説明

表示装置

【課題】透明板および取付部材の強度を確保しつつ厚みを薄くすることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】取付部材30は、固定部30Aと外側立ち上り部30BとからなるL字形の幅方向断面を有している。固定部30Aは、両面接着テープ等の接着層30Cにより、透明板20の外縁領域22に貼り合わせられている。外側立ち上り部30Bは、固定部30Aの、透明板20の外形線20Aに隣接する辺、具体的には幅方向外側の辺30Dから起立している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薄型テレビジョン装置などに好適な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種放送波やビデオ映像等の表示装置は、ますます大型化・薄型化が進み、映像表示領域を広く、表示領域外の領域(額縁領域)は狭くし、筐体の厚さも薄くした構成が求められている。そのような薄型表示装置では、表示パネルの強度確保のため、表示パネルの前面にガラス等の透明板を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。透明板の裏面には、金属板よりなるブラケット部材(取付部材)が枠状に設けられており、このブラケット部材を用いて表示パネルが透明板に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−70661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の表示装置では、更に薄型化を進めるため、透明板および取付部材の強度を確保しつつ、それらの厚みをできるだけ薄くすることが求められていた。
【0005】
本開示の目的は、透明板および取付部材の強度を確保しつつ厚みを薄くすることが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による表示装置は、以下の(A)〜(C)の構成要素を備えたものである。
(A)表示パネル
(B)表示パネルが設けられたパネル設置領域、およびパネル設置領域を囲む外縁領域を有する透明板
(C)透明板の外縁領域に貼り合わせられた固定部、および固定部の、透明板の外形線に隣接する辺から起立する外側立ち上り部を有する取付部材
【0007】
本開示の表示装置では、取付部材が、固定部の、透明板の外形線に隣接する辺に外側立ち上り部を有しているので、透明板および取付部材の厚みを薄くしても強度が確保される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の表示装置によれば、取付部材が、固定部の、透明板の外形線に隣接する辺から起立する外側立ち上り部を有するようにしたので、透明板および取付部材の強度を確保しつつ厚みを薄くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の一実施の形態に係る表示装置の外観を表す斜視図である。
【図2】図1に示した本体部の一部を切り欠いて内部構成を表す一部切り欠き斜視図である。
【図3】図2に示した透明板および取付部材の配置を表す平面図である。
【図4】図3の一部を拡大して表す斜視図である。
【図5】従来の透明板および取付部材の一部を拡大して表す斜視図である。
【図6】変形例1に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図7】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す斜視図である。
【図8】図7の一部を拡大して表した斜視図である。
【図9】変形例2に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図10】変形例3に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図11】変形例4に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図12】変形例5に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図13】変形例6に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図14】変形例7に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図15】本開示の第3の実施の形態に係る表示装置における、透明板および取付部材の一部を表す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線における断面図である。
