装着機構および出力装置
【課題】携帯型プレーヤを安定的に装着する。
【解決手段】ドア部22は、携帯型プレーヤを収納する収納領域の正面側に設けられ、収納領域を開閉する。可動支持部24は、収納領域の背面側に設けられ、収納領域内に収納される携帯型プレーヤを、ドア部22に向かって押し付けて支持する。また、可動支持部24は、可動支持部24における携帯型プレーヤと当接する当接部分が、所定の可動範囲内で収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、正面側に向かって付勢されている。本発明は、例えば、携帯型プレーヤにより再生される音声を出力する出力装置に適用できる。
【解決手段】ドア部22は、携帯型プレーヤを収納する収納領域の正面側に設けられ、収納領域を開閉する。可動支持部24は、収納領域の背面側に設けられ、収納領域内に収納される携帯型プレーヤを、ドア部22に向かって押し付けて支持する。また、可動支持部24は、可動支持部24における携帯型プレーヤと当接する当接部分が、所定の可動範囲内で収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、正面側に向かって付勢されている。本発明は、例えば、携帯型プレーヤにより再生される音声を出力する出力装置に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着機構および出力装置に関し、特に、携帯型プレーヤを安定的に装着することができるようにした装着機構および出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体に設けられたコネクタに、音声や映像などを再生する携帯型プレーヤが接続され、携帯型プレーヤにより再生される音声を所定の音量で出力する出力装置がある。
【0003】
一般的に、携帯型プレーヤでは、その機種ごとに、コネクタの形状が統一されていても、外形寸法が異なっていることが多い。従って、外形寸法の異なる携帯型プレーヤが接続可能となるように、出力装置には、例えば、筐体の上面にコネクタが設けられ、携帯型プレーヤを上面に載置するようにして装着する構成となっているものがある。
【0004】
しかしながら、携帯型プレーヤが、出力装置の筐体の上面で装着されていると不安定であり、例えば、ユーザは、携帯型プレーヤを装着したままの出力装置を安心して持ち運ぶことができなかった。
【0005】
そこで、例えば、カセットデッキにカセットテープを装着するように、携帯型プレーヤを出力装置の内部に装着させることで、携帯型プレーヤの装着が安定的になり、ユーザが安心して持ち運ぶことができると考えられる。しかしながら、カセットテープにおいては、外形寸法が統一されているが、携帯型プレーヤにおいては、機種ごとに外形寸法が異なっている。そこで、機種ごとに外形寸法が異なる携帯型プレーヤについて、いずれの携帯型プレーヤでも安定的に装着することができる装着機構、および、その装着機構を備えた出力装置が求められている。
【0006】
ここで、特許文献1には、携帯情報端末を接続可能なクレードルであって、複数の機種の携帯情報端末に対して共通に使用できるクレードルが開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、ポータブルコンピュータおよびドッキングステーションから構成されるコンピュータシステムであって、ポータブルコンピュータとドッキングステーションとの位置合わせを容易に行うことができるコンピュータシステムが開示されている。
【0008】
また、特許文献3には、ノート型のパーソナルコンピュータの機種を認識し、インターフェースコネクタを適宜の高さ設定位置にセットすることができるドッキングステーションが開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−135119号公報
【特許文献2】特許第3660523号
【特許文献3】特許第3299236号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、機種ごとに外形寸法が異なる携帯型プレーヤについて、いずれの携帯型プレーヤでも安定的に装着することができる装着機構、および、その装着機構を備えた出力装置が求められている。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、携帯型プレーヤを安定的に装着することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の側面の装着機構は、端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている。
