説明

表示装置および表示モジュール

【課題】凸部が形成された拡散板を用いる場合に、表示部での輝度に偏り(むら)が発生するのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この液晶表示装置100(表示装置)は、液晶パネル33と、液晶パネル33に光を照射するための発光部41aを含むLED41と、発光部41aからの光を拡散するための拡散粒子を含み、LED41側の表面43aのうち、少なくともLED41の発光部41aに対応する領域においてLED41側になだらかな曲面状に突出する凸部50が一体的に形成された拡散板43とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置および表示モジュールに関し、特に、拡散板を備えた表示装置および表示モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、拡散板を備えた表示装置および表示モジュールが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、液晶パネルと、液晶パネルの背面側に配置され、液晶パネルに光を照射するバックライトユニットとを備えた液晶表示装置が開示されている。この特許文献1に記載の液晶表示装置のバックライトユニットでは、液晶パネル側から、光学シート、平板状の拡散板および光源ランプがこの順に配置されている。また、光学シートは、偏光分離シートと、偏光分離シートの液晶パネル側の表面上に形成され、液晶パネル側に突出する半球状の複数のレンズ部と、偏光分離シートの拡散板側の表面上に形成された散乱反射膜とから構成されている。ここで、複数のレンズ部が互いに隣接して配置されることにより、複数のレンズ部同士の接続領域(境界領域)は、偏光分離シート側に鋭角的に尖るように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−304398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、たとえば、上記特許文献1に記載の液晶表示装置の平板状の拡散板の表面に、上記特許文献1に記載の液晶表示装置に設けられた半球状のレンズ部(凸部)と同じレンズ部(凸部)が形成された場合には、拡散板の個々のレンズ部が形成された領域の端部(境界領域)が急峻な表面形状を有すると考えられる。この場合、急峻な表面形状を有する境界領域において光がほとんど拡散されないため、境界領域の周辺において光が十分に液晶パネル側に照射されなくなると考えられる。このため、境界領域の周辺に対応する液晶パネルの領域が境界領域や他の領域よりも輝度が低下して暗くなることに起因して、液晶パネル(表示部)の輝度に偏り(むら)が発生するという問題点があると考えられる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、凸部が形成された拡散板を用いる場合に、表示部での輝度に偏り(むら)が発生するのを抑制することが可能な表示装置および表示モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置は、表示部と、表示部に光を照射するための発光部を含む発光素子と、発光部からの光を拡散するための拡散粒子を含み、発光素子側の第1表面のうち、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように、発光素子側の第1表面のうち、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板を備えることによって、第1凸部がなだらかな曲面状に突出しているので、拡散板の発光素子の発光部に対応する領域に光がほとんど拡散されないような急峻な表面形状を有する境界領域が形成されない。これにより、拡散板の発光素子の発光部に対応する領域で光を十分に表示部側に照射させることができるので、表示部の一部の輝度が低下して周辺よりも暗くなるのを抑制することができる。この結果、表示部の輝度に偏り(むら)が発生するのを抑制することができる。
【0009】
ここで、発光素子の発光部に対応する領域は、他の領域に比べて発光部からの光量が多いため、発光素子の発光部に対応する領域は他の領域よりも輝度が増加して明るくなりやすい。そこで、この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部を拡散板に一体的に形成することによって、発光素子側になだらかな曲面状に突出するように形成された第1凸部の第1表面と、拡散粒子が含まれる第1凸部(拡散板)の内部とにより、拡散板の発光素子の発光部に対応する領域に照射される光を、より広範囲に拡散させることができる。これによっても、表示部の発光素子の発光部に対応する領域が他の領域よりも輝度が増加して明るくなるのを抑制することができるので、表示部の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、拡散板の第1凸部は、発光素子の発光部に対応する領域で突出量が最大になるように形成されている。このように構成すれば、発光素子の発光部に対応する領域での拡散板の厚みを、他の領域での拡散板の厚みよりも大きくすることができるので、拡散粒子が含まれる第1凸部の内部でより光を拡散させることができる。これにより、発光素子の発光部に対応する領域に照射される光をさらに広範囲に拡散させることができるので、表示部の発光素子の発光部に対応する領域が他の領域よりも明るくなるのをより抑制することができる。
