説明

表示装置駆動回路

【課題】表示装置駆動回路の回路面積の削減を図ることである。
【解決手段】本発明に係る表示装置駆動回路は、入力データに対応するデータ対応幅DWを生成するデータ対応幅発生回路101と、順次シフトされるイネーブル情報OEに応じて、データ対応幅DWを出力する幅伝達部103と、定電流源104を用いてデータ対応幅DWに応じて充電され、駆動電圧を保持するコンデンサ112、115とを備え、駆動電圧を出力するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置駆動回路に関し、特に入力されるデジタル階調データに応じて予め決められた電圧レベルの出力信号を生成、出力する表示装置駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイは従来のブラウン管ディスプレイでの表示装置を置き換えるのみだけでなく、様々な機器の情報表示装置として付加されるほどになっている。様々な機器の中には小型である事や低価格である事を液晶表示装置に求めるものがあり、要求を実現するために表示装置駆動回路も小型、低価格とする要求が高まってきた。
【0003】
特許文献1には、入力データに応じて対応する電圧を出力する機能を具備する表示装置駆動回路が記載されている。特許文献1に記載の表示装置駆動回路では、セレクタ内蔵サンプルホールド部に所望の電圧が保持され、増幅して出力される。図8、9は特許文献1に記載の表示装置駆動回路の概略構成図であり、図10は波形図である。
【0004】
比較部304は、各色(R、G、B)のデータ毎に設けられた比較部304−1〜304−nよりなる。セレクタ内蔵サンプルホールド部306は、各色(R、G、B)のデータ毎にサンプルホールド回路306−1〜306−nを設けた構成としてなる。
【0005】
セレクタ内蔵サンプルホールド部306には、階段状波形電圧生成回路307、308より階段状波形電圧VR、VBが供給されると共に、1水平期間毎に反転するライン反転信号LN及び1水平期間毎に有効となるラインパルス信号LPが入力される。
【0006】
サンプルホールド回路306−1は、ANDゲート306a、306b、スイッチSW1、SW2、SW3、基準電位切換器306f、サンプルホールドコンデンサC1、C2よりなる。サンプルホールド回路306−2〜306−nはサンプルホールド回路306−1と同一の構成を有する。出力バッファ309は、各色(R、G、B)データ毎に設けられた出力バッファ309−1〜309−nよりなり、セレクタ内蔵サンプルホールド部306の出力信号を増幅して出力する。
【0007】
比較部304には、データラッチからのデータの他に4ビットカウンタ305から4ビットカウント値が供給される。4ビットカウンタ305には、図10(B)に示すようなクロック信号CK及び図10(G)に示す水平期間毎に有効となるリセット信号Rが供給される。4ビットカウンタ305は、クロック信号CKとリセット信号Rとを用いて図10(F)に示すようにカウントされるカウント値を出力する。
【0008】
比較部304は、各色(R、G、B)毎に、データラッチ303からのデータと4ビットカウンタ305からの4ビットカウント値とを比較し、その比較結果をセレクタ内蔵サンプルホールド部306に供給する。セレクタ内蔵サンプルホールド部306には、比較部304の比較結果の他、階段状波形電圧生成回路307、308より夫々図10(E)、図10(H)に示される8段階及び2段階でレベルが変化する階段状波形電圧が供給される。
【0009】
また、特許文献2には、パルス変調方式のソース線の駆動回路が記載されている。特許文献2に記載の駆動回路では、各水平期間における液晶容量への出力電圧値を同一とし、その電圧印加時間すなわちパルス幅を異ならせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平05−297833号公報
【特許文献2】特開2006−266361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1では、データラッチからのデータと4ビットカウンタ305からの4ビットカウント値とを比較し、その比較結果をセレクタ内蔵サンプルホールド部306に供給している。このデータラッチは、特許文献1に記載の表示装置駆動回路を実現するために必要なデジタルデータ保持回路である。
【0012】
また、サンプルホールドコンデンサC1、C2は、比較部304の比較結果に応じたレベルの信号をサンプルホールドする。このコンデンサに充電された充電電圧レベルに応じた信号が出力信号として出力される。このため、サンプルホールドコンデンサC1、C2はレベル信号を保持するコンデンサであり、これが出力される電圧レベルとなる。
【0013】
つまり、特許文献1に記載の表示装置駆動回路は、最終的な出力電圧を得るために、デジタルデータを保持するデータラッチ、レベル信号を保持するコンデンサC1、C2と複数の保持する回路を有している。このようにデジタル値と電圧値を保持する回路が夫々設けられており、保持される情報が重複しているものの、これらの保持回路は特許文献1の動作では必須であるため削除する事はできず、回路面積が大きくなるという問題がある。
【0014】
さらに、特許文献1では、入力データが全てたまるまでデータレジスタ302に一旦保持し、1ライン分のデータがデータレジスタ302に揃ったところでデータラッチ303へまとめて転送している。このように重複した情報を保持する回路が複数存在するため、回路面積が増加する。特許文献2においても、同様の問題がある。
【0015】
