説明

表面実装クリップ、および組み付け構造

【課題】 組み付けられた状態の確認を容易に行うことができる表面実装クリップ、およびその表面実装クリップ用いた組み付け構造を提案する。
【解決手段】 本発明の組み付け構造は、導電性の表面実装クリップ1と、プリント基板3と、シールドケース5と、からなる。表面実装クリップ1は、当接部11a〜11cと、支持部17と、押圧部19と、を有する。押圧部19は、支持部17の両端部から延び出す一対の腕状の部材であり、支持部17の法線方向に延び出し、対となる腕状の部材側に曲がって接近する。プリント基板3には貫通孔21が設けられている。シールドケース5は、側壁の一部から下方向に突出する柱状の2つの差込部25が設けられている。貫通孔21を通過してプリント基板3の裏面に突出した差込部25は押圧部19により挟み込まれ、プリント基板3に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に表面実装され、取付対象部品のプリント基板への組み付けに用いる表面実装クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板に半田付けされて、例えばシールドケースなどの取付対象部品のプリント基板への組み付けに用いられる表面実装クリップが提案されている。このような表面実装クリップを用いると、取付対象部品をプリント基板に取り付ける際に半田付けなどで固着する必要がなくなるため、着脱が容易になり、メンテナンス性に優れるなどの利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−332953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の表面実装クリップは、一対の狭持バネ部によって取付対象部品を挟み込むことで、取付対象部品がプリント基板に組み付けられる。このような表面実装クリップを利用して取付対象部品を固定した場合、取付対象部品が適切に狭持バネ部に挟み込まれていることの目視によるチェックは、取付対象部品自身が視界を遮ったり、部品が小さく密集して配置されていたりすることで非常に困難になっていた。
【0005】
また、一方の狭持バネ部は適切に挟み込んでいるように見えても、他方の狭持バネ部が取り付け時に取付対象部品によって潰されているなどして適切に挟み込んでいない可能性があるため、確実にチェックするためには一対の狭持バネ部の両側から見る必要があった。しかしながら、特に取付対象部品がシールドケースである場合などには、取付対象部品によって内部が完全に遮蔽され視認できず、シールドケースが狭持バネ部に奥まで差し込まれているか、内側の狭持バネ部が折れていないかなどの確認は非常に困難であった。
【0006】
本発明の目的は、組み付けられた状態の確認を容易に行うことができる表面実装クリップ、およびその表面実装クリップ用いた組み付け構造を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、取付対象部品が有する柱状の差込部が挿入可能な貫通孔が形成されたプリント基板の裏面に固定され、プリント基板の表面から挿入される上記差込部を固定する表面実装クリップであって、プリント基板の裏面に半田付けにより固定される当接面を有する基部と、上記貫通孔を通過してプリント基板の裏面に突出した差込部を押圧して差込部をプリント基板に固定する押圧部と、を有することを特徴とする。
【0008】
このように構成された表面実装クリップでは、表面実装クリップの押圧部により取付対象部品の差込部を押圧することで、取付対象部品がプリント基板に固定される。そして、押圧部がプリント基板の裏面に配置されていることから、差込部が適切な位置まで差し込まれているか、押圧部が適切に差込部を押圧しているか、などのチェックはプリント基板の裏面を視認することで実現できる。また取付対象部品の本体はプリント基板の表面側にあるため、取付対象部品により視界を遮られることが抑制できる。
【0009】
したがって、本発明の表面実装クリップでは、取付対象部品の組み付けられた状態の視認性が向上し、適切に組み付けられていることの確認や、組み付けのミスの発見を容易に行うことができるようになる。
【0010】
また、差込部が押圧部と接触する前に差込部はプリント基板の貫通孔を通過しているため、その貫通孔により差し込み位置が案内されるため、差込部を誤った位置に差し込んでしまい、押圧部などを変形させてしまうことを抑制できる。また組み付けた後において、差込部に過剰な負荷が加えられた場合であっても、貫通孔により差込部の変位が抑制されるため、押圧部などに過剰な負荷が加わって変形してしまうことを抑制できる。
