説明

表面均し装置および均し方法

【課題】簡易な構造で、被覆材の均し作業を自動化することができる均し装置を提供する。
【解決手段】地山3にはトンネル4が設けられ、トンネル4の表面は内壁5で覆われている。
トンネル4の内部には床版7が設けられており、床版7上には表面均し装置1が設けられている。
表面均し装置1は、本体9を有し、本体9の上部には、円弧状の形状を有するレール11a、11bが設けられており、レール11a、11b上にはローラを有する均し装置13および吹き付け装置15がB1、B2方向に移動可能に設けられている。
内壁5に被覆材を設ける場合は、吹き付け装置15が内壁5とローラの隙間被覆材を吹き付けながら11a、11b上をB1、B2方向に移動し、均し装置13がローラを回転させつつ11a、11b上をB1、B2移動することにより被覆材を均して内壁5に被覆材を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面均し装置および均し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネルや立坑のような地下構造物においては、施工後に、壁面や天井に耐火や防食を目的とした被覆材を設ける場合がある。
【0003】
被覆材を設ける方法としては、従来、作業員が吹き付けノズルを持って被覆材を吹き付け、その後、被覆材を所定の厚さに整えるために、スペーサ等をガイドにしてヘラなどで余分な被覆材をへぎ取り、その後コテで平滑に仕上げる均し作業を行う方法が用いられていた。
【0004】
一方、被覆材は一般に固化速度が速く、粘性が大きいことから、人力による均し作業は、作業者にかかる負担が大きい。
特に、側面、上向きでの作業は無理な作業姿勢を強いられることから、負担が特に大きく、作業効率が悪い。
【0005】
そのため、壁面にシートや型枠を設け、壁面と、シートや型枠の隙間に被覆材を吹き付けることにより被覆材を設ける場合があり、以下のようなものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平03-119295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような方法では、大型のシートや大量の型枠が必要となり、また、シートや型枠の設置と被覆材の吹き付けのタイミングを調整するのが困難であり、装置の構造が複雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は簡易な構造で、被覆材の均し作業を自動化することができる均し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、構造物の壁面および/または天井面に吹き付けられた被覆材を均す表面均し装置であって、前記構造物の被覆対象面に沿うような形状を有するレールと、前記レール上を移動可能に設けられ、被覆材を均すローラを有する均し装置と、を具備することを特徴とする表面均し装置である。
【0009】
前記表面均し装置は、前記レール上を移動可能に設けられ、前記構造物の壁面および/または天井面に被覆材を吹き付ける吹き付け装置をさらに具備してもよい。
【0010】
前記表面均し装置は、前記ローラを、前記壁面および/または天井面から一定距離に保持する保持手段をさらに有してもよく、前記保持手段は、前記ローラの表面と前記壁面および/または天井面の間、もしくは前記レールと前記壁面および/または天井面の間に設けられたスペーサであってもよい。
【0011】
前記ローラには、前記ローラの表面に付着した前記被覆材を除去するスクレイパーが設けられている。
【0012】
前記レールは、前記構造物の壁面および/または天井面に近接して設けられた本体上に設けられ、前記本体は前記構造物の壁面および/または天井面の軸方向に移動可能である。
【0013】
第2の発明は、構造物の壁面および/または天井面の被覆対象面に沿うような形状を有するレールと、前記レール上を移動可能に設けられ、被覆材を均すローラを有する均し装置と、を用いて構造物の壁面および/または天井面に吹き付けられた被覆材を均す均し方法であって、
構造物の壁面および/または天井面に被覆材を吹き付ける工程(a)と、
前記ローラを回転させつつ前記レール上を移動させることにより被覆材を均す工程(b)と、
