説明

表示装置及び表示制御プログラム

【課題】簡便な操作で、原稿に表示された文字列から画像を生成して表示する。
【解決手段】原稿の画像を表示する画面を有し、画面に表示されている原稿中の文字を認識する機能と、画面にタッチペンで書き込まれた図形を認識する機能と、を備える表示装置であって、原稿の画像が表示されている画面に図形が書き込まれたら、当該図形で規定される書き込み領域を特定し、書き込み領域内に表示されている文字列を取得する入出力管理部と、取得した文字列を解析し、当該文字列に基づいて生成する画像の画像種別を特定、若しくは、画像種別をユーザに選択させるための候補を表示する入力画像解析部と、取得した文字列に基づいて、特定又は選択された画像種別の画像を生成する画像生成部と、画面に表示されている原稿の画像に、生成した画像を重ねて表示する画像表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示制御プログラムに関し、特に、タッチペン等で入力が可能なタッチパネルを備える表示装置及び表示装置で動作する表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タブレット端末のようなタッチパネルを備えた表示装置が会議等に利用されており、例えば、表示装置上で動作する電子会議アプリケーションを用いて、表示装置の画面に会議の原稿を表示したり、表示した原稿にメモなどを追記したり、保存したりすることが行われている。
【0003】
原稿にメモなどを追記する技術として、例えば、下記特許文献1には、原稿画像を読取り、画像データを得る読取手段と、前記画像データに基づいて、表示装置で前記画像データを表示させるための電子文書データを生成する電子文書化手段と、前記画像データより、手書きで追記された部分を含む追記領域を抽出する抽出手段と、前記追記領域に基づいて注釈用のデータを生成する生成手段と、前記画像データ上の前記追記領域の位置に基づいて、前記表示装置が前記電子文書データに前記注釈用データを表示するための位置を算出し、前記注釈用のデータに対して設定する設定手段とを備える、画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−181485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示されている原稿にタッチペンで追記できるようにすることで、紙媒体に印刷した原稿と同様に、原稿に文字を付加することができるが、従来の方法では、メモ書き程度の文字を追記したり、付箋などに貼り付けたりすることができるだけであり、追記としては不十分であった。
【0006】
例えば、原稿等に住所が含まれている場合にその住所を地図上で確認できたり、原稿等にデータが含まれている場合にそのデータをグラフで確認できたり、原稿等にURL(Uniform Resource Locator)が含まれている場合にそのURLをコード情報として確認できたりすれば、原稿の閲覧するユーザにとって非常に便利である。
【0007】
しかしながら、従来の方法では、地図やグラフ、コード情報のような画像を手書きで追記することは困難である。また、地図やグラフのような画像を手書きで追記できたとしても、住所やデータなどのテキスト情報を地図やグラフなどの画像に変換する処理はユーザ自身が行わなければならないため、操作が煩雑である。また、ユーザ自身が画像を手書きで追記する場合は、地図データに基づいて作成される正確な地図や、データ処理アプリケーションを用いて作成される正確なグラフを追記することができない。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、簡便な操作で、原稿に表示された文字列から画像を生成して表示することができる表示装置及び表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、原稿の画像を表示する画面を有し、前記画面に表示されている原稿中の文字を認識する機能と、前記画面にタッチペンで書き込まれた図形を認識する機能と、を備える表示装置であって、前記原稿の画像が表示されている前記画面に図形が書き込まれたら、当該図形で規定される書き込み領域を特定し、前記書き込み領域内に表示されている文字列を取得する入出力管理部と、取得した前記文字列を解析し、当該文字列に基づいて生成する画像の画像種別を特定、若しくは、前記画像種別をユーザに選択させるための候補を表示する入力画像解析部と、取得した前記文字列に基づいて、特定又は選択された前記画像種別の画像を生成する画像生成部と、前記画面に表示されている前記原稿の画像に、生成した前記画像を重ねて表示する画像表示部と、を備えるものである。
【0010】
