説明

被覆ポリオキシメチレン

本発明は、少なくとも1つのポリオキシメチレンホモポリマー又はコポリマーA)及び場合により他の添加剤B)を含有し、前記ポリマーの表面が少なくとも1つの結合剤C)と1つのホルムアルデヒドスカベンジャーD)とで被覆されている、ポリオキシメチレン成形体に関する。本発明は、ポリアルキレンオキシドC1又はポリビニルエステルC2又はC1とC2からのグラフトポリマーC3又はこれらの混合物が、結合剤C)として使用され、少なくとも1つのイミダゾリジン−2−オン化合物が、ホルムアルデヒドスカベンジャーDとして使用されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの結合剤C)と1つのホルムアルデヒドスカベンジャーD)とで表面が被覆されている、少なくとも1つのポリオキシメチレンホモ−又はコポリマーA)を含み、場合によっては更なる添加剤B)も含む被覆ポリオキシメチレン成形品に関し、ここで、結合剤C)として、ポリアルキレンオキシドC1又はポリビニルエステルC2又はC1及びC2からのグラフトポリマーC3又はこれらの混合物を使用し、ホルムアルデヒドスカベンジャーD)として、少なくとも1つのイミダゾリジン−2−オン化合物を使用する。
【0002】
本発明は、更に、任意の種類のこれらの被覆ポリオキシメチレン成形品の製造方法及び得られるポリオキシメチレン成形材料に関する。
【0003】
低ホルムアルデヒド放出を有するポリオキシメチレンは、多くの用途、特に自動車用途に関連する。
【0004】
ホルムアルデヒドスカベンジャーの例は、FA(ホルムアルデヒド)を物理的に吸収するゼオライトである。
【0005】
他のホルムアルデヒドスカベンジャーは、FAと化学的に反応するN含有化合物である。
【0006】
アミン、アミノ置換トリアジン及びヒドラジド成分が、EP−A1637557、EPA1522554、JP−A11/140272、JP−A06/80619、JP−A04/345648及びJP2002/35098に例として開示されている。記述された全ての明細書において、FAスカベンジャーは、いわゆる(二次的な)更なる方法によって組み込まれている。ここでFA添加剤は、従来の液化方法が完了する前でも反応により消費されるので、比較的高含有用のFAスカベンジャーが成形材料において必要である。
【0007】
またN含有FAスカベンジャーの存在は、主に、ポリマーに黄色の着色効果をもたらしうる。液化方法で生成されるモノマーは、存在するN化合物が重合方法を妨げるので、精製することなく重合方法に戻すことができない。
【0008】
したがって、上記の欠点を有さない、FA放出の低減したポリオキシメチレンを提供することが本発明の目的であった。
【0009】
序文において定義された被覆POM成形品が結果的に見出された。更に、方法が被覆ポリオキシメチレンの製造のために見出された。
【0010】
好ましい実施態様は、下位クレームにおいて見出される。
【0011】
本発明の成形品は、成分A)として、10〜100質量%、好ましくは30〜98質量%、特に40〜90質量%のポリオキシメチレンホモ−又はコポリマーを含む。
【0012】
これらのポリマーは、それ自体当業者にとって既知であり、文献に記載されている。
【0013】
これらのポリマーは、極めて一般に、ポリマー主鎖に少なくとも50mol%の−CH2O−反復単位を有する。
【0014】
ホモポリマーは、一般に、好ましくは適切な触媒の存在下でホルムアルデヒド又はトリオキサンを重合することによって製造される。
【0015】
本発明の目的において、成分Aは、好ましくはポリオキシメチレンコポリマーであり、特に、−CH2O−反復単位の他に、50mol%まで、好ましくは0.1〜20mol%、特に0.3〜10mol%、とりわけ好ましくは0.2〜2.5mol%の反復単位も有するものであり、
【化1】

ここで、R1〜R4は、互いに独立して、水素原子、C1〜C4アルキル基又は1〜4個のC原子を有するハロゲン置換アルキル基であり、R5は、−CH2−、−CH2O−、C1〜C4アルキル−若しくはC1〜C4ハロアルキル置換メチレン基又は対応するオキシメチレン基であり、そしてnは、0〜3の範囲である。これらの基は、有利には、環状エーテルの開環によりコポリマーに導入されうる。好ましい環状エーテルは、下記式:
【化2】

[式中、R1〜R5及びnは、上記に定義されたとおりである]を有する。単なる例として、エチレンオキシド、プロピレン1,2−オキシド、ブチレン1,2−オキシド、ブチレン1,3−オキシド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,3−ジオキセパンを環状エーテルとして、またポリジオキソラン又はポリジオキセパンのような直鎖状オリゴ−及びポリホルマールをコモノマーとして記述することができる。
【0016】
他の適切な成分A)は、例えば、トリオキサンと、上記に記載された環状エーテルのうちの1つと、第3モノマー、好ましくは、下記式:
【化3】

