説明

表示装置

【課題】導光板表面側にレンズや拡散板を設置することなく、導光板表面から該表面に垂直の仮想垂直線に対して大きく傾斜した方向への光の出射を低コストで実現でき、薄型化にも有利な表示装置を提供する。
【解決手段】導光板11と、導光板11の端面に光を入射する光源とを備えた表示装置10。導光板11の一方の面17に、入射光を、導光板11の他方の面18側に反射させる反射面24を有するドット状反射部19を複数設ける。反射面24は、傾斜させた平面を境界線23に対して屈曲させて得られる2つの副反射面25、26からなる。複数のドット状反射部19からの反射光は、特定のパターンを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ等に用いられる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高効率、長寿命の光源としてLED(発光ダイオード、Light Emitting Diode)が急速に普及してきている。LEDは指向性を持つ点光源であるため、透明な樹脂板等の導光板と組み合わせて線状や面状の照明装置として使用されることも多い。例として表示装置用バックライト、広告用ライトパネル等が挙げられる。
【0003】
また、透明性があり意匠性に優れた表示装置として、導光板の端面に設けた光源から導光板に入射された光を反射させて導光板表面側へ出射させる反射部を点状あるいは線状等に形成し、この反射部によって図形やロゴ等をなす表示部を形成したものがある。この表示装置は、例えばインテリアのサイン、自動車の表示盤、看板などのディスプレイ等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このように、反射部を形成した導光板(以下、反射部付き導光板とも言う)を用いた表示装置は、反射部によって反射させて導光板から出射させた出射光自体を表示に用いることができ、図形やロゴ等を鮮明に表示できる点で近年注目を集めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−109554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の反射部付き導光板を使用した表示装置では、導光板の端面から入射した光を主に導光板の表面側の正面方向に反射させる構成が一般的である。言い換えると、表示装置の導光板を表面側の正面方向から見たときに、表示が最も鮮明に見えるようになっている。
しかしながら、上述のように、インテリアのサイン、自動車の表示盤、看板などのディスプレイ等の用途にあっては、表示装置の設置向きに様々な要求があり、設置向きによっては、導光板の反射部にて反射された光による表示が視認しにくくなるケースが生じる。また、導光板の反射部にて反射された光による表示が鮮明に見える向きにも様々な要求がある。
【0006】
これらの要求に対応するには、例えば導光板の表面側にレンズや拡散板を設けて、導光板表面からの出射光をある程度拡散させるといった対策が考えられるが、部品点数の増大やコストの上昇を招いていた。また、表示装置の薄型化も求められる場合には、薄型化を行う上で不利となっていた。
【0007】
本発明は、上述した状況に鑑みて、導光板の表面側にレンズや拡散板を設置することなく、導光板の表面側の正面方向からずれた方向に光を出射させることを低コストで実現でき、薄型化にも有利な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、導光板と、この導光板の端面に光を入射する光源とを備え、前記導光板に、前記端面からの入射光を前記導光板の側面側に反射させる反射面を有するドット状反射部を複数設け、前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面の上下または左右のうちの少なくとも一方を境界線に対して屈曲させて得られる2つの副反射面からなり、複数の前記ドット状反射部からの反射光のなす特定のパターンを表示する表示装置である。
前記2つの副反射面は、それぞれ平坦面または湾曲面であることが好ましい。
前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面を前記端面とは反対側に屈曲させて得られる2つの副反射面からなることが好ましい。
