説明

表面の構造が特異な白焼きパンの製造法

【課題】本発明は、白焼きでありながら表面の極薄い層は硬く、中は軟らかいパンを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明により、配合中の全小麦粉に対する還元糖の割合が10重量%以下であり、さらに焼成時間が6分以上20分以下とし、型焼きすることで、表面の構造が特異な白焼きパンの製造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の構造が特異な白焼きパンの製造法に関し、さらに詳しくは短時間型焼きすることによって得られる、表面の極薄い層が硬く、中は軟らかい白焼きパンの製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パンなどの褐色の焼き色は主にメイラード反応と呼ばれるタンパク質などのアミノ基と還元糖などのカルボニル基との間で起こる反応によるものである。最近の市場において定番商品となった白焼きパンは、焼き色をつけずに白く焼き上げたパンであり、糖を糖アルコール等に置き換えて使用するなど、焼成中にメイラード反応を起こす原材料は極力配合を抑えて焼き色を制御している。
【0003】
例えば、クラストの着色と硬さを抑えることで、クラスト部を除去せずにそのままサンドイッチに適したパンを提供する方法があり、具体的には、発酵性糖類を対小麦粉で2重量%以上3重量%以下と非発酵性でメイラード反応等を発生しない高糖化還元糖類を対小麦粉で1重量%以上5重量%以下を配合し、温度一定のオーブンで170℃以上190℃以下の温度で焼成する方法(特許文献1)が考案されている。
【0004】
また、パン生地に配合する糖類の量を最終醗酵が終わるまでに資化される程度とし、かつ、醗酵により資化されることのない糖アルコールを使用したサンドイッチ用パンの製造方法(特許文献2)、パン生地に配合する砂糖の量をイーストの醗酵に必要な必要量相当にとどめ且つ所定の甘味を出すための強甘味成分(ステビオサイドなど)をパン生地に配合するパンの製造方法(特許文献3)、1〜6%の醗酵性糖類および非醗酵性糖類(1%〜10%の糖アルコールおよび/またはステビア甘味料)を添加した白色系パン生地の製造方法(特許文献4)、小麦粉100重量部に対し糖アルコール2〜30重量部および乳蛋白質0.02〜0.5重量部を添加する白色パンの製法(特許文献5)、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチンおよびアリテームなどから選ばれる少なくとも1種を含み、焼成を140〜210℃で行うことを特徴とする焼き色が薄く調製されたパン(特許文献6、特許文献7)、も開示されている。
【0005】
また、メイラード反応が進まないよう加熱を弱くすることが多い。また、容器を2重にすることで加熱を緩やかにする方法(特許文献8)もある。ただ従来の技術では、白焼きであるが故に全体的に軟らかい食感になっており、白焼きパンにおいて表面に硬いクラストがあるものはむしろ避けられていた。
トレハロースについては、ソフトな焼き色が得られる効果(特許文献9)が知られているが、トレハロース自体が加熱褐変しない性質を利用して焼き色をソフトに仕上げる効果であり、新規な食感を提供するわけではない。
【0006】
【特許文献1】特開平8−107753号公報
【特許文献2】特開平2−117340号公報
【特許文献3】特開昭62−166829号公報
【特許文献4】特開2001−45962号公報
【特許文献5】特開2003−102366号公報
【特許文献6】特開2002−199840号公報
【特許文献7】特開2002−233299号公報
【特許文献8】特開2006−166772号公報
【特許文献9】特開2002−345392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の方法では、クラストをクラムと比べて違和感のない硬さにまで柔らかく仕上げることを目的としており、サンドイッチ用食パン類のように、クラスト部をわざわざ除去して食するパン類の場合には利点となる。しかし、通常のパン類のように、外側の食感と内側の食感との差異を味わい食するものには適さなかった。
【0008】
白焼きパンは前述のとおり近年人気がある。しかし、市場からはさらに多岐のバラエティに富んだ、新規な食感や形状の白焼きパンが求められている。
