説明

表記反転変り玩具

【課題】 従来のケース内から人形の手が上に出るものやスライド基板の事物に色彩が加わるもので見た目の変化だけによる弱い印象を、立体的に表記物を動かし、その動きと一緒に音が出る表記変り玩具を提供する。
【解決手段】 厚さの薄い箱状としたケースとそのケース内を上下に移動する移動板とを形成して移動板の上側に折り曲げ部によってくびれた掛止部と反転部とを設る。
ケースには、上側に掛止部より反転部がケースの外に出る受け孔を設けて下端には挿入線のある折り込み片を設け、摘み部を挿入線に挿入して上下の移動を安定させている。
この摘み部を動かすことによって掛止部と受け孔とが回動軸の働きをするので反転部が反転し、移動板の折り曲げ部より下向きの舌片を設けたものはケースの裏面に切り抜いた細窓と接触して音を出すものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッチ箱の外箱のように上下が開口状態で厚さの薄い箱状としたケース内で移動板を移動させることによって、ケース面の表記と反転部にある表記とで変化を見せることや変化と一緒に音が出るようにしたものの表記反転変り玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、厚さの薄い箱状としたケース内に上下に移動させる移動板をケースの開口部から出し入れ自在に収納し、ケース内から移動板を飛び出させると同時に人形が手を上げて出てくる特許文献1で示すアクセサリー型飛び出し玩具があった。
【0003】
また、スライド部材をケース部材に対してスライドすることにより、ケース部材に設けた透明シートの事物の輪郭側とスライド基板の事物の色彩等が加わったもの側とによる変化を見て楽しむ特許文献2で示すものがあった。
【0004】
【特許文献1】実開昭58−28691号公報
【特許文献2】特開2000−254361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の特許文献1においては、飛び出る人形の動きの変化を見せるもので、強い印象を与えることが強いものではなかった。
【0006】
また、特許文献2においては、重ね合わせによる事物の色彩等を変化させることによる見て楽しむもので、これも強い印象を与えることが弱いものであった。
【0007】
そこで、この発明は、見た目の変化だけによる弱い印象を、表記部分の反転による大きな変化や音を一緒に出すことによって、今まで以上に強い印象として与えることが出来る玩具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を達成するために、マッチ箱の外箱のように上下が開口状態で厚さの薄い箱状としたケース1とそのケース1内を上下に移動する移動板2とを形成し、その移動板2の下端を摘み部3として上側部分には折り曲げ部4より上に絵、文字、数字や数式等を表記した反転部5を形成する。
【0009】
この反転部5の折り曲げ部4寄りにはくびれた掛止部6を形成し、ケース1の外側には反転部5が出る状態になる受け孔7をケース1に設け、掛止部6と反転部5の受け孔7とが回動軸の働きになるようにかかわり合せた状態にして、移動板2の摘み部3を上下に動かすことによってケース1の外側に出ている反転部5が受け孔7を支点として上下に反転して表記の裏表が大きく変るものとしている。
【0010】
また、ケース1内を上下に移動する移動板2の折り曲げ部4より切り線8によって摘み部3側に向いた舌片9を形成し、反転部5が外側に出している面とは反対側のケース面で舌片9が上下に移動する位置に横長に切り抜いた細窓10を少なくとも1個設けたものとしている。
【0011】
この移動板2の摘み部3を上に押し動かすと反転部5は受け孔7を軸にして折り曲げ部4が上に押されることになって反転部5が下側に裏返され、そのとき舌片9は反転部5と一つの面として同時に動くので、舌片9は細窓10と接触して動きながら開いた細窓10の切断面に打ちあたることで音を発生することになるものであり、このときには、くびれた掛止部6を軸にして反転部5の表面と裏面との絵、文字、数字や数式等が反転することになる。
【0012】
また、摘み部3を下に引き動かすと折り曲げ部4が受け孔7より下に引き下げられるので反転部5が上側に移動し、反転部5の裏面が反転して表面に変わることになると同時に、舌片9も細窓10と接触して動きながら舌片9が開いた細窓10の切断面に打ちあたることになるので、摘み部3を下に引き動かしても音を発生させることができるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に関する表記反転変り玩具は、移動板を動かしたときに反転部の表面と裏面との絵、文字、数字や数式等が反転する見た目での変化が大きいものであり、また、舌片を設けたものは反転部が反転すると同時に、舌片と細窓とが接触して動いて舌片が開いた細窓の切断面を打つことによって音が発生することから、耳からの聴覚と目からの感触との絵と音とを連動させることが出来て強い印象を与えて、面白さや楽しみをも与える効果がある。
【0014】
また、細窓と移動板との移動変化を動画絵にして裏面から楽しめるものにすることができ、その他にも本発明に関する表記反転変り玩具は、大量生産ができるのでダイレクトメールや雑誌の付録などとして広く使うことができ、パッケージや楽器の形状など様々な形状としても使えことができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、実施例を図面にもとづいて説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明に係わる実施例の一つとしては、マッチ箱の外箱のように上下が開口状態で厚さの薄い箱状としたケース1とそのケース1内を上下に移動する移動板2とを設けているもので、図で示すと図1はケース1を示す斜視図であり、図2はケース1内を移動する移動板2を示す平面図で、図3はケース1内に移動板2を装着した状態を示す斜視図である。
【0017】
