説明

表示装置の評価装置、評価方法および評価システム

【課題】簡易かつ高精度に表示装置の評価を行うことができる表示装置の評価装置、評価方法および評価システムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、表示装置の評価システムは、信号発生器と、妨害波発生器と、カメラと、レジスタと、比較部と、出力部とを備える。前記信号発生器は、被評価表示装置の表示パネルにテスト画像を表示させる。前記妨害波発生器は、周波数をスイープさせながら、前記被評価表示装置に妨害波を与える。前記カメラは、前記表示パネルに表示された前記テスト画像の一部を撮影する。前記レジスタは、前記カメラで撮影された画像の特性値を算出する。前記比較部は、前記妨害波の周波数ごとに、予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、を比較する。前記出力部は、前記比較の結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置の評価装置、評価方法および評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置が外部から妨害波を受けると、表示パネルに表示された画像が劣化することがある。そのため、いわゆるイミュニティ試験を行い、画像の劣化の程度を評価する必要がある。イミュニティ試験では、1台の映像装置に対して何度も画像の劣化を評価しなければならない。この評価のすべてを人(評価者)が行うと、目の疲れや集中力の低下により正確に評価できない、という問題がある。また、表示パネル全体を高性能カメラで撮影して画像の劣化を自動で判定する場合、外光の影響を遮断して試験をしなければならず、試験に時間がかかったり試験コストが高くなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−98749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
簡易かつ高精度に表示装置の評価を行うことができる表示装置の評価装置、評価方法および評価システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、表示装置の評価システムは、信号発生器と、妨害波発生器と、カメラと、レジスタと、比較部と、出力部とを備える。前記信号発生器は、被評価表示装置の表示パネルにテスト画像を表示させる。前記妨害波発生器は、周波数をスイープさせながら、前記被評価表示装置に妨害波を与える。前記カメラは、前記表示パネルに表示された前記テスト画像の一部を撮影する。前記レジスタは、前記カメラで撮影された画像の特性値を算出する。前記比較部は、前記妨害波の周波数ごとに、予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、を比較する。前記出力部は、前記比較の結果を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】被評価表示装置110の概略ブロック図。
【図2】一実施形態に係る表示装置110の評価システムの概略ブロック図。
【図3】テストパターンの一例であるカラーバー6の概略図。
【図4】表示装置110の評価手法の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
例えばCISPR20、EN55020規格は、表示装置にカラーバーを表示させた状態で周波数0.15〜150MHzの妨害波を与える試験を行い、表示される画像の劣化が所定値以下であることを要求している。また、同規格は、評価者の目視による官能検査を行って劣化の程度を算定することを定めている。
【0008】
表示装置は外部入力端子や電源端子など多くの端子を備えており、そのそれぞれから妨害波を与える試験を行う。また、PALやSECAM など映像信号の規格ごとに試験を行う。そのため、試験数が数十〜数百に至ることもあり、仮に評価者がすべての試験を上記の周波数範囲にわたって官能検査を行うと、評価者の目の疲れや集中力の低下により正確に評価できないおそれがある。
【0009】
そこで、本実施形態では、予め簡易的な評価を自動で行い、画像が劣化している可能性がある周波数についてのみ官能検査をすることにより、評価者の負担を軽減して、簡易かつ高精度に表示装置の評価を行うものである。
【0010】
図1は、被評価表示装置110(以下、単に表示装置110)の概略ブロック図である。
【0011】
表示装置110は、各部の動作を制御する制御部156と、操作部116と、受光部118とを備えている。制御部156は、ROM(Read Only Memory)157と、RAM(Random Access Memory)158と、CPU(Central Processing Unit)159と、フラッシュメモリ160とを有する。
【0012】
制御部156は、操作部116から入力される操作信号や、リモートコントローラ117から送信され受光部118を介して入力される操作信号に応じて、ROM157に予め記憶されたシステム制御プログラムおよび各種処理プログラムを起動させる。制御部156は、RAM158をCPU159のワークメモリとし、起動したプログラムに従って各部の動作を制御する。また制御部156は、各種設定に必要な情報等を例えばNANDフラッシュメモリ等のような不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ160に格納して使用する。
【0013】
また、表示装置110は、アンテナ入力端子144と、チューナ145と、PSK(Phase Shift Keying)復調器146と、TS(Transport Stream)復号器147aと、信号処理部120とを備えている。
【0014】