【0011】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、発光素子は、複数設けられており、拡散板の第1凸部は、複数設けられているとともに、複数の発光素子の発光部に対応する領域に各々形成されており、かつ、なだらかな曲面部により互いに接続されている。このように構成すれば、複数の第1凸部がなだらかな曲面部により互いに接続されていることにより、第1凸部同士の接続領域において光がほとんど拡散されないような急峻な表面形状を有する境界領域が形成されない。これにより、拡散板の第1凸部同士の接続領域においても光を十分に表示部側に照射させることができるので、表示部の一部の輝度が低下して周辺よりも暗くなるのを抑制することができる。この結果、表示部の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。また、拡散板の複数の第1凸部を、複数の発光素子の発光部に対応する領域に各々形成することによって、複数の発光素子の発光部に対応する領域に照射される光を広範囲に拡散させることができる。これにより、隣接する発光素子同士の間の領域でも発光素子の発光部に対応する領域と同様の輝度を得るために発光素子同士を近接させる必要がないので、発光素子の数を減少させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、拡散板では、複数の発光素子の発光部に対応する領域に各々形成された凸状の球面部と、凸状の球面部同士を接続する領域に形成された凹状の曲面部とがなだらかな曲面状に接続されている。このように構成すれば、凹状の曲面部によって、第1凸部同士を容易になだらかに接続することができるので、容易に、拡散板の第1凸部同士の接続領域で光を十分に表示部側に照射させることができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、拡散板には、発光素子とは反対側の第2表面のうち、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子とは反対側に突出する第2凸部がさらに一体的に形成されている。このように構成すれば、発光素子の発光部に対応する領域での拡散板の厚みを、他の領域での拡散板の厚みよりもより大きくすることができるので、拡散粒子が含まれる第1凸部および第2凸部の内部で十分に光を拡散させることができる。これにより、発光素子の発光部に対応する領域に照射される光をさらに広範囲に拡散させることができるので、表示部の発光素子の発光部に対応する領域が他の領域よりも明るくなるのをより抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、拡散板の第2凸部は、発光素子の発光部に対応する領域で突出量が最大になるように形成されている。このように構成すれば、発光素子の発光部に対応する領域での拡散板の厚みを、他の領域での拡散板の厚みよりもより一層大きくすることができるので、拡散粒子が含まれる第1凸部および第2凸部の内部でより一層光を拡散させることができる。これにより、発光素子の発光部に対応する領域に照射される光をより一層広範囲に拡散させることができるので、表示部の発光素子の発光部に対応する領域が他の領域よりも明るくなるのをより一層抑制することができる。
【0015】
上記拡散板に第2凸部が形成されている表示装置において、好ましくは、拡散板の第1凸部と第2凸部とは、拡散板の厚み方向の略中央を境として略鏡像対称になるように形成されている。このように構成すれば、拡散板の第1表面と第2表面とを略同一形状にすることができるので、表示装置の組立時に、第1表面と第2表面とを区別する必要がない。これにより、表示装置の組立工程を簡略化することができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、発光素子は、第1凸部が一体的に形成された拡散板を介するとともに、導光板を介さずに表示部に対して光を照射するように構成されている。このように構成すれば、発光素子が表示部および拡散板の直下に配置されることによって、導光板を介さずに、拡散板を介して直接的に光を照射する直下型の表示装置において、発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板を設けることによって、表示部の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。
【0017】
この発明の第2の局面による表示モジュールは、表示部と、表示部に光を照射するための発光部を含む発光素子と、発光部からの光を拡散するための拡散粒子を含み、発光素子側の第1表面のうち、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板とを備える。
【0018】
