説明

表示装置及び輝度制御方法

【課題】表示装置の表示領域の周辺部の輝度の視感的な低下を抑制しつつ消費電力を削減することができる表示装置及び輝度制御方法を提供する。
【解決手段】表示装置は、略矩形の表示領域を有する表示装置であって、前記表示領域の周辺部の輝度が前記表示領域の中央部の輝度よりも小さくなるように前記表示領域の輝度を制御する制御部を有する。また、前記制御部は前記表示領域の中央部の輝度、前記表示領域の垂直端部近傍の輝度、前記表示領域の水平端部近傍の輝度、前記表示領域の頂点部近傍の輝度の順に輝度が小さくなるように輝度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及び輝度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置等の平面状の表示装置は、薄型、軽量、低消費電力といった特徴を生かして、テレビジョン、各種コンピューター機器等の画像表示装置として広く利用されている。表示装置を実現する技術は液晶以外にもいくつかあり、代表的なものにはPDP(プラズマディスプレイパネル)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−109692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、環境問題から省エネ(省エネルギー)に関するユーザの認識が高まっており、表示装置においても更なる消費電力の低減が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、表示装置の表示領域の周辺部の輝度の視感的な低下を抑制しつつ消費電力を削減することができる表示装置及び輝度制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、実施形態によれば、表示装置は、略矩形の表示領域を有する表示装置であって、前記表示領域の周辺部の輝度が前記表示領域の中央部の輝度よりも小さくなるように前記表示領域の輝度を制御する制御部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態における表示装置の概観斜視図。
【図2】第1の実施形態における表示装置の断面図。
【図3】第1の実施形態の表示装置として構成されたデジタル放送受信機の構成を示したブロック図。
【図4】表示領域の水平方向、垂直方向、頂点方向を示した図。
【図5】表示領域の輝度の大きさの分布の例を示した図。
【図6】図5に示された輝度分布おける中央部から水平端部に至る輝度の変化を示した図。
【図7】表示領域の輝度の大きさの分布の別の例を示した図。
【図8】図7に示された輝度分布おける中央部から水平端部に至る輝度の変化を示した図。
【図9】第2の実施形態における表示装置として構成されたデジタル放送受信機の構成を示したブロック図。
【図10】第2の実施形態におけるバックライト装置の発光素子(光源)の配置の例を示した図。
【図11】第3の実施形態における表示装置として構成されたデジタル放送受信機の構成を示したブロック図。
【図12】第3の実施形態におけるバックライト装置の発光素子(光源)の配置の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における平面状の表示装置1の概観斜視図である。図2は、第1の実施形態における表示装置1の断面図であり、図1におけるDD断面を示す。表示装置1は、筐体2と、筐体2を支持するスタンド3を備えている。
【0010】
筐体2は前面側に液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示パネル4が配置され、表示パネル4の背面側に表示パネル4を支持するシャーシ5が配置されている。シャーシ5には表示パネル4を駆動するための回路基板6や電源回路基板7が設置されている。尚、表示パネル4とシャーシ5を一体とした構造としてもよい。
【0011】
筐体2は、筐体2の前面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う前面ベゼル8と、筐体2の背面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う背面ベゼル9とによって外面が囲まれている。画面10は、表示パネル4の前面ベゼル8の窓部8aの内側の表示領域である。
【0012】
図3は、第1の実施形態の表示装置1として構成されたデジタル放送受信機20の構成を示したブロック図である。デジタル放送受信機20は、デジタル放送を受信可能であって、画面に放送番組の映像を表示するデジタルテレビ等の受信装置である。
【0013】
アンテナ21は、放送局22から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。チューナ23は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送あるいはケーブルテレビ放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ23は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。
