説明

表示装置

【課題】本発明は、衝撃や振動に強く、信頼性の高い表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る表示装置は、第1基板(アレイ基板)1と、第1基板1より、接触強度が弱い第2基板(カラーフィルタ基板)2と、第1基板1と第2基板2に挟持された表示素子(液晶)4とを具備する表示パネル(液晶パネル)100を備える。第2基板2は、第1基板1より、平面視上、内側になるように配設されている。例えば、第1基板と第2基板はガラス基板であり、第2基板の厚みは、第1基板より薄い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。より詳細には、少なくとも一対の対向配置された基板を具備する表示パネルが搭載された表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、見る角度により異なる映像を表示する液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)が、3D−LCDや2画面LCDとして応用されている。3D−LCDは、観察者の左右それぞれの目に異なる視点から見た像を視認させることで視差を与え、立体映像を表示するもので、3次元液晶表示装置とも呼ばれている。一方、2画面LCDは、内容の異なる2種類の映像を観察位置の異なる複数の観察者に対して同時に表示するもので、デュアルビュー液晶とも呼ばれる。
【0003】
これらの液晶表示装置では、表示領域に設けたストライプ状の視差バリアにより、映像の見る角度を分離するのが一般的である。例えば、左眼用映像が表示される左眼用画素と右眼用映像が表示される右眼用画素とが、視差バリアを介して交互に配列されている。視差バリアは、液晶パネルを右方向から観察した場合に、右眼用画素が目視されて、左眼用画素が目視されないように、また、液晶パネルを左方向から観察した場合に、左眼用画素が目視されて、右眼用画素が目視されないように構成されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、鉛直方向に延在する遮光領域と光透過領域とが水平方向に交互に配置されるように、視差バリアは、例えば、液晶パネルのカラーフィルタ基板の観察者側の面に、ストライプ状の遮光膜が被着されている。
【0004】
上述の3D表示や2画面表示が可能な液晶表示装置(以下、両者をまとめて「液晶表示装置」と称する)は、基本的な構成として、液晶パネルと、バックライトユニット等を備える。液晶パネルは、アレイ基板、カラーフィルタ基板、アレイ基板及びカラーフィルタ基板間に封入された液晶を有する。視差バリアは、液晶パネルにおけるアレイ基板及びカラーフィルタ基板の何れかの基板面に対し、近接又は当接して、平行に配置されている。
【0005】
液晶パネルの液晶と視差バリアとの間の距離Lは、以下の関係式(1)が成立する。
<数1> L = nPD/E ・・・(1)
ここで、両視点間距離はE(mm)、液晶パネルのピクセルピッチはP(mm)、観察者と表示面との距離はDであり、液晶パネルの液晶と視差バリアとの間の媒質における屈折率はnである。
【0006】
この液晶表示装置における液晶パネルの液晶と視差バリアとの間の距離Lは、両視点間距離Eが大きいほど小さくなる。特に、中小型の2画面表示装置では、両視点間距離が90cm程度と大きく、観察者と表示面との距離Dは60cm程度、かつ、ピクセルピッチPは100μm程度と小さい。このため、液晶パネルの液晶と視差バリアとの間の媒質をガラス(屈折率1.5)とすると、Lの値は100μm程度と小さくなる。
【0007】
一般の液晶パネルに使用されているガラス基板の厚さは、0.6mm程度である。従って、一般的な液晶パネルの厚さは約1.2mmとなる。このような厚さの液晶パネルを用いて、例えば、上記L=100μmの厚みを有する液晶表示装置を作製する場合、液晶パネルの一方の基板を研磨ないしエッチングして、100μmの厚みとする必要がある。さらに、その後、薄型化した基板の外側に視差バリアを形成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−119889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、液晶パネルの片側のみにおいて、基板の厚さが薄くなると、ガラス基板が薄いほど端面強度が弱くなる。その結果、液晶パネル端面が物体と接触した際に薄い側のガラスが割れやすくなる。液晶パネルをモジュールに組み込んだ状態でも、振動や衝撃が加わると、パネル端面がフレームなどの近接部材と接触して薄い側のガラス基板に割れが生じてしまう。
【0010】
なお、上記においては、3D−LCDや2画面LCDの液晶表示装置における問題点について述べたが、対向配置される一対の基板を具備する表示装置において、一方の基板厚が薄い場合に、同様の課題が生じ得る。さらに、基板強度が異なる基板を対向配置させる場合に、同様の課題が生じ得る。
