説明

表示装置及びテレビ受像機

【課題】表示パネルの周縁部における表示パネルへの光漏れを抑制することができる表示装置及びテレビ受像機を提供する。
【解決手段】遮光シート41が、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aと、周縁下辺部21aからLED基板26の前側端部までの空間Sとを覆っている。また、遮光凸部34が、前枠部311の内面から導光板23の正面23aの周縁下辺部までの範囲を閉鎖している。このため、LED25,25,…から放射された光の内、導光板23の下端面23bから導光板23の内部に入射しなかった光は、遮光シート41又は遮光凸部34に遮蔽されるため、表示パネル21の内部には入射しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から放射された光によって表示パネルが照明される表示装置、及びこの表示装置を備えるテレビ受像機に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶表示パネルとバックライトとを備えている。バックライトは、液晶表示パネルの背面側から液晶表示パネルを照明する。
エッジライト方式のバックライトは、液晶表示パネルの背面側に、光学シート群を介して導光板を配置し、導光板の一側端面(例えば下側端面)に、LEDを対向配置してなる(特許文献1参照)。
LEDから放射された光は、導光板によって液晶表示パネルの背面側へ導かれ、光学シート群による拡散及び集光等を経て、液晶表示パネルの内部に入射する。この結果、液晶表示パネルの表示面が均一に明るくなる。
【0003】
導光板の一側方(例えば下側方)には、プリント基板が配されている。プリント基板と液晶表示パネルとは、SOF(System On Film)によって接続されている。SOFはフィルム状の基板であり、SOFには液晶表示パネルの表示面に映像を表示させるためのドライバLSIが実装されている。
液晶表示パネル、バックライト、プリント基板、及びSOFは、前キャビネットと後キャビネットとを用いてなる筐体に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−117097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LEDから放射された光が、光学シート群を介さず液晶表示パネルの内部に入射する現象(以下、光漏れという)が生じた場合、表示面の一部分が他部分よりも無用に明るくなる。この結果、表示面に表示されている映像の画質が劣化する。
光漏れの原因は、液晶表示パネルの背面の周縁部が光学シート群に被覆されていないこと、及び、LEDと液晶表示パネルとの間に、光が通過し得る空間(以下、漏光空間という)が存在すること等である。このため、LEDから放射された光の一部が、導光板の内部に入射せずに漏光空間を通り、直接的に、又は前キャビネットの内面及び導光板の正面等で反射することによって、液晶表示パネルの内部に入射する。
【0006】
特許文献1に記載の液晶表示装置は、LEDから放射された光を導光板側へ反射する反射板と、両面粘着シート状の遮光部材とを更に備える。反射板の端縁は、遮光部材によって、導光板の端縁に固定されている。反射板及び遮光部材は、漏光空間を閉鎖している。このため、導光板の内部に入射しなかった光は、反射板にて反射するか、又は、遮光部材にて反射若しくは吸収等される。
また、従来の他の液晶表示装置には、液晶表示パネルが取り付けられるパネルシャーシを更に備え、光学シート群、導光板、及びLEDをパネルシャーシで覆う構成のものがある。パネルシャーシは、漏光空間を閉鎖している。このため、LEDから放射された光は、導光板の内部及び光学シート群を介さない限り、液晶表示パネルの内部に入射することができない。
【0007】
ところで、近年、表示装置の薄型化、狭額縁化を図るべく部品点数が削減されている。反射板又はパネルシャーシを削減した場合、光漏れを抑制することができない。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、薄型化及び狭額縁化を図りつつ、表示パネルの周縁部における表示パネルへの光漏れを抑制することができる表示装置、及びこの表示装置を備えるテレビ受像機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示装置は、正面側に表示面を有する表示パネルと、該表示パネルの背面側に配置してあり、一側端面から内部に入射した光を正面から出射する導光板と、前記一側端面に対向配置してある光源とを備える表示装置において、前記表示パネルの背面における前記光源の側の周縁部を覆う遮光シートを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る表示装置は、前記光源が実装されている非透光性の基板を更に備え、該基板と前記光源の側の周縁部との間に空間を有し、前記遮光シートは、前記空間を覆うように配置してあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る表示装置は、前記表示面の周縁部を囲繞するキャビネットと、該キャビネットから前記導光板の側へ前記空間を貫いて突出しており、前記光源の側の周縁部の周縁方向に沿って並設されている複数個の遮光凸部とを更に備え、前記遮光シートには、前記複数個の遮光凸部に対応する複数個の挿入孔が設けられており、前記遮光シートは、前記挿入孔に前記遮光凸部が挿入されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記遮光凸部に、該遮光凸部の突設方向に交差する方向に窪んだ凹部が設けられており、前記挿入孔の開口縁部に、前記凹部に係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る表示装置は、前記遮光凸部は前記キャビネットに一体に設けられており、前記凹部は溝状になしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前記光源が発生させる熱を外部へ放出すべく、前記基板に取り付けられている放熱部材と、該放熱部材に接着されている絶縁シートとを更に備え、前記遮光シートは絶縁シートに一体に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係るテレビ受像機は、本発明に係る表示装置と、テレビジョン信号を受信する受信部とを備え、前記表示装置は、前記受信部が受信したテレビジョン信号に基づく映像を表示するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、表示装置は、表示パネル、光源、導光板、及び遮光シートを備える。
光源は、導光板の一側端面に対向配置されている。このため、光源から放射された光の一部は、導光板の一側端面から導光板の内部に入射し、導光板の正面から出射されることによって、表示パネルの背面側へ導かれる。
