説明

表面処理方法および表面処理装置

本発明は、大気圧のもとで生成されたプラズマで表面を処理するための装置および方法に関する。本発明の装置は、持ち運び可能な手持ち機器として構成されており、当該装置は、プラズマビーム(18)を生成するプラズマノズル(16)を有しており、当該プラズマノズルは、ノズル開口部(17)と、当該ノズル開口部の上流側に配置された少なくとも1つの電極−対向電極対(27、28)を含んでおり、当該電極対の作用電極表面はそれぞれ誘電性コーティング(29、30)を有しており、ここで前記電極(27)と前記対向電極(28)の間には、作動空間(34)が定められており、当該作動空間内では作動ガスが誘電体バリアガス放電によって、少なくとも部分的にイオン化され、当該装置は、前記電極−対向電極対(27、28)と電気的に接続されている高電圧発生器(19、20)を有しており、前記装置は圧送手段(15)を有しており、当該圧送手段は、作動ガス源から前記作動空間(34)内へ、および前記ノズル開口部(17)を通るガスフローを形成し、ここで、前記作動ガス源は、周辺空気であり、前記装置は、前記高電圧発生器(19、20)および前記圧送手段(19)を給電する、給電網に依存しないエネルギー源(12)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、大気圧下で生成されたプラズマで表面を処理するための装置および方法に関する。
【0002】
異なる材料から成る対象物の表面処理は、多くの産業技術分野において重要な役割を有している。適切な表面処理によって、殊に表面をクリーニングすることによって、材料の種々の処理特性および耐久性特性が改善される。表面処理によってしばしば、処理される表面上に、次に被着される層材料の付着性も改善される。
【0003】
以前では、処理のために、殊に表面クリーニングのためにしばしば、ウェットケミカル方法が用いられてきた。ここでは主に有機溶剤が使用されていた。有機溶剤と結び付いている環境リスクおよび健康リスクが原因で、低コストで、省エネルギーかつ環境に優しい、代替的な表面処理が求められている。
【0004】
大気圧下で生成されたプラズマによる表面処理自体はここで、期待が寄せられている1つの代替案である。この表面処理は溶剤、接着媒介剤または別の危険物質を必要とせず、かつ種々異なる材料、例えばプラスチック、金属、セラミック、ガラス、建築材料、例えばコンクリートまたは有機材料例えば木の表面処理に適している。大気圧下でのプラズマの生成は次のような利点を有している。すなわち、低圧プラズマまたは高圧プラズマとは異なり、大気圧とは異なる圧力レベルを生成する反応チャンバが必要でない、という利点を有している。
【0005】
本発明において大気圧プラズマとは広い意味で、励起された作動ガスである。これは、電気エネルギーの供給によって生成された反応性の構成部分を含んでおり、その圧力は実質的に、周辺圧ないしは大気圧に相応する。反応性構成部分とは、不安定中性構成部分である。これは例えば、オゾン、ラジカルであり、自由酸素、励起された酸素またはイオン化された原子または分子等である。一般的には大気圧プラズマは、少なくとも部分的にイオン化された作動ガスを含んでいる。
【0006】
作動ガスを(部分的に)イオン化するために、エネルギーが作動ガス内に供給されなければならない。これは例えば、高電圧パルスを用いた高圧放電によって、または作動ガスの無線波励起またはマイクロ波励起によっても行われる。
【0007】
これまでに文献に記載されたまたは市販されている、大気圧のもとで生成されているプラズマによる表面処理システムはしばしば、消費電力が大きく、重量も重く、かつサイズも大きい。さらに、しばしば特別な作動ガスが使用される。これは例えばアルゴンまたはヘリウムである。従って処理装置は、相応のガス供給装置に接続されなければならない。従ってこのような機器はモバイル使用には向かない、またはこのような使用には制限付きでのみ適する。
【0008】
本願の共同発明者の独国特許出願公開第A−10324926号には、生きている細胞を含んでいる生物学的材料を、ガス放電によって大気圧のもとで生成されたプラズマで処理するための装置が記載されている。ここでは高電圧パルスが、電極と対向電極として用いられる、処理されるべき材料との間に印加される。ここで電極は誘電層を有している。従って、ガス放電は、誘電体バリア放電(DBD, dielectric barrier dischargeとも称される)の形で行われる。消費電力が低いので、ここに記載されている機器は、バッテリーで作動する手持ち式機器として実現可能である。しかし、独国特許出願公開第A−10324926号から公知の装置における欠点は、処理されるべき材料が対向電極として機能するので、この装置によって処理される材料がある程度の制限を受けてしまう、ということである。なぜなら、例えばこの材料はある程度の伝導性を有していなければならないからである。プラズマが、棒状の電極と、処理されるべき材料との間に生成されるこの公知の装置の電極幾何学的形状が原因で、比較的大きい、殊に不均一な表面領域を一様に処理することができない。