前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面を前記端面側に屈曲させて得られる2つの副反射面からなることが好ましい。
本発明に係る表示装置は、導光板と、この導光板の端面に光を入射する光源とを備え、前記導光板に、前記端面からの入射光を前記導光板の側面側に反射させる反射面を有するドット状反射部を複数設け、前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面の上下または左右のうちの少なくとも一方を湾曲させた湾曲面であり、複数の前記ドット状反射部からの反射光のなす特定のパターンを表示する構成とすることができる。
前記光源は、前記導光板の端面に沿って配列された複数の発光素子からなる構成が可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の表示装置によれば、ドット状反射部の反射面が湾曲面または屈曲面を含むので、導光板表面側にレンズや拡散板を設置することなく、導光板表面から表面側の正面方向からずれた方向に光を出射させることを低コストで実現できる。
よって、人から表示の視認に適さない向きに設置した場合でも、鮮明な表示を可能とすることができる。
また、レンズや拡散板が必要ないことに加え、ドット状反射部の構造が簡単であるため、装置の薄型化にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態の表示装置の平面図である。
【図2】(a)は図1の表示装置におけるドット状反射部の斜め上方から視た外観斜視図、(b)は(a)の垂直断面図である。
【図3】(a)は本発明に係る第2実施形態の表示装置におけるドット状反射部の斜め上方から視た外観斜視図、(b)は(a)の垂直断面図、(c)は本実施形態の変形例のドット状反射部を前側から見た図である。
【図4】(a)は本発明に係る第3実施形態の表示装置におけるドット状反射部の斜め上方から視た外観斜視図、(b)は(a)の垂直断面図である。
【図5】(a)は本発明に係る第4実施形態の表示装置におけるドット状反射部の斜め上方から視た外観斜視図、(b)は(a)の垂直断面図である。
【図6】(a)は本発明に係る第5実施形態の表示装置におけるドット状反射部の斜め上方から視た外観斜視図、(b)は(a)の垂直断面図である。
【図7】本発明に係る第6実施形態の表示装置におけるドット状反射部の斜め上方から視た外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の複数の実施形態に係る表示装置について図面を参照して説明する。
なお、図2〜図6において、上側を上、下側を下として説明するが、この向きは表示装置の導光板の裏面側を下、表面側を上とした場合の向きを意味する。また、左および右方向とは、光の入射方向前方に向かって左および右方向を意味する。また、導光板に対する光の入射端面から後端部に向かう方向を後方といい、その反対方向を前方ということがある。前後方向は光の入射方向である。また、導光板裏面17に沿い、かつ前後方向に直交する方向を「幅方向」ということがある。また、導光板の上面および下面を「側面」ということがある。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である表示装置10は、矩形板状の導光板11と、この導光板11の外周の4つの端面のひとつ(符号12の端面)に設けられた光源ユニット15と、前記LED14に給電して点灯させる給電装置16とを備えている。
以下、前記端面12を入射端面とも言う。
【0013】
導光板11は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂等の合成樹脂材料を用いて透明な長方形の板形状に形成されている。導光板11は、背景を透かして見ることができる程度の光透過性を有することが好ましい。そのため、導光板11には、光透過性や加工性等を考慮してアクリル樹脂を適用するのが好ましい。
なお、本発明において、透明であるとは、ドット状反射部19からの反射光が視認できる程度の光透過性をもつことをいう。この定義は本発明において共通に用いられる。
【0014】
前記導光板11には、その裏面17(下面)(一方の面)側から窪む切り欠き状の凹部であり前記LED14からの入射光を反射して導光板11の表面18(上面)(他方の面)から出射させる複数のドット状反射部19が形成されている。