また、本発明は、原稿の画像を表示する画面を有し、前記画面に表示されている原稿中の文字を認識する機能と、前記画面にタッチペンで書き込まれた図形を認識する機能と、を備える表示装置で動作する表示制御プログラムであって、前記表示装置を、前記原稿の画像が表示されている前記画面に図形が書き込まれたら、当該図形で規定される書き込み領域を特定し、前記書き込み領域内に表示されている文字列を取得する入出力管理部、取得した前記文字列を解析し、当該文字列に基づいて生成する画像の画像種別を特定、若しくは、前記画像種別をユーザに選択させるための候補を表示する入力画像解析部、取得した前記文字列に基づいて、特定又は選択された前記画像種別の画像を生成する画像生成部、前記画面に表示されている前記原稿の画像に、生成した前記画像を重ねて表示する画像表示部、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置及び表示制御プログラムによれば、簡便な操作で、原稿に表示された文字列から画像を生成して表示することができる。
【0012】
その理由は、原稿に記載された文字列を囲むように書き込みが行われると、書き込み領域内の文字列を取得して解析し、当該文字列に基づいて生成する画像の画像種別を特定、若しくは、画像種別をユーザに選択させるための候補を表示し、取得した文字列から、特定又は選択された画像種別の画像を生成し、原稿の画像に重ね合わせて表示する制御を行うからである。
【0013】
これにより、表示装置に原稿を表示する使用形態の特徴を十分に生かして、原稿を閲覧するユーザに有益な情報を提供することができ、ユーザの利便性を格段に向上させることができる。
【0014】
また、文字列の囲み方や文字列を解析し、履歴情報に基づいて学習することにより、ユーザが所望する画像を即座に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係る表示装置の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る表示装置の主要構成及び概略動作を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る表示装置の全体処理を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の一実施例に係る表示装置を用いた画像生成処理の具体例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る表示装置を用いた画像生成処理のバリエーションを示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係る表示装置の画像生成処理を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施例に係る表示装置の囲み領域解析処理を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の一実施例に係る表示装置の文字列解析処理を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施例に係る表示装置の実際の処理を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の一実施例に係る検索キーワード記憶テーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施例に係る解析情報記憶テーブル(デフォルト値)の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例に係る解析情報記憶テーブルの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施例に係る解析情報記憶テーブル(ユーザA)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
背景技術で示したように、タブレット端末などのタッチパネルを備える表示装置を用い、当該装置で動作する電子会議アプリケーションを利用して、会議の原稿などを表示したり、表示した原稿にタッチペンで文字などを追記したりすることができる。
【0017】
ここで、例えば、表示されている原稿に住所が含まれている場合に、その住所近傍の地図を表示したり、原稿にデータが含まれている場合に、そのデータを処理したグラフを表示したり、原稿にURLが含まれている場合に、そのURLを携帯端末で読み取るためのコード情報を表示したりすることによって、原稿を閲覧するユーザの便利性を向上させることができる。
【0018】
しかしながら、従来の方法では、地図やグラフ、URLなどの画像を追記することは困難である。また、追記できたとしても、住所やデータなどのテキスト情報を地図やグラフなどの画像情報に変換する処理はユーザ自身が行わなければならないため、操作が煩雑である。また、手書きでは正確な地図や正確なグラフを追記することができない。
【0019】
そこで、本発明の一実施の形態では、画面上に表示された文字列に基づいて自動的に画像を生成し、生成した画像を原稿の画像に重ね合わせて表示できるようにする手法を提案する。
【0020】