また、特許文献2では入力階調デジタルデータとこれに対応するパルス幅情報とを格納する階調データ−パルス幅変換LUTが設けられている。階調データ−パルス幅変換LUTには入力階調デジタルデータ1、2、・・・、nが入力され、夫々に対応するパルス幅情報1、2、・・・、nが出力される。従って、階調データ−パルス幅変換LUTには、入力階調デジタルデータ数に対応した複数の回路が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様に係る表示装置駆動回路は、入力データに対応するデータ対応幅を生成するデータ対応幅発生回路と、順次シフトされるイネーブル情報に応じて、前記データ対応幅を出力する幅伝達部と、定電流源を用いて前記データ対応幅に応じて充電され、駆動電圧を保持するコンデンサとを備え、前記駆動電圧を出力するものである。
【0017】
本発明によれば、データ対応幅発生回路により入力データのデジタル値からデータ対応幅を生成し、イネーブル情報に応じてデータ対応幅を出力するよう制御して、データ対応幅に応じてコンデンサを充電する事ができる。これにより、データレジスタ、データラッチ等の回路を不要とする事ができ、表示装置駆動回路の回路面積の削減を図る事が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示装置駆動回路の回路面積の削減を図る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に係る表示装置駆動回路の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る表示装置駆動回路のデータ対応幅発生回路の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る表示装置駆動回路の動作を説明するための波形図である。
【図4】実施の形態2に係る表示装置駆動回路のデータ対応幅発生回路の構成を示す図である。
【図5】実施の形態3に係る表示装置駆動回路の構成を示す図である。
【図6】実施の形態3に係る表示装置駆動回路のデータ対応幅発生回路の構成を示す図である。
【図7】実施の形態3に係る表示装置駆動回路の動作を説明するための波形図である。
【図8】特許文献1に記載の表示装置駆動回路の構成を示す図である。
【図9】特許文献1に記載の表示装置駆動回路の構成を示す図である。
【図10】特許文献1に記載の表示装置駆動回路の動作を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、以下では、複数の実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0021】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る表示装置駆動回路について説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置駆動回路の構成を示す図である。本実施の形態に係る表示装置駆動回路は、入力されるデジタル階調データに応じて予め決められた電圧レベルの出力信号を生成し、液晶表示装置に出力するものである。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係る表示装置駆動回路は、データ対応幅発生回路101、定電流源104、複数の出力回路107(1)、107(2)、107(3)・・・を備えている。出力回路107(1)、107(2)、107(3)・・・は、夫々液晶駆動電圧VO(1)、(2)、(3)・・・の1出力分の構成に相当する。表示装置駆動回路を構成するチップには、出力回路107が複数個配置される。出力回路107は、シフトレジスタ102、幅伝達部103、電圧保持部105、液晶駆動バッファ106を夫々備えている。
【0023】
図2は、データ対応幅発生回路101の構成を示す図である。データ対応幅発生回路101は、カウンタ118、比較器119を備えている。カウンタ118は、入力されるカウンタクロックWCKに基づき、カウント値を出力する。比較器119には、カウント値とデジタルデータである入力データが入力される。比較器119は、カウント値を用いて、入力データに対応するデータ対応幅DWを出力する。データ対応幅DWは、幅伝達部103に入力される。
【0024】
図1に示す例において、出力回路107(1)、出力回路107(2)、出力回路107(3)・・・の順に接続されているものとする。各出力回路107にはそれぞれフリップフロップFFが設けられている。最初の出力回路107(1)のシフトレジスタ102に設けられたフリップフロップFFに有効情報データSPとシフトクロックSCKが入力され、イネーブル情報OEが出力される。
【0025】
イネーブル情報OEは、幅伝達部103に入力されるとともに、次の出力回路107(2)のシフトレジスタ102に有効情報データSPとして入力される。有効情報データSPは、シフトクロックSCKに同期して順次後段の出力回路107にシフトされる。幅伝達部103には、AND回路110が設けられている。幅伝達部103のAND回路110に、イネーブル情報OEとデータ対応幅DWが入力される。AND回路110は、これらの信号に基づいて充電幅CWを生成し、電圧保持部105へ出力する。
【0026】
定電流源104は、全ての出力回路107の電圧保持部105に定電流SIを供給する。電圧保持部105は、充電幅CWと定電流SI応じて出力信号である電圧レベルVLを出力し、液晶駆動バッファ106に供給する。液晶駆動バッファ106は、入力される電圧レベルVLに基づいて、液晶駆動電圧VOを外部の液晶パネルに出力する。
【0027】