[式中、Zは、化学結合、−O−、−ORO−(R=C1〜C8アルキレン又はC3〜C8シクロアルキレン)である]で示される二官能性化合物とを反応させて製造される、オキシメチレンターポリマーである。
【0017】
この種類の好ましいモノマーは、エチレンジグリシド、ジグリシジルエーテル、並びにグリシジル化合物及びホルムアルデヒド、ジオキサン又はトリオキサンからモル比2:1で作製されるジエーテル、また、2molのグリシジル化合物及び2〜8個の炭素を有する1molの脂肪族ジオールから作製されるジエーテルであり、単に幾つかの例を挙げると、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−シクロブタンジオール、1,2−プロパンジオール又は1,4−シクロヘキサンジオールのジグリシジルエーテルである。
【0018】
上記に記載されたホモ−及びコポリマーの製造方法は、当業者には既知であり、文献に記載されており、したがって更なる詳細は、本明細書においては不要である。
【0019】
好ましいポリオキシメチレンコポリマーは、少なくとも160℃〜170℃の融点(DSC、ISO3146)及び5000〜300000、好ましくは7000〜250000の範囲の分子量(質量平均)Mw(GPC、PMMA基準)を有する。
【0020】
特に好ましいものは、鎖の末端にC−C結合を有する末端基安定ポリオキシメチレンポリマーである。
【0021】
本発明のポリオキシメチレン成形品は、70質量%まで、好ましくは50質量%まで(A)及びB)の100質量%に基づく)の他の添加剤を含むことができる。適切な添加剤の例は下記である:
−タルク、
−ポリアミド、特にコポリアミド、
−アルカリ土類金属ケイ酸塩及びアルカリ土類金属グリセロリン酸塩、
−飽和脂肪族カルボン酸のエステル又はアミド、
−アルコールから及びエチレンオキシドから誘導されるエーテル、
−非極性ポリプロピレンワックス、
−核形成剤、
−好ましくは相乗剤としてホウ酸又はその誘導体を有する、ガラス繊維、ナノチューブ、珪灰石、チョークのような充填剤、
−衝撃改質ポリマー、特に、エチレン−プロピレンゴム(EPMゴム)に基づいた又はエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDMゴム)に基づいた又は熱可塑性ポリウレタンに基づいたもの、
−難燃剤、
−可塑剤、
−カップリング剤、
−染料及び顔料、
−D)と異なる又はゼオライト若しくはポリエチレンイミン若しくはメラミン−ホルムアルデヒド縮合物である更なるホルムアルデヒドスカベンジャー、
−酸化防止剤、特に、フェノール構造を有するもの、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、アクリル酸塩、安息香酸塩、オキサニリド及び立体障害アミン(HALS=ヒンダードアミン光安定剤)。
【0022】
これらの添加剤は既知であり、Gaechter/Mueller, Plastics Additives Handbook, Hanser Verlag Munich, 4th edition, 1993, reprint 1996に例として記載されている。
【0023】
添加剤の量は、使用される添加剤及び所望の効果によって決まる。従来の量は当業者には既知である。添加剤が併用される場合、これらは従来の方法、例えば、個別に又は一緒に、未希釈で又は溶液若しくは懸濁液の形態で又は好ましくはマスターバッチの形態で添加される。
【0024】
完成POM成形材料は、例えばPOM及び添加剤を押出機、混練機若しくは混合機、又は他の適切な混合装置により混合し、POMを溶融し、混合物を排出し、次にそれを通常はペレット化する、単一工程によって製造することができる。しかし、成分の一部又は全てを「冷たいまま」で乾燥混合機又は別の混合装置により予備混合することより開始し、押出機又は他の混合装置により、場合によっては更なる成分を添加して、得られた混合物を、POMを溶融する第2工程により均質化するのが有利であることが証明されている。少なくともPOM及び酸化防止剤(この併用が行われる場合)の予備混合が特に有利でありうる。
【0025】
押出機又は混合装置は、例えば残留モノマー又は他の揮発性構成成分を除去する簡単な方法を提供するために、液化装置を有することができる。均質化混合物は、通常排出され、好ましくはペレット化される。
【0026】
液化装置からの排出と、添加剤が添加される混合装置への導入との間の滞留時間を最小限にすることにより、添加剤の添加のために特に穏やかな条件を設計することが可能である。このためには、例として、液化容器を、添加剤のブレンドに使用される押出機の取入れ口に直接取り付けることができる。
【0027】
本発明のポリオキシメチレン成形品は、上記に記載されているように、成分A)及び場合によってはB)を含み、少なくとも1つの結合剤C)と1つのホルムアルデヒドスカベンジャーD)とで被覆されており、ここで、結合剤C)として、少なくとも1つのポリアルキレンオキシドC1)又は1つのビニルエステルC2)又はC1)及びC2)からの1つのグラフトポリマーC3)又はこれらの混合物を使用する。
【0028】
本発明の成形品は、チップ、粉末、微粉末、ビーズ又はレンズ状顆粒の形態、好ましくはペレットの形態で使用することができる。
【0029】
ポリアルキレンオキシドを、好ましい結合剤C1)の第1群として記述することができる。
【0030】
これらの例は、下記の一般式:
【化4】

