説明

袋内包容器用の袋

【課題】袋の詰め替えを容易に行うことができる袋内包容器用の袋を提供する。
【解決手段】容器本体1の開口部に嵌め込まれる際に、開閉蓋付き蓋体2によって開封口の縁が上記容器本体の内面へと押しやられて上記容器本体に挿入される、内容物Aが入れられた袋3において、上記袋にはその開封口を上記容器本体の開口部に合致するように拡開状態で保持する弾性体13が取り付けられる。柔軟な袋の開封口は弾性体によって腰を与えられ、袋が容器本体内に挿入されると、袋の開封口の縁は容器本体の開口部内で開口状態を保持する。そこで、開閉蓋付き蓋体を容器本体の開口部にあてがうと、その押圧部は容易に開封口から袋内に侵入し、袋の開封口の全周縁は容器本体の開口部の内面へと押しやられたうえで嵌合が終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状、顆粒状、粒状などの内容物を入れた袋を開封して袋ごと容器本体内に収納し、容器本体を開閉蓋付き蓋体で覆う際に、袋の開封口の周縁を容器本体と蓋体とで簡易に挟み込むことができるようにした袋内包容器用の袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉状、顆粒状、粒状などの内容物は缶に充填され密封された包装体として流通市場に供給されている。缶には開閉蓋付き蓋体が付属しており、缶を開封した後にこの開閉蓋付き蓋体を缶に被せ、開閉蓋を開閉すれば、缶内の粉状、顆粒状、粒状などの内容物を小出しに取り出すことが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、内容物としてふりかけ等を収納する容器には、ふりかけ等を収納した袋を開封した後に袋ごと容器本体内に収納し、容器本体の開口部を開閉蓋付き蓋体で覆うようにしたものがある。この容器は、開閉蓋付き蓋体と容器本体との嵌合部に袋の開封口の縁を挟み込むことで、容器から中身を振り出す際に、容器本体内への中味の落下を防止するようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4219205号公報
【特許文献2】実用新案登録第2554822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のうち前者は使い捨ての包装体であるから、中味を消費した後の缶の処分が面倒であるという問題がある。
【0006】
後者の包装体は金属以外のプラスチック、紙等で作ることができるので、中味を消費した後の容器本体、袋等の処分は容易である。また、空の袋を中味の入った新しいものと交換することで容器本体、開閉蓋付き蓋体は再使用することができる。
【0007】
しかし、後者の包装体は、柔らかい袋の開封口の全周縁を指で拡げてその拡げた状態を保持しながら、容器本体側の開口縁を袋の開封口の全周縁と共に開閉蓋付き蓋体側の環状溝内に押し込まなければならず、そのため袋を容器本体内に装着したり、袋を新しいものと交換したりする際の操作が極めて面倒である。また、袋を容器本体内に装着する際に、袋開封口の周縁の一部が容器本体の内側に取り残されたりすることがあり、その場合は取り残された箇所から中味が袋と容器本体との間に入り込むという不具合が生じる。さらに、袋を容器本体内に装着する際に、指で袋の開封口を支える必要があり、その指が袋内に侵入して中身の内容物に接触するので不衛生であるという問題がある。
【0008】
したがって、本発明は、上記問題点を解決することができる袋内包容器用の袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0010】
なお、本発明の理解を容易にするため図面の参照符号を付するが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、容器本体(1)の開口部に嵌め込まれる際に、開閉蓋付き蓋体(2)によって開封口の縁が上記容器本体(1)の内面へと押しやられて上記容器本体(1)に挿入される、内容物(A)が入れられた袋(3)において、上記袋(3)にはその開封口を上記容器本体(1)の開口部に合致するように拡開状態で保持する弾性体(13)が取り付けられた袋内包容器用の袋(3)を採用する。
【0012】
上記袋(3)に充填される内容物(A)には、任意の粉状、顆粒状、粒状の物質が含まれる。一例として、コーヒーあるいは砂糖などの調味料が含まれる。また、食品用粉体としての小麦粉、ベーキングパウダー、酵母、シュガーパウダー、塩、胡椒などが含まれる。さらに、食品用粉体以外の洗濯用の洗剤、フェースパウダーなどが含まれてもよい。
【0013】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の袋内包容器用の袋(3)において、上記弾性体(13)が帯状に形成され、この帯状弾性体(13)が上記開封口に沿うように袋(3)の表面に貼着されたものとすることができる。