ここで、電圧保持部105の構成を詳細に説明する。電圧保持部105は、充電スイッチ111、コンデンサ112、放電スイッチ113、充電スイッチ114、コンデンサ115、放電スイッチ116、出力選択スイッチ117を備えている。コンデンサ112、115は、出力する電圧レベルを保持する。出力選択スイッチ117は、コンデンサ112とコンデンサ115のいずれか一方を切り替えて液晶駆動バッファ106に接続するスイッチである。
【0028】
コンデンサ112の一端はGNDに接続され、他端は充電スイッチ111と放電スイッチ113と出力選択スイッチ117のそれぞれの一端に接続される。充電スイッチ111の他端は、定電流源104が接続されている。放電スイッチ113の他端は、GNDに接続されている。出力選択スイッチ117の他端は、液晶駆動バッファ106に接続されている。
【0029】
充電スイッチ111には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLと充電幅CWが入力されている。充電スイッチ111は、コンデンサ選択信号SLが1であり、かつ、充電幅CWが1のときに通電状態となり、コンデンサ112に定電流SIを供給する。
【0030】
放電スイッチ113には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLと放電信号DISが入力されている。放電スイッチ113は、コンデンサ選択信号SLが1であり、かつ、放電信号DISが1の時に通電状態となり、コンデンサ112をGNDへ放電させる。
【0031】
コンデンサ115の一端はGNDに接続され、他端は充電スイッチ114、放電スイッチ116、液晶駆動バッファ106のそれぞれの一端に接続されている。充電スイッチ114の他端は、定電流源104が接続されている。放電スイッチ116の他端は、GNDに接続されている。出力選択スイッチ117の他端は、液晶駆動バッファ106に接続されている。
【0032】
充電スイッチ114には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLが反転されたコンデンサ選択信号SLNと充電幅CWが入力されている。充電スイッチ114は、コンデンサ選択信号SLNが1であり、かつ、充電幅CWが1のときに通電状態となり、コンデンサ115に定電流SIを供給する。
【0033】
放電スイッチ116には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLが反転されたコンデンサ選択信号SLNと放電信号DISが入力されている。放電スイッチ116は、コンデンサ選択信号SLNが1であり、かつ、放電信号DISが1の時に通電状態となり、コンデンサ115をGNDへ放電させる。
【0034】
出力選択スイッチ117は、選択信号SVに応じてコンデンサ112又はコンデンサ115のいずれか一方を選択して接続するスイッチである。出力選択スイッチ117は、選択信号SVが0の時はコンデンサ112を選択し、選択信号SVが1の時はコンデンサ115を選択して、いずれかに充電された電圧レベルVLを液晶駆動バッファ106へ出力する。
【0035】
液晶駆動バッファ106は、入力される電圧レベルVLに応じて、液晶駆動電圧VOを出力する。電圧レベルVLと液晶駆動電圧VOの電圧は同じものである。液晶駆動バッファ106は、外部に接続される液晶パネルの負荷を考慮した駆動能力を有している。以上の構成で出力回路107が構成される。チップ内には、液晶パネルに接続するため例えば数百個の出力回路107が並べて設けられる。
【0036】
一般的に、液晶表示装置は、出力回路107を数百個並べた駆動回路を備えている。入力データは外部から当該駆動回路へ直接入力する事ができる。又は、液晶表示装置内にRAMが内蔵されている場合は、RAMからのデータを駆動回路へ入力する構成とする事もできる。なお、駆動回路の電源は、外部から供給される構成、又は、内蔵する構成をとる事ができる。
【0037】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置にはソース、ゲート、コモンに対して所定のタイミングで電圧を与える必要がある。各出力回路107から出力される電圧は液晶表示装置のソースに対して供給される。液晶表示装置のゲートには、外部に設けられた回路から、タイミング信号を用いてソースに供給される信号と同期させた信号を供給する事ができる。ゲートに供給する信号を出力する回路を液晶表示装置内に内蔵する事も可能である。
【0038】
液晶表示装置のコモンには、外部に設けられた回路から、タイミング信号を用いてソースに供給される信号と同期させた信号を供給する事ができる。コモンに供給する信号を出力する回路を液晶表示装置内に内蔵する事も可能である。
【0039】
ここで、図3を参照して、本実施の形態に係る表示装置駆動回路の動作について説明する。図3は、本実施の形態に係る表示装置駆動回路における各信号の波形を示す図である。まず、コンデンサ選択信号SLを1とする。コンデンサ選択信号SLNは、コンデンサ選択信号SLの反転であるため0である。時間Aにおいて、放電信号DISを1とし、放電スイッチ113をGNDと通電させる事でコンデンサ112(1)、112(2)、112(3)の電荷を放電させGNDレベルとする。次に、時間BでDISを0に戻して放電を終了する。
【0040】
データ対応幅発生回路101は、カウンタ118において、カウンタクロックWCKを15クロックで0から15までカウントアップする。比較器119は、カウンタ118から出力されたカウント値を用いて、入力データに対応するデータ対応幅DWを出力する。例えば、4ビットの入力データのデジタル値として8を入れた場合、カウンタ118のデジタル値が0から7の時間Bから時間Cまでの間は1、カウンタ118のデジタル値が8から15の時間Cから時間Dまでの間は0となるデータ対応幅DWが出力される。