【0009】
そこで、本発明は、白焼きでありながら表面の極薄い層は硬く、中は軟らかいパンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、特定の割合の還元糖を含むパン生地を、特定の条件で焼成することにより、目的とする食感を持つパンを製造することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明の第1は、還元糖を配合中全小麦粉に対して10重量%以下含有するパン生地を、220℃以下150℃以上で6〜20分の型焼き焼成することを特徴とする白焼きパン製造法である。第2は、上記パン生地が、蛋白質を配合中全小麦粉に対して15重量%以下含有する第1記載の白焼きパン製造法である。第3は、焼成前の生地重量が1個あたり 25g〜100gである第1ないし第2記載の白焼きパン製造法である。第4は、フィリングを含む第1〜第3いずれか1項記載の白焼きパン製造法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、白焼きでありながら表面の極薄い層は硬く、中は軟らかいパンを提供することが可能になった。即ち、白焼きでありながら通常のパン類のように、外側の食感と内側の食感との差異を味わい食することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
パン生地の製法については、直捏法、中種法、湯種法等、公知の方法を使用することが出来る。例として本発明のパン生地調整方法は、油脂以外の成分を混捏した生地を調製し、さらに油脂を加え混捏し本捏生地を作る。次に、混捏した生地を醗酵させるためにフロアタイムをとり、その後、パン生地を分割する。さらに、分割した生地を回復させるためにベンチタイムをとる。型に入れホイロをとり、望ましくは、全方向を型に接触させるため上から天板を乗せオーブンで焼成する。
【0014】
パン生地の配合において糖類は、焼き色を抑えるために、還元糖の配合中全小麦粉に対する割合を10重量%以下にする必要があり、さらに望ましくは5重量%以下、最も望ましくは0重量%とすることが好ましい。
ここで還元糖とは還元基(アルデヒド基、ケトン基)を持つ糖のことであり、主な還元糖としてはブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、キシロ−ス、ガラクト−ス等が挙げられる。
一方でパン類において糖類はイーストが醗酵する上で欠かせないものであり、パンの膨化やきめの細かい内部構造を発現させるためにはパン類の種類にもよるが配合する必要がある場合がある。その場合は還元糖ではなく非還元糖を用いることが望ましい。
非還元糖とは還元基をもたない糖のことであり、主な非還元糖としてはスクロース、トレハロースが挙げられる。
【0015】
例えばトレハロースは、生地の醗酵中に小麦澱粉より発生するマルトースの資化を阻害せずに、継続的に醗酵を進行させ、加熱時の着色の原因となる還元糖をイーストがほぼ資化し尽くすことを助ける効果がある。またトレハロースもイーストに資化されることでボリュームやソフトさといったパンの基本品質を向上させることができると考えられる。還元糖の配合中全小麦粉に対する割合が10重量%を超えると、パン類に焼き色が付きやすくなる。
【0016】
加えて蛋白質については、望ましくは配合中全小麦粉に対する割合を15重量%以下とし、さらに望ましくは13重量%以下、最も望ましくは12重量%以下であることが好ましい。また、小麦粉由来以外の蛋白質の配合中全蛋白質に対する割合は、望ましくは25重量%以下、さらに望ましくは11重量%以下、最も望ましくは0重量%であることが好ましい。
小麦粉中にはグリアジンとグルテニンと呼ばれる蛋白質が存在しており、この二つが水と練られることでグルテンが生成するが、このグルテンはパンの弾性などの物性を発現させる上で欠かすことができない為、小麦粉の蛋白質として最低限は必要であるがそれ以外の蛋白質を含む原料、即ち、焼き色を付けるような、粉乳等の乳製品や卵類は可能な限り添加を抑える方が望ましい。蛋白質の配合中全小麦粉に対する割合が15重量%を超えたり、小麦粉由来以外の蛋白質の配合中全蛋白質に対する割合が25重量%を超えたりすると、着色しやすくなる。
【0017】