【0013】
本発明の第2の側面の出力装置は、端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材と、前記端末機器により再生されるコンテンツを出力する出力手段とを備え、前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている。
【0014】
本発明の第1および第2の側面においては、ドア部材が、端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、収納領域を開閉し、支持部材が、収納領域の背面側に設けられ、収納領域内に収納される端末機器を、ドア部材に向かって押し付けて支持する。また、支持部材は、支持部材における端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、正面側に向かって付勢されている。さらに、本発明の第2の側面においては、端末機器により再生されるコンテンツが出力される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一側面によれば、携帯型プレーヤを安定的に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用した出力装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、出力装置11は、装着部12、スピーカ13aおよび13b、オープンボタン14を備えて構成されており、図示しない携帯型プレーヤ(例えば、図3乃至図7の携帯型プレーヤ31A乃至31E)を内部に収納することができる。
【0019】
装着部12は、出力装置11の正面の略中央に設けられており、図2を参照して後述するように、その内部の収納領域に携帯型プレーヤを装着する。また、装着部12には、携帯型プレーヤと電気的に接続可能なコネクタ(図2のコネクタ23a)が設けられており、携帯型プレーヤにより再生される音声の信号がコネクタを介して、例えば、出力装置11が内蔵するアンプ(図示せず)に供給される。
【0020】
スピーカ13aおよび13bは、出力装置11の正面の装着部12の左右にそれぞれ設けられており、装着部12に装着された携帯型プレーヤにより再生される音声を出力する。
【0021】
オープンボタン14は、例えば、出力装置11の上面に設けられ、ユーザがオープンボタン14を操作することにより、装着部12のドア部(図2のドア部22)が開かれる。例えば、図1の上側に示されているように、装着部12のドア部が閉じられているときに、ユーザがオープンボタン14を操作すると、図1の下側に示すように、装着部12のドア部が出力装置11の前方に傾動し、ドア部が開かれる。そして、例えば、ユーザは、装着部12の内部にあるコネクタに携帯型プレーヤを差し込み、装着部12のドア部を押して閉じることにより、携帯型プレーヤは、装着部12内の所定位置で保持される。
【0022】
このように出力装置11の装着部12に携帯型プレーヤが装着され、ユーザが、携帯型プレーヤにより音声が再生されるように操作すると、携帯型プレーヤから出力装置11に音声の信号が供給される。そして、出力装置11は、内蔵するアンプなどにより音声を増幅してスピーカ13aおよび13bから出力する。
【0023】
次に、図2を参照して、装着部12の概略的な構成について説明する。
【0024】
図2は、装着部12の主な構成要素を出力装置11の右側面からみたときの概略的な構成を示した図である。なお、図2の左側が、出力装置11の正面側(手前側)であり、図2の右側が、出力装置11の背面側(奥側)である。
【0025】
図2に示すように、装着部12は、シャーシ21、ドア部22、ホルダ部23、並びに、可動支持部24および25から構成される。
【0026】
シャーシ21は、ドア部22、ホルダ部23、並びに、可動支持部24および25が取り付けられる枠組みであり、出力装置11に対して固定的に取り付けられる。シャーシ21の内部には、携帯型プレーヤを収納する収納領域が設けられ、その収納領域は、出力装置11の手前側に向かって開放されており、ドア部22により収納領域が閉鎖される。
【0027】