【図17】図16に示した連結部材の変形例を表す断面図である。
【図18】第1ないし第3の実施の形態における、透明板および取付部材の断面図である。
【図19】変形例8に係る透明板および取付部材の断面図である。
【図20】変形例9に係る透明板および取付部材の断面図である。
【図21】変形例10に係る表示装置において、本体部の一部を切り欠いて内部構成を表す一部切り欠き斜視図である。
【図22】変形例11に係る透明板および取付部材の一部を表す斜視図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII線における断面図である。
【図24】変形例12に係る透明板および取付部材の断面図である。
【図25】変形例13に係る透明板および取付部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(取付部材が縦外縁領域または横外縁領域を超えて角領域まで延在している例)
2.変形例1(角領域における横取付部材の端に立ち上り部が設けられている例)
3.第2の実施の形態(角領域における縦取付部材と横取付部材との境界線が屈曲している例)
4.変形例2,3(角領域における縦取付部材と横取付部材との境界線が屈曲している例)
5.変形例4,5(角領域における縦取付部材と横取付部材との境界線が屈曲していると共に、境界線の少なくとも一部が表示パネルの縦辺または横辺に対して傾斜している例)
6.変形例6,7(角領域における縦取付部材と横取付部材との境界線の少なくとも一部が表示パネルの縦辺または横辺に対して傾斜している例)
7.第3の実施の形態(透明板の角に、縦取付部材および横取付部材の両方に固定された連結部材を有する例)
8.変形例8(取付部材の幅方向断面が、矩形の三辺をなす形状である例)
9.変形例9(取付部材の幅方向断面が矩形である例)
10.変形例10(外装部材が取付部材を兼ねている例)
11.変形例11〜13(取付部材が樹脂よりなる例)
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置の外観を表したものである。この表示装置1は、例えば薄型テレビジョン装置として用いられるものであり、画像表示のための平板状の本体部2をスタンド3により支持した構成を有している。なお、表示装置1は、スタンド3を本体部2に取付けた状態で、床,棚または台などの水平面に載置して据置型として用いられるが、スタンド3を本体部2から取り外した状態で壁掛型として用いることも可能である。
【0012】
図2は、図1に示した本体部2の一部を切り欠いて内部構成を表したものである。本体部2は、表示パネル10の前面に透明板20を有している。透明板20上には、表示パネル10の周囲に取付部材30および外装部材40が設けられている。表示パネル10の背面は背面カバー(リアカバー)50で覆われている。なお、図2以降では、透明板10の背面に対して垂直な方向をz方向(前後方向)、透明板10の左右方向をx方向、透明板10の上下方向をy方向とする。
【0013】
表示パネル10は、例えば、駆動回路などが設けられた駆動基板(いわゆるTFT基板)11と、対向基板12との間に液晶層(図示せず)を有する液晶表示パネルである。表示パネル10は、紫外線硬化樹脂などよりなる透明な接着層(図示せず)により透明板20に貼り合わせられており、使用者は透明板20および接着層(図示せず)を通して表示パネル10に表示される映像を視聴可能となっている。
【0014】
表示パネル10の背後には、光学シート13,導光板14およびバックライト(図示せず)が配置されている。光学シート13および導光板14は、樹脂材料よりなるミドルシャーシ15に保持されている。ミドルシャーシ15は、接着層16により表示パネル10に固定されている。表示パネル10,光学シート13,導光板14,バックライトおよびミドルシャーシ15は、アルミニウム(Al)あるいはマグネシウム(Mg)の板金、または鋼板などの金属材料よりなるバックシャーシ17により被覆されている。
【0015】
透明板20は、例えば厚みが0.7mmであり、板ガラスまたは樹脂板などにより構成されている。透明板20は、表示パネル10が設けられたパネル設置領域21と、パネル設置領域21以外の外縁領域22とを有している。
【0016】