光源から放射された光の他の一部が、導光板の内部を通過せずに表示パネルへ入射しようとしても、遮光シートによって遮蔽される。従って、光漏れが抑制される。
【0017】
何故ならば、遮光シートは、表示パネルの背面の周縁部の内、光源側の周縁部(以下、光源側周縁部という)を覆うからである。表示パネルの背面の光源側周縁部は、ここから表示パネルの内部に光が入射することによって、最も強く光漏れが生じる部分である。
なお、表示パネルの背面における光源側周縁部のみならず、光源側周縁部以外の周縁部も遮光シートで覆う場合には、例えば導光板の一側端面以外の端面から出射した光による光漏れを抑制することが可能である。
【0018】
本発明にあっては、表示装置は、非透光性の基板を更に備える。
基板は非透光性であるため、基板を透過した光が表示パネルの内部に入射する虞はない。遮光シートは、表示パネルの背面の光源側周縁部を覆うのみならず、光源側周縁部と基板との間の空間をも覆う。この空間は、遮光シートが存在しないときには漏光空間となる。つまり、遮光シート及び基板は、光源と表示パネルとの間の漏光空間を覆う。
【0019】
仮に、遮光シートが表示パネルの背面の光源側周縁部のみを覆う場合、無用な光が、例えば表示パネルの周縁端面の内、光源側の周縁端面から、表示パネルの内部へ入射する可能性が否定できない。
以上のことから、本発明に係る表示装置は、更に確実に光漏れを抑制することができる。
【0020】
本発明にあっては、表示装置は、キャビネット及び複数個の遮光凸部を更に備える。
このキャビネットは、例えば前キャビネットであり、少なくとも表示パネルの表示面の周縁部を囲繞する。
各遮光凸部は、キャビネットから導光板側へ突出している。また、各遮光凸部は、光源側周縁部と基板との間の空間、即ち漏光空間となり得る空間を貫いている。従って、各遮光凸部が設けられている部分に関しては、漏光空間が閉鎖されるため、光漏れが抑制される。
複数個の遮光凸部は、光源側周縁部の周縁方向に沿って並設されている。このため、遮光凸部間に他の部材(例えばSOF)を配することが可能である。
【0021】
遮光シートに設けられている各挿入孔には、対応する遮光凸部が挿入される。
従って、例えば表示装置の製造者が所定位置に遮光シートを取り付ける際に、遮光シートの挿入孔に、キャビネットの遮光凸部を挿入することによって、遮光シートを容易に位置決めすることができる。また、遮光シートは遮光凸部に支持されるため、遮光シートを、例えば表示パネルに敢えて接着する必要がない。以上の結果、遮光シートの取付作業は簡易且つ低コストである。しかも、遮光シートの表面に、遮光シートを例えば表示パネルに接着するための接着層を形成する必要がないため、遮光シートの薄型化を図ることができる。
【0022】
遮光シートの各挿入孔は、遮光凸部によって閉鎖されるため、各挿入孔が漏光空間として機能することはない。
遮光凸部間は、遮光シートによって閉鎖されるため、遮光凸部間が漏光空間として機能することはない。
【0023】
本発明にあっては、遮光凸部に凹部が設けられており、各挿入孔の開口縁部に係合部が設けられている。
仮に、凹部又は係合部が存在しない場合、キャビネットの遮光凸部は、遮光シートの挿入孔に単純に挿入されるだけである。このため、例えば表示装置の製造時又は保守点検時等に、風が吹く、又は作業者の手が当接する等の外力が加えられることによって、遮光シートの位置ズレ又は脱落等が生じる虞がある。
しかしながら、キャビネットの遮光凸部が遮光シートの挿入孔に挿入されると共に、係合部が凹部に係合すれば、遮光シートの取り付けの際に遮光シートが位置決めされ、しかも、取り付けられた遮光シートが無用に脱落することが抑制される。
【0024】
本発明にあっては、遮光凸部に設けられている凹部は溝状になしてある。このため、遮光凸部を一体に有するキャビネットを例えば押出成形によって形成する場合に、キャビネットの素材である金属又は合成樹脂等を金型から押し出す方向にその長手方向が沿う溝状の凹部を形成することができる。この結果、凹部が設けられていない遮光凸部を有するキャビネットを形成した後で、遮光凸部に凹部を追加する場合に比べて、表示装置を容易に製造することができる。
【0025】
本発明にあっては、表示装置は、放熱部材及び絶縁シートを更に備える。
放熱部材は、光源が実装されている基板に取り付けられている。放熱部材は、光源が発生させ、基板を介して伝導した熱を、外部へ放出する。
一般に、放熱部材は金属製である。このため、放熱部材と、表示装置が備える電気部品(例えばSOFに接続されているプリント基板)との接触時に電気的な短絡が生じることがないよう、絶縁シートが放熱部材に接着されている。
たとえ放熱部材及び/又は絶縁シートが透光性を有していたとしても、基板が非透光性であるため、放熱部材及び/又は絶縁シートを透過した光が表示パネルの内部に入射する虞はない。
【0026】
遮光シートは、絶縁シートに一体に設けられている。従って、遮光シートを、例えば表示パネルに敢えて接着する必要がない。また、放熱部材に対して絶縁シートが正確に位置決めされ、且つ、放熱部材が所定位置に正確に取り付けられるのであれば、遮光シートそのものの位置決め及び取り付けを不要にすることが可能である。また、以上の結果、遮光シートの取付作業は簡易且つ低コストである。しかも、遮光シートの表面に、遮光シートを例えば表示パネルに接着するための接着層を形成する必要がないため、遮光シートの薄型化を図ることができる。
【0027】
本発明にあっては、テレビ受像機は、本発明に係る表示装置と受信部とを備える。
本発明に係る表示装置においては、光漏れが抑制されている。従って、受信部が受信したテレビジョン信号に基づく映像を表示する場合に、表示された映像の画質が、光漏れによって劣化する虞はない。
【発明の効果】
【0028】
本発明の表示装置及びテレビ受像機による場合、従来の液晶表示装置が備えているような反射板及び遮光部材、又はパネルシャーシ等を備えていない構成であっても、光漏れを抑制することができる。何故ならば、表示パネルへ入射しようとする無用な光を、表示パネルの背面の光源側周縁部を覆う遮光シートが遮蔽するからである。
遮光シートは、従来の反射板及び遮光部材、又はパネルシャーシ等に比べて軽量、小型、又は薄型の部材として構成することができるため、表示装置及びテレビ受像機の薄型化及び狭額縁化を阻害することはない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1に係るテレビ受像機の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る表示装置の構成を模式的に示す凸部突設位置の縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る表示装置の構成を模式的に示す凸部非突設位置の縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットの一部分の構成を示す拡大背面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットの一部分の構成を示す拡大斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットにパネルユニットを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットに対する遮光シートの取り付けを説明するための拡大背面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットに対する遮光シートの取り付けを説明するための拡大斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットに遮光シートを取り付けた状態を示す拡大背面図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットに遮光シートを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットに対するLEDユニットの取り付けを説明するための拡大斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える前キャビネットにLEDユニットを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える遮光シートの作用効果を説明するための凸部突設位置の縦断面図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る表示装置が備える遮光シートの作用効果を説明するための凸部非突設位置の縦断面図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る表示装置が備える前キャビネットの一部分の構成を示す拡大斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る表示装置が備える遮光凸部の一部分の構成を示す拡大斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る表示装置が備える遮光シートの構成を示す背面図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る表示装置が備える遮光シートの一部分の構成を示す拡大背面図である。
【図19】本発明の実施の形態2に係る表示装置が備える遮光シートの挿入孔の構成を示す拡大背面図である。
【図20】本発明の実施の形態2に係る表示装置が備える遮光シートの他の挿入孔の構成を示す拡大背面図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る表示装置の構成を模式的に示す凸部突設位置の縦断面図である。
【図22】本発明の実施の形態3に係る表示装置の構成を模式的に示す凸部非突設位置の縦断面図である。
【図23】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットの一部分の構成を示す拡大背面図である。
【図24】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットの一部分の構成を示す拡大斜視図である。
【図25】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットにパネルユニットを取り付けた状態を示す拡大背面図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットにパネルユニットを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図27】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備えるヒートシンクに対するシート部材の取り付けを説明するための拡大斜視図である。
【図28】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備えるヒートシンクにシート部材を取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【図29】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットに対するLED遮光ユニットの取り付けを説明するための拡大斜視図である。
【図30】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットにLED遮光ユニットを取り付けた状態を示す拡大背面図である。
【図31】本発明の実施の形態3に係る表示装置が備える前キャビネットにLED遮光ユニットを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0031】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るテレビ受像機1の外観を示す斜視図である。
図2及び図3は、本発明の実施の形態1に係る表示装置10の構成を模式的に示す縦断面図である。ただし、図2は、各後述する遮光凸部34及び位置決め凸部423が突設されている位置(即ち凸部突設位置)における断面を示し、図3は、遮光凸部34及び位置決め凸部423が突設されていない位置(即ち凸部非突設位置)における断面を示している。また、図2及び図3は、各後述する受信部11、信号処理部12、及び後キャビネット32等の図示を省略してある。図2及び図3に示す矢符は、光の方向を表わしている。
【0032】
以下では、図2及び図3の左側及び右側を、表示装置10(延いてはテレビ受像機1)の前側及び後側、又は正面側及び背面側という。また、図2及び図3の紙面垂直方向は、表示装置10の左右方向である。以下では、図2及び図3の紙面垂直方向の手前側及び奥側を、表示装置10の左側及び右側という。
図4及び図5は、前キャビネット31(後述)の一部分の構成を示す拡大背面図及び拡大斜視図である。具体的には、図4及び図5には、前キャビネット31の左下角部が示されている。
図6は、前キャビネット31にパネルユニット(後述)を取り付けた状態を示す拡大斜視図である。図6には、図5に示す前キャビネット31にパネルユニットが取り付けられた状態が示されている。
【0033】
図7及び図8は、前キャビネット31に対する遮光シート41(後述)の取り付けを説明するための拡大背面図及び拡大斜視図である。図7には、図4に示す前キャビネット31にパネルユニットが取り付けられ、そこへ遮光シート41が取り付けられる状態が示されている。図8には、図6に示す前キャビネット31へ遮光シート41が取り付けられる状態が示されている。
図9及び図10は、前キャビネット31に遮光シート41を取り付けた状態を示す拡大背面図及び拡大斜視図である。図9及び図10には、図7及び図8に示す前キャビネット31に遮光シート41が取り付けられた状態が示されている。
【0034】
図11は、前キャビネット31に対するLEDユニット(後述)の取り付けを説明するための拡大斜視図である。図11には、パネルユニットが取り付けられている前キャビネット31(図6参照)とLEDユニットとが示されている。