で示される非イオン性化合物である、ポリエチレングリコールである。
【0031】
ポリエチレングリコールは、ほとんどの場合に少量の水(あるいは、ナトリウムメトキシド又はアルカリ金属水酸化物)の存在下での、エチレンオキシド(オキシラン)のアニオン性開環重合を介して工業的に製造される。反応を実施するための関数として、これらのモル質量は、約200〜5000000g/molの範囲であり、約5〜>100000の重合度Pnに対応する。Pn=2〜4の生成物(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコール)も、より広い意味においてポリエチレングリコールに数えられ、これらは、均一モル質量で製造することができ、一方、高モル質量のポリエチレングリコールは、多分散される。nの関数によって、生成された物質は、軟質ペースト又は蝋の形態をとる。
【0032】
モル質量が約<25000g/molである液体生成物は、実際はポリエチレングリコールと呼ばれ、PEGと略され、一方、高モル質量の固体材料(融点約65℃)は、ポリエチレンオキシドと呼ばれ、PEOXと略される。高モル質量ポリエチレンオキシドは、極めて低い濃度の反応性ヒドロキシ末端基を有し、したがって、低レベルの保持グリコール特性しか示さない。ポリエチレングリコールという用語は、多価アルコールへのエチレングリコールの分岐鎖重付加物にも使用される。
【0033】
ポリエチレングリコールは、固体に対して液体又は蝋の形態をとる生成物であり、約100℃までの水において及び多くの有機溶媒において良好な可溶性を有する。水溶液は、顕著な流動学的特性を有し、多様な溶液は、時々、高レベルの粘弾性を示す。
【0034】
平均モル質量(DIN53240によりOH数から計算)は、好ましくは100〜15000g/mol、好ましくは150〜10000g/molであり、融点は、一般に−50〜100℃、好ましくは−40〜80℃である。
【0035】
DIN51562による20℃での動粘度は、10〜150mm2/s、好ましくは80〜120mm2/sである。
【0036】
これらの生成物は、商標Pluriol(登録商標)EでBASF Aktiengesellschaftから得られる。
【0037】
更なる好ましい結合剤C1)の群は、一般式:
【化5】

で示されるポリプロピレングリコールにより提供され、ここでMtは、250〜4000であり、これらの低モル質量の代表例は水に混和性であり、一方、高モル質量のポリプロピレングリコールは、対照的に、水において非常に難溶性である。非常に高いモル質量のポリプロピレングリコールは、ポリプロピレンオキシドと呼ばれる。ポリプロピレングリコールは、メチルオキシランの開環重合を介して生成される。グリコールエーテルは、より広い意味においてポリエーテルとして数えられる。ポリプロピレングリコールの最も簡単な代表例は、ジ−、トリ−及びテトラプロピレングリコールである。
【0038】
好ましいポリプロピレングリコールの平均モル質量(OH数から計算)は、200〜10000g/mol、好ましくは400〜5,000g/molであり、DIN51562による20℃での動粘度は、50〜2000mm2/s、好ましくは80〜1200mm2/sである。
【0039】
これらの生成物は、商標Pluriol(登録商標)PでBASF Aktiengesellschaftから市販されている。
【0040】
別の好ましい結合剤C1)の群は、アルキルポリアルキレングリコールにより提供され、例えば下記:
メチルポリエチレングルコール
CH3O(CH2CH2O)n
(Pluriol(登録商標)A...E等級)
ブチルポリプロピレングリコール
R−O[CH2(CH3)CHO]n
(Pluriol(登録商標)A...P等級)
ブチルポリアルキレングリコールコポリマー
R−O[(CH2CH2O)n(CH2(CH3)CHO)]m
(Pluriol(登録商標)A...PE等級)
アルキル−及びブチンジオールポリアルキレングリコール、
また、テトラメチルデシンジオール
(Pluriol(登録商標)A...R等級)
アリルアルコールエトキシレート
CH2=CHCH2O(CH2CH2O)n
(Pluriol(登録商標)A 010 R)
アリルアルコールアルコキシレート
CH2=CHCH2O[(CH2CH2O)n(CH2(CH3)CHO)]m
(Pluriol(登録商標)A 23 R)
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
(Pluriol(登録商標)A 104 R)
メチル末端基でキャップされているアリルアルコールアルコキシル
CH2=CHCH2O[(CH2CH2O)n(CH2(CH3)CHO)]mCH3
(Pluriol(登録商標)A 111 R)
ブチン−1,4−ジオールポリエトキシレート
H(OCH2CH2n−OCH2−C≡C−CH2O−(CH2CH2O)n
(Pluriol(登録商標)A 308 R)
トリメチロールプロパン又はグリセロールに基づいた多官能性ポリアルキレングリコール
(Pluriol(登録商標)A TE等級)である。
【0041】
DIN53240によるヒドロキシ数は、好ましくは、3〜1000mgKOH/g未満であり、好ましくは、3〜800mgKOH/g未満であり、平均モル質量は、200〜7000、好ましくは、350〜5000g/molである。
【0042】
当然のことながら、上記の結合剤C1)の混合物の使用も可能である。
【0043】
結合剤C2)として、好ましくはポリビニルエステルを使用し、本明細書において好ましいものは、ポリ酢酸ビニル及び/又はポリプロピオン酸ビニルである。
【0044】
特に好ましいものは、酢酸ビニルのフリーラジカル重合を介して得られるポリ酢酸ビニルである。ポリマー鎖のビルドアップの際のモノマーの結合は、大体において(最大98%)頭−尾結合重合の形態で生じ、僅かな程度で頭−頭結合重合の形態で生じ、ポリ酢酸ビニルの巨大分子の特徴的な基本単位は、主にI型(頭−尾)基を含み、僅かなII型(頭−頭)基しか含まない:
【化6】