【0014】
復調器24は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理部25に出力される。
【0015】
デコード処理部25は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理部25は、復調器24から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。
【0016】
重畳処理部26は、デコード処理部25からの映像データと、バス33を介して転送されるデータ放送やGUI(Graphical User Interface)制御データによるウィンドウ描画をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像処理部27に送る。
【0017】
映像処理部27は、表示パネル29で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、表示パネル29に映像信号を出力して映像を表示領域30に表示させる。
【0018】
輝度制御部28は、映像処理部27が表示パネル29に出力する映像信号とは別に表示パネル29の輝度を制御する機能を有する。輝度制御部28は、表示パネル29の表示領域30の周辺部の輝度が表示領域30の中央部の輝度よりも小さくなるように表示領域30の輝度を制御する。
【0019】
表示装置1において、表示領域30の全面にホワイト信号が入力された場合、表示領域30で均一な輝度とすることが一般的であるが、画面の中央部から離れた表示領域30の周辺部(図1における前面ベゼル8の近傍部)に近い部分で画面の輝度が暗くてもそれほど視感的に違和感が無い。これに着目し、表示パネル29の表示領域30の周辺部の輝度が表示領域30の中央部の輝度よりも小さくなるように制御することにより、視感的な輝度低下を抑制しつつ低消費電力化を図ることができる。表示装置1の消費電力は画面の輝度にほぼ比例して大きくなるため、表示領域30の周辺部の輝度を小さくすることにより低消費電力化を図ることができる。
【0020】
輝度制御部28は、表示パネル29が、例えば、バックライトにLED(Light Emitting Diode)を用いた液晶パネルであれば、LEDの明るさは電流駆動においてLEDの定格値まではほぼ直線的に電流値に比例するため、表示領域30内に配置された複数のLEDのそれぞれの電流値を制御することによって輝度を制御することができる。また、PWM(Pulse Width Modulation)によるパルス駆動においてもデューティと明るさはほぼ直線的な関係を示すことから、複数のLEDのそれぞれのデューティを制御することによって輝度を制御することができる。
【0021】
輝度制御部28は、表示パネル29が、例えば、PDPであれば、表示領域30内に配置された複数のPDPセルの放電電流を制御することにより輝度を制御することができる。
【0022】
図3において、音声処理部31は、デコード処理部25から伝送されたデジタルの音声データを、スピーカ32あるいはイヤホンで再生可能なアナログ音声信号に変換した後、スピーカ32あるいはイヤホンに出力して音声を再生させる。なお、スピーカ32はデジタル放送受信機20の外部にあってもよい。またデジタル放送受信機20と別の筐体に納められていてもよい。
【0023】
デジタル放送受信機20は、上記した受信動作を含むその全ての動作を制御部34によって統括的に制御されている。制御部34はMPU(Micro Processing Unit)35が搭載されており、バス33を介して接続された各構成要素を制御する。
【0024】
RAM(Random Access Memory)36は、制御部34のデータ処理に必要な各種データを格納するリードライトメモリであり、映像データ等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)37は読出し専用メモリであり、MPU35が実行する制御のプログラムなどを格納している。
【0025】
フラッシュメモリ38は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ38は、利用者が設定した各種の設定情報等を記憶する機能を有する。
【0026】
操作受信部39は、操作機器40から送信される操作信号を受信し、制御部34に転送する。操作機器40は、例えば、赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用したリモコン(リモートコントローラ、remote controller)、有線式あるいは無線式キーボード等であり、操作信号を送出する。操作受信部39は、これらリモコン、キーボード等から操作信号を受信する。
【0027】
図4は、表示パネル29の表示領域30の水平方向、垂直方向、頂点方向を示した図である。図4に示すように、表示領域30の中央部に対して右方向を水平方向、上方向を垂直方向、中央部から頂点(角部)へ向かう方向を頂点方向(対角方向)とする。中心線41は表示領域30を左右に2分割する中心線であり、中心線42は表示領域30を上下に2分割する中心線である。表示領域30の中央部の垂直方向の端部を垂直端部、表示領域30の中央部の水平方向の端部を水平端部、頂点を頂点部と称する。