【0041】
各出力回路107のシフトレジスタ102は全て接続されており、多ビットのシフトレジスタを構成している。有効情報データSPのうちの1ビット分の「1」が1つの出力回路107が充電有効である事を指し示す情報である。有効情報データSPは、シフトクロックSCKにより時間Dで次の出力回路107(2)へとシフトしていく。また、シフトレジスタ102からの出力は、イネーブル情報OEとして幅伝達部103に入力される。
【0042】
幅伝達部103は、イネーブル情報OEが1で充電有効であれば、データ対応幅DWが充電幅CWとして電圧保持部105へ出力される。イネーブル情報OEが0で充電無効であれば、データ対応幅DWは出力されず、充電幅CWは0となる。本実施の形態に係る表示装置駆動回路では、1つのデータ対応幅発生回路101のみが設けられている。データ対応幅発生回路101から出力されるデータ対応幅DWは、全ての出力回路107に入力されている。
【0043】
各出力回路107で、順次、充電有効である「1」となるイネーブル情報OEがシフトされる。すなわち、各時間において、イネーブル情報OEは、いずれか1つの出力回路107でのみ充電有効を示す「1」となる。このため、データ対応幅DWは、シフトレジスタ102においてイネーブル情報OEがシフトされるのに従って、充電有効となる1つの出力回路107にのみ充電幅CWとして出力される。
【0044】
充電幅CWは、充電スイッチ111と充電スイッチ114とに供給されている。図3に示す場合、コンデンサ選択信号SLが1であるため、充電スイッチ111が通電状態となる。よって、定電流SIが、充電スイッチ111を介してコンデンサ112に供給される。定電流SIが供給されるコンデンサ112には、時間に比例して電荷が充電される。このため、充電幅CWが1である時間が短いとコンデンサ112の電圧は低く充電され、充電幅CWが1である時間が長いとコンデンサ112の電圧は高く充電される事になる。
【0045】
充電幅CWが1の幅はデータ対応幅発生回路101に入る入力データに比例している。イネーブル情報OEが1である出力回路107毎に所望の入力データを与えていく事で、各出力回路107のコンデンサ112又は115に所望の電圧が充電される。コンデンサ112(1)は時間Bから時間Cまで充電され、所望の電圧値となる。
【0046】
すなわち、カウンタクロックWCKが16サイクルの間の期間、時間Bから時間Dの間で、出力回路107(1)におけるコンデンサ112の充電から充電終了までの充電動作が行われる。なお、コンデンサ112の充電動作の期間中、選択信号SVは1である。このため、出力選択スイッチ117は通電おらず、コンデンサ112の充電中の電圧変化は、液晶駆動電圧VO(1)には影響しない。
【0047】
以上の時間Bから時間Dの間の動作を繰り返し、全ての出力回路107内のコンデンサ112への充電動作が行われる。具体的には、時間Dから時間Fの間は、次の出力回路107(2)の液晶駆動電圧が生成される。出力回路107(2)に対応する入力データが2であるため、出力回路107(2)のコンデンサ112に充電される期間は時間Dから時間Eの期間となる。また、時間Fからの期間は、出力回路107(3)の液晶駆動電圧が生成される。出力回路107(3)に対応する入力データが11であるため、充電される期間は時間Fから時間Gの期間となる。
【0048】
全ての出力回路107内のコンデンサ112への充電動作が完了した後、選択信号SVに0が与えられる。これにより、全てのコンデンサ112がそれぞれ出力選択スイッチ117を介して、各液晶駆動バッファ106と接続され、各液晶駆動電圧VOが出力される。液晶駆動バッファ106から出力される液晶駆動電圧VOが外部に接続された液晶パネルの各画素に印加される。
【0049】
選択信号SVが0の間は、コンデンサ115は液晶駆動バッファ106に接続されていない。この間に、コンデンサ115に対して上述したようにコンデンサ112と同様の充電動作を行う。すなわち、コンデンサ112、115に1ラインごとに交互に所望の電圧が充電される。これにより、液晶パネルに所望の電圧を次々と印加する事ができ、液晶パネルにデジタル値からなる入力データに対応する画像を描画する事ができる。
【0050】
このように、本実施の形態では、複数の出力回路107に対して1つのデータ対応幅発生回路101が設けられている。データ対応幅発生回路101により入力データのデジタル値からコンデンサの充電時間に対応するデータ対応幅DWを生成し、シフトレジスタ102でシフトされるイネーブル情報OEに応じて、充電幅CWを出力するよう制御する事により、所望の液晶駆動電圧を得る事ができる。
【0051】
特許文献1では、デジタル値と電圧レベル値の両方を出力回路内に保持して液晶駆動電圧VOを生成していた。本発明では電圧レベル値のみを保持して液晶駆動電圧VOを生成できるため、図8のデータレジスタ302、データラッチ303にあたる回路を不要とする事ができる。
【0052】
また、特許文献2では、階調データ−パルス幅変換LUTには、入力階調デジタルデータ数に対応した複数の回路が必要となるのに対し、本実施の形態では、1つのデータ対応幅発生回路101のみが設けられている。このため、回路を簡素化する事ができ、回路面積を削減する事が可能となる。
【0053】
なお、上述の例では、1つのデータ対応幅発生回路101を設け、各出力回路107に対してそれぞれ1つのシフトレジスタ102を配置したが、これに限定されるものではない。例えば、3つのデータ対応幅発生回路101を設け、3つの出力回路107につき1つのシフトレジスタ102を配置する構成としてもよい。
【0054】