【0011】
なお、本発明の説明において、プリント基板の表面とは取付対象部品が組み付けられる側、即ち差込部を貫通孔に差し込む側の面であり、プリント基板の裏面とは差込部が突出する側の面である。
【0012】
表面実装クリップは様々な形状をとることができる。例えば上記基部を板状の部材とし、上記押圧部を基部の端部から延び出す腕状の部材としてもよい。このように構成された表面実装クリップは、表面実装クリップ自身により視界を遮られることが抑制されるため、組み付けの視認性をより向上させることができる。
【0013】
押圧部は差込部を押圧することで差込部をプリント基板に固定するが、その固定のための具体的な仕組みは特に限定されない。1つの差込部に対して1つの押圧部が配置される場合、押圧部によって差込部を貫通孔の縁に押し付け、その貫通孔の縁と押圧部とによって挟み込んで固定することができる。
【0014】
また、押圧部が複数の腕状の部材からなり、当該複数の腕状の部材によって差込部を挟み込むように押圧するように構成されていてもよい。このように構成された表面実装クリップは、他の部材(例えば貫通孔の縁)を利用せずとも押圧部によって位置を固定することが可能となるため、他の部材の形状に影響されることなく差込部を適切な位置に保持することができる。
【0015】
また上記表面実装クリップは、少なくとも一部がプリント基板の貫通孔に挿入され、差込部の移動方向を案内するガイド部が設けられていてもよい。このように構成された表面実装クリップは、差込部を貫通孔に挿入する際にガイド部によって移動方向が案内されるため、適切な位置に差し込むことができ、組み付けのミスの発生を抑制できる。また、表面実装クリップをプリント基板に取り付ける際の位置決めにも利用でき、表面実装クリップの半田付けの位置精度を高めることができる。
【0016】
なお上記ガイド部は少なくとも一部が貫通孔に挿入されていればよく、貫通孔を通過してプリント基板の表面に突出するように形成される必要はないが、プリント基板の表面に突出するように形成することで、差込部を貫通孔に差し込む当初から差し込み位置の案内を行うことができる。
【0017】
ガイド部の形状は特に限定されないが、例えば筒状の形状としたり、板状の形状としたりすることが考えられる。ガイド部を筒状とする場合には、その筒の内部に差込部を案内することができ、より高精度に差込部の差し込み位置を案内することができる。ガイド部を板状とする場合には、ガイド部を折り曲げて差込部を押圧するように構成することができ、押圧部の補助的な機能を持たせることができる。
【0018】
また、上述した問題を解決するためになされた請求項7に記載の発明は、貫通孔が設けられたプリント基板と、上記貫通孔に挿入可能な差込部を有する取付対象部品と、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表面実装クリップと、を有することを特徴とする組み付け構造である。
【0019】
このように構成された組み付け構造は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面実装クリップを用いるため、請求項1〜6と同様の作用・効果を奏することができる。
また上記組み付け構造においては、表面実装クリップの当接面が、プリント基板に設けられたプリント配線と導通するようにプリント基板に固定され、差込部が、少なくとも表面実装クリップと接触する部分が導体で形成されており、表面実装クリップを介してプリント配線と差込部とが導通するように構成してもよい。
【0020】
このように構成された組み付け構造では、表面実装クリップによるプリント基板と取付対象部品とを電気的に接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1の組み付け構造の正面図(a)、左側面図(b)、右側面図(c)、底面図(d)、平面図(e)、下斜視図(f)(g)、底面図のA−A断面図(h)
【図2】実施例1の表面実装クリップの正面図(a)、右側面図(b)、平面図(c)、底面図(d)、上斜視図(e)、下斜視図(f)、右側面図のB−B断面図(g)
【図3】実施例1の組み付け構造の分解斜視図(a)(b)
【図4】実施例2の組み付け構造の正面図(a)、左側面図(b)、右側面図(c)、底面図(d)、平面図(e)、下斜視図(f)(g)、底面図のC−C断面図(h)、底面図のD−D断面図(i)
【図5】実施例2の表面実装クリップの正面図(a)、左側面図(b)、右側面図(c)、底面図(d)、平面図(e)、上斜視図(e)、上斜視図(f)(h)、下斜視図(g)(i)