図12は、前キャビネット31にLEDユニットを取り付けた状態を示す拡大斜視図である。図12には、図11に示す前キャビネット31に、遮光シート41及びLEDユニットが取り付けられた状態が示されている。
【0035】
まず、図1を参照しつつ、テレビ受像機1の構成を説明する。
テレビ受像機1は、表示装置10、受信部11、信号処理部12、及びスタンド13を備えている。
表示装置10は、矩形状の表示パネル21と、筐体100とを備えている。筐体100の前部(及び後部)は、矩形枠状の前キャビネット31(及び矩形トレイ状の後キャビネット32)を用いてなる。
受信部11及び信号処理部12は、筐体100に内蔵されている。なお、受信部11及び信号処理部12は、表示装置10に外付けされていてもよい。
【0036】
表示装置10は、受信部11が受信したテレビジョン信号に基づく映像を表示する。このために、受信部11は、図示しないアンテナを介して、外部からテレビジョン信号を受信し、信号処理部12は、受信部11が受信したテレビジョン信号に所定の信号処理を施すことによって、映像データを出力する。
表示パネル21は、正面側に表示面211を有する。そして、表示パネル21は、信号処理部12が出力した映像データに基づく映像を、表示面211に表示する。
スタンド13は、表示装置10の下部に設けられており、縦姿勢の表示装置10を支持する。
【0037】
前キャビネット31はアルミニウムを用いて押出成形してなり、その中央部に矩形状の開口31aを有する。
後キャビネット32は、例えば電気亜鉛めっき鋼板からなる。
前キャビネット31及び後キャビネット32の上下及び左右寸法は略同じであり、互いの周縁部分が対向している。
【0038】
表示パネル21は、液晶表示パネルを用いてなる。表示パネル21は、表示面211の中央部に位置する有効表示領域が開口31aから露出するように、縦姿勢で筐体100に収容されている。表示パネル21の縦横(即ち上下方向及び左右方向)の寸法は、開口31aの縦横の寸法よりも若干大きい。故に、前キャビネット31は、表示パネル21の表示面211の周縁部を囲繞している。
前キャビネット31は、本発明の実施の形態におけるキャビネットとして機能する。
【0039】
次に、表示装置10の構成を詳述する。以下では、主に前キャビネット31の周縁部の内、下辺部(以下、周縁下辺部という)の近傍の構成について説明する。
まず、図2〜図5を参照しつつ、前キャビネット31の構成を更に説明する。
前キャビネット31は、前枠部311及び突出枠部312を備えている。
前枠部311は、中央部に開口31aが形成された矩形板状になしてあり、前枠部311の前面は露出している(即ち外面である)。
【0040】
前枠部311の後面(即ち前枠部311の内面)における開口31aの開口縁部(即ち前枠部311の内縁部分)には、表示パネル21の損傷を抑制するための弾性部材33が、前枠部311の周縁方向に沿って連続的又は断続的に配置してある。ただし、図4及び図5における弾性部材33の図示は省略してある。
【0041】
前枠部311の内面の上下方向中央部分には、前枠部311の周縁下辺部の周縁方向(具体的には左右方向)に並設された複数個の遮光凸部34,34,…と、長手方向が左右方向に沿う位置決め溝35とが備えられている。遮光凸部34,34,…は、弾性部材33よりも下側(換言すれば、弾性部材33よりも前枠部311の外縁側)に位置し、位置決め溝35は遮光凸部34,34,…よりも更に下側に位置している。
位置決め溝35は、後述するヒートシンク42の位置決めに用いられる。
【0042】
各遮光凸部34は、前枠部311の内面から後方向へ、即ち前キャビネット31から後述する導光板23側へ、後述する空間Sを貫いて突出している。各遮光凸部34の横断面形状は矩形状である。
突出枠部312は、前枠部311の外縁部分から後側へ突出している。
ここで、前キャビネット31の製造について説明する。まず、前枠部311、突出枠部312、遮光凸部34,34,…となすべき凸条部、及び位置決め溝35が、押出成形によって、一体に形成される。次いで、形成された凸条部を部分的に切削し、複数個に分割することによって、遮光凸部34,34,…が形成される。この結果、前キャビネット31が製造される。
【0043】
次に、図2と図3と図6とを参照しつつ、パネルユニットの構成を説明する。ここでは、表示パネル21、光学シート群22、SOF27,27,…、及びプリント基板28,28,…のひとまとまりをパネルユニットという。
【0044】
表示パネル21は、後述するエッジライト方式のバックライトによって、表示パネル21の背面212側から照明される。表示パネル21は表示面211側のガラス板と背面212側のガラス板とを有する。2枚のガラス板の間には液晶が配されており、液晶に印加された電圧に応じて、表示パネル21の透過率が変化する。従って、バックライトからの光は、表示パネル21を透過するか、又は、表示パネル21の通過を遮断される。この結果、表示面211に映像が表示される。
【0045】
バックライトは、光学シート群22、導光板23、反射シート24、LED25,25,…、及びLED基板26を用いて構成される。光学シート群22については次に説明し、これ以外については更に後で述べる。
【0046】
光学シート群22は、表示パネル21の背面212の中央部に密着配置されている。光学シート群22の縦横の寸法は、表示パネル21の背面212の縦横の寸法よりも小さい。このため、光学シート群22は、表示パネル21の周縁部を被覆していない。ただし、光学シート群22の縦横の寸法は、表示パネル21の有効表示領域の縦横の寸法より大きい。つまり、光学シート群22は、表示パネル21の有効表示領域を、背面212側から覆っている。
光学シート群22は、光の拡散機能を有する光学シート及び集光機能を有する光学シート等、複数枚の光学シートが積層されてなる。
なお、光学シート群22に替えて、光の拡散機能及び集光機能等、複数種類の機能を有する1枚の光学シートが表示パネル21に密着配置されていてもよい。
【0047】
複数枚のSOF27,27,…は、表示パネル21の周縁下辺部21aの周縁方向(具体的には左右方向)に沿って並置されている。各SOF27は、上端部が表示パネル21に接続されて、周縁下辺部21aから垂下している。
各SOF27の下端部は後側へ折り曲げられて、複数枚のプリント基板28,28,…の内、何れかひとつのプリント基板28に接続されている。また、各SOF27の背面には、ドライバLSI271が実装されている。ドライバLSI271は、信号処理部12が出力した映像データに基づいて、適宜の電圧を表示パネル21の液晶に印加する。この結果、表示パネル21の透過率が変化する。ただし、図2及び図3におけるドライバLSI271の図示は省略してある。
各プリント基板28は、横長の矩形板状になしてある。
【0048】
パネルユニットは、表示パネル21の表示面211の周縁部が弾性部材33に接触するようにして、前キャビネット31に後方から取り付けられる。