【0009】
本願の共同発明者の独国特許出願公開第A−10116502号において、大気圧下で生成されたプラズマによる表面処理のための別の装置が開示されている。ここでは処理されるべき材料は、対向電極として用いられない。むしろ、ここに記載されている装置は、電極と対向電極を有しており、これらの間にプラズマが、誘電体バリア放電によって生成される。これはプラズマビームの形状で、ノズルから押し出される。この公知の装置のガスガイドチャネルは、電気的絶縁材料から成る成形体から成る。ここには電極と対向電極が取り付けられている。しかし独国特許出願公開第A−10116502号に記載されている装置のガスガイドチャネルの管状の幾何学的形状は、均一な放電を可能にしない。従って、これは、接合部表面等の大きい表面面積の処理には向かない。
【0010】
本発明の技術的な課題は、軽量、コンパクトかつエネルギー消費の少ない、大気圧下で生成されたプラズマによる表面処理装置を提供することである。このような装置は殊に、給電網に依存しない(netzunabhaengiges)手持ち式機器として構成可能であり、長い作動持続時間を可能にする。ここでこの発明は、大きい表面面積の迅速かつ均一な処理を可能にするはずである。
【0011】
上述の技術的課題は、本発明の独立請求項に記載されている装置によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。従って本発明は、大気圧下で生成されたプラズマによる表面処理装置に関し、プラズマビームを生成するプラズマノズルを備えている。ここでこのプラズマノズルは、ノズル開口部と、ノズル開口部からのプラズマビームの放出方向に関して、ノズル開口部の上流に配置されている電極と対向電極の対を有している。この電極対の作用電極表面はそれぞれ誘電性層を有している。ここでこの電極と対向電極は、その間に作動空間を定義する。この作動空間では作動ガスが、誘電体バリアガス放電によって、少なくとも部分的にイオン化される。さらにこの装置は高電圧発生器を備えている。これは、電極−対向電極対に電気的に接続されている。さらにこの装置は、圧送手段を備えている。これは作動ガスのガスフローを作動ガス源から作動空間内に、ノズル開口部を通って生成する。ここで作動ガス源は周辺空気である。さらにこの装置は、給電網に依存しないエネルギー源を備えており、これは高電圧発生器と圧送手段に給電をする。
【0012】
本発明の装置は多数の利点を有している:
プラズマ生成に誘電体バリア放電を使用することによって、ガス放電体を大気圧下で、僅か数ワットの僅かな電気的パワーのもとで点火することが可能になる。従って、本発明の装置を作動させるために高電圧給電網は必要なく、ガス放電体を点火し、維持するための交流電圧は既に、市販されているバッテリーまたは蓄電池からの電気的エネルギーを使用して生成可能である。
【0013】
本発明では周辺空気が作動ガスとして使用される。従って、ガス接続部および外部のガス源は必要ない。
【0014】
本発明の装置は、周辺空気を吸いあげ、作動空間内にこの周辺空気を搬送する圧送手段を含んでいる。ここでこの空気は少なくとも部分的にイオン化され、このイオン化された空気は、プラズマビームとして、プラズマノズルのノズル開口部から押し出される。圧送手段としては、種々異なる様式のポンプおよびコンプレッサが適している。特に有利であるのは、寸法が小さくかつ消費電力が少ないポンプおよびコンプレッサである。これは例えばメンブレンポンプである。
【0015】
プラズマ生成のための高電圧発生器並びにプラズマビーム生成のための圧送手段の消費電力が少ないので、給電網に依存しないエネルギー源が使用可能である。
【0016】
驚くべきことに、さらに、本発明による装置の表面処理によって、多くの使用ケースにおいて、さらなる表面処理が必要でないことが見い出された。
【0017】
有利な実施形態では、電極および対向電極は、平らな、相互に平行に配置されている電極プレートとして構成されている。このような共平面電極をこのように配置することによって、スリット状の出射開口部が形成される。これによって、比較的大きい表面の均一な処理が容易になる。第1の実施形態では、この装置は1つの電極対を含んでいる。しかし別の実施形態では、複数の電極対が平行に、または直列に接続されていてもよい。これによってプラズマビームのより大きい出射横断面が保証される。プラズマビームの出射横断面を拡大するために、さらに、1つ(複数)の電極対の間に、電極対に対して平行であり、かつ電極対から誘電性スペーサーによって分離されている、誘電材料から成る1つまたは複数のプレートを配置することが可能である。
【0018】
誘電層は種々異なる材料から成ってよい。使用されている電圧振幅のもとで耐絶縁破壊性である材料が有利である。これは例えば、酸化アルミニウムまたは窒化ホウ素、石英ガラスまたはダイヤモンド等のセラミック材料である。誘電層の層厚は、上述の材料の使用時には、ミリメータ領域であり、例えば0.5〜2mmの領域にある。
