説明

被取付体の昇降架台装置

【課題】本発明は被取付体の昇降架台装置に関し、被取付体を、手動操作により簡単かつ軽快に昇降操作を行うことができると共に、装置の構造が小型でコンパクトになり、さらには製作コストを安価になす。
【解決手段】脚台部1と、管状のスタンド3と、スタンド内に伸縮可能に内挿された、被取付体Aを取付可能な架台部4を有する、伸縮管5と、前記スタンド3の上端3aにブッシュベアリング6を内挿して伸縮管5を伸縮可能に設けた継手管材7と、を備えた被取付体Aの昇降架台装置であって、伸縮管5内には、被取付体の荷重方向Wとは対向する方向にガス圧が付勢されたガスダンパー材8が、倒立状態に配挿され、ガスダンパー材のシリンダ8Aの後端には、規制部材Kが規制可能に取付けられ、ピストン部8Bの先端には、固着手段9を介して脚台部1が取付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付体の昇降架台装置に関し、さらに詳しくは、例えば薬液、液体燃料、食品、酒のような液体を撹拌するための撹拌羽根を備える攪拌機、照明器具、送風機等の被取付体を架台部に載せて、手動操作により簡単かつ軽快に昇降可能に使用する被取付体の昇降架台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体、例えば高粘土流体を撹拌するための撹拌装置は、撹拌翼を備えた撹拌軸を回転駆動するサーボモータと、このサーボモータを支持する支持体と、この支持体を上下方向に移動操作する上下動用のサーボモータと、前記支持体を上下方向に案内するガイド機構および撹拌軸を回転駆動させる前記サーボモータ、並びに上下動用のサーボモータを制御する制御手段とで構成されている。そして、上記撹拌装置によれば、撹拌翼を備える撹拌軸を回転駆動用の前記サーボモータにより正転方向または逆転方向に回転駆動させながら、撹拌翼を回転駆動するためのサーボモータを支持する支持体を上下動用の前記サーボモータにより上下動させて、撹拌槽内の流体の撹拌を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−330847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の従来の撹拌装置は、撹拌翼を正転または逆転させながら、撹拌翼を備える撹拌軸を上下方向に移動させて流体を撹拌するものであるが、駆動機構として、撹拌翼を正転または逆転させるサーボモータのほか、このサーボモータを支持する支持体を上下方向に移動操作するための上下動用のサーボモータと、の2つのサーボモータと、これらのモータの制御を行う制御手段とを必要とするので、その構造が複雑化し、そのために、部品点数が多くなるという問題があった。また、上記従来の撹拌装置は、運転、操作が複雑になるとともに、撹拌翼は複雑な動きになるので、各サーボモータには多大な負荷がかかり、サーボモータが大型化し、しかも、サーボモータも故障もし易く短命であり、保守・点検も煩瑣に行なわなければならないという問題があった。
【0005】
さらに、特許文献1に記載の従来の撹拌装置は、装置自体が大規模化するので、その設置や、移送、運搬が大変になり、さらには、製作および組付けには多くの時間、手間がかかり、製作コストが高価になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決することを目的としている。
【0007】
即ち、本発明は、被取付体を、手動操作により簡単かつ軽快に昇降操作を行うことができると共に、装置の構造が小型でコンパクトになり、さらには製作コストを安価になる被取付体の昇降架台装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明は、
床面上に載置される脚台部と、前記脚台部の上面に立設される管状のスタンドと、前記スタンド内に伸縮可能に内挿された、上端に被取付体を取付可能な架台部を有する、小径の伸縮管と、前記スタンドの上端にブッシュベアリングを内挿して前記伸縮管を前記スタンドに伸縮可能に設けられた継手管材と、を備えた被取付体の昇降架台装置であって、
(イ)前記伸縮管内には、被取付体の荷重方向とは対向する方向にガス圧が付勢されたガスダンパー材が、倒立状態に配挿され、
(ロ)前記ガスダンパー材のシリンダの後端には、規制部材が規制可能に取付けられ、