【0014】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の袋内包容器用の袋(3)において、上記袋(3)は、底部が拡開可能な自立性袋とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器本体(1)の開口部に嵌め込まれる際に、開閉蓋付き蓋体(2)によって開封口の縁が上記容器本体(1)の内面へと押しやられて上記容器本体(1)に挿入される、内容物(A)が入れられた袋(3)において、上記袋(3)にはその開封口を上記容器本体(1)の開口部に合致するように拡開状態で保持する弾性体(13)が取り付けられた袋(3)であることから、柔軟な袋(3)の開封口は弾性体によって腰を与えられることとなり、袋(3)が容器本体(1)内に挿入されると、袋(3)の開封口の縁は容器本体(1)の開口部内で開口状態を保持する。そこで、開閉蓋付き蓋体(2)を容器本体(1)の開口部にあてがうと、その押圧部(9)は容易に開封口から袋(3)内に侵入し、この押圧部(9)によって袋(3)の開封口の全周縁が容器本体(1)の開口部の内面へと押しやられたうえで嵌合が終了する。従って、袋(3)の開封口はその全周縁が簡易かつ迅速に容器本体(1)の開口部の内面に接することとなり、新しい袋(3)を開封して容器本体(1)内に装着したり、中味が消費された袋(3)を新しいものと交換したりする際の操作を極めて簡易に行うことができる。
【0016】
また、開閉蓋付き蓋体(2)を容器本体(1)の開口部に装着する際に、袋(3)の開封口を指等で拡げておく必要がないので、指等が袋(3)内に入らないようにすることができ、従って、すこぶる衛生的に袋(3)を容器本体(1)内に装填することができる。また、袋(3)の開封口をその全周縁にわたって正確に容器本体(1)の開口部の内面に接触させることができるので、袋内の粉状、顆粒状、粒状などの内容物(A)が容器本体(1)と袋(3)との間に漏れ出るという不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】袋内包容器の斜視図である。
【図2】袋内包容器の分解斜視図である。
【図3】袋内包容器の垂直断面図である。
【図4】未開封の本発明に係る袋の斜視図である。
【図5】組立途中の本発明に係る袋の斜視図である。
【図6】開閉蓋付き蓋体の押圧部を容器本体に挿入する前における部分垂直断面図である。
【図7】開閉蓋付き蓋体と容器本体との嵌合直前における部分垂直断面図である。
【図8】袋内包容器から中味を取り出す状態を示す部分垂直断面図である。
【図9】袋内包容器の他の態様を示す斜視図である。
【図10】図9に示す袋内包容器の分解斜視図である。
【図11】図9に示す袋内包容器で用いる本発明に係る袋の未開封時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の望ましい形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
<実施の形態1>
図1に示すように、この袋内包容器は、容器本体1と、容器本体1の上部に取り付けられる開閉蓋2aの付いた蓋体2とを具備し、図2及び図3に示すように、袋内包容器内には、粉状、顆粒状、粒状などの内容物の一例としてのコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aが入れられた袋3が開封状態で挿入される。
【0020】
容器本体1は、テーパ付き筒状胴部1aを有する。しかし、容器本体1は、テーパ無しであってもよい。この胴部1aの上端が円形又は楕円形の開口部とされ、下端は円板形又は楕円形の底板1bで閉じられる。
【0021】
容器本体1の開口部のテーパ付き内面は平滑面とされる。また、この開口部の外面には、開閉蓋付き蓋体2の下端が当接しうるリム4と、開閉蓋付き蓋体2の内向き嵌合突起5が引っ掛かる外向き嵌合突起6とが形成される。
【0022】
この容器本体1は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等によって一体成形され、あるいは紙シートの折り曲げ加工等によって成形され、あるいは紙と上記樹脂との複合体として成形され、あるいはフランジカールのついた紙コップでもよい。
【0023】
開閉蓋付き蓋体2は、容器本体1の開口部の外面を覆う外周壁7と、この外周壁7の上端から起立する円筒壁8と、この円筒壁8に係脱自在に被さる開閉蓋2aと、容器本体1の開口部の内方へと挿入される押圧部9とを具備する。
【0024】