【図6】実施例2の組み付け構造の分解斜視図(a)(b)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施例1]
本実施例の組み付け構造は、図1(a)〜(h)に示すように、導電性の表面実装クリップ1と、図示しないプリント配線を有するプリント基板3と、取付対象部品としてのシールドケース5と、からなる。表面実装クリップ1は、プリント基板3とシールドケース5とを電気的に接続し、かつプリント基板3とシールドケース5とを固定する。
【0023】
表面実装クリップ1を図2(a)〜(g)に示す。表面実装クリップ1は、導電性の板金部材をプレス加工して形成されるものであり、平板状の当接部11a〜11cと、同じく平板状の支持部17と、押圧部19と、を有する。
【0024】
当接部11a〜11cと支持部17とは同一平面であり、当接部11a、支持部17、当接部11b、支持部17、当接部11cがこの順番で幅の狭い連結部を介して一列に並ぶように形成される。この並びの方向を、本実施例の説明において長手方向と称する。なお、当接部11a〜11cおよび支持部17が、本発明における基部に対応する。
【0025】
押圧部19は、支持部17における長手方向と交差する方向の両端部から延び出す一対の腕状の部材からなる。押圧部19は、支持部17の両端部から支持部17の法線方向に延び出し、その後、押圧部19の対となる腕状の部材側に曲がって接近する。押圧部19は弾性を有しており、押圧部19によってシールドケース5の後述する差込部25を挟んで保持することができる。
【0026】
上述した支持部17には円形の貫通孔15が形成されている。貫通孔15の縁部にはバーリング加工がなされ、押圧部19の延び出す側とは反対側、即ち表面実装クリップ1をプリント基板3に取り付けた状態においてはプリント基板3側に立ち上がる筒状の筒部13(本発明のガイド部に対応)が形成されている。
【0027】
本実施例の組み付け構造の分解斜視図を図3(a)、(b)に示す。プリント基板3には2つの円形の貫通孔21が設けられている。この貫通孔21の周囲には図示しないプリント配線が設けられている。この貫通孔21は、後述する差込部25を挿入可能に形成されている。
【0028】
シールドケース5は、板金により形成される導電性を有する部材であり、図3(a)、(b)または図1(h)などに良好に示されるように、下側が開放された箱型であって、側壁の一部から下方向に突出する柱状の2つの差込部25が設けられている。差込部25もシールドケース5と同様に導電性を有する。
【0029】
貫通孔15、貫通孔21、および差込部25はそれぞれが対応する位置に設けられている。即ち、プリント基板3に表面実装クリップ1を固定すると貫通孔15と貫通孔21とが重なるようになり、さらにその状態で差込部25を挿入することで、差込部25は貫通孔21および貫通孔15を通過する。なお、プリント基板3に表面実装クリップ1を固定すると、貫通孔21に筒部13が挿入される。
【0030】
貫通孔21および貫通孔15(筒部13)を通過してプリント基板3の裏面に突出した差込部25は一対の押圧部19により挟み込まれ、プリント基板3に固定される。それにより、シールドケース5がプリント基板3に固定される。
【0031】
表面実装クリップ1はプリント基板3に半田付けにより固定される。半田付けを行う際には、当接部11a〜11cの裏面(押圧部19が延び出す側と反対の面)を半田付け面(本発明における当接面)として用い、プリント基板3のプリント配線と電気的に接続させる。そのため、表面実装クリップ1を介してプリント基板3とシールドケース5とが電気的に接続される。
【0032】
以上説明した本実施例の組み付け構造は、以下のような効果を奏する。
シールドケース5の差込部25がプリント基板3の貫通孔21に挿入されると、表面実装クリップ1の押圧部19が差込部25を押圧し、それにより、シールドケース5がプリント基板3に固定される。
【0033】
その際、差込部25が適切な位置まで差し込まれているか、押圧部19が適切に差込部25を押圧しているか、などをプリント基板3の裏面で視認できるため、シールドケース5によって視界を遮られることが抑制され、シールドケース5の組み付けられた状態の視認性が向上し、適切に組み付けられていることの確認や、組み付けのミスの発見を容易に行うことができるようになる。
【0034】
また、差込部25が押圧部19と接触する前に差込部25はプリント基板3の貫通孔21を通過しているため、その貫通孔21により差し込み位置が案内されるため、差込部25を誤った位置に差し込んでしまい、押圧部19などを変形させてしまうことを抑制できる。また組み付けた後において、差込部25に過剰な負荷が加えられた場合であっても、貫通孔21により差込部25の変位が抑制されるため、押圧部19などに過剰な負荷が加わって変形してしまうことを抑制できる。