この発明の第2の局面による表示モジュールでは、上記のように、発光素子側の第1表面のうち、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板を備えることによって、第1凸部がなだらかな曲面状に突出しているので、拡散板の発光素子の発光部に対応する領域に光がほとんど拡散されないような急峻な表面形状を有する境界領域が形成されない。これにより、拡散板の発光素子の発光部に対応する領域で光を十分に表示部側に照射させることができるので、表示部の一部の輝度が低下して周辺よりも暗くなるのを抑制することができる。この結果、表示部の輝度に偏り(むら)が発生するのを抑制することができる。また、少なくとも発光素子の発光部に対応する領域において発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部を拡散板に一体的に形成することによって、発光素子側になだらかな曲面状に突出するように形成された第1凸部の第1表面と、拡散粒子が含まれる第1凸部(拡散板)の内部とにより、拡散板の発光素子の発光部に対応する領域に照射される光をより広範囲に拡散させることができる。これにより、表示部の発光素子の発光部に対応する領域が他の領域よりも輝度が増加して明るくなるのを抑制することができるので、表示部の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による液晶表示装置における表示装置本体の内部構造を示した分解斜視図である。
【図3】図2の400−400線に沿った部分的な断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による液晶表示装置における拡散板およびLEDをリアフレーム側から見た平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による液晶表示装置における内部構造を示した断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態による液晶表示装置における拡散板およびLEDを示した断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例による液晶表示装置における内部構造を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置100の構成について説明する。また、以下に例示する液晶表示装置100は、TVチューナ機能を備えた液晶テレビジョン装置であってもよいし、PCなどに接続される液晶モニタなどであってもよい。なお、液晶表示装置100は、本発明の「表示装置」の一例である。
【0022】
本発明の一実施形態による液晶表示装置100は、図1に示すように、表示装置本体10と、表示装置本体10を回動可能に支持するスタンド20とを備えている。また、図2に示すように、表示装置本体10は、樹脂製のフロントキャビネット11およびリアキャビネット12と、フロントキャビネット11およびリアキャビネット12の間に配置される液晶モジュール30とを含んでいる。なお、液晶モジュール30は、本発明の「表示モジュール」の一例である。
【0023】
フロントキャビネット11は、図1に示すように、後述する液晶パネル33が液晶表示装置100の前面側に露出する部分(表示領域D)が略矩形形状に切り抜かれた枠体形状を有している。また、図2に示すように、リアキャビネット12には、スタンド20の脚部20a(図1参照)を取り付けるための取付部12aが一体的に設けられている。また、リアキャビネット12の外周部には、ネジ91を挿入するためのネジ挿入孔12b(7個所)が設けられている。このネジ挿入孔12bにネジ91が挿入されることによって、リアキャビネット12がフロントキャビネット11に固定されている。また、液晶モジュール30は、ネジ92によってフロントキャビネット11との内側(A2側)に取り付けられた状態で、フロントキャビネット11とリアキャビネット12との間に配置されている。
【0024】
また、液晶モジュール30は、4辺を有して枠状に形成された金属製のフロントフレーム31と、フロントフレーム31に取り付けられる金属製のリアフレーム32とを備えている。
【0025】
なお、図3は、図2に示す400−400線に沿ってB方向に延びる面で切断した部分断面図である。ここで、B方向と直交するC方向に沿って延びる面で切断した断面は、B方向に延びる面で切断した断面と同様になるように構成されている。つまり、C方向に沿って延びる面で切断した断面は、図3のようになるように構成されている。
【0026】
フロントフレーム31は、図3に示すように、表示領域Dに対応する略矩形形状の開口31aを有する底部31bと、底部31bの外縁部に沿ってA2側に延びる壁部31cと、壁部31cの外縁部に沿って略水平方向(B方向およびC方向)に延びる鍔部31dとを有している。また、リアフレーム32は、開口を有しない底部32aと、底部32aに対して傾斜した状態で液晶パネル33側(A1側)に延びる壁部32bと、壁部32bの外縁部に沿って略水平方向(B方向およびC方向)に延びる鍔部32cとを有している。また、フロントフレーム31の鍔部31dと、リアフレーム32の鍔部32cとが当接した状態で、リアフレーム32がフロントフレーム31に対して図示しないネジ部材を用いて固定されている。これにより、フロントフレーム31の底部31bとリアフレーム32の底部32aとが対向する領域に空間30aが形成されている。