外周壁7は容器本体1の開口部近傍の外周面に合致しうる筒体であり、その内面には上記内向き嵌合突起5が形成される。
【0025】
円筒壁8はこの袋内包容器の内容物取出口を形成するものであり、その外周面には開閉蓋2aに形成された内向き嵌合突起10が引っ掛かる外向き嵌合突起11が形成される。
【0026】
開閉蓋2aは、上記円筒壁8の開口を開閉自在に覆うものであって、その内周面に上記内向き嵌合突起10が設けられる。この開閉蓋2aは蓋体2から切り離して別体としてもよいが、望ましくはヒンジ12によって蓋体2に連結される。
【0027】
押圧部9は、この開閉蓋付き蓋体2を容器本体1の開口部に嵌め込む際に、袋3の開封口の縁を容器本体1の開口部の内面へと押しやって押し付けるためのもので、容器本体1内に挿入可能に下方に向かって窄む筒体として形成される。より具体的には、押圧部9は上記円筒壁8の下端あたりから下方へと椀形に延び、その外面には凸状湾曲面9aが形成される。凸状湾曲面9aの上側は、上記外周壁7との間に上記容器本体1の開口部の上記凸部6が設けられた周壁が入り込む環状溝が介在するように形成される。凸状湾曲面9aの下側は、容器本体1のテーパ付き内周面との間で袋3の開封口の縁又はこの縁及び後述する弾性体13を挟み込み得るように形成される。
【0028】
押圧部9の底には、袋3内の内容物であるコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを取り出すための開口が形成され、必要に応じて開口を横断するように摺り切り14が梁状に設けられる。
【0029】
また、押圧部9の空洞内には、スプーン15が取り外し可能に固定される。スプーン15を押圧部9内に固定するための固定手段は、図示しないが押圧部9に爪片等として設けられる。このスプーン15で掬ったコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを上記摺り切り14で掻き落とすことにより、使用する量を計量することができる。
【0030】
この開閉蓋付き蓋体2は、上記樹脂を射出成形することによって一体的に形成される。上記ヒンジ12もこの開閉蓋付き蓋体2の射出成形の際にインテグラルヒンジとして形成可能である。上記スプーン15も同様に成形し、使用時に切り離すようにすることも可能である。
【0031】
袋3は、図4に示すように、底部が拡開可能な自立性袋として構成される。
【0032】
この自立性袋3は次のようにして作成される。
【0033】
図5に示すように、樹脂フィルム製の前後シート部16,17が重ねられ、前後シート部16,17間にそれらの底辺aに沿うように樹脂フィルム製のガセットシート部18が二つ折り状態で挿入され、この前後シート部16,17の少なくとも底辺a及びこの底辺aを挟む左右両側辺b,cにおける前シート部16とガセットシート部18との間、後シート部17とガセットシート部18との間及び前シート部16と後シート部17との間が図4に示すように夫々ヒートシール部19,20,21,22,23で接着される。
【0034】
樹脂フィルムは、例えば積層フィルムであり、図示しないが外側に非ヒートシール材層が配置され、内側にヒートシール材層が配置され、中間にガスバリア材層が配置される。
【0035】
前後シート部16,17は上記樹脂フィルムを打ち抜いたり断裁したりすることにより例えば同形同大の略長方形に形成される。前後シート部16,17はヒートシール材層を内側にして重ね合わされる。ガセットシート部18は上記樹脂フィルムを打ち抜いたり断裁したりすることにより略長方形に形成される。ガセットシート部18は非ヒートシール材層を内側にして二つ折りされ、折れ線18aを先にして前後シート部16,17間にそれらの一辺に沿うように挿入される。このガセットシート部18の挿入により、前シート部16とガセットシート部18とが重なった箇所が前ガセット部とされ、後シート部17とガセットシート部18とが重なった箇所が後ガセット部とされる。
【0036】
ヒートシール部19,20,21,22,23は、ガセットシート部18を挟み込んだ状態の前後シート部16,17を図示しない加熱盤で熱プレスすることにより形成される。
【0037】
ヒートシール部22,23は、袋の左右両側辺b,cの前後ガセット部以外の箇所に形成される。このヒートシール部22,23によって、袋3の左右が閉じられる。
【0038】
ヒートシール部19,20,21は、袋3の底辺aと、袋3の左右両側辺b,cの前後ガセット部に対応する箇所とに形成される。また、前後ガセット部の左右のヒートシール部20,21に対応してガセットシート部18の左右には切欠部24が形成され、この切欠部24を通して前シート部16と後シート部17との対向する部分がヒートシールされる。これにより、袋3の底にガセットシート部18でマチが形成され、図4に示すように、このマチを拡開して底にすることで袋3を自立させることができる。