【0035】
また表面実装クリップ1は板状の基部(当接部11a〜11cおよび支持部17)からなり、押圧部19は腕状になっていることから、表面実装クリップ1自身により視界を遮られることが抑制されるため、組み付けの視認性をより向上させることができる。
【0036】
また、一対の腕状の部材からなる押圧部19によって差込部25を挟み込むことでシールドケース5を固定するため、差込部25を押圧部19の中央に保持することができる。
また、筒部13によって差込部25の移動方向を案内することができ、差込部25を適切な位置に差し込むことができる。また、筒部13は表面実装クリップ1をプリント基板3に取り付ける際の位置決めにも利用でき、表面実装クリップ1をプリント基板3へ半田付けする際の位置精度を高めることができる。
【0037】
[実施例2]
本実施例の組み付け構造は、図4(a)〜(i)に示すように、導電性の表面実装クリップ31と、プリント基板3と、シールドケース5とからなる。プリント基板3は実施例1のプリント基板3と比較して貫通孔21の形状が異なる点以外は同様の構成である。またシールドケース5は実施例1のシールドケース5と同様である。
【0038】
表面実装クリップ31を図5(a)〜(i)に示す。表面実装クリップ31は、導電性の板金部材をプレス加工して形成されるものであり、長方形の平板状であって、長手方向が同一の方向となるように並ぶ当接部33a〜33cと、当接部33a〜33cを連結する2つの板状の連結部35と、連結部35から延び出す押圧部37およびガイド片39と、を有する。
【0039】
連結部35は、図5(d)に示すように、当接部33aと当接部33bの一端側(図中左側)付近を連結しており、また当接部33bと当接部33cの上記一端とは反対の他端側(図中右側)付近を連結しており、それらは全体として同一平面に並ぶように形成される。当接部同士の間には切り欠き状の空隙41が形成される。なお、当接部33a〜33cおよび連結部35が、本発明における基部に対応する。
【0040】
押圧部37は、連結部35における空隙41と反対側の端部から、連結部35の法線方向に延び出した後、空隙41側に曲がる腕状の部材である。押圧部37は、図5(e)に示すように、連結部35を法線方向から見たときには空隙41の上方まで達する。
【0041】
ガイド片39は板状の形状であり、連結部35における空隙41の側の端部から、基部の平面を基準として押圧部37とは逆方向に延び出している。押圧部37およびガイド片39は、図5(a)などから分かるように断面くの字型であって、その屈曲する頂点が空隙41の中心側を向くように形成される。
【0042】
押圧部37およびガイド片39は弾性を有しており、表面実装クリップ31によりプリント基板3とシールドケース5とを固定したときには、押圧部37およびガイド片39が差込部25を連結部35から離れる方向に押圧する。なおガイド片39が本発明のガイド部に対応する。
【0043】
本実施例の組み付け構造の分解斜視図を図6(a)、(b)に示す。プリント基板3には2つの矩形の貫通孔21が設けられており、またシールドケース5には側壁の一部から下方向に突出する柱状の2つの差込部25が2つ設けられている。
【0044】
貫通孔21、差込部25、ガイド片39および空隙41はそれぞれが対応する位置に設けられている。即ち、プリント基板3に表面実装クリップ31を固定すると貫通孔21と空隙41とが重なるようになり、また図4(h),(i)に示すように、ガイド片39が貫通孔21に挿入され一部は通過してプリント基板3の表面に突出する。さらにその状態で差込部25を貫通孔21に挿入することで、差込部25は貫通孔21および空隙41を通過する。
【0045】
貫通孔21および空隙41を通過してプリント基板の裏面に突出した差込部25は、押圧部37に押圧され、貫通孔21の縁に押し付けられる。その状態において押圧部37と貫通孔21の縁とにより挟み込まれ、差込部25はプリント基板3に固定される。それにより、シールドケース5がプリント基板3に固定される。
【0046】
表面実装クリップ31はプリント基板3に半田付けにより固定される。半田付けを行う際には、当接部33a〜33cにおけるガイド片39が延び出す側の面を半田付け面(本発明における当接面)として用い、プリント基板3のプリント配線と接続する。したがって、表面実装クリップ31を介してプリント基板3とシールドケース5とが電気的に接続される。
【0047】