を具備することを特徴とする均し方法である。
前記工程(b)は、前記ローラを、前記レール上を移動する方向に対して逆回転させてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構造で、被覆材の均し作業を自動化することができる均し装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る表面均し装置1が設けられたトンネル4を示す断面図であって、図2は図1のA方向矢視図、図3は図1の均し装置13付近の詳細図である。
【0016】
図1および図2に示すように、地山3にはトンネル4が設けられ、トンネル4の表面はセグメント等からなる内壁5で覆われている。
トンネル4の内部には床版7が設けられており、床版7上には表面均し装置1が設けられている。
【0017】
表面均し装置1は、本体9を有し、本体9の下部には脚部17a、17bが設けられている。
脚部17a、17bの端部には車輪19a、21a、21b、21cが設けられており、表面均し装置1は図示しない駆動装置によって、トンネル4の軸方向、即ち図2のC1方向およびC2方向に移動可能である。
【0018】
一方、本体9の上部には、円弧状の形状を有するレール11a、11bが設けられている。
なお、レール11a、11bの形状は、トンネル4の形状に対応しており、例えばトンネルの形状が矩形の場合は直線形状や矩形形状になる。
【0019】
レール11a、11b上には均し装置13および吹き付け装置15が設けられている。
均し装置13および吹き付け装置15は、レール11a、11b上を、図1のB2方向およびB1方向に移動可能である。
【0020】
均し装置13は、内壁5に吹き付けられた被覆材を均す装置であり、図2および図3に示すように、レール11a、11b上に設けられた支持部23a、23bを有している。
【0021】
支持部23a、23bの端部には支持部25a、25bが設けられており、支持部25a、25bには被覆材を均すための円筒状のローラ27が軸支されている。
【0022】
支持部23a、23bは、均し装置13を、レール11a、11b上を移動させるための部材であり、レール11a、11bとの接触部には図示しないスライダや車輪等の移動手段が設けられている。
【0023】
また、支持部25a、25bには、L字型の平板形状を有するスクレイパー35が設けられている。スクレイパー35は一端がローラ27に近接するように設けられている。
【0024】
支持部25a、25bは、ローラ27を軸支する部材であるが、図示しないアクチュエータ等によって図3のF1、F2方向に移動可能であり、ローラ27と内壁5の間の距離を調整する機能も有している。
【0025】
ローラ27は被覆材を均すための部材であり、幅L分だけ被覆材を均すことができる。
スクレイパー35は、均し作業の際にローラ35に付着した被覆材を削ぎ落とすための部材である。
【0026】
吹き付け装置15は、内壁5に被覆材を吹き付ける装置であり、図2に示すように、レール11a、11b上に設けられたレール29を有している。
図3に示すように、レール29上には支持部31が設けられており、支持部31には吹き付けノズル33が設けられている。
【0027】
レール29は、吹き付け装置15を、レール11a、11b上を移動させるための部材であり、レール11a、11bとの接触部には図示しないスライダや車輪等の移動手段が設けられている。
【0028】
支持部31は、吹き付けノズル33をレール29上を移動させるための装置であり、レール29との接触部に設けられた図示しないスライダや車両等によって、レール29上をD1、D2方向に移動可能である。
【0029】
このような構造とすることにより、吹き付けノズル33はローラ27の幅L分だけ移動することが可能になる。
【0030】
あるいは、支持部31はレール29上を移動するのではなく、図示しないアクチュエータ等によって、E1、E2方向に揺動可能に設けてもよい。
このような構造にすることにより、吹き付けノズル33はローラ27の幅L分だけ被覆材を吹き付けることができる。
【0031】
なお、支持部31は、図示しないアクチュエータ等によって図3のI1、I2方向およびH1、H2方向に移動する機能を有しており、かかる機能は吹き付けノズル33と内壁5の間の距離や角度を調整するために用いられる。
【0032】
次に、表面均し装置1の動作について説明する。
図4は被覆材37を内壁5内に吹き付ける際の表面均し装置1の動作を示す図である。
【0033】
まず、吹き付け装置15の支持部31を図3のI1、I2方向およびH1、H2方向に移動させ、吹き付けノズル33と内壁5の間の距離や角度を調整する。
【0034】
同時に、均し装置13のローラ27を内壁5から所定の距離になるように保持するが、詳細は後述する。
【0035】
次に、図4に示すように、吹き付けノズル33から被覆材37を、内壁5とローラ27の隙間に向かって吹き付ける(図4のJ1方向)。
このように、ローラ27は吹き付けノズル33が被覆材37を吹き付ける際のガイドともなっており、また、被覆材37が内壁5から剥離するのを防ぐ型枠としての効果も有している。
【0036】
吹き付け装置15は、吹き付けノズル33が被覆材37を吹き付けている間、図2のD1、D2方向、もしくはE1、E2方向に移動し、ローラ27の幅L分だけ、被覆材37が吹き付けられるようにする。
【0037】
ローラ27の幅L分だけ、被覆材37が吹き付けられると、ローラ27はG2方向に回転しながらB2方向に移動する。
このとき、ローラ27がB2方向に移動することにより、被覆材37は内壁5に密着し、さらに一定の厚さに成形される。
【0038】
さらに、同時にローラ27がG2方向に回転することにより、被覆材37の表面は平滑に仕上げられる。
即ち、ローラ27は、被覆材37を内壁5の表面に設ける際のガイドとしての機能と、型枠としての機能と、被覆材37を内壁5に密着させ、一定の厚さに成形する均し機能と、表面を平滑にする仕上げ機能とを有している。
【0039】
従って、別途型枠やシート等を用意する必要がなく、表面均し装置1の構造は簡易である。
【0040】
また、ローラの回転方向はG2方向であることが望ましい。これはG1方向に回転すると、被覆材37が盛り上がった状態となっている場合に、ローラ27が被覆材38を取り込んでしまうため、被覆材37を一定の厚さに成形できない恐れがあるからである。
【0041】
なお、本実施形態においては、G2方向の回転をローラ27の移動方向である、B2方向に対して逆方向の回転と定義し、G1方向の回転を正方向の回転と定義する。
【0042】
また、均し装置13には、スクレイパー35が、ローラ27に近接して設けられているため、ローラ27に付着した被覆材37bは、スクレイパー35によって削ぎ落とされる。
【0043】
従って、ローラ27に被覆材37bが付着したままの状態になることがなく、ローラの表面は常に平滑な状態に保たれる。
【0044】
ローラ27が一定距離B2方向に進むと、吹き付け装置15は、被覆材37を吹き付けながらB2方向に移動する。
【0045】
以後は、ローラ27はG2方向に回転しつつB2方向に移動し、吹き付け装置15は、ローラ27の移動に応じてB2方向に移動しながら被覆材37を内壁5とローラ27の表面に吹き付ける。
【0046】
ローラ27が、レール11a、11bの端部まで移動し、移動範囲の全ての内壁5に被覆材37が設けられると、表面均し装置1はトンネル4の軸方向、即ち図2のC1、C2方向にローラ27の幅L分だけ移動し、吹き付け装置13および均し装置15を用いて、再び被覆材37の吹き付けおよび均し作業を行う。以後は上記作業の繰り返しである。
【0047】
なお、ここまでの作業は、図示しない制御装置等を用いて自動制御にしてもよく、また、作業者が吹き付け装置13および均し装置15の動作を直接制御できるようにしてもよい。
【0048】
最後に、作業者が必要に応じて、コテ等を用いて被覆材37の表面の最終仕上げおよび補修を行う。
このようにして、トンネル4内の内壁5には被覆材37が設けられる。
【0049】
このように、第1の実施形態においては、被覆材37の吹き付け、均し作業の大部分は表面均し装置1によって自動化されている。
【0050】
次に、他の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態において、第1の実施形態に係る表面均し装置1と同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
先に述べたように、表面均し装置1には被覆材37を一定の厚さに成形するために、ローラ27を、内壁5からから一定距離に保持する保持手段が設けられている。