ケース1と移動板2との素材は紙質やプラスチック等の薄板で良く、ケース1の表面上側には移動板2を挿入する幅に切り線が設けられており、その切り線には細長く切り抜いた受け孔7を設けている。
【0018】
また、ケース1の下側には切り抜いた角窓を設け、下端には折り込み片11を連接し、その折曲げ線の中央に摘み部3を挿入させる挿入線12を切ったものとしている。
【0019】
この挿入線は移動板2が安定して上下に移動するためのものであり、ケース1の下側に設けた四角い角窓13は移動板2に表記されたメッセージ等が摘み部3の上下の動きにともなっての変化を見るものとしている。
【0020】
図2に示す移動板2は、移動板2の下端を摘み部3として上側部分には折り曲げ部4より上に絵、文字、数字や数式等を表記した反転部5を形成し、この反転部5の折り曲げ部4寄りにはくびれた掛止部6を形成していて、ケース1の外側に反転部5が出る状態に受け孔7とくびれた掛止部6とは回動軸の働きになるようにかかわり合せた状態にしするものである。
【0021】
図3に示すものは、ケース1内に移動板2を装着した状態を示すもので、ケース1内より外側に出ている反転部5が下側に向いている状態であって、その反転部5の面には掛け算の問題が表記されているもので、摘み部3を下に引くと反転部5が上側に向いて表面が反転することで、下向きであった反転部5が覆っていたケース1の表面に表記した掛け算の答えが現われる仕組みになっているものである。
【0022】
ケース1の形状は、図1に示す形状の他に、円形、四角形、五角形や具象形等とすることが考えられるもので、反転部5の形状においても円形、四角形、五角形や具象形等とすることが考えられるものである。
【0023】
実施例の一つである表記反転変り玩具の取扱いは、摘み部3を下に引いたり上に押したりすることで移動板2の折り曲げ部4を上下に動かし、反転部5が受け孔7を軸として反転部5の表と裏とに反転させて、表記の変化と反転部5の下になる表記の見え隠れの変化とを、バタバタさせながら見て楽しむことができ、掛け算や漢字の読み書き問題を表記すること等が考えられるものである。
【実施例2】
【0024】
本発明に係わる他の実施例としては、図4に示すように、ケース1内を上下に移動する移動板2の折り曲げ部4より切り線8によって摘み部3側に向いた舌片9を設けることが考えられ、掛止部6からの舌片9の長さをケース1の内側の高さよりも長いものとするものが良く、短いものでは細窓10との接触が出来なくなり音も出ないものと成る。
【0025】
舌片9を設けた移動板2を装着するケース1には、図5に示すように、受け窓7と対向する反対側のケース1の裏面に横長に切り抜いた細窓10を3個設けたものとし、舌片9が上下に移動して横長に切り抜いた細窓10と接触するものとしている。
【0026】
この舌片9を設け移動板2をケース1に装着した表記反転変り玩具の取扱いは、摘み部3を下に引いたり上に押したりすることで移動板2の折り曲げ部4を上下に動かすことになり、折り曲げ部4より設けている舌片9が反転部5と一緒になって下向きに立ち上がり、ケース1の裏面に設た3個の細窓10と接触しながら上下に動くことによって舌片9が開いた細窓10の切断面に打ちあたることになって音を発生することになる。
【0027】
細窓10の形状は直線状の他に曲線状や凸凹状等自由であり、舌片9の形状も様々な形状が考えられてその音色も影響するものと思われるもので、その他の音色に関係するものとしては素材が考えられ、ケース1の上下が開口状態としていることは音を増幅する効果が高いものである。
【0028】
格子状になっている細窓10は、音を出す他に、細窓10から覗き見ることができる移動板2の面を利用して、格子越しに動かすときの動画を移動板2の面に表記することが考えられるもので、、細窓10の数は3個以上設けても良くその数は自由である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の厚さの薄い箱状としたケースを示す斜視図である。
【図2】本発明の移動板を示す平面図である。
【図3】ケースに移動板を挿入した状態を示す斜視図である。
【図4】折り曲げ部より舌片を設けた移動板を示す平面図である。
【図5】横長に切り抜いた細窓を設けたケースの裏面を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ケース
2 移動板
3 摘み部
4 折り曲げ部
5 反転部
6 掛止部
7 受け孔
8 切り線
9 舌片
10 細窓
11 折り込み片
12 挿入線
13 角窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッチ箱の外箱のように上下が開口状態で厚さの薄い箱状としたケース1とそのケース1内を上下に移動する移動板2とを形成し、その移動板2の下端を摘み部3として上側部分には折り曲げ部4より上に絵、文字、数字や数式等を表記した反転部5を設け、その反転部5の折り曲げ部4寄りにくびれた掛止部6を形成してケース1の外側に反転部5が出る状態になる受け孔7をケース1に設け、掛止部6と受け孔7とが回動軸の働きをすることでケース1面の表記と反転部5の表記とが隠れたり現われたりする変化を特徴とした表記反転変り玩具。
【請求項2】
ケース1内を上下に移動する移動板2の折り曲げ部4より切り線8によって摘み部3側に向いた舌片9を形成し、反転部5が外側に出ている面とは反対側のケース面で舌片9が上下に移動する位置に、横長に切り抜いた細窓10を少なくとも1個設けて舌片9が開いた細窓10の切断面に打ち当たることを特徴とする請求項1記載の表記反転変り玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−159605(P2007−159605A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355752(P2005−355752)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(503440945)株式会社紙宇宙 (3)
【Fターム(参考)】