表示装置
【課題】簡単な構造を有し、より少ない材料で構造的強度を維持する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、制御モジュール、プラスチック製後カバー、リフレクタ、表示パネル、バッファ要素、プラスチック製前カバー、金属製ブラケット、およびスピーカを含む。プラスチック製後カバーは、その内面から突出した複数の支持リブを含んでいる。プラスチック製後カバーの外面は、制御モジュールを受ける受け部を有している。リフレクタは、支持リブ上に配置されている。表示パネルは、内面に従う第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでいる。バッファ要素は第2の面にもたれかかっている。プラスチック製前カバーは、第2の面の一部を露出する表示開口を有しており、バッファ要素にもたれかかっている。金属製ブラケットは、プラスチック製前カバーと表示パネルとの間に配置されている。
【解決手段】表示装置は、制御モジュール、プラスチック製後カバー、リフレクタ、表示パネル、バッファ要素、プラスチック製前カバー、金属製ブラケット、およびスピーカを含む。プラスチック製後カバーは、その内面から突出した複数の支持リブを含んでいる。プラスチック製後カバーの外面は、制御モジュールを受ける受け部を有している。リフレクタは、支持リブ上に配置されている。表示パネルは、内面に従う第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでいる。バッファ要素は第2の面にもたれかかっている。プラスチック製前カバーは、第2の面の一部を露出する表示開口を有しており、バッファ要素にもたれかかっている。金属製ブラケットは、プラスチック製前カバーと表示パネルとの間に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、表示装置に関し、より詳しくは、簡単な構造を有し容易に組み立てられる、完全統合テレビ(FIT)または完全統合モジュール(FIM)などの表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2008年12月2日に提出された台湾出願第97146846号の優先権を主張するものであり、その主題は引用により本明細書中に組み込まれるものとする。
平面(フラット)表示(ディスプレイ)技術、特に液晶表示技術は、現在非常に成熟しており、デスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータおよび平面テレビなどの多くの電子装置は、液晶表示技術に関連する表示装置を採用して、装置の体積を減少しているだけでなく、よりよい画質も提供している。表示技術のさらなる発展および応用に加えて、表示装置の関連構成要素の革新も、近年多くの製造業者の開発の焦点となっている。
【0003】
本産業における潮流に応えて、製造業者は、表示装置の関連材料の製造工程における技術の改良を続けると同時に、表示装置の構造における新たな設計を探っている。例えば、米国特許第7210842号は、そこから延びて、その有効放散領域を増加する複数のフィンを有する少なくとも1つの外面を有する後部受け座(バックベゼル)を備えたバックライトモジュールを開示している。また、台湾特許第1292502号は、システム中の構成要素の取り替えを速やかにし、構成要素を損傷するおそれを低減するためにLCDに使用される、取り替え可能なランプセットおよび直接バックライトシステムを開示している。表示装置を製造する従来の工程によれば、通常は表示モジュールが最初に製造され、次いで組み立てのためにシステム工場に送られる。表示装置は、表示パネル、表示パネルを固定するための前および後フレーム、ならびにランプおよび光学フィルムなどの他の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は最初に統合され、次いで外部ケーシングにより保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7210842号明細書
【特許文献2】台湾特許第1292502号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、表示装置の構造的支持における繰り返しは材料の浪費であり、さらに構造全体の重量を増加させ、費用の増加を招く。
本発明は、簡単な構造を有し、より少ない材料で構造的強度を維持するだけでなく、表示製品に対する製造業者の期待に応える表示装置に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面によれば、制御モジュール、プラスチック製後カバー、リフレクタ、表示パネル、バッファ要素、プラスチック製前カバー、金属製ブラケット、およびスピーカを含む表示装置が提供される。プラスチック製後カバーは、当該プラスチック製後カバーの内面から突出した複数の支持リブを含んでいる。プラスチック製後カバーの外面は、制御モジュールを受ける受け部を有している。リフレクタは、支持リブ上に配置されている。表示パネルは、第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでおり、第1の面はプラスチック製後カバーの内面に従って配置されている。バッファ要素は第2の面にもたれかかっている。プラスチック製前カバーは、第2の面の一部を露出するために使用される表示開口を有しており、バッファ要素にもたれかかっている。金属製ブラケットは、プラスチック製前カバーと表示パネルとの間に配置されている。スピーカは、プラスチック製前カバーとプラスチック製後カバーとの間に配置されている。
【0007】
本発明の第2の局面によれば、プラスチック製後カバー、表示パネル、メインバッファ要素、二次バッファ要素、金属製ブラケットおよびプラスチック製前カバーを含む表示装置が提供される。表示パネルは、第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでおり、第1の面はプラスチック製後カバーの内面に従って配置されている。垂直方向に延びているメインバッファ要素は、第2の面にもたれかかっており、水平方向に延びている二次バッファ要素も、第2の面にもたれかかっている。水平方向に延びている金属製ブラケットは、二次バッファ要素にもたれかかっている。プラスチック製前カバーは、第2の面の一部を露出するために使用される表示開口を有しており、メインバッファ要素および二次バッファ要素にもたれかかっている。
【0008】
本発明の第3の局面によれば、プラスチック製後カバー、表示パネルおよびプラスチック製前カバーを含む表示装置が提供される。プラスチック製後カバーは、外面および外面と反対側の内面を含んでいる。複数の支持リブおよび傾斜した支持リブが、内面の中央領域および周縁領域からそれぞれ突出している。表示パネルは、第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでおり、第1の面はプラスチック製後カバーの内面に従って配置されている。プラスチック製前カバーは第2の面に従って配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の好ましい実施形態の表示装置の構成要素を示す、分解図である。