保持手段は種々の手段があるが、ここではいくつかの例を紹介する。
【0051】
まず、第2の実施形態について説明する。
図5(a)は第2の実施形態に係る表面均し装置1aを示す図であって、図5(b)はローラ27の斜視図である。
図5(a)および図5(b)に示す表面均し装置1aのように、リング状のスペースリング54a、54bを、ローラ27の両端に設ける。
【0052】
この場合、スペースリング54a、54bの長さを被覆材37の成形厚さと略同等にする。
そして、支持部25a、25bを、スペースリング54a、54bが内壁5に接触する距離に保つようにF1、F2方向に移動することにより、ローラ27と内壁5の距離が一定に保たれる。
従って、被覆材37を一定の厚さに成形することができる。
【0053】
また、スペースリング54a、54bは被覆面に接触しないので、被覆材37の表面を平滑に保つことができる。
【0054】
次に、第3の実施形態について説明する。
図5(c)は第3の実施形態に係る表面均し装置1bを示す図であって、図5(d)は図5(c)の先行ローラ27bを示す斜視図である。
図5(d)に示すように、ローラ27に先行してB2方向に移動する先行ローラ27bを設ける。
図5(c)および図5(d)に示すように、先行ローラ27bの表面には棒状突起53bが設けられている。
先行ローラ27bは支持板28a、28bを介して支持部25aに接続されており、均し装置13aがB2方向に移動すると、先行ローラ27bもB2方向に移動する。
また、先行ローラ27bはG1、G2方向に回転可能である。
即ち、支持部25a、25bを、棒状突起53bが内壁5に接触するぎりぎりの距離に保つようにF1、F2方向に移動することにより、ローラ27と内壁5の距離が一定に保たれる。
ここで、棒状突起53bは、ローラ27ではなく、先行ローラ27bに設けられているため、被覆面には突起は接触せず、被覆材37の表面を平滑に保つことができる。
【0055】
次に、第4の実施形態について説明する。
図6(a)は第4の実施形態に係る表面均し装置1cを示す図である。
図6(a)に示すように、レール11a、11bを、可とう性のある材料で構成し、図6(a)に示す表面均し装置1cのように、内壁5とレール11a、11bの間に一定の長さのスペーサ55を設け、レール11a,11bをスペーサ55に密着させる。この場合、支持部25a、25bはF1、F2方向に移動せず、ローラ27とレール11a、11bの距離が一定になるように保持する。
【0056】
このような構成により、レール11a、11bと内壁5の間の距離を一定に保つことができるため、ローラ27と内壁5の間の距離も一定になり、被覆材37を一定の厚さに成形することができる。
【0057】
次に、第5の実施形態について説明する。
図6(b)は第5の実施形態に係る表面均し装置1dを示す図である。
図6(b)に示すように、内壁5とローラ27の間に一定の長さの棒状のスペーサ55bを設け、スペーサ55bとローラ27の間にレール56を設ける。スペーサ55bとレール56は密着するようにする。
【0058】
そして、ローラ27が、レール56と常に接触するように、支持部25a、25bをF1、F2方向に移動させれば、ローラ27と内壁5の間の距離は一定になり、被覆材37を一定の厚さに成形することができる。
また、スペーサ55bは棒状なので、内壁5に設けられた被覆材37の定着用の金網34を避けることができる。
【0059】
次に、第6の実施形態について説明する。
図6(c)は第6の実施形態に係る表面均し装置1eを示す図である。
図6(c)に示すように、内壁5とローラ27の間に一定の長さの棒状のスペーサ55cを設け、ローラ27に接触するようにローラ32a、32bを設ける。そして、ローラ32a、32bにキャタピラ58を巻きつける。キャタピラ58は内壁5と略平行になるように設けられる。
即ち、ローラ27がG2方向に回転すると、ローラ32a、32bはG1方向に回転し、キャタピラ58の、内壁5と対向する面は、B2方向に移動する(この記載で正しいでしょうか?)。
【0060】
そして、キャタピラ58が、スペーサ55cと常に接触するように、支持部25a、25bをF1、F2方向に移動させれば、ローラ27と内壁5の間の距離は一定になり、被覆材37を一定の厚さに成形することができる。