【0027】
また、空間30a内には、画像を形成するための液晶パネル33と、液晶パネル33を支持する樹脂フレーム34と、光を液晶パネル33に照射するためのバックライト部40とが配置されている。樹脂フレーム34は、A方向に延びる壁部34aと、液晶パネル33をA2側から支持する支持部34bとを有している。また、支持部34bは、中央領域に、バックライト部40からの光を液晶パネル33に照射するための開口34cを有している。なお、液晶パネル33は、本発明の「表示部」の一例である。
【0028】
液晶パネル33は、フロントフレーム31の開口31aのA2側で、かつ、支持部34bの開口34cのA1側に配置されている。また、液晶パネル33は、開口31aに対応する表示領域Dにおいて、バックライト部40から照射された光を用いて画像を表示するように構成されている。また、バックライト部40は、液晶パネル33のA2側に配置されている。
【0029】
バックライト部40は、図3に示すように、複数のLED(Light Emitting Diode)41と、反射シート42と、拡散板43と、拡散シート44とを含んでいる。複数のLED41は、空間30a内のリアフレーム32の底部32aで、B方向およびC方向に所定の間隔Dを隔てて取り付けられている。また、複数のLED41は、共に液晶パネル33側(A1側)に光を直接的に照射する発光部41aを有している。なお、LED41は、本発明の「発光素子」の一例である。
【0030】
また、LED41の発光部41aは、発光部41aの直上において輝度が最も大きくなる(最も強い光を照射する)ように構成されている。また、発光部41aは、発光部41aを通りA1側に延びる直線Eに対して角度α(=約30度)傾斜した位置において、輝度が発光部41aの直上における輝度の半分になるように構成されている。つまり、LED41は、指向角(2α)が約60度になるように構成されている。
【0031】
反射シート42は、リアフレーム32の空間30a内の、底部32aのLED41が設けられていない領域と、壁部32bと、フロントフレーム31の鍔部31dが配置される位置以外の鍔部32cの領域とに配置されている。この反射シート42は、A2側に向かう光をA1側に反射する機能を有する。
【0032】
拡散板43は、複数のLED41の液晶パネル33側(A1側)に配置されている。また、拡散板43の平坦面状の外縁部は、リアフレーム32の図示しない係止部によってリアフレーム32に係止されている。また、拡散板43は、メタクリル酸メチルとスチレンとの共重合体からなるMS樹脂からなるとともに、内部に酸化チタンやエポキシ樹脂などからなる多数の拡散粒子(図3のドット部)が全体に略均一に分布されている。この拡散板43は、LED41から照射された光を多数の拡散粒子により様々な方向に反射することによって、拡散板43に照射された光を広範囲に拡散させるように構成されている。これにより、拡散板43に照射された光は、輝度がある程度均一化された状態でA1側に照射されるように構成されている。
【0033】
ここで、第1実施形態では、拡散板43のLED41側(A2側)の表面43aには、A2側に突出する凸部50が複数形成されている。この凸部50は、拡散板43の表面43aのうち、外縁部近傍を除く領域で、かつ、LED41の発光部41aに対応する領域であるLED41の発光部41aの直上(A1側)の領域に形成されている。また、凸部50は、凸部50の中央を通り、厚み方向(A方向)に延びる直線E上に中心(曲率中心)Fが位置する球体のA2側の面から構成されている。つまり、凸部50は、なだらかな曲面状に形成されている。また、凸部50のうちでA2側への突出量が最大になる頂点50aは、LED41の発光部41aに対応する領域に形成されている。なお、表面43aは、本発明の「第1表面」の一例であり、凸部50は、本発明の「第1凸部」および「球面部」の一例である。
【0034】
また、凸部50のB方向およびC方向の両端部には、A2側に凹形状を有する曲面部から構成された接続部51が形成されている。また、凸部50と接続部51とは、拡散板43の表面43aに一体的に形成されているとともに、互いになだらかな曲面状に接続されている。これにより、拡散板43の表面43aは、複数の凸部50と複数の接続部51とがなだらかな曲線状に接続されることによって、B方向およびC方向に延びる波形状が複数形成されている。なお、接続部51は、本発明の「曲面部」の一例である。
【0035】
また、任意のLED41の発光部41aの中心から角度β(=約45度)傾斜した光が照射される表面43aの位置と、隣接するLED41の発光部41aの中心から角度β傾斜した光が照射される表面43aの位置とが略一致するように、任意のLED41と隣接するLED41とが所定の間隔Dを隔てて配置されている。
【0036】