(ハ)前記ガスダンパー材のピストン部の先端には、固着手段を介して前記脚台部が取付けられている、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記被取付体が、モータと、前記モータにより回転駆動される回転軸と、前記回転軸に取付けられて回転可能になる撹拌羽根と、を有する撹拌機、照明器具、または、送風機であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記固着手段が、前記脚台部に跨る懸架台に複数個のボルトにより固定される取付フランジを有する取付部材と、前記取付部材の略中央に前記スタンドの下端部がその外周に嵌着可能に設けられた小径段部と、前記ガスダンパー材の前記ピストン部の先端が嵌入可能に前記取付部材の上面に設けられたカップ部材と、前記カップ部材の下面に設けられたボルト部の雄ねじに螺合されるナットで構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れか1項において、前記継手管材の上端に取付けられる平面視環状の蓋部材の外側には、前記架台部に設けたピン体部に係止可能となる側面略フック状の係止部材が枢動可能に枢着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、床面上に載置される脚台部と、前記脚台部の上面に立設される管状のスタンドと、前記スタンド内に伸縮可能に内挿された、上端に被取付体を取付可能な架台部を有する、小径の伸縮管と、前記スタンドの上端にブッシュベアリングを内挿して前記伸縮管を前記スタンドに伸縮可能に設けられた継手管材と、を備えた被取付体の昇降架台装置であって、前記伸縮管内には、被取付体の荷重方向とは対向する方向にガス圧が付勢されたガスダンパー材が、倒立状態に配挿され、前記ガスダンパー材のシリンダの後端には、規制部材が規制可能に取付けられ、前記ガスダンパー材のピストン部の先端には、固着手段を介して前記脚台部が取付けられているので、撹拌羽根を備える攪拌機、照明器具、もしくは送風機のように架台部に設けられた被取付体を使用時に降下させるのには、脚台部に立設された管状のスタンド内において、手動操作により、伸縮管に内挿しているガスダンパー材のシリンダ内のガス圧が被取付体の荷重方向に対向するように、先端が脚台部に固着手段を介して取付けられているピストン部を縮小することにより被取付体は緩やかに降下され、使用の途に供せられる。また、被取付体の使用後に被取付体を旧位置に上昇させるのには、手動操作により、伸縮管に内挿されているガスダンパー材のガス圧の助勢を受けながら、スタンド内においてピストン部が伸長されると、被取付体は架台部毎上昇され、旧位に復する。このように、本発明の被取付体の昇降架台装置自体、手動操作により伸縮管の伸縮を簡単かつ軽快に行うことができ、また、装置の構造は、小型でコンパクトになり、移送、運搬は容易に行える。さらには、製作および組付けが短時間に容易に行え、生産効率も高く、製作コストを安価になる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記被取付体が、モータと、前記モータにより回転駆動される回転軸と、前記回転軸に取付けられて回転可能になる撹拌羽根と、を有する撹拌機、照明器具、または、送風機であるので、手動操作により、ガスダンパー材のシリンダ内のガス圧の付勢方向に抗してそのピストンが縮小されると、伸縮管は脚台部に立設された管状のスタンド内を縮小され、被取付体は緩やかに降下し、使用の途に供することができる。そして、被取付体の使用後に被取付体を旧位置に上昇させるのには、手動操作により、ガスダンパー材におけるガス圧に助勢されながら、ピストン部を伸長し、スタンド内において伸縮管が伸長されると、架台毎被取付体は上昇され、旧位に復する。このように、手動操作により伸縮管を、ガスダンパー材のガス圧を利用することにより容易に上昇または降下させ、架台部毎被取付体を簡単かつ軽快に上昇または降下することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記固着手段が、前記脚台部に跨る懸架台に複数個のボルトにより固定される取付フランジを有する取付部材と、前記取付部材の略中央に前記スタンドの下端部がその外周に嵌着可能に設けられた小径段部と、前記ガスダンパー材の前記ピストン部の先端が嵌入可能に前記取付部材の上面に設けられたカップ部材と、前記カップ部材の下面に設けられたボルト部の雄ねじに螺合されるナットで構成されているので、ボルト部と、該ボルト部の雄ねじに螺合されるナットとにより脚台部に取付けられる段盤状の取付部材の小径段部にスタンドの下端部が嵌着されるのと、前記カップ部材内にガスダンパー材のピストン部の先端が嵌入されることにより、スタンド、およびガスダンパー材を略垂直に簡単かつ確実に取付けることができ、伸縮管およびガスダンパー材を略垂直に昇降できる。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1−3の何れか1項において、