取付部材30は、外装部材40,背面カバー50,ミドルシャーシ15およびバックシャーシ17を透明板20に固定するための部品であり、例えば、厚みが0.8mmであり、鉄(Fe)などの板金により構成されている。取付部材30は、固定部30Aと外側立ち上り部30BとからなるL字形の幅方向断面を有している。固定部30Aは、両面接着テープ等の接着層30Cにより、透明板20の外縁領域22に貼り合わせられている。外側立ち上り部30Bは、固定部30Aの、透明板20の外形線20Aに隣接する辺、具体的には幅方向外側の辺30Dから起立している。これにより、この表示装置では、透明板20および取付部材30の強度を確保しつつ厚みを薄くすることが可能となっている。
【0017】
なお、図2では、取付部材30の固定部30Aに、ねじ18によりバックシャーシ17を固定するためのスタッド30Eが設けられている。
【0018】
取付部材30の強度は、固定部30Aの幅にはほとんど関係なく、外側立ち上り部30Bの高さHによって決まる。強度確保に必要な外側立ち上り部30Bの高さHは、取付部材30の材料の物性によって決まる。例えば、透明板20の厚みが0.7mmであり、取付部材30が鉄(Fe)により構成されている場合には、外側立ち上り部30Bの高さHは5mm以上あればよい。
【0019】
図3は、透明板20上の表示パネル10および取付部材30の配置を表し、図4は、図3の一部を拡大して表したものである。透明板20は、例えば、外形線20A,20B,20C,20Dを有する矩形である。パネル設置領域21は、この透明板20の略中央に設けられている。外縁領域22は、パネル設置領域21を囲む矩形枠状の領域である。外縁領域22は、一対の縦外縁領域22Aと、一対の横外縁領域22Bと、四隅の角領域22Cとを有している。縦外縁領域22Aは、表示パネル10の縦辺10A,表示パネル10の横辺10Bの延長線10BEおよび透明板20の外形線20A,20Cによって囲まれた縦長矩形の領域である。横外縁領域22Bは、表示パネル10の横辺10B,表示パネル10の縦辺10Aの延長線10AEおよび透明板20の外形線20B,20Dによって囲まれた横長矩形の領域である。角領域22Cは、表示パネル10の縦辺10Aの延長線10AE,表示パネル10の横辺10Bの延長線10BE,透明板20の外形線20A〜20Dによって囲まれた矩形の領域である。
【0020】
取付部材30は、縦取付部材31と、横取付部材32とを有している。縦取付部材31は縦外縁領域22Aに、横取付部材32は横外縁領域22Bに、それぞれ設けられている。また、縦取付部材31および横取付部材32は、縦外縁領域22Aまたは横外縁領域22Bを超えて角領域22Cに延在していることが好ましい。これにより、外側立ち上り部30Bを透明板20の外形線20A〜20D近傍まで延在させ、透明板20および取付部材30の強度を確保しつつ厚みを薄くするという効果を更に高めることが可能となる。なお、図3では、角領域22Cには、縦取付部材31および横取付部材32が交互に角領域22Cに延在している場合を表しているが、縦取付部材31のみが角領域22Cに延在していてもよい。あるいは、横取付部材32のみが角領域22Cに延在していてもよい。
【0021】
図2に示した外装部材40は、表示パネル10の側面を覆う枠状の部材であり、例えばアルミニウム(Al)またはその合金により構成されている。外装部材40は、取付部材30の外側に設けられ、取付部材30の外側立ち上り部30Bに平行な側面部41と、この側面部41に垂直な上面部42を有している。上面部42は、ねじ43により取付部材30に固定されている。上面部42の上には、背面カバー50の端部が嵌め込まれる凹部44が設けられている。
【0022】
図2に示した背面カバー50は、表示パネル10の背面側に配設され、例えば鉄(Fe)などの金属により構成されている。また、背面カバー50は、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、PS(ポリスチレン)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)にABS樹脂を添加したもの、または、PSにPPE(ポリフェニレンエーテル)を添加したものなどの樹脂材料により構成されていてもよい。
【0023】
この表示装置1は、例えば、次のようにして製造することが可能である。
【0024】
まず、上述した構成の透明板20および取付部材30を用意し、透明板20の外縁領域22に、取付部材30の固定部30Aを接着層30Cにより貼り合わせる。
【0025】
また、上述した構成の表示パネル10を用意し、この表示パネル10を透明板20のパネル設置領域21に接着層(図示せず)により全面にわたって貼り合わせる。続いて、透明板20の取付部材30の枠内に、光学シート13,導光板14,バックライト(図示せず),ミドルシャーシ15およびバックシャーシ17を配置し、バックシャーシ17を取付部材30にねじ固定する。
