説明

被攪拌材の攪拌・脱泡装置及び攪拌・脱泡方法

【課題】本発明は、器の容器ホルダー内での滑り又はシリンジのアダプター内での滑りや不安定な固定による振動を解消してあらゆる種類の被攪拌材をより好適に攪拌・脱泡することのできる被攪拌材の攪拌・脱泡装置及び攪拌・脱泡方法を提供することを課題とする。
【手段】
被攪拌材を収納するための容器又は溶剤の充填されたシリンジと、容器又はシリンジを直接的に又はアダプターを介して間接的に内設するための容器ホルダーと、容器ホルダーの取り付けられた支持台と、支持台の支点を中心として公転駆動し、容器ホルダーを支持台上で自転駆動する駆動機構とから構成された被攪拌材の攪拌・脱泡装置において、前記容器ホルダー又はアダプターの内・外側周面及び/又は容器の外側周面には、容器ホルダーの自転駆動時に容器ホルダーに内設された容器又はシリンジを固定状態に維持するための固定手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に収納された被攪拌材、又はシリンジに充填された被攪拌材を攪拌及び脱泡するのに使用し、特に容器ホルダーに内設された容器又はシリンジを回転時に最適に保持することのできる被攪拌材の攪拌・脱泡装置及び攪拌・脱泡方法に関するものである。
【技術の背景】
【0002】
従来より使用目的により気泡を嫌う材料(被攪拌材)として知られている、エポキシ接着材、コーティング材等の電子部品関連材料及び導電性(金銀、半田、その他)ペースト、ソルダペースト等の液晶用の材料、さらに歯科用印象材(アルギン酸)を、攪拌・脱泡する場合に使用する装置としては、被攪拌材を収納するための容器と、該容器を着脱自在に内設するための略円筒状の容器ホルダーと、1個又は複数個の容器ホルダーの設けられたアーム又はアーチ状等に形成された支持台と、容器ホルダーを支持台上で自転駆動するギア又はプーリとベルトとから構成された第1の回転駆動機構と、支持台の支点を中心に公転駆動する第2の回転駆動機構と、第1の回転駆動機構及び第2の回転駆動機構の駆動源としてのモータとから構成された装置が知られている(参考文献…特開2001−159698号)。
【0003】
上記装置は、先ず所望の被攪拌材を容器に収納して該容器を容器ホルダーに内設し、駆動源により第2の回転駆動機構を介して支持台を支点を中心に一定方向に公転駆動するとともに第1の回転駆動機構を介して容器ホルダーを支持台上で自転駆動することで使用する。これにより、容器内に収納された被攪拌材は容器の径方向に回転する流れにより攪拌されるととともに、回転時の遠心力により容器の一方の外側に押しつけられて被攪拌材に内在する気泡を脱泡することとなり、精度の高い被攪拌材を得ることができる。
【0004】
また、被攪拌材の性質(粘度等)や種類により、適切な攪拌作用及び脱泡作用を行うには、容器ホルダーの自転及び公転の回転数がそれぞれ相違する。このため、上記装置は被攪拌材の種類に応じて容器ホルダーの自転及び支持台の公転の回転数をそれぞれ予め設定し、該設定に沿って被攪拌材を攪拌・脱泡することで、容器内での径方向に回転する流れや容器にかかる遠心力等を調整して、適切な攪拌・脱泡を行っている。
【0005】
上記のように被攪拌材の種類に応じて、自転及び公転の回転数を変更するために、通常の状態では容器ホルダーに内設された容器に滑りが生じたり容器が空回りする場合が発生し易い。
【0006】
このために、被攪拌材の攪拌作用及び内在する気泡の脱泡作用が確実に行えない。
【0007】
そこで、上記容器ホルダーに保持された容器の上部側外周に溝又は爪部を等配分で形成し、容器ホルダーの上部に溝又は爪部に係止する爪部又は溝を形成して容器の容器ホルダー内での滑りや空回りを防止することで、被攪拌材の攪拌作用及び内在する気泡の脱泡作用を行っている(意匠登録第1050943号)。
【0008】
また、シリンジ内に充填された被攪拌材を攪拌・脱泡する場合においては、上記容器ホルダー内にシリンジを立設状態で保持するアダプターを内設し、上記装置を用いて支持台を支点を中心に公転駆動し容器ホルダーを自転駆動することで、攪拌作用及び脱泡作用を行っている。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の滑りによる容器の空回り手段は、容器に溝又は爪部を形成し、容器ホルダーに爪部又は溝を形成しなければならないために、容器及び容器ホルダーの製造工程が煩雑となり、また容器及び容器ホルダーの両方の製造に多くのコストがかかるという欠点があった。