以上説明した本実施例の組み付け構造は、実施例1の組み付け構造と同様に、差込部25が適切な位置まで差し込まれているか、押圧部37が適切に差込部25を押圧しているか、などをプリント基板3の裏面で視認できるため、シールドケース5によって視界を遮られることが抑制でき、シールドケース5の組み付けられた状態の視認性が向上する。
【0048】
また、実施例1の組み付け構造と同様に、表面実装クリップ31の変形を抑制できる。
また、ガイド片39が差込部25を押圧するため、押圧部37と協同して差込部25をプリント基板3に固定することができる。またガイド片39によってもプリント基板3とシールドケース5との導通をとることができ、接点の信頼性を向上できる。このガイド片39はプリント基板3の表面まで突出しているため、差込部25の差し込みを行う当初から差し込み位置の案内を行うことができる。
【0049】
[変形例]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0050】
例えば、上記実施例1,2においては、2つの差込部25を固定可能な表面実装クリップ1,31を例示したが、1つあるいは3つ以上の差込部25を固定可能に構成されていてもよい。
【0051】
また上記実施例1,2においては、差込部25を2つ有するシールドケース5をプリント基板3に固定する構成を例示したが、シールドケースの構成は実施例に記載したものに限定されず差込部が設けられた様々な形状とすることができる。またシールドケース以外の取付対象部品をプリント基板に組み付ける構成であってもよい。例えば電子部品を取付対象部品とし、その端子を差込部とすることが考えられる。その場合、端子の導体部分が表面実装クリップと接触するように構成するとよい。
【0052】
また実施例1においては、1つの差込部25に対して2つの腕状の部材からなる押圧部19により挟み込む構成を例示したが、3つ以上の腕状の部材により挟み込む構成であってもよいし、実施例2のように1つの腕状の部材からなる押圧部で押圧する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…表面実装クリップ、3…プリント基板、5…シールドケース、11a〜11c…当接部、13…筒部、15…貫通孔、17…支持部、19…押圧部、21…貫通孔、25…差込部、31…表面実装クリップ、33a〜33c…当接部、35…連結部、37…押圧部、39…ガイド片、41…空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象部品が有する柱状の差込部が挿入可能な貫通孔が形成されたプリント基板の裏面に固定され、前記プリント基板の表面から挿入される前記差込部を固定する表面実装クリップであって、
前記プリント基板の裏面に半田付けにより固定される当接面を有する基部と、
前記貫通孔を通過して前記プリント基板の裏面に突出した前記差込部を押圧して前記差込部を前記プリント基板に固定する押圧部と、を有する
ことを特徴とする表面実装クリップ。
【請求項2】
前記基部は板状の部材であり
前記押圧部は、前記基部の端部から延び出す腕状の部材である
ことを特徴とする請求項1に記載の表面実装クリップ。
【請求項3】
前記押圧部は、複数の前記腕状の部材からなり、当該複数の腕状の部材によって前記差込部を挟み込むように押圧する
ことを特徴とする請求項2に記載の表面実装クリップ。
【請求項4】
少なくとも一部が前記貫通孔に挿入され、前記差込部の移動方向を案内するガイド部が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表面実装クリップ。
【請求項5】
前記ガイド部は筒状の形状である
ことを特徴とする請求項4に記載の表面実装クリップ。
【請求項6】
前記ガイド部は板状の形状である
ことを特徴とする請求項4に記載の表面実装クリップ。
【請求項7】
貫通孔が設けられたプリント基板と、
前記貫通孔に挿入可能な差込部を有する取付対象部品と、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表面実装クリップと、を有する
ことを特徴とする組み付け構造。
【請求項8】
前記表面実装クリップの前記当接面は、前記プリント基板に設けられたプリント配線と導通するように前記プリント基板に固定され、
前記差込部は、少なくとも前記表面実装クリップと接触する部分が導体で形成されており、前記表面実装クリップを介して前記プリント配線と前記差込部とが導通する
ことを特徴とする請求項7に記載の組み付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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