するとともに、作業者による調整値の選択結果に基づいて、マイコンがホワイトバランス調整を行うように構成されている。また、作業者は、赤および青用液晶表示パネルのそれぞれの調整値を選択する際、緑用液晶表示パネルの調整値を基準として赤および青用液晶表示パネルのそれぞれの調整値の適切な組み合わせを決定する必要があると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−133163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のリア型液晶プロジェクタ(表示装置)では、作業者(判定者)は、赤および青用液晶表示パネルのそれぞれの調整値(色の出力値)を選択する際、緑用液晶表示パネルの調整値を基準として赤および青用液晶表示パネルのそれぞれの調整値の適切な組み合わせを赤および青用液晶表示パネルを各々調整しながら決定する必要があるので、作業者に負担がかかるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ホワイトバランス調整を行う際の作業者の負担を軽減することが可能な表示装置およびテレビジョン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置は、ホワイトバランスを調整する際の基準画像を表示可能な表示部と、判定者による基準画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、複数の色の出力値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部とを備える。
【0008】
この第1の局面による表示装置では、判定者による基準画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、複数の色の出力値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部を設けることによって、判定者の所定の操作に基づいて、制御部により、色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから自動的に1組の複数の色の出力値の組み合わせが選択されるので、色のバランスを繰り返し微調整しながら、複数の色の出力値の組み合わせを設定する必要がなく、その分、ホワイトバランス調整を行う際の作業者の負担を軽減することができる。
【0009】
この第1の局面による表示装置において、好ましくは、ホワイトバランス調整テーブルの複数組の上記組み合わせは、それぞれ、複数の色の出力値のうち少なくとも1つが上限値に設定され、他の色の出力値は上記上限値を基準に設定されており、制御部は、ホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている。このように構成すれば、上限値に設定された色の出力値を基準に、他の色の出力値が設定されるので、複数の色の出力値が過度に小さくなることを抑制することができ、その結果、ホワイトバランス調整の際に、出力値の低下に伴って輝度が低下することを抑制することができる。
【0010】
この第1の局面による表示装置において、好ましくは、制御部は、表示装置の生産時において、判定者によるホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、ホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている。このように構成すれば、生産時の作業者の操作負担を軽減することができるので、表示装置の生産性を向上させることができる。
【0011】
この第1の局面による表示装置において、好ましくは、表示装置がユーザにより使用される際に、表示装置を操作可能なリモコンをさらに備え、制御部は、判定者によりリモコンの所定のキーが押下される操作に基づいて、ホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている。このように構成すれば、使用時に表示装置を操作可能なリモコンを用いてホワイトバランス調整を行うことができるので、ホワイトバランス調整のための装置を別途設ける必要がない。
【0012】
この場合、好ましくは、リモコンは、表示装置がユーザにより使用される際に、表示部に表示される情報を色により選択するための複数の情報選択用色キーを含み、表示装置が生産される際に、リモコンの複数の情報選択用色キーがホワイトバランスの調整時の選択キーとして流用されるとともに、制御部は、ホワイトバランスの調整時に判定者により複数の情報選択用色キーのうちいずれかが押下される操作に基づいて、ホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている。このように構成すれば、リモコンに設けられた複数の情報選択用色キーを流用してホワイトバランス調整を行うことができるので、ホワイトバランス調整のためのキーを別途設ける必要がなく、部品点数が増加することを抑制することができる。また、情報選択用色キーを用いてホワイトバランス調整を行うことによって、判定者が色により直感的に操作を行うことができるので、ホワイトバランス調整の作業効率を効果的に向上させることができる。
【0013】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置は、ホワイトバランスを調整する際の基準画像を表示可能な表示部と、テレビジョン信号を受信するチューナと、判定者による基準画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、複数の色の出力値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部とを備える。
【0014】
この第2の局面によるテレビジョン装置では、判定者による基準画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、複数の色の出力値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組の複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部を設けることによって、判定者の所定の操作に基づいて、制御部により、色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから自動的に1組の複数の色の出力値の組み合わせが選択されるので、色のバランスを繰り返し微調整しながら、複数の色の出力値の組み合わせを設定する必要がなく、その分、ホワイトバランス調整を行う際の作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のリモコンの構成を示した平面図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のホワイトバランス調整テーブルを示した図である。