【図1B】図1Aの表示装置の異なる部分を示す図である。
【図1C】図1Aの表示装置の異なる部分を示す図である。
【図2A】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2B】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2C】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2D】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2E】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2F】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2G】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2H】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2I】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2J】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図3A】図2Aのプラスチック製後カバーの異なる部分の部分図である。
【図3B】図2Aのプラスチック製後カバーの異なる部分の部分図である。
【図4A】壁取り付けブラケットの図である。
【図4B】図4Aの壁取り付けブラケットの部分断面図である。
【図5A】組み立て後の図1Aの表示装置を示す図である。
【図5B】図5Aの表示装置の長手方向の部分断面図である。
【図5C】図5Aの表示装置の部分横断面図である。
【図5D】図5Bの表示装置の断面図の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、以下の好ましい、しかし限定的でない実施形態の詳細な記載により、明らかにされるであろう。以下の記載は、添付図面を参照して行われる。
図1Aは、本発明の好ましい実施形態の表示装置の構成要素を示す、分解図である。図1Bおよび図1Cは、図1Aの表示装置の異なる部分を示す図である。図1Aおよび図1Bに示すように、表示装置100は、プラスチック製前カバー101、2つの金属製ブラケット103、105、表示パネル107、複数の光学フィルム109、2つの支援ブラケット111および113、ならびにスタンド114を含んでいる。プラスチック製前カバー101は表示開口101Aを有している。表示パネル107は、第1の面107Aと、第1の面107Aと反対側の第2の面107Bとを有しており、第2の面107Bは、表示開口101Aが、表示パネル107の第2の面107Bの一部を露出するように、プラスチック製前カバー101に従って配置されている。金属製ブラケット103および105は、例えば、表示パネル107を保持および支持して表示パネル107を表示装置100中に固定するために、表示パネル107の上縁および底縁において表示パネル107の水平方向(またはx方向)に沿って配置される棒状のブラケットである。支援ブラケット111および113は、光学フィルム109を保持し、光学フィルム109と表示パネル107との間に適切な距離を維持するために、光学フィルム109の上縁および底縁にそれぞれ配置されている。光学フィルム109は、散光器(ディフューザ)、プリズムおよび分光器(スプリッタ)の組み合わせであってもよい。スタンド114は、表示装置100の構造全体を支持するために使用される。
図1Aに示すように、表示装置100は光学フィルム109の後側において、2つのランプブラケット115および117、複数のランプ119、複数のランプスロット121、複数のランプ支持体(サポータ)123、複数のスペーサ125、ならびにリフレクタ127をさらに含んでいる。ランプブラケット115および117は、表示装置100の左縁および右縁において垂直方向(またはy方向)に沿って配置されている。各ランプ119の一端は1つのランプスロット121に挿入され、ランプブラケット115を介して表示装置100中で位置決めされている。ランプ119の他端はランプ支持体123上に配置され、ランプブラケット117を介して表示装置100中で位置決めされている。スペーサ125は、光学フィルム109とリフレクタ127との間に適切な距離を維持するために、リフレクタ127に配置されて、ランプ119および光学フィルム109を支持するのを支援している。
【0011】
図1Aおよび図1Cに示すように、表示装置100は、2つの壁取り付けブラケット129および131、別の2つの支援ブラケット133および135、2つのスピーカ137および139、プラスチック製後カバー141、制御モジュール143、ならびに制御モジュールケーシング145をさらに含んでいる。壁取り付けブラケット129および131は、表示装置100に壁取り付け機能を提供するために、プラスチック製後カバー141の内面141Iに直接配置されている。支援ブラケット133および135も、プラスチック製後カバー141の内面141Iに配置されている。スピーカ137および139は、プラスチック製前カバー101とプラスチック製後カバー141との間に配置されている。プラスチック製後カバー141の内面141Iと反対側の外面141Oは、受け部141Aを有しており、そこで制御モジュール143を受けている。制御モジュールケーシング145は、制御モジュール143を保護および隠蔽するために、制御モジュール143に従って配置されている。
【0012】
本発明の本実施形態の表示装置100の組み立てを、以下に開示する。また、構成要素の構造をさらに詳述する。
図2A〜図2Jは、図1Aの表示装置100の連続的な組み立て図である。組み立て時、構成要素はプラスチック製後カバー141に1つずつ組み付けられる。図2Aに示すように、複数の支持リブ(凸条)151が、プラスチック製後カバー141の内面141Iの中央領域から突出しており、これらの支持リブ151は格子構造を形成して、プラスチック製後カバー141の中央領域において他の構成要素を支持し、プラスチック製後カバー141の構造的強度を高めている。複数の傾斜した支持リブ153が、プラスチック製後カバー141の内面141Iの周縁領域から突出している。
【0013】
図3Aおよび図3Bは、図2Aのプラスチック製後カバー141の異なる部分の部分図である。図3Aに示すように、傾斜した支持リブ153は、リフレクタ127(図1Aに示す)の縁を支持するために、プラスチック製後カバー141の縁からプラスチック製後カバー141の中央領域へ、傾斜して延びている。本実施形態において、傾斜した支持リブ153は支持リブ151に接続されている。プラスチック製後カバー141は、壁取り付けブラケット129および131に連結するために、プラスチック製後カバー141の内面141Iから外面141Oへ貫通している、複数の貫通孔155をさらに有している。図3Bに示すように、複数の柱(カラム)構造157が、プラスチック製後カバー141の内面141Iから突出しており、各柱構造は、例えばスピーカ137および139(図1Aに示す)などの他の構成要素と連結するための、係止孔157Aを有している。図2Aに示すように、プラスチック製後カバー141内に配置される支持面159があり、支持面159は、支持リブ151の頂面と位置合わせされている。つまり、支持面159の高さは、支持リブ151の高さとぴったり同じであるか、または少し高い。