ドア部22は、その下端の近傍に設けられた軸22aを中心に回動することができるようにシャーシ21に取り付けられており、図2には、ドア部22が閉じられた状態が示されている。また、ドア部22は、図示しないスプリング(例えば、図12のスプリング22eおよび22f)により、図2の紙面に向かって反時計回りに付勢されており、図示しないロック機構によりロックされている。そして、例えば、ユーザが、オープンボタン14(図1)を操作すると、ドア部22のロックが解除され、ドア部22は、図2の矢印Aの方向に傾動し、収納領域が開放される。
【0028】
ホルダ部23は、装着部12に装着可能な、外形寸法の異なる携帯型プレーヤのうちの、底面積が最も広い携帯型プレーヤを保持することができる幅のU字型の断面形状を有している。また、装着部12に装着可能な携帯型プレーヤの底面には、凹型のコネクタが設けられており、ホルダ部23のU字型の底面の略中央には、携帯型プレーヤのコネクタと接続可能な凸型のコネクタ23aが設けられている。
【0029】
また、ホルダ部23は、ドア部22が閉じられた状態で、図2の矢印Bの方向(出力装置11の前後方向)に自在にスライド可能となり、ドア部22が開かれるとロックされ、シャーシ21に対して固定されるように構成されている。また、ホルダ部23は、ドア部22の開閉と連動して傾動し、ドア部22が開かれるのに応じて、図2の矢印Cの方向に傾動するように構成されている。このようにホルダ部23が構成されていることで、ドア部22が開かれた状態で、コネクタ23aが、出力装置11の正面側に向かって傾くとともに固定されるので、ユーザが、携帯型プレーヤをコネクタ23aに差し込みやすくなる。
【0030】
可動支持部24は、その上端の近傍に設けられた軸24aを中心に回動することができるようにシャーシ21に取り付けられており、図示しないスプリング(例えば、図12のスプリング24d)により、図2の矢印Dの方向に付勢されている。
【0031】
また、可動支持部24は、出力装置11の手前側を向く面が、上側から下側に向かうに従い手前方向に広がるように傾斜し、その手前側を向く面と、底面とが円弧状の曲面により繋がっている。この曲面のうち、収納領域内で最も手前側となる部分が、装着部12に装着される携帯型プレーヤと当接する当接部分となる。そして、可動支持部24が、軸24aを中心に回動することにより、可動支持部24の当接部分は、収納領域内の所定範囲内で、収納領域の奥行き方向(図2の左右方向)に移動可能となっている。また、図2では、スプリングの付勢により、当接部分が移動可能な範囲の最も手前側に位置している状態の可動支持部24が示されている。
【0032】
このように、可動支持部24が、その当接部分が移動可能で、スプリングにより収納領域の手前側に付勢されるように構成されていることにより、可動支持部24は、当接部分が移動可能な範囲内で、厚みの異なる携帯型プレーヤを確実に支持することができる。
【0033】
可動支持部25は、装着部12の内部の上端の近傍に、収納領域の奥行き方向にスライド可能となるようにシャーシ21に取り付けられており、図示しないスプリング(例えば、図12のスプリング25c)により、図2の矢印Eの方向に付勢されている。可動支持部25は、所定の高さ以上の携帯型プレーヤが装着される際に、その携帯型プレーヤの上端の近傍を支持することができる。
【0034】
このように装着部12は構成されており、ユーザは、装着部12の内部に携帯型プレーヤを収納するときに、ドア部22を開け、携帯型プレーヤの底面に設けられているコネクタを、ホルダ部23のコネクタ23aに嵌め込む。これにより、携帯型プレーヤの下端がホルダ部23に対して固定される。
【0035】
その後、ユーザがドア部22を閉めることで、可動支持部24および25の少なくとも一方が、携帯型プレーヤの背面に当接して、携帯型プレーヤをドア部22に向かって押し付ける。即ち、上述したように、可動支持部24は、図2の矢印Dの方向にスプリングにより付勢されており、その力により、携帯型プレーヤをドア部22に向かって押し付ける。また、可動支持部25は、図2の矢印Eの方向にスプリングにより付勢されており、その力により、携帯型プレーヤをドア部22に向かって押し付ける。
【0036】
ここで、ドア部22の奥側(図2の右側)を向く面と、シャーシ21の収納領域内の手前側(図2の左側)を向く面との距離を、収納領域の第1の奥行きD1とする。また、ホルダ部23のU字型の底面(携帯型プレーヤを装着するときに携帯型プレーヤの底面が当接する面)と、シャーシ21の収納領域内の下側を向く面との間の距離を、収納領域の第1の高さH1とする。このとき、装着部12は、第1の奥行きD1未満の厚さで、かつ、第1の高さH1未満の高さの携帯型プレーヤを収納することができる。
