説明

表示装置および光源装置

【課題】それぞれが発光部を有する発光モジュールを複数並べて配置した光源装置等において、輝度ムラの発生を抑制する。
【解決手段】光源装置の発光装置は、Bottom側からTop側に向けて縦方向に配列され、それぞれがBottom側からTop側に向けて光を出射する発光部を有する第1発光モジュール〜第5発光モジュールを備えており、第1発光モジュール〜第5発光モジュールは、それぞれ複数の第1発光ユニット50a〜第5発光ユニット50eで構成される。第1発光ユニット50a〜第5発光ユニット50eはそれぞれ4つのLED52と4つのレンズ54とを備えており、例えば第4発光ユニット50dに設けられる第4レンズ54dの指向性を、そのTop側に隣接する第5発光ユニット50eに設けられた第5レンズ54eの指向性よりも高く設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示を行う表示装置および光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶テレビや液晶モニタに代表される液晶表示装置などの表示装置では、表示パネルの背面から光を照射するために、バックライト装置と呼ばれる発光装置が設けられている。
この種のバックライト装置として、例えば表示パネルの直下(背面)に平面状に光源を配置する直下型と呼ばれるものが知られている。この直下型のバックライト装置は、輝度を高く確保できるという点で優れているが、光源の直上となる部位が周囲に比して明るくなりやすいため、輝度ムラが発生しやすくなる。また、混色を促進するために光源から表示パネル等の被照射物までの光路長をある程度長く確保する必要がある。そのため、直下型のバックライト装置では、装置の厚みが厚くなりやすい。
【0003】
また、表示パネルの背面に導光板を設け、この導光板の二辺あるいは一辺に光源を配置し、導光板の側面側から入射させた光を導光板の裏面側に設けた反射部によって表示パネル側に反射させる所謂エッジライト型と呼ばれるバックライト装置も知られている。このエッジライト型のバックライト装置は、光源から表示パネル等の被照射物までの光路長を確保しやすいため、上述した直下型のバックライト装置と比較して、装置を薄くできるという利点がある。一方、エッジライト型のバックライト装置では、光源の取り付け位置が表示パネルの側部に限られることから、例えば40インチサイズ以上となる大型の表示装置においては、光源から遠い側において光量が低下し輝度ムラが発生しやすくなる。
【0004】
さらに、表示パネルのサイズによって導光板のサイズが決まることから、表示パネルが大きくなるほど導光板のサイズも大きくせざるを得ない。そして、導光板のサイズが大きくなるに従い、導光板の機械的な強度が低下したり、あるいは、導光板の重量が増加したりする等の新たな問題が生じてしまう。
【0005】
公報記載の従来技術として、表示パネルの直下に、表示パネル面とほぼ平行な方向に光を出射する発光体と発光体から出射された光を表示パネル面側に反射する反射体とを組とする発光モジュールを光の出射方向が揃うように複数並べて配置するようにした技術が存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−286639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば上記特許文献1のようにバックライト装置を構成した場合、発光モジュールから出射された光は主に表示パネル側に向かうが、一部の光はさらに出射方向の下流側に位置する他の発光モジュール側へと進む。すると、発光モジュールの出射方向の下流側に位置する他の発光モジュールが設けられている領域は、出射方向の下流側に設けられる他の発光モジュールから出射される光に、その上流側の発光モジュールで出射された光が加えられた状態となる。すると、出射方向下流側の光量が出射方向上流側の光量よりも増加することになってしまい、バックライト装置から出力される面状光に輝度ムラが生ずるおそれがあった。
【0008】
本発明は、それぞれが発光部を有する発光モジュールを複数並べて配置した光源装置等において、輝度ムラの発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像表示を行う表示パネルと、表示パネルの背面に設けられ表示パネルに向けて光を照射するバックライト装置とを備えた表示装置であって、バックライト装置は、一端側から他端側に向けて延びて展開されるフレームと、フレームに配置され、一端側から他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第1のレンズ部材とを用いて一端側から他端側に向かう光を出射する第1の発光部と、第1の発光部から出射された光を表示パネル側に向けて反射する第1の反射部材とを有する第1の発光モジュールと、フレームに第1の発光モジュールの他端側と隣り合うように配置され、一端側から他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第2のレンズ部材を用いて一端側から他端側に向かう光を出射する第2の発光部と、第2の発光部から出射された光を表示パネル側に向けて反射する第2の反射部材とを有する第2の発光モジュールとを備え、第1のレンズ部材の指向性が、第2のレンズ部材の指向性よりも高く設定されることを特徴としている。
【0010】
このような表示装置において、バックライト装置は、第1の発光モジュールおよび第2の発光モジュールから出射され、導光板を介さずに入射する光を拡散して表示パネル側に出射する拡散部材をさらに備えることを特徴とすることができる。
また、フレームの他端部側の端部に設けられ、第1の発光モジュールおよび第2の発光モジュールから入射する光を吸収する吸収体をさらに備えることを特徴とすることができる。
【0011】
また、他の観点から捉えると、本発明は、画像表示を行う表示パネルと、表示パネルの背面に設けられ表示パネルに向けて光を照射するバックライト装置とを備えた表示装置であって、バックライト装置は、一端側から他端側に向けて延びて展開されるフレームと、フレームに配置され、一端側から他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第1のレンズ部材とを用いて一端側から他端側に向かう光を出射する第1の発光部と、第1の発光部から出射された光を表示パネル側に向けて反射する第1の反射部材とを有する第1の発光モジュールと、フレームに第1の発光モジュールの他端側と隣り合うように配置され、一端側から他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第2のレンズ部材を用いて一端側から他端側に向かう光を出射する第2の発光部と、第2の発光部から出射された光を表示パネル側に向けて反射する第2の反射部材とを有する第2の発光モジュールとを備え、第1のレンズ部材の曲率が、第2のレンズ部材の曲率よりも小さく設定されることを特徴としている。
【0012】
このような表示装置において、第1の発光部を構成する複数の発光素子および第2の発光部を構成する複数の発光素子が、発光ダイオードであることを特徴とすることができる。
【0013】
