説明

被包装物入り包装体、および包装体

【課題】本発明の課題は、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される被包装物入り包装体を提供することである。
【解決手段】本発明に係る被包装物200入り包装体100は、被包装物200と、包装体100とを備える。この包装体100は、被包装物200を収納する。また、この包装体100は、第1収納部120と、第2収納部130と、本体部110とを有する。第2収納部130は、第1収納部120と孔151を通じて連通する。本体部110は、第1収納部120および第2収納部130を覆う。第1収納部120は、被包装物200の特定部位210を収納する。第2収納部130は、流動物300および被包装物200の一部を収納する。孔151は、被包装物200で密閉される。被包装物200の一部は、第1収納部120が連通している側と反対側から第2収納部130の外に出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物入り包装体、および包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流動物と被包装物とを接触させずに一緒に収納することのできる包装体が知られている。例えば、特許文献1には、流動物と被包装物とを隔てる仕切りを備える包装体が開示されている。包装体の所定の箇所に外力が加えられることで、仕切りが破断され、被包装物の特定部位に流動物が塗布される。そのため、この包装体は、被包装物の特定部位に、手を汚さず衛生的に流動物を塗布することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−203484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この包装体では、仕切りを破断する際に強い力が必要となる場合がある。そのため、老人または子供などの力の弱いユーザは、被包装物の特定部位に容易に流動物を塗布することができないおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される被包装物入り包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)
本発明に係る被包装物入り包装体は、被包装物と、包装体とを備える。包装体は、被包装物を収納する。包装体は、第1収納部と、第2収納部と、本体部とを有する。第2収納部は、第1収納部と孔を通じて連通する。本体部は、第1収納部および第2収納部を覆う。第1収納部は、被包装物の特定部位を収納する。第2収納部は、流動物および被包装物の一部を収納する。孔は、被包装物で密閉される。被包装物の一部は、第1収納部が連通している側と反対側から第2収納部の外に出されている。
【0007】
被包装物の第2収納部の外に出されている部分が引っ張られて、被包装物が包装体から取り出される。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部を通過するとき、被包装物の特定部位には、取り出しと同時に流動物が塗布される。そのため、被包装物入り包装体では、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0008】
(2)
上述(1)の被包装物入り包装体では、第2収納部は、多孔質弾性体を有することが好ましい。
【0009】
多孔質弾性体は、流動物を吸収すると共に、流動物を吸収した状態を維持する。そのため、多孔質弾性体は、第2収納部から流動物を漏れにくくする。
【0010】
(3)
本発明に係る被包装物入り包装体は、被包装物と、包装体とを備える。包装体は、被包装物を収納する。包装体は、第1収納部と、第2収納部と、本体部とを有する。第2収納部は、第1収納部に隣接する。本体部は、第1収納部および第2収納部を覆う。また、本体部は、フレキシブルな素材から成る。第1収納部は、被包装物の特定部位を収納する。第2収納部は、流動物を収納する。第1収納部と第2収納部とは、本体部をねじることで隔てられる。
【0011】
包装体から被包装物が取り出されるとき、本体部のねじりが解かれることで、第1収納部と第2収納部との隔たりがなくなる。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部にいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物の特定部位には、流動物が塗布される。そのため、被包装物入り包装体では、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0012】
(4)