【0014】
次に、図2Bに示すように、壁取り付けブラケット129および131がプラスチック製後カバー141に組み付けられる。図4Aおよび図4Bを参照する。図4Aは壁取り付けブラケットの図である。図4Bは、図4Aの壁取り付けブラケットの部分断面図である。壁取り付けブラケット129を例に取ることとする。壁取り付けブラケット129の後側は、プラスチック製後カバー141に対向しており、壁取り付けブラケット129の前側は、リフレクタ127に対向している。図4Aに示すように、壁取り付けブラケット129の後側は、それぞれ壁取り付け孔129B(図4Bに示す)を有する、複数の突起129Aを有している。壁取り付け孔129Bは、貫通孔155(図3Aに示す)に従って配置されている。壁取り付けブラケット129がプラスチック製後カバー141に組み付けられるとき、突起129Aは貫通孔155に挿入され、壁取り付けブラケット129は支持リブ151に配置されて、もたれかかる。くわえて、2つの支援ブラケット133および135も、図2Bに示すようにプラスチック製後カバー141に組み付けられる。
【0015】
次に、図2Cに示すように、リフレクタ127がプラスチック製後カバー141に組み付けられる。リフレクタ127の底面の縁が、傾斜した支持リブ153(図2Aに示す)にもたれかかり、リフレクタ127の底面の一部が支持面159に付けられ、リフレクタ127の底面の別の部分が2つの壁取り付けブラケット129および131(図2Bに示す)にもたれかかる。
その後、図2Dに示すように、スペーサ125がリフレクタ127上に配置され、ランプスロット121およびランプ支持体123が、支援ブラケット133および135に従って、プラスチック製後カバー141の内面141Iの左側および右側に、それぞれ配置される。スペーサ125は壁取り付けブラケット129および131に連結され、その結果、リフレクタ127がスペーサ125と壁取り付けブラケット129および131との間に保持される。次に、ランプ119の2つの端がランプスロット121およびランプ支持体123にそれぞれ挿入され、ランプ119はスペーサ125にもたれかかるため、ランプ119とリフレクタ127との間の距離が維持される。
【0016】
次に、図2Eに示すように、ランプブラケット115および117が、支援ブラケット133および135に従って、プラスチック製後カバー141にそれぞれ組み付けられる。また、図1Aを参照して、光学フィルム109がプラスチック製後カバー141に組み付けられ、光学フィルム109の左側および右側がランプブラケット115および117にそれぞれもたれかかり、支援ブラケット111および113が光学フィルム109の頂側および底側を保持する。くわえて、リフレクタ127上に配置されるスペーサ125の先端も光学フィルム109もたれかかって、光学フィルム109を支持することを支援し、光学フィルム109とリフレクタ127との間の距離を維持する。
【0017】
次いで、表示パネル107が光学フィルム109上に配置される。表示パネル107の第1の面107B(図1Aに示す)は下を向いている。図2Fに示すように、組み付け後の表示パネル107の上側および底側は、支援ブラケット111および113にそれぞれもたれかかっており、左側および右側はランプブラケット115および117にそれぞれもたれかかっており、表示パネル107の第2の面107Bは上を向いている。
【0018】
次に、図2Gに示すように、2つの金属製ブラケット103および105が、表示パネル107の上側および底側に配置される。金属製ブラケット103および105は、水平(横)方向に沿って表示パネル107の構造的強度を高め、表示パネル107をプラスチック製後カバー141に固定するために、表示パネル107を支持する。さらに、表示パネル107の通信ケーブル、チップ・オン・フィルム(COF)、または集積回路(IC)の大半は、表示パネル107の下部に位置している。金属製ブラケット105が表示パネル107の底縁を覆っているとき、金属製ブラケット105はさらに、表示パネル107に対して電磁気的保護を与える。ゆえに、別の実施形態において、金属製ブラケット103を設けないようにすることができ、金属製ブラケット105のみが残される。他方、通信ケーブル、チップ・オン・フィルム(COF)、または集積回路(IC)が表示パネル107の上部に位置する場合、金属製ブラケット105は削除することができ、金属製ブラケット103のみが残される。
【0019】
その後、図2Hに示すように、2つのスピーカ137および139が、柱構造157の係止孔157A(図3Bに示す)を介して、プラスチック製後カバー141に固定される。
次いで、図2Iに示すように、プラスチック製前カバー101およびプラスチック製後カバー141が組み合わされる。図1Aに示すように、制御モジュール143は受け部141Aに取り付けられ、次いで、制御モジュールケーシング145が、制御モジュール143を保護および隠蔽するために、プラスチック製後カバー141に組み付けられる。また、スタンド114およびプラスチック製後カバー141は、図2Jに示すように組み合わされる。
【0020】
図5Aは、組み立て後の図1Aの表示装置を示す図である。水平方向(x方向)に沿った表示装置100の構成要素は、垂直方向(y方向)に沿ったものと厳密には同じではないので、y-z平面5Bおよびx-z平面5Cなどの異なる平面上の断面構造は同一でなく、以下に詳述する。
図5Bを参照して、図5Aの表示装置の長手方向に沿う部分断面図、すなわちy-z平面5Bの部分図が示されている。図5Bにおいて、壁取り付けブラケット129の突起129Aはプラスチック製後カバー141を貫通しており、壁取り付け孔129Bは貫通孔155に従って配置されている。リフレクタ127は壁取り付けブラケット129および傾斜した支持リブ153にもたれかかっており、ランプ119がリフレクタ127と光学フィルム109との間に配置されている。支援ブラケット111は光学フィルム109の縁上に配置されて、光学フィルム109の位置を固定している。表示パネル107の縁は、支援ブラケット111と金属製ブラケット103との間に収容されている。金属製ブラケット103は、プラスチック製前カバー101の内面101Iにもたれかかっている。
【0021】