【0011】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、衝撃や振動に強く、信頼性の高い表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の態様の表示装置は、第1基板と、前記第1基板より、接触強度が弱い第2基板と、前記第1基板と前記第2基板に挟持された表示素子とを具備する表示パネルを備え、前記第2基板は、前記第1基板より、平面視上、内側になるように配設されているものである。
【0013】
本発明に係る第2の態様の表示装置は、第1基板と、前記第1基板より、接触強度が弱い第2基板と、前記第1基板と前記第2基板に挟持された表示素子とを具備する表示パネルを備える。前記第1基板と前記第2基板の間隙の周縁領域に、前記表示素子を注入するための注入口を有するシール材が形成されている。前記第2基板は、前記注入口が形成された辺以外は、前記第1基板より、平面視上、内側になるように配設されており、前記注入口が形成された辺は、前記第1基板の端面と前記第2基板の端面が、平面視上、実質的に同じ位置となるように配設されている。また、前記注入口から、当該注入口が形成された辺に亘って、注入口封止材を用いて封止されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、衝撃や振動に強く、信頼性の高い表示装置を提供することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】第1実施形態の液晶表示パネルの模式的平面図。
【図1B】図1のIB−IB切断部断面図。
【図2】第2実施形態の液晶表示パネルの模式的断面図。
【図3】第3実施形態の液晶表示装置の平面図。
【図4】第4実施形態の液晶表示装置の平面図。
【図5】第5実施形態の液晶表示装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る表示装置を適用した実施形態の一例について説明する。なお、以降の図は、模式的なものであって、各構成要素のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは異なる。また、表示画素パターンや膜構成の図示も省略している。
【0017】
[第1実施形態]
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置に搭載される液晶パネルの一例を説明するための概略図であり、より具体的には、液晶パネルと視差バリア全体を示した概略平面図である。図1Bは、図1AのIB−IB線における切断部断面図である。第1実施形態では、TFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)をスイッチング素子に用いて動作されるアクティブマトリクス型の液晶表示装置について説明する。
【0018】
液晶パネル100は、図1A及び図1Bに示す様に、スイッチング素子が配置される第1基板たるアレイ基板1と、アレイ基板1と対向配置され、画像を表示する表示面を有する第2基板たるカラーフィルタ基板2を有する。また、液晶パネル100は、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2との間の表示面に対応する領域を囲う様に配置され、両基板を貼り合わせる樹脂からなるシール材5と、このシール材5により囲まれて、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2との間の表示面に対応する領域に封止された表示素子たる液晶4を具備する。
【0019】
アレイ基板1の表示面に対応する領域には、透明基板であるガラス基板の一方の面において、液晶を配向させる配向膜、配向膜の下部に設けられて液晶を駆動する電圧を印加する画素電極を有する。また、画素電極に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子、スイッチング素子を覆う絶縁膜、スイッチング素子に信号を供給する配線であるゲート配線及びソース配線なども具備する。
【0020】
アレイ基板1の表示面に対応する領域外には、スイッチング素子に供給する信号を外部から受け入れる端子8、この端子8から入力された信号を対向電極に伝達するためのトランスファ電極(不図示)などが設けられている。また、アレイ基板1の外側主面には第1偏光板6が配設されている。第1偏光板6は、アレイ基板1と略同一のサイズのものが、アレイ基板1上に重なり合うように配設されている。
【0021】
カラーフィルタ基板2は、透明基板であるガラス基板の一方の面に液晶を配向させる配向膜、配向膜の下部に配置され、アレイ基板上の画素電極との間に電界を生じさせて液晶を駆動する共通電極、共通電極下部に設けられるカラーフィルタ及び遮光層などを有している。さらに、カラーフィルタ基板2の他の主面には、ストライプ状の遮光膜からなる視差バリア3が形成されており、さらにその外側に第2偏光板7が配設されている。第2偏光板7は、カラーフィルタ基板と略同一サイズのものが、カラーフィルタ基板2上に重なり合うように配設されている。
【0022】