【0039】
なお、ガセットシート部18は前後シート部16,17と底辺aの折れ線を介して一体化されているが、それぞれ別体として形成した後に前後シート部16,17間にガセットシート部18を折り曲げて挿入するようにしてもよい。
【0040】
図4に示すように、前後シート部16,17間には、その天辺dに沿うように、この袋3の開封口となる箇所を閉じるヒートシール部25が形成される。この天辺dのヒートシール部25は、他のヒートシール部19,20,21,22,23が形成され、内容物であるコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aが天辺dから袋3内に充填された後に形成される。これにより、コーヒーあるいは砂糖などの調味料Aが袋3内に密封され、外界から遮断される。
【0041】
また、この袋3には、易開封手段として、上記天辺dのヒートシール部25の近傍において左右のヒートシール部22,23に切欠26が形成される。前後シート部16,17の天辺dの左右端いずれかを摘んで他端へと引っ張ると、ヒートシール部25が前後シート部16,17の例えば延伸方向に沿って破断し、袋3が開封される。ヒートシール部25が除去されることにより、袋3の天辺dに開封口が形成される。
【0042】
なお、切欠26は、図5に示したヒートシール前の段階で形成してもよいし、左右のヒートシール部22,23を形成した後に形成するようにしてもよい。
【0043】
図4及び図5に示すように、袋3には、上記容器本体1の開口部に合致するように袋3の開封口を拡開状態で保持するための弾性体13が取り付けられる。
【0044】
弾性体13は、例えば樹脂、金属、紙或いはこれらの複合体を用いて帯状に形成される。あるいは、線状に形成される。この弾性体13は上記切欠26よりやや下方において袋3の前後シート部16,17の表面に貼着される。弾性体13は、接着剤、粘着剤、ヒートシール、超音波接着等適宜の貼着手段によって袋3に取り付けることが可能である。
【0045】
なお、弾性体13は、図5に示すシート段階で貼着してもよいし、図4に示す袋3として組み立てられた段階で貼着してもよい。
【0046】
次に、上記構成の袋内包容器の作用について説明する。
【0047】
(1)コーヒーあるいは砂糖などの調味料Aが収納された袋3は、当初図4に示すような状態にある。
【0048】
(2)袋内のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを使用するに際し、図4に示す天辺dのヒートシール部25を、袋3を横断する方向に引き裂いて除去し、袋3を開封する。より詳しくは、図4に示す切欠26近傍でヒートシール部25に指を掛けて他端側へ引っ張ると、ヒートシール部25が帯状に破断する。これにより、袋3の上端に開封口が形成される。
【0049】
この場合、袋3はガセットシート部18が拡開状態にあることから、幅広の底面を有することになり、机等の平坦面上で倒れることなく自立可能である。
【0050】
(3)この開封した袋3はその前後シート部16,17等が柔軟であることから、その開封口も柔軟であるが、開封口は弾性体13によって腰を与えられている。そのため、袋3を容器本体1内に挿入すると、図6に示すように、袋3の開封口が容器本体1内で適度に拡開し、使用者が指で保持せずとも開封口の縁はその全周が容器本体1の開口部に合致するように保持される。
【0051】
(4)そこで、図7に示すように、開閉蓋付き蓋体2を容器本体1の開口部にあてがうと、押圧部9が袋3の開封口から袋3内へと容易に入り込む。
【0052】
図3に示すように、押圧部9が袋3内に入り切ると、この押圧部9の凸状湾曲面9aによって、袋3の開封口の全周縁は容器本体1の開口部の内面に押しやられて押圧され、容器本体1の内面の定位置に固定される。
【0053】
また、同時に開閉蓋付き蓋体2と容器本体1の嵌合突起5,6同士が嵌合することで、開閉蓋付き蓋体2が容器本体1の開口部に固定される。この時点でこの袋内包容器は図1に示すような外観となって現れる。
【0054】
このように、袋3の開封口はその全周縁が速やかに容器本体1の開口部の内面に接することとなり、袋3を開封して容器本体1内に装着する際の操作を極めて簡易かつ迅速に行うことができる。
【0055】
(5)袋3の中身のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを取り出すには、次のような操作をすればよい。
【0056】