図5Cを参照して、図5Aの表示装置の部分横断面図、すなわちx-z平面5Cの部分図が示されている。図5Cにおいて、表示装置100は、図5Aの垂直方向(y方向)に沿って配置されたメインバッファ(緩衝)要素161をさらに含んでいる。メインバッファ要素161は、表示パネル107の第2の面107Bの縁(他方の縁もメインバッファ要素161を有している)にもたれかかっている。メインバッファ要素161は、発泡体、プラスチックまたはゴムなどの軟性材料により形成されている。表示装置100の垂直方向は、金属製ブラケット103および105(図1Aに示す)に類似した構造を有していないため、金属の使用が減少し、表示装置100の費用および重量の全体も減少する。メインバッファ要素161の配置は垂直方向(y方向)の支持を支援するだけでなく、プラスチック製前カバー101が表示パネル107の第2の面107Bに直接接触するのを防いで、表示パネル107が傷つくのを防ぐ。
【0022】
図5Cに示すように、複数の保持リブ163が、プラスチック製前カバー101の内面101Iから突出している。保持リブ163は、メインバッファ要素161をプラスチック製前カバー101上に位置決めするために、メインバッファ要素161の2つの側に配置される。メインバッファ要素161の厚みは必ずしも設計要求に従っているわけでなく、メインバッファ要素161はプラスチック製前カバー101および表示パネル107と直接接触しなければならないため、メインバッファ要素161の位置高さは、上記設計要求に適合するよう調整されねばならない。メインバッファ要素161の位置高さを調整するために、メインバッファ要素161は、保持リブ163同士の間に配置されるパッド165にもたれかかっている。
【0023】
図5Dを参照して、図5Bの表示装置の断面図の部分拡大図、すなわちy-z平面5Bの部分拡大図を示す。好ましくは、二次バッファ要素167を、表示パネル107の第2の面107Bと金属製ブラケット103および105(図1Aに示す)との間に配置して、表示パネル107の第2の面107Bが金属製ブラケット103および105によって傷つくのを防ぐことができる。二次バッファ要素167は、発泡体、ゴムまたはプラスチックなどの軟性材料により形成することができる。二次バッファ要素167は、水平方向(x方向)に配置される金属製ブラケット103および105により小さな隙間内に配置される点で、垂直方向に配置されるメインバッファ要素161と異なっている。このように、二次バッファ要素167の厚みは、メインバッファ要素161の厚みよりも小さい。しかし、金属製ブラケット103および105の一方を設けない実施形態において、その部分横断面図は、x-z平面5Cの部分図と同じであってもよい。
【0024】
好ましくは、メインバッファ要素161の厚みは約3mm〜約4mmの範囲内であり、二次バッファ要素167の厚みは約1mm〜約2mmの範囲内である。メインバッファ要素161の2つの側に配置される保持リブ163(図5Cに示す)の高さは、約3mm〜約3.5mmの範囲内であり、メインバッファ要素161の下方に配置されるパッド165(図5Cに示す)の高さは約0.5mm〜約1mmの範囲内である。
【0025】
完全統合テレビ(FIT)、平面(フラット)テレビ、液晶モニタなどの表示装置を製造する従来の工程によれば、通常は表示モジュールまたは完全統合モジュール(FIM)が最初に製造され、次いで組み立てのためにシステム工場に送られる。表示モジュールは通常、表示パネル、ならびにパネルを固定するための前および後フレームを含んでいる。システム工場では、表示モジュール、ランプおよび光学フィルムなどの構成要素を、前および後外ケーシングにさらに組み付ける。大型の表示製品の現在の潮流では、材料の輸送費および製造費が高い。また、表示装置の構造的支持における繰り返しは、実に、材料の浪費である。
【0026】
本発明の上記実施形態に配置される表示装置によれば、表示パネルの2つの両端は金属製ブラケットにより固定され、別の2つの両端は軟性のバッファ要素により固定されて、表示装置の構造を簡単にするだけでなく、表示パネルを支持し、表示パネルの構造的強度を維持する。支持リブは、装置内部の大半の構成要素を支持し、表示装置の構造を強化するために、表示装置のプラスチック製後カバーから突出している。本発明の上記実施形態で開示された表示装置は、表示装置の構造における従来の繰り返し問題を効果的に解決し、それによって、材料の使用、装置の重量、ならびに、関連する製品の材料費、輸送費および製造費を低減する。本発明は実に、製品に対する製造業者の期待に応え、製品の競争力をより高める。
【0027】
本発明を例により、および好ましい実施形態によって記載したが、本発明がこれに限定されないことを理解すべきである。むしろ、さまざまな修正および類似の構成および手順を包含することが意図されており、ゆえに添付の特許請求の範囲が最も広い解釈であるとされ、それにより全てのこのような修正および類似の構成および手順が包含される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、表示装置に関し、より詳しくは、簡単な構造を有し容易に組み立てられる、完全統合テレビ(FIT)または完全統合モジュール(FIM)などの表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2008年12月2日に提出された台湾出願第97146846号の優先権を主張するものであり、その主題は引用により本明細書中に組み込まれるものとする。
平面(フラット)表示(ディスプレイ)技術、特に液晶表示技術は、現在非常に成熟しており、デスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータおよび平面テレビなどの多くの電子装置は、液晶表示技術に関連する表示装置を採用して、装置の体積を減少しているだけでなく、よりよい画質も提供している。表示技術のさらなる発展および応用に加えて、表示装置の関連構成要素の革新も、近年多くの製造業者の開発の焦点となっている。
【0003】
本産業における潮流に応えて、製造業者は、表示装置の関連材料の製造工程における技術の改良を続けると同時に、表示装置の構造における新たな設計を探っている。例えば、米国特許第7210842号は、そこから延びて、その有効放散領域を増加する複数のフィンを有する少なくとも1つの外面を有する後部受け座(バックベゼル)を備えたバックライトモジュールを開示している。また、台湾特許第1292502号は、システム中の構成要素の取り替えを速やかにし、構成要素を損傷するおそれを低減するためにLCDに使用される、取り替え可能なランプセットおよび直接バックライトシステムを開示している。表示装置を製造する従来の工程によれば、通常は表示モジュールが最初に製造され、次いで組み立てのためにシステム工場に送られる。表示装置は、表示パネル、表示パネルを固定するための前および後フレーム、ならびにランプおよび光学フィルムなどの他の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は最初に統合され、次いで外部ケーシングにより保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7210842号明細書
【特許文献2】台湾特許第1292502号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、表示装置の構造的支持における繰り返しは材料の浪費であり、さらに構造全体の重量を増加させ、費用の増加を招く。