アレイ基板1とカラーフィルタ基板2は、シール材5及び基板間の距離を一定の距離に保持するスペーサ(不図示)を介して貼り合わされている。スペーサとしては、基板上に散布された粒状のスペーサを用いてもよいし、何れか一方の基板上に樹脂をパターニングして形成された柱状のスペーサを用いてもよい。さらに、トランスファ電極と共通電極は、トランスファ材(不図示)により電気的に接続されており、端子から入力された信号が共通電極に伝達される。液晶パネル100は、上述の構成部材の他、駆動信号を発生する駆動用IC(Integrated Circuit)などを装備した制御基板、制御基板を端子に電気的に接続するFFC(Flexible Flat Cable)等を具備する。
【0023】
液晶表示装置は、上記のように構成された液晶パネル100と、光源となるバックライトユニット等が筐体内に収納されている。バックライトユニットは、通常、表示面の反対側に配置されている。液晶パネル100の表示面は、筐体内から視認可能なように収納されている。
【0024】
次に、上記液晶パネル100を具備する液晶表示装置の動作について説明する。制御基板(不図示)から電気信号が入力されると、画素電極及び共通電極に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光がアレイ基板1、液晶4及びカラーフィルタ基板2を介して観察者側に透過、或いは遮断されることにより、液晶パネル100の表示面に映像などが表示される。
【0025】
なお、液晶パネル100は、一例であり他の構成でもよい。液晶パネル100の動作モードは、TN(Twisted Nematic)モードや、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、強誘電性液晶モードなどでもよい。また、駆動方法は、アクティブマトリックスに代えて単純マトリックスなどとしてもよい。また、カラーフィルタ基板2に設けた共通電極をスイッチング素子基板側に設置して、画素電極との間に横方向に液晶に対して電界をかける横電界方式を用いたIPS(In‐Plane Swithcing)モードの液晶パネルでもよい。
【0026】
さらに、シール材5中に導電性の粒子などを混合し、シール材にトランスファ材の機能を担わせることによって、トランスファ材を省略することも可能である。また、駆動用ICを端子8に対して、制御基板に載せた状態で接続した例を説明したが、端子8上に駆動用ICの端子を接触するように配置してもよい。
【0027】
次に、第1実施形態における液晶パネル100の製造方法について説明する。アレイ基板1及びカラーフィルタ基板2の製造方法については一般的な方法を用いるため、簡単に説明する。
【0028】
アレイ基板1は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子や画素電極、端子8、トランスファ電極を形成することにより製造される。カラーフィルタ基板2は、ガラス基板の一方の面にカラーフィルタや共通電極を形成することにより製造される。
【0029】
次に、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2を貼り合せるまでの工程について説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極が形成されているアレイ基板1を洗浄する。次に、配向膜材料塗布工程において、アレイ基板1の一方の面に、例えば印刷法により配向膜の材料となるポリイミドからなる有機膜を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理を行い、乾燥させる。その後、配向膜材料の塗布されたアレイ基板1に対して配向処理を行い、配向膜を形成する。また、共通電極が形成されているカラーフィルタ基板2についても、洗浄、有機膜の塗布、及び配向処理を行うことにより配向膜を形成する。続いて、シール材を形成するシール材塗布工程において、アレイ基板1或いはカラーフィルタ基板2の一方の面にシール材5となる樹脂の塗布処理を行う。また、シール材5には、例えばエポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いる。
【0030】
以上の工程等を経て製造されたアレイ基板1とカラーフィルタ基板2を互いに対向するよう配置し、各々の基板に形成されたパネルの画素が其々対応する様に位置合わせされて貼り合わされる。以上の様に貼り合わされたアレイ基板1とカラーフィルタ基板2に対して、シール材5の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシール材5の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。
【0031】
続いて、第1実施形態において特徴的な工程について説明する。まず、3D表示や2画面表示が可能となるように、カラーフィルタ基板2を削る薄型化研磨工程を行う。この工程は、例えば薬液を用いた化学研磨や研磨材により擦る物理研磨によりガラス基板2の表面を削ることにより行われる。第1実施形態においては、薬液を用いた化学研磨により、カラーフィルタ基板2の厚さをいずれも0.1mmとした。次に、薄型化したカラーフィルタ基板2の外側の面に、ストライプ状の遮光膜からなる視差バリア3を形成する。遮光膜材料としては、金属やカーボンブラックを混入した樹脂などを用い、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程により製造される。