例えば、原稿に住所が含まれている場合に、住所の文字列をタッチペンで囲むと、その住所近傍の地図を自動的に生成して表示したり、原稿に数値が含まれている場合に、数値の文字列をタッチペンで囲むと、その数値に基づくグラフを自動的に生成して表示したり、原稿にURLが含まれている場合に、URLの文字列をタッチペンで囲むと、そのURLをコード化したQRコードを自動的に生成して表示したりする。
【0021】
また、上記文字列の囲み方や囲まれている文字列の内容を解析し、各々のユーザが所望する画像を学習し、よく変換されている画像を自動的に生成したり、よく変換されている画像の候補を画面に提示したりする。
【実施例】
【0022】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る表示装置及び表示制御プログラムについて、図1乃至図13を参照して説明する。図1は、本実施例の表示装置の一例を示す図であり、図2は、表示装置の主要構成及び概略動作を示す図である。また、図3は、本実施例の表示装置の全体処理を示すフローチャート図であり、図4及び図5は、本実施例の表示装置を用いた画像生成処理の一例を示す図である。また、図6乃至図9は、本実施例の表示装置の画像生成処理の詳細を示すフローチャート図であり、図10乃至図13は、画像生成処理の際に参照するテーブルの一例を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本実施例の表示装置10は、タブレット端末や電子ブック、薄型のコンピュータ装置などの表示デバイスを備えた装置である。この表示装置10には、原稿の画像を表示する領域(原稿表示画面)と、原稿表示画面に表示する原稿を選択する領域(原稿選択画面)と、追記するためのペンの選択、色や幅の指定などを行う領域(ペン選択コントロール)と、が設けられており、ペン選択コントロールでペン/筆アイコンをクリックすると、原稿表示画面に表示されるペン/筆で原稿に追記ができるようになっている。
【0024】
図2は、表示装置10の主要構成及び概略動作を示しており、表示装置10は、画像表示コンポーネント11と、入出力管理モジュール12と、入力画像解析モジュール13と、画像生成モジュール14と、画像表示モジュール15と、画像保存モジュール16と、通信部17と、解析情報記憶部18と、記憶部19などで構成される。
【0025】
画像表示コンポーネント11は、例えば、液晶表示装置や有機EL(electroluminescence)表示装置等の表示部上に、透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネル等の操作部を備えている。また、画像表示コンポーネント11は、OCR(Optical Character Recognition)機能を備えており、表示部に表示された原稿を構成する文字を認識することができる。そして、タッチペン等を用いて矩形や楕円などの所定の図形を書き込むと、画像表示コンポーネント11は、入出力管理モジュール12に対して書き込みイベントを通知する。また、タッチペン等を用いて保存が指示(保存ボタンがタッチ)されると、画像表示コンポーネント11は、画像保存モジュール16に対して保存イベントを通知する。なお、所定の図形は、領域を特定できればよく、例えば、「」などの記号としてもよい。
【0026】
入出力管理モジュール12は、書き込みイベントを検出すると、画像表示コンポーネント11から上記所定の図形の座標を取得して、所定の図形で囲まれた領域(書き込み領域と呼ぶ。)を特定する共に、画像表示コンポーネント11のOCR機能を利用して、書き込み領域内に表示されている文字列を取得し、特定した書き込み領域の情報と取得した文字列の情報とを入力画像解析モジュール13に通知する。
【0027】
入力画像解析モジュール13は、入出力管理モジュール12から書き込み領域情報と文字列情報とを受信すると、書き込み領域内の文字列を解析し、解析情報記憶部18に予め記憶されている情報(後述する検索キーワード記憶テーブル)に基づいて、文字列に含まれるキーワードを抽出し、解析情報記憶部18に予め記憶されている情報(後述する解析情報記憶テーブル)から、抽出したキーワードを含む文字列を検索し、検索した文字列に対応する画像種別を、生成する画像の画像種別として特定する。また、入力画像解析モジュール13は、書き込み領域のサイズを取得し、解析情報記憶部18に予め記憶されている情報(後述する解析情報記憶テーブル)から、取得したサイズに近いサイズの書き込み領域を検索し、検索した書き込み領域に対応する画像種別を、生成する画像の画像種別として特定する。また、入力画像解析モジュール13は、画像変換候補を提示して、ユーザに画像種別を選択させる。そして、特定又は選択された画像種別の画像を生成する画像生成モジュール14に文字列情報を通知する。
【0028】