アンテナ入力端子144は、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ143が受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号を、衛星デジタル放送用のチューナ145に送信する。チューナ145は、受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングされたデジタル放送信号をPSK復調器146に送信する。PSK復調器146は、デジタル放送信号からTSを復調し、復調されたTSをTS復号器147aに送信する。TS復号器147aは、TSをデジタル映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号に復号した後、信号処理部120にこれらを送信する。
【0015】
ここでのデジタル映像信号とは、表示装置110が出力可能な映像に関するデジタル信号であり、デジタル音声信号とは、表示装置110が出力可能な音声に関するデジタル信号である。またデータ信号とは、復調されたサービスについての各種情報を示すデジタル信号である。
【0016】
また、表示装置110は、アンテナ入力端子149と、2つのチューナ150a,150bを有するチューナ部150と、2つのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器151と、2つのTS復号器147bと、アナログチューナ168と、アナログ復調器169とを備えている。
【0017】
アンテナ入力端子149は、地上波デジタル放送受信用のアンテナ148が受信した地上波デジタルテレビジョン放送信号を、地上波デジタル放送用のチューナ部150に送信する。チューナ部150のチューナ150a,150bは、それぞれ受信したデジタル放送信号のチューニングを行い、チューニングされたデジタル放送信号を、2つ存在するOFDM復調器151に送信する。OFDM復調器151は、デジタル放送からTSを復調し、復調されたTSをそれぞれ対応するTS復号器147bに送信する。TS復号器147bは、TSをデジタル映像信号および音声信号等に復号した後、信号処理部120にこれらを送信する。チューナ部150のチューナ150a,150bのそれぞれで取得した地上波デジタルテレビジョン放送は、2つずつのOFDM復調器151、TS復号器147bによってそれぞれ同時にデジタル映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号を含むデジタル信号として復号された後に、信号処理部120に送信されることが可能である。
【0018】
アンテナ148は、地上波アナログテレビジョン放送信号も受信可能である。受信された地上波アナログテレビジョン放送信号は、図示しない分配器によって分配されて、アナログチューナ168に送信される。アナログチューナ168は、受信したアナログ放送信号のチューニングを行い、チューニングされたアナログ放送信号をアナログ復調器169に送信する。アナログ復調器169はアナログ放送信号の復調を行い、復調されたアナログ放送信号を信号処理部120に送信する。また、表示装置110は、一例として、アンテナ148が接続されるアンテナ入力端子149にCATV(Common Antenna Television)用のチューナを接続することによってCATVも視聴できる。
【0019】
また、表示装置110は、外部入力端子137と、音声処理部153と、スピーカ115と、グラフィック処理部152と、OSD(On Screen Display)信号生成部154と、映像処理部155と、と、液晶パネル200とを備えている。
【0020】
信号処理部120は、TS復号器147a、147b、または制御部156から送信されたデジタル信号に、適切な信号処理を施す。より具体的には、信号処理部120はデジタル信号をデジタル映像信号、デジタル音声信号、およびデータ信号に分離する。分離されたデジタル映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に送信される。また信号処理部120は、アナログ復調器169から送信された放送信号を、所定のデジタルフォーマットの映像信号および音声信号に変換する。デジタルに変換された映像信号はグラフィック処理部152に、音声信号は音声処理部153に送信される。また信号処理部120は、外部入力端子137からの入力信号にも所定のデジタル信号処理を施す。
【0021】
音声処理部153は、入力された音声信号を、スピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログ音声信号は、スピーカ115に送信されて再生される。
【0022】
OSD信号生成部154は、制御部156の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また信号処理部120においてデジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部154により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部152に送信される。
【0023】
グラフィック処理部152は、信号処理部120から送信されるデジタル映像信号のデコード処理を行う。デコードされた映像信号は、OSD信号生成部154から送信されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部155に送信される。グラフィック処理部152は、デコードされた映像信号またはOSD信号を、映像処理部155に選択的に送信することもできる。
【0024】
映像処理部155は、グラフィック処理部152から送信された信号を、液晶パネル200で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログ映像信号は、液晶パネル200に送信されて表示される。液晶パネル200の詳細は図2を用いて後述する。
