説明

表示装置

【課題】各LEDに流す電流値を異ならせてLEDを駆動する方式の表示装置において長寿命化を図ることが可能となる表示装置を提供する。
【解決手段】複数のLEDを備え、前記各LEDに流す電流を異ならせて前記各LEDを駆動するローカルディミングの表示装置において、一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとに前記各LEDに流す電流の電流値を変更する制御を行う制御部を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)を光源とした表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光管の代わりにLEDを光源に用いた液晶表示装置等の表示装置が普及しつつある。
【0003】
このようなLEDを光源に用いた表示装置は、複数のチャンネル(CH)のLEDを備えている。いわゆる直下型方式の液晶表示装置では、液晶パネルに対向する面上に複数のチャンネルのLEDが配される。また、いわゆるエッジ型方式の液晶表示装置では、導光板の側面に複数のチャンネルのLEDが配され、LEDから出力された光を導光板の上面から液晶パネルへ導く。
【0004】
ここで、直下型方式の液晶表示装置に主に用いられるLED駆動方式として、ローカルディミング(Local Dimming)と呼ばれるものがある。ローカルディミングは、液晶パネルを複数の領域に分割したうえで、表示しようとする画像の各領域における輝度に応じて、各チャンネルのLEDの光量を領域毎に個別に調整する駆動方式である。これにより、消費電力を抑えつつ、鮮明な画像の表示が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したローカルディミングでは、各チャンネル間のLEDに流す電流値を異ならせてLEDを駆動することになるが、LEDは電流値ひいては温度により寿命が決まる。そのため、電流値を高くして高い温度で使用する頻度が高いチャンネルのLEDが他のチャンネルに較べて寿命が短くなり、表示装置全体としての寿命が短くなってしまう。
【0007】
ここで、特許文献1には、長寿命化を図ることができる従来の表示装置が開示されているが、この表示装置はLEDではなく線状に形成される光源を用いることが前提となっている。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明は、各LEDに流す電流値を異ならせてLEDを駆動する方式の表示装置において長寿命化を図ることが可能となる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、複数のLEDを備え、前記各LEDに流す電流を異ならせて前記各LEDを駆動する表示装置において、
一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとに前記各LEDに流す電流の電流値を変更する制御を行う制御部を備えた構成とする。
【0010】
このような構成によれば、各LEDの寿命の均一化を図ることができ、ひいては表示装置全体としての寿命を長くすることが可能となる。なお、電流値とは、例えば、パルス状電流で駆動する場合のデューティ比や、直流電流で駆動する場合の直流電流値を含む。
【0011】
また、上記構成において、前記複数のLEDは、上下方向の一方に横並びに配されるLEDからなる第1LEDの組と、他方に横並びに配されるLEDからなる第2LEDの組とからなり、
前記制御部は、一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとに第1LEDの組と第2LEDの組との間で電流値を入れ替える構成としてもよい。
【0012】
また、本構成において、前記複数のLEDを有した180°回動自在である表示部と、
一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとにユーザに前記表示部を180°回動させるよう促す報知を行う報知部と、
前記報知後、前記表示部が180°回動されたことを検出する検出部と、を備え、
前記検出がされると、前記制御部は、第1LEDの組と第2LEDの組との間で電流値を入れ替える構成としてもよい。
【0013】
また、本構成において、電流値を入れ替えるとき、上方のLEDの組より下方のLEDの組の電流値が大きくなるようにする構成としてもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明は、複数のLEDを備え、表示画像の分割した各領域における輝度に応じて前記各LEDに電流を流すローカルディミングを行う表示装置において、
ローカルディミング中に前記各LEDの使用電流累積値を算出する算出部と、
前記算出された使用電流累積値に基づき前記各LEDの使用電流累積値が一致するように前記各LEDに電流を流す制御を行う制御部と、を備えた構成とする。
【0015】