【0019】
積層された電極と積層された対向電極との間のクリアーな(lichte)間隔は有利には、0.1mm〜10mmの領域にあり、有利には0.5mm〜2mmの領域にあり、特に有利には約0.6mmである。
【0020】
ガスフローの方向に対して横向きの電極と対向電極の幅は有利には同じであり、例えば5〜100mmの領域にあり、有利には10〜50mmの領域にあり、殊に有利には約20mmである。ガスフローの方向に対して横向きの電極の幅はここで、実質的に、スリット状のノズル開口部の幅に相当する。
【0021】
本発明による装置の有利な実施形態では、高電圧発生器は、反対称な高電圧パルスを生成する。これは同時に、反対の極を、電極ないしは対向電極に印加する。電極と対向電極の機械的に対称の構造、並びに、電極での反対称の電圧経過特性によって、流出するプラズマはほぼポテンシャルが無い。従って、例えば誤って指でプラズマガス流に触ってしまったユーザが、電気的な打撃を受けることはない。従って本発明の装置は容易かつ安全に操作可能である。これによってさらに次のことが保証される。すなわち、表面の処理効果が、処理されるべき表面の導電性に依存しない、ということが保証される。
【0022】
プラズマビームは有利には30〜60℃の領域の温度を有している。温度に敏感な基板が処理されるべき場合には上述した温度領域の下端近傍における温度は特に有利である。上述した温度領域の上端では、次のような別の利点が得られる。すなわち、場合によって生じるオゾンが既に攻撃されて破壊されるので、ユーザの健康に被害が及ばないようにするために、オゾンを取り消す付加的な手段を設ける必要がない、という利点が得られる。いずれにせよ、有利な温度領域においては、本発明による装置を不適切に取り扱った場合にも、ユーザが火傷を負うまたは他の方法で傷害を被る、ということが無い。プラズマビームの温度は有利には、ガス速度ないしはガス流量および/または供給される電力を介して制御される。これらのパラメータは固定して設定されているか、またはユーザによって変えられる。
【0023】
有利には、高電圧発生器は、1〜20kVの領域、有利には5〜15kVの領域における振幅を有する高電圧パルスを生成する。パルス周波数は有利には、1〜50kHzの領域にあり、特に有利には10〜25kHzの領域にある。有利には、1μsよりも短いパルス持続時間を有する高電圧パルスが、特に有利にはバイポーラパルスの形状で生成される。
【0024】
ガス放電体の点火および維持のために必要なパワーは、1ワットまたは数ワットの領域にある。圧送手段、例えばガスフローを生成するためのメンブレンポンプの消費電力も僅か数ワットである。従って全体として、高電圧発生器および圧送手段の消費電力は最大で20ワット、有利には最大で10ワットである。従って、給電網に依存しないエネルギー源として、1つまたは複数のバッテリーまたは、1つまたは複数の蓄電池が使用可能である。典型的な市販されている蓄電池、例えば、日曜大工領域にも供給されているコードレススクリュードライバー内で使用されている蓄電池は、約20ワット-時間の典型的な容量を有している。すなわち全体で10ワットの高電圧発生器および圧送手段の電気的総出力では、このような畜電池は、約2時間の連続使用持続時間を可能にする。
【0025】
本発明による装置の有利な実施形態では、ノズル開口部から流出するプラズマビームは少なくとも1つのマーキング剤を含んでいる。マーキング剤または「トレーサー」は、本発明では、表面のプラズマ処理時に、処理された表面上に堆積され、後に検出される物質のことである。従って、特定の表面領域がプラズマビームによって処理されたか否かを、後から検査することができる。これは殊に、乗員の安全にとってクリチカルな使用領域で重要であり、これによって損傷時に、該当する表面のプラズマ処理が行われたのか否かが証明される。マーキング剤または「トレーサー」は、非常に薄い濃度であるので、各後証明方法によって証明可能な、処理された表面上の相応するトレーサー原子またはトレーサー分子の痕跡で、既に充分である。これは成功したプラズマ処理を示す。処理された表面上のトレーサーの濃度を介して、充分な処理時間が維持されたか否かを検査することもできる。マーキング剤または「トレーサー」が、ガスまたは軽い揮発性の流体のことであってもよい。これはガス吸い上げ用の接続パイプを介してプラズマノズル内に吸い込まれ、ここで、プラズマビームとともに押し出される。有利には、マーキング剤は本発明による装置内に組み込まれている貯蔵容器内に配置されている。この場合には貯蔵容器とプラズマノズルとの間に連通接続部が形成される。多くの場合には、マーキング剤を貯蔵容器からプラズマノズル内へ吸い込むのに、プラズマビームの押出時にプラズマノズル内で生成された動的な低圧で充分である。しかし貯蔵容器に、組み込まれた圧送ポンプを設けることもできる。