説明

被覆されたテストエレメント

本発明は被覆されたテストエレメント、特に、少なくとも毛細間隙を包囲する領域に疎水性構造化された被覆を有する、毛細間隙を具備するテストエレメントに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被覆されたテストエレメント、特に、少なくとも毛細間隙を包囲する領域に疎水性構造化された被覆を有する、毛細間隙を具備するテストエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
診断装置用たとえば血糖測定システム用のテストエレメントは患者自身によって繁用される。その使用は一般に、体液試料たとえば血液をテストエレメントに被着する工程と、テストエレメントを測定装置に挿入する工程と、測定装置で体液中の検体を測定する工程とからなっている。その際、過剰な検査材料たとえば血液をどう処理するかはこれまでもっぱらユーザに委ねられていた。テストエレメントの廃棄処分にあたり、この検査材料は処分の場所次第で深刻な汚損の危険と衛生上の問題を生ずる被覆があった。この問題は毛管の外面に血液が付着する被覆の多い毛細間隙を具備するテストストリップの場合に特に重大であった。
【0003】
血糖測定システムの現下の傾向は、操作工程とシステム個別部品とがますます統合化される動きを示している。この場合、テストエレメントは測定装置内にまたは装置を通じて引き込まれる被覆が多い。テストエレメントが測定装置を通じて引き込まれる過程で、外部でテストエレメントの外部に付着した検査材料はどれも測定器の汚損を生ずるリスクを孕んでいる。こうした測定器汚損リスクは、特に、テストストリップのマガジン内再収容に際して存在している。この場合、テストストリップは、テストストリップへの試料の被着が行なわれた後、測定器内部を輸送される。したがって、汚損リスクは一方で、試料が被着された後のテストエレメント輸送のあいだに存在し、他方で、使用されたテストエレメントがマガジン内に再収容される被覆によって生ずる。この場合、乾いた血液がテストエレメントから剥落して、マガジンケーシングの汚損あるいはこれから使用されるテストエレメントの汚染を招来する危険が存在する。
【0004】
さらにもう一つの問題は、テストエレメントの外面にこびり付いた乾燥した検査材料が剥落して、器具部品、光学系および環境を汚染し得る被覆である。
【0005】
国際公開第97/46887号パンフレットはキュベットおよびテストエレメントのマガジン内再収容を記載している。この場合、過剰な残存試料たとえば残存血液はテストエレメントの突出した端部によって吸着されるため、マガジン内再収容に際する測定器の汚染を回避する被覆ができる。ただし、この対策は構造的に複雑でコスト高であり、しかも、マガジン内再収容に際して確実な汚損の回避が保証されるわけでもない。
【0006】
それゆえ、特にマガジン内再収容時の検査材料による汚損をできるだけ広範に回避する被覆のできるテストエレメントとテスト方法に対するニーズが存在している。しかしながら、テストエレメントを界面活性剤とワックスまたはテフロン(登録商標)被膜とスプレーあるいはシリコン含有疎水化剤を使用して疎水性被覆しようとする試みはほとんど実りがない被覆が判明した。
【0007】
他方、ロータス(lotus)表面との名称でも知られている疎水性構造化された表面でテストエレメントを被覆する場合には、驚くべき被覆に、検査材料とくに血液による汚損はほぼ完全に防止し得る被覆が見出された。特に、検査材料を吸収して輸送するための通路開口ないし間隙を具備するテストエレメントにあっては、ロータス表面によってもっぱら通路開口ないし間隙のみの濡れを達成し得る被覆が明らかになった。
【0008】
加えてさらに、ロータス表面による被覆は、以下に詳細に述べるように、正確な試料配量供与と、それによる試料量の減少が実現されるという利点を有している。
【0009】
ロータス表面被覆は親水性毛管構造を具備するテストエレメントに特に適しているが、それはこの種のテストエレメントの場合、テストエレメントの端縁領域の汚損と、それによる測定器の汚損とが見込まれざるを得ないからである。この種のシステムにおいて、テストエレメントは血液被着のあいだ、さしあたり器具から突き出ている。血液はユーザにより、器具から突き出た、毛細開口の配置されたテストエレメント端部に被着される。テストエレメントの少なくとも開口の領域がロータス表面で被覆される場合には、過剰な血液は毛管内に吸い込まれるかまたはテストエレメント端縁から滴下するため、テストエレメントのもっぱら毛細間隙のみが濡れる被覆となり、毛細間隙を包囲するテストエレメント領域に血液が付着する被覆はない。
【発明の開示】
【0010】
したがって本発明の対象は、
不活性キャリアと、
検査材料の被着ゾーンと、
検体を測定するための検出ゾーンと、