【0028】
図5は、表示領域30の輝度の大きさの分布の例を示した図である。図5に示した範囲は、表示パネル29の表示領域30の全体の右上の4分の1の部分を示している。表示領域30の他の4分の3の領域は、中央部に対して対称な分布となっているので省略する。図中の水平方向の目盛りは中央部と水平端部の間を16等分した場合の目盛りであり、垂直方向の目盛りは中央部と垂直端部の間を9等分した場合の目盛りである。
【0029】
表示領域30の中央部の輝度を中央部輝度Cc、表示領域30の垂直端部近傍の輝度を垂直端部輝度Cv、表示領域の水平端部近傍の輝度を水平端部輝度Ch、表示領域の頂点部近傍の輝度を頂点部輝度Cdとしたとき、中央部輝度Cc、垂直端部輝度Cv、水平端部輝度Ch、頂点部輝度Cdの順に輝度が小さくなるように輝度制御部28が制御することによって、視感的な輝度低下を抑制しつつ低消費電力化を図ることができる。
【0030】
図5においては、表示領域30の中央部から頂点部にかけて領域A1から領域A8までの8個の輝度分布の領域に分けられた例を示している。中央部の輝度を100%とし、領域A1の輝度は95〜100%、領域A2の輝度は90〜95%、領域A3の輝度は85〜90%、領域A4の輝度は80〜85%、領域A5の輝度は75〜80%、領域A6の輝度は70〜75%、領域A7の輝度は65〜70%、領域A8の輝度は60〜65%となっている。
【0031】
1個の領域の内部では、輝度が頂点部の方向に行くに従い連続的に小さくなる。例えば、領域A3内では領域A2の近傍は輝度が90%であるが、領域A4の近傍は85%であり、A3領域の内部で頂点部の方向に行くに従い連続的に徐々に輝度が小さくなっている。
【0032】
図5においては、中央部輝度Cc>垂直端部輝度Cv>水平端部輝度Ch>頂点部輝度Cd=100%>90%>70%>60%となるような輝度の大きさの分布とした例が示されている。このような輝度の分布にすることにより、視感的な輝度低下を抑制しつつ消費電力を、表示領域30全体を中央部輝度Ccにした場合と比較して10〜20%削減することができる。
【0033】
表示領域30の中央部から表示領域の周辺部に至る輝度の大きさの変化、あるいは大きさの変化を表す輝度曲線は、中央部から周辺部に至る距離に関する2次関数(2次曲線)、4次関数(4次曲線)または2次関数+4次関数(2次関数と4次関数を足し合わせた関数)とすると、視感的な輝度低下を抑制しつつ表示領域30の周辺部で輝度を抑制することができる。
【0034】
図6は、図5に示された輝度分布おける中央部から水平端部に至る輝度の変化を示した図である。中央部における輝度が中央部輝度Cc、水平端部近傍における輝度が水平端部輝度Chである。図6に示された輝度の曲線は、水平位置(中央部からの水平距離)に関する2次関数、4次関数または2次関数+4次関数による曲線である。図中の水平方向の目盛りは中央部と水平端部の間を16等分した目盛りであり、垂直方向の目盛りは中央部輝度Ccを100%とした場合のパーセントを表している。
【0035】
図7は、表示領域30の輝度の大きさの分布の別の例を示した図である。図7に示した範囲は、表示パネル29の表示領域30の全体の右上の4分の1の部分を示している。
【0036】
表示領域30の中央部の輝度を中央部輝度Cc、表示領域30の垂直端部近傍の輝度を垂直端部輝度Cv、表示領域30の水平端部近傍の輝度を水平端部輝度Ch、表示領域30の頂点部近傍の輝度を頂点部輝度Cdとしたとき、中央部輝度Ccと垂直端部輝度Cvは同じであり、また水平端部輝度Chと頂点部輝度Cdの輝度は同じであり、中央部輝度Ccより水平端部輝度Chは輝度が小さく、かつ垂直端部輝度Cvより頂点部輝度Cdは輝度が小さくなるように制御することによって、視感的な輝度低下を抑制しつつ低消費電力化を図ることができる。
【0037】
図7においては、表示領域30の中央部から水平端部にかけて領域B1から領域B8までの8個の輝度分布の領域に分けられた例を示している。中央部の輝度を100%とし、領域B1の輝度は95〜100%、領域B2の輝度は90〜95%、領域B3の輝度は85〜90%、領域B4の輝度は80〜85%、領域B5の輝度は75〜80%、領域B6の輝度は70〜75%、領域B7の輝度は65〜70%、領域B8の輝度は60〜65%となっている。
【0038】
1個の領域の内部では、輝度が水平端部の方向に行くに従い連続的に小さくなる。例えば、領域B3内では領域B2の近傍は輝度が90%であるが、領域B4の近傍は85%であり、B3領域の内部で水平端部の方向に行くに従い連続的に徐々に輝度が小さくなっている。
【0039】
図7においては、中央部輝度Cc>水平端部輝度Ch=100%>60%かつ垂直端部輝度Cv>頂点部輝度Cd=100%>60%となるような輝度の大きさの分布とした例が示されている。このような輝度の分布にすることにより、視感的な輝度低下を抑制しつつ消費電力を、表示領域30全体を中央部輝度Ccにした場合と比較して10〜20%削減することができる。