【0026】
そののち、取付部材30の外側に外装部材40を配置し、外装部材40の上面部42を取付部材30にねじ固定する。最後に、外装部材40の凹部44に背面カバー50の端部を嵌め込む。これにより、図2に示した本体部2が形成される。この本体部2をスタンド3に取り付けることにより、図1に示した表示装置1が完成する。
【0027】
この表示装置1では、バックライト(図示せず)からの光は導光板14および光学シート13を介して表示パネル10に入射し、表示パネル10の液晶層により画素ごとに変調され、画像表示が行われる。
【0028】
ここで、従来では、図5に示したように、透明板120の上に平板状の取付部材130を設けるようにしていた。透明板120の厚みは例えば2.5mm〜3.2mm、取付部材130の厚みは例えば1.2mmであり、透明板120および取付部材130がそれぞれ単体でも十分な強度をもっていた。そのため、取付部材130は、外装部材40等の取り付けに最低限必要な長さで設ければ足り、透明板120の角まで延在させる必要もなかった。
【0029】
しかしながら、透明板120の厚みを例えば0.7mmと極めて薄くした場合には、図5に示したような平板状の取付部材130は、例えば2.0mm以上の厚みが必要となっていた。また、取付部材130を透明板120の角まで延在させない場合には、透明板120の角の部分の強度が十分に確保されない可能性があった。
【0030】
本実施の形態では、取付部材30が、固定部30Aの、透明板20の外形線20A〜20Dに隣接する辺(幅方向外側の辺30D)に外側立ち上り部30Bを有し、幅方向断面がL字形となっている。これにより、取付部材30の厚みを例えば0.8mmと薄くしても強度が確保される。また、図5に示した従来の取付部材130よりも厚みを薄くすることが可能となり、表示装置1の薄型化およびコスト削減に極めて有利となる。なお、本実施の形態の取付部材30は、構造計算の結果、本体部2の対角寸法65インチの場合まで十分な強度を確保可能であることが分かっている。
【0031】
このように本実施の形態では、取付部材30が、固定部30Aの、透明板20の外形線20A〜20Dに隣接する辺(幅方向外側の辺30D)から起立する外側立ち上り部30Bを有するようにしたので、透明板20および取付部材30の強度を確保しつつ厚みを薄くすることが可能となる。よって、本体部2の厚みおよび重量を削減すると共にコストを低減し、デザイン性を向上させることも可能となる。
【0032】
(変形例1)
図6は、変形例1に係る表示装置1における、透明板20および取付部材30の一部を表したものである。本変形例は、外側立ち上り部30Bを、固定部30Aの幅方向外側の辺30Dと、この辺30Dに交わる辺30Fとに設けるようにしたものである。これにより、本変形例では、外側立ち上り部30Bを、透明板20の外形線20A〜20Dの全体にわたって設けることが可能となり、透明板20および取付部材30の強度を確保しつつ厚みを薄くするという効果を更にいっそう高めることが可能となる。このことを除いては、本変形例の表示装置1は、上記第1の実施の形態と同一の構成、作用および効果を有し、上記第1の実施の形態と同様にして製造することが可能である。
【0033】
(第2の実施の形態)
図7は、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置1における、透明板20および取付部材30の一部を表し、図8は、図7の一部を拡大して表したものである。本実施の形態では、角領域22Cに、縦取付部材31および横取付部材32の両方が延在している。角領域22Cにおける縦取付部材31と横取付部材32との境界線34は、少なくとも一か所(図7および図8では例えば二か所)で屈曲している。このことを除いては、本実施の形態の表示装置1は、上記第1の実施の形態と同一の構成、作用および効果を有し、上記第1の実施の形態と同様にして製造することが可能である。
【0034】
具体的には、横取付部材32には切欠33Aが設けられ、縦取付部材31には、この切欠33Aに食い込む入れ子部分33Bが設けられ、縦取付部材31および横取付部材32が互いに入り組んだ形状となっている。従って、境界線34は、少なくとも一か所で屈曲した折れ曲がり線となっている。換言すれば、境界線34の少なくとも一部が、表示パネル10の縦辺10Aの延長線10AE上(あるいはその近傍)、または横辺10Bの延長線10BE上(あるいはその近傍)を回避している。これにより、透明板20に対して、例えば表面から押されるなどの外力が加えられた場合に、図4に示したように境界線34が表示パネル10の横辺10Bの延長線10BEにほぼ一致した直線となっている場合に比べて、外力が直接表示パネル10の角10Cに伝わりにくくなる。よって、表示パネル10の角10Cに対する外的ストレスが抑えられ、表示パネル10の角10Cが透明板20から剥がれてしまうことが抑えられる。