【0025】
さらに、表示装置110は、LAN(Local Area Network)端子131と、LAN I/F(Interface)164と、USB(Universal Serial Bus)端子133と、USB I/F165と、HDD(Hard Disk Drive)170とを備えている。
【0026】
LAN端子131はLAN I/F164を介して制御部156に接続されている。LAN端子131はイーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用される。本実施形態において、LAN端子131にはLANケーブルが接続されており、インターネット130と通信可能となっている。
【0027】
USB端子133はUSB I/F165を介して制御部156に接続されている。USB端子133は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子133には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部156は、USB端子133を介して接続される機器との間で、情報の通信(送受信)を行うことができる。
【0028】
HDD170は表示装置110に内蔵される磁気記憶媒体であって、表示装置110が有する各種情報を記憶する機能を有する。
【0029】
図2は、一実施形態に係る表示装置110の評価システムの概略ブロック図である。評価システムは、テスト信号発生器1と、妨害波発生器2と、カメラ3a,3bと、評価装置4と、ディスプレイ5とを備えている。本実施形態では、表示装置110が液晶パネル200(表示パネル)を有する液晶表示装置である例を示すが、表示装置110はプラズマディスプレイや有機EL表示装置等であってもよく、特に制限はない。
【0030】
テスト信号発生器1は、外部入力端子137を介して、あるいはチューナ149(図1)を介して、表示装置110の液晶パネル200にテストパターンを表示させる。図3は、テストパターンの一例であるカラーバー6の概略図である。同図に示すように、カラーバー6は、それぞれ縦方向に表示される白バー6W、黄色バー6Y、シアンバー6C、緑バー6G、マゼンタバー6M、赤バー6R、青バー6Bおよび黒バー6Kを含む。
【0031】
妨害波発生器2は、表示装置110に妨害波を与える。より具体的には、妨害波発生器2は、所定の周波数の電圧の妨害波を、例えば表示装置110の外部入力端子137や、外部出力端子、電源端子から入力する。外部入力端子137は、例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子、D端子やコンポジットビデオ端子等の映像入力端子、音声入力端子である。電源端子から妨害波を入力する場合は、電源電圧に妨害波を重畳するようにする。あるいは、表示装置110の上方および下方に金属板(不図示)を配置してその一方または両方に妨害波を入力し、アンテナ入力端子144,149(図1)から表示装置110に妨害波を与えてもよい。
【0032】
カメラ3a,3bは、液晶パネル200に表示されたテストパターンの一部を撮影する。図3のカラーバー6が表示される場合、カメラ3a,3bは、いずれかのバー、例えば画像の劣化を検出しやすい黒バー6Kおよびマゼンタバー6Mの一部をそれぞれ撮影する。なお、図2では2台のカメラ3a,3bを図示し、2つのバーの一部をそれぞれ撮影する例を示しているが、カメラの台数は任意でよい。
【0033】
評価装置4は、妨害波制御部41と、レジスタ42と、比較部43と、出力部44と、メモリ45とを有する。評価装置4は、例えばソフトウェアとして実装され、1または複数のコンピュータに内蔵される。評価装置4は、評価者による官能試験を行う前に、簡易的な評価を前もって行うためのものである。
【0034】
妨害波制御部41は、妨害波発生器2が発生させる妨害波の周波数を制御する。レジスタ42は、カメラ3a,3bで撮影された画像に基づき、その特性値として、例えば色温度Tおよび輝度Yを算出する。比較部43は、レジスタ42により算出された色温度Tおよび輝度Yが、予め算出されてメモリ45に記憶された色温度Tおよび輝度Yの初期値から所定値以上変動しているか否かをそれぞれ比較し、比較結果をメモリ45に記憶する。画像が劣化すると色温度Tや輝度Yが変化するため、比較の結果、変動が大きいときは劣化が生じていると考えられる。出力部44は比較結果をディスプレイ5に出力する。
【0035】
ディスプレイ5は比較結果を表示する。なお、1台のコンピュータが評価装置4およびディスプレイ5を備えていてもよい。また、ディスプレイ5に代えて印刷装置を設け、比較結果をプリントアウトしてもよい。
【0036】
図4は、表示装置110の評価手法の手順の一例を示すフローチャートである。まず、テスト信号発生器1は、表示装置110の液晶パネル200に、例えば図3のカラーバー6を表示させる(ステップS1)。そして、カメラ3a,3bを、外光の影響を受けないよう液晶パネル200に近接(または接触)させて配置し、カラーバーのいずれかのバーの一部を撮影する(ステップS2)。
【0037】
本実施形態では、液晶パネル200全体を撮影するのではなく、その一部のみを撮影するため、カメラ3a,3bを液晶パネル200に十分近くに配置できる。したがって、カメラ3a,3bはほとんど外光の影響を受けずに、液晶パネル200に表示されるテスト画像を撮影でき、カメラ3a,3bおよび表示装置110を暗幕で覆ったり、暗室内に設置したりする手間を省ける。
【0038】
続いて、レジスタ42は、妨害波が与えられない場合に、カメラ3a,3bにより撮影された画像の色温度の初期値T0および輝度の初期値Y0を算出し、メモリ45に記録しておく(ステップS3)。
【0039】