【図4】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のホワイトバランス調整を行う際の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「表示装置」および「テレビジョン装置」の一例である。
【0018】
本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100は、図1に示すように、液晶TV本体1と、リモコン2とにより主として構成されている。
【0019】
液晶TV本体1は、制御部11と、液晶表示部12と、バックライト13と、記憶部14と、受信部15と、チューナ16とを含んでいる。制御部11は、ホワイトバランスの調整を行うように構成されている。また、制御部11は、後述するホワイトバランス設定値14aを基準として、赤(R)、緑(G)、および青(B)の階調値を制御して画像を液晶表示部12に表示する制御を行うように構成されている。ここで、制御部11は、液晶表示部12にかかる電圧のドライブ値を制御することにより、液晶の透過率を変化させて液晶表示部12を透過するRGBそれぞれの光の強さを制御している。これにより、制御部11は、RGBそれぞれの階調値を制御することが可能に構成されている。なお、RGBの階調値は、それぞれ、0以上511以下の範囲で制御されるように構成されている。また、RGBの階調値が大きくなれば輝度は上がり、RGBの階調値が小さくなれば輝度は下がるように構成されている。また、制御部11は、リモコン2から送信される赤外線通信信号を受信部15を介して受信可能に構成されている。また、制御部11は、液晶TV本体1の各部の制御を行うように構成されている。なお、RGBの階調値は、本発明の「複数の色の出力値」の一例である。
【0020】
液晶表示部12は、チューナ16を介して受信するテレビジョン信号に基づいて、映像を表示可能に構成されている。また、液晶表示部12は、チューナ16を介して受信するデータ放送信号に基づいて、データ放送情報を表示可能に構成されている。また、液晶表示部12は、ホワイトバランスを調整する際に白一色の白ベタ画面を表示可能に構成されている。なお、液晶表示部12は、本発明の「表示部」の一例であり、白ベタ画面は、本発明の「基準画像」の一例である。
【0021】
バックライト13は、液晶表示部12に向けて光を照射するように構成されている。具体的には、バックライト13は、光源としてLED素子(図示せず)を含み、LED素子から発生した光を液晶表示部12に向けて照射するように構成されている。これにより、液晶表示部12が、明るく、かつ、鮮明な画像を表示することが可能に構成されている。
【0022】
記憶部14には、ホワイトバランス設定値14aの情報と、ホワイトバランス調整テーブル14bとが格納されている。ホワイトバランス設定値14aは、画面の白色の色温度が約10,000KになるようなRGBの階調値の組み合わせが設定されている。また、ホワイトバランス設定値14aは、ホワイトバランス調整により書き換え可能に構成されている。
【0023】
ここで、本実施形態では、ホワイトバランス調整テーブル14bは、図3に示すように、RGBの階調値の複数の組み合わせを含んでいる。具体的には、ホワイトバランス調整テーブル14bは、初期値の組み合わせ、青味が強い場合の組み合わせ、赤味が強い場合の組み合わせ、緑味が強い場合の組み合わせ、および、黄味が強い場合の組み合わせを含んでいる。初期値の組み合わせは、ホワイトバランス設定値14aに最初に設定されている組み合わせである。青(赤、緑または黄)味が強い場合の組み合わせは、ホワイトバランス調整時に、判定者が青(赤、緑または黄)味が強いと判定した場合にホワイトバランス設定値14aに設定される組み合わせである。また、初期値の組み合わせ、および、青(赤、緑または黄)味が強い場合の組み合わせは、それぞれ、予め決められた固定値である。また、初期値の組み合わせ、および、青(赤、緑または黄)味が強い場合の組み合わせは、RGBの階調値のうち、いずれか1つの色の階調値が階調値の上限である511に設定されており、511に設定された色以外の階調値は、上限の511を基準に設定されている。たとえば、初期値の組み合わせの場合、Gの階調値が、上限の511に設定されている。また、RおよびBの階調値が、Gの階調値511を基準に、それぞれ、480および500に設定されている。
【0024】
リモコン2は、液晶TV本体1を赤外線通信により遠隔操作可能に構成されている。リモコン2は、図1に示すように、操作部21と、送信部22とを含んでいる。操作部21は、液晶TV本体1への操作の入力を受け付けるように構成されている。操作部21は、図2に示すように、情報選択用色キー211a〜211dと、電源キー212と、チャンネル選局キー213と、音量キー214と、データ放送キー215とを含んでいる。情報選択用色キー211a〜211dは、それぞれ、青、赤、緑および黄の色を有している。また、情報選択用色キー211a〜211dは、液晶表示部12に表示されるデータ放送情報を色により選択するために使用される。また、情報選択用色キー211a〜211dは、ホワイトバランス調整時に液晶表示部12に表示される白ベタ画面の色味の判定を入力する際に使用される。電源キー212は、液晶TV本体1の電源を入れたり、切ったりする際に使用される。チャンネル選局キー213は、チャンネルを選局する際に使用される。音量キー214は、液晶TV本体1の音量を調整する際に使用される。データ放送キー215は、データ放送を受信する際に使用される。なお、情報選択用色キー211a〜211dは、本発明の「所定のキー」の一例である。
【0025】
送信部22は、操作部21の操作に基づいて、赤外線通信信号を液晶TV本体1の受信部15に送信するように構成されている。
【0026】
次に、図4を参照して、液晶テレビジョン装置100の制御部11がホワイトバランス調整を行う処理について説明する。なお、ホワイトバランス調整は、液晶テレビジョン装置100の生産時に液晶表示部12に表示される画像の色合いを調整するために行われる。
