説明

表示装置のカラーキャリブレータ

【目的】本発明は、色間のクロストークを補正して、表示映像の品質を向上させることのできる表示装置のカラーキャリブレータを提供する。
【解決手段】カラーキャリブレータは、映像信号の原色の複数のデータ値を受信する色推定装置を備える。色推定装置は、第1演算器と、グレーレベル電気/光変換器と、混合色電気/光変換器と、原色電気/光変換器と、複数の線形変換器と、重み付け演算器とを備える。グレーレベル電気/光変換器、混合色電気/光変換器および原色電気/光変換器は、グレーレベルデータ値、混合色データ値および原色データ値を変換し、複数のグレーレベル変換曲線、複数の混合色変換曲線および複数の原色変換曲線に基づいて、複数の変換出力を生成する。重み付け演算器は、変換出力および複数の重み付け値を受信して、分析出力信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置のカラーキャリブレータ(color calibrator)に関するものであり、特に、表示装置のクロストーク(crosstalk)を推定するカラーキャリブレータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩と発展に伴い、人々はより良い物質や精神的な喜びを求めるようになった。精神的な喜びに関しては、技術が絶えず変化し続ける時代において、多くの人々は、様々な表示装置を使って自らの空想を実現し、仮想現実効果を体験する願望を持つようになった。
【0003】
光電および半導体技術の進歩は、表示装置の発展に大きく貢献した。様々な表示装置の中でも、液晶ディスプレイ(liquid crystal display, LCD)が幅広く使用されており、徐々にブラウン管(cathode ray tube, CRT)に取って代わろうとしている。LEDは、低電圧駆動、低消費電力、無放射線、軽重量および小体積等の有利な特徴を提供するため、近年、表示装置の主流になってきている。しかしながら、消費者は、表示装置の色品質に対して、ますます厳しく要求するようになった。そのため、表示装置の色品質の向上が、現在のディスプレイ技術において求められる最も重要な問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
映像信号のデータ値を使用して、電気駆動信号を直接生成し、表示装置を駆動する場合、表示装置は、通常、ユーザが予測しなかった表示映像を生成する。この誤差を補正するため、従来は、生成された電気駆動信号を変換するため、3つの原色(赤、青、緑)のガンマ曲線(gamma curve)を提供しました。それより、変換された電気駆動信号によって生成された表示映像を表示装置が受信した時、表示映像は、ユーザが予測した映像にかなり近くなる。しかしながら、これらの周知の方法では、色の混合時に存在するクロストーク現象から生じる歪み(distortion)の問題を処理することができない。そのため、従来の技術を応用した表示装置が表示する映像には、かなりの程度の歪みが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、色間のクロストークを補正して、表示映像の品質を向上させることのできる表示装置のカラーキャリブレータを提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、表示装置のカラーキャリブレータを提供する。カラーキャリブレータは、第1原色、第2原色および第3原色のデータ値を受信する色推定装置(color estimator)を備える。色推定装置は、第1演算器と、グレーレベル電気/光変換器(gray value electrical-optical converter)と、混合色電気/光変換器と、原色電気/光変換器と、線形変換器(linear transformer)と、重み付け演算器(weighting operator)とを備える。第1演算器は、第1原色、第2原色および第3原色のデータ値に対して演算(mathematical operation)を行い、グレーレベルデータ値、混合色データ値および原色データ値を獲得する。グレーレベル電気/光変換器は、複数のグレーレベル変換曲線および複数の混合色変換曲線に基づいて、グレーレベルデータ値を変換し、それぞれ第1変換出力および第2変換出力を生成する。