このような構成によれば、ローカルディミングによりばらつきが生じたLEDの寿命を均一化させる調整を行うことができる。従って、表示装置全体としての長寿命化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、各LEDに流す電流値を異ならせてLEDを駆動する方式の表示装置において長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の概略分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るLED駆動制御の一例に関するフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るLED駆動制御の別の一例に関するフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係るLED寿命ばらつき均一化処理に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る液晶表示装置100の概略構成を図1に示す。この液晶表示装置100は、例えば、テレビ受像機(地上デジタル放送対応等)やPC用のモニタとしての表示装置であってもよいし、いわゆるデジタルサイネージ(表示と通信にデジタル技術を活用して映像や情報を表示する広告媒体)としての表示装置であってもよい。
【0019】
図1に示す液晶表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)1と、LEDドライバ2と、CH1−LED3と、CH2−LED4と、CH3−LED5と、CH4−LED6と、CH5−LED7と、CH6−LED8と、映像処理部9と、液晶パネル10とを備えている。なお、液晶表示装置100が例えばテレビ受像機であれば、当然に放送を受信するチューナや復調回路等を有するが、図1に示す構成以外については図示を省略している。
【0020】
CPU1は、液晶表示装置100全体を制御する演算処理装置であり、不図示のROMに格納された制御プログラムを実行する。LEDドライバ2は、CPU1からの指示に基づき各チャンネルのLED(CH1−LED3〜CH6−LED8)に電流を流して駆動する。電流を流す方式としては、ON時の電流値が一定(例えば60mA等)であるパルス状の電流を流す方式を採る。そして、パルスのデューティ比は可変となっている。なお、パルス状ではなく直流電流を電流値を可変として流すようにしてもよい。
【0021】
図1に示す液晶表示装置100が直下型方式である場合は、CH1−LED3〜CH6−LED8の各チャンネルのLEDは液晶パネル10に対向する面上に配される。このとき、CH1−LED3と、CH2−LED4と、CH3−LED5が上方に横並びに配され、CH4−LED6と、CH5−LED7と、CH6−LED8が下方に横並びに配される。また、このように配された各LEDと液晶パネル10との間には、不図示の拡散シート等が配される。これにより、各チャンネルのLEDから出力された光は拡散シートにより拡散された後、液晶パネル10を背面から照明する。
【0022】
また、図1に示す液晶表示装置100がエッジ型方式である場合は、液晶パネル10に対向して不図示の導光板が配され、導光板の側面に各チャンネルのLEDが配される。導光板の上側の側面にはCH1−LED3と、CH2−LED4と、CH3−LED5が横並びに配され、導光板の下側の側面にはCH4−LED6と、CH5−LED7と、CH6−LED8が横並びに配される。また、導光板の背面には不図示の反射シートが配され、導光板と液晶パネル10との間には拡散シート等が配される。これにより、各チャンネルのLEDより導光板の上下側面から入射された光は導光板内で拡散されてから拡散シート等を通過して液晶パネル10を背面から照明する。
【0023】
映像処理部9は、放送映像や広告映像等の映像信号を受信し、受信した映像信号に基づき液晶パネル10を駆動して画像を表示させる。また、映像処理部9は、CPU1からの指示により液晶パネル10を駆動してOSD(On Screen Display)画像を表示させることも行う。
【0024】
(第1実施形態)
液晶表示装置100は以上のような構成を有するが、第1実施形態としての液晶表示装置100は図2に示すような構成をさらに有する。図2は、第1実施形態としての液晶表示装置100の概略分解斜視図である。液晶表示装置100は、表示部20と、支持具30とを備えている。表示部20は、図1に示す構成を筐体内部に収めた構成としている。支持具30は、使用時において液晶表示装置100を壁部や支持台に設置するための部材であり、前面側の前面部材301と背面側の背面部材302とを有する。前面部材301は、背面部材302に対して180°回動自在に連結される。また、前面部材301を表示部20に取り付けるための取り付け部の左右両端にはそれぞれ磁石303が設けられる。そして、背面部材302を壁や支持台に取り付ける取り付け部の一端には磁石303と対向する位置にホール素子304が設けられる。
【0025】
ホール素子304から出力される電圧が、磁石303とホール素子304とが対向する状態でホール素子から出力される電圧から、磁石303とホール素子304とが対向しない状態でホール素子から出力される電圧を経由して、再び磁石303とホール素子304とが対向する状態でホール素子から出力される電圧へ変化したことを検出することにより、前面部材301が180°回動したこと、即ち、表示部20が180°回動したことを検出できる。