前記複数のドット状反射部19は、各ドット状反射部19からの反射光によって表面18側から視認可能な文字等の所定のパターンを表示するように配列された表示部20を構成している。
【0015】
図示例の導光板11に形成された表示部20は、複数のドット状反射部19を文字「A」の形に配列した配列パターンによって構成されている。
なお、表示部を構成する複数のドット状反射部19の配列パターンとしては、例えば文字、記号、図形、模様のうちのいずれか1つを表示するもの、あるいはこれらから選択される複数の組み合わせを表示するものであることが好ましい。
【0016】
光源ユニット15は、端面12に沿って延在する細長板状の回路基板13に、端面12から導光板11に光を入射するための光源として複数の発光ダイオード14(発光素子。以下、LEDとも言う。LED:Light Emitting Diode)を実装したものである。
光源ユニット15は、各発光ダイオード14が実装されている回路基板13のプリント回路が外部配線21(電線)を介して給電装置16に電気的に接続され、給電装置16からの給電により発光ダイオード14が発光(点灯)されるようになっている。
LED14は導光板11の入射端面12に沿って複数配列設置され発光素子群を形成している。
【0017】
給電装置16には、商用電力を直流電力に変換するためのAC/DCコンバータ等の不図示の電力変換回路が内蔵されている。給電装置16は、光源ユニット15の発光ダイオード14に給電するための回路を内蔵しているため、例えば蛍光灯や電球を適用した場合と比べて、インバータ回路や共振回路等を設ける必要がなくなって安価に構成することができる。
また、光源としてLED14を採用することによって、蛍光灯や電球等を用いた場合と比べて光量を無駄にすることなく表示部20に高効率で光を供給できる。
なお、光源としてはLEDに限らず、LD(レーザダイオード)、蛍光灯、電球等を用いることもできる。
【0018】
給電装置16からの給電により光源ユニット15の発光ダイオード14から出射された出射光は、導光板11の入射端面12から導光板11の内部に入射され、導光板11において入射端面12とは反対側の端部(以下、後端部とも言う)に向かって導光板11内を伝搬していく。
各発光ダイオード14からの出射光は、導光板11の入射端面12から後端部に向って互いに平行な光軸を以て入射される。
【0019】
図2(b)に示すように、ドット状反射部19は、板厚寸法Tを有する導光板11の裏面17から表面18に向けて前記板厚寸法Tよりも小さい高さ寸法γで形成されている。
以下、ドット状反射部19の形状について詳しく説明する。
図2(a)に示すように、ドット状反射部19は、その幅方向(図1における左右方向)中央部に、光の入射方向(入射端面12から導光板11後端部に向かう方向)に向かって導光板11の表面18へ接近するように傾斜する直線である中央線23(境界線)を有する。なお、図示例では、中央線23はドット状反射部19の幅方向中央に形成されているが、正確に中央である必要はなく、いずれかの側面27、28寄りの位置に形成されていてもよい。
【0020】
中央線23の幅方向両側の面は、中央線23から離れる方向に導光板11の裏面17側へ向かって傾斜する一対の副反射面(第1副反射面25および第2副反射面26)となっている。
図2(a)において、中央線23の左側に位置する第1副反射面25と、右側に位置する第2副反射面26とは、それぞれ全面にわたって導光板11の裏面17に対する傾斜角度が一定の平坦面である。
【0021】
副反射面25、26は、LED14から導光板11に入射された入射光を導光板11の表面18側へ反射するための反射面24を構成する。
反射面24(副反射面25、26)は、導光板11の裏面17に対して、入射端面12に向けて傾斜した面であり、中央線23の左右を中央線23に対し屈曲させた形状とされている。
副反射面25、26は、中央線23から左右方向に徐々に裏面17側へ向かって傾斜するため、反射面24は、前記入射端面12に向けて傾斜した平面を入射端面12側に屈曲させて得られる形状となっている。
【0022】
図2(a)、(b)に示すように、ドット状反射部19は、その後端部の幅方向両側に導光板裏面17から垂直に立ち上がるように形成された一対の側面27、28と、入射端面12側とは反対の後端側に導光板裏面17から前側に傾斜するように立ち上がる五角形の背面29とを有する。