パン生地の焼成条件については、焼成時間を限定し、焼成型に入れることを必須とする。ベンチタイム後成形した生地を型に入れホイロをとり、そのまま焼成または望ましくは全方向を型に接触させるため上から天板を乗せてから焼成する。
本発明の焼成型としては、紙容器型、プラスチック容器型、アルミ容器型、マフィン型、パウンド型、セルクル型等から選ばれてなる型が使用できるが、生地との接触面が熱伝導性のよい素材で出来ていることが望ましく、最も望ましくは金属である。
焼成型の形状は特に限定はされないが、一例としては円筒形、角柱形などが挙げられる。
生地の型に接触している箇所の極薄い層は硬くなるため型の材質は熱伝導性のよい素材であるほうが望ましく、また型が生地の全面を多い全面に接触している方が上記極薄い硬い層が生地全面に生じるため望ましい。
【0018】
焼成に使用するオーブンは、ガス式又は電気式等、特に限定しない。焼成条件は、焼成温度220℃以下150℃以上、焼成時間6〜20分であることが望ましく、さらに望ましくは焼成温度200℃以下160℃以上、焼成時間8〜20分であり、最も望ましくは焼成温度180℃以下160℃以上、焼成時間10〜20分である。焼成温度が高いと焼成時間を短くできる利点はあるが、パン表面が焦げやすく着色しやすい問題がある。逆に、焼成温度が低すぎるとパン内部が生焼けになりやすく、また焼成時間が20分を超える長時間を要してパン生産効率が低下するため好ましくない。
【0019】
また、焼成前の生地重量は1個あたり25g〜100gであることが望ましく、さらに望ましくは50〜100gである。生地重量が上限を超えると、パン内部の生焼け防止のため焼成温度を200〜220℃と高くする必要があるがパン表面が焦げたり着色したりする問題が生じるため、好ましくない。焦げと着色防止のため、焼成温度を下げると焼成時間が20分を超える長時間を要してパン生産効率が低下するため好ましくない。
【0020】
焼成条件は、生地重量に合わせて表面白焼きと内部の適度な焼成を両立する焼成温度と焼成時間を適宜調整すればよい。例えば、生地重量が50gの場合は、160℃で16分、170℃で12分、180℃で10分、220℃で8分弱などの条件が望ましい。また、生地重量が100gの場合は、180℃で20分、200℃で約15分などの条件が望ましい。焼成条件が、220℃で8分を超える場合や170℃で20分を超える場合は、パン生地表面の焼き色が強くなりすぎる傾向にあり、好ましくない。逆に150℃で20分以下や220℃で6分以下などでは、生地表面に薄く硬い膜ができず、また生地本体もべたべたとしたねとつく食感になり好ましくない。
【0021】
本発明の白焼きパンは、各種フィリングを焼成前または焼成後に充填することができる。フィリングとしては、パン類に広く使用されている各種餡類、フラワーペースト類、ジャム類、ホイップクリーム類、バタークリーム類、ファットスプレッド類、ナッツ類、チョコレート類、チーズ類、チーズ様食品などが利用できる。フィリングを焼成前に充填する場合は、フィリングの種類と量およびパン生地重量の兼ね合いから、焼成条件として表面白焼きと内部生焼け防止を両立する焼成温度、焼成時間を適宜調整すればよい。
【実施例】
【0022】
以下に本発明の実施例を示し、より詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されない。評価については、色と食感について単独評価すると共に、白焼きパンとしての品質を総合的に評価し記載した。また、特にコメントを要する評価内容があるものについては、評価欄に特記した。
◎ 極めて良好
○ 良好
△ 許容範囲内
× 不良
【0023】
<実施例1>
強力粉(日本製粉株式会社製、商品名「イーグル」)100重量部、トレハロース(株式会社林原商事製)5重量部、食塩(日本食塩製造株式会社製、商品名「精製塩」)1.6重量部、生イースト(オリエンタル酵母工業株式会社製、商品名「レギュラーイースト」)3重量部、イーストフード(オリエンタル酵母工業株式会社製、商品名「Cフード」)0.1重量部、水60重量部を縦型ミキサー(株式会社愛工舎製作所製、商品名「30コートミキサー)に入れ、低速3分、中低速6分で混捏後、マーガリン(不二製油株式会社製、商品名「デリソフト」)15重量部を添加し、低速3分、中低速4分、高速2分で混捏し、パン生地とした。生地の捏上げ温度は26℃で、次に混捏した生地を醗酵させるためにフロアタイムを60分とり、この後50gに分割した。分割した生地を回復するためにベンチタイムを20分とった。カマンベールチーズ風味フィリング(不二製油株式会社製、商品名「カマンベールペースト」)を50g包み、フランス粉(日清製粉株式会社製、商品名「リスドオル」)とコーンスターチ(株式会社キタタニ製)の混合物をまぶしてマフィン型に入れホイロをとる。ホイロ後、この型の上に鉄板を乗せ、170℃ で12分焼成した。得られたパンは色、食感共に極めて良好で、総合的にも極めて良好な白焼きパンが出来た。