混合色電気/光変換器は、複数のグレーレベル変換曲線および複数の原色変換曲線に基づいて、混合色データ値を変換し、それぞれ第3変換出力および第4変換出力を生成する。原色電気/光変換器は、原色変換曲線に基づいて、原色データ値を変換し、第5変換出力を生成する。線形変換器は、それぞれ第1変換出力、第2変換出力、第3変換出力、第4変換出力および第5変換出力を受信して、線形変換(linear transformation)を行い、それぞれ第1線形変換出力、第2線形変換出力、第3線形変換出力、第4線形変換出力および第5線形変換出力を獲得する。重み付け演算器は、第1、第2、第3、第4、第5線形変換出力、およびグレーレベル重み付け値(weighting value)、混合色重み付け値、原色重み付け値を受信して、第1線形変換出力と混合色重み付け値の演算結果、第2および第3線形変換出力と混合色重み付け値の演算結果、および第4および第5線形変換出力と原色重み付け値の演算結果に基づいて、分析出力信号を生成する。
【0007】
本発明のある実施形態中、上記のカラーキャリブレータは、また、映像信号の第1原色、第2原色および第3原色のデータ値を受信する電気駆動信号生成器を備える。電気駆動信号生成器は、目標電気/光変換器と、第2演算器と、電気/光逆変換器とを備える。目標電気/光変換器は、第1原色、第2原色および第3原色のデータ値を受信して、電気/光変換を行い、第1目標原色、第2目標原色および第3目標原色を生成する。第2演算器は、第1、第2および第3目標原色を受信して、演算を行い、目標グレーレベルデータ値、目標混合色データ値および目標原色データ値を獲得する。電気/光逆変換器は、目標グレーレベルデータ値、目標混合色データ値および目標初期色データ値を受信して、目標グレーレベルデータ値、目標混合色データ値および目標原色データ値に対して逆変換(inverse conversion)を行い、応用グレーレベルデータ値、応用混合色データ値および応用原色データ値を生成する。ここで、逆変換とは、色推定装置のグレーレベル電気/光逆変換器、混合色電気/光逆変換器、原色電気/光逆変換器、線形変換器および重み付け演算器が行った信号変換および演算の逆演算である。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明の表示装置のカラーキャリブレータは、原色変換曲線、グレーレベル変換曲線および混合色変換曲線を取り入れて色の推定を行い、クロストーク現象によって生じた表示装置の映像の歪みを解消する。さらに、グレーレベルデータ値に対応するグレーレベル重み付け値、混合色データ値に対応する混合色重み付け値、および原色データ値に対応する原色重み付け値を利用して演算を行い、表示装置によって実際に検出された表示効果と理論値の間の誤差を減少させる。そのため、表示装置の全体の映像表示品質を効果的に向上させることができる。
【0009】
本発明の上記及び他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置のカラーキャリブレータ100の色推定装置110を示す概略図である。
【図2A】本発明の実施形態に係る演算器120の実施回路図を示したものである。
【図2B】本発明の実施形態に係る演算器120の実施原理図を示したものである。
【図3】本発明の実施形態に係るカラーキャリブレータ100の電気駆動信号生成器300の概略図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係るディスプレイカラーキャリブレータ400の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、図1は、本発明の実施形態に係る表示装置のカラーキャリブレータ100の色推定装置110を示す概略図である。色推定装置110は、映像信号の3つの原色(例えば、赤、緑、青)のデータ値dR、dG、dBを受信するために用いられる。色推定装置110は、演算器120と、グレーレベル(gray level)電気/光変換器123と、混合色電気/光変換器122と、原色電気/光変換器121と、複数の線形変換器131〜135と、重み付け演算器140とを備える。
【0012】
演算器120は、3つの原色のデータ値dR、dG、dBを受信して、演算を行う。ここで、3つの原色のデータ値dR、dG、dBは、それぞれ映像信号の赤色データ値、緑色データ値および青色データ値を示す。演算の後、グレーレベルデータ値L1、混合色データ値U1および原色データ値H1が生成される。