本発明に係る被包装物入り包装体は、被包装物と、包装体とを備える。包装体は、被包装物を収納する。包装体は、第1収納部と、第2収納部と、本体部とを有する。第2収納部は、第1収納部に隣接する。本体部は、第1収納部および第2収納部を覆う。また、本体部は、フレキシブルな素材から成る。第1収納部は、被包装物の特定部位を収納する。第2収納部は、流動物を収納する。第1収納部と第2収納部とは、本体部を折り畳むことで隔てられる。
【0013】
包装体から被包装物が取り出されるとき、本体部の折り畳みが開かれることで、第1収納部と第2収納部との隔たりがなくなる。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部にいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物の特定部位には、流動物が塗布される。そのため、被包装物入り包装体では、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0014】
(5)
本発明に係る被包装物入り包装体は、被包装物と、包装体とを備える。包装体は、被包装物を収納する。包装体は、第1収納部と、第2収納部と、本体部とを有する。第2収納部は、第1収納部に隣接する。本体部は、第1収納部および第2収納部を覆う。また、本体部は、フレキシブルな素材から成る。第1収納部は、被包装物の特定部位を収納する。第2収納部は、流動物を収納する。第1収納部と第2収納部とは、本体部を挟持部材で挟むことで隔てられる。
【0015】
包装体から被包装物が取り出されるとき、本体部から挟持部材が外されることで、第1収納部と第2収納部との隔たりがなくなる。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部にいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物の特定部位には、流動物が塗布される。そのため、被包装物入り包装体では、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0016】
(6)
上述(1)〜(5)のいずれかの被包装物入り包装体では、本体部は、覆い部を有することが好ましい。覆い部は、被包装物の一部を覆う。また、覆い部は、被包装物を包装体から取り出すとき、本体部から分離される。
【0017】
被包装物を包装体から取り出すとき、ユーザは、本体部から分離された覆い部を介して被包装物を持つことができる。そのため、ユーザは、被包装物に直接触れないので、手を汚すことなく被包装物を取り扱うことができる。
【0018】
(7)
本発明に係る包装体は、筒形状の本体部と、壁部とを備える。壁部は、本体部の内面から内部に向かって延びる。また、壁部は、孔を有する。
【0019】
包装体に被包装物および流動物を所定の箇所に収納したとき、孔は被包装物で密閉される。そのため、壁部は、被包装物の特定部位と流動物とを接触させずに1つの包装体で保管することができる。
【0020】
被包装物が包装体から取り出されるとき、被包装物の特定部位が、流動物が収納された所定の箇所を通過する。そのため、被包装物の特定部位には、取り出しと同時に流動物が塗布される。そのため、包装体では、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0021】
(8)
上述(7)の包装体は、多孔質弾性体をさらに備えることが好ましい。
【0022】
包装体に被包装物および流動物を所定の箇所に収納したとき、多孔質弾性体は、流動物を吸収すると共に、流動物を吸収した状態を維持する。そのため、多孔質弾性体は、所定の箇所から流動物を漏れにくくする。
【0023】
(9)
本発明に係る被包装物の包装方法は、準備工程と、流動物収納工程と、ねじり工程と、被包装物収納工程とを備える。準備工程では、被包装物と、包装体とが準備される。包装体は、本体部を有する。流動物収納工程では、本体部に流動物が収納される。本体部は、フレキシブルな素材から成る。ねじり工程では、本体部がねじられ、第1収納部と第2収納部とが隔てられる。第1収納部には、流動物が収納されていない。第2収納部には、流動物が収納されている。被包装物収納工程では、第1収納部に被包装物が収納される。
【0024】
包装体から被包装物が取り出されるとき、本体部のねじりが解かれることで、第1収納部と第2収納部との隔たりがなくなる。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部にいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物の特定部位には、流動物が塗布される。そのため、この被包装物の包装方法によって、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0025】
(10)