このとき、表示パネル21の周縁下辺部21aの周縁方向は、前枠部311の周縁下辺部の周縁方向に沿い、これらは共に左右方向である。また、このとき、SOF27,27,…は、遮光凸部34,34,…間に配される。即ち、SOF27と遮光凸部34とが左右方向に交互に配される。各プリント基板28は、その下面が突出枠部312の上面(即ち内面)側に向くようにして、左右方向に沿う横姿勢に配される。このとき、複数枚のプリント基板28,28,…は左右方向に並置される。
【0049】
次に、図2、図3、及び図7〜図10を参照しつつ、遮光シート41の構成を説明する。
遮光シート41は、横長の矩形シート状になしてあり、ポリカーボネートを用いてなる。なお、遮光シート41は、ポリカーボネートを用いてなる構成に限定されず、例えば紙製でもよい。
遮光シート41の色は黒であるが、光を透過させ難い色であれば、黒に限定されない。
【0050】
遮光シート41は、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aと、周縁下辺部21aから後述するLED基板26の前側端部までの空間Sとを覆う。周縁下辺部21aは、本発明の実施の形態における光源の側の周縁部として機能する。
ここで、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aとは、背面212における後述するLED25,25,…側の周縁部である。周縁下辺部21aの周縁方向は、左右方向に沿う。つまり、遮光凸部34,34,…は、周縁下辺部21aの周縁方向に沿って並設されている。
【0051】
遮光シート41は、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aの内、背面212が露出している部分(即ち光学シート群22に覆われていない部分)を可及的広く覆うことが望ましい。従って、遮光シート41の上端部は、光学シート群22の下端部に可及的接近配置されることが望ましい。
遮光シート41には、各矩形状の複数個の挿入孔411,411,…が、遮光シート41の長手方向に並設されている。挿入孔411,411,…の開口位置は、前キャビネット31の遮光凸部34,34,…の突設位置に対応する。
【0052】
遮光シート41は、縦姿勢で前キャビネット31に後方から取り付けられる。更に詳細には、遮光シート41は、挿入孔411,411,…に遮光凸部34,34,…が挿入されることによって、遮光凸部34,34,…に支持される。このとき、遮光シート41の前面の上端部は、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aに接触する。
【0053】
ここで、各挿入孔411の縦横の寸法は、対応する遮光凸部34の縦横の寸法よりも僅かに長い。仮に、挿入孔411の縦横の寸法が挿入孔411の縦横の寸法以下である場合、遮光凸部34を挿入孔411に挿入することができなかったり、遮光凸部34を挿入孔411に無理矢理挿入することによって、遮光シート41に歪み又は損傷等が生じたりする虞がある。逆に、挿入孔411の縦横の寸法が挿入孔411の縦横よりも過剰に長い場合には、挿入孔411を通して、後述するような光漏れが生じる虞がある。
【0054】
次に、図2、図3、図11、及び図12を参照しつつ、LEDユニットの構成を説明する。ここでは、LED25,25,…、LED基板26、ヒートシンク42、及び絶縁シート43のひとまとまりをLEDユニットという。
LED基板26は、非透光性を有し、横長の矩形板状になしてある。LED基板26の一面には、LED基板26の長手方向に並置された複数個のLED25,25,…が実装されている。
LED25,25,…及びLED基板26は、本発明の実施の形態における光源及び基板として機能する。なお、LED25,25,…に替えて、電球、熱陰極蛍光灯、EL(Electro Luminescence)、又は冷陰極管等が備えられていてもよい。
【0055】
絶縁シート43は、横長の矩形シート状になしてあり、ポリカーボネートを用いてなる。
ヒートシンク42は金属製であり、横長の棒状、且つ縦断面形状が倒立L字状になしてある。ヒートシンク42は、一側が横姿勢に配された矩形板状の基板載置部421であり、他側が縦姿勢に配された矩形板状の筐体取付部422である。なお、ヒートシンク42は合成樹脂製でもよい。
基板載置部421には、LED基板26が固定的に載置されている。このとき、基板載置部421の外面とLED基板26の他面(即ちLED25,25,…が実装されていない面)とが接触しており、更に、基板載置部421及びLED基板26夫々の長手方向が互いに沿う。
【0056】
基板載置部421の内面には、絶縁シート43が、両面粘着テープ又は接着剤製等の接着層を介して、接着されている。このとき、基板載置部421及び絶縁シート43夫々の長手方向が互いに沿う。
基板載置部421の前端部には、ヒートシンク42の長手方向に並置された複数個の位置決め凸部423,423,…が突設されている。各位置決め凸部423の基板載置部421の前端部からの突出長さは、位置決め溝35の深さ(即ち前後方向の長さ)よりも適宜に長い。また、各位置決め凸部423の厚み(即ち上下方向の長さ)は、位置決め溝35の開口幅(即ち上下方向の長さ)よりも僅かに短い。
【0057】
LEDユニットは、基板載置部421の外面、即ちLED基板26が載置されている面を上側に向け、基板載置部421の内面、即ち絶縁シート43が接着されている面を下側に向け、更に、位置決め凸部423,423,…を前側に向けて、前キャビネット31に後方から取り付けられる。
このとき、位置決め凸部423,423,…は、SOF27,27,…間に配される。即ち、位置決め凸部423とSOF27とが左右方向に交互に配される。この結果、各位置決め凸部423の左右方向の配置と各遮光凸部34の左右方向の配置とは同一になる。
【0058】
また、このとき、ヒートシンク42の位置決め凸部423,423,…は、各位置決め凸部423の先端部が、前枠部311の位置決め溝35の最奥部に当接するよう、位置決め溝35へ挿入される。この結果、ヒートシンク42は、上下方向及び前後方向に容易に位置決めされる。
【0059】
ヒートシンク42が正確に位置決めされた場合、LED25,25,…は、後述する導光板23の下端面23bに正確に対向配置される。また、LED基板26の前側端部は、遮光シート41の後面の下端部に接触する。更に、絶縁シート43は、ヒートシンク42とプリント基板28,28,…との間に介在する。
【0060】
仮に、絶縁シート43が存在しない場合、例えば表示装置10に外力が加えられてプリント基板28が振動し、ヒートシンク42と接触することによって、短絡が生じる虞がある。しかしながら、絶縁シート43がプリント基板28とヒートシンク42とを電気的に絶縁するため、短絡の発生が抑制される。
位置決めされたヒートシンク42は、後述するように前キャビネット31にビス留めされる。
本実施の形態では、表示装置10が1枚の遮光シート41を備える構成を説明している。しかしながら、表示装置10は、例えば図12に示すように、左右方向に並置された複数枚の遮光シート41,41,…を備える構成でもよい。
【0061】
次に、図2及び図3を参照しつつ、バックライトの構成を説明する。