択一的に、作動ガスのガスフローを生成するための圧送手段が、僅かな過圧を貯蔵容器内に生成するのにも使用される。これによって、マーキング剤がプラズマノズル内に押し出されるのがサポートされる。ここでトレーサーは有利には、電極プレート間で行われるプラズマ形成後に、プラズマビーム内に入れられる。トレーサーとしては全ての物質が適している。これは、プラズマ処理の直前に、同時に、または直後に、処理された表面領域に被着され、後で検出される。有利には、トレーサーをプラズマビームとともに被着する。なぜなら、このようにしてのみ明確に、プラズマ処理が行われたか否かが証明可能だからである。トレーサーは既にガスとしてまたは付加的に固体または液体として存在する。これはその後、気化される。最後の2つの場合には、トレーサーは、汚れ、気化、昇華、噴霧または類似の方法で、プラズマビーム内に供給される。適切なトレーサーは例えば、フッ化ポリマー、SiCl等のクロロシラン(これは例えば質量スペクトル技術によって検出される)、または蛍光染料(これは光学的に、例えばUV光での励起によって検出される)である。
【0026】
特に有利には、本発明の装置は、集積された持ち運び可能な手持ち式機器として構成されている。これはプラズマノズル、高電圧発生器、作動ガスのガス流を生成するための圧送手段、給電網に依存しないエネルギー源を含んでいる。この手持ち式機器はピストル状の一般的な形を有している。これは例えば、市販されているコードレススクリュードライバーから既知である。さらに手持ち式機器は有利には保持グリップを有している。これは同時に、給電網に依存しないエネルギー源(すなわちバッテリーおよび/または蓄電池等)に対する収容部として用いられる。プラズマノズルは、不動にまたは回転可能に配置されている、手持ち式機器のヘッド内に配置される。
【0027】
本発明は、表面を処理するための方法にも関する。ここで、本発明の装置によって、周辺空気から、配向されたプラズマビームが生成され、少なくとも1つの構成部分の表面がプラズマビームによって処理される。
【0028】
特に有利には、本発明の方法および本発明の方法は、コンクリート、モルタル、上塗り、石膏、石、陶器、タイル、鋼、別の金属および合金(油脂加工したおよび油脂加工されていない)、木材、紙、革、ガラス、プレキシグラスおよび類似のプラスチックガラス、カーボンファイバー、カーボンファイバー複合材料、プラスチック、例えばポリスルホン、熱可塑性オレフィン(TPO)、ポリウレタン(PU)および、例えば形成部分用の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、ベークライト(R)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PES)、ポリ・エチレン・テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、アミノプラスト、発泡されているまたは発泡されていないポリスチロール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ABS共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ化ポリマー、アクリル酸塩、シリコーン樹脂層、シリコーンエラストマー、発泡されているまたは発泡されていないポリウレタン層、エポキシ合成樹脂質量体、ポリ硫化物、アクリル層、改質シリコーンポリマー(silanmodifizierte Polymere:MS−ポリマー)等のハイブリッド層システム、シリレン化(silylierte)ポリウレタンまたはポリ尿素シリケート、ラッカー層またはインキ層またはテキスタイル等の基板表面を処理するのに適している。
【0029】
本発明の装置によってプラズマ処理された表面は、例えば多様な材料によってコーティング可能である。本発明の装置および本発明の方法によって処理された表面をコーティングするために例えばシリコーン樹脂質量体、ポリウレタン質量体、ポリ硫化物、アクリル質量体、ブチルベースのシーリング剤および接着剤、エポキシ合成樹脂質量体およびMSポリマー等のハイブリッド層システム、シリレン化されたポリウレタン、接着剤およびシーリング剤としての、延在接合または整備接合のための接合質量体としての、または表面コーティングとしてのポリ尿素シリケートが使用可能である。プラズマ処理された表面の積層化のために、泡、有利にはポリウレタン泡またはポリスチロール泡も使用可能である。本発明の装置は次のようにも設計可能である。すなわち、アプリケーションのために使用される吹き付けピストルまたは類似の機器が装置内に組み込まれるようにも設計可能である。従って、基板表面の処理と、シーリング剤または接着質量体の被着を同時に、または時間的に近くに、1つの作動経路内で行うこともできる。
【0030】