図8に示すように、開閉蓋付き蓋体2における嵌合突起10,11同士の嵌合を解いて開閉蓋2aを開け、スプーン15を所定位置から外し、スプーン15を押圧部9の底の開口から袋3内に挿入してコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを掬い、摺り切り14で余剰のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを除去し、蓋体2外へと取り出す。
【0057】
その後、開閉蓋2aを閉じて嵌合突起10,11同士を嵌合させることで、開閉蓋2aによって再び袋内包容器内を密閉状態に保つことができる。
【0058】
袋3内のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aが消費されると、開閉蓋付き蓋体2を容器本体1から取り外し、空の袋3を容器本体1から抜き取り、新しい袋3を開封して上述したと同様な手順で容器本体1内に装着し、開閉蓋付き蓋体2の開閉蓋2aを開けることで中味のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを取り出すことができる。
【0059】
<実施の形態2>
この実施の形態2では、図9及び図10に示すように、袋内包容器における容器本体1の開口部及び開閉蓋付き蓋体2が正六角形に形成される。もちろん、六角形に限らず四角形等他の多角形に形成してもよい。
【0060】
容器本体1は、図示例では開口部のみ六角形に形成され、その下部から底に至る箇所がテーパ付き円筒形に形成される。しかし、開口部の下部から底に至る箇所もテーパ付き六角形に形成してもよい。また、容器本体1はテーパ無しであってもよい。
【0061】
開閉蓋付き蓋体2の押圧部9における凸状湾曲面9aは、開口部の六角形に対応する稜線を形成してもよい。
【0062】
また、図11に示すように、袋3に貼着される帯状の弾性体14には、各々六角形の稜線の位置に対応して折れ線13aが刻設される。
【0063】
コーヒーあるいは砂糖などの調味料Aが収納された袋3は、当初図11に示すような状態にある。
【0064】
袋3内のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを使用するに際し、図11に示す天辺dのヒートシール部25を、袋3を横断する方向に引き裂いて除去し、袋3の上端に開封口を形成する。
【0065】
そして、袋3の弾性体13を折れ線13a上で折って弾性体13に折り癖を付けたうえで、容器本体1内に挿入する。
【0066】
この開封した袋3はその前後シート部16,17等が柔軟であることから、その開封口も柔軟であるが、開封口は弾性体13によって腰を与えられている。
【0067】
これにより、袋3を容器本体1内に挿入すると、袋3の開封口が容器本体1内で六角形に拡開し、開封口の縁はその全周が容器本体1の六角形の開口部に合致するように保持される。
【0068】
以後、実施の形態1の場合と同様にして開閉蓋付き蓋体2を容器本体1の開口部にあてがうことで、容器本体1と一体化することができる。そして、実施の形態1の場合と同様にして開閉蓋2aを開けて中味のコーヒーあるいは砂糖などの調味料Aを取り出すことができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。例えば、実施の形態では袋を自立性袋としたが、この袋は四方シール又は三方シールによる平パウチその他の袋であってもよい。また、パウチ形状は容器テーパに沿ったテーパ状であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…容器本体
2…開閉蓋付き蓋体
3…袋
9…押圧部
9a…凸状湾曲面
13…弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の開口部に嵌め込まれる際に、開閉蓋付き蓋体によって開封口の縁が上記容器本体の内面へと押しやられて上記容器本体に挿入される、内容物が入れられた袋において、
上記袋にはその開封口を上記容器本体の開口部に合致するように拡開状態で保持する弾性体が取り付けられたことを特徴とする袋内包容器用の袋。
【請求項2】
請求項1に記載の袋内包容器用の袋において、上記弾性体が帯状に形成され、この帯状弾性体が上記開封口に沿うように表面に貼着されたことを特徴とする袋内包容器用の袋。
【請求項3】
請求項1に記載の袋内包容器用の袋において、上記袋が、底部が拡開可能な自立性袋であることを特徴とする袋内包容器用の袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−105355(P2011−105355A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263272(P2009−263272)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】