副反射面25、26は、側面27、28との境界線よりも前側の部分が、ドット状反射部19の前端から後側へ行くに従ってドット状反射部19の幅方向寸法が次第に増大するように形成されている。
【0023】
背面29は、反射面24の頂部(ドット状反射部19において裏面17に開口する開口部22から見て奥側の端部)から後側へ傾斜する傾斜面となっている。
ドット状反射部19のうち、反射面24後端から前側の部分、換言すれば反射面24から導光板裏面17側の部分は、前記反射面24を形成する反射面形成部19aとなっている。
ドット状反射部19の、裏面17に開口する開口部22は、副反射面25、26、側面27、28、および背面29の開口縁を辺とする五角形をなす。
【0024】
なお、側面27、28は、必ずしも導光板裏面17に対して垂直である必要はなく、例えば側面27、28を副反射面25、26との境界線から導光板裏面17に向かって反射面24の幅方向外側へ張り出すように傾斜する傾斜面とすることも可能であるが、導光板裏面17に対して垂直に形成すれば、光が導光板表面18側に反射することを防いで、鮮明な画像表示を実現する点で有利である。
また、背面29は反射面24後端から前側へ傾斜する傾斜面としても良く、側面27、28は反射面24外周から一対の側面27、28の間隔方向中央部(すなわちドット状反射部19の幅方向中央部)側へ傾斜する傾斜面に形成しても良い。
【0025】
すなわち、側面27、28、背面29は、導光板裏面17に対して垂直でもよいし、平面視(導光板表面18側から見た向き)において反射面24からドット状反射部19中央部側へ傾斜する傾斜面としても良い。側面27、28、背面29を傾斜面とする構成は、導光板11内の光が導光板表面18側に反射することをより確実に防ぐことができるから、鮮明な画像表示の点でより有利である。
ドット状反射部の側面や背面の導光板裏面に対する傾斜については、本発明に係る他の実施形態についても同様のことが言える。
【0026】
図2(b)に示すように、ドット状反射部19の中央線23の、導光板11の裏面17に対する傾斜角度αは、鮮明な画像表示を実現するために、40度以上60度以下が好ましい。但し、この傾斜角度αは適宜設定可能であり、40度以上60度以下の範囲以外に設定することもできる。
ドット状反射部19の反射面24を形成する第1副反射面25および第2副反射面26は、反射面24における光の反射効率を高めるために平滑な平面であることが望ましい。
副反射面25、26についても、導光板11の裏面17に対する傾斜角度は、鮮明な画像表示を実現するために、40度以上60度以下が好ましい。
【0027】
ドット状反射部19は、導光板11の端面12から入射された光源ユニット15からの光を、反射面24を構成する第1副反射面25および第2副反射面26により全反射させて導光板11の表面18から出射させる。これにより、光源ユニット15の複数のLED14からの入射光を反射面24により広角に拡散できる。
【0028】
表示装置10は、商用電力等の電源に接続された給電装置16からの給電により発光ダイオード14が発光され、各発光ダイオード14の出射光が導光板11に入射端面12から入射される。そして、発光ダイオード14から導光板11に入射された入射光が、表示部20を形成するドット状反射部19の反射面24にて導光板表面18側へ反射され、導光板表面18から導光板11の外へ出射される。
【0029】
ドット状反射部19の反射面24は、中央線23から幅方向両側へ裏面17側に向かって傾斜する一対の第1副反射面25および第2副反射面26を有する屈曲面を構成するので、LED14からの入射光は、反射面24から導光板裏面17に垂直の方向の他、導光板表面18に向かって反射面24からその幅方向及び後方へ傾斜した方向へも反射される。
より具体的には、LED14からの入射光は、図2において、反射面24から主として上方向Aと、ドット状反射部19幅方向および後方向に傾斜した方向Bとに反射される。
その結果、図1および図2において表示部20から上方向(詳しくは導光板表面18側の表示部20に正対する位置)からのみならず、表示部20から両側方向にずれた方向や、後方向へずれた方向からも鮮明に視認可能な、広角な表示を実現できる。
【0030】
従って、表示装置10は、人から表示の視認に適さない向きに設置した場合でも、鮮明な表示を可能とすることができる。視認しやすい表示が可能となるため、看板等の広告、アミューズメント施設等での使用に好適である。