画像生成モジュール14は、入力画像解析モジュール13から受け取った文字列情報に基づいて画像を生成する部分であり、本実施例では、コード情報生成モジュール14aとグラフ生成モジュール14bと地図情報生成モジュール14cとを含む。コード情報生成モジュール14aは、文字列がURLの場合に動作するモジュールであり、公知の技術を利用してURLをコード化し、QRコード(登録商標)やバーコードなどのコード情報を生成し、生成したコード情報を画像表示モジュール15に送信する。グラフ生成モジュール14bは、書き込み領域のサイズが2行以上の文字列を含む大きさの場合に動作するモジュールであり、文字列から数値を取得し、その数値を用いて、円グラフや折れ線グラフ、棒グラフなどを生成し、生成したグラフを画像表示モジュール15に送信する。地図情報生成モジュール14cは、文字列が住所の場合に動作するモジュールであり、予め記憶した地図の中からその住所近傍の地図を抽出して地図情報を生成し、生成した地図情報を画像表示モジュール15に送信する。
【0029】
画像表示モジュール15は、原稿選択画面で選択された原稿を原稿表示画面に表示させたり、ペン選択コントロールで選択されたペンの画像を原稿表示画面に表示させたり、画像生成モジュール14で生成された画像(コード情報又はグラフ又は地図情報)を原稿の画像に重ね合わせて原稿表示画面に表示させたりする。
【0030】
画像保存モジュール16は、保存イベントを検出すると、画像表示コンポーネント11から原稿表示画面に表示された合成画像情報(原稿の画像に、生成された画像を重ね合わせた画像情報)を取得し、その画像情報を記憶部19に保存する。また、通信部17を介してインターネットなどから画像情報をダウンロードした場合は、ダウンロードした画像情報を記憶部19に保存する。
【0031】
通信部17は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークを介して、外部装置(例えば、原稿データを保存するサーバ、画像情報を提供するサーバ、表示した画像情報を印刷するプリンタやMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置)と接続する。
【0032】
解析情報記憶部18は、メモリやHDD(Hard Disk Drive)であり、図10に示すような検索キーワード記憶テーブルや、図11乃至図13に示すような解析情報記憶テーブルなどを記憶すると共に、入力画像解析モジュール13で解析した結果を履歴情報として上記解析情報記憶テーブルに反映する。
【0033】
記憶部19も、メモリやHDDであり、画像表示コンポーネント11から取得した画像情報や通信部17を介してインターネットなどからダウンロードした画像情報などを記憶する。なお、解析情報記憶部18と記憶部19とは、単一のメモリ乃至はHDDの異なる記憶エリアをそれぞれ使用することにより構成しても良い。
【0034】
なお、図2では、入出力管理モジュール12、入力画像解析モジュール13、画像生成モジュール14、画像表示モジュール15、画像保存モジュール16をハードウェアとして構成しているが、これらは、CPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリとで構成される制御部により実行されるプログラム(表示制御プログラム)として構成してもよい。
【0035】
次に、上記構成の表示装置10の全体処理について、図3のフローチャート図を参照して概説する。
【0036】
まず、ユーザが表示装置10の原稿選択画面を操作して原稿を選択すると、表示装置10の画像表示モジュール15は、画像表示コンポーネント11(原稿表示画面)に、選択された原稿を表示させる(S101)。
【0037】
次に、ユーザが表示装置10のペン選択コントロールを操作してペンを選択し、タッチペン等を用いて表示された原稿の所定の文字列を囲むように所定の図形の書き込みを行うと、画像表示コンポーネント11は、所定の図形の書き込みを検出し、所定の図形が書き込まれたことを知らせる書き込みイベントを入出力管理モジュール12に通知する(S102)。なお、所定の図形の書き込み方法は特に限定されず、手書きで図形を描画してもよいし、始点と終点を指定して矩形を描画してもよい。
【0038】
次に、入出力管理モジュール12は、画像表示コンポーネント11から所定の図形の座標を取得して、所定の図形で囲まれた書き込み領域を特定する共に、書き込み領域内に表示されている文字列を取得し(S103)、特定した書き込み領域情報と取得した文字列情報とを入力画像解析モジュール13に通知する。
【0039】
通知を受けた入力画像解析モジュール13は、文字列を解析し、解析した文字列を解析情報記憶部18に記憶された検索キーワード記憶テーブル(図10参照)のキーワードで検索し、文字列に含まれるキーワードを抽出する(S104)。なお、入力画像解析モジュール13は、書き込み領域のサイズの解析も行う場合もあるが、このフローでは理解を容易にするために書き込み領域のサイズの解析については説明しない。
【0040】
次に、入力画像解析モジュール13は、抽出したキーワードで解析情報記憶部18に記憶された解析情報記憶テーブル(図11乃至図13参照)を検索し、キーワードに対応する画像種別を特定し(S105)、特定した画像種別及び文字列情報を画像生成モジュール14に通知する。