【0026】
次に、第1実施形態としての液晶表示装置100におけるLED駆動制御について図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0027】
図3のフローチャートは、例えば液晶表示装置100の電源がオンとされると開始される。まず、ステップS1で、CPU1からの指示によりLEDドライバ2は、各チャンネルのLEDに電流を流すことを開始する。このとき、上方に位置するCH1−LED3、CH2−LED4並びにCH3−LED5に所定の第1デューティ比(例えば40%)でパルス状電流を流し、下方に位置するCH4−LED6、CH5−LED7並びにCH6−LED8に第1デューティ比よりも大きい所定の第2デューティ比(例えば80%)でパルス状電流を流す。ON時の電流値は上方、下方で同じとする(例えば60mA)。
【0028】
次に、ステップS2で、CPU1は現在時刻を不図示のメモリに記憶させる。そして、CPU1は、現在時刻とメモリに記憶した時刻との差から一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS3)。一定時間が経過していなければ(ステップS3のN)、判定を再び行う。そして、一定時間が経過すれば(ステップS3のY)、ステップS4に進む。
【0029】
ステップS4で、CPU1からの指示により映像処理部9は、ユーザに表示部20(図2)を180°回動させるよう促すメッセージ画面を液晶パネル10に表示させる。そして、ステップS5で、CPU1は、ホール素子304(図2)の出力電圧を監視することを開始し、上述した電圧変化を検出することでユーザにより表示部20が180°回動されたことを検出する。
【0030】
そして、ステップS6で、CPU1からの指示によりLEDドライバ2は、CH1−LED3、CH2−LED4並びにCH3−LED5からなる組と、CH4−LED6、CH5−LED7並びにCH6−LED8からなる組とでデューティ比を入れ替えて電流を流すことを開始する。その後、ステップS2に戻り、以降同様の動作を繰り返す。
【0031】
このように、一定時間経過ごとにCH1−LED3、CH2−LED4並びにCH3−LED5からなる組と、CH4−LED6、CH5−LED7並びにCH6−LED8からなる組とでデューティ比を入れ替えて電流を流すので、チャンネル間のLEDの寿命均一化を図ることができる。
【0032】
また、一定時間経過すると、メッセージ表示によりユーザに表示部20を180°回動させる。LEDの発熱により温められた空気は上方に移動するので、上方は温度が上昇し易く、下方は温度が上昇しにくい。このような環境である上方、下方に表示部20の回動により各チャンネルの組が交互に位置することとなるので、チャンネル間のLEDの寿命均一化をより図ることができる。
【0033】
また、このときに、下方の組のチャンネルが上方の組のチャンネルよりデューティ比が大きくなるようデューティ比が入れ替えられる。これにより、デューティ比の大きな電流を流されて下方の組のチャンネルは高い温度となるが、下方の組のチャンネルにより温められた空気は上方に移動する。よって、下方の組のチャンネルが過剰な温度になることはない。また、上方の組のチャンネルは、下方から温められた空気が移動しても、デューティ比が小さいので、やはり過剰な温度になることはない。従って、各チャンネルの寿命をより長くし、ひいては表示装置全体の長寿命化をより図ることができる。
【0034】
LED駆動制御についての別実施形態を図4のフローチャートに示す。図4のフローチャートは、液晶表示装置100の電源がオンとされたタイミングで開始される。まず、ステップS11で、CPU1からの指示によりLEDドライバ2は、前回の電源オフ時でのデューティ比の設定で各チャンネルのLEDに電流を流すことを開始する。このとき、下方の組のチャンネルは上方の組のチャンネルよりもデューティ比が大きい。
【0035】
次に、ステップS12で、CPU1からの指示により映像処理部9は、ユーザに表示部20を180°回動させるよう促すメッセージ画面を液晶パネル10に表示させる。そして、ステップS13で、CPU1は、ホール素子304(図2)の出力電圧を監視することを開始し、上述した電圧変化を検出することでユーザにより表示部20が180°回動されたことを検出する。
【0036】
そして、ステップS14で、CPU1からの指示によりLEDドライバ2は、CH1−LED3、CH2−LED4並びにCH3−LED5からなる組と、CH4−LED6、CH5−LED7並びにCH6−LED8からなる組とでデューティ比を入れ替えて電流を流すことを開始する。以降、電源がオフされるまで電流設定は一定である。
【0037】
このような実施形態によるLED駆動制御によっても上述した効果と同様の効果を奏することができる。
【0038】
なお、以上の実施形態ではユーザに表示部20を回動させていたが、一定時間の経過時、または電源オン時に自動的に表示部20を180°回動させるようにしてもよい。この場合、表示部20を回動させる駆動機構(モータ、減速機等)を例えば支持具30に設ければよい。