本発明による方法の1つの実施形態では、相互に接続されるべき2つまたはそれよりも多くの接合部分の表面をプラズマビームによって処理する。プラズマビームによる処理の後に、材料接続的(stoffschluessige)接続が、接合部分間に接着剤またはシーリング剤を用いて形成される。これらの接合部分は、同じ材料からまたは異なる材料から製造されている。適切な材料および材料組み合わせの例並びに適切なシーリング剤および接着剤の例は、上述してある。
【0031】
本発明の方法は殊に、構成部材の表面を処理するために、工事現場での使用に適している。外部エネルギー源とも外部ガス源とも接続される必要のない手持ち式機器としてのコンパクトな寸法および柔軟で、モバイル式の取り扱いによって、本発明の装置は殊に、アクセス困難および/または複雑な表面の処理に適している。従って特に有利には、本発明の方法は、2つの構成部分の間に構成されている接合部の表面の処理に関する。特に有利には、本発明は、接合部表面の事前処理に関する。これは、接合部をシーリング材料によって密閉する前に行われる。
【0032】
本発明の装置および本発明の方法は、接合部表面の処理時に次のような利点を有している。すなわち、基板での対向電極が必要ないという利点を有している。本発明の装置は、種々異なる接合部ゲオメトリーの場合に、さらなる修正無しに使用可能である。本発明の装置および本発明の方法は、種々異なる材料対からの接合時の表面処理に適している。これは例えば、コンクリートと鋼、セラミックとプラスチック、プラスチックと金属(例えばアルミニウム)からの成る構成部材間の接合時である。
【0033】
本発明の方法および本発明の装置は工事分野において、新築工事において、例えば、ファサード領域における建築分離部分接合部の処理のために、サニタリー領域およびウェット領域において、例えばダッシュキャビンにおける接合部の処理のために、水の領域において、例えば、プール内の接合部の処理のために、または地上工事における接合部の処理のために適しているのと同様、建て直し作業での相応する使用領域においても適している。建て直し作業は、次のような問題を有している。すなわち、接合シーリング剤を新たに被着する前に、古いシーリング材料の残りの接合部がクリーニングされなければならない、という問題を有している。すなわちこのような残部は、新たなシーリング材料と基板との結合に悪影響を与える。このような場合には、下塗り剤を使用しても、接着は改善されない。従ってこれまで接合部表面は特別な工具、例えばダイヤモンドカッターによって、コストをかけて平らにされなければならず、相応のモルタルによって再表面加工されなければならなかった。これによって、多大に時間とコストがかかってしまっていた。プラズマ処理のために本発明の方法によって、建築物復旧の領域においても、接合部のコストのかかる機械的な処理を省くことができる。驚くべきことに、本発明の装置によって生成されたプラズマビームによる表面処理後に、良好な接着特性で新たなシーリング材料を被着することができることが見い出されている。従って、本発明の表面処理方法によって、大きなコスト削減が実現される。さらに本発明の方法は次のような利点を有している。すなわち下塗り剤および別の化学的な接着媒介剤を省くことができるという利点を有している。本発明の装置および本発明の方法によって、基板表面を、傷めずに、破壊的でない方法で、プラズマビームの励起されたガスによる酸化反応によって、親水性に改質ないしは活性化することができる。これは殊に、水溶性の層システムを伴う基板表面のより良好な濡れを保証する。冷プラズマを用いた処理によって、親水性にされたおよび活性化された基板表面が生成される。これは接着質量体ないしシーリング質量体と基板表面との間の接着を改善する。従って本発明の方法は殊に、有機材料、例えば油、ワックス、グリース、溶剤の残りまたは無機材料、例えばシリコーン樹脂によって汚されている表面にも適している。なぜならこのような汚れは、冷プラズマによる処理によって、大部分が破壊されるからである。
【0034】
上述した建築技術的な使用の他にも、本発明の方法および本発明の装置は多様な産業的な使用領域を有している。これは例えば、機器構築、機械構築、電子技術、コンテナ構築等の搬送活動、テキスタイル産業、結合材料産業およびエネルギー産業における表面処理のためのものである。
【0035】
本発明を以下で、添付されている図に示されている実施例を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】持ち運び可能な手持ち式機器として構成されている本発明による装置の側面図
【図2】誘電体バリア放電を用いたプラズマ生成のための電装装置の概略的な構造を示す図
【図3】電極ないし対向電極に加えられる高電圧パルスの電圧経過特性を示す図
【図4】電極および対向電極で反対の電圧パルスを生成するための高電圧伝送部の回路をあらわす図
【図5】新たな、ブラシをかけられたコンクリート表面上に被着されたシーリング材料の応力−延性ダイヤグラム
【図6】古いシーリング材料によって汚染されているコンクリート表面上に被着されたシーリング材料の応力−延性ダイヤグラム