【0010】
また、容器は容器ホルダーの上部側の3点のみで固定しているために、容器の空回りは防げるものの底面側の安定性には不十分である。従って、底面側に位置している収納された被攪拌材に容器の自転及び公転回転時に微細な振動を与えることとなり、気泡を嫌う電子部品関連材料等においては最適な攪拌及び脱泡作用を行うことができないという欠点があった。
【0011】
特に、粘度のある被攪拌材の場合、脱泡及び攪拌作用が不十分になりやすいという欠点があった。
【0012】
また、溝部分に爪部を勘合しているために爪部の欠損や溝部分の破損が発生しやすくメンテナンスを頻繁に行う必要であるという欠点があった。
【0013】
また、容器ホルダーにアダプターを内設する場合は、アダプターは容器ホルダー内に固定状態で設けられているものの、シリンジがアダプター内で空回りする場合があるという欠点があった。
【0014】
そこで、本発明は、容器の容器ホルダー内での滑り又はシリンジのアダプター内での滑りや不安定な固定による振動を解消してあらゆる種類の被攪拌材をより好適に攪拌・脱泡することのできる被攪拌材の攪拌・脱泡装置及び攪拌・脱泡方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
即ち、本発明は上記のような課題を解決するための装置としての解決手段は、請求項1に記載のように、被攪拌材を収納するための容器又は被攪拌材の充填されたシリンジと、容器又はシリンジを直接的に又はアダプターを介して間接的に内設するための容器ホルダーと、容器ホルダーの取り付けられた支持台と、支持台の支点を中心として公転駆動し、容器ホルダーを支持台上で自転駆動する駆動機構とから構成された被攪拌材の攪拌・脱泡装置において、前記容器ホルダー又はアダプターの内側周面及び/又は容器の外側周面には、容器ホルダーの自転駆動時に容器ホルダーに内設された容器又はシリンジを固定状態に維持するための固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、課題を解決するための方法としての解決手段は、請求項2に記載のように、被攪拌材を容器に収納又は被攪拌材をシリンジに充填し、容器又はシリンジを直接的又はアダプターを介して間接的に容器ホルダーに内設した後、駆動機構により容器ホルダーの取り付けられた支持台を支点を中心として公転駆動するとともに容器ホルダーを支持台上で自転駆動する被攪拌材の攪拌・脱泡方法において、容器ホルダー又はアダプターの内側周面及び/又は容器の外側周面に設けられた固定手段により、容器ホルダー又はアダプター内に、容器又はシリンジを締嵌した後、容器ホルダーを自転駆動することで容器ホルダー又はアダプター内の容器又はシリンジを固定状態に維持することを特徴とする。
【発明の作用及び効果】
【0017】
次に、上記のような構成からなる被攪拌材の攪拌・脱泡装置及び攪拌・脱泡方法の作用について説明する。
【0018】
先ず、所望の被攪拌材を容器に収納して該容器を容器ホルダーに直接的に内設する。この際、容器ホルダーの内側周面には、容器ホルダーの自転駆動時に容器ホルダー内で容器が滑るのを防止し、固定状態とする固定手段が設けられているために、容器は容器ホルダー内で滑ることなく確実に固定されることとなる。
【0019】
しかも、容器は容器ホルダー内に確実に内設されているために、回転時に容器に滑り及び振動が発生することがない。
【0020】
従って、支持台を公転しながら容器ホルダーを自転すると、その各回転が容器ホルダーに内設された容器に確実に伝達される。
【0021】
このため、容器内では適切な径方向の流れや上下方向の対流が発生し、収納された被攪拌材を攪拌するとともに、遠心力により容器の内側面に被攪拌材を押圧し内在する気泡を確実に脱泡することができる。
【0022】
また、被攪拌材の種類に応じて、支持台の公転する回転数及び容器ホルダーの自転する回転数を変更(例えば、支持台の公転数及び容器ホルダーの自転数を制御(公転中に自転数を0にしたり、公転方向に対して自転方向を逆転したり等〉)しても、その変更を確実に容器に伝達することができるために、各種の被攪拌材に容易に対応することが可能となる。
【0023】
また、粘度の強い被攪拌材の場合においても、被攪拌材の移動に伴う振動等によっても容器が容器ホルダー内で滑ることなく回転することができ、しかも容器が容器ホルダー内に固定されているために、粘度の強い被攪拌材にも対応することが可能となった。