【0013】
図1、図2Aおよび図2Bを同時に参照しながら、演算器120の実施例についてさらに詳しく説明する。ここで、図2Aおよび図2Bは、それぞれ演算器120の実施回路図および実施原理図を示したものである。図2Aにおいて、演算器120は、直列に接続されたソーティング(sorting)ユニット111および減法ユニット112を用いて実施される。ソーティングユニット111は、データ値の大きさに基づいて、3つの原色のデータ値dR、dG、dBを受信して、ソーティングする。ソーティングユニット111は、原色のデータ値dR、dG、dBの最大値を最大データ値MAXにソーティングし、原色のデータ値dR、dG、dBの次に大きい値を中間データ値MIDにソーティングし、原色のデータ値dR、dG、dBの最小値を最小データ値MINにソーティングする。
【0014】
その後、減法ユニット112は、最大データ値MAX、中間データ値MIDおよび最小データ値MINを受信して、減算演算(subtraction operation)を行う。減法ユニット112は、中間データ値MIDから最小データ値MINを差し引いて、混合色データ値U1を獲得し、最大データ値MAXから中間データ値MIDを差し引いて、原色データ値H1を獲得する。減法ユニット112は、また、最小データ値をグレーレベルデータ値L1として出力する。
【0015】
図2Bにおいて、例えば、ソーティングユニット111は、最大データ値MAXを原色のデータ値dRにソーティングし、中間データ値MIDを原色のデータ値dGにソーティングし、最小データ値MINを原色のデータ値dBにソーティングする。そのため、減法ユニット112は、原色のデータ値dBをグレーレベルデータ値L1として直接出力する。また、減法ユニット112は、さらに、中間データ値MID(原色のデータ値dGと等しい)から最小データ値MIN(原色のデータ値dBと等しい)を差し引いて、混合色データ値U1を獲得し、最大データ値MAX(原色のデータ値dRと等しい)から中間データ値MID(原色のデータ値dGと等しい)を差し引いて、原色データ値H1を獲得する。
【0016】
図1を参照すると、グレーレベル電気/光変換器123、混合色電気/光変換器122および原色電気/光変換器121は、演算器120に接続されて、それぞれグレーレベルデータ値L1、混合色データ値U1および原色データ値H1を受信する。原色電気/光変換器121は、原色変換曲線1211に基づいて、原色データ値H1に対して変換を行い、変換出力Pn(H)を生成する。混合色電気/光変換器122は、混合色変換曲線1222に基づいて、混合色データ値U1に対して変換を行い、変換出力Sn(U)を生成する。混合色電気/光変換器122は、原色変換曲線1221に基づいて、混合色データ値U1に対して変換を行い、変換出力Pn(U)を生成する。グレーレベル電気/光変換器123は、グレーレベル変換曲線1232に基づいて、グレーレベルデータ値L1に対して変換を行い、変換出力Kn(L)を生成する。グレーレベル電気/光変換器123は、混合色値変換曲線1231に基づいて、グレーレベルデータ値L1に対して変換を行い、変換出力Sn(L)を生成する。
【0017】
注意すべきこととして、上記の原色変換曲線1211、1221は、原色(例えば、3つの原色の赤、青、緑のうちの1つ)の変換に必要なガンマ変換曲線であり、混合色変換曲線1222、1231は、2つの原色を混合して形成された混合色(例えば、黄色、青緑色または赤紫色)の変換に必要なガンマ変換曲線である。同様に、グレーレベル変換曲線1232は、3つの原色を混合して形成されたグレーレベル(輝度のみ)の変換に必要なガンマ曲線である。2つ以上の原色を混合する状況にあるため、色間のクロストークによって、異なる色混合状況に対して異なるガンマ曲線が必要とされる。
【0018】
例えば、3つの原色(赤、青、緑)は、3つの異なるガンマ変換曲線を必要とし、3つの混合色(黄色、青緑色、赤紫色)は、6つの異なるガンマ変換曲線を必要とする(例えば、黄色は赤と緑のガンマ曲線を必要とするように、各混合色は2つのガンマ変換曲線に対応する)。また、グレーレベルは3つの異なるガンマ変換曲線(赤、青、緑のガンマ曲線)を必要とする。つまり、カラーキャリブレータ100は、12個の異なるガンマ変換曲線を必要とする。
【0019】
また、上記の異なるガンマ変換曲線は、カラーキャリブレータ100に応用可能な表示装置を用いて得られた実測のデータ値に基づいて確定される。簡潔に言うと、表示装置が全て黄色(あるいは、他の色またはグレーレベル)を表示している時に測定された駆動信号と表示光信号の間の関係を利用して、異なるガンマ変換曲線を確立する。