また、スペーサ55bは棒状なので、内壁5に設けられた被覆材37の定着用の金網34を避けることができる。
【0061】
あるいは、均し装置13aの支持部23a、23b、25a、25b、レール11a、11bのいずれかに、壁面5とこれらの部材との距離を測定する図示しないセンサを設置し、センサで測定した距離が所定の距離になるように支持部25a、25bをF1、F2方向に移動させる手段も考えられる。
このような手段によっても、被覆材37を一定の厚さに成形することができる。
【0062】
次に第7の実施形態について説明する。
図7は第7の実施形態に示す表面均し装置1fを示す図である。
トンネル4のように、内壁の高さが連続的に変化するような構造においては、内壁の最も低い部分から高い部分に向けて均し装置13および吹き付け装置15を移動させながら被覆材37の吹き付けおよび均し作業を行うのが望ましい。
【0063】
このように吹き付けることによって被覆材37が内壁5から剥離するのを防ぐことができる。
また、このような作業を可能にするために、図7に示す表面均し装置1fのように、均し装置13a、13b、吹き付け装置15a、15bを設けてもよい。
【0064】
この場合、内壁5の最も低い部分から、均し装置13aと吹き付け装置15aはB1方向に移動させながら吹き付け、均し作業を行い、反対に、均し装置13bと吹き付け装置15bはB2方向に移動させながら吹き付け、均し作業を行う。
【0065】
このような構成と作業手順を採用することにより、内壁5の全面に渡って、内壁の最も低い部分から高い部分に向けて被覆材37の吹き付けおよび均し作業を行うことができる。
【0066】
このように、前述した各実施の形態によれば、表面均し装置1、1a、1b、1c、1d、1e、1fが、レール11a、11bおよびレール11a、11b上を移動可能に設けられた均し装置13、吹き付け装置15を有し、均し装置13、吹き付け装置15がレール11a、11b上を移動しながら被覆材37の吹き付け、均し作業を行う。
【0067】
従って、被覆材の均し作業を自動化することができ、作業性効率が上昇する。
【0068】
また、均し装置13に設けられたローラ27は、被覆材37を内壁5の表面に設ける際の型枠としての機能を有しているため、別途型枠やシート等を用意する必要がなく、表面均し装置1、1a、1b、1c、1d、1e、1fの構造は簡易である。
【0069】
次に、第8の実施形態について説明する。図8は第8の実施形態に係る表面均し装置1gが設けられたトンネル4を示す断面図である。
なお、第1の実施形態に係る表面均し装置1と同様の機能を果たす要素には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0070】
図8に示すように、第8の実施形態に係る表面均し装置1gには、吹き付け装置が設けられておらず、作業者が吹き付け装置15を別途用意して、人力で吹き付けを行う。
【0071】
即ち、吹き付け、均し作業を行う際は、作業者51が、吹き付け装置15を用いて、ローラ27と内壁5の隙間に被覆材を吹き付ける。
同時に均し装置15は、ローラ27をG2方向に回転させつつ、B2方向に移動して被覆材を均す。
【0072】
ローラ27が、レール11a、11bの端部まで移動し、移動範囲の全ての内壁5に被覆材37が設けられると、表面均し装置1gはトンネル4の軸方向にローラ27の幅L分だけ移動する。
【0073】
そして、作業者51は吹き付け装置13を用いて、再び被覆材の吹き付けを行い、表面均し装置1は均し装置15のローラ27を用いて再び均し作業を行う。以後は上記作業の繰り返しである。
【0074】
最後に、作業者が必要に応じて、コテ等を用いて被覆材の表面の最終仕上げおよび補修を行う。
このようにして、トンネル4内の内壁5には被覆材が設けられる。
【0075】
このように、第8の実施の形態によれば、表面均し装置1gは、レール11a、11bおよびレール11a、11b上を移動可能に設けられた均し装置13を有し、均し装置13がレール11a、11b上を移動しながら、作業者45が吹き付け装置15を用いて吹き付けた被覆材の均し作業を自動で行う。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0076】