【0024】
上記では、容器ホルダーに直接的に容器を内設したが、容器の設置はこれに限定されるものでなく、内側周面に固定手段の設けられたアダプターを介して容器を内設し該アダプターを容器ホルダー内に収納することで、上記と同様の攪拌・脱泡作用を行うことも可能である。
【0025】
上記では、容器ホルダーの内側周面に容器ホルダーの自転駆動時に容器ホルダー内で容器が滑るのを防止し、固定状態とする固定手段を設けたが、逆に容器の外側周面に固定手段を設けることで、従来の攪拌・脱泡装置に設置することにも可能であり、上記と同様の作用・効果を得ることができる。
【0026】
また、容器の外側周面及び容器ホルダーの内側周面にそれぞれ保持手段を設けることで、さらに強い状態で容器ホルダーに容器を固定状態に内設することができる。
【0027】
また、溶剤の充填されたシリンジを攪拌・脱泡する場合は、先ず、シリンジを容器ホルダーにアダプターを介して内設する。この際、アダプターの内側周面には、容器ホルダーの自転駆動時にアダプター内でシリンジが滑るのを防止し、固定状態とする固定手段が設けられているために、シリンジはアダプター内で滑ることなく確実に固定されることとなる。
【0028】
しかも、シリンジは外側周面で、アダプター内に確実に内設されているために、回転時にシリンジに滑り及び振動が発生することがない。
【0029】
また、容器ホルダー内にシリンジを保持する機構が設けられている場合は、容器ホルダー内にシリンジを直接内設することができる。
【0030】
このように、本発明は、回転時に容器ホルダー内で容器又はアダプター内でシリンジを確実に固定状態で保持することができるので、容器ホルダーの自転による回転を確実に容器に伝達することができ、従来の装置に比しあらゆる種類の被攪拌材に対応して、確実に攪拌・脱泡作用を行うことができ、幅の広い使用が可能となる。
【0031】
しかも、その構成も簡易であるために製造コストをおさえることができる。
【0032】
また、メンテナンスにおいても容器ホルダー又は容器、アダプターの固定手段のみを取り替えるのみで容易に対応することができる。
【好ましい実施の一態様】
【0033】
以下、本発明の実施の態様を、図面に従って説明する。図1は本発明の一実施例である容器ホルダーに設けられた容器を示す概略説明図であり、図2は図1の容器ホルダーに設けられた容器及び固定手段を示す概略説明断面図であり、図3は本発明で使用する攪拌・脱泡装置を示す概略説明図であり、図4は容器ホルダーの縁部の内側周面に設けられた固定手段の作用を示す概略説明断面図であり、図5は本発明の他実施例である容器ホルダーに設けられた容器を示す概略一部断面説明図であり、図6は図5の容器ホルダーの縁部の内側周面に設けられた固定手段の作用を示す概略説明断面図であり、図7は本発明の他実施例である容器ホルダーに設けられた容器を示す概略一部断面説明図であり、図8は図7の容器ホルダーの縁部の内側周面に設けられた固定手段の作用を示す概略説明断面図であり、図9は本発明の他実施例であるアダプターに設けられたシリンジ及び固定手段を示す概略説明断面図であり、図10は本発明の容器ホルダーに設けられた容器を自転駆動時に固定する状態を示すフローチャートを示す。
【0034】
本発明の攪拌・脱泡装置1の構成は、装置本体2の下方側に設けられた駆動源としてのモーター3と、該モーター3の駆動軸に連結し中央部を支点として公転駆動する逆アーチ状に形成された支持台4と、該支持台4上の両端側近傍に公転軸線Aと一点で交差する自転軸線Bに沿って設けられた回転軸に回転自在に設けられた一対の略円筒状の容器ホルダー5と、該容器ホルダー5に内設され、被攪拌材を収納するための略円筒状の容器6とから構成されている。
【0035】
尚、容器6は収納する被攪拌材の種類、予め設定する自転及び公転の回転数、攪拌・脱泡にかかる時間、又は攪拌・脱泡状態(大気圧下、真空下)に応じて、開口部に蓋7を着脱自在に取り付ける。
【0036】
前記駆動源としてのモーター3と支持台4との回転駆動機構としては、支持台4の支点の下端縁部に設けられた歯車と、モーター軸に設けられた歯車との螺合で動力を伝達する方法や、モーター軸に直接支持台4の支点部分を取り付けることも可能であり、またモーター軸と支持台4とをベルトを介して伝動することも可能である。またモーター3の伝達軸をループ状に形成することで1つのモーター3で自転・公転の回転数を制御するように構成することも可能である。