本発明は、簡単な構造を有し、より少ない材料で構造的強度を維持するだけでなく、表示製品に対する製造業者の期待に応える表示装置に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面によれば、制御モジュール、プラスチック製後カバー、リフレクタ、表示パネル、バッファ要素、プラスチック製前カバー、金属製ブラケット、およびスピーカを含む表示装置が提供される。プラスチック製後カバーは、当該プラスチック製後カバーの内面から突出した複数の支持リブを含んでいる。プラスチック製後カバーの外面は、制御モジュールを受ける受け部を有している。リフレクタは、支持リブ上に配置されている。表示パネルは、第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでおり、第1の面はプラスチック製後カバーの内面に従って配置されている。バッファ要素は第2の面にもたれかかっている。プラスチック製前カバーは、第2の面の一部を露出するために使用される表示開口を有しており、バッファ要素にもたれかかっている。金属製ブラケットは、プラスチック製前カバーと表示パネルとの間に配置されている。スピーカは、プラスチック製前カバーとプラスチック製後カバーとの間に配置されている。
【0007】
本発明の第2の局面によれば、プラスチック製後カバー、表示パネル、メインバッファ要素、二次バッファ要素、金属製ブラケットおよびプラスチック製前カバーを含む表示装置が提供される。表示パネルは、第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでおり、第1の面はプラスチック製後カバーの内面に従って配置されている。垂直方向に延びているメインバッファ要素は、第2の面にもたれかかっており、水平方向に延びている二次バッファ要素も、第2の面にもたれかかっている。水平方向に延びている金属製ブラケットは、二次バッファ要素にもたれかかっている。プラスチック製前カバーは、第2の面の一部を露出するために使用される表示開口を有しており、メインバッファ要素および二次バッファ要素にもたれかかっている。
【0008】
本発明の第3の局面によれば、プラスチック製後カバー、表示パネルおよびプラスチック製前カバーを含む表示装置が提供される。プラスチック製後カバーは、外面および外面と反対側の内面を含んでいる。複数の支持リブおよび傾斜した支持リブが、内面の中央領域および周縁領域からそれぞれ突出している。表示パネルは、第1の面および第1の面と反対側の第2の面を含んでおり、第1の面はプラスチック製後カバーの内面に従って配置されている。プラスチック製前カバーは第2の面に従って配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の好ましい実施形態の表示装置の構成要素を示す、分解図である。
【図1B】図1Aの表示装置の異なる部分を示す図である。
【図1C】図1Aの表示装置の異なる部分を示す図である。
【図2A】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2B】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2C】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2D】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2E】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2F】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2G】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2H】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2I】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図2J】図1Aの表示装置の連続的な組み立て図である。
【図3A】図2Aのプラスチック製後カバーの異なる部分の部分図である。
【図3B】図2Aのプラスチック製後カバーの異なる部分の部分図である。
【図4A】壁取り付けブラケットの図である。
【図4B】図4Aの壁取り付けブラケットの部分断面図である。
【図5A】組み立て後の図1Aの表示装置を示す図である。
【図5B】図5Aの表示装置の長手方向の部分断面図である。
【図5C】図5Aの表示装置の部分横断面図である。
【図5D】図5Bの表示装置の断面図の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、以下の好ましい、しかし限定的でない実施形態の詳細な記載により、明らかにされるであろう。以下の記載は、添付図面を参照して行われる。
図1Aは、本発明の好ましい実施形態の表示装置の構成要素を示す、分解図である。図1Bおよび図1Cは、図1Aの表示装置の異なる部分を示す図である。図1Aおよび図1Bに示すように、表示装置100は、プラスチック製前カバー101、2つの金属製ブラケット103、105、表示パネル107、複数の光学フィルム109、2つの支援ブラケット111および113、ならびにスタンド114を含んでいる。プラスチック製前カバー101は表示開口101Aを有している。表示パネル107は、第1の面107Aと、第1の面107Aと反対側の第2の面107Bとを有しており、第2の面107Bは、表示開口101Aが、表示パネル107の第2の面107Bの一部を露出するように、プラスチック製前カバー101に従って配置されている。金属製ブラケット103および105は、例えば、表示パネル107を保持および支持して表示パネル107を表示装置100中に固定するために、表示パネル107の上縁および底縁において表示パネル107の水平方向(またはx方向)に沿って配置される棒状のブラケットである。支援ブラケット111および113は、光学フィルム109を保持し、光学フィルム109と表示パネル107との間に適切な距離を維持するために、光学フィルム109の上縁および底縁にそれぞれ配置されている。光学フィルム109は、散光器(ディフューザ)、プリズムおよび分光器(スプリッタ)の組み合わせであってもよい。スタンド114は、表示装置100の構造全体を支持するために使用される。
図1Aに示すように、表示装置100は光学フィルム109の後側において、2つのランプブラケット115および117、複数のランプ119、複数のランプスロット121、複数のランプ支持体(サポータ)123、複数のスペーサ125、ならびにリフレクタ127をさらに含んでいる。ランプブラケット115および117は、表示装置100の左縁および右縁において垂直方向(またはy方向)に沿って配置されている。各ランプ119の一端は1つのランプスロット121に挿入され、ランプブラケット115を介して表示装置100中で位置決めされている。ランプ119の他端はランプ支持体123上に配置され、ランプブラケット117を介して表示装置100中で位置決めされている。スペーサ125は、光学フィルム109とリフレクタ127との間に適切な距離を維持するために、リフレクタ127に配置されて、ランプ119および光学フィルム109を支持するのを支援している。