【0041】
次に、特定した画像種別に対応する画像生成モジュール14(コード情報生成モジュール14a又はグラフ作成モジュール14b又は地図情報作成モジュール14c)は、文字列情報から、特定した画像種別に対応する画像を生成し(S106)、生成した画像の情報を画像表示モジュール15に通知する。
【0042】
次に、画像表示モジュール15は、画像表示コンポーネント11(原稿表示画面)に表示されている原稿の画像に、特定した画像種別に対応する画像を重ね合わせて表示させる(S107)。なお、特定した画像種別に対応する画像を表示する位置は特に限定されないが、画像の元となる文字列の近傍(例えば、文字列の上下左右の余白領域など)に表示することが好ましい。
【0043】
その後、画像保存モジュール16は、画像表示コンポーネント11(原稿表示画面)から、原稿の画像に特定した画像種別に対応する画像を重ね合わせた合成画像の情報を取得し、その合成画像の情報を記憶部19に保存して(S108)、一連の処理を終了する。
【0044】
このように、表示された原稿の所定の文字列を囲むように所定の図形の書き込みを行うと、その書き込み領域内の文字列を解析し、その文字列に含まれるキーワードを抽出し、抽出したキーワードに対応する画像種別を特定し、文字列から特定した画像種別に対応する画像を生成して、原稿に重ね合わせて表示するため、ユーザは表示された原稿に関連する有益な情報を得ることができる。
【0045】
以下、文字列から画像を生成する画像生成処理について、図4及び図5の具体例、図6乃至図9のフローチャート図、図10乃至図13のテーブルを参照して具体的に説明する。なお、図6は、図3のフローチャート図のS104からS106までの処理の詳細を表しており、図7及び図8は、各々、図6の書き込み領域解析処理、文字列解析処理の詳細を表している。
【0046】
[画像生成処理]
図6に示すように、入力画像解析モジュール13は、入出力管理モジュール12から書き込み領域情報と文字列情報を取得すると、書き込み領域内の文字列を解析する(S210)。
【0047】
次に、1文字の縦横のサイズを取得する(S220)。なお、文字列を構成する各文字のサイズが異なる場合は、最も多くの文字で使用されているサイズや最も小さい文字のサイズ、平均的な文字のサイズなどを取得することができる。
【0048】
次に、入力画像解析モジュール13は、書き込み領域の縦のサイズと1文字の縦のサイズとを比較する(S230)。なお、書き込み領域を手書きした場合は、書き込み領域の縦のサイズは一定にはならないが、その場合は、間隔が最も狭い部分の寸法や間隔が平均的な部分の寸法を縦のサイズとすることができる。
【0049】
そして、入力画像解析モジュール13は、書き込み領域の縦のサイズが1文字の縦のサイズの2倍以上(すなわち、文字列が複数行)であるかを判断し(S240)、文字列が複数行(例えば、図4のダウンロード時間を示す文字列)の場合は、書き込み領域解析処理を行って画像種別を特定する(S250)、文字列が1行(例えば、図4の住所を示す文字列やURLを示す文字列)の場合は、文字列解析処理を行って画像種別を特定する(S260)。
【0050】
[書き込み領域解析処理]
図7は、図6のS250の詳細を示すフローチャート図である。書き込み領域解析処理では、入力画像解析モジュール13は、解析情報記憶テーブルに記載された書き込み領域情報の中から、特定した書き込み領域の縦横のサイズに近いもの(サイズが略等しいもの)を検索する(S251)。この検索は、例えば、SQL(Structured Query Language)のSELECT文で実行することができる。
【0051】
なお、初期状態では、解析情報記憶テーブルは図11に示すような構成であり、書き込み領域情報が記録されていないため、書き込み領域の縦横のサイズに近いものを検索することはできないが、本実施例の画像生成処理を繰り返すと、解析情報記憶テーブルには、解析した文字列とその文字列の書き込み領域情報とその文字列から生成した画像の画像種別とが登録されて図12のような構成になるため、書き込み領域の縦横のサイズに近いものを検索することができるようになる。
【0052】
次に、入力画像解析モジュール13は、解析情報記憶テーブルに登録された書き込み領域情報の中に、特定した書き込み領域の縦横サイズに近いものがあるかを判断する(S252)。そして、特定した書き込み領域の縦横サイズに近いものがあれば、同じ種別の画像に変換する可能性が高いことから、必要に応じて、その書き込み領域情報に対応する画像種別(過去に変換した画像種別)を画像変換候補として表示する(S253)。一方、特定した書き込み領域の縦横サイズに近いものがなければ、どの種別の画像に変換すればよいかが判断できないことから、画像種別をユーザに選択させるための複数の画像変換候補を表示する(S254)。なお、特定した書き込み領域の縦横サイズに近い書き込み領域情報が複数あり、それらの書き込み領域情報に対応する画像種別が複数の場合は、複数の画像変換候補を表示してもよく、その場合は、書き込み領域情報の数が多い順に画像種別を表示することができる。