【実施例】
【0037】
図1には、全体として、参照番号10で、本発明のプラズマビーム手持ち式機器が示されている。このプラズマビーム手持ち式機器10は、ハンドグリップ11を有している。このグリップの下面には、蓄電池12が取り外し可能に固定されている。ハンドグリップ11上に位置する、縦長のハウジングボディ13は、プラズマ生成に必要な構成部材を有している。このハウジングボディ13内には、後方領域に、エアスリット14が設けられている。このエアスリットを通じて、メンブレンポンプ15は周辺空気を吸入し、この空気を実質的に軸方向で、ハウジングボディ13を通って搬送する。メンブレンポンプ15の下流には、プラズマノズル16が配置されている。このプラズマノズルは、ノズル開口部17内で終了している。このノズル開口部から、プラズマビーム18が流出する。プラズマノズル内に存在する、メンブレンポンプ15によって圧送された空気をイオン化する電極装置は図2に詳しく示されている。プラズマノズル16とメンブレンポンプ15との間には、高電圧伝送部19が配置されている。この高電圧伝送部は、高電圧発生器20と接続されている。このプラズマビーム手持ち式機器10は、スイッチ21を介して操作される。このスイッチはハンドグリップ11に配置されている。ガス吸気用接続パイプ22を介して添加ガス、例えばマーカーまたはトレーサーを含むガスが、吸気線路23を介してプラズマノズル16内に吸い込まれ、プラズマビーム18とともに、処理されるべき表面へ吹き付けられる。図1では最後に、概略的に、接合部24が示されている。この接合部分は、2つの構成部分25、26の間に構成されている。接合部24の表面が、本発明のプラズマビーム手持ち式機器10によって処理される。
【0038】
図2には、プラズマノズル16内の電極装置の構造が概略的に示されている。電極装置は、電極27と、対向電極28との電極対から成る。電極27、28は共平面なプレートとして構成されている。電極27のアクティブ表面および電極28のアクティブ表面にはそれぞれ、誘電体29ないし30が積層されている。メンブレンポンプ15(図1参照)によって生成された空気流は図2において概略的に、ノズル開口部17(図1参照)に向けて配向されている矢印31によって示されている。電圧記号32、33によって示されているように、電極29には電圧U1が印加され、対向電極28には電圧U2が印加される。
【0039】
電極ないしは対向電極に印加されているバイポーラ高電圧パルスの電圧経過特性は図3に示されている。これらの電極での電圧経過特性が反対称であることが見て取れる。すなわち、電極27での正の電圧パルスは、対向電極28での同じ大きさの、反対の負の電圧パルスに相応し、この逆も当てはまる。電極27と対向電極28との間には、作動容積34が存在する。この作動容積内では、貫流する空気が、電圧パルスを印加することによって、少なくとも部分的に、誘電体バリア放電によってイオン化され、最終的に、図1に示されているように、プラズマビーム18として、プラズマビーム手持ち式機器10から流出する。
【0040】
図4には、図1の高電圧伝送器19の回路が概略的に示されている。高電圧発生器20は、反対称の高電圧パルスを生成するために必要なエネルギーを、蓄電池12から受け取る。反対称の高電圧パルスの振幅は、±15kVまでである。典型的に、10〜25kHzの領域にあるパルス周波数およびこの振幅は可変であり、高電圧発生器によって制御可能である。高電圧パルスを生成するために、蓄積コンデンサ35が、30〜280ボルトの間の調整された電圧値にまで充電される。蓄積コンデンサ35内の蓄積された電荷ないしこれに関する電圧は、高電圧パルスの振幅を定める。設定されていた電圧に達すると、蓄積コンデンサは、半導体スイッチ36によって、2つの高電圧伝送器39、40の一次巻き線37、38を介して放電される。迅速な電流変化によって電圧パルスが生じる。第1の高電圧伝送器39の一次巻き線37と二次巻き線41との間の巻き線の特性に相応して、ないしは、第2の高電圧伝送器40の一次巻き線38と二次巻き線42との間の巻き線の特性に相応して、電圧パルスが高電圧伝送器の二次側部分で上方へ変換される。高電圧伝送器39および40は同時に、同じ絶対振幅を有しているが、極性は逆の電圧パルスを供給する。この電圧パルスはその後、電極27ないしは対向電極28に加えられる。
【0041】
本発明を次に、比較例に基づいてより詳細に説明する。
【0042】
実施例1:新しいコンクリート型枠部分上のシーリング剤の接着特性および延性特性
シーリング質量体PCI Silicoferm S(PCI Ausburg社)の接着特性および延性特性は、応力−延性測定によって、規格EN ISO 9047に従って定められている。
【0043】
さらにそれぞれ、幅12mm、長さ50mmおよび層厚12mmのシーリング質量体条片が、未処理ないしは、本発明によるプラズマビーム手持ち式機器によって処理された、ブラシがけされた、新たなコンクリート型枠部分のコンクリート表面上に被着されている。