【0037】
モーター2と容器ホルダー5との回転駆動機構としては、回転軸の下方側で外嵌固定されたプーリーと、支持台4に固着された歯車の上方でベアリングを介して回転自在に外嵌された中継プーリーとをベルトを介して連結することで、モーター2の回転を伝達すべく構成しても、また、複数の歯車を螺合することで構成することも可能である。
【0038】
前記容器ホルダー5の縁部内側周面には容器6の固定手段が設けられている。固定手段は、容器ホルダー5の縁部に内側周面に形成された内ネジ溝8と、該内ネジ溝8に対応した外ネジ溝9が形成された逆L字状の押さえリング10と、押さえリング10の先端側に設けられた断面視略円形状の弾性リング11とから構成され、押さえリング10をネジ溝9に沿って回して弾性リング11を抑えていくことで、弾性リング11を横方向に変形して容器ホルダー5の内周面と容器6の外周面とに密接して容器ホルダー5内に容器6を締嵌する。
【0039】
弾性リング11は、ゴム製又は樹脂製等の弾性のある材質より構成されている。
【0040】
尚、容器ホルダー5に設けられる固定手段は上記実施例に限定されるものでなく他の方法として、例えば上記実施例の容器ホルダー5の縁部に内側周面に形成された内ネジ溝8の先端側をテーパー状に形成することで、弾性リング11の下方側への押圧移動をさらに可能とし、押さえリング10をネジ溝9に沿って回して弾性リング11を抑えて横方向に変形する位置及び変形形状をより強い状態と押し込むことが可能であり、また、他の方法として、容器ホルダー5の縁部に逆U字状に形成した押さえリング10を設け、容器ホルダー5の縁部に外側周面に形成された外ネジ溝8と、該外ネジ溝8に対応した内ネジ溝9を押さえリング10に形成することで、上記同様に容器ホルダー5内に容器6を固定することもできる。
【0041】
また、固定手段の他実施例としては、容器ホルダー5ではなく容器6の外側側面に上記と同様のネジ溝と弾性リング11とを設けることだ上記と同様の固定効果を得ることもでき、さらに、固定手段の他の方法として、上記容器ホルダー5と容器6のそれぞれの固定手段を自在に組み合わせて構成することで容器6の容量の相違や、溶剤の種類の相違に対応することも可能である。
【0042】
本発明の攪拌・脱泡装置1は上記のように構成され、次に、上記構成の装置1を用いて被攪拌材料を攪拌、脱泡する場合について説明する。
【0043】
先ず、攪拌及び脱泡する溶剤の種類等に応じて装置本体2の支持台4の公転数及び容器ホルダー5の自転数を予め制御盤(図示せず)に入力して準備する。
【0044】
上記準備の後、被攪拌材を容器6に収納し容器ホルダー5に容器6を内設する。そして、押さえリング10をネジ溝に沿って締める方向に回転することで弾性リンク11を容器ホルダー5の内周面と容器6の外周面との間で押圧して変形することで、容器ホルダー5内に容器6を締嵌する。これにより、容器6が容器ホルダー5内で滑ることなく容器ホルダー5の回転を被攪拌材に確実に伝達することができる。
【0045】
その後、前記設定された公転数及び自転数に沿って支持台4を公転駆動するとともに容器ホルダー5を自転駆動することで、被攪拌材は容器6内で径方向への回転流とともに上下方向の対流が発生することとなり、これら対流により収納された被攪拌材は攪拌(特に上下方向の対流により)されるとともに脱泡(特に、径方向への回転流により容器5の内側に押しつけられ)されることとなる。
【0046】
上記容器ホルダー5を自転駆動時において、さらに押さえリング10をネジ溝に沿って締める方向に回転し、締め付けられた状態となり、より堅く固定状態に容器6が内設されることとなり、容器ホルダー5の回転を確実に無駄なく容器6に伝達することができる。
【0047】
そして、所望の公転及び自転による被攪拌材の攪拌作用、脱泡作用が終了すると、容器ホルダー5を逆方向に回転し、容器ホルダー5内に堅く固定状態に内設した容器6の強い押圧を解除することができ、押さえリング10をネジ溝に沿って緩める方向に容易に回転して、容器6を容器ホルダー5より取り出しすることができる。
【0048】
従って、容器6を容器ホルダー5内に容易に内設することができ、また、回転時には固定状態に維持することができ、また固定状態の解除も容易に行うことができる。
【0049】
また、容器6に収納された被攪拌材にその回転を確実に伝達することができ、より自転回転を自在に設定し、最適な攪拌及び脱泡することが可能である。
【0050】