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される光源装置は、一端側から他端側へと延びて展開されるフレームと、フレームに配置され、一端側から他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第1のレンズ部材とを用いて一端側から他端側に向かう光を出射する第1の発光部と、第1の発光部から出射された光をフレームとは逆側に向けて反射する第1の反射部材とを有する第1の発光モジュールと、フレームに第1の発光モジュールの他端側と隣り合うように配置され、一端側から他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第2のレンズ部材とを用いて一端側から他端側に向かう光を出射する第2の発光部と、第2の発光部から出射された光をフレームとは逆側に向けて反射する第2の反射部材とを有する第2の発光モジュールとを備え、第1のレンズ部材の指向性が、第2のレンズ部材の指向性よりも高く設定されることを特徴としている。
【0014】
このような光源装置において、第2のレンズ部材の曲率が、第1のレンズ部材の曲率よりも大きく設定されることを特徴としている。
また、第1の発光モジュールおよび第2の発光モジュールから出射され、導光板を介さずに入射する光を拡散して外部に出射する拡散部材をさらに備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、それぞれが発光部を有する発光モジュールを複数並べて配置した光源装置等において、輝度ムラの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態が適用される液晶表示装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】光源装置の構成の一例を示す図である。
【図3】発光モジュールの構成の一例を説明するための斜視図である。
【図4】(a)は発光モジュールの上面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】発光ユニットの構成の一例を説明するための図である。
【図6】第1発光ユニット〜第5発光ユニットのそれぞれに設けられた第1レンズ〜第5レンズの光の出射特性を説明するための図である。
【図7】第2発光モジュールにおける光の挙動を説明するための図である。
【図8】第1発光モジュール〜第5発光モジュールのそれぞれから出射される光と、拡散板での光の到達領域との関係の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される液晶表示装置の全体構成の一例を示す図である。
この液晶表示装置は、液晶表示モジュール20と、この液晶表示モジュール20の背面側(図1に示す例では下側)に設けられるバックライト装置10とを備えている。なお、この液晶表示装置は、実際には立てた状態で使用されることとなるが、図1には、液晶表示装置を使用する際の縦方向Vと横方向Hとをそれぞれ矢印で示している。また、図1に示す液晶表示装置は縦方向Vよりも横方向Hの方が大きい横長形状を有しているが、縦長形状の構成としてもかまわない。
【0018】
バックライト装置10は、液晶表示モジュール20に向けて光を照射する光源装置11と、可視光に対し光透過性を有する光学フィルムの積層体からなり、面全体を均一な明るさとするために光を拡散・散乱させる拡散部材の一例としての拡散板(板またはフィルム)12と、前方への集光効果を持たせた回折格子フィルムであるプリズムシート13、14とを備えている。また、バックライト装置10には、必要に応じて、輝度を向上させるための拡散・反射型の輝度向上フィルム15が備えられる。
【0019】
一方、液晶表示モジュール20は、2枚のガラス基板により液晶が挟み込まれて構成される表示パネルの一例としての液晶パネル21と、この液晶パネル21の各々のガラス基板に積層され、光波の振動を所定の方向に制限するための偏光板22、23とを備えている。さらに、この液晶表示モジュール20には、図示しない駆動用LSIなどの周辺部材も装着される。
【0020】
液晶パネル21は、図示しない各種構成要素を含んで構成されている。例えば、2枚のガラス基板に、図示しない表示電極、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのアクティブ素子、液晶、スペーサ、シール剤、配向膜、共通電極、保護膜、カラーフィルタ等が設けられている。
なお、バックライト装置10の構成単位は任意に選択される。例えば、光源装置11だけの単位にて「バックライト装置」と呼び、拡散板12、プリズムシート13、14、輝度向上フィルム15などを含まない流通形態もあり得る。
【0021】
図2は、光源装置11の構成の一例を説明するための図であり、光源装置11を図1の上側からみた上面図を示している。本実施の形態では、液晶表示モジュール20の背面直下に光源装置11を配置するバックライト構造を採用している。なお、本実施の形態に係るバックライト装置10は、所謂導光板(ライトガイド)を備えていない。
【0022】
光源装置11は、図中手前側に向かって開口するバックライトフレーム31と、バックライトフレーム31に収容され、図中手前側に向けて光を出射する発光装置32と、図示しない外部の電源から発光装置32に電力を供給する給電ケーブル33とを備えている。
【0023】
バックライトフレーム31は、例えばアルミニウムやマグネシウム、鉄、またはそれらを含む金属合金などで形成された筐体構造を有している。このような筐体構造として、バックライトフレーム31は、図1に示す液晶表示モジュール20の大きさに対応して設けられ、縦方向Vおよび横方向Hに延びる背面部と、背面部から手前側に向けて突出し、背面部の四隅を囲う側面部を備えている。そして、その筐体構造の側面部内側には、例えば白色のポリエステルフィルムなどが貼られ、リフレクタとしても機能するようになっている。なお、ここでいう「縦方向Vに延びる」とは、液晶表示装置を立てた際に、バックライトフレーム31の背面部が上下方向に高さを有するという意味である。
【0024】
発光装置32は、それぞれが横方向Hに向かって延び、且つ、縦方向Vに配列された複数(本実施の形態では5つ)の発光モジュール40(具体的には40a〜40e)を有している。なお、以下の説明においては、必要に応じて、これらをそれぞれ、第1発光モジュール40a、第2発光モジュール40b、第3発光モジュール40c、第4発光モジュール40dおよび第5発光モジュール40eと呼ぶことにする。図2に示すように、第1発光モジュール40aは縦方向Vにおいて最も下側(Bottom側)に、第5発光モジュール40eは縦方向Vにおいて最も上部側(Top側)にそれぞれ位置しており、Bottom側からTop側に向かって、第1発光モジュール40a、第2発光モジュール40b、第3発光モジュール40c、第4発光モジュール40d、第5発光モジュール40eの順で並べられている。また、本実施の形態において、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eは、それぞれ、Bottom側からTop側すなわち縦方向Vに向けて光を出射し、且つ、各々において出射した光を図中手前側に向けて反射するように構成されている。なお、本実施の形態では、「Bottom側」が一端側に、「Top側」が他端側に、それぞれ対応している。