【0044】
プラズマビーム手持ち式機器は、図1に示されている構成部分に相当する。プラズマビームを生成するために、組み込まれているポンプによって、約5 l/分の流量レートを有する空気流が生成された。これは、電極プレート対(200mmの面積を有する銅プレートであり、これはそれぞれ0.6mmの厚さを有しており、誘電体として用いられる層Alが積層されている)を通じて導かれている。積層されている電極プレートの間のクリアーな間隔は0.4mmであった。10kVの電圧を印加することによって、空気が部分的にイオン化される。このようにして生成されたプラズマビームは、ノズルを通じて流出する。このノズルは、矩形の、20mmの長さと、0.4mmの幅の横断面を有する流出開口部を有していた。ノズル開口部とコンクリート表面との間隔は約2mmであった。従って、流出するプラズマビームの僅かな発散によって、ビームの作用横断面はコンクリート表面上で、実質的にノズルの横断面面積に相応する。プラズマビームは約19mm/秒の速度で、手から、処理されるべきコンクリート表面まで移動する。プラズマ処理直後は、シーリング質量体は上述のように、処理されていない、ないしは処理された表面上に被着されている。
【0045】
シーリング質量体を被着した4週間後に、動力−延性曲線が、統計的な引っ張り試験によって測定された。ここでは、試験片が、10mm/分の速度で継続的に相互に、破れるまで引っ張られる。
【0046】
結果は、第5図に示されている。曲線Aは、処理されていない表面の結果を示している。曲線Bは、本発明のプラズマビーム手持ち式機器によって処理された表面の結果を示している。プラズマ処理によって、接着特性が格段に改善されたことが分かる。なぜなら、シーリング質量体は、処理された表面上で、約170%の延性ではじめて破れているからである(処理されていない表面では約80%で破れているのに対して)。
【0047】
実施例2:古い建築物の建て直し部分からのコンクリート型枠部分上のシーリング剤の接着特性および延性特性
実施例1の実験が、同じ検査パラメータで、古い建築物の建て直し部分からのコンクリート型枠部分で行われた。新たなシーリング質量体が被着されるべき表面は、まずは粗くクリーニングされている。これは、古いシーリング材料をカッティング工具によって平らにすることによって行われている。しかしその後、以前として表面には古いシーリング質量体が残っている。次にシーリング質量体が、機械的に処理された表面領域ないしは本発明のプラズマビーム手持ち式機器によって処理された表面上に被着された。処理されていない表面および処理された表面の他に、プラズマビーム手持ち式機器による処理持続時間の影響も検査された。このために、プラズマビーム手持ち式機器は、一方では19mm/秒の速度で表面領域上を移動する。これは実施例1の速度に相応する。また別の表面領域は、9mm/秒の速度で処理されている。これは例えば、倍の長さの処理持続時間に相当する。
【0048】
4週間後に、再び、応力−延性曲線が測定された。結果は、第6図に示されている。機械的にのみ粗くクリーニングされた表面(曲線C)が、非常に悪い延性特性を示していることが分かる。従って、表面のコストのかかるクリーニングおよび、シーリング質量体被着前の事前処理は回避できない。実際にはしばしば、ダイヤモンドカッター等の特別な工具によって古い表面が平らに削られる。これとは異なり、19mm/秒の速度でプラズマ処理された表面(曲線D)は、格段に良好な接着特性を示している。表面上のプラズマビームのより長い作用持続時間によって、例えば、プラズマビーム手持ち式機器を表面に沿ってより緩慢に動かすことによって(ここでは例えば9mm/秒:曲線E)、実施例1の新しい、ブラシがかけられたコンクリート表面と比較可能な、シーリング質量体の接着特性が再び得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧下で生成されたプラズマによる表面処理装置であって:
当該装置は、プラズマビーム(18)を生成するプラズマノズル(16)を有しており、当該プラズマノズルは、ノズル開口部(17)と、当該ノズル開口部の上流側に配置された少なくとも1つの電極−対向電極対(27、28)を含んでおり、当該電極対の作用電極表面はそれぞれ誘電性コーティング(29、30)を有しており、ここで前記電極(27)と前記対向電極(28)の間には、作動空間(34)が定められており、当該作動空間内では作動ガスが誘電体バリアガス放電によって、少なくとも部分的にイオン化され、
当該装置は、前記電極−対向電極対(27、28)と電気的に接続されている高電圧発生器(19、20)を有しており、
前記装置は圧送手段(15)を有しており、当該圧送手段は、作動ガス源から前記作動空間(34)内へ、および前記ノズル開口部(17)を通るガスフローを形成し、ここで、前記作動ガス源は周辺空気であり、