本発明に係る被包装物の包装方法は、準備工程と、流動物収納工程と、折り畳み工程と、被包装物収納工程とを備える。準備工程では、被包装物と、包装体とが準備される。包装体は、本体部を有する。流動物収納工程では、本体部に流動物が収納される。本体部は、フレキシブルな素材から成る。折り畳み工程では、本体部が折り畳まれ、第1収納部と第2収納部とが隔てられる。第1収納部には、流動物が収納されていない。第2収納部には、流動物が収納されている。被包装物収納工程では、第1収納部に被包装物が収納される。
【0026】
包装体から被包装物が取り出されるとき、本体部の折り畳みが開かれることで、第1収納部と第2収納部との隔たりがなくなる。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部にいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物の特定部位には、流動物が塗布される。そのため、この被包装物の包装方法によって、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【0027】
(11)
本発明に係る被包装物の包装方法は、準備工程と、流動物収納工程と、挟持工程と、被包装物収納工程とを備える。準備工程では、被包装物と、包装体と、挟持部材とが準備される。包装体は、本体部を有する。挟持部材は、本体部を挟む。流動物収納工程では、本体部に流動物が収納される。本体部は、フレキシブルな素材から成る。挟持工程では、本体部が挟持部材で挟まれ、第1収納部と第2収納部とが隔てられる。第1収納部には、流動物が収納されていない。第2収納部には、流動物が収納されている。被包装物収納工程では、第1収納部に被包装物が収納される。
【0028】
包装体から被包装物が取り出されるとき、本体部から挟持部材が外されることで、第1収納部と第2収納部との隔たりがなくなる。そして、被包装物の特定部位が、第2収納部にいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物の特定部位には、流動物が塗布される。そのため、この被包装物の包装方法によって、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る被包装物入り包装体は、手を汚さず衛生的に、被包装物に容易に流動物が塗布される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る被包装物入り包装体の平面図である。
【図2】図1に示した被包装物入り包装体のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る被包装物入り包装体の平面図である。
【図4】図3に示した被包装物入り包装体のB−B線断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の変形例(A)に係る被包装物入り包装体の平面図である。
【図6】図5に示した被包装物入り包装体のC−C線断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の変形例(B)に係る被包装物入り包装体の平面図である。
【図8】図7に示した被包装物入り包装体のD−D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
−第1実施形態−
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る包装体100は、被包装物200と流動物300とを収納する。
【0032】
被包装物200は、流動物300が塗布される特定部位210と、特定部位210を保持する保持部220とを有する。具体的に、被包装物200は、例えば、シリコーン樹脂製または熱可塑性エラストマー製(スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系など)等のチューブ体である鼻腔挿入デバイス等である。被包装物200が鼻腔挿入デバイスであるとき、特定部位210は、円管形状である保持部220の先端に設けられる拡張部であり、流動物300は、特定部位210に塗布される潤滑剤である。
【0033】
包装体100は、筒形状の本体部110と、第1収納部120と、第2収納部130と、第3収納部140と、第1の孔151を有する第1壁部150と、第2の孔161を有する第2壁部160とを備える。第1収納部120、第2収納部130、第3収納部140は、この順に並べて配置され、本体部110で覆われている。なお、包装体100では、第1収納部120と第2収納部130との間、または第2収納部と第3収納部との間などに、さらに別の収納部が設けられてもよい。また、包装体100では、第3収納部130が省略されてもよい。第3収納部130が省略される場合、被包装物200の保持部220の一部は、包装体100で包装されず、包装体100の外部に露出する。
【0034】