導光板23は、矩形板状になしてあり、例えばアクリル樹脂を用いてなる。導光板23の縦横の寸法は、表示パネル21の縦横の寸法よりも大きい。
導光板23は、導光板23の少なくとも下端面23bから導光板23の内部に入射した光を、導光板23の正面23a及び背面から均一に出射する(即ち面発光する)。
下端面23bは、本発明の実施の形態における一側端面として機能する。
【0062】
反射シート24は、導光板23の背面に密着配置されている。反射シート24の縦横の寸法は、導光板23の縦横の寸法よりも大きい。このため、導光板23の背面から出射した光は、確実に反射シート24で反射し、再び導光板23の内部に入射する。
【0063】
LED25,25,…から放射された光は、直接的に、又は、反射シート24及び遮光凸部34等で反射することによって、導光板23の下端面23bから導光板23の内部に入射する。導光板23の内部に入射した光は、導光板23の正面23aから出射する。正面23aから出射した光は、光学シート群22による拡散及び集光等を経て、表示パネル21の背面212から表示パネル21の内部に入射する。この結果、表示パネル21の表示面211が、均一に明るくなる。
【0064】
バックライトシャーシ36は、支持部361と取付部362とを有する。支持部361は矩形板状になしてある。支持部361には、支持部361の一面と反射シート24の背面とを密着させて、導光板23及び反射シート24が取り付けられる。
【0065】
バックライトシャーシ36は、導光板23の正面23aの中央部が光学シート群22の背面に密着し、導光板23の正面23aの周縁下辺部が遮光凸部34,34,…の先端面に密着するように、導光板23及び反射シート24を縦姿勢に保持した状態で、前キャビネット31に後方から取り付けられる。このとき、バックライトシャーシ36の取付部362は、ヒートシンク42の筐体取付部422と共に、ビスB,B,…を用いて前キャビネット31に共締めされる。以上の結果、導光板23及び反射シート24は、遮光凸部34,34,…とバックライトシャーシ36とに挟持される。
バックライトシャーシ36の背後は、後キャビネット32によって覆われる。
【0066】
次に、遮光シート41の作用効果を説明する。
図13及び図14は、遮光シート41の作用効果を説明するための凸部突設位置及び凸部非突設位置の縦断面図である。図13及び図14は図2及び図3に対応し、図13及び図14に示す表示装置10の構成は、遮光シート41を備えていない点を除けば、図2及び図3に示す表示装置10の構成と同一である。
【0067】
遮光シート41の有無に拘らず、図2及び図13に示すように、各遮光凸部34の突設位置には、LED25,25,…側から表示パネル21側へ光が通過し得る漏光空間が存在しない。何故ならば、遮光凸部34,34,…は、前キャビネット31の前枠部311の内面から空間Sを貫いて導光板23の正面23aの周縁下辺部まで突出することによって、前枠部311の内面から正面23aの周縁下辺部までの範囲を閉鎖しているからである。故に、LED25,25,…から放射された光は、直接的に、又は、反射シート24及び遮光凸部34等で反射することによって、導光板23の下端面23bから導光板23の内部に入射する。このため、光漏れは生じない。
【0068】
ところが、図14に示すように、表示装置10が遮光シート41を備えていない場合、各遮光凸部34の非突設位置には、漏光空間が存在する。故に、LED25,25,…から放射された光の内、導光板23の内部に入射しなかった光が、SOF27の背面及び導光板23の正面23a等で反射することによって、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21a、即ち背面212の光学シート群22に覆われていない部分から表示パネル21の内部に入射する。この結果、表示面211の下部における遮光凸部34,34,…の非突設位置に対応する部分が、この部分だけサーチライトで別途照明されたかように、他の部分よりも無用に明るくなる。この結果、表示面211に表示される映像の画質が劣化する。
【0069】
一方、図3に示すように、表示装置10が遮光シート41を備えている場合、各遮光凸部34の突設位置にも、漏光空間は存在しない。何故ならば、遮光シート41が、表示パネル21の周縁下辺部21aからLED基板26の前側端部までの空間Sを覆っているからである。故に、LED25,25,…から放射された光の内、導光板23の内部に入射しなかった光は、遮光シート41に遮蔽されるため、表示パネル21の内部には入射しない。
たとえ、遮光シート41が空間Sを覆っていなかったとしても、遮光シート41は、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aを覆っているため、背面212の光学シート群22に覆われていない部分から表示パネル21の内部に、無用な光が入射する虞はない。
【0070】
以上のような表示装置10においては、光漏れが抑制されるため、表示面211に表示される映像の画質が向上する。しかも、遮光シート41を他部材(例えば表示パネル21)に接着する必要がないため、両面粘着テープ又は接着剤製等の接着層が不要である分、遮光シート41は薄型である。
なお、遮光シート41が空間Sを覆わない構成の場合、遮光シート41を表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aに接着する必要があり、遮光シート41を接着する際には遮光シート41の位置決めが必要である。また、表示パネル21の下端面を介した光漏れは生じ難いが、念のために、表示パネル21の下端面を別途遮光シートで覆うことが望ましい。
【0071】
更に、遮光シート41は、前キャビネット31の周縁上辺部近傍にも備えられていてもよい。何故ならば、前キャビネット31の周縁上辺部近傍にもLED25,25,…及びLED基板26が配されている場合があるからである。このとき、遮光シート41は、表示パネル21の背面212の周縁上辺部を覆うが、周縁上辺部から周縁上辺部近傍のLED基板26の前側端部までの空間も覆うことが望ましい。また、前キャビネット31の前枠部311の周縁上辺部の内面にも遮光凸部34,34,…が突設され、遮光シート41が遮光凸部34,34,…に支持されることが望ましい。
【0072】
更にまた、遮光シート41は、前キャビネット31の周縁左辺部近傍及び周縁右辺部近傍夫々にも備えられていてもよい。何故ならば、たとえ前キャビネット31の周縁左辺部及び右辺部近傍にLED25,25,…及びLED基板26が配されていない場合であっても、例えば導光板23の下端面23b以外の端面から出射した光が前キャビネット31の内部で反射することによって光漏れが生じ得るからである。このとき、遮光シート41,41は、表示パネル21の背面212の周縁左辺部及び周縁右辺部を覆えばよい。ただし、この場合でも、前キャビネット31の前枠部311の周縁上辺部及び右辺部夫々の内面にも遮光凸部34,34,…が突設され、各遮光シート41が遮光凸部34,34,…に支持されることが望ましい。
【0073】
実施の形態 2.