前記継手管材の上端に取付けられる平面視環状の蓋部材の外側には、前記架台部に設けたピン体部に係止可能となる側面略フック状の係止部材が枢動可能に枢着されているので、使用時に被取付体を降下した場合に、被取付体が取付けられている架台部のピン体部にフック状の係止部材を係止させることにより、ガスダンパー材のガス圧による助勢により、被取付体が架台部毎不用意に上昇するのを防止することができるため、怪我が防止され、安全である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の被取付体の昇降架台装置の実施形態を示す側面図である。
【図2】図2は同じく一部を省略した断面図である。
【図3】図3は同じくガスダンパー材を介して伸縮管を縮小させた状態を示す側面図である。
【図4】図4は同じく本実施形態の固着手段を用いて脚台部にスタンド、およびガスダンパー材のピストン部を取付けた状態を示す拡大断面図である。
【図5】図5は同じく本実施形態を構成する脚台部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に従って本発明を実施するための最良の形態を、被取付体として撹拌羽根を備える攪拌機に適用した場合につき詳細に説明する。
【0018】
本実施形態は、床面2上に載置される脚台部1と、前記脚台部1の上面に立設される管状のスタンド3と、前記スタンド3内に伸縮可能に内挿された、上端に被取付体Aを取付可能な架台部4を有する、小径の伸縮管5と、前記スタンド3の上端3aにブッシュベアリング6を内挿して前記伸縮管5を前記スタンド3に伸縮可能に設けられた継手管材7と、を備えた被取付体Aの昇降架台装置であって、前記伸縮管5内には、被取付体Aの荷重方向Wとは対向する方向にガス圧が付勢されたガスダンパー材8が、倒立状態に配挿され、前記ガスダンパー材8のシリンダ8Aの後端には、規制部材Kが規制可能に取付けられ、前記ガスダンパー材8のピストン部8Bの先端には、固着手段9を介して前記脚台部1が取付けられている、ことを特徴とする。
【0019】
前記脚台部1は、例えば図5に示すように平面視略ハ状に設置される脚部1A,1Aと、前記脚部1A,1A間に架設される後記懸架台12と、により形成されても良いし、図には示さないが、平面V字状に形成されてもよく、要は転倒を防止し、安定化をはかっている。また、前記脚台部1は、図示ではキャスターが設けられてはいないが、キャスターを設けることにより、被取付体Aを所望の場所に移動可能に設けたり、停止可能に設けるようにしてもよい。
【0020】
また、図示する本実施形態では、前記被取付体Aが、モータMと、前記モータMにより回転駆動される回転軸10と、前記回転軸10に取付けられて回転可能になる撹拌羽根11と、を有する撹拌機に適用されている場合が示されているが、被取付体Aは撹拌機に限らず、図には示さないが、例えば照明器具、または送風機に適用されて昇降可能に設けても良い。そして、前記回転軸10の長さLと、前記撹拌羽根11の大きさの増減変更は自由に行える。
【0021】
前記ガスダンパー材8を前記伸縮管5内にシリンダ8Aの後端を規制可能に取付けるのには、例えば前記伸縮管5の上端内部にアルミ管により形成された規制部材Kを介装し、その規制部材Kの下端にガスダンパー材8の上端を衝合し、取付けるようにすれば、ガスダンパー材8の設置長さが一定であったとしても、規制部材Kの設置長さを加減することにより調整することができる。そして、前記ガスダンパー材8のガス圧を前記被取付体Aの荷重方向Wとは対向する方向に附勢するようにしているのは、被取付体Aの使用時に被取付体Aを降下させるのに、ガスダンパー材8のガス圧を前記被取付体Aの荷重方向Wとは対向する方向に附勢することにより被取付体Aがその荷重が加わることにより、勢い良く降下するのを防止して緩やかに降下させるとともに、被取付体Aの使用後に被取付体Aを旧位に上昇させるのに、ガスダンパー材8のガス圧を前記被取付体Aの荷重方向Wとは対向する方向に附勢するようにしたことにより、被取付体Aの上昇動作を円滑かつ確実に行うようにするためである。そして、このガスダンパー材8の被取付体Aに対するガス圧の設定は、被取付体Aの荷重の軽重を考慮し、図示する本実施形態では、被取付体Aが撹拌機である場合には、被取付体Aの荷重は、大きな荷重を占めるモータM、回転軸10、撹拌羽根11を考慮して決定される。
【0022】
また、前記固着手段9が、例えば図4に示すように、前記脚台部1に跨る懸架台12に複数個のボルトBにより固定される取付フランジ13Aを有する段盤状の取付部材13と、前記取付部材13の略中央に前記スタンド3の下端部3aがその外周に嵌着可能に設けられた小径段部13Bと、前記ガスダンパー材8の前記ピストン部8Bの先端が嵌入可能に前記取付部材13の上面に設けられたカップ部材14と、前記カップ部材14の下面に設けられたボルト部15の雄ねじ15Aに螺合されるナット16で構成されていることにより前記カップ部材14は前記取付部材13に取付けられる構成である。
【0023】