【0040】
図8は、図7に示された輝度分布おける中央部から水平端部に至る輝度の変化を示した図である。中央部における輝度が中央部輝度Cc、水平端部近傍における輝度が水平端部輝度Chである。図8に示された輝度の曲線は、水平位置(中央部からの水平距離)に関する2次関数、4次関数または2次関数+4次関数による曲線である。図中の水平方向の目盛りは中央部と水平端部の間を16等分した目盛りであり、垂直方向の目盛りは中央部輝度Ccを100%とした場合のパーセントを表している。
【0041】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態の表示装置1として構成されたデジタル放送受信機50の構成を示したブロック図である。この第2の実施形態の各部について、図3に示す第1の実施形態の各部と同一部分は同一符号である。この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、表示パネル53が液晶パネルであることと映像処理部51が液晶パネルのバックライト制御部52の機能を有することである。
【0042】
図10は、デジタル放送受信機50のバックライト装置55の発光素子(光源)56の配置の例を示した図である。発光素子56は液晶パネル53の表示領域54の背面の基板57に格子状に配置され、液晶パネル53の方向に光を出射する。所謂直下型方式のバックライト装置である。発光素子56は、例えばLEDである。図10に示した範囲は、表示パネル53の表示領域54の全体の右上の4分の1の部分を示している。表示領域54の他の4分の3の領域は、中央部に対して対称な分布となっているので省略する。
【0043】
バックライト制御部52は、映像処理部51が出力する映像信号に応じて表示パネル53のバックライト装置55の駆動信号を出力し、バックライト装置55を駆動させる。
【0044】
図10に示すように、バックライト装置55の、表示領域54の垂直端部や水平端部のような周辺部における発光素子56同士の間隔は、表示領域の中央部における発光素子56同士の間隔より大きい。
【0045】
表示領域54の中央部の発光素子56の間隔を中央部垂直間隔Lyc、表示領域54の中央部の発光素子56の水平方向の間隔を中央部水平間隔Lxc、表示領域54の垂直端部近傍の発光素子56の垂直方向の間隔を垂直端部間隔Lye、表示領域54の水平端部近傍の発光素子56の水平方向の間隔を水平端部間隔Lxeとしたとき、中央部垂直間隔Lycと垂直端部間隔Lyeとの比が、例えば、1対1.2で、かつ中央部水平間隔Lxcと水平端部間隔Lxeとの比が1対1.5であるように発光素子56を配置することによって、視感的な輝度低下を抑制しつつ発光素子56の数を、表示領域54全体を中央部垂直間隔Lyc、中央部水平間隔Lxcの間隔で配置した場合と比較して、削減することができる。発光素子56の数を10〜20%削減できることから低コスト化と低消費電力化を図ることができる。
【0046】
前記したように、中央部垂直間隔Lycと垂直端部間隔Lyeとの比が1対1.2で、かつ中央部水平間隔Lxcと水平端部間隔Lxeとの比が1対1.5であるように発光素子56を配置した場合には、表示領域54の中央部の輝度を中央部輝度Cc、表示領域54の垂直端部近傍の輝度を垂直端部輝度Cv、表示領域54の水平端部近傍の輝度を水平端部輝度Ch、表示領域54の頂点部近傍の輝度を頂点部輝度Cdとしたとき、Cc:Cv:Ch:Cd=1:0.8:0.6:0.5となり、LEDの使用数量を低減し、低消費電力を図りながら、視感的な輝度低下を抑制することができる。
【0047】
表示領域54の中央部から表示領域の周辺部に至る発光素子56の間隔の変化、あるいは間隔の変化を表す曲線は、中央部から周辺部に至る距離に関する2次関数(2次曲線)、4次関数(4次曲線)または2次関数+4次関数とすると、視感的な輝度低下を抑制しつつ表示領域54内に配置する発光素子56の数を削減することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態の表示装置1として構成されたデジタル放送受信機60の構成を示したブロック図である。この第3の実施形態の各部について、図9に示す第2の実施形態の各部と同一部分は同一符号である。この第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、液晶パネル61のバックライト装置63が、第2の実施形態では直下型であったのに対し、第3の実施形態ではエッジライト方式であることである。
【0049】
図12は、デジタル放送受信機60のバックライト装置63の発光素子(光源)56の配置の例を示した図である。発光素子56は液晶パネル61の表示領域62の背面に配置された導光板65の側面部に光を入射する。発光素子56は導光板65の側面部に対向して配置された基板64に設置されている。図12に示した範囲は、表示パネル53の表示領域62の一端の中央部から周辺部を示している。
【0050】