【0025】
給電ケーブル33は、折り処理が可能なフレキシブルフラットケーブルにて構成されており、バックライトフレーム31の内側であって図中右側に部位に設けられている。そして、給電ケーブル33の一端側は光源装置11の外部から受電を行うためのコネクタ(図示せず)に、その他端側は第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれに設けられたコネクタ43に、それぞれ接続されている。
【0026】
また、バックライトフレーム31のTop側の側面部内側には、吸収体35が設けられている。この吸収体35は、発光装置32からバックライトフレーム31のTop側端部に入射してくる光を吸収する。そして、この吸収体35は、バックライトフレーム31のTop側の側面内側に黒色を呈する板状の部材を取り付けることによって構成される。なお、吸収体35を、例えば黒色を呈する塗料等を用いた塗装によって形成してもかまわない。
【0027】
続いて、発光モジュール40の構成について説明する。なお、ここでは、まず、発光モジュール40として第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eに共通の構成を説明し、次いで、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれにおいて特有の構成を説明することにする。
【0028】
図3は、発光モジュール40の構成の一例を説明するための斜視図を示している。また、図4(a)は図3に示す発光モジュール40の上面図を、図4(b)は図4(a)のA−A断面図を、それぞれ示している。
発光モジュール40は、横方向Hに沿って並べられた複数の発光素子の一例としての複数の発光ダイオード(以下の説明ではLEDと呼ぶ)を有し、縦方向VすなわちBottom側からTop側に向けて光を発する発光部41と、発光部41が取り付けられて発光部41を支持するとともに発光部41の複数のLEDに給電を行う配線を具備する配線基板42と、配線基板42の横方向Hの一端部側に設けられ、配線基板42を介して発光部41の複数のLEDに給電を行うコネクタ43とを備えている。
【0029】
また、発光モジュール40は、配線基板42における発光部41の取り付け面側において発光部41のTop側に固定され、発光部41から出射された光を拡散板12(図1参照)側に向けて反射する反射板44と、反射板44のTop側に形成され、発光装置32(図2参照)を構成した際に隣接する発光モジュール40(例えば第1発光モジュール40aの場合は第2発光モジュール40b)に設けられた発光部41から拡散板12(図1参照)側に向かって進行する光の透過量すなわち光量を調整する調整部材45と、発光部41近傍の反射板44上に横方向Hに沿って設けられ、発光部41から入射する光の一部を吸収する吸収部46とを備えている。
【0030】
これらのうち、発光部41は、横方向Hに沿って一列に並べられた複数の発光ユニット50を有している。そして、各発光ユニット50は、それぞれ、横方向Hに沿って一列に並べられた4個のLEDを備えている。
【0031】
また、配線基板42は、所謂FPC(Flexible Printed Circuits)で構成されており、その一方の面側に露出形成される電極と、各発光ユニット50に設けられた電極とがはんだによって接続、固定されている。
さらに、コネクタ43は、圧着あるいははんだ付けによって配線基板42に接続、固定されている。
【0032】
また、反射板44は、白色を呈する樹脂によって構成されている。この反射板44を構成する材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂に白色顔料として二酸化チタンを含有させたものを用いることができる。
【0033】
そして、反射板44は、矩形状の第1反射部44aと、この第1反射部44aの一方の長辺側から傾斜して延設される矩形状の第2反射部44bとを備えている。ここで、第1反射部44aは、配線基板42の発光部41の取り付け面側において、発光部41よりもTop側においてその長辺が横方向Hに沿うように配置される。また、上述した吸収部46は、第1反射部44aに取り付けられる。一方、第2反射部44bは、第1反射部44aのTop側の端部から、発光部41にて出射される光の経路を遮る側に傾斜して配置される。すなわち、第2反射部44bは、発光部41から離れるにしたがってバックライトフレーム31から遠ざかるように形成されている。そして、本実施の形態では、第1反射部44aの面の延長線と第2反射部44bの面とのなす角度θが約15°となるように設定されている。なお、この角度θは10°以上20°以下の範囲から選択することが好ましい。
【0034】
また、調整部材45は、反射板44と同様に、白色を呈する樹脂によって構成されている。この調整部材45を構成する材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂に白色顔料として二酸化チタンを含有させたものを用いることができる。
【0035】
そして、調整部材45は、第2反射部44bよりもTop側であってその長辺が横方向Hに沿うように配置される。ここで、調整部材45の上面は、第2反射部44bのTop側からさらにTop側へと向かうよう、下方に空間を形成しつつ第1反射部44aとほぼ平行に設けられる。
【0036】
以上のように構成される調整部材45は、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eを並べて発光装置32を構成した際に、隣接する発光モジュール40の発光部41を覆うように設けられる。例えば図4(b)に示すように、第1発光モジュール40aに設けられた調整部材45は、隣接する第2発光モジュール40bの発光部41を、拡散板12側にて覆うように配置される。ここで、調整部材45は、Bottom側となる一端側45aからTop側となる他端側45bに向かうに従って、厚みが漸次減少するように形成されている。そして、調整部材45は、一端側45aから他端側45bの間において、隣接する発光モジュール40の発光部41から出射される光を適宜調整して透過できる程度の厚みを有している。
なお、本実施の形態では、反射板44および調整部材45が一体化した構造を有している。
【0037】
吸収部46は、第1反射部44aにおいて発光部41のTop側にあって、その長辺が横方向Hに沿うように設けられる。また、吸収部46は、発光部41の近傍から光照射方向(Bottom側からTop側へ)に向かって所定の幅を有して設けられる。この吸収部46は、第1反射部44aに灰色(グレー)を呈する塗料等を塗装することで形成されている。なお、吸収部46が呈する色は、マンセル表色系で定義される明度(無彩色)でN5以上N7以下であることが好ましい。以上のように構成される吸収部46は、発光部41から入射する光の一部を吸収し、残りを拡散板12側に向けて反射する。なお、吸収部46については、上述した塗装の他、上記構成を有する部材を第1反射部44aに取り付けるものであってもかまわない。
【0038】