【0032】
次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を個々の液晶パネル100に対応する個別セルに分断する。3D映像表示装置や2画面液晶表示装置に使われる液晶表示パネル100に限らず、従来の液晶表示パネルにおいては、外部から液晶を駆動するための端子8が形成された辺以外ではアレイ基板1とカラーフィルタ基板2の外形が同じになっている。これに対し、第1実施形態の液晶表示パネル100においては、カラーフィルタ基板の端面をアレイ基板1の端面より内側になるように配設している。換言すると、カラーフィルタ基板2のサイズよりもアレイ基板1のサイズを大きくし、アレイ基板1が、平面視上においてカラーフィルタ基板2よりも全ての辺において、突出するように配設している。
【0033】
カラーフィルタ基板2の端面をアレイ基板1の端面より内側になるように配設することによって、液晶パネル100の端面が他の物体に接触しても薄型化されたガラス基板を具備するカラーフィルタ基板2が、直接、他の物体と接触することがなくなる。従って、薄型化したカラーフィルタ基板2が割れたり、ひびが入ったりすることを防ぐことができる。その結果、液晶パネルの信頼性を向上させることができる。また、液晶表示装置の組み立て工程中などの製造工程中に、カラーフィルタ基板2が破損したりすることを防止して、歩留まりを高めることができる。
【0034】
セル分断工程後、真空中で液晶注入口から液晶を注入する液晶注入工程が設けられる。さらに、封止工程において、例えば光硬化型樹脂を液晶注入口部に塗布し、光を照射することにより液晶注入口の封止が行われる。
【0035】
続いて、偏光板貼り付け工程において、アレイ基板1及びカラーフィルタ基板2の外側に偏光板を貼り付ける。続いて、制御基板実装工程において、制御基板を実装することで液晶パネル100が完成する。最後に液晶パネル100やバックライトユニットを筐体内に組み込み保持することによって、3D表示や2画面表示が可能な液晶表示装置が完成する。
【0036】
第1実施形態に係る液晶表示装置によれば、液晶パネル100の端面に他の物体が接触しても、カラーフィルタ基板2を構成する薄型化したガラス基板の端面にその物体が直接的に接触することがなくなる。その結果、カラーフィルタ基板2を構成する薄型化したガラス基板の破損を効果的に防止することができる。
【0037】
従来の液晶表示装置においては、液晶パネル100をモジュールに組み込んだ状態において、振動や衝撃が加わると、液晶パネル端面がフレームなどと接触して薄型化したガラスに割れが生じてしまっていた。一方、第1実施形態に係る液晶表示装置によれば、液晶表示装置に、振動や衝撃が加わっても、液晶パネル内の薄型化したガラス基板の端面が、液晶パネルを収容するフレームなどの近接部材と接触しない。その結果、カラーフィルタ基板2を構成する薄型化したガラス基板の破損を効果的に防止することができる。
【0038】
また、第1実施形態に係る液晶表示装置によれば、処理工程などが増加することなく、コスト増加も発生しないという優れたメリットがある。
【0039】
また、第1実施形態に係る液晶表示装置によれば、第2偏光板7をカラーフィルタ基板2と実質的に同一のサイズとし、平面視上、重なるように第2偏光板7を配設しているので、外部からの物体が、直接、第2偏光板7に接触することがなく、剥がれなどの不具合を防止することができる。
【0040】
なお、第1実施形態では視差バリア3をカラーフィルタ基板2の観察者側に設ける構成としたが、アレイ基板1を薄型化してアレイ基板1の反観察者側に視差バリアを設置してもよい。
【0041】
[第2実施形態]
次に、上記実施形態とは異なる液晶表示装置の一例について説明する。なお、以降の説明において、上記実施形態と同一の要素部材には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0042】
第2実施形態に係る液晶表示装置は、以下の点を除く基本的な構造、及び製造方法が上記第1実施形態と同様である。すなわち、第2実施形態においては、第2偏光板の大きさが、カラーフィルタ基板より平面視上において大きい点、上記第1実施形態とは異なっている。
【0043】
図2に、第2実施形態に係る液晶パネルの断面図を示す。第2実施形態に係る第2偏光板7aは、そのサイズが、カラーフィルタ基板2のサイズよりも大きい。そして、平面視上、第2偏光板7aが、カラーフィルタ基板2よりも全ての辺において外側に突出している。但し、平面視上、第2偏光板7aは、アレイ基板1よりも全ての辺において内側に収まるように配設されている。
【0044】
第2実施形態によれば、カラーフィルタ基板2と第2偏光板7aを上記構成とすることにより、上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、液晶パネル100aの斜め上方向から物体が接触した場合においても、第2偏光板7aにおけるカラーフィルタ基板2よりも外側に突出する部分が接触し、物体が直接的に薄型化されたカラーフィルタ基板2に接触しない。従って、第2偏光板7aにおける突出する部分が緩衝作用を発揮し、斜め上方向からの接触に対しても、ガラス基板が割れることを防ぐことができる。また、アレイ基板1よりカラーフィルタ基板2に配設された第2偏光板7aが内側になるようにしているので、第2偏光板7aが物体に直接接触し難くすることができ、剥がれなどの不具合を防止することができる。