また、表示装置10は、例えば液晶表示装置等のバックライトへ適用し、装置表面側からドット状反射部をLED14からの入射光の反射によって輝点として視認可能とした構成の場合、装置表面側から前記輝点を鮮明に視認できる向きが広角であることで、これまでに無い斬新な表示や照光が可能となる。
また、レンズや拡散板が必要ないことに加え、ドット状反射部19の構造が簡単であるため、装置の薄型化にも有利である。
【0031】
加えて、表示装置10は、反射面24を構成する第1副反射面25および第2副反射面26によって、導光板11からの出射光の出射方向を設定する構成であるため、出射光の出射方向(主出射方向)の設定を、導光板表面18側にレンズ等を設けることなく行うことができ、低コスト化が可能である。
【0032】
なお、反射面24は、左右の面を中央線23に対し屈曲させた形状であるが、本発明における反射面はこれに限らず、中央線23に加えて、左右方向にわたる第2の中央線(境界線)(図示略)を設定し、左右の面を第1の中央線23に対し屈曲させるとともに、上下の面を第2の中央線(図示略)に対し屈曲させた形状とすることも可能である。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の表示装置について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0034】
図3(a)に示すように、本発明の第2実施形態の表示装置30は、導光板11に形成するドット状反射部以外は第1実施形態の表示装置10と同じ構成とすることができる。
この実施形態の表示装置30の導光板11に形成されたドット状反射部31は、側面視形状が三角形とされて導光板11の裏面17側の開口部32が略三日月形状の凹部形状をなしている。
【0035】
ドット状反射部31は、光の入射方向(入射端面12から導光板11後端部に向かう方向)に向かって導光板11の表面18へ接近するように傾斜する軸線を以て湾曲した凸曲面状の反射面35を有する。
この反射面35は、全体として、光の入射方向に向かって導光板表面17に接近するように傾斜し、かつ、幅方向において中央部から両側に向かって導光板裏面17に接近する形状となっている。
すなわち、反射面35は、導光板11の裏面17に対して傾斜させた平面を、さらに湾曲させた湾曲面となっている。
【0036】
このドット状反射部31は、反射面35の前後方向全長にわたってその外周面の最上部に位置する線を中央線33(境界線)とみなせば、該ドット状反射部31の幅方向中央部に、光の入射方向に向かって導光板11の表面18へ接近するように傾斜する直線の中央線33を有し、中央線33の幅方向両側に、それぞれ傾斜面34、34(副反射面)を有する構成となっている。
【0037】
傾斜面34は、中央線33と平行な軸線を以て湾曲し、中央線33から幅方向に離隔するにしたがって導光板11の裏面17に対する傾斜角度が次第に増大しつつ導光板裏面17に接近する湾曲面である。
すなわち、反射面35は、導光板11の裏面17に対して入射端面12に向けて傾斜した面であり、中央線33から左右方向に湾曲させた湾曲面(傾斜面34、34)により構成されている。
なお、図示例では、中央線33はドット状反射部31の幅方向中央に形成されているが、正確に中央である必要はなく、中央よりいずれかの側面寄りの位置に形成されていてもよい。
【0038】
ドット状反射部31は、幅方向両側に導光板裏面17から垂直に立ち上がるように形成された一対の側面36、37と、反射面35後端から導光板裏面17に向けて反射面35に沿う凸曲面に形成された背面38とを有する。
背面38は、後側から前側へ行くにしたがって導光板裏面17に接近するように導光板裏面17に対して傾斜している。
【0039】
図3(b)に示すように、表示装置30は、ドット状反射部31が湾曲面である反射面35を有するために、LED14からの入射光は、反射面35から導光板裏面17に垂直の方向の他、導光板表面18に向かって反射面35からその幅方向及び後方へ傾斜した方向へも反射される。
より具体的には、LED14からの入射光は、図3(a)、(b)において、反射面35から主として上方向Aと、ドット状反射部31幅方向および後方向に傾斜した方向Bとに反射される。その結果、表示部20から両側方向にずれた方向や、後方向へずれた方向からも鮮明に視認可能な、広角な表示を実現できる。
【0040】