本実施の形態における表示装置10及びテレビ受像機1の構成は、各遮光凸部34の構成及び遮光シート41の構成を除けば、実施の形態1における表示装置10及びテレビ受像機1の構成と同一である。以下では、実施の形態1,2の差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0074】
図15は、本発明の実施の形態2に係る表示装置10が備える前キャビネット31の一部分の構成を示す拡大斜視図である。図16は、表示装置10が備える遮光凸部34の一部分の構成を示す拡大斜視図であり、図15に示す範囲Aが拡大されている。図15及び図16の上下方向は、表示装置10の前後方向である。
各遮光凸部34には、遮光凸部34の上面及び下面に、長手方向が左右方向に沿う溝状凹部341,342が設けられている。溝状凹部341は下方向に窪み、溝状凹部342は上方向に窪んでいる。従って、溝状凹部341,342は、遮光凸部34の突設方向に交差する方向に窪んでいる。溝状凹部341,342は、本発明の実施の形態における凹部として機能する。
【0075】
ここで、前キャビネット31の製造について説明する。まず、前枠部311、突出枠部312、遮光凸部34,34,…及び各遮光凸部34の溝状凹部341,342となすべき溝付き凸条部、並びに位置決め溝35が、押出成形によって、一体に形成される。次いで、形成された溝付き凸条部を部分的に切削し、複数個に分割することによって、夫々に溝条凹部341,342が設けられた遮光凸部34,34,…が形成される。この結果、前キャビネット31が製造される。
溝状凹部341,342が設けられていることを除けば、本実施の形態の各遮光凸部34の寸法は、実施の形態1の各遮光凸部34の寸法と同一である。
【0076】
図17は、表示装置10が備える遮光シート41の構成を示す背面図である。
図18は、遮光シート41の一部分の構成を示す拡大背面図である。
図19は、遮光シート41の挿入孔412の構成を示す拡大背面図である。
本実施の形態の遮光シート41の構成は、実施の形態1の挿入孔411,411,…に替えて挿入孔412,412,…が設けられている点を除けば、実施の形態1の遮光シート41の構成と同様である。
【0077】
各挿入孔412の開口縁部の内、2本の長辺部(即ち上辺部及び下辺部)夫々には、短辺方向に沿って突出する三角爪状の係合部41a,41a,41b,41bが設けられている。各係合部41a,41bは、遮光シート41に一体に設けられている。挿入孔412の上辺部に配されている2個の係合部41a,41aと下辺部に配されている2個の係合部41b,41bとは、上下方向に対向配置されている。
4個の係合部41a,41a,41b,41bが設けられていることを除けば、本実施の形態の各挿入孔412の寸法及び形成位置は、実施の形態1の各挿入孔411の寸法及び形成位置と同一である。
【0078】
従って、挿入孔412の短辺方向の開口長さB1は、遮光凸部34の上下方向の長さB0よりも僅かに長い。しかしながら、各係合部41aと、これに対向配置されている係合部41bとの間の長さB2は、遮光凸部34の上下方向の長さB0よりも十分に小さい。
溝状凹部341,342の深さは、係合部41a,41bの突出長さに対応する。
各係合部41a,41bは、外力が加えられると容易に撓み、外力が加えられなくなると、弾性力によって元の形状に容易に復元する。
【0079】
このため、遮光凸部34が挿入孔412に挿入されると、係合部41a,41bが遮光凸部34に当接して撓み、溝状凹部341,342の形成位置で元の形状に復元する。この結果、係合部41a,41bが溝状凹部341,342に係脱可能に係合する。
【0080】
挿入孔412,412,…に遮光凸部34,34,…が挿入され、且つ、各挿入孔412の係合部41a,41a,41b,41bが、対応する遮光凸部34の溝状凹部341,342に係合することによって、遮光シート41は遮光凸部34,34,…に支持される。このとき、遮光シート41に無用な外力が加えられたとしても、各係合部41a,41bと溝状凹部341,342との係合が無理矢理解除されない限り、遮光シート41が遮光凸部34,34,…から脱落することはない。
【0081】
しかも、各係合部41a,41bを溝状凹部341,342に係合させれば、遮光シート41を別途位置決めする必要がない。このため、遮光シート41の取付作業の作業性が向上する。
各係合部41a,41bと溝状凹部341,342とは係脱可能であるため、例えば表示装置10の保守点検時に、遮光シート41を容易に着脱することができる。
【0082】
ところで、遮光シート41の構成は、挿入孔411,411,…又は挿入孔412,412,…が設けられたものに限定されない。
図20は、遮光シート41の他の挿入孔413,413,…の構成を示す拡大背面図である。
各挿入孔413の形成位置は、各挿入孔412の形成位置と同一である。また、各挿入孔413の長辺方向の開口長さは、各挿入孔412の長辺方向の開口長さと同一である。
【0083】
ただし、挿入孔413の短辺方向の開口長さB3は、前述の長さB2に等しい。即ち、挿入孔413の短辺方向の開口長さB3は、挿入孔411及び挿入孔412夫々の短辺方向の開口長さB1よりも短い。
また、挿入孔413の短辺部に沿って、上下方向に切れ込みが形成されている。切れ込みの上端から下端までの長さB4は、挿入孔412の短辺方向の開口長さB1に等しい。
この結果、挿入孔413の上下の長辺部41c,41dが可撓性を有する。長辺部41c,41dは、係合部41a,41bと同様に、本発明の実施の形態における係合部として機能する。
【0084】
このため、遮光凸部34が挿入孔413に挿入されると、長辺部41c,41dが遮光凸部34に当接して撓み、溝状凹部341,342の形成位置で元の形状に復元する。この結果、長辺部41c,41dが溝状凹部341,342に係脱可能に係合する。
挿入孔413,413,…に遮光凸部34,34,…が挿入され、且つ、各挿入孔413の長辺部41c,41dが、対応する遮光凸部34の溝状凹部341,342に係合することによって、遮光シート41は、遮光凸部34,34,…に支持される。
【0085】
実施の形態 3.