【0045】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る液晶表示装置は、以下の点を除く基本的な構造、及び製造方法が、上記第1実施形態と同様である。すなわち、第3実施形態においては、滴下注入方式を採用している点、真空中で液晶を注入する方式を採用している第1実施形態と相違する。また、端子の配設位置が第1実施形態と異なっている。
【0046】
図3に、第3実施形態に係る液晶パネルの断面図を示す。第3実施形態に係る液晶パネル100bは、端子8bがアレイ基板1bの一短辺近傍に配置されている。また、液晶表示パネル100bは、いわゆる滴下注入方式によりシール材5bに注入口を設けない閉ループ形状のシール材5bが形成されている。
【0047】
薄型化したカラーフィルタ基板2bは、4辺全てにおいて、厚いガラス基板により形成されるアレイ基板1bの外形よりも、平面視において内側になるように配置されている。換言すると、アレイ基板1bがカラーフィルタ基板2bよりも平面視において突出するように配設されている。
【0048】
第3実施形態に係る液晶パネルによれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、第3実施形態に係る液晶パネルにおいては、滴下注入方式を採用しているので、上記第1実施形態に比して、液晶注入不良や封止不良の発生をより効果的に防止することができる。
【0049】
[第4実施形態]
第4実施形態に係る液晶表示装置は、以下の特徴点を除く基本的な構造、及び製造方法が上記第1実施形態と同様である。第4実施形態は、注入口封止材が、液晶注入口のみならず、液晶注入口が設けられたアレイ基板とカラーフィルタ基板の一辺の側壁の概略全体に亘って封止されている点に特徴がある。また、第4実施形態は、液晶注入口が設けられたアレイ基板とカラーフィルタ基板の辺は、平面視上、同一位置で2つの基板が切断されている点に特徴がある。
【0050】
図4に、第4実施形態に係る液晶パネルの断面図を示す。第4実施形態に係る液晶パネル100cは、液晶注入口10から液晶注入口10が設けられている辺の端面全体に亘って、注入口封止材9により封止されている。
【0051】
第4実施形態によれば、液晶注入口10の設けられる以外の3辺において、カラーフィルタ基板2cが平面視上、アレイ基板1cより内側になるように配設されている。従って、当該3辺において、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、第4実施形態によれば、液晶注入口10が設けられた1辺において、当該辺の概略全域に亘って注入口封止材9により封止されている。従って、液晶注入口10が設けられた1辺において、薄型化されたガラス端面を補強することができる。従って、当該辺の端面に物体が接触しても、薄型化されたガラス端面が割れたりして破損することを効果的に防止することができる。
【0053】
また、第4実施形態によれば、液晶注入口10が設けられた1辺を、平面視上、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2が実質的に同じ位置となるようにカットしているので、第1実施形態に比して液晶注入不良や封止不良の発生をより効果的に防止することができる。
【0054】
[第5実施形態]
図5に、第5実施形態に係る液晶パネルの断面図を示す。第5実施形態に係る液晶パネル200は、第1液晶パネル20と、視差バリア形成用液晶パネルである第2液晶パネル30を備える。第1液晶パネル20は、アレイ基板11、カラーフィルタ基板12、画像表示液晶14、シール材15、第1偏光板16等からなる。液晶パネル20は、カラーフィルタ基板12、視差バリア表示液晶13、シール材15、第2偏光板17、視差バリア表示基板18等からなる。カラーフィルタ基板12は、第1液晶パネル20、第2液晶パネル30において共通の基板として利用されている。また、第1液晶パネル20と第2液晶パネル20において、一対の偏光板が配設されている。
【0055】
カラーフィルタ基板12と視差バリア表示基板18により挟持された視差バリア表示液晶13は、ストライプ状の遮光膜の代わりに設けられたものであり、ストライプ状の黒色画像を形成する。
【0056】
第5実施形態に係る液晶表示装置によれば、カラーフィルタ基板12をアレイ基板11及び視差バリア表示基板18の外形サイズより小さくし、平面視上においてカラーフィルタ基板12が、アレイ基板11及び視差バリア表示基板18の内側に配設されるようにしているので、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、上記構成にすることで、液晶パネル200の斜め上から物体が接触するような場合でも、物体がカラーフィルタ基板12を構成する薄型化されたガラス基板に直接的に接触することがない。その結果、ガラスが割れたり、ひびが入ったりすることを防げる。なお、第5実施形態においては、カラーフィルタ基板12を構成する薄型化されたガラス基板を1枚とする例を挙げたが、2枚の薄型化されたガラス基板を貼り合せてもよい。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記実施形態においては、3D−LCDや2画面LCD用途の液晶表示装置について説明したが、本願発明は、液晶表示装置全般に適用することができる。また、本願発明は、液晶表示装置のみならず、有機EL表示装置等の平面型表示装置(フラットパネルディスプレイ)全般に適用することができる。