前記装置は、前記高電圧発生器(19、20)および前記圧送手段(19)を給電する、給電網に依存しないエネルギー源(12)を有している、
ことを特徴とする表面処理装置。
【請求項2】
前記電極(27)および対向電極(28)は、平らな、相互に平行に配置された電極プレートとして構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記誘電性層(29、30)は、セラミック材料、例えば酸化アルミニウムまたは窒化ホウ素、石英ガラスおよびダイヤモンドから成るグループから選択された材料から成る、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記電極(27)と前記対向電極(28)との間のクリアーな間隔は、0.1mm〜10mmの範囲にあり、有利には0.5mm〜2mmの領域を有し、特に有利には約0.6mmである、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記電極(27)の幅と前記対向電極(28)の幅は、前記ガスフロー方向に対して横向きに、5〜100mmの範囲にあり、有利には10〜50mmの領域にあり、特に有利には約20mmの領域にある、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記高電圧発生器(19、20)は、反対称な高電圧パルスを生成し、当該高電圧パルスは同時に、反対の極性で、前記電極(27)ないしは前記対向電極(28)に加わる、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記高電圧パルスの前記パルス持続時間は1μsよりも短い、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記高電圧発生器機(19、20)は、1〜50kHz、有利には10〜25kHzのパルス周波数の場合に、1〜20kV、有利には5〜15kVの領域の振幅を有する高電圧パルスを生成する、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記高電圧発生器(19、20)および前記圧送手段(15)の消費電力は最大で20W、有利には最大で10Wである、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記給電網に依存しないエネルギー源(12)は、1つまたは複数のバッテリーおよび/または1つまたは複数の蓄電池を含んでいる、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記ノズル開口部(17)から流出するプラズマビーム(18)は少なくとも1つのマーキング剤を含んでいる、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記マーキング剤は、前記装置内に組み込まれている貯蔵容器から、前記プラズマノズル内に吸い込まれる、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、集積された、持ち運び可能な手持ち式機器として構成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
表面処理方法であって、
請求項1から13までのいずれか1項記載の装置によって周辺空気からプラズマビームを生成し、
少なくとも1つの構成部分の表面を、前記プラズマビームによって処理する、
ことを特徴とする表面処理方法。
【請求項15】
相互に接続される2つまたはそれよりも多くの接合部分の表面をプラズマビームによって処理する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記プラズマビームによる処理の後に、材料接続的接続を、前記接合部分間で接着剤またはシーリング剤を用いて形成する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記処理されるべき表面は、2つの構成部材(25、26)の間に形成されている接合部(24)の表面である、請求項14〜16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記接合部(24)を、シーリング材料による表面処理の後に密閉する、請求項17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−507173(P2011−507173A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537406(P2010−537406)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067058
【国際公開番号】WO2009/074546
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】