次に、妨害波制御部41は、妨害波の周波数を0.15MHzに設定し(ステップS4)、妨害波発生器2はその周波数の妨害波を発生させて表示装置110に与える(ステップS5)。レジスタ42は、妨害波が与えられた場合の、カメラ3a,3bにより撮影された画像の色温度Tおよび輝度Yを算出する。
【0040】
そして、比較部43は、算出された色温度Tおよび輝度Yのうちの少なくとも一方が、メモリ45に記録されたこれらの初期値T0,Y0より所定値以上変動しているか否かを比較する(ステップS6)。そして、比較の結果、色温度Tおよび輝度Yの少なくとも一方が所定値より変動している場合(ステップS6のYES)、比較部43は妨害波の周波数をメモリ45に記録する(ステップS7)。もちろん、所定値より変動していない場合でも、その周波数における色温度Tおよび輝度Yを記録するようにしてもよい。
【0041】
ここで、妨害波により画像が劣化すると、信号処理部120のアナログ回路部分等が影響を受けて、例えば移動する縞が液晶パネル200に表れ、結果として、液晶パネル200に表示される画像の色温度Tや輝度Yが変動する。したがって、移動する縞を確実に撮影できるよう、所定時間にわたって撮影および比較を続けるのがよい。これにより、妨害波による画像の劣化をより高精度に検出できる。
【0042】
本実施形態では、画像の一部を撮影して初期値との比較を行うため、液晶パネル200全体を撮影するのと比べ、比較を簡易に行うことができる。
【0043】
以上の処理を、妨害波の周波数が150MHzに達するまで、妨害波制御部41が周波数を上昇させてスイープさせながら行う(ステップS8のNO,S9)。
【0044】
妨害波の周波数が150MHzに達すると(ステップS8のYES)、出力部44はメモリ45に記録された比較結果をディスプレイ5に出力する。すなわち、ステップS6で色温度Tおよび輝度Yの少なくとも一方が所定値より変動したときの妨害波の周波数を出力する。また、メモリ45に妨害波の周波数ごとの色温度Tおよび輝度Yを記録している場合は、これらをグラフで出力してもよい。
【0045】
色温度Tおよび輝度Yの少なくとも一方が所定値より変動している周波数がある場合(ステップS10のYES)、その周波数で画像が劣化していると考えらえる。したがって、当該周波数の妨害波を表示装置110に与えながら、規格に則して評価者が官能検査を行う(ステップS11)。一方、色温度Tや輝度Yの変動が所定値より小さい周波数については、画像はあまり劣化していないと考えられる。そのため、評価者が官能検査を行う必要はなく、評価者による官能検査の数を減らすことができる。
【0046】
以上により、表示装置110の評価は完了する。官能検査の結果、規格を満たしていない場合は回路の設計変更を行う等、妨害波に対する耐性を向上させるための改良を行う。以上の評価は、例えば表示装置110のモデル単位で行い、入力される映像信号の規格ごとに、かつ、入力端子ごとに行う。
【0047】
このように、本実施形態では、液晶パネル200の全体ではなく一部をカメラ3a,3bで撮影するため、外光の影響をほとんど受けない程度まで、カメラ3a,3bを十分液晶パネル200に近接させることができる。したがって暗幕等を用いることなく、簡易に評価を行うことができる。また、評価者が行うべき官能検査の数が減るため、評価者の目の疲れや集中力の低下を軽減でき、官能試験の精度を向上できる。
【0048】
なお、上述した例では、レジスタ42は色温度Tおよび輝度Yを算出した(図4のステップS3)が、いずれか一方のみを用いてもよいし、他の特性値を算出してもよい。
【0049】
上述した実施形態で説明した評価システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、評価システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0050】
また、評価システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 テスト信号発生器
2 妨害波発生器
3a,3b カメラ
4 評価装置
41 妨害波制御部
42 レジスタ
43 比較部
44 出力部
45 メモリ
5 ディスプレイ
6 カラーバー
110 被評価表示装置
137 外部入力端子
144,149 アンテナ端子
200 液晶パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被評価表示装置の表示パネルにテスト画像を表示させる信号発生器と、
周波数をスイープさせながら、前記被評価表示装置に妨害波を与える妨害波発生器と、
前記表示パネルに表示された前記テスト画像の一部を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された画像の特性値を算出するレジスタと、
前記妨害波の周波数ごとに、予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、を比較する比較部と、
前記比較の結果を出力する出力部と、を有する表示装置の評価システム。
【請求項2】
前記特性値は、色温度および輝度の少なくとも一方を含む請求項1に記載の表示装置の評価システム。
【請求項3】
前記比較部は、前記妨害波の周波数ごとに、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値が、前記予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値より所定値以上変動しているか否かを比較し、
前記出力部は、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値が、前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値より前記所定値以上変動した前記妨害波の周波数を出力する請求項1または2に記載の表示装置の評価システム。