【0020】
上記の変換出力Pn(H)、Pn(U)、Sn(U)、Sn(L)、およびKn(L)は、それぞれ線形変換器131〜135に出力して線形変換を行い、線形変換出力I P(H)、I P(U)、I S(U)、I S(L)、およびI K(L)を生成する。
【0021】
重み付け演算器140は、線形変換出力I P(H)、I P(U)、およびグレーレベル重み付け値WK、混合色重み付け値WS、原色重み付け値WPを受信する。重み付け演算器140は、線形変換出力I K(L)とグレーレベル重み付け値WKの演算結果、線形変換出力I S(U)と混合色重み付け値WSの演算結果、および線形変換出力I P(H)、I P(U)と原色重み付け値WP演算結果に基づいて、分析出力信号I(dR、dG、dB)を生成する。
【0022】
注意すべきこととして、上記のグレーレベル重み付け値WK、混合色重み付け値WSおよび原色重み付け値WPは、カラーキャリブレータ100に応用可能な表示装置を用いて得られた測定数値と理論値の間の誤差を利用して、この誤差に最小二乗誤差法(minimum mean square error, MMSE)の最適化計算を行うことによって得られる。なお、この方法は、本分野において通常の知識を有する者にとって周知であるため、ここでは詳しく説明しない。
【0023】
また、分析出力信号I(dR、dG、dB)をCIE色度図(chromaticity diagram)に対応させることによって、処理された映像信号の色状況が人間の目にどのように見えるのかを知ることができる。つまり、ユーザは、分析出力信号I(dR、dG、dB)に基づいて、処理された映像信号の見えるべき表示状況を得ることができる。さらに、ユーザは、分析出力信号I(dR、dG、dB)から、カラーキャリブレータのパフォーマンスに必要な関連情報を得ることもできる。例えば、ユーザは、グレーレベル重み付け値WK、混合色重み付け値WSおよび原色重み付け値WPの大きさを変えることによって、CIE色度図上の分析出力信号I(dR、dG、dB)の位置を移動させて、色較正(color calibration)を達成することができる。
【0024】
重み付け演算器140の実施方法に関し、重み付け演算器140は、乗法ユニットMX1〜MX3と、減法ユニットSUB1〜SUB2と、加法ユニットSUM1とを備える。乗法ユニットMX1は、線形変換出力I K(L)にグレーレベル重み付け値WKを掛け合わせて、第1乗算結果を獲得する。減法ユニットSUB2は、線形変換出力I P(H)とI P(L)の間で減算を行い、その減算結果を乗法ユニットMX2で混合色重み付け値WSと掛け合わせて、第2乗算結果を獲得する。それから、減法ユニットSUB1は、線形変換出力I P(H)とI P(U)の間で減算を行い、その減算結果を乗法ユニットMX3で原色重み付け値WPと掛け合わせて、第3乗算結果を獲得する。それから、加法ユニットSUM1は、第1、第2および第3乗算結果を加算して、分析出力信号I(dR、dG、dB)を獲得する。
【0025】
図3を参照すると、図3は、本発明の実施形態に係るカラーキャリブレータ100の電気駆動信号生成器300の概略図である。電気駆動信号生成器300は、目標電気/光変換器310と、演算器320と、電気/光逆変換器330とを備える。電気駆動信号生成器300は、映像信号の3つの原色のdR1、dG1、dB1を受信する。ここで、原色のデータ値dR1、dG1、dB1は、カラーキャリブレータ100に提供される原色のデータ値dR1、dG1、dB1と等しい。目標電気/光変換器310は、原色のデータ値dR1、dG1、dB1を受信して、電気/光変換を行い、目標原赤色R、目標原緑色Gおよび目標原青色Bを生成する。
【0026】
演算器320は、目標原色R、G、Bを受信して、演算を行い、目標グレーレベルデータ値L、目標混合色データ値Uおよび目標原色データ値Hを獲得する。演算器320の演算原理および方法は、上述した原理および方法と類似するため、ここではさらに説明しない。
【0027】
電気/光逆変換器330は、目標グレーレベルデータ値L、目標混合色データ値Uおよび目標原色データ値Hを受信して、逆変換を行い、応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHを生成する。