この場合、1つ目のデータ対応幅発生回路101(1)に1つ目の入力データ(1)を与え、1つ目のデータ対応幅DW(1)を1つ目の出力回路107(1)に供給する。同様に、2つ目のデータ対応幅発生回路101(2)に2つ目の入力データ(1)を与え、2つ目のデータ対応幅DW(2)を2つ目の出力回路107(2)に供給する。
【0055】
また、3つ目のデータ対応幅発生回路101(3)に3つ目の入力データ(3)を与え、3つ目のデータ対応幅DW(3)を3つ目の出力回路107(3)に供給する。このように、1回の充電動作で、複数の出力回路107を充電する構成とする事も可能である。
【0056】
さらに、データ対応幅発生回路101の比較器119がデータ対応幅DWの出力を反転させる機能を備えてもよい。すなわち、データ対応幅DWの「1」と「0」とが反転され、1つのコンデンサの充電期間のうち実際に充電されていた期間(例えば、図3の時間Dから時間E)に充電されなくなり、充電されなかった期間(時間Eから時間F)に充電される。
【0057】
これにより、ソースに出力される電圧が最大電圧の半分の電圧を基準に反転する。これと同時にコモン電圧も反転する事により、液晶素子にかかるソースとコモン間の電圧差は同じまま、ソートとコモンの電位の高低が逆転する。すなわち、ソースとコモン間の電圧差は同じであるため、液晶素子の透過量としては同じである。これにより、同じ電位をかけ続けると特性が劣化する液晶に対して劣化を防止する動作を実現できる。
【0058】
また、コモン電圧が最大電圧の半分のまま一定とする駆動方法では、コンデンサがコモン電圧まで充電する期間はデータ対応幅を1固定とし、その後データに対応した動作を行う。これを反転させる事で逆の電位差となる。
【0059】
データ対応幅DWを液晶パネルの水平ライン毎に反転させ、次の1画面描画時にさらに逆転させる事で、液晶の交流駆動が可能となり、液晶材料の劣化を抑える事ができる。出力回路毎にデータ対応幅DWを反転させる事で、1つの水平ラインの中でも交流駆動を実現する事が可能である。
【0060】
また、入力データは4ビットに限らない。任意のnビットのデータを入力するには、カウンタ118もnビットで構成し、カウンタクロックWCKを2^n−1回与えればよい。例えば、入力データが5ビットの場合、データ対応幅発生回路101は5ビットのカウンタ118を備え、カウンタクロックWCKを31回与える。
【0061】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る表示装置駆動回路について説明する。図4は、本実施の形態に係る表示装置駆動回路のデータ対応幅発生回路201の構成を示す図である。なお、データ対応幅発生回路201は、図1におけるデータ対応幅発生回路101の代わりに用いられる。
【0062】
データ対応幅発生回路201は、カウンタ218、比較器219、変換マップ220を備える。データ対応幅発生回路201以外の他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。
【0063】
カウンタ218には、入力されるカウンタクロックWCKに基づき、カウント値を出力する。入力データは変換マップ220に入力され、変換データDDが出力される。比較器219には、カウント値と変換データDDが入力される。比較器119は、カウント値を用いて、変換データDDに対応するデータ対応幅DWを出力する。データ対応幅DWは、幅伝達部103に入力される。
【0064】
変換マップ220は、例えば、4ビットの入力データを2倍の精度をもつ8ビットの変換データDDへと変換する。変換マップ220は、所望のガンマカーブに対応した変換マップを用いてデータの変換を行う。本実施の形態では、カウンタ218は、カウンタクロックWCKを0から31までカウントする8ビットのカウンタである。
【0065】
比較器219は、カウンタ218のカウント値(デジタル値)と変換マップ220から入力される変換データDDとを比較し、カウント値のほうが変換データDDよりも小さい間は1を、等しいか大きい間は0をデータ対応幅DWとして出力する。これによりデータ対応幅DWの幅は、所望のガンマカーブを実現する事ができる、入力データに比例しない液晶駆動電圧VOに対応する幅となる。
【0066】
本実施の形態では、入力データを変換マップにて変換する事により、データ対応幅を所望のガンマカーブを実現する事ができるものとする事ができる。これにより、液晶パネルの都合に合わせた色の調整ができる。
【0067】
なお、変換マップ220は、8ビットに限定されるものではない。任意のnビットの変換マップを用いる事ができる。この場合、nビットのカウンタ218を用い、カウンタクロックWCKを2^n−1回与えればよい。
【0068】
また、変換マップ220を可変できる回路により構成してもよい。接続する液晶パネルの特性に合わせたガンマカーブに応じて、変換マップを変化させる事ができる。また、半導体の製造上の特性のばらつきを抑制するように、変換マップを変化させる事も可能である。さらに、出力回路107毎に変換マップ220を可変とし、出力毎の調整をする事も可能である。なお、変換マップ220は、入力データに対する出力すべきデータからなるデータ表として構成してもよく、入力データを演算して出力するデータを決定するように構成してもよい。
【0069】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る表示装置駆動回路について説明する。図5は、本実施の形態に係る表示装置駆動回路の構成を示す図である。図5において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0070】