【0035】
このことを除いては、本実施の形態の表示装置1は、上記第1の実施の形態と同一の構成、作用および効果を有し、上記第1の実施の形態と同様にして製造することが可能である。
【0036】
(変形例2)
なお、上記第2の実施の形態では、横取付部材32に切欠33Aが設けられ、この切欠33Aに縦取付部材31の入れ子部分33Bが入り込んでいる場合について説明したが、図9に示したように、縦取付部材31に切欠33Aが設けられ、この切欠33Aに横取付部材31の入れ子部分33Bが入り込んでいてもよい。
【0037】
(変形例3)
また、上記第2の実施の形態では、境界線34が例えば二か所で屈曲している場合について説明したが、境界線34の屈曲点の数は特に限定されず、図10に示したように、例えば四か所で屈曲していてもよい。更に、図示しないが、境界線34の形状は特に限定されず、例えば曲線を含んでいてもよく、多数の屈曲点を有する波形でもよい。
【0038】
(変形例4,5)
更に、境界線34は、図11または図12に示したように、境界線34が少なくとも一か所で屈曲した折れ曲がり線となっていると共に、境界線34の一部が、表示パネル10の縦辺10Aまたは横辺10Bに対して傾斜していてもよい。
【0039】
(変形例6,7)
加えて、図13に示したように、境界線34が屈曲しておらず、境界線34の全部が、表示パネル10の縦辺10Aまたは横辺10Bに対して傾斜した直線となっていてもよい。なお、この場合には、図14に示したように、境界線34が、表示パネル10の角10Cと透明板20の角とを結ぶ直線L上を回避して設けられていることが好ましい。これにより、外力が直接表示パネル10の角10Cに伝わりにくくなり、表示パネル10の角10Cが透明板20から剥がれてしまうことが抑えられる。
【0040】
(第3の実施の形態)
図15は、本開示の第3の実施の形態に係る表示装置1における、透明板20および取付部材30の一部を表し、図16は、図15のXVI−XVI線における断面構成を表したものである。本実施の形態は、透明板20の角に、縦取付部材31および横取付部材32の両方に固定された連結部品(ジョイント部品)35を設けることにより、角領域22Cを補強し、強度を更に向上させるようにしたものである。このことを除いては、本実施の形態の表示装置1は、上記第1の実施の形態と同一の構成、作用および効果を有し、上記第1の実施の形態と同様にして製造することが可能である。
【0041】
連結部品35は、中央で90度屈曲したL字形の平面形状を有し、一端はねじ36Aにより縦取付部材31に固定され、他端はねじ36Bにより横取付部材32に固定されている。連結部品35は、取付部材30と同様に、例えば、厚みが0.8mmであり、鉄(Fe)などの板金により構成され、固定部35Aと外側立ち上り部35BとからなるL字形の幅方向断面を有している。固定部35Aは、上述したようにねじ36A,36Bにより縦取付部材31および横取付部材32にそれぞれ固定されている。外側立ち上り部35Bは、固定部35Aの、透明板20の外形線20Aに隣接する辺、具体的には幅方向外側の辺35Dから起立している。これにより、角領域22Cを補強し、強度を向上させることが可能となるとともに、外力を直接表示パネル10の角10Cに伝わりにくくして、表示パネル10の角10Cが透明板20から剥がれてしまうことを抑えることが可能となる。
【0042】
固定部35Aには、ねじ36A,36Bを取り付けるためのスタッド35Eが設けられている。
【0043】
なお、図15および図16では、連結部品35の外側立ち上り面35Bが下方に(透明板20側に)向いている場合を表しているが、連結部品35の外側立ち上り面35Bは、図17に示したように、上向き(透明板20から離れる方向に)向いていてもよい。
【0044】
また、上記第3の実施の形態では、縦取付部材31および横取付部材32が、第1の実施の形態と同様に一定幅の直線状である場合について説明したが、第3の実施の形態は、第2の実施の形態および変形例2〜7のように、境界線34が少なくとも一か所で屈曲した折れ曲がり線となっている場合、あるいは境界線34の少なくとも一部が、表示パネル10の縦辺10Aまたは横辺10Bに対して傾斜している場合にも適用可能である。
【0045】
(変形例8)