【0053】
そして、入力画像解析モジュール13は、過去に変換した画像種別、若しくは、画像変換候補の中からユーザが選択した画像種別を、文字列を変換する画像種別として特定し(S255)、その画像種別に応じた画像生成モジュール14に文字列情報を通知する。
【0054】
[文字列解析処理]
図8は、図6のS260の詳細を示すフローチャート図である。文字列解析処理では、入力画像解析モジュール13は、解析した文字列を検索キーワード記憶テーブルのキーワードで検索する(S261)。この検索もSQLのSELECT文で実行することができる。例えば、図9(a)に示すような書き込みを行った場合、図9(b)に示すように、書き込み領域内の文字列が「神奈川県厚木市上落合231−1」と認識され、図9(c)、(d)に示すように、順次、検索キーワード記憶テーブルからキーワードが検索される。具体的には、図10に示すような検索キーワード記憶テーブルが登録されている場合は、キーワード3の「神奈川」とキーワード4の「県」とキーワード6の「市」とが検索される。
【0055】
次に、入力画像解析モジュール13は、文字列内にキーワードが見つかったかを判断し(S262)、キーワードが見つかった場合は、該当したキーワードで解析情報記憶テーブルを検索する(S263)。この検索もSQLのSELECT文で実行することができる。例えば、解析情報記憶テーブルが図12の構成の場合は、ID=2、4、6、8、9、10の6つが検索される。
【0056】
次に、入力画像解析モジュール13は、検索結果の件数が多いかを判断し(S264)、検索結果が多い場合は、同じ種別の画像に変換する可能性が高いことから、必要に応じて、過去に変換した画像種別を画像変換候補として表示する(S265)。例えば、上記例では、図9(e)に示すように、解析情報記憶テーブルの全13件中の6件が該当しているため、図9(f)で、過去に変換した画像種別(地図)を候補として表示する。一方、検索結果が少ない場合は、どの種別の画像に変換すればよいかの判断が難しいことから、画像種別をユーザに選択させるための画像種別候補を表示する(S266)。例えば、図5(a)に示すように、URLを囲むように書き込みを行った場合、図5(b)に示すような複数の画像変換候補を表示する。なお、検索結果が多い場合であって、検索結果に対応する画像種別が複数の場合は、複数の画像変換候補を表示してもよい。また、複数の画像変換候補を表示する場合は、検索結果の数が多い順に画像種別を表示することができる。
【0057】
そして、入力画像解析モジュール13は、過去に変換した画像種別、若しくは、画像変換候補の中からユーザが選択した画像種別を、文字列を変換する画像種別として特定し(S267)、その画像種別に対応する画像生成モジュール14に文字列情報を通知する。例えば、図9(f)で、過去に変換した画像種別として地図を表示した場合は、入力画像解析モジュール13は、地図情報作成モジュール14cに文字列情報を通知する。また、図5(b)に示すような画像変換候補の中から、ユーザが「QRコード生成」を選択した場合は、入力画像解析モジュール13は、コード情報生成モジュール14aに文字列情報を通知する。
【0058】
図6のフローチャート図に戻って、特定された画像種別に応じた画像生成モジュール14(コード情報生成モジュール14a又はグラフ作成モジュール14b又は地図情報作成モジュール14c)は、通知された文字列情報から特定した画像種別に応じた画像を生成する(S270)。例えば、図5(b)の画像変換候補でユーザが「QRコード生成」を選択した場合は、コード情報生成モジュール14aは、図5(c)に示すようなQRコードを生成する。
【0059】
なお、解析情報記憶テーブルは図12に示すように装置毎に設けてもよいが、図13に示すようにユーザ毎に設けることもでき、ユーザ毎の解析情報記憶テーブルを使用することにより、そのユーザが所望する画像を確実に生成することができる。
【0060】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、画像種別として地図とグラフとコード情報を例示したが、文字列から変換可能な画像であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、タッチペン等で入力が可能なタッチパネルを備える表示装置及び当該表示装置で動作する表示制御プログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 表示装置
11 画像表示コンポーネント
12 入出力管理モジュール
13 入力画像解析モジュール
14 画像生成モジュール
14a コード情報生成モジュール
14b グラフ生成モジュール
14c 地図情報生成モジュール
15 画像表示モジュール
16 画像保存モジュール
17 通信部
18 解析情報記憶部