【0011】
図1Aおよび図1Cに示すように、表示装置100は、2つの壁取り付けブラケット129および131、別の2つの支援ブラケット133および135、2つのスピーカ137および139、プラスチック製後カバー141、制御モジュール143、ならびに制御モジュールケーシング145をさらに含んでいる。壁取り付けブラケット129および131は、表示装置100に壁取り付け機能を提供するために、プラスチック製後カバー141の内面141Iに直接配置されている。支援ブラケット133および135も、プラスチック製後カバー141の内面141Iに配置されている。スピーカ137および139は、プラスチック製前カバー101とプラスチック製後カバー141との間に配置されている。プラスチック製後カバー141の内面141Iと反対側の外面141Oは、受け部141Aを有しており、そこで制御モジュール143を受けている。制御モジュールケーシング145は、制御モジュール143を保護および隠蔽するために、制御モジュール143に従って配置されている。
【0012】
本発明の本実施形態の表示装置100の組み立てを、以下に開示する。また、構成要素の構造をさらに詳述する。
図2A〜図2Jは、図1Aの表示装置100の連続的な組み立て図である。組み立て時、構成要素はプラスチック製後カバー141に1つずつ組み付けられる。図2Aに示すように、複数の支持リブ(凸条)151が、プラスチック製後カバー141の内面141Iの中央領域から突出しており、これらの支持リブ151は格子構造を形成して、プラスチック製後カバー141の中央領域において他の構成要素を支持し、プラスチック製後カバー141の構造的強度を高めている。複数の傾斜した支持リブ153が、プラスチック製後カバー141の内面141Iの周縁領域から突出している。
【0013】
図3Aおよび図3Bは、図2Aのプラスチック製後カバー141の異なる部分の部分図である。図3Aに示すように、傾斜した支持リブ153は、リフレクタ127(図1Aに示す)の縁を支持するために、プラスチック製後カバー141の縁からプラスチック製後カバー141の中央領域へ、傾斜して延びている。本実施形態において、傾斜した支持リブ153は支持リブ151に接続されている。プラスチック製後カバー141は、壁取り付けブラケット129および131に連結するために、プラスチック製後カバー141の内面141Iから外面141Oへ貫通している、複数の貫通孔155をさらに有している。図3Bに示すように、複数の柱(カラム)構造157が、プラスチック製後カバー141の内面141Iから突出しており、各柱構造は、例えばスピーカ137および139(図1Aに示す)などの他の構成要素と連結するための、係止孔157Aを有している。図2Aに示すように、プラスチック製後カバー141内に配置される支持面159があり、支持面159は、支持リブ151の頂面と位置合わせされている。つまり、支持面159の高さは、支持リブ151の高さとぴったり同じであるか、または少し高い。
【0014】
次に、図2Bに示すように、壁取り付けブラケット129および131がプラスチック製後カバー141に組み付けられる。図4Aおよび図4Bを参照する。図4Aは壁取り付けブラケットの図である。図4Bは、図4Aの壁取り付けブラケットの部分断面図である。壁取り付けブラケット129を例に取ることとする。壁取り付けブラケット129の後側は、プラスチック製後カバー141に対向しており、壁取り付けブラケット129の前側は、リフレクタ127に対向している。図4Aに示すように、壁取り付けブラケット129の後側は、それぞれ壁取り付け孔129B(図4Bに示す)を有する、複数の突起129Aを有している。壁取り付け孔129Bは、貫通孔155(図3Aに示す)に従って配置されている。壁取り付けブラケット129がプラスチック製後カバー141に組み付けられるとき、突起129Aは貫通孔155に挿入され、壁取り付けブラケット129は支持リブ151に配置されて、もたれかかる。くわえて、2つの支援ブラケット133および135も、図2Bに示すようにプラスチック製後カバー141に組み付けられる。
【0015】
次に、図2Cに示すように、リフレクタ127がプラスチック製後カバー141に組み付けられる。リフレクタ127の底面の縁が、傾斜した支持リブ153(図2Aに示す)にもたれかかり、リフレクタ127の底面の一部が支持面159に付けられ、リフレクタ127の底面の別の部分が2つの壁取り付けブラケット129および131(図2Bに示す)にもたれかかる。
その後、図2Dに示すように、スペーサ125がリフレクタ127上に配置され、ランプスロット121およびランプ支持体123が、支援ブラケット133および135に従って、プラスチック製後カバー141の内面141Iの左側および右側に、それぞれ配置される。スペーサ125は壁取り付けブラケット129および131に連結され、その結果、リフレクタ127がスペーサ125と壁取り付けブラケット129および131との間に保持される。次に、ランプ119の2つの端がランプスロット121およびランプ支持体123にそれぞれ挿入され、ランプ119はスペーサ125にもたれかかるため、ランプ119とリフレクタ127との間の距離が維持される。
【0016】
次に、図2Eに示すように、ランプブラケット115および117が、支援ブラケット133および135に従って、プラスチック製後カバー141にそれぞれ組み付けられる。また、図1Aを参照して、光学フィルム109がプラスチック製後カバー141に組み付けられ、光学フィルム109の左側および右側がランプブラケット115および117にそれぞれもたれかかり、支援ブラケット111および113が光学フィルム109の頂側および底側を保持する。くわえて、リフレクタ127上に配置されるスペーサ125の先端も光学フィルム109もたれかかって、光学フィルム109を支持することを支援し、光学フィルム109とリフレクタ127との間の距離を維持する。
【0017】
次いで、表示パネル107が光学フィルム109上に配置される。表示パネル107の第1の面107B(図1Aに示す)は下を向いている。図2Fに示すように、組み付け後の表示パネル107の上側および底側は、支援ブラケット111および113にそれぞれもたれかかっており、左側および右側はランプブラケット115および117にそれぞれもたれかかっており、表示パネル107の第2の面107Bは上を向いている。
【0018】
次に、図2Gに示すように、2つの金属製ブラケット103および105が、表示パネル107の上側および底側に配置される。金属製ブラケット103および105は、水平(横)方向に沿って表示パネル107の構造的強度を高め、表示パネル107をプラスチック製後カバー141に固定するために、表示パネル107を支持する。さらに、表示パネル107の通信ケーブル、チップ・オン・フィルム(COF)、または集積回路(IC)の大半は、表示パネル107の下部に位置している。金属製ブラケット105が表示パネル107の底縁を覆っているとき、金属製ブラケット105はさらに、表示パネル107に対して電磁気的保護を与える。ゆえに、別の実施形態において、金属製ブラケット103を設けないようにすることができ、金属製ブラケット105のみが残される。他方、通信ケーブル、チップ・オン・フィルム(COF)、または集積回路(IC)が表示パネル107の上部に位置する場合、金属製ブラケット105は削除することができ、金属製ブラケット103のみが残される。