【0024】
<実施例2>
実施例1の油脂を除いた成分を混捏する際に、上白糖(三井製糖株式会社製、商品名「上白糖J」)を5重量部加え、水量を58重量部に変更し、同様にパンを作製した。得られたパンは、色は良好、食感は極めて良好で、総合的に良好な白焼きパンが出来た。
【0025】
<実施例3>
実施例1の油脂を除いた成分を混捏する際に、上白糖を10重量部加え、トレハロースを0重量部とし、水量を58重量部に変更し、同様にパンを作製した。得られたパンは、色はやや着色しはするものの許容範囲内の、食感は極めて良好で、総合的に商品としては許容範囲内の白焼きパンが出来た。
【0026】
<比較例1>
実施例1の油脂を除いた成分を混捏する際に、上白糖を15重量部加え、トレハロースを0重量部とし、水量を56重量部に変更し、同様にパンを作製した。得られたパンは、食感は良好であったが、色は着色し白焼きパンとして不良、総合的にも白焼きパンとして不良であった。
【0027】
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1についての結果を表1に纏めた。これより、還元糖の配合中全小麦粉に対する割合を10重量%以下にする必要があり、さらに望ましくは5重量%以下、最も望ましくは0重量%とするべきことがあきらかである。
【0028】
<表1>

【0029】
<実施例4>
実施例1の油脂を除いた成分を混捏する際に、全卵を5重量部、脱脂粉乳(よつ葉乳業株式会社製)を2重量部加え、水量を56重量部に変更し、同様にパンを作製した。得られたパンは、色は良好、食感は極めて良好で、総合的に良好な白焼きパンが出来た。
【0030】
<実施例5>
実施例1の油脂を除いた成分を混捏する際に、全卵を15重量部、脱脂粉乳を3重量部加え、水量を47重量部に変更し、同様にパンを作製した。得られたパンは、色はやや着色しはするものの許容範囲内の、食感は極めて良好で、総合的に商品としては許容範囲内の白焼きパンが出来た。
実施例1、実施例4、実施例5についての結果を表2に纏めた。これより、望ましくは蛋白質の配合中全小麦粉に対する割合を15重量%以下とし、さらに望ましくは13重量%以下、最も望ましくは12重量%以下とするべきことがあきらかである。
また、小麦粉由来以外の蛋白質の配合中全蛋白質に対する割合を、望ましくは25重量%以下、さらに望ましくは11重量%以下、最も望ましくは0重量%とするべきことがあきらかである。
【0031】
<表2>

【0032】
<実施例6>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、焼成時間を20分とした。得られたパンは、色はやや着色しているが白焼きパンの商品としては許容範囲内、食感はやや硬いがこれも白焼きパンの商品としては許容範囲内で、総合的にも商品としては許容範囲内の白焼きパンが出来た。
【0033】
<実施例7>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、生地重量を100g、焼成時間を20分とした。得られたパンは、色は良好、食感はねちゃつきが有るが生焼けとまではいかず商品としては許容範囲内で、総合的にも商品としては許容範囲内の白焼きパンが出来た。
【0034】
<実施例8>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、焼成温度を160℃、焼成時間を16分とした。得られたパンは、色は良好、食感は極めて良好で、総合的に良好な白焼きパンが出来た。
【0035】
<実施例9>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、焼成温度を180℃、焼成時間を10分とした。得られたパンは、色は良好、食感は極めて良好で、総合的に良好な白焼きパンが出来た。