なお、上記第1ないし第3の実施の形態では、図18に示したように、取付部材30が、固定部30Aと外側立ち上り部30BとからなるL字形の幅方向断面を有している場合について説明した。しかしながら、取付部材30は、例えば図19に示したように、幅方向内側の辺30Gから起立する内側立ち上り部30Hを有し、幅方向断面が矩形の三辺をなす形状とすることも可能である。このようにすることにより、取付部材30の強度を更に高めることが可能となる。
【0046】
(変形例9)
また、取付部材30は、例えば図20に示したように、外側立ち上り部30Bの上端および内側立ち上り部30Gの上端の間に天井部30Iを有し、矩形の幅方向断面を有しているようにすることも可能である。このようにすることにより、取付部材30の強度を更にいっそう高めることが可能となる。
【0047】
(変形例10)
また、上記第1ないし第3の実施の形態では、取付部材30とは別に外装部材40を設けた場合について説明したが、例えば図21に示したように、取付部材30の外側立ち上り部30Bは、外装部材40の側面部41を兼ねていることも可能である。すなわち、取付部材30と外装部材40とを一体にすることも可能である。これにより、部品を削減すると共にコストを低減することが可能となる。
【0048】
(変形例11〜13)
更に、上記第1ないし第3の実施の形態では、取付部材30が縦取付部材31および横取付部材32を有している場合について説明したが、取付部材30は、例えば図22および図23に示したように、外縁領域22の全体にわたって一体に構成されていてもよい。なお、図22および図23では、取付部材30が樹脂により構成されていると共に外縁領域22の全体にわたって一体に構成されている場合を表しているが、取付部材30は、金属板により構成されていると共に外縁領域22の全体にわたって一体に構成されていてもよい。樹脂ではコスト削減が可能となり、金属板では薄型化が可能となる。
【0049】
なお、図22および図23では、取付部材30の幅方向断面が矩形の三辺をなす形状である場合を表しているが、取付部材30の幅方向断面は、図24に示したように、L字形でもよいし、図25に示したように、中空の矩形でもよい。
【0050】
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、接着層(図示せず)により表示パネル10および透明板20が全面にわたって貼り合わせられている場合について説明したが、本発明は、接着層(図示せず)が設けられておらず、表示パネル10と透明板20との間の空間が空気(エアギャップ)とされている場合にも適用可能である。
【0051】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
表示パネルと、
前記表示パネルが設けられたパネル設置領域、および前記パネル設置領域を囲む外縁領域を有する透明板と、
前記透明板の外縁領域に貼り合わせられた固定部、および前記固定部の、前記透明板の外形線に隣接する辺から起立する外側立ち上り部を有する取付部材と
を備えた表示装置。
(2)
前記外縁領域は、
前記表示パネルの縦辺,前記表示パネルの横辺の延長線および前記透明板の外形線によって囲まれた縦外縁領域と、
前記表示パネルの横辺,前記表示パネルの縦辺の延長線および前記透明板の外形線によって囲まれた横外縁領域と、
前記表示パネルの縦辺の延長線,前記表示パネルの横辺の延長線,前記透明板の外形線によって囲まれた角領域と
を有し、
前記取付部材は、前記縦外縁領域または前記横外縁領域を超えて前記角領域に延在している
前記(1)記載の表示装置。
(3)
前記取付部材は、
前記縦外縁領域および前記角領域のうち少なくとも前記縦外縁領域に設けられた縦取付部材と、
前記横外縁領域および前記角領域のうち少なくとも前記横外縁領域に設けられた横取付部材と
を有し、
前記角領域には前記縦取付部材および前記横取付部材のうち少なくとも一方が延在している
前記(2)記載の表示装置。
(4)
前記角領域には、前記縦取付部材および前記横取付部材の両方が延在しており、
前記角領域における前記縦取付部材と前記横取付部材との境界線は、少なくとも一か所で屈曲している
前記(3)記載の表示装置。
(5)
前記角領域には、前記縦取付部材および前記横取付部材の両方が延在しており、
前記角領域における前記縦取付部材と前記横取付部材との境界線の少なくとも一部は、前記表示パネルの縦辺または横辺に対して傾斜している
前記(3)または(4)記載の表示装置。
(6)
前記透明板の角に、前記縦取付部材および前記横取付部材の両方に固定された連結部品を備えた
前記(2)ないし(5)のいずれか1項に記載の表示装置。
(7)
前記取付部材の外側立ち上り部は、前記表示パネルの側面を覆う外装部材を兼ねている
前記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の表示装置。
(8)