【0019】
その後、図2Hに示すように、2つのスピーカ137および139が、柱構造157の係止孔157A(図3Bに示す)を介して、プラスチック製後カバー141に固定される。
次いで、図2Iに示すように、プラスチック製前カバー101およびプラスチック製後カバー141が組み合わされる。図1Aに示すように、制御モジュール143は受け部141Aに取り付けられ、次いで、制御モジュールケーシング145が、制御モジュール143を保護および隠蔽するために、プラスチック製後カバー141に組み付けられる。また、スタンド114およびプラスチック製後カバー141は、図2Jに示すように組み合わされる。
【0020】
図5Aは、組み立て後の図1Aの表示装置を示す図である。水平方向(x方向)に沿った表示装置100の構成要素は、垂直方向(y方向)に沿ったものと厳密には同じではないので、y-z平面5Bおよびx-z平面5Cなどの異なる平面上の断面構造は同一でなく、以下に詳述する。
図5Bを参照して、図5Aの表示装置の長手方向に沿う部分断面図、すなわちy-z平面5Bの部分図が示されている。図5Bにおいて、壁取り付けブラケット129の突起129Aはプラスチック製後カバー141を貫通しており、壁取り付け孔129Bは貫通孔155に従って配置されている。リフレクタ127は壁取り付けブラケット129および傾斜した支持リブ153にもたれかかっており、ランプ119がリフレクタ127と光学フィルム109との間に配置されている。支援ブラケット111は光学フィルム109の縁上に配置されて、光学フィルム109の位置を固定している。表示パネル107の縁は、支援ブラケット111と金属製ブラケット103との間に収容されている。金属製ブラケット103は、プラスチック製前カバー101の内面101Iにもたれかかっている。
【0021】
図5Cを参照して、図5Aの表示装置の部分横断面図、すなわちx-z平面5Cの部分図が示されている。図5Cにおいて、表示装置100は、図5Aの垂直方向(y方向)に沿って配置されたメインバッファ(緩衝)要素161をさらに含んでいる。メインバッファ要素161は、表示パネル107の第2の面107Bの縁(他方の縁もメインバッファ要素161を有している)にもたれかかっている。メインバッファ要素161は、発泡体、プラスチックまたはゴムなどの軟性材料により形成されている。表示装置100の垂直方向は、金属製ブラケット103および105(図1Aに示す)に類似した構造を有していないため、金属の使用が減少し、表示装置100の費用および重量の全体も減少する。メインバッファ要素161の配置は垂直方向(y方向)の支持を支援するだけでなく、プラスチック製前カバー101が表示パネル107の第2の面107Bに直接接触するのを防いで、表示パネル107が傷つくのを防ぐ。
【0022】
図5Cに示すように、複数の保持リブ163が、プラスチック製前カバー101の内面101Iから突出している。保持リブ163は、メインバッファ要素161をプラスチック製前カバー101上に位置決めするために、メインバッファ要素161の2つの側に配置される。メインバッファ要素161の厚みは必ずしも設計要求に従っているわけでなく、メインバッファ要素161はプラスチック製前カバー101および表示パネル107と直接接触しなければならないため、メインバッファ要素161の位置高さは、上記設計要求に適合するよう調整されねばならない。メインバッファ要素161の位置高さを調整するために、メインバッファ要素161は、保持リブ163同士の間に配置されるパッド165にもたれかかっている。
【0023】
図5Dを参照して、図5Bの表示装置の断面図の部分拡大図、すなわちy-z平面5Bの部分拡大図を示す。好ましくは、二次バッファ要素167を、表示パネル107の第2の面107Bと金属製ブラケット103および105(図1Aに示す)との間に配置して、表示パネル107の第2の面107Bが金属製ブラケット103および105によって傷つくのを防ぐことができる。二次バッファ要素167は、発泡体、ゴムまたはプラスチックなどの軟性材料により形成することができる。二次バッファ要素167は、水平方向(x方向)に配置される金属製ブラケット103および105により小さな隙間内に配置される点で、垂直方向に配置されるメインバッファ要素161と異なっている。このように、二次バッファ要素167の厚みは、メインバッファ要素161の厚みよりも小さい。しかし、金属製ブラケット103および105の一方を設けない実施形態において、その部分横断面図は、x-z平面5Cの部分図と同じであってもよい。
【0024】
好ましくは、メインバッファ要素161の厚みは約3mm〜約4mmの範囲内であり、二次バッファ要素167の厚みは約1mm〜約2mmの範囲内である。メインバッファ要素161の2つの側に配置される保持リブ163(図5Cに示す)の高さは、約3mm〜約3.5mmの範囲内であり、メインバッファ要素161の下方に配置されるパッド165(図5Cに示す)の高さは約0.5mm〜約1mmの範囲内である。
【0025】
完全統合テレビ(FIT)、平面(フラット)テレビ、液晶モニタなどの表示装置を製造する従来の工程によれば、通常は表示モジュールまたは完全統合モジュール(FIM)が最初に製造され、次いで組み立てのためにシステム工場に送られる。表示モジュールは通常、表示パネル、ならびにパネルを固定するための前および後フレームを含んでいる。システム工場では、表示モジュール、ランプおよび光学フィルムなどの構成要素を、前および後外ケーシングにさらに組み付ける。大型の表示製品の現在の潮流では、材料の輸送費および製造費が高い。また、表示装置の構造的支持における繰り返しは、実に、材料の浪費である。
【0026】
本発明の上記実施形態に配置される表示装置によれば、表示パネルの2つの両端は金属製ブラケットにより固定され、別の2つの両端は軟性のバッファ要素により固定されて、表示装置の構造を簡単にするだけでなく、表示パネルを支持し、表示パネルの構造的強度を維持する。支持リブは、装置内部の大半の構成要素を支持し、表示装置の構造を強化するために、表示装置のプラスチック製後カバーから突出している。本発明の上記実施形態で開示された表示装置は、表示装置の構造における従来の繰り返し問題を効果的に解決し、それによって、材料の使用、装置の重量、ならびに、関連する製品の材料費、輸送費および製造費を低減する。本発明は実に、製品に対する製造業者の期待に応え、製品の競争力をより高める。
【0027】
本発明を例により、および好ましい実施形態によって記載したが、本発明がこれに限定されないことを理解すべきである。むしろ、さまざまな修正および類似の構成および手順を包含することが意図されており、ゆえに添付の特許請求の範囲が最も広い解釈であるとされ、それにより全てのこのような修正および類似の構成および手順が包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御モジュールと、