従って、表示装置30では、反射面35の傾斜面34によって導光板11からの出射光の出射方向を設定することができる。このため、出射光の出射方向(主出射方向)の設定を、レンズ等を用いずに行うことができ、低コスト化が可能である。
【0041】
なお、図3(a)、(b)に例示したドット状反射部31は、前記中央線33の両側の傾斜面34、34が、中央線33で連続した曲面を形成する反射面34を構成しているが、本発明に係る導光板のドット状反射部はこれに限定されず、例えば図3(c)のように、中央線33を境界として屈曲した不連続の曲面になっている一対の傾斜面34a、34a(副反射面)(湾曲面)が反射面35aを構成していてもよい。
【0042】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の表示装置について説明する。
図4(a)に示すように、本発明の第3実施形態の表示装置40は、導光板11に形成するドット状反射部以外は第1実施形態の表示装置10と同じ構成とすることができる。
この実施形態の表示装置40の導光板11に形成されたドット状反射部41は、円筒を軸線回り方向で4等分した形状とされており、導光板11の裏面17側の開口部42が矩形状となる凹部形状をなしている。
【0043】
ドット状反射部41は、光の入射方向(入射端面12から導光板11後端部に向かう方向)に向かって導光板11の裏面17に対する傾斜角度が次第に減少する凸曲面(湾曲面)43により反射面44が形成されている。反射面44は、導光板11の裏面17に対して傾斜させた平面を、さらに湾曲させた湾曲面となっており、詳しくは断面円弧状(または断面略円弧状)に形成されている。
反射面44は、左右方向に沿う軸線を以て上下に湾曲した湾曲面であり、前記入射方向に向かって裏面17に対する傾斜角度が次第に減少するように湾曲している。
【0044】
ドット状反射部41は、幅方向両側に導光板裏面17から垂直に立ち上がるように形成された一対の側面45、46と、入射端面12側とは反対の後端側に導光板裏面17から表面18に向けて垂直に立ち上がるように形成された四角形の背面47とを有する。ドット状反射部41は、その全体が、反射面44を形成する反射面形成部となっている。
【0045】
図4(b)に示すように、表示装置40は、ドット状反射部41が、導光板11の入射端面側から後側へ行くにしたがって導光板11の裏面17に対する傾斜角度が次第に減少する凸曲面43からなる反射面44を有するために、LED14からの入射光は、反射面44から導光板裏面17に垂直の方向の他、導光板表面18に向かって反射面44からその幅方向及び後方へ傾斜した方向へも反射される。
より具体的には、LED14からの入射光は、図4において、反射面44から主として上方向Aと、ドット状反射部41後方向に傾斜した方向Bとに反射される。その結果、表示部20から両側方向にずれた方向や、後方向へずれた方向からも鮮明に視認可能な、広角な表示を実現できる。
【0046】
従って、表示装置40では、反射面44の凸曲面43によって導光板11からの出射光の出射方向を設定する構成であるため、出射光の出射方向(主出射方向)の設定を導光板表面18側にレンズ等を設けることなく行うことができ、出射光の拡散を低コストで実現できる。
【0047】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の表示装置について説明する。
図5(a)に示すように、本発明の第4実施形態の表示装置50は、導光板11に形成するドット状反射部以外は第1実施形態の表示装置10と同じ構成とすることができる。
この実施形態の表示装置50の導光板11に形成されたドット状反射部51は、球面を4分の1にした形状(1/4球面)とされて導光板11の裏面17側の開口部52が半円形の凹部形状をなしている。
【0048】
ドット状反射部51の反射面55は、光の入射方向に向かって導光板11の表面18へ接近するように傾斜していて表面18に対して凸状とされた凸曲面54である。
凸曲面54は、導光板11の入射端面側から後側へ行くにしたがって導光板11の裏面17に対する傾斜角度が次第に減少する湾曲面である。
反射面55は、幅方向中央から側方へ行くにしたがって裏面17に対する傾斜角度が次第に増大するように形成されている。
反射面55は、導光板11の裏面17に対して傾斜させた平面を、さらに上下および左右に湾曲させた湾曲面となっている。
【0049】