前記取付部材は、幅方向内側の辺から起立する内側立ち上り部を有する
前記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の表示装置。
(9)
前記取付部材は、前記外側立ち上り部の上端および前記内側立ち上り部の上端の間に天井部を有する
前記(8)記載の表示装置。
(10)
前記取付部材は、前記外縁領域の全周にわたって一体に構成されている
前記(1),(2),(8)または(9)のいずれか1項に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0052】
1…表示装置、2…本体部、3…スタンド、10…表示パネル、10A…縦辺、10B…横辺、10C…角、11…駆動基板、12…対向基板、13…光学シート、14…導光板、15…ミドルシャーシ、17…バックシャーシ、20…透明板、20A〜20D…外形線、21…パネル設置領域、22…外縁領域、22A…縦外縁領域、22B…横外縁領域、22C…角領域、30…取付部材、30A,35A…固定部、30B,35B…外側立ち上り部、30C…接着層、30D…幅方向外側の辺、30E…スタッド、31…縦取付部材、32…横取付部材、33A…切欠、33B…入れ子部分、34…境界線、35…連結部品、40…外装部材、50…背面カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルが設けられたパネル設置領域、および前記パネル設置領域を囲む外縁領域を有する透明板と、
前記透明板の外縁領域に貼り合わせられた固定部、および前記固定部の、前記透明板の外形線に隣接する辺から起立する外側立ち上り部を有する取付部材と
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記外縁領域は、
前記表示パネルの縦辺,前記表示パネルの横辺の延長線および前記透明板の外形線によって囲まれた縦外縁領域と、
前記表示パネルの横辺,前記表示パネルの縦辺の延長線および前記透明板の外形線によって囲まれた横外縁領域と、
前記表示パネルの縦辺の延長線,前記表示パネルの横辺の延長線,前記透明板の外形線によって囲まれた角領域と
を有し、
前記取付部材は、前記縦外縁領域または前記横外縁領域を超えて前記角領域に延在している
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記取付部材は、
前記縦外縁領域および前記角領域のうち少なくとも前記縦外縁領域に設けられた縦取付部材と、
前記横外縁領域および前記角領域のうち少なくとも前記横外縁領域に設けられた横取付部材と
を有し、
前記角領域には前記縦取付部材および前記横取付部材のうち少なくとも一方が延在している
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記角領域には、前記縦取付部材および前記横取付部材の両方が延在しており、
前記角領域における前記縦取付部材と前記横取付部材との境界線は、少なくとも一か所で屈曲している
請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記角領域には、前記縦取付部材および前記横取付部材の両方が延在しており、
前記角領域における前記縦取付部材と前記横取付部材との境界線の少なくとも一部は、前記表示パネルの縦辺または横辺に対して傾斜している
請求項3記載の表示装置。
【請求項6】
前記透明板の角に、前記縦取付部材および前記横取付部材の両方に固定された連結部品を備えた
請求項2記載の表示装置。
【請求項7】
前記取付部材の外側立ち上り部は、前記表示パネルの側面を覆う外装部材を兼ねている
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記取付部材は、前記固定部の幅方向内側の辺から起立する内側立ち上り部を有する
請求項1記載の表示装置。
【請求項9】
前記取付部材は、前記外側立ち上り部の上端および前記内側立ち上り部の上端の間に天井部を有する
請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記取付部材は、前記外縁領域の全周にわたって一体に構成されている
請求項1記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−168257(P2012−168257A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27295(P2011−27295)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】