【0037】
また、ドア部22の奥側を向く面と、回動可能な可動支持部24が収納領域内で最も手前側となる当接部分(即ち、図2において可動支持部24の左側を向く曲面の先端部)との距離を、収納領域の第2の奥行きD2とする。また、ホルダ部23のU字型の底面と、回動可能な可動支持部24が収納領域内で最も手前側となる当接部分との距離を、収納領域の第2の高さH2とする。このとき、装着部12は、第2の奥行きD2以上の厚さで、かつ、第2の高さH2以上の高さの携帯型プレーヤを安定的に装着することができる。即ち、第2の奥行きD2以上の厚さで、かつ、第2の高さH2以上の高さの携帯型プレーヤであれば、可動支持部24が、携帯型プレーヤの背面を押し付けることができ、ホルダ部23、可動支持部24、およびドア部22により携帯型プレーヤが安定的に装着される。
【0038】
即ち、可動支持部24の当接部分は、第2の奥行きD2から第1の奥行きD1までの範囲で移動可能とされており、装着部12は、ドア部22の奥側を向く面を基準として、第2の奥行きD2から第1の奥行きD1までの厚みの携帯型プレーヤであれば、その厚みの差を吸収して、安定的に装着することができる。
【0039】
また、ホルダ部23のU字型の底面と、可動支持部25の下側を向く面との距離を、収納領域の第3の高さH3とすると、装着部12は、高さH3以上の高さの携帯型プレーヤを、より安定的に装着することができる。即ち、高さH3以上の高さの携帯型プレーヤであれば、可動支持部25が、その上端の近傍の背面を押し付けることができる。
【0040】
具体的には、装着部12は、例えば、奥行きD1が19.1mmとなり、奥行きD2が6.5mmとなるように設計され、これにより、厚さ19.1〜6.5mmの携帯型プレーヤに対応することができる。即ち、装着部12は、携帯型プレーヤの機種による厚さの寸法差が12.6mm(19.1mm−6.5mm)あっても、いずれの機種の携帯型プレーヤでも、安定的に装着することができる。
【0041】
また、装着部12は、例えば、高さH1が120mmとなり、高さH2が50mmとなり、高さH3が105mmとなるように設計される。これにより、高さ50mm以上の携帯型プレーヤであれば、可動支持部24により押し付けられ、さらに、高さ105mm以上の携帯型プレーヤは、その上端の近傍が可動支持部25により押し付けられることで、携帯型プレーヤの装着が安定的になる。
【0042】
例えば、図3乃至7には、それぞれ外形寸法が異なる5つの携帯型プレーヤ31A乃至31Eが、装着部12に装着された状態が示されている。
【0043】
図3には、例えば、高さ×幅×厚さが115×60×11.5mmである携帯型プレーヤ31Aが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Aは、その背面の上端部が可動支持部25によりドア部22に押し付けられるとともに、その背面部の中央より若干下側の部分が可動支持部24によりドア部22に押し付けられている。
【0044】
図4には、例えば、高さ×幅×厚さが110×61.8×8.0mmである携帯型プレーヤ31Bが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Bは、携帯型プレーヤ31Aと同様に、可動支持部24および25によりドア部22に押し付けられている。
【0045】
図5には、例えば、高さ×幅×厚さが104.1×60.9×19.1mmである携帯型プレーヤ31Cが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Cの高さは、収納領域の第3の高さH3(図2)よりも低いため、可動支持部24によりドア部22に押し付けられている。また、携帯型プレーヤ31Cの厚さは、収納領域の奥行きD1(図2)と一致しているので、携帯型プレーヤ31Cの背面と、シャーシ21の収納領域内の手前側を向く面(可動支持部24および25の間にある面)とが接する状態となる。
【0046】
図6には、例えば、高さ×幅×厚さが69.8×52.3×6.5mmである携帯型プレーヤ31Dが、装着部12に装着された状態が示されている。また、図7には、例えば、高さ×幅×厚さが90×40×6.5mmである携帯型プレーヤ31Eが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Dおよび31Eは、可動支持部24によりドア部22に押し付けられている。