プラスチック製後カバーであって、当該プラスチック製後カバーの内面から突出した複数の支持リブを備え、当該プラスチック製後カバーの外面は、前記制御モジュールを受ける受け部を有するプラスチック製後カバーと、
前記支持リブ上に配置されたリフレクタと、
第1の面および前記第1の面と反対側の第2の面を備え、前記第1の面が前記プラスチック製後カバーの前記内面に従って配置された表示パネルと、
前記第2の面にもたれかかっているメインバッファ要素と、
前記第2の面の一部を露出するための表示開口を有し、前記メインバッファ要素にもたれかかっているプラスチック製前カバーと、
前記プラスチック製前カバーと前記表示パネルとの間に配置された金属製ブラケットと、
前記プラスチック製前カバーと前記プラスチック製後カバーとの間に配置されたスピーカとを備えた、表示装置。
【請求項2】
前記金属製ブラケットと前記第2の面との間に配置された二次バッファ要素をさらに備えた、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記支持リブにもたれかかっている壁取り付けブラケットをさらに備え、前記壁取り付けブラケットは壁取り付け孔を有し、前記プラスチック製後カバーは、前記壁取り付け孔に従って配置された貫通孔をさらに備え、前記リフレクタは前記壁取り付けブラケットにもたれかかっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記プラスチック製後カバーは、複数の傾斜した支持リブをさらに備え、前記リフレクタは前記傾斜した支持リブにもたれかかっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
プラスチック製後カバーと、
第1の面および前記第1の面と反対側の第2の面を備え、前記第1の面が前記プラスチック製後カバーの内面に従って配置された表示パネルと、
垂直方向に延び、前記第2の面にもたれかかっているメインバッファ要素と、
水平方向に配置され、前記第2の面にもたれかかっている二次バッファ要素と、
水平方向に延び、前記二次バッファ要素にもたれかかっている金属製ブラケットと、
前記第2の面の一部を露出するための表示開口を有し、前記メインバッファ要素および前記二次バッファ要素にもたれかかっているプラスチック製前カバーとを備えた、表示装置。
【請求項6】
外面および前記外面と反対側の内面を備え、複数の支持リブおよび傾斜した支持リブが、前記内面の中央領域および周縁領域からそれぞれ突出しているプラスチック製後カバーと、
第1の面および前記第1の面と反対側の第2の面を備え、前記第1の面が前記プラスチック製後カバーの前記内面に従って配置された表示パネルと、
前記第2の面に従って配置されたプラスチック製前カバーとを備えた、表示装置。
【請求項1】
制御モジュールと、
プラスチック製後カバーであって、当該プラスチック製後カバーの内面から突出した複数の支持リブを備え、当該プラスチック製後カバーの外面は、前記制御モジュールを受ける受け部を有するプラスチック製後カバーと、
前記支持リブ上に配置されたリフレクタと、
第1の面および前記第1の面と反対側の第2の面を備え、前記第1の面が前記プラスチック製後カバーの前記内面に従って配置された表示パネルと、
前記第2の面にもたれかかっているメインバッファ要素と、
前記第2の面の一部を露出するための表示開口を有し、前記メインバッファ要素にもたれかかっているプラスチック製前カバーと、
前記プラスチック製前カバーと前記表示パネルとの間に配置された金属製ブラケットと、
前記プラスチック製前カバーと前記プラスチック製後カバーとの間に配置されたスピーカとを備えた、表示装置。
【請求項2】
前記金属製ブラケットと前記第2の面との間に配置された二次バッファ要素をさらに備えた、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記支持リブにもたれかかっている壁取り付けブラケットをさらに備え、前記壁取り付けブラケットは壁取り付け孔を有し、前記プラスチック製後カバーは、前記壁取り付け孔に従って配置された貫通孔をさらに備え、前記リフレクタは前記壁取り付けブラケットにもたれかかっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記プラスチック製後カバーは、複数の傾斜した支持リブをさらに備え、前記リフレクタは前記傾斜した支持リブにもたれかかっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
プラスチック製後カバーと、
第1の面および前記第1の面と反対側の第2の面を備え、前記第1の面が前記プラスチック製後カバーの内面に従って配置された表示パネルと、
垂直方向に延び、前記第2の面にもたれかかっているメインバッファ要素と、
水平方向に配置され、前記第2の面にもたれかかっている二次バッファ要素と、
水平方向に延び、前記二次バッファ要素にもたれかかっている金属製ブラケットと、
前記第2の面の一部を露出するための表示開口を有し、前記メインバッファ要素および前記二次バッファ要素にもたれかかっているプラスチック製前カバーとを備えた、表示装置。
【請求項6】
外面および前記外面と反対側の内面を備え、複数の支持リブおよび傾斜した支持リブが、前記内面の中央領域および周縁領域からそれぞれ突出しているプラスチック製後カバーと、
第1の面および前記第1の面と反対側の第2の面を備え、前記第1の面が前記プラスチック製後カバーの前記内面に従って配置された表示パネルと、
前記第2の面に従って配置されたプラスチック製前カバーとを備えた、表示装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【公開番号】特開2010−134399(P2010−134399A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−55313(P2009−55313)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(504011210)エーユー オプトロニクス コーポレイション (36)
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corp.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55313(P2009−55313)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(504011210)エーユー オプトロニクス コーポレイション (36)
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corp.
【Fターム(参考)】
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