第1壁部150は、本体部110の内面から内部に向かって延び、第1収納部120と第2収納部130とを隔てる。第2壁部160は、本体部110の内面から内部に向かって延び、第2収納部130と第3収納部140とを隔てる。
【0035】
本体部110の材料として、特に限定されないが、後述する覆い部111を本体部110から分離させる観点から、フレキシブルな材料が好ましい。フレキシブルな材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポりエチレンテレフタラート、ポリテトラフルオルエチレン等の合成樹脂などが用いられる。なお、本発明の主旨を損なわない範囲で、本体部110の一部または全部は、上記のフレキシブルな材料より硬い材料から成るものであってもよい。
【0036】
本体部110は、覆い部111と、切れ込み112と、被包装物200を収納するための開口部(図示せず)とを有する。この開口部は、被包装物200および流動物300が収納された状態で封止される。覆い部111は、第3収納部140に収納された被包装物200の一部である保持部220を覆う。この覆い部111は、引っ張られると切れ込み112から切れて、本体部110から分離する。
【0037】
切れ込み112は、例えば、本体部110の外周面を1周するようにして、1mmの長さで、1mmの間隔ごとに形成される。この切れ込み112は、流動物300および被包装物200が密閉して保管されるよう、本体部110を貫通せずに形成される。なお、流動物300および被包装物200が密閉して保管する必要のないものであるとき、切れ込み112は、本体部110を貫通して形成されてもよい。
【0038】
第1収納部120は、被包装物200の特定部位210を収納する。第2収納部130は、流動物300および被包装物200の一部である保持部220を収納する。この第2収納部130は、第1収納部120と、第1壁部150の第1の孔151を通じて連通する。そして、この第1の孔151は、被包装物200の保持部220で密閉される。
【0039】
流動物300は、被包装物200の特定部位210に容易に塗布することができるのであれば、第2収納部130の全部に充填されていてもよいし、一部に充填されていてもよい。第2収納部130への流動物300の充填は、例えば、本体部110の第2収納部130を覆う箇所に注入口を設け、この注入口から流動物300を注入する等して行う。また、流動物300の注入後、注入口は封止される。
【0040】
第3収納部140は、第2収納部130と、第2壁部160の第2の孔161を通じて連通する。この第2の孔161は、被包装物200の保持部220で密閉されていてもよいし、密閉されていなくてもよい。第2の孔161が保持部220で密閉されていない場合、流動物300が流れ出ることを防止する観点から、第2の孔161は保持部220と同程度の大きさであることが好ましい。なお、流動物300が容易に第2収納室から流れ出ない粘度を持つ場合、第2の孔161が保持部220より大きくされてもよいし、第2壁部160および第2の孔161が形成されなくてもよい。
【0041】
第3収納部140は、被包装物200の一部である保持部220を収納する。第3収納部140に収納される保持部220は、第1収納部120が連通している側と反対側から第2収納部130の外に出されているものである。
【0042】
第1壁部150および第2壁部160の材料として、特に限定されないが、孔151,161と保持部220との密閉性を向上させる観点から、弾性を有する材料が好ましい。弾性を有する材料として、例えば、イソプレンゴムまたはシリコーンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー等が用いられる。
【0043】
<被包装物の取り出し方法>
ユーザは、覆い部111を介して保持部220を摘んで引っ張り、覆い部111を本体部110から分離させる。次に、ユーザは、特定部位210を第1収納室120、第2収納室130、第3収納室140の順に移動させ、被包装物200を包装体100から取り出す。なお、本体部110に覆い部111および切れ込み112が設けられていない場合には、本体部110の第3収納部140を覆う箇所をハサミ等で切って、被包装物200を取り出すための開口部を作製してもよい。
【0044】
特定部位210が第2収納部130を通過するとき、特定部位210には、取り出しと同時に流動物300が塗布される。なお、ユーザは、特定部位210が第2収納部130を通過するとき、本体部110の第2収納部130を覆う箇所を押すことで、特定部位210にしっかりと流動物300を塗布させてもよい。
【0045】
<本実施形態における効果>