また、第1実施形態では、拡散板43の液晶パネル33側(A1側)の表面43bには、A1側に突出する凸部60が複数形成されている。この凸部60は、拡散板43の表面43bのうち、外縁部近傍を除く領域で、かつ、LED41の発光部41aに対応する領域であるLED41の発光部41aの直上(A1側)の領域に形成されている。また、凸部60は、中心(曲率中心)Fを中心とする球体のA1側の面から構成されている。つまり、凸部60は、なだらかな曲面状に形成されている。また、凸部60のうちでA1側への突出量が最大になる頂点60aは、LED41の発光部41aに対応する領域に形成されている。なお、表面43bは、本発明の「第2表面」の一例であり、凸部60は、本発明の「第2凸部」の一例である。
【0037】
また、凸部60のB方向およびC方向の両端部には、A1側に凹形状を有する曲面部から構成された接続部61が形成されている。また、凸部60と接続部61とは、拡散板43の表面43bに一体的に形成されているとともに、互いになだらかな曲面状に接続されている。これにより、拡散板43の表面43bは、複数の凸部60と複数の接続部61とがなだらかな曲線状に接続されることによって、B方向およびC方向に延びる波形状が複数形成されている。
【0038】
また、凸部60および接続部61は、それぞれ、凸部50および接続部51と略同様の形状に形成されている。また、図4に示すように、平面的に(A2側から)見て、凸部50と凸部60とは略重なる(オーバーラップする)ように形成されているとともに、接続部51と接続部61とは略重なるように形成されている。つまり、図3に示すように、拡散板43の厚み方向(A方向)の略中央の面を境(対称面)として、凸部50と凸部60とが略鏡像対称になるとともに、接続部51と接続部61とが略鏡像対称になるように構成されている。この結果、拡散板43の表面43aと表面43bとが略鏡像対称になるように構成されている。
【0039】
また、発光部41aの中心から角度β(=約45度)傾斜した光が照射される表面43aおよび43bの領域では、拡散板43は略平坦面状になるように構成されている。これにより、輝度が小さい領域での拡散板43の厚みを小さくすることが可能であるので、輝度が小さい領域における光の拡散を抑制することが可能である。
【0040】
また、凸部50および60と接続部51および61とが形成された拡散板43は、射出成形などによって一体的に製造されている。これにより、容易に、凸部50および60と接続部51および61とが形成された拡散板43を製造することが可能である。
【0041】
拡散シート44は、拡散板43の凸部60の頂点60a上である、拡散板43のA1側に配置されている。この拡散シート44は、拡散板43において拡散された光をさらに拡散することによって、LED41からの光の輝度をより均一化するように構成されている。この結果、LED41からA1側に照射された光が、拡散板43および拡散シート44を介して液晶パネル33に照射されるように構成されている。
【0042】
なお、バックライト部40は、複数のLED41が導光板の側面側に配置されることによって、導光板および拡散板を介して間接的に光を液晶パネル33に照射するエッジライト型のバックライトとは異なり、複数のLED41が液晶パネル33および拡散板43の直下(A2側)に配置されることによって、導光板を介さずに拡散板43を介して直接的に光を液晶パネル33に照射する直下型のバックライトからなる。
【0043】
第1実施形態では、上記のように、凸部50および60を、それぞれ、表面43aおよび43bのLED41の発光部41aに対応する領域になだらかな曲面状に形成することによって、凸部50および60がなだらかな曲面状に突出しているので、拡散板43のLED41の発光部41aに対応する領域に光がほとんど拡散されないような急峻な表面形状を有する境界領域が形成されない。これにより、拡散板43の発光素子のLED41の発光部41aで光を十分に液晶パネル33側に照射させることができるので、液晶パネル33の一部の輝度が低下して周辺よりも暗くなるのを抑制することができる。この結果、液晶パネル33の輝度に偏り(むら)が発生するのを抑制することができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、凸部50および60を、LED41の発光部41aに対応する領域にLED41側になだらかな曲面状に形成するとともに、それぞれ、表面43aおよび43bに一体的に形成することによって、LED41側になだらかな曲面状に突出するように形成された凸部50および60と、拡散粒子が含まれる凸部50および60との間における拡散板43の内部とにより、拡散板43のLED41の発光部41aに対応する領域に照射される光をより広範囲に拡散させることができる。これにより、液晶パネル33のLED41の発光部41aに対応する領域が他の領域よりも輝度が増加して明るくなるのを抑制することができるので、液晶パネル33の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、凸部50のうちでLED41側(A2側)への突出量が最大になる頂点50aと、凸部60のうちで液晶パネル33側(A1側)への突出量が最大になる頂点60aとを、共に、LED41の発光部41aに対応する領域に形成すれば、LED41の発光部41aに対応する領域での拡散板43の厚みを、他の領域での拡散板43の厚みよりもより大きくすることができるので、拡散粒子が含まれる凸部50および60の内部で十分に光を拡散させることができる。