ドット状反射部51は、入射端面12側とは反対の後端側に導光板裏面17から表面18に向けて垂直に立ち上がるように形成された半円形の背面56を有する。ドット状反射部51は、その全体が、反射面55を形成する反射面形成部となっている。
反射面55は、全体として前端から後側に行くにしたがって導光板表面17に接近するように傾斜し、かつ、幅方向において中央部から両側に向かって導光板裏面17に接近する形状となっている。
【0050】
図5(b)に示すように、表示装置50は、ドット状反射部51が、湾曲面である反射面55を有するために、LED14からの入射光は、反射面55から導光板裏面17に垂直の方向の他、導光板表面18に向かって反射面55からその幅方向及び後方へ傾斜した方向へも反射される。
より具体的には、LED14からの入射光は、図5において、反射面55から主として上方向Aと、ドット状反射部51幅方向および後方向に傾斜した方向Bとに反射される。その結果、表示部20から両側方向にずれた方向や、後方向へずれた方向からも鮮明に視認可能な、広角な表示を実現できる。
【0051】
従って、表示装置50では、反射面55の凸曲面54によって導光板11からの出射光の出射方向を設定することができる。構成であるため、出射光の出射方向(主出射方向)の設定を、レンズ等を用いずに行うことができ、低コスト化が可能である。
【0052】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態の表示装置について説明する。
図6(a)に示すように、本発明の第5実施形態の表示装置60は、導光板11に形成するドット状反射部以外は第1実施形態の表示装置10と同じ構成とすることができる。
この実施形態の表示装置60の導光板11に形成されたドット状反射部61は、導光板11の裏面17側の開口部62が平面視矩形となる凹部形状をなしている。
【0053】
ドット状反射部61は、光の入射方向(入射端面12から導光板11後端部に向かう方向)に向かって、導光板11の裏面17に対する傾斜角度が次第に増大する凹曲面(湾曲面)63により反射面64が形成されている。反射面64は、導光板11の裏面17に対して傾斜させた平面を、さらに上下に湾曲させた湾曲面となっている。
【0054】
ドット状反射部61は、幅方向両側に導光板裏面17から垂直に立ち上がるように形成された一対の側面65、66と、入射端面12側とは反対の後端側に導光板裏面17から表面18に向けて垂直に立ち上がるように形成された四角形の背面67とを有する。ドット状反射部61は、その全体が、反射面64を形成する反射面形成部となっている。
反射面64は、導光板11の裏面17に対して傾斜させた平面を、さらに湾曲させた湾曲面となっている。
【0055】
図6(b)に示すように、表示装置60は、ドット状反射部61が、湾曲面である凹曲面63からなる反射面64を有するために、LED14からの入射光は、反射面64から導光板裏面17に垂直の方向の他、導光板表面18に向かって反射面65からその幅方向及び後方へ傾斜した方向へも反射される。
より具体的には、LED14からの入射光は、図6(a)、(b)において、反射面64から主として上方向Aと、ドット状反射部61後方向に傾斜した方向Bとに反射される。その結果、表示部20から両側方向にずれた方向や、後方向へずれた方向からも鮮明に視認可能な、広角な表示を実現できる。
【0056】
従って、表示装置60では、反射面64の凹曲面63によって導光板11からの出射光の出射方向を設定する構成であるため、出射光の出射方向(主出射方向)の設定を、レンズ等を用いずに行うことができ、低コスト化が可能である。
【0057】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態の表示装置について説明する。
図7に示すように、本発明の第7実施形態の表示装置70は、導光板11に形成するドット状反射部以外は第1実施形態の表示装置10と同じ構成とすることができる。
この表示装置70では、ドット状反射部71の反射面74を構成する副反射面75、76は、それぞれ中央線73(境界線)から左右方向に徐々に表面18側へ向かって傾斜する平坦な傾斜面である。
反射面74は、導光板11の裏面17に対して傾斜させた平面を、中央線73において左右に屈曲させた屈曲面である。
副反射面75、76は、中央線73から左右方向に徐々に表面18側へ向かって傾斜するため、反射面74は、前記入射端面12に向けて傾斜した平面を入射端面12側とは反対側に屈曲させて得られる凹状の屈曲面を構成している。