図5に示すように、本実施の形態に係る表示装置駆動回路は、データ対応幅発生回路251、定電流源104、負の定電流源264、複数の出力回路270(1)、270(2)、270(3)、・・・を備えている。1つの出力回路270は、液晶駆動電圧VOの1出力分に相当する。出力回路107は、シフトレジスタ102、幅伝達部253、電圧保持部254、液晶駆動バッファ106を夫々備えている。
【0071】
図6は、データ対応幅発生回路251の構成を示す図である。データ対応幅発生回路251は、カウンタ255、減算器256、変換マップ257、比較器258、変換マップ259、比較器260を備えている。
【0072】
カウンタ255は、入力されるカウンタクロックWCKに基づき、カウント値を出力する。減算器256には、入力データと2ライン前の入力データとが入力される。減算器256は、入力データから2ライン前の入力データを減算し、正の値の差分SBP又は負の値の符号無し差分SBMを出力する。
【0073】
正の値の差分SBPは変換マップ257に入力され、変換データDDCが出力される。カウント値と変換データDDCが比較器258に入力され、データ対応幅DWCが出力される。負の値の符号なし差分SBMは変換マップ259に入力され変換データDDDが出力される。カウント値と変換データDDDが比較器260に入力され、データ対応幅DWDが出力される。データ対応幅DWC及びデータ対応幅DWDは、幅伝達部253に入力される。
【0074】
幅伝達部253には、AND回路261、262が設けられている。データ対応幅DWCはAND回路261に入力され、データ対応幅DWDはAND回路262に入力される。また、AND回路261、262には、それぞれイネーブル情報OEが入力される。AND回路261は、データ対応幅DWC及びイネーブル情報OEに基づいて充電幅CWを生成し、これを電圧保持部254へ出力する。AND回路262は、データ対応幅DWD及びイネーブル情報OEに基づいて放電幅WDを生成し、これを電圧保持部254へ出力する。
【0075】
ここで、電圧保持部254の構成を詳細に説明する。電圧保持部254は、OR回路263、コンデンサ112、115、充電スイッチ265、267、放電スイッチ266、268、出力選択スイッチ117を備えている。
【0076】
コンデンサ112の一端はGNDに接続され、他端は充電スイッチ265と放電スイッチ266と出力選択スイッチ117のそれぞれの一端に接続される。充電スイッチ265の他端は、定電流源104が接続されている。放電スイッチ113の他端は、負の定電流源264に接続されている。出力選択スイッチ117の他端は、液晶駆動バッファ106に接続されている。
【0077】
充電スイッチ265には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLと充電幅CWが入力されている。充電スイッチ265は、コンデンサ選択信号SLが1であり、かつ、充電幅CWが1のときに通電状態となり、コンデンサ112に定電流SIを供給する。
【0078】
放電スイッチ266には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLと放電幅WDが入力されている。放電スイッチ266は、コンデンサ選択信号SLが1であり、かつ、放電幅WDが1のときに通電状態となり、コンデンサ112に負の定電流SINを供給する。
【0079】
コンデンサ115の一端はGNDに接続され、他端は、充電スイッチ267、放電スイッチ268、出力選択スイッチ117のそれぞれの一端に接続されている。充電スイッチ267の他端は、定電流源104が接続されている。放電スイッチ268の他端は、負の定電流源264が接続されている。出力回路107の他端は、液晶駆動バッファ106に接続されている。
【0080】
充電スイッチ267には、制御信号としてコンデンサ選択信号SLが反転されたコンデンサ選択信号SLNと充電幅CWが接続されている。充電スイッチ267は、コンデンサ選択信号SLNが1であり、かつ、充電幅CWが1のときに通電状態となり、コンデンサ115に定電流SIを供給する。
【0081】
放電スイッチ268には、制御信号として、コンデンサ選択信号SLが反転されたコンデンサ選択信号SLNと放電幅WDが入力されている。放電スイッチ268は、コンデンサ選択信号SLNが1であり、かつ、放電幅WDが1のときに通電状態となり、コンデンサ115に負の定電流SINを供給する。
【0082】
ここで、図7を参照して、本実施の形態に係る表示装置駆動回路の動作について説明する。図7は、本実施の形態に係る表示装置駆動回路における各信号の波形を示す図である。まず、コンデンサ選択信号SLを1とする。コンデンサ選択信号SLNは、コンデンサ選択信号SLの反転であるため0である。時間Aにおいて、放電信号DISを1とし、放電スイッチ113をGNDと通電させる事でコンデンサ112(1)、112(2)、112(3)の電荷を放電させGNDレベルとする。次に、時間BでDISを0に戻して放電を終了する。
【0083】
データ対応幅発生回路251の減算器256に、入力データと2ライン前の入力データを与える。本実施の形態では、コンデンサ112、115に1ラインごとに交互に所望の電圧が充電される。従って、コンデンサを再度充放電する場合には、当該コンデンサには2ライン前の入力データに応じた電圧が充電されている。このように、本実施の形態では、2つのコンデンサが設けられているため、2ライン前の入力データを減算器256に与える。
【0084】
減算器256では、入力データから2ライン前の入力データを減算し、差分を求める。差分が正の値であれば、正の値の差分SBPが変換マップ257に出力される。変換マップ257は、正の値の差分SBPに対してガンマカーブに対応した変換を行って、コンデンサを充電するための変換データDDCを生成し、比較器258に出力する。比較器258は、変換データDDCとカウンタ255のカウント値とを比較する。