【0045】
ポリ酢酸ビニルは、バルク、溶液若しくは懸濁(ビーズ)重合の方法により、又は工業目的には好ましい乳化重合の方法により製造することができる。ポリ酢酸ビニルのモル質量は、10000〜1500000g/molである。これらは、臭気及び味覚のない非晶質生成物であり、高い耐光性及び耐候性を有し、水に不溶性であるが、多くの有機溶媒(エステル、エーテル、ケトン、ハロゲン化炭化水素等)に可溶性である。ポリ酢酸ビニルは、粉末、顆粒若しくはペレットの形態又は水性分散液の形態で市販されている。
【0046】
好ましい市販製品は、商標Vinnapas(登録商標)でWacker Polymer Systems GmbH & Co. KGから入手可能である。これらの製品の粘度は、好ましくは1.0〜60mPa・s、好ましくは1.2〜55mPa・s(DIN53015による20℃での酢酸エチル中の濃度10%)である。
【0047】
当然のことながら、上記の結合剤C2)の混合物の使用も可能である。
【0048】
1)及びC2)からのグラフトポリマーを、特に好ましい結合剤C3)として記述することができ、これらは、DE−A1077430及びEP−A219048に例として記載されており、これらは参考として本明細書で明確に援用される。
【0049】
これらは、狭いモル質量分布が特に特徴的であり、したがって多分散性Mw/Mnは、一般に≦4、特に≦3、好ましくは≦2.5である。これらの多分散性Mw/Mnは、とりわけ好ましくは1.0〜2.3の範囲である。グラフトポリマーの多分散性は、例として、狭分布ポリメチルメタクリレートを基準として使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定することができる。
【0050】
グラフトポリマーの平均分子量Mwは、3000〜100000、好ましくは6000〜45000、特に好ましくは7000〜30000である。
【0051】
グラフトポリマーは、好ましくは、下記:
A)20〜70質量%の水溶性ポリアルキレンオキシド、並びに
B)下記:
(B1)70〜100質量%の酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル、及び
(B2)0〜30質量%の更なるエチレン性不飽和モノマーから構成される30〜80質量%のビニルエステル成分とから構成される構造を有する。
【0052】
これらは、特に好ましくは、25〜60質量%の成分(A)及び40〜75質量%のポリビニルエステル成分(B)を含む。
【0053】
グラフトベース(A)を形成するのに適した水溶性ポリアルキレンオキシドは、原則的には、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、特に好ましくは75質量%の、重合によって導入された形態のエチレンオキシドを含む、C2〜C4アルキレンオキシドに基づいた任意のポリマーである。
【0054】
ポリアルキレンオキシド(A)は、好ましくは低い多分散性Mw/Mnを有する。これらの多分散性は、好ましくは≦1.5である。
【0055】
ポリアルキレンオキシド(A)は、遊離形態の、すなわちOH末端基を有する対応するポリアルキレングリコールでありうるが、一端又は両端が末端基でキャップされているものでもありうる。適切な末端基の例は、C1〜C25アルキル基、フェニル基及びC1〜C14アルキルフェニル基である。
【0056】
特に適切なポリアルキレンオキシド(A)を記述することができる個々の例は、下記:
(A1)一端又は両端が特にC1〜C25アルキル基でエンドキャップされているが、好ましくはエーテル化されておらず、平均分子量Mnが好ましくは1000〜20000、特に好ましくは2500〜15000である、ポリエチレングリコール;
(A2)エチレンオキシド含有量が少なくとも50質量%であり、一端又は両端が同様に特にC1〜C25アルキル基でエンドキャップされているが、好ましくはエーテル化されておらず、平均分子量Mnが好ましくは1000〜20000、特に好ましくは2500〜15000である、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドのコポリマー;
(A3)平均分子量が特に2500〜20000であり、平均分子量Mnが200〜5000のポリエチレングリコール(A1)又は平均分子量Mnが200〜5000のコポリマー(A2)と、C2〜C12ジカルボン酸又はC2〜C12ジカルボン酸エステル若しくはC6〜C18ジイソシアネートとの反応を介して得られる、鎖延長生成物である。
【0057】
好ましい成分(A)は、ポリエチレングリコール(A1)である。
【0058】
ビニルエステル成分(B)は、有利には、(B1)酢酸ビニル若しくはプロピオン酸ビニルから又は酢酸ビニルとプロピオン酸ビニルの混合物から構成されることができ、酢酸ビニルは、本明細書においてビニルエステル成分(B)として特に好ましい。
【0059】
しかし、グラフトポリマーを、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル(B1)、並びに更なるエチレン性不飽和モノマー(B2)の共重合を介して形成することもできる。ビニルエステル成分(B)におけるモノマー(B2)の割合は、本明細書において、30質量%までであることができ、グラフトポリマーにおける(B2)の24質量%の含有量に相当する。
【0060】
適切なコモノマー(B2)の例は、モノエチレン性不飽和カルボン酸及びジカルボン酸とこれらの誘導体、例えばエステル、アミド及び無水物、並びにスチレンである。当然のことながら、多様なコモノマーの混合物の使用も可能である。
【0061】
記述することができる個々の例は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のC1〜C12アルキル及びヒドロキシ−C2〜C12アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、N−C1〜C12アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(C1〜C6アルキル)(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、無水マレイン酸、並びにマレイン酸のモノ(C1〜C12アルキル)エステルである。
【0062】
好ましいモノマー(B2)は、(メタ)アクリル酸のC1〜C8アルキルエステル及びヒドロキシエチルアクリレートであり、本明細書において特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸のC1〜C4アルキルエステルである。
【0063】
とりわけ好ましいモノマー(B2)は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、特にn−ブチルアクリレートである。
【0064】
本発明のグラフトポリマーがビニルエステル成分(B2)の構成成分としてモノマー(B2)を含む場合、グラフトポリマーにおける(B)の含有量は、好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜15質量%、とりわけ好ましくは2〜10質量%である。
【0065】
これらのグラフトポリマーの製造方法及び更なる詳細については、DE−A1077430及びEP−A219048が、参考として本明細書で明確に援用される。
【0066】
POM成形品の被覆では、結合剤C)がFAスカベンジャーD)と組み合わされて使用され、本明細書で使用されるFAスカベンジャーは、少なくとも1つのイミダゾリジン−2−オン化合物を含む。
【0067】
化合物D)として、好ましくはイミダゾリジン−2−オン化合物を使用し、これは以下の一般式:
【化7】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素、1〜20個のC原子を有するアルキル基、OR4、ニトロ基、1〜10個のC原子を有するヒドロキシアルキル基であり、
3は、水素、場合により置換を有することができる、1〜20個のC原子を有するアルキル基、ケト基、アルデヒド基、COOR4基、アミン基若しくはアミド基又は5〜8個のC原子を有する芳香族環であり、
4は、水素又は1〜4個のC原子を有するアルキル基である]
を有する。
【0068】
好ましい基R1及びR2は、互いに独立して、1〜8個のC原子を有するアルキル基であり、特に好ましいものは、本明細書において、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル及びtert−ブチル基であり、とりわけ水素である。
【0069】
好ましいエーテル基OR4は、エトキシ及びメトキシ基である。
【0070】
特に適切なヒドロキシアルキル基は、1〜4個のC原子を有するものであり、特に好ましいものは、本明細書において、−C25OH及び−CH3−OH基である。基R1及びR2の両方ともニトロ基であることが好ましい。
【0071】
好ましい基R3は、4個のまでのC原子を有するアルキル基及び5〜6個のC原子を有する芳香族環であり、本明細書において特に好ましいものは、R3=水素である。
【0072】
以下の化合物が特に好ましい:
【化8】