これにより、LED41の発光部41aに対応する領域に照射される光をさらに広範囲に拡散させることができるので、液晶パネル33のLED41の発光部41aに対応する領域が他の領域よりも明るくなるのをより抑制することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板43の表面43aを複数の凸部50と複数の接続部51とをなだらかな曲線状に接続すれば、複数の凸部50がなだらかな接続部51により互いに接続されていることにより、凸部50同士の接続部51において光がほとんど拡散されないような急峻な表面形状を有する境界領域が形成されない。これにより、拡散板43の凸部50同士の接続部51においても光を十分に液晶パネル33側に照射させることができるので、液晶パネル33の一部の輝度が低下して周辺よりも暗くなるのを抑制することができる。この結果、液晶パネル33の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。また、拡散板43の複数の凸部50を、複数のLED41の発光部41aに対応する領域に各々形成することによって、複数のLED41の発光部41aに対応する領域に照射される光を広範囲に拡散させることができる。これにより、隣接するLED41同士の間の領域でもLED41の発光部41aに対応する領域と同様の輝度を得るためにLED41同士を近接させる必要がないので、LED41の数を減少させることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板43の凸部50を球体の一部の面から構成すれば、LED41の発光部41aに対応する領域に照射される光を容易に広範囲に拡散させることができる。また、拡散板43の表面43aに凹形状を有する曲面部から構成された接続部51を形成すれば、凸部50同士を容易になだらかに接続することができる。この結果、容易に、拡散板43の凸部50同士の接続部51で光を十分に液晶パネル33側に照射させることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板43の厚み方向の略中央の面を境(対称面)として、凸部50と凸部60とが略鏡像対称になるとともに、接続部51と接続部61とが略鏡像対称になることによって、拡散板43の表面43aと表面43bとを、略鏡像対称になるように構成すれば、拡散板43の表面43aと表面43bとを略同一形状にすることができるので、液晶表示装置100の組立時に、表面43aと表面43bとを区別する必要がない。これにより、液晶表示装置100の組立工程を簡略化することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、バックライト部40が、LED41が液晶パネル33および拡散板43の直下に配置されることによって、導光板を介さずに拡散板43を介して直接的に光を液晶パネル33に照射する直下型のバックライトからなる場合において、凸部50および60をなだらかな曲面状に形成することによって、液晶パネル33の輝度に偏りが発生するのを抑制することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、LED41の光を拡散させるためのレンズを複数のLED41の各々に設ける必要がないので、製造プロセスを簡素化することができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、バックライト部240が導光板246および拡散板243を介して間接的に光を液晶パネル33に照射するエッジライト型のバックライトである場合について説明する。
【0052】
本発明の第2実施形態の液晶モジュール230は、図5に示すように、フロントフレーム231とリアフレーム232とを備えている。フロントフレーム231は、開口31aを有する底部31bと、壁部31cとを有している。また、リアフレーム232は、底部32aと、壁部32bと、底部32aと壁部32bとの間でC方向に延びるように設けられ、後述するLEDバー245が取り付けられる取付部232dとを有している。この取付部232dは、リアフレーム232のB1側に設けられている。
【0053】
また、バックライト部240は、複数のLED41(図6参照)と、反射シート242と、拡散板243と、複数の拡散シート44とに加えて、LEDバー245と、導光板246とをさらに含んでいる。また、複数のLED41は、図6に示すように、互いにC方向に所定の間隔を隔てた状態で、LEDバー245のB2側の表面に取り付けられている。また、複数のLED41は、共にB2側に光を照射するようにLEDバー245に取り付けられている。また、LEDバー245は、図5に示すように、LED41が実装される側とは反対側のB1側の表面がリアフレーム232の壁部32bに当接した状態で、C方向に延びるようにリアフレーム232の取付部232dに取り付けられている。
【0054】