本実施の形態における表示装置10及びテレビ受像機1の構成は、遮光凸部34,34,…が備えられていないこと、並びに、遮光シート41及び絶縁シート43に替えて、後述するシート部材44が備えられていることを除けば、実施の形態1における表示装置10及びテレビ受像機1の構成と同一である。以下では、実施の形態1,3の差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0086】
図21及び図22は、本発明の実施の形態3に係る表示装置10の構成を模式的に示す縦断面図である。ただし、図21は、位置決め凸部423が突設されている位置(即ち凸部突設位置)における断面を示し、図22は、位置決め凸部423が突設されていない位置(即ち凸部非突設位置)における断面を示している。図21及び図22は、実施の形態1の図2及び図3に対応する。図21及び図22に示す矢符は、光の方向を表わしている。
図23及び図24は、前キャビネット31の一部分の構成を示す拡大背面図及び拡大斜視図である。図23及び図24は、実施の形態1の図4及び図5に対応する。
【0087】
図21〜図24に示すように、前キャビネット31には、実施の形態1の遮光凸部34,34,…は備えられていない。
図25及び図26は、前キャビネット31にパネルユニットを取り付けた状態を示す拡大背面図及び拡大斜視図である。図25及び図26には、図23及び図24に示す前キャビネット31にパネルユニットが取り付けられた状態が示されている。図26は、実施の形態1の図6に対応する。
図21と図22と図25と図26とに示すように、パネルユニットの構成、及び前キャビネット31に対するパネルユニットの取り付けは、実施の形態1のそれらと同様である。
【0088】
図27は、ヒートシンク42に対するシート部材44の取り付けを説明するための拡大斜視図である。
図28は、図27に示すヒートシンク42にシート部材44を取り付けた状態を示す拡大斜視図である。
図21と図22と図27と図28とに示すように、LED25,25,…、LED基板26、及びヒートシンク42夫々の構成は、実施の形態1のこれらの構成と同様である。ここで、実施の形態3では、LED25,25,…、LED基板26、ヒートシンク42、及びシート部材44のひとまとまりをLED遮光ユニットという。即ち、図28には、LED遮光ユニットが示されている。
【0089】
シート部材44は、縦断面形状がL字状になしてあり、L字の一側が絶縁シート441、他側が遮光シート442である。換言すれば、シート部材44は、一体形成された絶縁シート441及び遮光シート442を用いてなる。
絶縁シート441の構成、及び作用効果は、前側の長辺部から遮光シート442が起ち上がっていることを除けば、実施の形態1の絶縁シート43の構成、及び作用効果と同様である。
遮光シート442は、実施の形態1の遮光シート41の下部が下方へ延設されて絶縁シート441と一体化したような形状である。また、挿入孔411,411,…に替えて、挿通孔443,443,…が、遮光シート41の長手方向に並設されている。
【0090】
挿通孔443,443,…の開口位置及び開口寸法は、ヒートシンク42の位置決め凸部423,423,…の突設位置及び縦横の寸法に対応する。
遮光シート442は、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aと、周縁下辺部21aからLED基板26の前側端部までの空間Sと、LED基板26の前側端面と、ヒートシンク42の基板載置部421の前端面(ただし位置決め凸部423,423,…の突設位置は除く)とを覆う。
【0091】
シート部材44は、遮光シート442の挿通孔443,443,…に位置決め凸部423,423,…を挿通させた状態で、絶縁シート441の上面を基板載置部421の下面に接着することによって、ヒートシンク42に取り付けられる。
ヒートシンク42は、本発明の実施の形態における放熱部材として機能する。
【0092】
図29は、前キャビネット31に対するLED遮光ユニットの取り付けを説明するための拡大斜視図ある。図29には、図26に示す前キャビネット31に、図28に示すLED遮光ユニットが取り付けられる状態が示されている。
図30及び図31は、前キャビネット31にLED遮光ユニットを取り付けた状態を示す拡大背面図及び拡大斜視図ある。図30には、図25に示す前キャビネット31に、LED遮光ユニットが取り付けられた状態が示されている。図31には、図26に示す前キャビネット31に、図28に示すLED遮光ユニットが取り付けられた状態が示されている。
【0093】
LED遮光ユニットは、実施の形態1のLEDユニットと略同様に、前キャビネット31に後方から取り付けられる。このとき、遮光シート442の前面の上端部が、表示パネル21の背面212の周縁下辺部21aに接触する。
図21及び図22に示すように、表示装置10が遮光凸部34,34,…を備えていない場合であっても、漏光空間は存在しない。何故ならば、遮光シート442が、表示パネル21の周縁下辺部21aからLED基板26の前側端部までの空間Sを覆っているからである。故に、LED25,25,…から放射された光の内、導光板23の内部に入射しなかった光は、遮光シート442に遮蔽されるため、表示パネル21の内部には入射しない。
【0094】
以上のような表示装置10においても、実施の形態1と同様に光漏れが抑制されるため、表示面211に表示される映像の画質が向上する。しかも、遮光シート442それ自体を他部材(例えば表示パネル21)に接着する必要がないため、遮光シート442は薄型である。更に、絶縁シート441が脱落しない限り、遮光シート442の脱落は生じ得ない。
また、挿通孔443,443,…に位置決め凸部423,423,…を挿通させれば、ヒートシンク42に対するシート部材44の位置決めは容易である。更に、位置決め凸部423,423,…を位置決め溝35に挿入すれば、LED遮光ユニット、延いては遮光シート442の位置決めは容易である。
【0095】
ところで、実施の形態1〜3では、表示装置10が、受信部を備えるテレビ受像機1に適用されている場合を例示したが、これに限定されるものではない。本発明に係る表示装置は、受信部を備えていない電気機器、例えばパーソナルコンピュータ用のディスプレイに適用されてもよい。
【0096】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、テレビ受像機1又は表示装置10に、実施の形態1〜3に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 テレビ受像機
10 表示装置
11 受信部
21 表示パネル
211 表示面
212 背面
21a 周縁下辺部(光源の側の周縁部)
23 導光板
23a 正面
23b 下端面(一側端面)
25 LED(光源)
26 LED基板(基板)
31 前キャビネット(キャビネット)
34 遮光凸部
341,342 溝状凹部(凹部)
41 遮光シート
411,412,413 挿入孔
41a,41b 係合部
41c,41d 長辺部(係合部)
42 ヒートシンク(放熱部材)
441 絶縁シート
442 遮光シート
S 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側に表示面を有する表示パネルと、
該表示パネルの背面側に配置してあり、一側端面から内部に入射した光を正面から出射する導光板と、
前記一側端面に対向配置してある光源と
を備える表示装置において、
前記表示パネルの背面における前記光源の側の周縁部を覆う遮光シート
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光源が実装されている非透光性の基板を更に備え、
該基板と前記光源の側の周縁部との間に空間を有し、
前記遮光シートは、前記空間を覆うように配置してあることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示面の周縁部を囲繞するキャビネットと、
該キャビネットから前記導光板の側へ前記空間を貫いて突出しており、前記光源の側の周縁部の周縁方向に沿って並設されている複数個の遮光凸部と
を更に備え、
前記遮光シートには、前記複数個の遮光凸部に対応する複数個の挿入孔が設けられており、
前記遮光シートは、前記挿入孔に前記遮光凸部が挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記遮光凸部に、該遮光凸部の突設方向に交差する方向に窪んだ凹部が設けられており、
前記挿入孔の開口縁部に、前記凹部に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記遮光凸部は前記キャビネットに一体に設けられており、
前記凹部は溝状になしてあることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光源が発生させる熱を外部へ放出すべく、前記基板に取り付けられている放熱部材と、
該放熱部材に接着されている絶縁シートと
を更に備え、
前記遮光シートは絶縁シートに一体に設けられていることを特徴とする請求項2から5の何れかひとつに記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかひとつに記載の表示装置と、
テレビジョン信号を受信する受信部と
を備え、
前記表示装置は、前記受信部が受信したテレビジョン信号に基づく映像を表示するようにしてあることを特徴とするテレビ受像機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−79992(P2013−79992A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218482(P2011−218482)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】