図5は、発光ユニット50の構成の一例を説明するための図である。ここで、図5(a)は発光ユニット50をTop側からみた正面図を、図5(b)は第1発光モジュール40aに設けられた発光ユニット50(以下の説明では第1発光ユニット50aと呼ぶ)の側面図を、図5(c)は第2発光モジュール40bに設けられた発光ユニット50(以下の説明では第2発光ユニット50bと呼ぶ)の側面図を、図5(d)は第3発光モジュール40cに設けられた発光ユニット50(以下の説明では第3発光ユニット50cと呼ぶ)の側面図を、図5(e)は第4発光モジュール40dに設けられた発光ユニット50(以下の説明では第4発光ユニット50dと呼ぶ)の側面図を、図5(f)は第5発光モジュール40eに設けられた発光ユニット50(以下の説明では第5発光ユニット50eと呼ぶ)の側面図を、それぞれ示している。
【0039】
発光ユニット50は、矩形状に形成され、図示しない配線が形成された板状基板51と、板状基板51のTop側の面(以下の説明では表面と呼ぶ)に一列に並べて取り付けられる4個のLED52とを備える。また、発光ユニット50は、板状基板51の表面側において、各LED52の取り付け位置の周辺を除いた部位に形成される白色のレジスト膜53と、板状基板51の表面側において4個のLED52をそれぞれ覆う4個のレンズ54とをさらに備えている。そして、4個のLED52は、図5(a)において左側から、赤色光を発する赤色LED52R、緑色光を発する第1緑色LED52Ga、青色光を発する青色LED52B、緑色光を発する第2緑色LED52Gbとなっている。このような配置を行うことで、複数の発光ユニット50を一列に並べて発光部41(図3参照)を構成した際に、赤、緑、青、緑、赤、緑、青、緑、赤、…、の順でLED52が配列されることになる。すなわち、1つおきに配列される緑の間に、赤、青が交互に配列される。
【0040】
ここで、本実施の形態では、第1発光モジュール40aを構成する第1発光ユニット50aに設けられるレンズ54(以下の説明では第1レンズ54aと呼ぶ)と、第2発光モジュール40bを構成する第2発光ユニット50bに設けられるレンズ54(以下の説明では第2レンズ54bと呼ぶ)と、第3発光モジュール40cを構成する第3発光ユニット50cに設けられるレンズ54(以下の説明では第3レンズ54cと呼ぶ)と、第4発光モジュール40dを構成する第4発光ユニット50dに設けられるレンズ54(以下の説明では第4レンズ54dと呼ぶ)、第5発光モジュール40eを構成する第5発光ユニット50eに設けられるレンズ54(以下の説明では第5レンズ54eと呼ぶ)とにおいて、それぞれの内部に設けられたLED52からの光の出射面が曲面となっている点では共通するが、それぞれの曲面形状は異なっている。
【0041】
より具体的に説明すると、第1レンズ54a〜第5レンズ54eは、それぞれの底面が直径Dの円形状と設定される一方、その高さは、第1レンズ54aにおいては第1の高さHaに、第2レンズ54bにおいては第2の高さHbに、第3レンズ54cにおいては第3の高さHcに、第4レンズ54dにおいては第4の高さHdに、第5レンズ54eにおいては第5の高さHeに、それぞれ設定されている。ここで、Ha>Hb>Hc>Hd>Heである。
【0042】
図6は、第1発光ユニット50a〜第5発光ユニット50eのそれぞれに設けられた第1レンズ54a〜第5レンズ50eの光の出射特性を説明するための図である。ここで、図6(a)は第1発光ユニット50aを、図6(b)は第2発光ユニット50bを、図6(c)は第3発光ユニット50cを、図6(d)は第4発光ユニット50dを、図6(e)は第5発光ユニット50eを、それぞれ例示している。
【0043】
本実施の形態では、最もBottom側となる第1発光ユニット50aに設けられた第1レンズ54aよりも、そのTop側に隣接する第2発光ユニット50bに設けられた第2レンズ54bの方がより扁平な形状となっている。また、第2発光ユニット50bに設けられた第2レンズ54bよりも、そのTop側に隣接する第3発光ユニット50cに設けられた第3レンズ54cの方がより扁平な形状となっている。さらに、第3発光ユニット50cに設けられた第3レンズ54cよりも、そのTop側に隣接する第4発光ユニット50dに設けられた第4レンズ54dの方がより扁平な形状となっている。さらにまた、第4発光ユニット50dに設けられた第4レンズ54dよりも、そのTop側であって最もTop側となる第5発光ユニット50eに設けられた第5レンズ54eの方がより扁平な形状となっている。
【0044】
したがって、本実施の形態では、第1レンズ54aに比べて第2レンズ54bの曲率がより大きく設定され、第2レンズ54bに比べて第3レンズ54cの曲率がより大きく設定され、第3レンズ54cに比べて第4レンズ54dの曲率がより大きく設定され、第4レンズ54dに比べて第5レンズ54eの曲率がより大きく設定されていることになる。
【0045】
より具体的に説明すると、第2レンズ54bのうちLED52の直上となる領域の曲率半径は、第1レンズ54aのうちLED52の直上となる領域の曲率半径よりも大きく設定される。また、第3レンズ54cのうちLED52の直上となる領域の曲率半径は、第2レンズ54bのうちLED52の直上となる領域の曲率半径よりも大きく設定される。さらに、第4レンズ54dのうちLED52の直上となる領域の曲率半径は、第3レンズ54cのうちLED52の直上となる領域の曲率半径よりも大きく設定される。さらにまた、第5レンズ54eのうちLED52の直上となる領域の曲率半径は、第4レンズ54dのうちLED52の直上となる領域の曲率半径よりも大きく設定される。
【0046】
このため、第1発光モジュール40aを構成する第1発光ユニット50aにおいてLED52から第1レンズ54aを介して出射される光に比べて、第2発光モジュール40bを構成する第2発光ユニット50bにおいてLED52から第2レンズ54bを介して出射される光は、その指向性が低下することから、より拡がった状態で外部に出力されることになる。また、第2発光モジュール40bを構成する第2発光ユニット50bにおいてLED52から第2レンズ54bを介して出射される光に比べて、第3発光モジュール40cを構成する第3発光ユニット50cにおいてLED52から第3レンズ54cを介して出射される光は、その指向性が低下することから、より拡がった状態で外部に出力されることになる。さらに、第3発光モジュール40cを構成する第3発光ユニット50cにおいてLED52から第3レンズ54cを介して出射される光に比べて、第4発光モジュール40dを構成する第4発光ユニット50dにおいてLED52から第4レンズ54dを介して出射される光は、その指向性が低下することから、より拡がった状態で外部に出力されることになる。さらにまた、第4発光モジュール40dを構成する第4発光ユニット50dにおいてLED52から第4レンズ54dを介して出射される光に比べて、第5発光モジュール40eを構成する第5発光ユニット50eのLED52から第5レンズ54eを介して出射される光は、その指向性が低下することから、より拡がった状態で外部に出力されることになる。
【0047】
ここで、例えば第1発光モジュール40aを第1の発光モジュールとしてみた場合、第2発光モジュール40bが第2の発光モジュールとなる。したがって、第1発光モジュール40aでは、複数の第1発光ユニット50aを並べて構成した発光部41が第1の発光部として機能し、第1レンズ54aが第1のレンズとして機能する。また、第2発光モジュール40bでは、複数の第2発光ユニット50bを並べて構成した発光部41が第2の発光部として機能し、第2レンズ54bが第2のレンズとして機能する。