【0027】
図4のステップS1において、制御部11は、調整開始信号を受信したか否かを判断する。なお、調整開始信号は、判定者がリモコン2のチャンネル選局キー213を用いて調整開始のための隠しコマンドを入力することにより、制御部11に送信される。制御部11は、調整開始信号を受信するまで、ステップS1の判断を繰り返す。次に、ステップS2において、制御部11は、初期値の組み合わせを記憶部のホワイトバランス調整テーブル14bから読み込む。具体的には、R、GおよびBの階調値として、それぞれ、480、511および500(図3参照)の値を読み込む。ステップS3において、制御部11は、読み込んだRGBの階調値で液晶表示部12に白一色の白ベタ画面を表示させる。
【0028】
ステップS4において、制御部11は、リモコン2の情報選択用色キー211a〜211dが押されたか否かを判断する。情報選択用色キー211a〜211dが押されなければ、ステップS10に進む。情報選択用色キー211a〜211dが押されれば、ステップS5において、制御部11は、何色の情報選択用色キー211a〜211dが押されたかを判断する。なお、判定者は、液晶表示部12に表示された白ベタ画面を目視にて確認して、青(赤、緑または黄)味が強いと判定すれば、青(赤、緑または黄)色の情報選択用色キー211a(211b、211cまたは211d)を押下する操作を行う。青色の情報選択用色キー211aが押された場合、ステップS6において、制御部11は、青味が強い場合の組み合わせを記憶部のホワイトバランス調整テーブル14bから読み込む。具体的には、R、GおよびBの階調値として、それぞれ、511、500および480(図3参照)の値を読み込む。赤色の情報選択用色キー211bが押された場合、ステップS7において、制御部11は、赤味が強い場合の組み合わせを記憶部のホワイトバランス調整テーブル14bから読み込む。具体的には、R、GおよびBの階調値として、それぞれ、480、500および511(図3参照)の値を読み込む。
【0029】
また、緑色の情報選択用色キー211cが押された場合、ステップS8において、制御部11は、緑味が強い場合の組み合わせを記憶部のホワイトバランス調整テーブル14bから読み込む。具体的には、R、GおよびBの階調値として、それぞれ、505、511および490(図3参照)の値を読み込む。黄色の情報選択用色キー211dが押された場合、ステップS9において、制御部11は、黄味が強い場合の組み合わせを記憶部のホワイトバランス調整テーブル14bから読み込む。具体的には、R、GおよびBの階調値として、それぞれ、490、505および511(図3参照)の値を読み込む。
【0030】
ステップS10において、制御部11は、読み込まれたRGBの階調値の組み合わせを記憶部14のホワイトバランス設定値14aに設定して、ホワイトバランス調整を行う処理を終了する。
【0031】
本実施形態では、上記のように、判定者による白ベタ画面に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、RGBの階調値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブル14bから、1組のRGBの階調値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部11を設けることによって、判定者の所定の操作に基づいて、制御部11により、色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから自動的に1組のRGBの階調値の組み合わせが選択されるので、色のバランスを繰り返し微調整しながら、RGBの階調値の組み合わせを設定する必要がなく、その分、ホワイトバランス調整を行う際の作業者の負担を軽減することができる。
【0032】
また、本実施形態では、ホワイトバランス調整テーブル14bの複数組の上記組み合わせを、それぞれ、RGBの階調値のうちいずれか1つを上限値に設定して、他の色の階調値は上限値を基準に設定するとともに、制御部11を、ホワイトバランス調整テーブル14bから、1組のRGBの階調値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成することによって、上限値に設定された色の階調値を基準に、他の色の階調値が設定されるので、RGBの階調値が過度に小さくなることを抑制することができ、その結果、ホワイトバランス調整の際に、出力値の低下に伴って輝度が低下することを抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態では、液晶テレビジョン装置100の生産時において、判定者によるホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、ホワイトバランス調整テーブル14bから、1組のRGBの階調値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように制御部11を構成することによって、生産時の作業者の操作負担を軽減することができるので、液晶テレビジョン装置100の生産性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態では、液晶テレビジョン装置100がユーザにより使用される際に、液晶表示部12に表示される情報を色により選択するための4つの情報選択用色キー211a〜211dをリモコン2に設け、液晶テレビジョン装置100が生産される際に、リモコン2の4つの情報選択用色キー211a〜211dをホワイトバランスの調整時の選択キーとして流用するとともに、制御部11を、ホワイトバランスの調整時に判定者により4つの情報選択用色キー211a〜211dのうちいずれかが押下される操作に基づいて、ホワイトバランス調整テーブル14bから、1組のRGBの階調値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成することによって、リモコン2に設けられた4つの情報選択用色キー211a〜211dを流用してホワイトバランス調整を行うことができるので、ホワイトバランス調整のための装置を別途設ける必要がなく、部品点数が増加することを抑制することができる。また、情報選択用色キー211a〜211dを用いてホワイトバランス調整を行うことによって、判定者が青、赤、緑および黄の色により直感的に操作を行うことができるので、ホワイトバランス調整の作業効率を効果的に向上させることができる。
【0035】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0036】