被包装物200の第2収納部130の外に出されている部分が引っ張られて、被包装物200が包装体100から取り出される。そして、被包装物200の特定部位210が、第2収納部130を通過するとき、被包装物200の特定部位210には、取り出しと同時に流動物300が塗布される。そのため、被包装物200入り包装体100では、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物200に容易に流動物300が塗布される。
【0046】
被包装物200を包装体100から取り出すとき、ユーザは、本体部110から分離された覆い部111を介して被包装物200を持つことができる。そのため、ユーザは、被包装物200に直接触れないので、手を汚すことなく被包装物200を取り扱うことができる。
【0047】
<変形例>
(A)
第2収納部130は、スポンジ等の多孔質弾性体を有してもよい。この多孔質弾性体は、流動物300が第2収納部130から流れ出るのを防止するためのものであり、第2収納部130の全体に配置されてもよいし、一部に配置されてもよい。また、多孔質弾性体を有する包装体100は、第1壁部150および第2壁部160の少なくとも一方を省略してもよい。
【0048】
<本実施形態の変形例における効果>
多孔質弾性体は、流動物300を吸収すると共に、流動物300を吸収した状態を維持する。そのため、多孔質弾性体は、第2収納部130から流動物300を漏れにくくする。
【0049】
−第2実施形態−
図3、4に示されるように、本発明の第2実施形態に係る抜け包装体100aは、上記の第1実施形態に係る包装体100と異なり、第3収納部140および壁部150,160を有しておらず、第1収納部120aと第2収納部130aとを隔てるねじり部170をさらに備える。なお、第2実施形態に係る包装体100aと、上記の第1実施形態に係る包装体100とで共通する構成については、適宜その説明を省略する。
【0050】
包装体100aは、袋状の本体部110aと、第1収納部120aと、第2収納部130aとを備える。本体部110aは、覆い部111と、切れ込み112と、被包装物200を収納するための開口部(図示せず)とを有する。この開口部は、被包装物200および流動物300が収納された状態で封止される。本体部110aの材料として、フレキシブルな材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポりエチレンテレフタラート、ポリテトラフルオルエチレン等の合成樹脂などが用いられる。第1収納部120a、第2収納部130aは、この順に並べて配置され、本体部110aで覆われている。第2収納部130aは、ねじり部170を介して第1収納部120aに隣接する。
【0051】
第1収納部120aは、被包装物200を収納する。このとき、被包装物200は、流動物300の塗布のしやすさの観点から、特定部位210が第2収納部130a側に向くようにして配置される。第2収納部130aは、流動物300を収納する。
【0052】
<被包装物の包装方法>
まず、ユーザは、被包装物200と、本体部110aを有する包装体100aとを準備する。ユーザは、フレキシブルな素材から成る袋状の本体部110aに、流動物300を収納する。このとき、流動物300は、本体部110aの開口部から注がれる。
【0053】
次に、ユーザは、本体部110aをねじることで、ねじり部170を設ける。ねじり部170は、流動物300を収納していない第1収納部120aと、流動物300を収納した第2収納部130aとを隔てる。そして、ユーザは、第1収納部120aに被包装物200を収納し、本体部110aの開口部を封止する。
【0054】
<被包装物の取り出し方法>
まず、ねじり部170のねじりが解かれることで、第1収納部120aと第2収納部130aとの隔たりがなくなる。ユーザは、被包装物200の特定部位210を第2収納部130aに押し込み、特定部位210に流動物300を塗布する。次に、ユーザは、覆い部111を介して保持部220を摘んで引っ張り、覆い部111を本体部110aから分離させた後、被包装物200を包装体100aから取り出す。
【0055】
<本実施形態における効果>
包装体100aから被包装物200が取り出されるとき、本体部110aのねじりが解かれることで、第1収納部120aと第2収納部130aとの隔たりがなくなる。そして、被包装物200の特定部位210が、第2収納部130aにいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物200の特定部位210には、流動物300が塗布される。そのため、被包装物200入り包装体100aでは、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物200に容易に流動物300が塗布される。
【0056】
<変形例>
(A)
図5、6に示されるように、包装体100bは、ねじり部170に代えて、折り畳み部180を有していてもよい。
【0057】