【0073】
イミダゾリジン−2−オンは、通常、エチレンジアミン及び二酸化炭素から生成される。誘導体を従来の方法により生成することができる(例として、Roempp’s Online Lexikon [Roempp’s Online Encyclopedia], 2008,キーワード:「イミダゾリジン−2−オン」及び引用参考文献参照)。
【0074】
本発明によると、被覆PMO成形品は、前もって成分C)及びD)から溶液、エマルション又は分散液を製造し、次にこれをPOM成形品に適用し、場合によっては、材料を乾燥及び/又は仕上げることにより得ることができる。
【0075】
結合剤C)及びFAスカベンジャーD)から構成される溶液が好ましい。C1)に特に適した溶媒は水であり、一方、C2)は大部分が水に不溶性である。C2)に適した溶媒は、ケトン、エーテル、エステル又はハロゲン化炭化水素等の有機溶媒であり、好ましくは本明細書ではケトン系溶媒、特にアセトンである。
【0076】
これらの溶液は、溶液の全構成成分の100質量%に基づいて、0.1〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、特に1〜30質量%のそれぞれのC)及びD)、また場合により0〜10質量%、好ましくは5質量%までの顔料E)を含む。
【0077】
これらの添加剤の一つの好ましい例は、例としては動物の焼成した又は摩砕した骨から得られる骨炭である。粗動物炭の適切な粉砕及び後処理は、多様な色の強さ及び粒径を有する生成物を与えることができる。
【0078】
従来の骨炭の構成成分は、一般におよそ以下:
85〜90質量%のリン酸カルシウム、
7.5〜12質量%の炭素、
1.5質量%の水である。
【0079】
pHは、一般に7〜9、特に7.5〜8.5の範囲であり、密度は、一般に1.8〜3.0g/cm3、好ましくは2.1〜2.5g/cm3の範囲である。
【0080】
本発明の成形材料に適した骨炭の例は、Hoover Color Corporationから「Bone Black」として得ることができる。
【0081】
カーボンブラックとして適した主な生成物は、例としてEncyclopedia of Chemical Technology, Vol. 3, pp. 34 ff (Interscience Encyclopedia, New York)に記載されたものである。
【0082】
更に適切な顔料は、黒色酸化鉄(Fe34)、スピネルブラック(Cu(Cr1Fe)24)及びマンガン黒(二酸化マンガン、二酸化ケイ素及び酸化鉄の混合物)である。銅フタロシアニン顔料を使用することもできる。
【0083】
適切な赤色顔料は、商標Paliogen(登録商標)RedでBASF Aktiengesellschaftから市販されているものであり、例は下記:
【化9】