19 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を表示する画面を有し、前記画面に表示されている原稿中の文字を認識する機能と、前記画面にタッチペンで書き込まれた図形を認識する機能と、を備える表示装置であって、
前記原稿の画像が表示されている前記画面に図形が書き込まれたら、当該図形で規定される書き込み領域を特定し、前記書き込み領域内に表示されている文字列を取得する入出力管理部と、
取得した前記文字列を解析し、当該文字列に基づいて生成する画像の画像種別を特定、若しくは、前記画像種別をユーザに選択させるための候補を表示する入力画像解析部と、
取得した前記文字列に基づいて、特定又は選択された前記画像種別の画像を生成する画像生成部と、
前記画面に表示されている前記原稿の画像に、生成した前記画像を重ねて表示する画像表示部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
以前に取得した文字列と当該文字列に基づいて生成した画像の画像種別とを対応付けるテーブルが予め記憶されており、
前記入力画像解析部は、取得した前記文字列から予め定めたキーワードを抽出し、前記テーブルから、抽出した前記キーワードを含む文字列を検索し、検索した文字列に対応する画像種別を、生成する画像の画像種別として特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
以前に取得した文字列と以前に書き込まれた図形で規定される書き込み領域のサイズと当該文字列に基づいて生成した画像の画像種別とを対応付けるテーブルが予め記憶されており、
前記入力画像解析部は、書き込まれた前記図形で規定される書き込み領域のサイズを取得し、前記テーブルから、取得したサイズと略等しいサイズの書き込み領域を検索し、検索した書き込み領域に対応する画像種別を、生成する画像の画像種別として特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記入力画像解析部は、前記テーブルから、前記キーワードを含む文字列又は取得したサイズに近いサイズの書き込み領域が複数検索され、検索された複数の文字列又は書き込み領域に対応する画像種別が複数ある場合は、複数の画像種別の候補を検索数が多い順に表示する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
原稿の画像を表示する画面を有し、前記画面に表示されている原稿中の文字を認識する機能と、前記画面にタッチペンで書き込まれた図形を認識する機能と、を備える表示装置で動作する表示制御プログラムであって、
前記表示装置を、
前記原稿の画像が表示されている前記画面に図形が書き込まれたら、当該図形で規定される書き込み領域を特定し、前記書き込み領域内に表示されている文字列を取得する入出力管理部、
取得した前記文字列を解析し、当該文字列に基づいて生成する画像の画像種別を特定、若しくは、前記画像種別をユーザに選択させるための候補を表示する入力画像解析部、
取得した前記文字列に基づいて、特定又は選択された前記画像種別の画像を生成する画像生成部、
前記画面に表示されている前記原稿の画像に、生成した前記画像を重ねて表示する画像表示部、として機能させることを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項6】
以前に取得した文字列と当該文字列に基づいて生成した画像の画像種別とを対応付けるテーブルが予め記憶されており、
前記入力画像解析部は、取得した前記文字列から予め定めたキーワードを抽出し、前記テーブルから、抽出した前記キーワードを含む文字列を検索し、検索した文字列に対応する画像種別を、生成する画像の画像種別として特定する、ことを特徴とする請求項5に記載の表示制御プログラム。
【請求項7】
以前に取得した文字列と以前に書き込まれた図形で規定される書き込み領域のサイズと当該文字列に基づいて生成した画像の画像種別とを対応付けるテーブルが予め記憶されており、
前記入力画像解析部は、書き込まれた前記図形で規定される書き込み領域のサイズを取得し、前記テーブルから、取得したサイズと略等しいサイズの書き込み領域を検索し、検索した書き込み領域に対応する画像種別を、生成する画像の画像種別として特定する、ことを特徴とする請求項5に記載の表示制御プログラム。
【請求項8】
前記入力画像解析部は、前記テーブルから、前記キーワードを含む文字列又は取得したサイズに近いサイズの書き込み領域が複数検索され、検索された複数の文字列又は書き込み領域に対応する画像種別が複数ある場合は、複数の画像種別の候補を検索数が多い順に表示する、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−221367(P2012−221367A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88468(P2011−88468)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】