包装体100bは、袋状の本体部110bと、第1収納部120bと、第2収納部130bとを備える。第1収納部120b、第2収納部130bは、この順に並べて配置され、本体部110bで覆われている。第2収納部130bは、折り畳み部180を介して第1収納部120bに隣接する。
【0058】
<被包装物の包装方法>
まず、ユーザは、被包装物200と、本体部110bを有する包装体100bとを準備する。ユーザは、フレキシブルな素材から成る袋状の本体部110bに、流動物300を収納する。このとき、流動物300は、本体部110bの開口部から注がれる。
【0059】
次に、ユーザは、本体部110bを少なくとも1回以上折り畳むことで、折り畳み部180を設ける。折り畳み部180は、流動物300を収納していない第1収納部120bと、流動物300を収納した第2収納部130bとを隔てる。そして、ユーザは、第1収納部120bに被包装物200を収納し、本体部110bの開口部を封止する。
【0060】
<被包装物の取り出し方法>
まず、折り畳み部180の折り畳みが開かれることで、第1収納部120bと第2収納部130bとの隔たりがなくなる。ユーザは、被包装物200の特定部位210を第2収納部130bに押し込み、特定部位210に流動物300を塗布する。次に、ユーザは、覆い部111を介して保持部220を摘んで引っ張り、覆い部111を本体部110bから分離させた後、被包装物200を包装体100bから取り出す。
【0061】
<本実施形態の変形例における効果>
包装体100bから被包装物200が取り出されるとき、本体部110bの折り畳みが開かれることで、第1収納部120bと第2収納部130bとの隔たりがなくなる。そして、被包装物200の特定部位210が、第2収納部130bにいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物200の特定部位210には、流動物300が塗布される。そのため、被包装物200入り包装体100bでは、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物200に容易に流動物300が塗布される。
【0062】
(B)
図7、8に示されるように、包装体100cは、ねじり部170に代えて挟持部材190を有していてもよい。挟持部材190は、例えば、本体部110を隙間なく挟むことのできるクリップ等である。
【0063】
包装体100cは、袋状の本体部110cと、第1収納部120cと、第2収納部130cとを備える。第1収納部120c、第2収納部130cは、この順に並べて配置され、本体部110cで覆われている。第2収納部130cは、挟持部材190を介して第1収納部120cに隣接する。
【0064】
<被包装物の包装方法>
まず、ユーザは、被包装物200と、本体部110cを有する包装体100cとを準備する。ユーザは、フレキシブルな素材から成る袋状の本体部110cに、流動物300を収納する。このとき、流動物300は、本体部110bの開口部から注がれる。
【0065】
次に、ユーザは、本体部110cを挟持部材190で挟む。挟持部材190は、流動物300を収納していない第1収納部120cと、流動物300を収納した第2収納部130cとを隔てる。そして、ユーザは、第1収納部120cに被包装物200を収納し、本体部110cの開口部を封止する。
【0066】
<被包装物の取り出し方法>
まず、本体部110cから挟持部材190が外されることで、第1収納部120cと第2収納部130cとの隔たりがなくなる。ユーザは、被包装物200の特定部位210を第2収納部130cに押し込み、特定部位210に流動物300を塗布する。次に、ユーザは、覆い部111を介して保持部220を摘んで引っ張り、覆い部111を本体部110cから分離させた後、被包装物200を包装体100から取り出す。
【0067】
<本実施形態の変形例における効果>
包装体100cから被包装物200が取り出されるとき、本体部110cから挟持部材190が外されることで、第1収納部120cと第2収納部130cとの隔たりがなくなる。そして、被包装物200の特定部位210が、第2収納部130cにいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物200の特定部位210には、流動物300が塗布される。そのため、被包装物200入り包装体100cでは、力の弱いユーザであっても、手を汚さず衛生的に、被包装物200に容易に流動物300が塗布される。
【0068】
包装体100cから被包装物200が取り出されるとき、本体部110cから挟持部材190が外されることで、第1収納部120cと第2収納部130cとの隔たりがなくなる。そして、被包装物200の特定部位210が、第2収納部130cにいったん押し込まれてから取り出される。それにより、被包装物200の特定部位210には、流動物300が塗布される。そのため、この被包装物200の包装方法によって、力の弱いユーザであっても被包装物200に容易に流動物300が塗布される。