であり、上記のようにして得られた、0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、特に0.2〜2質量%の溶液(約100質量%)をPOM成形品(1kg)に適用する。
【0084】
温度は、好ましくは室温から60℃、好ましくは室温から50℃である。
【0085】
室温である溶液は、一般に霧化される(噴霧技術)。その粘度を低減するために、溶液を高温で噴霧する必要がありうる。しかし霧化温度は、一般にそれぞれの溶媒の沸点よりも低い。
【0086】
霧化方法において、空気噴霧器を使用することができ、例は多流体ノズル、特に二流体ノズルである。記述することができるこれらの例は、二系統又は三系統流れ二流体ノズルである。回転運動を生じる又は流れを方向付けるために、二流体ノズルは、内部構造を含むことができる。これらを、ガス側又は液体側のどちらかに取り付けることができる。超音波噴霧器を使用することも可能である。
【0087】
質量全体にわたる噴霧器ガスと質量全体にわたる液体の比は、一般に2を超える。全体にわたる噴霧器ガスと全体にわたる液体の特に有利な比は、3〜10であることが証明されている。5bar以上のガス圧力が一般に必要である。100barを超えるガス圧力は、ほとんど必要ない。ガス圧力は、一般に10〜70barである。
【0088】
霧化方法の後、液滴を乾燥チャンバ、例えば既知の設計の噴霧タワー(例えば、K. Maters: Spray Drying Handbook, Leonard Hill Books, London 1972参照)により乾燥することができる。溶媒を、大気圧、あるいは真空下で蒸発させることができる。溶媒を蒸発させるために本明細書において必要となる熱は、好ましくは、不活性乾燥ガスを介してタワーの最上部から導入される。特に適切な乾燥ガスは窒素である。しかし、他のガス、例えば二酸化炭素又は空気を使用することもできる。乾燥タワーの最上部のガス温度は、好ましくは溶媒の蒸発温度よりも高く、室温から500℃であることができる。一般に100℃以上である。好ましくは200℃〜300℃の範囲である。
【0089】
乾燥ガスは液滴と共に乾燥タワーの中を流れ、タワーの出口から吸引によって乾燥生成物と共に除去される。タワーの出口のガス温度は、粉末の所望の残留溶媒含有量によって決まる。室温から乾燥タワーの頭部のガス温度をほんの少し下回るまでであることができる。一般に50℃を超え、例えば120℃〜170℃である。200℃を超える温度は、一般に必要ではない。
【0090】
粉末は、一般に、フィルター又はサイクロンを介してガス流から従来のように単離することができる。本発明のPOM成形品の製造のために、フィルターを使用して固体を単離することが好ましい。
【0091】
後乾燥することなく、POM成形品の残留溶媒含有量は、一般に5%以下、特に2%未満である。残留溶媒含有量の更なる低減を達成するために、可能であれば後冷却と組み合わせた後乾燥を、噴霧乾燥方法の下流において実施することができる。後乾燥は、例として、流動層又は移動層において実施することができる。
【0092】
乾燥方法後、成形品は、全ての成分A、B、C及びDの100質量%に基づいて、0.01〜0.5質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%のC及び0.01〜0.3質量%、好ましくは0.02〜0.2質量%のDを含む。
【0093】
好ましいものは、C)及びD)から構成される被覆物を、適切な装置を用いて成分の混合物によって適用して、ひき続き仕上げる、被覆成形体の製造方法である。ここでも同様に、被覆物を上記の溶液、分散液若しくはエマルションを使用して、又はC)及びD)の混合を介して、適用することができる。
【0094】
この目的に適切な装置の例は、インペラー撹拌機、Loedigeパドル混合機、タンブラー、流動層混合機及び回転混合機である。
【0095】
続く従来の仕上げ及び任意の更なる添加剤の添加を介して得られる本明細書のPOM成形材料は、全ての成分A、B、C及びDの100質量%に基づいて、0.01〜0.5質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%のC)及び0.01〜0.5質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%のD)を含む。
【0096】
任意の種類の成形品(半完成品、箔、膜及び泡状物を含む)を、成形材料から製造することができる。成形材料は、良好な機械的特性及び加工性を伴い、また熱安定性も伴う、非常に低い残留ホルムアルデヒド含有量を特徴とする。特に非常に少量の添加剤を被覆として適用することができ、同時にFAスカベンジャーとしての有効性は、同等であるか又はより良いものである(より良好な分布及び良好な接着力)。
【0097】
これらの成形材料から構成される成形品は、押しボタン、埋め込みグリップ、サンルーフフレーム、拡声器グリル、衛生器具、ビデオカセット、玩具部品、窓装付属品、ドア付属品、クリップ、ファスナー、スナップコネクタ、ボールソケット、タンク挿入部品、歯車、誘導要素、コンベヤーベルト、運搬系、噴霧弁、エスプレッソマシーン用煎じ部品、コーヒーマシーン、関節継手、ローラー、ベアリング、滑りレール、ポンプ部品及びフィルターハウジング、駆動系、ばね要素及び締め付け要素、ボビング、分流ローラー、歯車箱の部品、並びに振り子支持体としての用途に特に適している。
【0098】
実施例
使用された成分は下記であった。
【0099】
成分A/1
97.3質量%のトリオキサン及び2.7質量%のブタンジオールホルマールを含むポリオキシメチレンコポリマー。この生成物は、依然として、約3質量%の未反応トリオキサン及び5質量%の熱不安定画分を含んでいた。熱不安定画分を分解した後、コポリマーの融解容量速度は、7〜8cm3/10分であった(ISO1133により190℃、2.16kg、)。
【0100】
成分A/2
MVRが1.8〜2.6ml/10分であるPOMコポリマー(ISO1133により190℃、2.16kg)。
【0101】
成分A/3
MVRが5.7〜8.3ml/10分であるPOMコポリマー(ISO1133により190℃、2.16kg)。
【0102】
成分B/1
CognisからのLoxiol(登録商標)P 1206(グリセロールジステアレート)。
【0103】
成分B/2
DE−A2540207の実施例1のメラミン−ホルムアルデヒド縮合物(MFK)。
【0104】
成分B/3
(Ciba−GeigyからのIrganox(登録商標)245)
【化10】