ここで、第2実施形態では、導光板246は、リアフレーム32の底部32a上に配置された反射シート242の液晶パネル33側(A1側)の表面上に配置されている。この際、LEDバー245に実装された複数のLED41は、導光板246の側面246aの厚み方向(A方向)における略中央に発光部41aが位置するように配置されている。
【0055】
また、第2実施形態では、図6に示すように、拡散板243は、導光板246のB1側の側面246aに、C方向に延びるように取り付けられている。また、拡散板243のLED41側(B1側)の表面43aには、B2側に突出する凸部50が複数形成されている。また、凸部50のC方向の両端部には、接続部51が形成されている。この凸部50と接続部51とは、共になだらかな曲面状に形成されているとともに、互いになだらかな曲面状に接続されている。また、凸部50のうち、B2側への突出量が最大になる頂点50aは、LED41の発光部41aに対応する領域に配置されている。
【0056】
一方、第1実施形態とは異なり、拡散板243の表面43aとは反対側(B2側)の表面243bは、平坦面状に形成されている。この表面243bは、導光板246のB1側の側面246aに当接するように構成されている。また、複数の拡散シート44は、導光板246のA1側の表面246bに厚み方向(A方向)に積層された状態で配置されている。
【0057】
これにより、第2実施形態では、図5に示すように、複数のLED41からB2側に照射された光は、拡散板243を介して拡散される。そして、拡散板243によって拡散された光は、導光板246を介して、液晶パネル33側(A1側)に輝度が略均一化された状態で照射される。そして、複数の拡散シート44を介して、輝度がより均一化した状態でA1側に照射されるように構成されている。つまり、バックライト部240は、第1実施形態における、複数のLED41が液晶パネル33および拡散板43の直下に配置されることによって、導光板を介さずに拡散板43を介して直接的に光を液晶パネル33に照射する直下型のバックライトとは異なり、複数のLED41が導光板246の側面246a側に配置されることによって、導光板246および拡散板243を介して間接的に光を液晶パネル33に照射するエッジライト型のバックライトからなる。なお、本発明の第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
第2実施形態では、上記のように、バックライト部240が、複数のLED41が導光板246の側面246a側に配置されることによって、導光板246および拡散板243を介して間接的に光を液晶パネル33に照射するエッジライト型のバックライトからなる場合において、凸部50をなだらかな曲面状に形成することによって、液晶パネル33の輝度に偏り(むら)が発生するのを抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0060】
たとえば、上記第1実施形態では、拡散板43のLED41側の表面43aに凸部50および接続部51を設けるだけでなく、液晶パネル33側の表面43bにも凸部60および接続部61を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図7に示す第1実施形態の変形例のように、拡散板343のLED41側の表面43aに凸部50および接続部51が設けられていれば、液晶パネル33側の表面343bに凸部および接続部を設けなくてもよい。これにより、液晶パネル33側の表面343bに凸部を形成しない分、拡散板343のA方向の長さ(厚み)を小さくすることが可能であるので、液晶表示装置を薄型化することが可能である。
【0061】
また、上記第1実施形態では、拡散板43の凸部50および60が球面の一部からなる例について示すとともに、上記第2実施形態では、拡散板243の凸部50が球面の一部からなる例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凸部がなだらかな曲面状に形成されていれば、球面の一部でなくてもよい。
【0062】
また、上記第1実施形態では、拡散板43の凸部50の頂点50aおよび凸部60の頂点60aを共にLED41の発光部41aに対応する領域(LED41の発光部41aの直上の領域)に形成した例について示すとともに、上記第2実施形態では、拡散板243の凸部50の頂点50aをLED41の発光部41aに対応する領域に形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凸部の頂点をLEDの発光部に対応する領域に形成しなくてもよい。この際、凸部の頂点はLEDの輝度が大きい領域に形成されるのが好ましい。
【0063】
また、上記第1および第2実施形態では、拡散シート44を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、拡散板43および243において十分に輝度を均一化することが可能であれば、拡散シート44は用いなくてもよい。
【0064】
また、上記第1実施形態では、B方向およびC方向に並ぶようにLED41を配置した例について示すとともに、上記第2実施形態では、C方向に並ぶようにLED41を配置した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、拡散板のLED側の(第1)表面のうち、LEDの発光部に対応する領域に(第1)凸部が形成されていればよく、LEDは不規則的に配置されていてもよい。