【符号の説明】
【0069】
100,100a,100b,100c 包装体
110,110a,110b,110c 本体部
111 覆い部
120,120a,120b,120c 第1収納部
130,130a,130b,130c 第2収納部
150 第1壁部(壁部)
151 第1の孔(孔)
190 挟持部材
200 被包装物
210 特定部位
300 流動物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物と、
前記被包装物を収納する包装体とを備え、
前記包装体は、第1収納部と、前記第1収納部と孔を通じて連通する第2収納部と、前記第1収納部および前記第2収納部を覆う本体部とを有し、
前記第1収納部は、前記被包装物の特定部位を収納し、
前記第2収納部は、流動物および前記被包装物の一部を収納し、
前記孔は、前記被包装物で密閉され、
前記被包装物の一部は、前記第1収納部が連通している側と反対側から前記第2収納部の外に出されている被包装物入り包装体。
【請求項2】
前記第2収納部は、多孔質弾性体を有する請求項1に記載の被包装物入り包装体。
【請求項3】
被包装物と、
前記被包装物を収納する包装体とを備え、
前記包装体は、第1収納部と、前記第1収納部に隣接する第2収納部と、前記第1収納部および前記第2収納部を覆う本体部とを有し、
前記本体部は、フレキシブルな素材から成り、
前記第1収納部は、前記被包装物の特定部位を収納し、
前記第2収納部は、流動物を収納し、
前記第1収納部と前記第2収納部とは、前記本体部をねじることで隔てられる被包装物入り包装体。
【請求項4】
被包装物と、
前記被包装物を収納する包装体とを備え、
前記包装体は、第1収納部と、前記第1収納部に隣接する第2収納部と、前記第1収納部および前記第2収納部を覆う本体部とを有し、
前記本体部は、フレキシブルな素材から成り、
前記第1収納部は、前記被包装物の特定部位を収納し、
前記第2収納部は、流動物を収納し、
前記第1収納部と前記第2収納部とは、前記本体部を折り畳むことで隔てられる被包装物入り包装体。
【請求項5】
被包装物と、
前記被包装物を収納する包装体と、
前記包装体を挟む挟持部材とを備え、
前記包装体は、第1収納部と、前記第1収納部に隣接する第2収納部と、前記第1収納部および前記第2収納部を覆う本体部とを有し、
前記本体部は、フレキシブルな素材から成り、
前記第1収納部は、前記被包装物の特定部位を収納し、
前記第2収納部は、流動物を収納し、
前記第1収納部と前記第2収納部とは、前記本体部を前記挟持部材で挟むことで隔てられる被包装物入り包装体。
【請求項6】
前記本体部は、前記被包装物の一部を覆う覆い部を有し、
前記覆い部は、前記被包装物を前記包装体から取り出すとき、前記本体部から分離される請求項1〜5のいずれか一項に記載の被包装物入り包装体。
【請求項7】
筒形状の本体部と、
前記本体部の内面から内部に向かって延びる壁部とを備え、
前記壁部は、孔を有する包装体。
【請求項8】
多孔質弾性体をさらに備える請求項7に記載の包装体。
【請求項9】
被包装物と、本体部を有する包装体とを準備する準備工程と、
フレキシブルな素材から成る前記本体部に、流動物を収納する流動物収納工程と、
前記本体部をねじり、前記流動物を収納していない第1収納部と、前記流動物を収納した第2収納部とを隔てるねじり工程と、
前記第1収納部に被包装物を収納する被包装物収納工程とを備える被包装物の包装方法。
【請求項10】
被包装物と、本体部を有する包装体とを準備する準備工程と、
フレキシブルな素材から成る前記本体部に、流動物を収納する流動物収納工程と、
前記本体部を折り畳み、前記流動物を収納していない第1収納部と、前記流動物を収納した第2収納部とを隔てる折り畳み工程と、
前記第1収納部に被包装物を収納する被包装物収納工程とを備える被包装物の包装方法。
【請求項11】
被包装物と、本体部を有する包装体と、前記本体部を挟む挟持部材とを準備する準備工程と、
フレキシブルな素材から成る前記本体部に、流動物を収納する流動物収納工程と、
前記本体部を前記挟持部材で挟み、前記流動物を収納していない第1収納部と、前記流動物を収納した第2収納部とを隔てる挟持工程と、
前記第1収納部に被包装物を収納する被包装物収納工程とを備える被包装物の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−240681(P2012−240681A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108841(P2011−108841)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(312000491)セブン ドリーマーズ ラボラトリーズ,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】