被着ゾーンから検出ゾーンへ液体を輸送するための通路または間隙とを有する分析用テストエレメントであって、少なくとも試料被着ゾーンの周辺領域に疎水性構造化された表面を有する液体中の検体を測定するためのテストエレメントである。
【0011】
疎水性構造化された表面ないしロータス(lotus)効果表面とは隆起を有する自浄表面であり、ここで隆起間の平均間隔は好ましくは50nm〜200μmの範囲内、特に好ましくは50nm〜10μmの範囲内にあり、隆起の平均高さは好ましくは50nm〜100μmの範囲内、特に好ましくは50nm〜10μmの範囲内にある。さらにロータス効果表面は、好ましくは20mN/m以下の表面エネルギーならびに120°以上かつ160°以下の、水性系との接触角を有する被覆を特徴としているのが好ましい。少なくとも隆起は疎水性材料たとえば疎水特性を有するナノ粒子からなっている。ロータス効果を有する表面の好ましい実施例は欧州特許第0 772 514号、欧州特許第0 933 388号、欧州特許出願公開第1018531号明細書、欧州特許出願公開第1040874号明細書、欧州特許第1171529号明細書、欧州特許出願公開第1249280号明細書および欧州特許出願公開第1249467号明細書に記載されており、前記特許文献の開示内容は本引証により明文を以って本願明細書に引用したものとする。
【0012】
ロータス効果を有する疎水性構造化された表面は、前記文献中に記載されているように、多くのさまざまな方法たとえばコーティング、含浸、吹きつけ、同時押出しまたは射出成形によってつくり出す被覆ができるが、疎水性ナノ粒子の懸濁液の吹きつけが好ましい。
【0013】
特に好ましいのは、テストエレメントの表面に疎水性構造化された被覆を固着する被覆を含む方法である。この場合、欧州特許出願公開第1249280号明細書に記載されているように、テストエレメントの被覆される領域に好ましくは先ず最初に硬化性物質が被着され、続いて、被覆の領域に有利には裂け目のたくさん入った構造の疎水性粒子が被着され、その後に粒子が硬化によって固着される。硬化性物質としては、たとえば、単純不飽和または/および多重不飽和アクリレートまたは/およびメタクリレートまたは/およびポリウレタンまたは/およびシリコンアクリレートまたは/およびウレタンアクリレートを含んだラッカーが適している。ラッカーは疎水特性を有しているのが好ましい。粒子はそれ自体が疎水性であってよく、たとえば粉末状ポリマー、特にハロゲン化炭化水素たとえばポリテトラフルオロエチレン、または疎水化された粒子たとえば疎水性エーロシルであってよい。場合により、粒子の疎水化はキャリアに固着された後に行われてもよい。粒子の固着は、たとえば熱エネルギーまたは化学エネルギーによるかまたは/および光エネルギーによる硬化によって行われる。こうした多段法によって被着された疎水層は摩耗と機械的応力に対して特に耐性がある。
【0014】
試料被着ゾーンの周辺領域および特に試料被着ゾーンに配置された通路開口ないし間隙の周辺領域にロータス効果表面を有するテストエレメントを提供する被覆により、試料液が自動的に通路開口に向かって誘導されて、通路開口を包囲するテストエレメント領域に付着が回避される被覆から、試料液の容易な配量供与が可能となる。これは特に年配者または視覚障害者が多い糖尿病患者にとってとりわけ有益である。
【0015】
疎水性構造化された表面によって正確な配量供与が可能になるため、さらに加えて、試料量を減少させる被覆が可能であり、その結果、苦痛の少ないごく僅かな量の採血が可能になる。加えてさらに、特にテストエレメントのマガジン内再収容に際してテストエレメントの疎水性被覆が有利である被覆が判明した。この種のマガジン内再収容に際しては、場合により測定装置に組み込まれたマガジンから先ず最初に試料被着たとえば血液被着のために引き出されたテストエレメントは続いて再びマガジン内に引き戻される。この場合、本発明による被覆が施されたテストエレメントにあっては、外面が汚損される懸念はない被覆が明らかである。
【0016】
本発明による被覆の施された分析用テストエレメントは試料被着ゾーンの領域に通路開口ないし間隙を有し、テストエレメントの表面は少なくとも通路開口を取り巻いて疎水性構造を有している。場合により、テストエレメントの表面または少なくともその一部は、キャリアならびに場合により設けられたカバーまたは中間層によって形成される部分が疎水性構造化された被覆で全面的に被覆されていてよい。通路は好ましくは毛細管路ないし毛細間隙であり、つまり、テストエレメントの検出ゾーンに毛管現象により液体輸送を行う被覆のできる通路ないし間隙であり、これは試料被着ゾーンに配された開口のほかに、その他端に場合により排気口を有していてよい。通路はその内部に好ましくは少なくとも部分的に、親水性表面または親水性被覆された表面たとえば金属質表面または酸化物表面を有している。
【0017】