【0085】
例えば、変換データDDCのデジタル値として8が出力された場合、カウント値が変換データDDCよりも小さい0から7の時間Bから時間Cまでの間は1、カウント値が変換データDDC以上である8から15までの時間Cから時間Dの間は0となるデータ対応幅DWCが出力される。一方、負の値の符号無し差分SBMは0が出力され、時間Bから時間Dまでの間、データ対応幅DWDは0となる。
【0086】
また、差分が負の値であれば、負の値の符号無し差分SBMが変換マップ259に出力される。変換マップ259は、負の値の符号無し差分SBMに対してガンマカーブに対応した変換を行って、コンデンサを放電するための変換データDDDを生成し、比較器260に出力する。比較器260は、変換データDDDとカウンタ255のカウント値とを比較する。
【0087】
例えば、変換データDDDのデジタル値として5が出力された場合、カウント値が変換データDDDよりも小さい0から4の時間Hから時間Iまでの間は1、カウント値が変換データDDD以上である5から15の時間Iから時間Jまでの間は0となるデータ対応幅DWDが出力される。一方、正の値の差分SBPは0が出力され、時間Bから時間Dまでの間、データ対応幅DWCは0となる。
【0088】
シフトレジスタ102から出力されるイネーブル情報OEに応じて充電幅CW又はデータ対応幅DWが出力される。イネーブル情報OEが1であれば、データ対応幅DWCを充電幅CWとして出力し、データ対応幅DWDが放電幅WDとして、電圧保持部254に出力される。逆に、イネーブル情報OEが0であれば、充電幅CWと放電幅WDは常に0となる。
【0089】
充電幅CWは、充電スイッチ265、267に供給される。図7では、コンデンサ選択信号SLが1であるため、充電スイッチ265が通電状態である。よって、定電流SIは、充電スイッチ265を介してコンデンサ112に供給される。定電流SIが流れ込むコンデンサ112には、時間に比例して電荷が充電される。充電幅CWが1である時間が短いとコンデンサの電圧は低く充電され、充電幅CWが1である時間が長いとコンデンサの電圧は高く充電される。
【0090】
充電幅CWが1である幅は、データ対応幅発生回路251に入力される入力データと2ライン前の入力データとの正の値の差分SBP、すなわち、2ライン前の入力データに対して入力データが大きい分の値に比例している。時間Bから時間Cの間にコンデンサ112(1)は、初期値のGNDから所望の電圧まで充電される。その後、コンデンサ112(1)と同様に、時間Dから時間Eの間にコンデンサ112(2)が充電され、時間FからGの間にコンデンサ112(3)が充電される。
【0091】
一方、データ対応幅発生回路251に入力される2ライン前の入力データが現在の入力データよりも大きい場合には、放電幅WDが出力される。放電幅WDは、放電スイッチ266、268に供給される。図7では、コンデンサ選択信号SLが1であるため、放電スイッチ266が通電状態である。よって、負の定電流SINは、放電スイッチ266を介してコンデンサ112に供給される。負の定電流源264は負の電流源であり、コンデンサ112から電荷が引き出される。
【0092】
負の定電流SINによって電荷が引きだされるコンデンサ112は、時間に比例して電荷が放電される。このため、放電幅WDが1である時間が短いとコンデンサは少なく放電され、放電幅WDが1である時間が長いとコンデンサは多く放電される。放電幅WDが1である幅は、データ対応幅発生回路251に入力される入力データと2ライン前の入力データとの負の値の符号無し差分SBM、すなわち、2ライン前の入力データに対して入力データが小さい分の値に比例している。
【0093】
時間Hから時間Iの間に、コンデンサ112(1)は時間Cにおける電圧値から所望の電圧値まで放電される。すなわち、本実施の形態では、コンデンサの電圧に対して所望の電圧が高い場合は充電幅CWによって充電され、コンデンサの電圧に対して所望の電圧が低い場合は放電幅WDによって放電される。
【0094】
実施の形態1では、放電信号DISで毎回GNDまで放電させてから充電していた。一方、本実施の形態では、2ライン前の入力データと入力データの差分に基づいて、コンデンサの電圧から所望の電圧までの差だけ充電又は放電を行う。このため、本実施の形態のほうが、実施の形態1よりも電荷の移動量を少なくする事ができ、消費電流を抑制する事が可能となる。
【0095】
なお、実施の形態3において、GND電圧に放電する、又は、GND電圧から充電する事で所望の電圧が得られる場合は、実施の形態1の放電信号DISを用いて放電した後に充電する場合と電荷の移動量は等しい。液晶を駆動する入力データに応じて効果は変動する。最も効果が少ない場合でも、実施の形態1での消費電流と同じである。本実施の形態では、2ライン前のデータがGNDではない中間電位のデータである場合が増える分だけ効果が得られる。
【0096】
また、図7に示す例では、放電信号DISを最初のみ与えているが、これを50回に1回又は10回に1回等の間欠的に与えてもよい。この場合は、2ライン前の入力データを強制的に0とする。間欠的に放電信号DISを与える事で、コンデンサの電圧に誤差が蓄積する事を解消しつつ、低消費電力の効果を得る事が可能である。
【0097】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る表示装置駆動回路について説明する。本実施の形態に係る表示装置駆動回路は、図1に示す実施の形態1と略同様の構成を備えている。本表示装置駆動回路は、定電流源104の他に、逆の電流を流す負の定電流源と、コモン電圧発生源を備えている。