【0065】
また、上記第1実施形態では、平面的に見て、凸部50と凸部60とを略重なる(オーバーラップする)ように形成するとともに、接続部51と接続部61とを略重なるように形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくともLEDの発光部に対応する領域に形成された凸部50の一部と凸部60の一部とが、互いに重なっていればよい。
【0066】
また、上記第1および第2実施形態では、拡散板43および243をMS樹脂からなる例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、拡散板43および243をPS(ポリスチレン)樹脂などの他の樹脂材料からなるように構成してもよい。
【0067】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の「表示装置」を、TVチューナ機能を備えた液晶テレビジョン装置や、PCなどに接続される液晶モニタなどに適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、カーナビゲーションシステムに搭載される液晶モニタや、列車・バス・船舶・航空機などの車内(室内)に搭載される情報表示用モニタ(液晶モニタ)、携帯電話の液晶モニタなどに、本発明の「表示装置」を適用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
30 液晶モジュール(表示モジュール)
33 液晶パネル(表示部)
41 LED(発光素子)
41a 発光部
43、243,343 拡散板
43a 表面(第1表面)
43b 表面(第2表面)
50 凸部(第1凸部、球面部)
51 接続部(曲面部)
60 凸部(第2凸部)
100 液晶表示装置(表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に光を照射するための発光部を含む発光素子と、
前記発光部からの光を拡散するための拡散粒子を含み、前記発光素子側の第1表面のうち、少なくとも前記発光素子の発光部に対応する領域において前記発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板とを備える、表示装置。
【請求項2】
前記拡散板の第1凸部は、前記発光素子の発光部に対応する領域で突出量が最大になるように形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記発光素子は、複数設けられており、
前記拡散板の第1凸部は、複数設けられているとともに、前記複数の発光素子の発光部に対応する領域に各々形成されており、かつ、なだらかな曲面部により互いに接続されている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記拡散板では、前記複数の発光素子の発光部に対応する領域に各々形成された凸状の球面部と、前記凸状の球面部同士を接続する領域に形成された凹状の前記曲面部とがなだらかな曲面状に接続されている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記拡散板には、前記発光素子とは反対側の第2表面のうち、少なくとも前記発光素子の発光部に対応する領域において前記発光素子とは反対側に突出する第2凸部がさらに一体的に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記拡散板の第2凸部は、前記発光素子の発光部に対応する領域で突出量が最大になるように形成されている、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記拡散板の前記第1凸部と前記第2凸部とは、前記拡散板の厚み方向の略中央を境として略鏡像対称になるように形成されている、請求項5または6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記発光素子は、前記第1凸部が一体的に形成された前記拡散板を介するとともに、導光板を介さずに前記表示部に対して光を照射するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
表示部と、
前記表示部に光を照射するための発光部を含む発光素子と、
前記発光部からの光を拡散するための拡散粒子を含み、前記発光素子側の第1表面のうち、少なくとも前記発光素子の発光部に対応する領域において前記発光素子側になだらかな曲面状に突出する第1凸部が一体的に形成された拡散板とを備える、表示モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−221779(P2012−221779A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87076(P2011−87076)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】