【0058】
ドット状反射部71は、導光板11の裏面17から垂直に立ち上がる側面77、78と、入射端面12側とは反対の後端側に裏面17から前側に傾斜するように立ち上がる五角形の背面79とを有する。
ドット状反射部71の、裏面17に開口する開口部22は、副反射面75、76、側面77、78、および背面79の開口縁を辺とする五角形をなす。
【0059】
ドット状反射部71の反射面74は、副反射面75、76を有する屈曲面を構成するので、LED14からの入射光は、反射面24から導光板裏面17に垂直の方向の他、導光板表面18に向かって反射面74からその幅方向及び後方へ傾斜した方向へも反射される。
例えば、入射光は、反射面74から主として上方向Aと、ドット状反射部71幅方向および後方向に傾斜した方向Bとに反射される。
従って、人から表示の視認に適さない向きに設置した場合でも、鮮明な表示を可能とすることができる。
また、レンズや拡散板が必要ないことに加え、ドット状反射部71の構造が簡単であるため、装置の薄型化にも有利である。
加えて、出射光の出射方向(主出射方向)の設定を、レンズ等を用いずに行うことができ、低コスト化が可能である。
【0060】
なお、反射面は、幅方向にわたる境界線の上下に屈曲させて得られる2つの副反射面からなる形状であってもよい。副反射面は平坦面または湾曲面とすることができる。
【符号の説明】
【0061】
10、30、40、50、60、70…表示装置、11…導光板、12…端面、14…発光ダイオード(光源、発光素子)、15…光源ユニット(発光素子群)、16…給電装置(コントローラ)、17…裏面(下面)、18…表面(上面)、19…ドット状反射部、20…表示部、23、33、73…中央線(境界線)、24、35、44、55、64、74…反射面、25、75…第1副反射面、26、76…第2副反射面、31、41、51、61、71…ドット状反射部、34…傾斜面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、この導光板の端面に光を入射する光源とを備え、
前記導光板に、前記端面からの入射光を前記導光板の側面側に反射させる反射面を有するドット状反射部を複数設け、
前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面の上下または左右のうちの少なくとも一方を境界線に対して屈曲させて得られる2つの副反射面からなり、
複数の前記ドット状反射部からの反射光のなす特定のパターンを表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記2つの副反射面は、それぞれ平坦面または湾曲面であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面を前記端面とは反対側に屈曲させて得られる2つの副反射面からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の表示装置。
【請求項4】
前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面を前記端面側に屈曲させて得られる2つの副反射面からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
導光板と、この導光板の端面に光を入射する光源とを備え、
前記導光板に、前記端面からの入射光を前記導光板の側面側に反射させる反射面を有するドット状反射部を複数設け、
前記ドット状反射部の反射面は、前記端面側に傾斜させた平面の上下または左右のうちの少なくとも一方を湾曲させた湾曲面であり、
複数の前記ドット状反射部からの反射光のなす特定のパターンを表示することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記光源は、前記導光板の端面に沿って配列された複数の発光素子からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−232717(P2011−232717A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105839(P2010−105839)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】