【0039】
また、このような本実施形態としての液晶表示装置100は、上下のチャンネルの組でLEDの発光量が異なるので、表示画面の輝度ムラ低減という観点からはエッジ型方式を採用することが好適である。
【0040】
また、本実施形態において、パルス状の電流ではなく、直流電流をLED駆動に用いる場合は、上下のチャンネルの組で直流電流値を異ならせればよい。
【0041】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態としての液晶表示装置100は、ローカルディミングの機能を有した表示装置であり、直下型方式が好適である。また、第1実施形態のように必ずしも表示部の回動機能は必要ではない。
【0042】
ローカルディミングにおいては、液晶パネル10を各チャンネルのLEDに対応した複数の領域に分割したうえで、CPU1は、表示しようとする画像の各領域における輝度に応じて、各チャンネルのLEDに流す電流を決定する。具体的には、電流のデューティ比を決定する。そして、CPU1からの指示によりLEDドライバ2は、決定されたデューティ比で各チャンネルのLEDに電流を流してLEDを駆動する。
【0043】
ローカルディミング中、CPU1は、(デューティ比)×(ON時電流値)×(時間)で算出される値を累積した使用電流累積値を算出する。使用電流累積値は、各チャンネルのLEDの寿命を示す指標となる(使用電流累積値が大きいほど寿命は短いと推定される)。ローカルディミングを行うと消費電力を抑えて表示画像を鮮明にできるが、各チャンネルのLEDで使用電流累積値がばらつき、即ちLEDの寿命のばらつきが生じる。
【0044】
例えば、簡単のため各チャンネルのデューティ比は一定とし、ON時電流値が60mA、使用時間を10時間とした場合、各チャンネルの使用電流累積値は下記のようになる(実際は表示画像に依存するので各チャンネルのデューティ比は一定ではない)。
CH1:50%×60mA×10h=300
CH2:70%×60mA×10h=420
CH3:80%×60mA×10h=480
CH4:40%×60mA×10h=240
CH5:60%×60mA×10h=360
CH6:50%×60mA×10h=300
この例では、使用電流累積値が最大であるCH3−LED5(図1)の寿命が最も短いと推定される。
【0045】
そこで、本実施形態では、ローカルディミングによるLEDの寿命ばらつきを均一化する処理を行う。この寿命ばらつき均一化処理のフローチャートを図5に示す。図5のフローチャートが開始されるタイミングは、使用時間が一定時間に到達したときとしてもよいし、少なくとも一つのチャンネルの使用電流累積値が規定値以上となったときとしてもよい。
【0046】
図5のフローチャートが開始されると、まずステップ21で、CPU1は、使用電流累積値が最小のチャンネル(以下、最小チャンネル)についてデューティ比を基準デューティ比に設定し、それ以外のチャンネルについてのデューティ比を基準デューティ比より小さい所定のデューティ比に設定する。
【0047】
例えば、上記例であれば、使用電流累積値が最小であるCH4についてのデューティ比を基準デューティ比である80%に設定し、それ以外のチャンネル(CH1、2、3、5、6)についてのデューティ比を80%より小さい60%に設定する。
【0048】
次に、ステップS22で、CPU1は、設定されたデューティ比で駆動した場合に使用電流累積値が最小チャンネルの使用電流累積値と同じになるまでの時間を、最小チャンネル以外の各チャンネルについて算出する。この時間Tcは、
Tc=(Ic−Imin)/((D1−D2)×Ion)で算出できる。
但し、Ic:対象チャンネルの使用電流累積値、Imin:最小チャンネルの使用電流累積値、D1:基準デューティ比、D2:基準デューティ比より小さい所定のデューティ比、Ion:ON時電流値
【0049】
例えば、上記例であれば、上記時間Tcは下記のように算出される。
CH1:(300−240)/((80%−60%)×60mA)=5h
CH2:(420−240)/((80%−60%)×60mA)=15h
CH3:(480−240)/((80%−60%)×60mA)=20h
CH5:(360−240)/((80%−60%)×60mA)=10h
CH6:(300−240)/((80%−60%)×60mA)=5h
【0050】
次に、ステップS23で、各チャンネルの使用電流累積値を一致させる調整を行う。具体的には、CPU1からの指示によりLEDドライバ2が、最小チャンネルについては上記算出された時間Tcのうち最大の時間分だけ設定されたデューティ比(基準デューティ比)でのLED駆動を行う。また、上記算出された時間Tcが最大となるチャンネルについてはその時間分だけ設定されたデューティ比(基準デューティ比より小さいデューティ比)でのLED駆動を行う。また、それ以外のチャンネルについては上記算出された時間Tc分だけ設定されたデューティ比(基準デューティ比より小さいデューティ比)でのLED駆動を行った後、上記算出された最大の時間Tcとなるまでの残り時間分だけ基準デューティ比でのLED駆動を行う。