【0036】
<実施例10>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、焼成温度を200℃、焼成時間を10分とした。得られたパンは、色はやや着色しはするものの許容範囲内、食感は極めて良好で、総合的に良好な白焼きパンが出来た。
【0037】
<実施例11>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、焼成温度を220℃、焼成時間を8分とした。得られたパンは、色はやや着色しはするものの許容範囲内、食感はねちゃつきが有るが生焼けとまではいかず商品としては許容範囲内で、総合的にも商品としては許容範囲内の白焼きパンが出来た。
【0038】
<実施例12>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、ホイロ後型の上に天板を乗せずに焼成した。得られたパンは、色はやや着色しはするものの許容範囲内、食感は上面が軟らかいが許容範囲内で、総合的にも許容範囲内の白焼きパンが出来た。
【0039】
<比較例2>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、焼成時間を30分とした。得られたパンは、色は焦げて不良、食感は硬く不良、総合的にも白焼きパンとして不良であった。
【0040】
<比較例3>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、生地重量を150g、焼成時間を30分とした。得られたパンは、色は許容範囲内だが生焼け、食感も生焼けで不良、総合的にも白焼きパンとして不良であった。
【0041】
<比較例4>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、型に入れずに焼成した。得られたパンは、色は底面が着色し不良、食感も硬く不良、総合的にも白焼きパンとして不良であった。
【0042】
実施例1、実施例6〜12、比較例2〜4についての結果を表3に纏めた。これより、焼成時間は20分以下とする必要があることがあきらかである。また、焼成温度は、望ましくは200℃以下であり、高すぎると焦げたり着色したりしやすくなる傾向がある。また、焼成前の生地重量は1個あたり100g以下であることが望ましく、量が多いと焼ききることが難しくなる。さらに、型焼きする必要があり、望ましくは、全方向を型に接触させるため上から天板を乗せる方が望ましい。
【0043】
<表3>

【0044】
<実施例12>
実施例1と同様の配合で生地を作製し、カマンベールチーズ風味フィリングを包まない以外は同様の工程で焼成した。得られたパンは、実施例1と同様に色、食感共に極めて良好で、総合的にも極めて良好な白焼きパンが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、通常のパン類のように、外側の硬い食感と内側の軟らかい食感との差異を味わい食することが出来る、白焼きパンの製造法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1により製造したパンの図面代用写真である。
【図2】実施例1により製造したパンの断面を示した図面代用写真である。
【図3】実施例12により製造したパンの図面代用写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配合中の全小麦粉に対する還元糖の割合が10重量%以下であり、焼成時間が6分以上20分以下である、型焼きであることを特徴とする白焼きパン製造法。
【請求項2】
蛋白質の配合中全小麦粉に対する割合が15重量%以下である請求項1記載の白焼きパン製造法。
【請求項3】
焼成前の生地重量が1個あたり25g以上100g以下である請求項1ないし請求項2記載の白焼きパン製造法。
【請求項4】
焼成温度が220℃以下150℃以上である、型焼きである請求項1ないし請求項3記載の白焼きパン製造法。
【請求項5】
フィリングを含む請求項1ないし請求項4記載の白焼きパン製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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