【0028】
注意すべきこととして、上記の逆変換は、色推定装置110のグレーレベル電気/光変換器123、混合色電気/光変換器122、原色電気/光変換器121、線形変換器131〜135、および重み付け演算器140に基づく信号変換の逆演算である。目標グレーレベルデータ値L、目標混合色データ値Uおよび目標原色データ値Hと、応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHの関係は、以下の数1、数2および数3によって表される。
【数1】


【数2】


【数3】

【0029】
ここで、TRC-1k(L)は、対応するグレーレベルデータ値Lのグレーレベル変換曲線の逆演算であり、TRC-1 s((H,U),U)は、対応する混合色データ値Uおよび原色データ値Hの混合色変換曲線の逆演算であり、TRC-1p(H)は、対応する原色データ値Hの原色変換曲線の逆演算である。また、TRCk(U)は、対応する混合色データ値Uのグレーレベル変換曲線の逆演算であり、TRCk(H)は、対応する原色データ値Hのグレーレベル変換曲線の逆演算であり、TRCs((H,U),U)、TRC s((H,U),H)は、混合色データ値Uおよび原色データ値Hの混合色変換曲線の逆演算である。
【0030】
引き続き図3を参照すると、電気/光逆変換器330が数1〜数3を実施するために使用されるモジュール331〜333は、ルックアップテーブル法(look-up table method)を利用することができる。デジタルシステムにおいて、設計者は、実際の数1〜数3を異なる数値のグレーレベルデータ値L、混合色データ値Uおよび原色データ値Hに適用して、複数組の応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHを獲得することができる。それから、さらに原色データ値H、混合色データ値Uおよび算出されたグレーレベルデータ値Lと、応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHの関係に基づいて、ルックアップテーブルが確立される。このルックアップテーブルは、モジュール331〜333を実施し、受信した原色データ値H、混合色データ値Uおよびグレーレベルデータ値Lに基づいて、応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHを対応して識別するために用いる。
【0031】
注意すべきこととして、上記のルックアップテーブルは、メモリユニット(情報を保存するためのメモリや磁気駆動(magnetic drive)等)に保存され、メモリユニットは、電気/光逆変換器330に内設されるか、あるいは、電気/光逆変換器330に外付されて読み取る。
【0032】
以下、色推定装置と電気駆動信号生成器を結合させたディスプレイカラーキャリブレータについて、実施例を用いて詳しく説明する。
【0033】
図4を参照すると、図4は、本発明の別の実施形態に係るディスプレイカラーキャリブレータ400の概略図である。カラーキャリブレータ400は、表示装置430に応用され、色推定装置410と、電気駆動信号生成器420とを備える。色推定装置410は、外付けされた(または内設された)保存ユニット440を介して、ルックアップテーブル法を用いて保存されたグレーレベル変換曲線、混合色変換曲線および原色変換曲線を読み取る。保存ユニット440は、グレーレベル重み付け値、混合色重み付け値および原色重み付け値を保存するためにも使用される。
【0034】
色推定装置410は、原色のデータ値dR、dGおよびdBを受信して、推定する。色推定装置410は、また、グレーレベル変換曲線、混合色変換曲線、原色変換曲線、およびグレーレベル重み付け値、混合色重み付け値、原色重み付け値等を使用するための関連情報を電気駆動信号生成器420に提供して、電気駆動信号生成器420がルックアップテーブルを用いて電気/光逆変換421を実施できるようにする。
【0035】
電気駆動信号生成器420は、同様に、原色のデータ値dR、dGおよびdBを受信して、電気/光逆変換421の逆演算に基づいて、応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHを生成する。同時に、駆動信号生成器420は、応用グレーレベルデータ値dL、応用混合色データ値dUおよび応用原色データ値dHを表示装置430に出力する。表示装置430は、それによって、色を混合している間に色間のクロストークによって生じた歪みがない映像を表示する。表示装置は、基本色分離法(base color separation method)に基づいて、映像信号に対応する映像を表示する。