【0105】
成分B/4
US−A3,960,984の実施例5〜4(「PA−ジキャップ」)に基づいた方法により(モル質量調整剤として)カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びプロピオン酸から製造した、モル質量が約3000g/molのポリアミドオリゴマー。
【0106】
成分B/5
以下の特性を有する合成ケイ酸マグネシウム(PQ FranceからのAmbosol(登録商標)):
MgOの含有量 ≧14.8質量%
SiO2の含有量 ≧59質量%
SiO2:MgO比 2.7mol/mol
嵩密度 20〜30g/100ml
燃焼による損失 <25質量%
【0107】
成分B/6
カーボンブラック(Degussa AGからのPrintex(登録商標)90)。
【0108】
成分B/7
三ケイ酸マグネシウム
【0109】
成分B/8
ショアA硬度が83である熱可塑性ポリウレタン(Elastogran GmbHからのElastollan(登録商標)B 85 A)。
【0110】
成形材料を製造するために、成分A)を、記載された量の成分B)と、乾燥混合機により23℃の温度で混合した。得られた混合物を、液化装置を有する二軸押出機(Werner & PfleidererのZSK 30又はZSK 53)に導入し、230℃で均質化し、液化し、均質混合物を押出機ダイからストランドの形態で排出し、ペレット化するか又は水中でダイを通してペレット化して、ビーズ/レンズ形状の材料を得た。
【0111】
【表1】

【0112】
成分C
31
モル質量が4000g/molの30.8質量%のPEG
69.2質量%のPVA
から構成されるグラフトポリマー
【0113】
成分D
【化11】