【0059】
また、上記実施形態においては、第1基板としてアレイ基板の例を、第2基板としてカラーフィルタ基板の例を挙げたが、例示的なものであって、これに限定されるものではない。また、第1基板、第2基板を構成する基板として、ガラスを用いる例を挙げたが、これに限定されず、プラスチック等の材質にも本願発明を適用することができる。さらに、第2基板が第1基板よりも強度が弱い例として、第2基板の厚みが薄い例を挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、材質の特性上、第1基板より第2基板の方が、接触強度(外部の物体等と接触した場合の強度)が弱い場合についても、本発明を好適に適用することができる。また、上記実施形態においては、端子8がアレイ基板1の一辺近傍にのみ設けられた例について説明したが、2辺に亘って端子8を設けてもよい。また、上記実施形態以外の構成要素をアレイ基板端部に設けてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、11 アレイ基板
2、12 カラーフィルタ基板
3 視差バリア
4 液晶
5、15 シール材
6、16 第1偏光板
7、17 第2偏光板
8 端子
9 注入口封止材
10 液晶注入口
13 視差バリア表示液晶
14 画像表示液晶
18 視差バリア表示基板
20 第1液晶パネル
30 第2液晶パネル
100、200 液晶表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板より、接触強度が弱い第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板に挟持された表示素子とを具備する表示パネルを備え、
前記第2基板は、前記第1基板より、平面視上、内側になるように配設されている表示装置。
【請求項2】
前記第2基板は、前記第1基板より厚みの薄いガラス基板が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、前記第1基板と前記第2基板の外側主面には、偏光板が配設されており、
前記第2基板の外側主面の偏光板は、平面視上、前記第2基板より外側に突出するように配設され、かつ、前記第1基板より内側になるように配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板と前記第2基板の間隙の周縁領域に、閉ループ形状のシール材が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2基板上に、視差バリアを形成可能な視差バリア形成用液晶パネルが設置されており、
前記視差バリア形成用液晶パネルを構成する基板のうち、前記表示パネルから離間した位置に配置される基板は、前記第2基板よりも接触強度が強く、かつ、平面視上、外側に配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
第1基板と、
前記第1基板より、接触強度が弱い第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板に挟持された表示素子とを具備する表示パネルを備え、
前記第1基板と前記第2基板の間隙の周縁領域に、前記表示素子を注入するための注入口を有するシール材が形成されており、
前記第2基板は、前記注入口が形成された辺以外は、前記第1基板より、平面視上、内側になるように配設されており、かつ、
前記注入口が形成された辺は、前記第1基板の端面と前記第2基板の端面が、平面視上、実質的に同じ位置となるように配設されており、
前記注入口から、当該注入口が形成された辺に亘って、注入口封止材を用いて封止されている表示装置。
【請求項7】
前記第2基板は、前記第1基板より厚みの薄いガラスであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、前記第1基板と前記第2基板の外側主面には、偏光板が配設されており、
前記第2基板の外側主面の偏光板は、平面視上、前記第2基板より外側に突出するように配設され、前記第1基板より内側になるように配設されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の表示装置。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−93530(P2012−93530A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240494(P2010−240494)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】