【0048】
一方、例えば第4発光モジュール40dを第1の発光モジュールとしてみた場合、第5発光モジュール40eが第2の発光モジュールとなる。したがって、第4発光モジュール40dでは、複数の第4発光ユニット50dを並べて構成した発光部41が第1の発光部として機能し、第4レンズ54dが第1のレンズとして機能する。また、第5発光モジュール40eでは、複数の第5発光ユニット50eを並べて構成した発光部41が第2の発光部として機能し、第5レンズ54eが第2のレンズとして機能する。
【0049】
なお、ここではこれ以上説明しないが、第2発光モジュール40bと第3発光モジュール40cとの間、および、第3発光モジュール40cと第4発光モジュール40dとの間においても、同様の関係が成り立つ。
【0050】
では次に、図1〜図6を参照して、本実施の形態に係るバックライト装置10の発光動作について説明する。
図示しない電源により、給電ケーブル33を介して発光装置32を構成する第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eに電力供給が行われる。すると、例えば第1発光モジュール40aでは、配線基板42を介して、発光部41を構成する各発光ユニット50に設けられた赤色LED52R、第1緑色LED52Ga、青色LED52B、第2緑色LED52Gbにそれぞれ電流が流れる。その結果、各発光ユニット50の赤色LED52R、第1緑色LED52Ga、青色LED52B、第2緑色LED52Gbから、第1レンズ54aを介して、赤色(R)、緑色(G)、青(B)の光がTop側に向かって出射される。
【0051】
そして、各発光ユニット50からTop側に向けて出射されたRGBの光は、バックライトフレーム31内を進むうちに混色され、白色光となる。そして、混色された白色光は反射板44によって反射され、拡散板12側へと向かう。なお、他の第2発光モジュール40b〜第5発光モジュール40eにおいても、同様の手順によって出射、混色された白色光が拡散板12側へと向かう。そして、拡散板12に入射した白色光は、拡散板12でさらに混色および輝度の均一化がなされた後、プリズムシート13、14および輝度向上フィルム15を透過し、液晶表示モジュール20に向けて出射される。
【0052】
本実施の形態のバックライト装置10では、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれに設けられた発光部41が、液晶表示モジュール20の液晶パネル21のパネル面とほぼ平行な方向に光を出射し、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれに設けられた反射板44が、各々の発光部41から出射された光を液晶パネル21に向けて反射している。これにより、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eでは、発光部41から出射されたRGB各色の光が混色するのに十分な光路長さが確保される。したがって、例えば発光部41と拡散板12との距離を短くしても十分な混色が行われ得ることとなるため、バックライト装置10の薄型化を図ることが可能になる。
【0053】
図7は、第2発光モジュール40bにおける光の挙動を説明するための図である。
なお、説明の便宜上、第2発光モジュール40bの発光部41から出射される光のうち、第2発光モジュール40bの第1反射部44aへと向かう光を第1の出射光Bm1、第2発光モジュール40bの第2反射部44bへと向かう光を第2の出射光Bm2、第2発光モジュール40bのBottom側に隣接して配置される第1発光モジュール40aの調整部材45へと向かう光を第3の出射光Bm3、第2発光モジュール40bの吸収部46へと向かう光を第4の出射光Bm4と呼ぶ。
ここでは、第2発光モジュール40bにおける光の挙動について説明を行うが、他の第1発光モジュール40a、第3発光モジュール40c〜第5発光モジュール40eにおいても同様である。
【0054】
まず、第1の出射光Bm1および第2の出射光Bm2の挙動について説明する。
図7に示すように、発光部41から出射された第1の出射光Bm1は、第1反射部44aで反射する。このとき、第1の出射光Bm1の一部は第1反射部44aにて拡散反射して拡散板12へと向かう。また、第1の出射光Bm1の一部は第1反射部44aで正反射してTop側に向けて進行しつつ拡散板12に向かう。
また、発光部41から出射された第2の出射光Bm2は、第2反射部44bで反射する。このとき、第2の出射光Bm2の一部は第2反射部44bにて拡散反射して拡散板12へと向かう。また、第2の出射光Bm2の一部は第2反射部44bで正反射してTop側に進行しつつ拡散板12に向かう。
【0055】
ここで、LED52から出射される光は拡散光であり、拡散光の性質上、第2発光モジュール40bにおいて、発光部41(各発光ユニット50)に近い側すなわちBottom側の領域に比べ、発光部41から遠い側すなわちTop側では光の強度が低くなる。本実施の形態では、この拡散光の性質を考慮して、反射板44のうち、発光部41に近い側には発光部41の光軸方向に対し反射面がほぼ平行な第1反射部44aを位置させ、拡散板12に向かう反射光の光量の割合を小さくするようにしている。一方、発光部41から遠い側には発光部41の光軸方向に対して傾斜する第2反射部44bを位置させ、拡散板12に向かう反射光の光量の割合を大きくするようにしている。
このような構成を採用することで、第2発光モジュール40bを含む第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれにおいて、反射板44による光の反射量の均一化を図っている。
【0056】
次に、第3の出射光Bm3の挙動について説明する。
図7に示すように、発光部41から出射された第3の出射光Bm3は、Bottom側に隣接する第1発光モジュール40aの調整部材45において、一部が吸収されあるいは反射される。そして、第3の出射光Bm3のうち、調整部材45で反射されず且つ調整部材45に吸収されない光は、調整部材45を透過して拡散板12に向かう。ここで、調整部材45では、発光部41に近い一端側45aでは厚みを厚くして、光の強度が高い発光部41の近傍では第3の出射光Bm3を透過させ難くしている。一方、調整部材45では、発光部41から遠い他端側45bでは厚みを一端側45aよりも薄くして、発光部41から遠ざかることにより光の強度が低下した分を補うように、光を透過させ易くしている。
【0057】
これにより、第2発光モジュール40bを含む第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれでは、調整部材45を設けることにより、発光部41が設けられた領域の直上部付近の光量が他の領域と比べて著しく多くなるのを抑制している。また、調整部材45は、発光部41から出射される第3の出射光Bm3を全て吸収あるいは反射して遮ることがないように構成されている。このため、第2発光モジュール40bを含む第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれでは、調整部材45を設けることによって、調整部材45が配置される領域の直上部付近の光量が、他の領域と比べて著しく少なくなるという事態が回避される。