【0047】
図3乃至図7に示すように、装着部12は、厚さ19.1mmの携帯型プレーヤ31Cでも、厚さ6.5mmの携帯型プレーヤ31Eでも、安定的に装着することができる。
【0048】
また、図3乃至図7に示すように、携帯型プレーヤ31A乃至Eは、その底面に設けられているコネクタの位置がそれぞれ異なっている。図2を参照して説明したように、ホルダ部23は、ドア部22が閉じられた状態で、図2の矢印Bの方向に自在にスライド可能とされており、ホルダ部23がスライドすることで、コネクタの位置が異なっていても、装着部12は、ドア部22の奥側を向く面を基準として、携帯型プレーヤ31A乃至Eを安定的に装着することができる。
【0049】
例えば、図8には、厚みが最も大きな携帯型プレーヤ31C、および、厚みが最も小さな携帯型プレーヤ31Eのコネクタの位置が示されている。
【0050】
即ち、携帯型プレーヤ31Cは、厚みが19.1mmであり、携帯型プレーヤ31Cのコネクタセンタ(コネクタの厚み方向の中心)に対して、正面までの寸法が9.52mmとなり、背面までの寸法差が9.52mmとなるように設計されている。また、携帯型プレーヤ31Eは、厚みが6.5mmであり、携帯型プレーヤ31Eのコネクタセンタに対して、正面までの寸法が3.25mmとなり、背面までの寸法差が3.25mmとなるように設計されている。
【0051】
装着部12は、携帯型プレーヤ31の正面をドア部22に押し付けるように装着するので、携帯型プレーヤ31の正面を基準として、それぞれのコネクタまでの位置の差に対応するように、ホルダ部23がスライド可能とされている。即ち、携帯型プレーヤ31Cのコネクタセンタから正面までの寸法9.52mmと、携帯型プレーヤ31Eのコネクタセンタから正面までの寸法3.25mmとの寸法差は6.27mmであり、ホルダ部23が、少なくとも6.27mmスライドすることができれば、このような寸法差がある携帯型プレーヤ31でも、装着可能となる。
【0052】
また、可動支持部24の当接部分の可動範囲が、携帯型プレーヤ31Cの厚み19.1mmと、携帯型プレーヤ31Eの厚み6.5mmとの寸法差12.6mmであれば、このような厚みの寸法差のある携帯型プレーヤ31でも、装着可能となる。
【0053】
次に、図9を参照して、装着部12に携帯型プレーヤ31Cを装着する際の各部の動きについて説明する。
【0054】
図9では、左側から右側に向かって、ドア部22が完全に開いた状態の装着部12−1、ドア部22が開閉途中の状態の装着部12−2および12−3、並びに、ドア部22が閉じた状態の装着部12−4が示されている。
【0055】
上述したように、ユーザがオープンボタン14(図1)を操作すると、ドア部22のロックが開放され、装着部12−1のように、ドア部22は完全に開き、収納領域が開放される。このとき、ホルダ部23は、ドア部22が開放されるのに連動して正面側に向かって傾動する。ユーザは、ホルダ部23のコネクタ23aに、携帯型プレーヤ31Cの底面に設けられているコネクタを差し込む。このとき、携帯型プレーヤ31Cは、ホルダ部23の傾きに従って、前方に向かって傾斜している。
【0056】
そして、ユーザが、ドア部22を閉じるために、指などでドア部22を回動させると、装着部12−2のように、可動支持部24の当接部分が携帯型プレーヤ31Cの背面と当接する。さらに、ユーザがドア部22の回動を続けると、装着部12−3のように、携帯型プレーヤ31Cにより可動支持部24が奥側に押し込まれる。
【0057】
その後、ドア部22が閉じて収納領域が閉鎖されると、装着部12−4のように、携帯型プレーヤ31Cは直立し、可動支持部24の付勢力によりドア部22に押し付けられた状態で装着される。
【0058】
また、図10には、装着部12に携帯型プレーヤ31Aを装着する際の各部の動きが示されており、図11には、装着部12に携帯型プレーヤ31Eを装着する際の各部の動きが示されている。図10および図11の例では、図9を参照して説明したのと同様に、装着部12の各部が動作する。
【0059】
なお、図10に示されている携帯型プレーヤ31Aは、その高さが高さH3(図2)より高いので、ドア部22が閉じられるのに応じて、携帯型プレーヤ31Aの上端の背面が可動支持部25を奥側に押し込むことになる。そして、可動支持部25の付勢力により携帯型プレーヤ31Aの上端が押し付けられる。
【0060】
また、図11に示されている携帯型プレーヤ31Eは、その厚みが奥行きD2(図2)とほぼ同じであるので、可動支持部24は、ほぼ押し込まれることなく、その付勢力により携帯型プレーヤ31Eの背面を支持している。