【0114】
顔料E
BASF AGからのPaliogen(登録商標)Red 3911 HD(CAS番号3049−71−6)
【0115】
噴霧技術による溶液及び被覆の製造
10質量%の結合剤C31を水に60〜70℃で溶解した。
【0116】
5質量%、10質量%又は20質量%の量のFAスカベンジャーD)を加え、明澄な溶液が生成されるまで撹拌した。3質量%の顔料E)を場合により溶液に加えた。
【0117】
1質量%のこの溶液を、遠心分離機の高速で回転しているディスクに加えた。遠心分離機は、(N2下で)それぞれのPOMペレットを含み、それらは遠心力により溶液で被覆された。滞留時間は、約30秒間であった。遠心分離機を5分間稼働し続け、ペレットを取り出した。これらをオーブンにより真空下、80℃で乾燥した。分散及び接着力は乾燥ペレットで目視により評価した。ホルムアルデヒドの放出は、VDA275により決定した。
【0118】
以下の成分:
本発明の実施例1
ペレット1、C31、D、E(Dは10%)
本発明の実施例2
ペレット2、C31、D、(Dは10%)
本発明の実施例3
ペレット3、C31、D、(Dは10%)
本発明の実施例4
ペレット4、C31、D、E(Dは10%)
本発明の実施例5
ペレット4、C31、D、(Dは10%)
本発明の実施例6
ペレット4、C31、D、E(Dは5%)
本発明の実施例7
ペレット4、C31、D、(Dは5%)
本発明の実施例8
ペレット4、C31、D、E(Dは20%)
本発明の実施例9
ペレット4、C31、D(Dは20%)を上記の手順に従って使用した。
【0119】
第2表は、測定の結果を示す。
【0120】
【表2】

【0121】
インペラー撹拌機における成分の混合による被覆の製造
ペレット4を、第1表の成分C31及びDと共に使用した。
【0122】
これは、ペレット4を、成分D及び0.1%のホワイト油又は本発明の実施例のC31のいずれかと、インペラー撹拌機により室温で5〜10分間混合することによって達成した。次にこれらの被覆ペレットを低温供給法により押出機の中に計量導入し、190〜220℃で混ぜ合わせた。
【0123】
本発明の実施例1
ペレット4、C31、0.1%のD
比較例1
ペレット4
比較例2
ペレット4、0.1%のD
【0124】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの結合剤C)と1つのホルムアルデヒドスカベンジャーD)とで表面が被覆されている、少なくとも1つのポリオキシメチレンホモ−又はコポリマーA)並びに場合によっては更なる添加剤B)を含む被覆ポリオキシメチレン成形品において、結合剤C)として、ポリアルキレンオキシドC1又はポリビニルエステルC2又はC1及びC2からのグラフトポリマーC3又はこれらの混合物を使用し、且つホルムアルデヒドスカベンジャーD)として、少なくとも1つのイミダゾリジン−2−オン化合物を使用することを特徴とする、被覆ポリオキシメチレン成形品。
【請求項2】
前記成形品が、チップ、ペレット、粉末、微粉末、ビーズ、レンズ状顆粒又はこれらの混合物からなることを特徴とする、請求項1に記載のPOM成形品。
【請求項3】
ホルムアルデヒドスカベンジャーD)として、一般式:
【化1】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素、1〜20個のC原子を有するアルキル基、OR4、ニトロ基、1〜10個のC原子を有するヒドロキシアルキル基であり、
3は、水素、場合によっては置換されることがある1〜20個のC原子を有するアルキル基、ケト基、アルデヒド基、COOR4基、アミン基若しくはアミド基又は5〜8個のC原子を有する芳香族環であり、
4は、水素又は1〜4個のC原子を有するアルキル基である]
で示されるイミダゾリジン−2−オン化合物を使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のPOM成形品。
【請求項4】
ホルムアルデヒドスカベンジャーDとして、以下の構造
【化2】

の化合物又はこれらの混合物を使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のPOM成形品。
【請求項5】
結合剤C1として、重合によって導入された形態の少なくとも50質量%のエチレンオキシドを含むC2〜C4アルキレンオキシドに基づいたポリアルキレンオキシドを使用するか、又は結合剤C2として、ポリ酢酸ビニル若しくはポリプロピオン酸ビニル若しくはこれらのコポリマー若しくはこれらの混合物を使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のPOM成形品。
【請求項6】
結合剤C3としてC1とC2とからのグラフトポリマーを使用し、その構成が、
A)20〜70質量%の水溶性ポリエチレンオキシドと、
B)下記:
B1)70〜100質量%の酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル、および
B2)0〜30質量%の更なるエチレン性不飽和モノマー
からの30〜80質量%のビニルエステル成分と
を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のPOM成形品。
【請求項7】
前もって成分C)及びD)から溶液、エマルション又は分散液を製造し、次にこれをPOM成形品に適用し、場合によっては、乾燥及び/又は仕上げることを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆POM成形品の製造方法。
【請求項8】
水性又はアセトン性溶液を、C)及びD)から製造することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
10質量%までの顔料E)をさらに、C)とD)とからの溶液に添加することを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
C)とD)とからの被覆物が噴霧技術によって適用されることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
C)とD)とからの被覆物を、適切な装置を用いて成分の混合物によって適用し、引き続き仕上げることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
被覆物を室温から60℃で適用することを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法の条件下で得られるポリオキシメチレン成形材料。

【公表番号】特表2011−511145(P2011−511145A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545466(P2010−545466)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/051318
【国際公開番号】WO2009/098256
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】