【0058】
今度は、第4の出射光Bm4の挙動について説明する。
図7に示すように、発光部41から出射された第4の出射光Bm4は、吸収部46においてその一部が吸収される。また、第4の出射光Bm4の一部は、吸収部46で反射して拡散板12に向かう。
上述したように、拡散光の性質上、発光部41近傍の光量は、他の領域と比較して多くなる。さらに、発光部41から出射される光のうち、第1反射部44aにおいて発光部41に近い側に入射する光ほどその入射角が小さくなることから、第1反射部44aで正反射した光の反射角も小さくなる。したがって、第1反射部44aにおいて発光部41に近い側で正反射した光は、例えば拡散板12における発光部41の直上部付近に集中しやすくなる。そのため、発光部41の直上部付近の光量は、他の領域と比較して多くなりやすい。
【0059】
これに対し、第2発光モジュール40bを含む第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれでは、吸収部46を発光部41の出射方向すなわちTop側且つ発光部41の近傍に設けることにより、発光部41から出射された光の光量を調整した上で、拡散板12側へと反射させている。これにより、発光部41付近の直上部の光量が、他の領域と比較して著しく多くなるのを抑制している。さらに、吸収部46は、上述したように発光部41から入射してくる第4の出射光Bm4を全て吸収せず、一部を反射させるように構成されている。したがって、第2発光モジュール40bを含む第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれでは、吸収部46が設けられる領域の直上部の光量が、他の領域と比較して著しく少なくなるのを抑制している。
【0060】
このように、本実施の形態では、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eの構成に工夫を施すことで、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eの直上となる領域における輝度ムラの抑制を図っている。
【0061】
図8は、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれから出射される光と、拡散板12での光の到達領域との関係の一例を説明するための図である。
なお、以下の説明においては、拡散板12のうち、第1発光モジュール40aの直上となる領域を第1の領域A1、第2発光モジュール40bの直上となる領域を第2の領域A2、第3発光モジュール40cの直上となる領域を第3の領域A3、第4発光モジュール40dの直上となる領域を第4の領域A4、そして第5発光モジュール40eの直上となる領域を第5の領域A5と呼ぶ。
【0062】
また、以下の説明においては、第1発光モジュール40aから出力される光を第1の光L1、第2発光モジュール40bから出力される光を第2の光L2、第3発光モジュール40cから出力される光を第3の光L3、第4発光モジュール40dから出力される光を第4の光L4、第5発光モジュール40eから出力される光を第5の光L5と呼ぶ。
【0063】
例えば第1発光モジュール40aから出射された第1の光L1は、主としてその直上に位置する第1の領域A1に向かう第1の主光LM1となるが、その一部は第1の領域A1ではなく、これよりもTop側すなわち出射方向下流側となる第2の領域A2〜第5の領域A5に向かう第1の副光LS1となる。また、例えば第2発光モジュール40bから出射された第2の光L2は、主としてその直上に位置する第2の領域A2に向かう第2の主光LM2となるが、その一部はこれよりもTop側となる第3の領域A3〜第5の領域A5に向かう第2の副光LS2となる。さらに、例えば第3発光モジュール40cから出射された第3の光L3は、主としてその直上に位置する第3の領域A3に向かう第3の主光LM3となるが、その一部はこれよりもTop側となる第4の領域A4および第5の領域A5に向かう第3の副光LS3となる。さらにまた、例えば第4発光モジュール40dから出射された第4の光L4は、主としてその直上に位置する第4の領域A4に向かう第4の主光LM4となるが、その一部はこれよりもTop側となる第5の領域A5に向かう第4の副光LS4となる。そして、例えば第5発光モジュール40eから出射された光は、主としてその直上に位置する第5の領域A5に向かう第5の主光LM5となるが、その一部はこれよりもTop側となるバックライトフレーム31のTop側の側面部内側に向かう第5の副光LS5となる。
【0064】
また、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれから拡散板12に向かう光の全てが拡散板12に入射するわけではなく、その一部は拡散板12において発光装置32側に反射される。このとき、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれに設けられた発光部41では、Bottom側からTop側に向かって光を出射しているため、拡散板12からの反射光の多くは、Bottom側からTop側へと向かう。
【0065】
このため、第1の領域A1には、基本的に第1の主光LM1が照射されるのに対し、第2の領域A2には、第2の主光LM2に加えこれよりもBottom側から入射してくる第1の副光LS1の一部も照射されることになる。また、第3の領域A3には、第3の主光LM3に加えこれよりもBottom側から入射してくる第2の副光LS2および第1の副光LS1の一部も照射されることになる。さらに、第4の領域A4には、第4の主光LM4に加えこれよりもBottom側から入射してくる第3の副光LS3、第2の副光LS2および第1の副光LS1の一部も照射されることになる。さらにまた、第5の領域A5には、第5の主光LM5に加えこれよりもBottom側から入射してくる第4の副光LS4、第3の副光LS3、第2の副光LS2および第1の副光LS1の一部が照射されることになる。
【0066】
このため、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eの各単体の構成に工夫を施したとしても、これらを用いてバックライト装置10を構成した場合に、Bottom側よりもTop側において光が累積していくことになり、結果としてBottom側よりもTop側の光量が大きくなりやすくなる。すると、Top側に比べてBottom側の輝度が低下し、縦方向Vに輝度ムラが生ずるおそれがある。
【0067】
これに対し、本実施の形態では、図5および図6を用いて説明したように、発光装置32において最もBottom側となる第1発光モジュール40aに設けられる第1レンズ54aに比べて、第1発光モジュール40aのTop側に隣接する第2発光モジュール40bに設けられる第2レンズ54bを、より曲率の大きいものとした。また、第2発光モジュール40bに設けられる第2レンズ54bに比べて、第2発光モジュール40bのTop側に隣接する第3発光モジュール40cに設けられる第3レンズ54cを、より曲率の大きいものとした。さらに、第3発光モジュール40cに設けられる第3レンズ54cに比べて、第3発光モジュール40cのTop側に隣接する第4発光モジュール40dに設けられる第4レンズ54dを、より曲率の大きいものとした。さららにまた、第4発光モジュール40dに設けられる第4レンズ54dに比べ、第4発光モジュール40dのTop側であって最もTop側に位置する第5発光モジュール40eに設けられる第5レンズ54eを、より曲率の大きいものとした。