前記継手管材7の上端7aに取付けられる平面視環状の蓋部材18の外側には、前記架台部4に設けられたピン体部4aに係止可能となる側面略フック状の係止部材19が枢動可能に枢着されている。なお、20は撹拌羽根11により撹拌されるべき液体21を収容する有底筒状の容器であり、この容器20は例えば薬液、液体燃料、食品、酒のような液体21を収容するドラム缶や浴槽が挙げられ、その形状は図示するものに限らず、また、容器20を形成するための素材は、金属でも良いし、または合成樹脂により形成されるものであっても良いが、上方には回転軸10、および撹拌羽根11が出し入れされる開口が設けられる必要がある。
【0024】
本発明の被取付体の昇降架台装置の実施形態は以上の構成からなり、撹拌羽根11を備える攪拌機のように架台部4に設けられた被取付体Aを使用時に降下させるのには、脚台部1に立設された管状のスタンド3内において、伸縮管5に内挿しているガスダンパー材8のシリンダ8A内のガス圧が被取付体Aの荷重方向Wに対向する方向に附勢されるように、手動操作により、先端が脚台部1に固着手段9を介して取付けられているピストン部8Bをシリンダ8Aに対して縮小されることにより、伸縮管5をスタンド3内において縮小させ、被取付体Aとしての撹拌機を架台部4毎緩やかに降下して行くと、モータMに連動する回転軸10に装着されている回転羽根11は容器20内に挿入されて行き、使用の途に供される。
【0025】
この際、図1に示したように、脚台部1に設けられたスタンド3に対して伸縮管5が伸長されている状態での本実施形態の被取付体の昇降架台装置の伸長時の高さH1は、1820mm程度であるので、一般の成人女性が手を伸ばして届き、操作可能な高さである。
【0026】
そして、例えば図5に示すように平面ハ字状の脚台部1A,1Aに跨り、数個のボルトBにより懸架台12に固定された取付フランジ13Aを有する取付部材13には、スタンド3の下端部3aが前記取付部材13の略中央に設けた断面段盤状の小径段部13Bの外周に嵌着されることにより取付けられ、前記ガスダンパー材8の前記ピストン部8Bの先端が前記取付部材13の上面に配したカップ部材14内に嵌入されるとともに、前記カップ部材14の下面に設けられたボルト部15の雄ねじ15Aにナット16が下方から螺合されることにより前記カップ部材14は前記取付部材13に取付けられる構成であるので、脚台部1に取付けられる段盤状の取付部材13の小径段部13Bにスタンド3の下端部3aが嵌着されるのと、ボルト部15の雄ねじ部15Aにナット16が螺合されるカップ部材14の上面にはガスダンパー材8のピストン部8Bの先端が嵌入されることにより、スタンド3、該スタンド3に対して伸縮管5、および該伸縮管5内に配挿されるガスダンパー材8を略垂直に、かつ同心円的に、簡単な取扱いにより取付けることができるため、スタンド3内において、伸縮管5を正確に垂直に降下することがきるとともに、ガスダンパー材8のピストン部8Bを伸縮管5、およびスタンド3内において垂直に降下させることができ、被取付体Aの降下動作を正確かつ信頼性があるものとすることができる。
【0027】
こうして、脚台部1に設けられたスタンド3に対してガスダンパー材8の附勢力に抗して伸縮管5を縮小させて被取付体Aを降下させた状態での本実施形態の被取付体の昇降架台装置の縮小時の高さH2は、図2に示すように1120mm程度に小型でコンパクトになり、余計な設置場所に捕らわれずに撹拌作業が行える。
【0028】
従って、この種特許文献1に記載の従来の撹拌装置では、撹拌翼は液体を撹拌するために複雑な動きになり、しかも、撹拌翼を正転または逆転させるためのサーボモータと、このサーボモータを支持している支持体を上下方向に駆動させるための上下動用のサーボモータとの、各サーボモータには多大な負荷がかかり、各サーボモータが大型化していた。そして、これらのサーボモータは、故障し易く短命になり、保守・点検も煩瑣であるのとは異なり、本実施形態では、撹拌羽根11による液体21の撹拌は、モータMの回転駆動により行われるが、撹拌羽根11には複雑な動きは伴わないので、モータMには多大な負荷がかからず、小型なもので済み、しかも、モータMは、故障も少なく寿命は長くなり、保守・点検も容易になる。
【0029】
また、前記継手管材7の上端7aに取付けられる平面視環状の蓋部材18の外側に、枢着している側面略フック状の係止部材19を、図3に示すように降下された架台部4に設けられたピン体部4aに係止しているので、ガスダンパー材8のガス圧による助勢により、被取付体Aが架台部4毎不用意に上昇するのを防止することができるため、使用者は衝突が回避され、怪我をするのが防止され、安全に作業が行える。
【0030】