通路または間隙の断面は原則として任意の形状であってよい。好ましくは通路ないし間隙は基本的に方形断面を有しているのがよく、その寸法は毛管作用の物理的限度によって所与である。通路ないし間隙の高さはたとえば水性試料液については10〜500μm、好ましくは20〜300μmの範囲内にある。次いでその幅は、所望の通路ないし間隙の容積に応じ、数mm、好ましくは1〜10mm、特に好ましくは1〜3mm、長さは数cm、好ましくは0.5〜5cm、きわめて好ましくは1〜3cmであってよい。
【0018】
試料被着ゾーンを形成するテストエレメントの端縁は、通路内への試料液の流入を容易にするため、通路ないし間隙を形成する面の領域に切り欠きを有しているのが好ましい。切り欠きの寸法たとえばその幅は好ましくは、テストエレメントに被着される試料液の液滴の直径が、選択された切り欠きの寸法よりも僅かに大きいように選択される。したがって、3μlの1液滴の体積に対し、切り欠きの幅は約1mmであるのが適している被覆が判明した。切り欠きによって露出する領域は、通路ないし間隙自体と同様に、好ましくは親水性表面または親水性被覆された表面を有しているのがよい。
【0019】
さらに、テストエレメントは検体の測定に必要な試薬および場合により助剤の一部または全部を含んでいる。これらの試薬はたとえば酵素、酵素基質、インジケータ、緩衝塩、不活性充填剤などからなっている。試薬は検出ゾーンの領域にあるのが好ましい。検出ゾーンは1または複数の領域で構成されていてよく、通例、試薬と一緒に含浸された吸収性材料を含んでいる。吸収性材料の例を挙げれば、フリース、織布、編布または多孔質プラスチック材料であり、これらはたとえば層の形をなしていてよい。好ましい材料は紙または多孔質プラスチック材料のたとえば膜である。特に好ましくは検出ゾーンは、たとえば欧州特許第0 016 387号に記載されているような粗目の皮膜を含んでいるのがよい。これらの皮膜は1または複数の層からなり、テストエレメントのキャリアに被着されていてよい。
【0020】
検出ゾーンはさらに、検出反応の妨害試料成分の除去を可能にする、したがってたとえば粒子状試料成分たとえば血球のフィルタとして機能する要素を有していてよい。これに関する適切な例を挙げれば、半透膜または欧州特許第0 045 476号から公知の類のグラスファイバフリースである。
【0021】
検出ゾーンにおける検体の測定は光学的方法たとえば視覚的測定または光度測定によるか、電気化学的方法またはその他の適切な検出方法によって行う被覆が可能である。
【0022】
テストエレメントはさらに、キャリアおよび場合により検出ゾーンと連携して試料輸送通路ないし試料輸送間隙の境界を形成するカバーまたは/および中間層を含んでいてよい。カバーおよび中間層の材料および被覆などの特性は不活性キャリアのものと同じかまたは類似していてよい。この場合、通路ないし間隙に向いた側のカバー面に柔軟な不活性フィルムが被着され、このフィルムはカバーの全長に及ぶと共に通路ないし間隙の全幅を覆いかつカバーと検出エレメントとの互いに対向する面のあいだに少なくとも部分的に挟み込まれているために、毛管液体輸送は検出ゾーンとカバーとの接触箇所で途切れる被覆がないのが特に好ましい。
【0023】
特に好ましいのは、たとえば国際公開第99/29429号パンフレットに記載されている類の毛細管路を具備した分析用テストエレメントであり、該特許文献の開示内容は本引証により明文を以って本願明細書に引用したものとする。これらのテストエレメントは、毛管液体輸送を行う被覆のできる通路ないし間隙が少なくとも部分的にキャリアと検出ゾーンによって形成されて、試料被着ゾーンからの毛管輸送の方向に向かって少なくともテストエレメントに配置された排気口に最も近接した検出ゾーン端縁にまで達し、毛管液体輸送を行う被覆のできる通路または間隙を形成する一つの領域内の、試料被着開口を形成するテストエレメント端縁が位置する箇所に切り欠きが設けられ、その結果、試料被着開口を形成するテストエレメント端縁の一側面は少なくとも部分的に不連続であり、切り欠きに対向する領域が露出している被覆を特徴としている。
【0024】
本発明による被覆の施されたテストエレメントは、1または複数のテストエレメントを収容する被覆のできるマガジン内に収容されるのが好ましい。
【0025】
テストエレメントはマガジン内再収容つまり使用済みテストエレメントと未使用のテストエレメントとを一緒に収容する被覆のできる1マガジン内に収容されるのが好ましく、この場合、未使用のテストエレメントは使用前にマガジンから引き出され、使用後に再びマガジン内に引き戻される。引き出しまたは/および引き戻しは手動によるかまたは自動的に行なわれてよい。
【0026】
個々のテストエレメントは使い捨て式テストエレメントまたは繰返し使用可能なテストエレメントであってよい。マガジンは、たとえば光学式検出または電気化学的検出が行われる測定装置内に配置されていてよい。
【0027】