【請求項4】
前記比較部は、前記妨害波の周波数ごとに、前記妨害波による画像の劣化を検出できるよう、所定時間にわたって比較を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置の評価システム。
【請求項5】
前記信号発生器は、前記テスト画像としてカラーバーを前記表示パネルに表示させ、
前記カメラは、前記表示パネルに表示された前記カラーバーの1つのバーの一部を撮影する請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置の評価システム。
【請求項6】
前記カメラは、前記表示パネルに接触して設けられるか、外光の影響を受けないよう前記表示パネルに近接して設けられる請求項1乃至5のいずれかに記載の表示装置の評価システム。
【請求項7】
前記妨害波発生器は、前記被評価表示装置の外部入力端子、電源端子またはアンテナ入力端子に前記妨害波を与える請求項1乃至6のいずれかに記載の表示装置の評価システム。
【請求項8】
前記妨害波発生器は、0.15MHz乃至150MHzの前記妨害波をスイープさせながら前記被評価表示装置に与える請求項1乃至7のいずれかに記載の表示装置の評価システム。
【請求項9】
妨害波発生器を制御して、周波数をスイープさせながら、被評価表示装置に妨害波を与える妨害波制御部と、
前記被評価表示装置の表示パネルに表示されたテスト画像の一部を撮影するカメラにより撮影された画像の特性値を算出するレジスタと、
予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、を比較する比較部と、
前記比較の結果を出力する出力部と、を有する表示装置の評価装置。
【請求項10】
前記特性値は、色温度および輝度の少なくとも一方を含む請求項9に記載の表示装置の評価装置。
【請求項11】
前記比較部は、前記妨害波の周波数ごとに、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値が、前記予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値より所定値以上変動しているか否かを比較し、
前記出力部は、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値が、前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値より前記所定値以上変動した前記妨害波の周波数を出力する請求項9または10に記載の表示装置の評価装置。
【請求項12】
前記比較部は、前記妨害波の周波数ごとに、前記妨害波による画像の劣化を検出できるよう、所定時間にわたって比較を行う請求項9乃至11のいずれかに記載の表示装置の評価装置。
【請求項13】
前記妨害波制御部は、前記妨害波発生器を制御して、0.15MHz乃至150MHzの前記妨害波をスイープさせながら前記被評価表示装置に与える請求項9乃至12のいずれかに記載の表示装置の評価装置。
【請求項14】
被評価表示装置の表示パネルにテスト画像を表示させるステップと、
周波数をスイープさせながら、前記被評価表示装置に妨害波を与えるステップと、
前記表示パネルに表示された前記テスト画像の一部を撮影するステップと、
前記撮影された映像の特性値を算出するステップと、
予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値と、を比較するステップと、
前記比較の結果を出力するステップと、を有する表示装置の評価方法。
【請求項15】
前記特性値は、色温度および輝度の少なくとも一方を含む請求項14に記載の表示装置の評価方法。
【請求項16】
前記比較するステップでは、前記妨害波の周波数ごとに、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値が、前記予め算出した前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値より所定値以上変動しているか否かを比較し、
前記出力するステップは、前記妨害波が与えられた場合の前記カメラで撮影された画像の特性値が、前記妨害波が与えられない場合の前記カメラで撮影された画像の特性値より前記所定値以上変動した前記妨害波の周波数を出力する請求項14または15に記載の表示装置の評価方法。
【請求項17】
前記所定値以上変動した前記妨害波の周波数を前記被評価表示装置に与えながら、官能検査を行うステップを有する請求項16のいずれかに記載の表示装置の評価方法。
【請求項18】
前記比較するステップでは、前記妨害波の周波数ごとに、前記妨害波による画像の劣化を検出できるよう、所定時間にわたって比較を行う請求項14乃至17のいずれかに記載の表示装置の評価方法。
【請求項19】
前記テスト画像を表示させるステップでは、前記テスト画像としてカラーバーを前記表示パネルに表示させ、
前記テスト画像の一部を撮影するステップでは、前記表示パネルに表示された前記カラーバーの1つのバーの一部を撮影する請求項14乃至18のいずれかに記載の表示装置の評価方法。
【請求項20】
前記テスト画像の一部を撮影するステップは、前記カメラを前記表示パネルに接触して、または、外光の影響を受けないよう前記表示パネルに近接して設けて撮影する請求項14乃至19のいずれかに記載の表示装置の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−249169(P2012−249169A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120688(P2011−120688)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】