たとえば、上記実施形態では、本発明の表示装置およびテレビジョン装置の一例として液晶テレビジョン装置を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、液晶テレビジョン装置以外のテレビジョン装置に適用してもよいし、液晶テレビジョン装置以外の表示装置に適用してもよい。たとえば、パソコン用の液晶ディスプレイやカーナビゲーションシステムに搭載される液晶モニタ等に本発明の表示装置を適用してもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、ホワイトバランス調整テーブルには、初期値、青味が強い、赤味が強い、緑味が強いおよび黄味が強いの5組の複数の色の出力値の組み合わせが含まれている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ホワイトバランス調整テーブルには、5組以外の複数組の複数の色の出力値の組み合わせが含まれていてもよい。たとえば、青味がとても強い、青味が少し強いなどとさらに細かい分類の組み合わせにしてもよいし、初期値、青味が強いおよび赤味が強いの3組の簡易な分類の組み合わせにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、複数の色の出力値としてのRGBの階調値のうちいずれか1つの色の階調値が上限値に設定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくとも1つの色の出力値が上限値に設定されていれば、2つ以上の色の出力値が上限値に設定されていてもよい。たとえば、RGBの階調値のうちRおよびGの階調値が上限値に設定され、Bの階調値は上限値を基準に設定されていてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、リモコンの情報選択用色キーが押下される操作に基づいて、ホワイトバランスを調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、リモコンの情報選択用色キー以外のキーの操作に基づいて、ホワイトバランスを調整してもよいし、OSD(オンスクリーンディスプレイ)の操作に基づいて、ホワイトバランスを調整してもよい。また、リモコンを用いずにタッチパネルの操作などに基づいてホワイトバランスを調整してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、バックライトは、光源としてLED素子を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、バックライトは、LED素子以外の冷陰極管(CCFL)などの光源を含む構成でもよい。
【符号の説明】
【0042】
2 リモコン
11 制御部
12 液晶表示部(表示部)
14b ホワイトバランス調整テーブル
16 チューナ
100 液晶テレビジョン装置(表示装置、テレビジョン装置)
211a、211b、211c、211d 情報選択用色キー(所定のキー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホワイトバランスを調整する際の基準画像を表示可能な表示部と、
判定者による前記基準画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、複数の色の出力値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組の前記複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部とを備える、表示装置。
【請求項2】
前記ホワイトバランス調整テーブルの複数組の前記組み合わせは、それぞれ、前記複数の色の出力値のうち少なくとも1つが上限値に設定され、他の色の出力値は上限値を基準に設定されており、
前記制御部は、前記ホワイトバランス調整テーブルから、1組の前記複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示装置の生産時において、前記判定者によるホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、前記ホワイトバランス調整テーブルから、1組の前記複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示装置がユーザにより使用される際に、前記表示装置を操作可能なリモコンをさらに備え、
前記制御部は、前記判定者により前記リモコンの所定のキーが押下される操作に基づいて、前記ホワイトバランス調整テーブルから、1組の前記複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記リモコンは、前記表示装置がユーザにより使用される際に、前記表示部に表示される情報を色により選択するための複数の情報選択用色キーを含み、
前記表示装置が生産される際に、前記リモコンの前記複数の情報選択用色キーがホワイトバランスの調整時の選択キーとして流用されるとともに、前記制御部は、ホワイトバランスの調整時に前記判定者により前記複数の情報選択用色キーのうちいずれかが押下される操作に基づいて、前記ホワイトバランス調整テーブルから、1組の前記複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整するように構成されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
ホワイトバランスを調整する際の基準画像を表示可能な表示部と、
テレビジョン信号を受信するチューナと、
判定者による前記基準画像に対するホワイトバランスの調整に関する操作に基づいて、複数の色の出力値の組み合わせが色味に応じて予め設定された複数組の組み合わせを含むホワイトバランス調整テーブルから、1組の前記複数の色の出力値の組み合わせを選択してホワイトバランスを調整する制御部とを備える、テレビジョン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−238990(P2012−238990A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105941(P2011−105941)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】