テストエレメントは液体検査材料とりわけ体液たとえば血液、唾液または尿中の任意の検体の検出に使用する被覆が可能である。特に好ましいのは血中グルコースの測定である。その他の好ましいテストエレメント使用例は凝固測定またはHBA1Cの測定である。
【0028】
本発明のもう一つの対象は、本発明による被覆の施されたテストエレメントに含まれた液体中の検体を測定するための測定装置である。測定装置には1または複数のテストエレメントを収容するための1または複数のマガジンが組み込まれていてよい。測定装置はテストエレメントをマガジン内に再収容し得るのが好ましく、その際、使用済みテストエレメントと未使用のテストエレメントは共に1マガジン内に収容されてよい。
【0029】
本発明のさらにもう一つの対象は、
本発明による被覆の施されたテストエレメントに試料液を被着する工程と、
試料液中に存在する検体の定性的および/または定量的測定を行う工程と
からなる液体中の検体を測定するための方法である。
【0030】
好ましくは、たとえば体積1〜10μlの量の試料液がテストエレメントに被着される。被着はテストエレメントの試料被着ゾーンの領域で行われる。その際、テストエレメントの表面は少なくとも試料被着ゾーンの周辺領域が本発明により疎水性構造化された被覆によって被覆されているため、過剰なまたは/および不正確に被着された検査材料による汚損は回避される。
【0031】
検体の測定は好ましくは統合された測定装置で行われる。この場合、テストエレメントは装置内たとえば第一のマガジン内の第一のポジションから第二のポジションたとえば試料被着のためのポジションへ、次いで同所からさらに第三のポジションたとえば検体を測定するためのポジションへ、その後、装置外またはたとえば第一のマガジン内またはその他のマガジン内の第四のポジションへ輸送される。装置はそれぞれ1または複数のテストエレメントを収容するために設けられた1または複数のマガジンを含んでいてよい。特に好ましいのは、使用済みテストエレメントと未使用のテストエレメントとを共に収容する1マガジンを擁する装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の好ましい実施形態を添付の図面および実施例を参照して説明する。
【0033】
図1は本発明によるテストエレメントの特に好ましい実施形態の試料被着ゾーンの詳細拡大斜視図である。テストエレメントは、試料液が試料被着ゾーン4から、本例において、キャリア1と、中間層9と、カバー7とによって形成される毛管作用通路3へ浸入するのを容易にする切り欠き5を有するキャリア1を含んでいる。通路3はテストエレメントの検出ゾーン(図示せず)に通じている。切り欠きは、図示した形状以外に、本発明の目的に有用なその他の任意の形状であってよい。
【0034】
本発明によるコーティングは線影で示した、キャリア1、カバー7、中間層9の各表面領域ならびにカバー7の不図示の下側面に行われていてよい。
【0035】
図2aおよび2bはテストエレメントへの本発明によるコーティングの考えられ得る被着領域の例を示したものである。テストエレメントはキャリア1、検出ゾーン2ならびに、通路3を経て検出ゾーン2と連結された試料被着ゾーン4を含んでいる。本発明によるコーティング(線影にて図示)は、図2aに示したように、被着ゾーン4の領域の限定されたキャリア部分にのみ被着されているかまたは、図2bに示したように、テストエレメントの大部分に及んでいてもよい。
【0036】
図3は、ロータス効果表面を有したテストエレメント(図3a)、無処理の表面を有したテストエレメント(図3b)およびテフロン(登録商標)被覆表面を有したテストエレメント(図3c)の血液吸収特性の比較を示したものである。それぞれのテストエレメントは、毛管通路を経て検出ゾーンと連結された切り欠き(下部)とともに試料被着領域を有している。
【実施例】
【0037】
国際公開第99/29429号パンフレットに基づいて作製されたテストエレメントは外側面がスプレー(ロータス効果スプレー、Creavis)でコーティングされ、キャリアシートの表面が疎水性ナノ粒子で覆われ、隆起を有する疎水性構造が形成されている。このように処理されたテストストリップを10μlの血滴に浸漬した後、テストエレメント(図3a)の外側面にはなんらの血液の付着も生じない。他方、外側面が蝋引きされた標準テストエレメント(図3b)ならびにテフロン(登録商標)スプレー処理されたテストエレメント(図3c)の場合には、試料被着ゾーンの領域に血液による強度の汚損が見出された。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるテストエレメントの特に好ましい実施形態の試料被着ゾーンの詳細拡大斜視図である。
【図2】本発明のテストエレメントの被覆のための領域の一例を示す説明図である。
【図3】テストエレメントの血液吸収特性を比較した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性キャリアと、