このように、本発明はあらゆる種類の被攪拌材を最適な状態で攪拌及び脱泡することができる。
【0051】
また、容器ホルダー5の自転数、自転方向を制御、又は支持台4の公転数、公転方向を制御することによりあらゆる種類の被攪拌材を均一に攪拌及び微細な気泡までも脱泡することができ、精度の高い所望の被攪拌材を得ることができる。
【0052】
上記実施例では、大気圧中で攪拌、脱泡を行なったが、真空下に曝した状態(真空圧を制御して)で攪拌、脱泡を行うことも可能である。
【0053】
また、上記実施例では、容器6を直接容器ホルダー5内に内設したが、本発明においてはこれに限定されるものでなく、例えば、アダプターを介して容器6を間接的に容器ホルダー5内に内設することも可能である。この場合、アダプターの縁部内側周面に容器6の固定手段(上記実施例に記載の構成と同様)を設けることで、容器6を容器ホルダー5内に固定状態で内設することができる。
【0054】
また、上記実施例では、被攪拌材の収納された容器6を容器ホルダー5内に内設し固定状態で攪拌・脱泡したが、例えば、容器6の代わりにシリンジ12を使用してシリンジ12を容器ホルダー5内に固定してシリンジ12内に充填された被攪拌材を攪拌・脱泡することも可能である。この場合は、容器ホルダー5にシリンジ12を立設状態で保持する必要上、中央部分に縦孔15(孔15の縁部内側周面にシリンジ12を固定する固定手段(上記実施例に記載の構成と同様)を設ける)の形成されたアダプター14を使用してシリンジ12を内設するか、又は中央部分に縦孔15の形成された形状に容器ホルダー5内を形成することでシリンジ12を内設する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施例である容器ホルダーに設けられた容器を示す概略説明図
【図2】図1の容器ホルダーに設けられた容器及び固定手段を示す概略説明断面図
【図3】本発明で使用する攪拌・脱泡装置を示す概略説明図
【図4】容器ホルダーの縁部の内側周面に設けられた固定手段の作用を示す概略説明断面図
【図5】本発明の他実施例である容器ホルダーに設けられた容器を示す概略一部断面説明図
【図6】図5の容器ホルダーの縁部の内側周面に設けられた固定手段の作用を示す概略説明断面図
【図7】本発明の他実施例である容器ホルダーに設けられた容器を示す概略一部断面説明図
【図8】図7の容器ホルダーの縁部の内側周面に設けられた固定手段の作用を示す概略説明断面図
【図9】本発明の他実施例であるアダプターに設けられたシリンジ及び固定手段を示す概略説明断面図
【図10】本発明の容器ホルダーに設けられた容器を自転駆動時に固定する状態を示すフローチャート
【符号の説明】
【0056】
1…攪拌・脱泡装置、3…モーター、4…支持台、5…容器ホルダー、6…容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被攪拌材を収納するための容器又は被攪拌材の充填されたシリンジと、容器又はシリンジを直接的に又はアダプターを介して間接的に内設するための容器ホルダーと、容器ホルダーの取り付けられた支持台と、支持台の支点を中心として公転駆動し、容器ホルダーを支持台上で自転駆動する駆動機構とから構成された被攪拌材の攪拌・脱泡装置において、前記容器ホルダー又はアダプターの内側周面及び/又は容器の外側周面には、容器ホルダーの自転駆動時に容器ホルダーに内設された容器又はシリンジを固定状態に維持するための固定手段が設けられていることを特徴とする被攪拌材の攪拌・脱泡装置。
【請求項2】
被攪拌材を容器に収納又は被攪拌材をシリンジに充填し、容器又はシリンジを直接的又はアダプターを介して間接的に容器ホルダーに内設した後、駆動機構により容器ホルダーの取り付けられた支持台を支点を中心として公転駆動するとともに容器ホルダーを支持台上で自転駆動する被攪拌材の攪拌・脱泡方法において、容器ホルダー又はアダプターの内側周面及び/又は容器の外側周面に設けられた固定手段により、容器ホルダー又はアダプター内に、容器又はシリンジを締嵌した後、容器ホルダーを自転駆動することで容器ホルダー又はアダプター内の容器又はシリンジを固定状態に維持することを特徴とする被攪拌材の攪拌・脱泡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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