また、第8の実施形態によれば、表面均し装置1gには吹き付け装置が設けられていないため、構造はさらに簡易となる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
例えば、第1の実施形態では2本のレール11a、11b上に、均し装置13および吹き付け装置15が設けられているが、1本のレール上に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】表面均し装置1が設けられたトンネル4を示す断面図
【図2】図1のA方向矢視図
【図3】図1の均し装置13付近の詳細図
【図4】被覆材37を内壁5内に吹き付ける際の表面均し装置1の動作を示す図
【図5(a)】表面均し装置1aを示す図
【図5(b)】ローラ27の斜視図
【図5(c)】表面均し装置1bを示す図
【図5(d)】先行ローラ27bを示す斜視図
【図6(a)】表面均し装置1cを示す図
【図6(b)】表面均し装置1dを示す図
【図6(c)】表面均し装置1eを示す図
【図7】表面均し装置1fを示す図
【図8】表面均し装置1gが設けられたトンネル4を示す断面図
【符号の説明】
【0080】
1…………表面均し装置
1d………表面均し装置
3…………地山
4…………トンネル
5…………内壁
7…………床板
9…………本体
11a……レール
13………均し装置
15………吹き付け装置
17a……脚部
19a……車輪
23a……支持部
25a……支持部
27………ローラ
29………レール
31………支持部
33………吹き付けノズル
35………スクレイパー
37………被覆材
53………棒状突起
55………スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の壁面および/または天井面に吹き付けられた被覆材を均す表面均し装置であって、
前記構造物の被覆対象面に沿うような形状を有するレールと、
前記レール上を移動可能に設けられ、被覆材を均すローラを有する均し装置と、
を具備することを特徴とする表面均し装置。
【請求項2】
前記レール上を移動可能に設けられ、前記構造物の壁面および/または天井面に被覆材を吹き付ける吹き付け装置をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の表面均し装置。
【請求項3】
前記ローラを、前記壁面および/または天井面から一定距離に保持する保持手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の表面均し装置。
【請求項4】
前記保持手段は、前記ローラの表面と前記壁面および/または天井面の間、もしくは前記レールと前記壁面および/または天井面の間に設けられたスペーサであることを特徴とする請求項3記載の表面均し装置。
【請求項5】
前記ローラには、前記ローラの表面に付着した前記被覆材を除去するスクレイパーが設けられていることを特徴とする請求項1記載の表面均し装置。
【請求項6】
前記レールは、前記構造物に近接して設けられた本体上に設けられ、前記本体は前記構造物の軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1記載の表面均し装置。
【請求項7】
構造物の壁面および/または天井面の被覆対象面に沿うような形状を有するレールと、前記レール上を移動可能に設けられ、被覆材を均すローラを有する均し装置と、を用いて構造物の壁面および/または天井面に吹き付けられた被覆材を均す均し方法であって、
構造物の壁面および/または天井面に被覆材を吹き付ける工程(a)と、
前記ローラを回転させつつ前記レール上を移動させることにより被覆材を均す工程(b)と、
を具備することを特徴とする均し方法。
【請求項8】
前記工程(b)は、前記ローラを、前記レール上を移動する方向に対して逆回転させることを特徴とする請求項7記載の均し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−321397(P2007−321397A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151326(P2006−151326)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】