検査材料の被着ゾーンと、
検体を測定するための検出ゾーンと、
被着ゾーンから検出ゾーンへ液体を輸送するための通路または間隙とを有する分析用テストエレメントであって、
少なくとも試料被着ゾーンの周辺領域に疎水性構造化された表面を有する
被覆を特徴とする液体中の検体を測定するためのテストエレメント。
【請求項2】
通路または間隙が試料被着ゾーンの領域に開口を有し、テストエレメントの表面は少なくとも通路開口の周囲に疎水性構造を有している被覆を特徴とする請求項1記載のテストエレメント。
【請求項3】
通路または間隙が毛細管路または毛細間隙である被覆を特徴とする請求項1または2記載のテストエレメント。
【請求項4】
通路または間隙の内部が、少なくとも部分的に親水性表面を有する被覆を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項5】
疎水性構造化された表面の隆起間の平均間隔が50nm〜200μmの範囲内にあり、隆起の平均高さが50nm〜100μmの範囲内にある被覆を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項6】
疎水性表面は20mN/m以下の表面エネルギーを有する被覆を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項7】
疎水性表面が120°以上の、水性系との接触角を有する被覆を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項8】
疎水性表面が疎水性ナノ粒子の懸濁液のスプレーによって得られる被覆を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項9】
疎水性表面がテストエレメントに固着されている被覆を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項10】
疎水性表面が、テストエレメントの被被覆の領域への硬化性物質の被着、被覆の領域への疎水性または、疎水化された、または疎水化可能な粒子の被着および、硬化による粒子の固着によって得られる被覆を特徴とする請求項9記載のテストエレメント。
【請求項11】
マガジン内に収容される被覆を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のテストエレメント。
【請求項12】
マガジンが使用済みテストエレメントと未使用のテストエレメントとのいずれをも収容するために設けられている被覆を特徴とする請求項11記載のテストエレメント。
【請求項13】
マガジンが測定装置内に配置されている被覆を特徴とする請求項11または12記載のテストエレメント。
【請求項14】
測定装置が光学式または電子式測定装置である被覆を特徴とする請求項13記載のテストエレメント。
【請求項15】
血中グルコースを測定するための、請求項1〜14のいずれかに記載のテストエレメント
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の少なくとも1つのテストエレメントからな液体中の検体を測定するためのテストエレメントを収容するためのマガジン。
【請求項17】
使用済みのテストエレメントと未使用のテストエレメントとのいずれをも収容するために設けられている被覆を特徴とする請求項16記載のマガジン。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれかに記載の少なくとも1つのテストエレメントを含む被覆を特徴とする液体中の検体を測定するための測定装置。
【請求項19】
1または2以上のテストエレメントを収容するための少なくとも1つのマガジンを含む被覆を特徴とする請求項18記載の測定装置。
【請求項20】
マガジンが使用済みテストエレメントと未使用のテストエレメントとのいずれをも収容するために設けられている被覆を特徴とする請求項19記載の測定装置。
【請求項21】
試料液を、請求項1〜15のいずれかに記載のテストエレメントに被着する工程と、
試料液中に存在する検体の定性的または/および定量的測定を行う工程と
を含む
液体中の検体を測定するための方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2007−513345(P2007−513345A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541911(P2006−541911)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013782
【国際公開番号】WO2005/054845
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】