【0098】
負の定電流源は、定電流源104と同様に、全ての出力回路107の電圧保持部105に負の定電流SINを供給する。コモン電圧発生源は、定電流源104と同様に、全ての出力回路107の電圧保持部105にコモン電圧COMVを供給する。
【0099】
GNDへ接続されるコンデンサ112、放電スイッチ113、コンデンサ115、放電スイッチ116の一端は、コモン電圧COMVへ接続される。定電流源104へ接続される充電スイッチ114の一端は、負の定電流源へ接続される。他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。
【0100】
コンデンサ112は、コモン電圧COMVを初期電圧としてデータ対応幅DWによって定電流SIから電荷が流入する事で所望の電圧へと変化する。コンデンサ115は、コモン電圧COMVを初期電圧としてデータ対応幅DWによって負の定電流SINへ電荷が流出する事で所望の電圧へと変化する。放電信号DISを1とするとコンデンサ112、コンデンサ115はコモン電圧COMVとなる。
【0101】
コモン電圧COMVが最大電圧の半分である時、コンデンサ112、115への充電時間は半分となるため、カウンタクロックWCKの周期も半分にする。
【0102】
本実施の形態ではコモン電圧COMVに対してコンデンサ112は正の電圧、コンデンサ115は負の電圧に充電される事から、データ対応幅DWを反転させる事なく液晶の交流駆動が可能となる。また、充電時間が半分である事から全体の充電動作を半分で済ませることができる。
【0103】
また、各出力回路107にて交互にコンデンサ112を負の定電流源SIN、コンデンサ115を定電流源SIに接続する事によってドット反転の液晶パネルにも対応させる事ができる。なお、本実施の形態では、実施の形態1をベースとした構成としたが、実施の形態2、実施の形態3でも同様に実施可能である。
【0104】
以上、本発明について実施の形態をもとに説明したが、上記の実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、さまざまな変更、増減を加えてもよい。これらの変更、増減が加えられた変形例も本発明の範囲にある事は当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0105】
101 データ対応幅発生回路
102 シフトレジスタ
103 幅伝達部
104 定電流源
105 電圧保持部
106 液晶駆動バッファ
107 出力回路
110 AND回路
111 充電スイッチ
112 コンデンサ
113 放電スイッチ
114 充電スイッチ
115 コンデンサ
116 放電スイッチ
117 出力選択スイッチ
118 カウンタ
119 比較器
201 データ対応幅発生回路
218 カウンタ
219 比較器
220 変換マップ
251 データ対応幅発生回路
253 幅伝達部
254 電圧保持部
255 カウンタ
256 減算器
257 変換マップ
258 比較器
259 変換マップ
260 比較器
261 AND回路
262 AND回路
263 OR回路
264 負の定電流源
265 充電スイッチ
266 放電スイッチ
267 充電スイッチ
268 放電スイッチ
270 出力回路
WCK カウンタクロック
DW データ対応幅
SP 有効情報データ
SCK シフトクロック
CW 充電幅
VL 電圧レベル
VO 液晶駆動電圧
SL コンデンサ選択信号
SLN コンデンサ選択信号
DIS 放電信号
OE イネーブル情報
SI 定電流
SV 選択信号
DD 変換データ
SBP 正の値の差分
SBM 負の値の符号無し差分
DDC 変換データ
DDD 変換データ
DWC データ対応幅
DWD データ対応幅
WD 放電幅
SIN 負の定電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データに対応するデータ対応幅を生成するデータ対応幅発生回路と、
順次シフトされるイネーブル情報に応じて、前記データ対応幅を出力する幅伝達部と、
定電流源を用いて前記データ対応幅に応じて充電され、駆動電圧を保持するコンデンサとを備え、
前記駆動電圧を出力する表示装置駆動回路。
【請求項2】
前記データ対応幅発生回路は、前記入力データに比例した幅のデータ対応幅を生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置駆動回路。
【請求項3】
前記コンデンサを充電、放電するスイッチを有し、
前記コンデンサは、前記データ対応幅に対応する時間、前記スイッチを介して前記定電流源を用いて充電されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置駆動回路。
【請求項4】
前記入力データから変換データを生成する変換マップをさらに有し、前記データ対応幅発生回路は、前記変換データに対応する前記データ対応幅を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置駆動回路。
【請求項5】
前記データ対応幅発生回路は、2ライン前の入力データと現入力データの差分を求める減算器をさらに備え、
前記差分に基づいて、前記コンデンサを充電するか放電するかが制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25082(P2013−25082A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159753(P2011−159753)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】