また、被取付体Aとしての撹拌機により液体21を撹拌した使用後において、撹拌機を旧位置に上昇させるのには、先ず、継手管材7の上端7aに取付けられる平面視環状の蓋部材18の外側に、枢着している側面略フック状の係止部材19の架台部4に設けられたピン体部4aに対する係止を解き、それから、スタンド3内において、伸縮管5に内挿されているガスダンパー材8のガス圧を荷重方向Wに対して対向する方向、すなわち、上方に受けながら、手動操作によりガスダンパー材8のピストン部8Bが伸長されることにより、撹拌機はモータM、回転軸10、撹拌羽根11の全荷重をそのまま受けることなく、上方向への小さな力により軽快に架台部4毎上昇され、旧位に復帰することができる。
【0031】
このため、本実施形態の被取付体の昇降架台装置では、撹拌羽根11の回転により撹拌される液体21を収容している容器20の上方へと撹拌機の回転軸10、および撹拌羽根11を抜き出すことができる。従って、容器20の外に、回転軸10、撹拌羽根11を取外した後でなければ、撹拌後の液体21を容器20から移送したり、容器20を移送、運搬することができないという、制約はない。
【0032】
このように、本実施形態の被取付体の昇降架台装置は、スタンド3に対する伸縮管5の伸縮を手動操作により簡単かつ軽快に行うことができ、また、装置構造は、小型でコンパクトになるとともに、構造簡単であり、移送、運搬は容易に行え、さらには、製作および組付けが短時間に容易に行え、生産効率も高く、製作コストを安価に行える。
【0033】
そして、図示する本実施形態では、前記被取付体Aが、モータMと、前記モータMにより回転駆動される回転軸10と、前記回転軸10に取付けられて回転可能になる撹拌羽根11と、を有する撹拌機につき代表的に説明されているが、これは代表的な例示であり、本発明はこれに限らず、被取付体Aとして例えば照明器具、または送風機を架台部4に取付けた場合であっても本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、被取付体を、手動操作により簡単かつ軽快に昇降操作を行うことができると共に、装置の構造が小型でコンパクトにでき、さらには製作コストを安価になすという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0035】
1 脚台部
2 床面
3 スタンド
4 架台部
5 伸縮管
6 ブッシュベアリング
7 継手管材
8 ガスダンパー材
8A シリンダ
8B ピストン部
9 固着手段
10 回転軸
11 撹拌羽根
12 懸架台
13 取付部材
14 カップ部材
15 ボルト部
16 ナット
19 係止部材
20 容器
21 液体
A 被取付体
M モータ
W 荷重方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に載置される脚台部と、前記脚台部の上面に立設される管状のスタンドと、前記スタンド内に伸縮可能に内挿された、上端に被取付体を取付可能な架台部を有する、小径の伸縮管と、前記スタンドの上端にブッシュベアリングを内挿して前記伸縮管を前記スタンドに伸縮可能に設けられた継手管材と、を備えた被取付体の昇降架台装置であって、
(イ)前記伸縮管内には、被取付体の荷重方向とは対向する方向にガス圧が付勢されたガスダンパー材が、倒立状態に配挿され、
(ロ)前記ガスダンパー材のシリンダの後端には、規制部材が規制可能に取付けられ、
(ハ)前記ガスダンパー材のピストン部の先端には、固着手段を介して前記脚台部が取付けられている、
(ニ)ことを特徴とする被取付体の昇降架台装置。
【請求項2】
前記被取付体が、モータと、前記モータにより回転駆動される回転軸と、前記回転軸に取付けられて回転可能になる撹拌羽根と、を有する撹拌機、照明器具、または、送風機であることを特徴とする請求項1に記載の被取付体の昇降架台装置。
【請求項3】
前記固着手段が、前記脚台部に跨る懸架台に複数個のボルトにより固定される取付フランジを有する取付部材と、前記取付部材の略中央に前記スタンドの下端部がその外周に嵌着可能に設けられた小径段部と、前記ガスダンパー材の前記ピストン部の先端が嵌入可能に前記取付部材の上面に設けられたカップ部材と、前記カップ部材の下面に設けられたボルト部の雄ねじに螺合されるナットで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の被取付体の昇降架台装置。
【請求項4】
前記継手管材の上端に取付けられる平面視環状の蓋部材の外側には、前記架台部に設けたピン体部に係止可能となる側面略フック状の係止部材が枢動可能に枢着されていることを特徴とする請求項1−3の何れか1項に記載の被取付体の昇降架台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−33100(P2011−33100A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178928(P2009−178928)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(597161148)株式会社中央理化 (2)
【Fターム(参考)】