図12に示すように、バックライト装置61の、周辺部における発光素子56同士の間隔は、中央部における発光素子56同士の間隔より大きい。中央部の発光素子56の間隔を中央部間隔Lc、周辺部の発光素子56の間隔を周辺部間隔Leとしたとき、中央部間隔Lcと周辺部間隔Leとの比が、例えば、1対1.8であるように発光素子56を配置することによって、視感的な輝度低下を抑制しつつ発光素子56の数を、中央間隔Lcの間隔で配置した場合と比較して、削減することができる。発光素子56の数を削減できることから低コスト化と低消費電力化を図ることができる。
【0051】
前記したように、中央部間隔Lcと周辺部間隔Leとの比が、例えば、1対1.8であるように発光素子56を配置した場合には、表示領域62の中央部の輝度を中央部輝度Cc、表示領域62の垂直端部近傍の輝度を垂直端部輝度Cv、表示領域62の水平端部近傍の輝度を水平端部輝度Ch、表示領域62の頂点部近傍の輝度を頂点部輝度Cdとしたとき、Cc:Ch/Cv:Cd=1:0.6となり、LEDの使用数量を低減し、低消費電力を図りながら、視感的な輝度低下を抑制することができる。
【0052】
エッジライト方式の発光素子56の中央部から周辺部に至る発光素子56の間隔の変化、あるいは間隔の変化を表す曲線は、中央部から周辺部に至る距離に関する2次関数(2次曲線)もしくは4次関数(4次曲線)または2次関数+4次関数とすると、視感的な輝度低下を抑制しつつ表示領域54内に配置する発光素子56の数を削減することができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 表示装置
2 筐体
3 スタンド
4 表示パネル
10 画面
20 デジタル放送受信機
21 アンテナ
23 チューナ
24 復調器
25 デコード処理部
26 重畳処理部
27 映像処理部
28 輝度制御部
29 表示パネル
30 表示領域
34 制御部
35 MPU
36 RAM
37 ROM
38 フラッシュメモリ
39 操作受信部
40 操作機器
50 デジタル放送受信機
51 映像処理部
52 バックライト制御部
53 表示パネル
54 表示領域
55 バックライト装置
56 発光素子
57 基板
60 デジタル放送受信機
61 表示パネル
62 表示領域
63 バックライト装置
64 基板
65 導光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の表示領域を有する表示装置であって、
前記表示領域の周辺部の輝度が前記表示領域の中央部の輝度よりも小さくなるように前記表示領域の輝度を制御する制御部を有する表示装置。
【請求項2】
前記表示領域の中央部の輝度、前記表示領域の垂直端部近傍の輝度、前記表示領域の水平端部近傍の輝度、前記表示領域の頂点部近傍の輝度の順に輝度が小さくなる請求項1に記載した表示装置。
【請求項3】
前記表示領域の中央部の輝度より前記表示領域の水平端部近傍の輝度は小さく、かつ前記表示領域の垂直端部近傍の輝度より前記表示領域の頂点部近傍の輝度は小さい請求項1に記載した表示装置。
【請求項4】
前記表示領域の前記中央部から前記表示領域の前記周辺部に至る輝度の大きさは前記中央部から前記周辺部に至る距離に関する2次関数、4次関数または2次関数+4次関数である請求項1に記載した表示装置。
【請求項5】
略矩形の表示領域を有する液晶パネルと、
前記液晶パネルの前記表示領域の背面に格子状に配置され、前記液晶パネルの方向に光を出射する複数の光源とを備え、
前記表示領域の周辺部における前記光源の間隔は、前記表示領域の中央部における前記光源の間隔より大きい表示装置。
【請求項6】
前記表示領域の中央部の前記光源の垂直方向の間隔と、前記表示領域の垂直端部近傍の前記光源の垂直方向の間隔との比が1対1.2で、かつ前記表示領域の中央部の前記光源の水平方向の間隔と前記表示領域の水平端部近傍の前記光源の水平方向の間隔との比が1対1.5である請求項5に記載した表示装置。
【請求項7】
略矩形の表示領域を有する液晶パネルと、
前記液晶パネルの前記表示領域の背面に配置された導光板と、
前記導光板の端部に向けて光を出射する複数の光源とを備え、
前記表示領域の周辺部における前記光源の間隔は、前記表示領域の中央部における前記光源の間隔より大きい表示装置。
【請求項8】
前記表示領域の中央部の前記光源の間隔と前記表示領域の周辺部の前記光源の間隔との比が1対1.8である請求項7に記載した表示装置。
【請求項9】
略矩形の表示領域を有する表示装置の輝度制御方法であって、
前記表示領域の周辺部の輝度が前記表示領域の中央部の輝度よりも小さくなるように前記表示領域の輝度を制御する輝度制御方法。
【請求項10】
前記表示領域の中央部の輝度、前記表示領域の垂直端部近傍の輝度、前記表示領域の水平端部近傍の輝度、前記表示領域の頂点部近傍の輝度の順に輝度が小さくなるように前記表示領域の輝度を制御する請求項9に記載した輝度制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−37076(P2013−37076A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171210(P2011−171210)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】