【0068】
ここで、例えば第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれから出力される第1の光L1〜第5の光L5の各光量が同じであるものと仮定する。
【0069】
この場合、最もBottom側となる第1発光モジュール40aでは、最も曲率が小さい第1レンズ54aを用いているため、各LED52から第1レンズ54aを介して出力される第1の光L1の指向性が高くなる。その結果、第1の光L1の多くは第1発光モジュール40aに設けられた第2反射部44b(図4参照)へと向かい、この第2反射部44bで反射する。このため、第1発光モジュール40aから出力される第1の光L1の多くが第1の主光LM1となり、残りの一部が第1の副光LS1となる。
【0070】
また、第1発光モジュール40aのTop側に隣接する第2発光モジュール40bでは、第1レンズ54aよりも曲率が大きい第2レンズ54bを用いているため、各LED52から第2レンズ54bを介して出力される第2の光L2の指向性は、第1の光L1よりも低くなる。なお、これを逆の観点からみれば、第2の光L2の拡散性は第1の光L1よりも高くなっていることになる。その結果、第2の光L2の一部(第1の光L1よりも割合は低下している)は第2発光モジュール40bに設けられた第2反射部44b(図4参照)へと向かい、この第2反射部44bで反射する。このため、第2発光モジュール40bから出力される光の一部(第1の光L1よりも割合は減少している)が第2の主光LM2となり、その残り(第1の光L1よりも割合は増加している)が第2の副光LS2となる。
【0071】
さらに、第2発光モジュール40bのTop側に隣接する第3発光モジュール40cでは、第2レンズ54bよりも曲率が大きい第3レンズ54cを用いているため、各LED52から第3レンズ54cを介して出力される第3の光L3の指向性は、第2の光L2よりも低くなる。なお、これを逆の観点からみれば、第3の光L3の拡散性は第2の光L2よりも高まっていることになる。その結果、第3の光L3の一部(第2の光L2よりも割合は低下している)は第3発光モジュール40cに設けられた第2反射部44bへと向かい、この第2反射部44bで反射する。このため、第3発光モジュール40cから出力される光の一部(第2の光L2よりも割合は減少している)が第3の主光LM3となり、その残り(第2の光L2よりも割合は増加している)が第3の副光LS3となる。
【0072】
さらにまた、第3発光モジュール40cのTop側に隣接する第4発光モジュール40dでは、第3レンズ54cよりも曲率が大きい第4レンズ54dを用いているため、各LED52から第4レンズ54dを介して出力される第4の光L4の指向性は、第3の光L3よりも低くなる。なお、これを逆の観点からみれば、第4の光L4の拡散性は第3の光L3よりも高まっていることになる。その結果、第4の光L4の一部(第3の光L3よりも割合は低下している)は第4発光モジュール40dに設けられた第2反射部44bへと向かい、この第2反射部44bで反射する。このため、第4発光モジュール40dから出力される光の一部(第3の光L3よりも割合は減少している)が第4の主光LM4となり、その残り(第3の光L3よりも割合は増加している)が第4の副光LS4となる。
【0073】
そして、第4発光モジュール40dのTop側であって最もTop側に位置する第5発光モジュール40eでは、第4レンズ54dよりも曲率が大きい第5レンズ54eを用いているため、各LED52から第5レンズ54eを介して出力される第5の光L5の指向性は、第4の光L4よりも低くなる。なお、これを逆の観点からみれば、第5の光L5の拡散性は、第4の光L4よりも高まっていることになる。その結果、第5の光L5の一部(第4の光L4よりも割合は低下している)は第5発光モジュール40eに設けられた第2反射部44bへと向かい、この第2反射部44bで反射する。このため、第5発光モジュール40eから出力される光の一部(第4の光L4よりも割合は減少している)が第5の主光LM5となり、その残り(第4の光L4よりも割合は増加している)が第5の副光LS5となる。
【0074】
このように、本実施の形態では、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれに設けられる第1レンズ54a〜第5レンズ54eの形状に工夫を施すことで、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれから出力される第1の光L1〜第5の光L5の光量をほぼ一定とした場合において、LM1>LM2>LM3>LM4>LM5、且つ、LS1<LS2<LS3<LS4<LS5の関係を成立させることができる。
【0075】
すなわち、光の出射方向からみて上流側となるBottom側ほど、下流側となるTop側に比べて漏れ光となる副光(第1の副光LS1〜第5の副光LS5)の発生を抑制する構成を採用するようにしたので、Bottom側よりもTop側において光が累積していくことに起因する輝度ムラを抑制することができる。
【0076】
ここで、図8に示す例において、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eから出射され、バックライトフレーム31のTop側の側面部内側に到達した光は、この部位に設けられた吸収体35によって吸収される。したがって、この部位における光量が増加し、この直上となる領域において輝線が発生するという事態を回避することができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれに設けられる第1レンズ54a〜第5レンズ54eの形状を、Bottom側からTop側に近づくほど曲率が大きくなるようにしていたが、これにかぎられるものではない。すなわち、少なくともTop側において隣接する第4発光モジュール40dと第5発光モジュール40eとにおいて、この関係が満たされていればよい。
【0078】
また、本実施の形態では、第1発光モジュール40a〜第5発光モジュール40eのそれぞれを構成する第1発光ユニット50a〜第5発光ユニット50eにおいて、4つのLED52に個別にレンズ54(第1レンズ54a〜第5レンズ54e)を取り付けるようにしていたが、これに限られるものではない。すなわち、第1発光ユニット50a〜第5発光ユニット50eのそれぞれに所謂シリンドリカルレンズを設け、4つのLED52を1つのシリンドリカルレンズで覆うように構成してもよい。
【0079】