【0051】
例えば、上記例であれば、最小チャンネルであるCH4−LED6(図1)については20時間分(CH3が時間Tc最大)だけ基準デューティ比80%でLED駆動を行う。また、時間Tcが最大となるCH3−LED5については20時間分だけデューティ比60%でLED駆動を行う。また、それ以外のチャンネルについては下記のようにLED駆動を行う。
CH1−LED3:5時間分だけデューティ比60%、その後15時間分だけ基準デューティ比80%
CH2−LED4:15時間分だけデューティ比60%、その後5時間分だけ基準デューティ比80%
CH5−LED7:10時間分だけデューティ比60%、その後10時間分だけ基準デューティ比80%
CH6−LED8:5時間分だけデューティ比60%、その後15時間分だけ基準デューティ比80%
【0052】
これにより、全てのチャンネルの使用電流累積値を一致させることができるので、各チャンネルのLEDの寿命を均一化することができる。従って、表示装置全体としての長寿命化を図ることが可能となる。ステップS23の後、処理は終了となる。
【0053】
なお、本実施形態において、パルス状の電流ではなく、直流電流をLED駆動に用いる場合は、ローカルディミングは直流電流値を可変させて行うので、使用電流累積値は(直流電流値)×(時間)を累積して算出される。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々変更が可能である。
【0055】
例えば、表示装置の上下でなく左右のチャンネルの組で電流値を切替えてゆく構成としてもよい。また、各チャンネルの電流値を一つずつずらしながら電流値を切替えてゆく構成としてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、液晶表示装置を対象として説明したが、LEDを光源とするその他の表示装置にも本発明は適用できる。例えば、LED光源を広告用写真の背面に設けたような広告表示装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0057】
100 液晶表示装置
1 CPU
2 LEDドライバ
3 CH1−LED
4 CH2−LED
5 CH3−LED
6 CH4−LED
7 CH5−LED
8 CH6−LED
9 映像処理部
10 液晶パネル
20 表示部
30 支持具
301 前面部材
302 背面部材
303 磁石
304 ホール素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED(Light Emitting Diode)を備え、前記各LEDに流す電流を異ならせて前記各LEDを駆動する表示装置において、
一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとに前記各LEDに流す電流の電流値を変更する制御を行う制御部を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数のLEDは、上下方向の一方に横並びに配されるLEDからなる第1LEDの組と、他方に横並びに配されるLEDからなる第2LEDの組とからなり、
前記制御部は、一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとに第1LEDの組と第2LEDの組との間で電流値を入れ替えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のLEDを有した180°回動自在である表示部と、
一定時間経過ごとに、または表示装置の電源がオンされるごとにユーザに前記表示部を180°回動させるよう促す報知を行う報知部と、
前記報知後、前記表示部が180°回動されたことを検出する検出部と、を備え、
前記検出がされると、前記制御部は、第1LEDの組と第2LEDの組との間で電流値を入れ替えることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
電流値を入れ替えるとき、上方のLEDの組より下方のLEDの組の電流値が大きくなるようにすることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
複数のLED(Light Emitting Diode)を備え、表示画像の分割した各領域における輝度に応じて前記各LEDに電流を流すローカルディミングを行う表示装置において、
ローカルディミング中に前記各LEDの使用電流累積値を算出する算出部と、
前記算出された使用電流累積値に基づき前記各LEDの使用電流累積値が一致するように前記各LEDに電流を流す制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−155043(P2012−155043A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12509(P2011−12509)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】