【0036】
また、本発明のある実施形態において、ディスプレイデバイス430が交換された時、メモリユニット440に新しく接続された表示装置のグレーレベル変換曲線、混合色変換曲線、原色変換曲線、およびグレーレベル重み付け値、混合色重み付け値、原色重み付け値等を保存することによって、カラーキャリブレータ400は、クロストーク現象により生じた歪みがない映像を効果的に表示することができる。
【0037】
以上の説明に基づき、本発明のカラーキャリブレータは、グレーレベル変換曲線、混合色変換曲線、原色変換曲線、およびグレーレベル重み付け値、混合色重み付け値、原色重み付け値等の情報を取り入れることによって、色の推定を行う。また、グレーレベル変換曲線、混合色変換曲線、原色変換曲線、およびグレーレベル重み付け値、混合色重み付け値、原色重み付け値等に基づいて行った逆演算により、表示装置は、クロストーク現象から生じた歪みがない表示映像の電気駆動信号を生成する。
【0038】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0039】
100、400 カラーキャリブレータ
110、410 色推定装置
111 ソーティングユニット
112 減法ユニット
120、130 演算器
121、122、123 電気/光変換器
1211、1221、1222、1231、1232 変換曲線
131〜135 線形変換器
140 重み付け演算器
300、420 電気駆動信号生成器
310 目標電気/光変換器
330、421 電気/光逆変換器
331〜333 モジュール
430 表示装置
440 メモリユニット
R、G、B 目標原色
n(H)、Pn(U)、Sn(U)、Sn(L)、Kn(L)、I P(H)、I P(U)、I S(U)、I S(L)、I K(L) 変換出力
K、WS、WP 重み付け値
I(dR、dG、dB) 分析出力信号
SUB1〜SUB2 減法ユニット
MX1〜MX3 乗法ユニット
SUM1 加法ユニット
R、dG、dB、dR1、dG1、dB1、MAX、MID、MIN、L、U、H、L1、U1、H1、dH、dL、dU データ値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号の第1原色、第2原色および第3原色のデータ値を受信するために用いる色推定装置を備え、前記色推定装置が、
前記第1原色、前記第2原色および前記第3原色の前記データ値に対して演算を行い、グレーレベルデータ値、混合色データ値および原色データ値を獲得する第1演算器と、
複数のグレーレベル変換曲線および複数の混合色変換曲線に基づいて前記グレーレベルデータ値を変換し、それぞれ第1変換出力および第2変換出力を生成するグレーレベル電気/光変換器と、
前記複数の混合色変換曲線および複数の原色変換曲線に基づいて前記混合色データ値を変換し、それぞれ第3変換出力および第4変換出力を生成する混合色電気/光変換器と、 前記複数の原色変換曲線に基づいて前記原色データ値を変換し、第5変換出力を生成する原色電気/光変換器と、
それぞれ前記第1変換出力、前記第2変換出力、前記第3変換出力、前記第4変換出力および前記第5変換出力を受信して、線形変換を行い、それぞれ第1線形変換出力、第2線形変換出力、第3線形変換出力、第4線形変換出力および第5線形変換出力を獲得する複数の線形変換器と、
前記第1線形変換出力、前記第2線形変換出力、前記第3線形変換出力、前記第4線形変換出力、前記第5線形変換出力、およびグレーレベル重み付け値、混合色重み付け値、原色重み付け値を受信して、前記第1線形変換出力と前記グレーレベル重み付け値の演算結果、前記第2線形変換出力、前記第3線形変換出力と前記混合色重み付け値の演算結果、および前記第4線形変換出力、前記第5線形変換出力と前記原色重み付け値の演算結果に基づいて、分析出力信号を生成する重み付け演算器とを備え、
前記第1演算器が、
前記第1原色、前記第2原色および前記第3原色の大きさをソーティングして、第1最大データ値、第1中間データ値および第1最小データ値を獲得するソーティングユニットと、