さらに、本実施の形態では、赤色LED52R、第1緑色LED52Ga、青色LED52Bおよび第2緑色LED52Gbから出射されるRGBの光を混色させて白色光を生成するようにしていたが、これに限られない。例えばLED52として青色光を出射するものを用い、レンズ54内にLED52から出射される青色光を緑色光および赤色光に変換する蛍光体を含有させておくことで、白色光を生成するように構成してもよい。また、例えばLED52として紫外光を出射するものを用い、レンズ54内にLED52から出射される紫外光を青色光、緑色光および赤色光に変換する蛍光体を含有させておくことで、白色光を生成するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…バックライト装置、11…光源装置、12…拡散板、13、14…プリズムシート、15…輝度向上フィルム、20…液晶表示モジュール、21…液晶パネル、22、23…偏光板、31…バックライトフレーム、32…発光装置、33…給電ケーブル、35…吸収体、40…発光モジュール、40a…第1発光モジュール、40b…第2発光モジュール、40c…第3発光モジュール、40d…第4発光モジュール、40e…第5発光モジュール、41…発光部、42…配線基板、43…コネクタ、44…反射板、45…調整部材、46…吸収部、50…発光ユニット、51…板状基板、52…LED、53…レジスト膜、54…レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示を行う表示パネルと、当該表示パネルの背面に設けられ当該表示パネルに向けて光を照射するバックライト装置とを備えた表示装置であって、
前記バックライト装置は、
一端側から他端側に向けて延びて展開されるフレームと、
前記フレームに配置され、前記一端側から前記他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と当該複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第1のレンズ部材とを用いて当該一端側から当該他端側に向かう光を出射する第1の発光部と、当該第1の発光部から出射された光を前記表示パネル側に向けて反射する第1の反射部材とを有する第1の発光モジュールと、
前記フレームに前記第1の発光モジュールの前記他端側と隣り合うように配置され、前記一端側から前記他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と当該複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第2のレンズ部材を用いて当該一端側から当該他端側に向かう光を出射する第2の発光部と、当該第2の発光部から出射された光を前記表示パネル側に向けて反射する第2の反射部材とを有する第2の発光モジュールと
を備え、
前記第1のレンズ部材の指向性が、前記第2のレンズ部材の指向性よりも高く設定されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記バックライト装置は、前記第1の発光モジュールおよび前記第2の発光モジュールから出射され、導光板を介さずに入射する光を拡散して前記表示パネル側に出射する拡散部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記フレームの前記他端部側の端部に設けられ、前記第1の発光モジュールおよび前記第2の発光モジュールから入射する光を吸収する吸収体をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
【請求項4】
画像表示を行う表示パネルと、当該表示パネルの背面に設けられ当該表示パネルに向けて光を照射するバックライト装置とを備えた表示装置であって、
前記バックライト装置は、
一端側から他端側に向けて延びて展開されるフレームと、
前記フレームに配置され、前記一端側から前記他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と当該複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第1のレンズ部材とを用いて当該一端側から当該他端側に向かう光を出射する第1の発光部と、当該第1の発光部から出射された光を前記表示パネル側に向けて反射する第1の反射部材とを有する第1の発光モジュールと、
前記フレームに前記第1の発光モジュールの前記他端側と隣り合うように配置され、前記一端側から前記他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と当該複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第2のレンズ部材を用いて当該一端側から当該他端側に向かう光を出射する第2の発光部と、当該第2の発光部から出射された光を前記表示パネル側に向けて反射する第2の反射部材とを有する第2の発光モジュールと
を備え、
前記第1のレンズ部材の曲率が、前記第2のレンズ部材の曲率よりも小さく設定されることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記第1の発光部を構成する複数の発光素子および前記第2の発光部を構成する複数の発光素子が、発光ダイオードであることを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
一端側から他端側へと延びて展開されるフレームと、
前記フレームに配置され、前記一端側から前記他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と当該複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第1のレンズ部材とを用いて当該一端側から当該他端側に向かう光を出射する第1の発光部と、当該第1の発光部から出射された光を当該フレームとは逆側に向けて反射する第1の反射部材とを有する第1の発光モジュールと、
前記フレームに前記第1の発光モジュールの前記他端側と隣り合うように配置され、前記一端側から前記他端側へと向かう方向と直交する方向に配列される複数の発光素子と当該複数の発光素子から出力される光の向きを連続する複数の発光素子あるいは発光素子毎に調整する第2のレンズ部材とを用いて当該一端側から当該他端側に向かう光を出射する第2の発光部と、当該第2の発光部から出射された光を当該フレームとは逆側に向けて反射する第2の反射部材とを有する第2の発光モジュールと
を備え、
前記第1のレンズ部材の指向性が、前記第2のレンズ部材の指向性よりも高く設定されることを特徴とする光源装置。
【請求項7】
前記第2のレンズ部材の曲率が、前記第1のレンズ部材の曲率よりも大きく設定されることを特徴とする請求項6記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1の発光モジュールおよび前記第2の発光モジュールから出射され、導光板を介さずに入射する光を拡散して外部に出射する拡散部材をさらに備えることを特徴とする請求項6または7記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−243959(P2010−243959A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95290(P2009−95290)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】