前記第1中間データ値から前記第1最小データ値を差し引いて、前記混合色データ値を獲得するとともに、前記第1最大データ値から前記第1中間データ値を差し引いて、前記原色データ値を獲得し、前記最小データ値を前記グレーレベルデータ値として直接出力する減法ユニットとを含み、
前記映像信号の前記第1原色、前記第2原色および前記第3原色の前記データ値を受信する電気駆動信号生成器を備え、前記電気駆動信号生成器が、
前記第1原色、前記第2原色および前記第3原色の前記データ値を受信して、第1目標原色、第2目標原色および第3目標原色を生成する目標電気/光無変換器と、
前記第1目標原色、前記第2目標原色および前記第3目標原色を受信して、前記演算を行い、目標グレーレベルデータ値、目標混合色データ値および目標原色データ値を獲得する第2演算器と、
前記目標グレーレベルデータ値、前記目標混合色データ値および前記目標原色データ値を受信して、前記目標グレーレベルデータ値、前記目標混合色データ値および前記目標原色データ値に対応して逆変換を行い、応用グレーレベルデータ値、応用混合色データ値および応用原色データ値を獲得する電気/光逆変換器と
を備え、前記逆変換が、前記グレーレベル電気/光逆変換器、前記混合色電気/光逆変換器、前記原色電気/光逆変換器、前記複数の線形変換器および前記重み付け演算器により行われた信号変換および演算の逆演算である表示装置のカラーキャリブレータ。
【請求項2】
前記グレーレベル電気/光変換器、前記混合色電気/光変換器および前記原色電気/光変換器が有する前記複数のグレーレベル変換曲線、前記複数の混合色変換曲線および前記複数の原色変換曲線が、前記表示装置が受信した複数の電気駆動信号と対応して出力された複数の光信号の関係に基づいて獲得される請求項1記載のカラーキャリブレータ。
【請求項3】
前記重み付け演算器が、
前記第1線形変換出力と前記グレーレベル重み付け値を掛け合わせて、第1乗算結果を獲得する第1乗法ユニットと、
前記第3線形変換出力から前記第2線形変換出力を差し引いて、第1減算結果を獲得する第1減法ユニットと、
前記第1減算結果を前記混合色重み付け値と掛け合わせて、第2乗算結果を獲得する第2乗法ユニットと、
前記第5線形変換出力から前記第4線形変換出力を差し引いて、第2減算結果を獲得する第2減法ユニットと、
前記第2減算結果を前記原色重み付け値と掛け合わせて、第3乗算結果を獲得する第3乗法ユニットと、
前記第1乗算結果、前記第2乗算結果および前記第3乗算結果を加算して、前記分析出力信号を獲得する加法ユニットと
を備えた請求項1記載のカラーキャリブレータ。
【請求項4】
前記第2演算器が、
前記第1原色、前記第2原色および前記第3原色の大きさに基づいて、前記第1原色、前記第2原色および前記第3原色の前記データ値をソーティングし、第2最大データ値、第2中間データ値および第2最小データ値を獲得するソーティングユニットと、
前記第2最大データ値から前記第2最小データ値を差し引いて、前記目標混合色データ値を獲得するとともに、前記第2最大データ値から前記目標混合色データ値を差し引いて、前記目標原色データ値を獲得し、前記第2最小データ値を前記目標グレーレベルデータ値として直接出力する減法ユニットとを含む請求項1記載のカラーキャリブレータ。
【請求項5】
前記応用グレーレベルデータ値、前記応用混合色データ値および前記応用原色データ値が、前記表示装置に提供され、前記表示装置が、基本色分離法に基づいて、前記映像信号に対応する映像を表示する請求項1記載のカラーキャリブレータ。
【請求項6】
ルックアップテーブル法を用いて前記複数のグレーレベル変換曲線、前記複数の混合色変換曲線および前記複数の原色変換曲線を保存するとともに、前記グレーレベル重み付け値、前記混合色重み付け値、前記原色重み付け値を保存する少なくとも1つの保存ユニット
をさらに備えた請求項1記載のカラーキャリブレータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−15848(P2013−15848A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180982(P2012−180982)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2010−144479(P2010−144479)の分割
【原出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(502352807)中華映管股▲ふん▼有限公司 (84)
【Fターム(参考)】