【0061】
次に、図12は、装着部12の分解斜視図である。
【0062】
図12に示すように、装着部12は、シャーシ21、ドア部22、ホルダ部23、可動支持部24および25、ドアダンパ41、検出スイッチ42、およびロック機構43を備えて構成されている。
【0063】
シャーシ21には、各部品を取り付けるための取り付け部や、出力装置11に対して取り付けるための取り付け部などが設けられている。また、シャーシ21の背面側の壁面には、可動支持部24および25の一部を貫通させるための開口部が設けられている。
【0064】
ドア部22は、軸22aが形成されているドア本体22b、ドア枠22c、窓板22d、スプリング22eおよび22f、並びに、支持シート22gおよび22hを備えて構成されている。
【0065】
ドア本体22bは、軸22aによりシャーシ21に取り付けられるとともに、その上端部の両側は、ロック機構43が有するフックと係合可能とされている。また、ドア本体22bは、軸22aを中心とした円弧状にラック(歯車の一部分)が形成されており、シャーシ21に組み付けられると、このラックとドアダンパ41の歯車とが噛合するように構成されている。
【0066】
ドア本体22bの正面側には、ドア枠22cが着脱可能に取り付けられ、ドア枠22cには、例えば、透明な部材からなる窓板22dが貼着されている。なお、例えば、装着部12に装着される携帯型プレーヤ31が、タッチパネルなどの操作部を備えている場合など、ユーザが操作部を利用して携帯型プレーヤ31を直接操作することを想定し、ドア枠22cに替えて、ドア枠22c’が、ドア本体22bの正面側に取り付けられるように構成されている。即ち、装着部12は、携帯型プレーヤ31に応じて、ユーザが、ドア枠22cとドア枠22c’とを交換することができるように構成されている。
【0067】
スプリング22eおよび22fは、一端がシャーシ21に係止されるとともに、他端がドア本体22bに係止され、ドア本体22bを正面側に向かって付勢する。
【0068】
支持シート22gおよび22hは、ドア本体22bの背面側の下端の近傍に貼着される。支持シート22gおよび22hは、例えば、可動支持部24により携帯型プレーヤ31の背面が押し付けられるときに、携帯型プレーヤ31の正面とドア部22との接触を和らげるためのものである。
【0069】
ホルダ部23は、コネクタ23aが設けられたコネクタ基板23b、ホルダ本体23c、シャフト23d、固定スプリング23e、ホルダ基部23f、スプリング23g、およびネジ23hを備えて構成されている。
【0070】
コネクタ基板23bには、コネクタ基板23bに実装されているコネクタ23aと、出力装置11が内蔵する電子部品とを接続するための回路がプリントされた基板であり、ホルダ本体23cに固定的に取り付けられる。
【0071】
ホルダ本体23cは、出力装置11に装着可能な最も大きな携帯型プレーヤ31の底部の形状に沿った凹部を有している。ホルダ本体23cには、その凹部の略中央に設けられた開口部から、コネクタ23aが凹部内に突出するようにコネクタ基板23bが装着される。また、ホルダ本体23cの後端部の近傍には、シャフト23dが貫通可能な穴が設けられており、ホルダ本体23cは、シャフト23dと、ホルダ本体23cの前端部の近傍に形成されている凸部とにより、出力装置11の前後方向(図2の矢印B方向)に自在にスライド可能となるようにホルダ基部23fに取り付けられる。
【0072】
固定スプリング23eは、ホルダ本体23cとホルダ基部23fとの間に取り付けられ、ドア部22が開かれるのに連動してホルダ部23が傾動したときに、ホルダ本体23cがスライドされないようにロックする。ホルダ基部23fは、ホルダ本体23cをスライド可能に支持するとともに、ホルダ基部23fの後側の上端の近傍に形成されている軸を介して、シャーシ21に対し傾動可能に取り付けられる。スプリング23gは、ドア部22が開かれるのに連動してホルダ部23が傾動するように、ホルダ基部23fを付勢し、ネジ23hにより取り付けられる。
【0073】
可動支持部24は、軸24aが形成されている支持部本体24b、支持シート24c、およびスプリング24dを備えて構成されている。
【0074】
支持部本体24bは、軸24aにより回動可能にシャーシ21に取り付けられ、携帯型プレーヤ31と当接する当接部分となる曲面に、支持シート24cが嵌め込まれている。支持シート24cは、可動支持部24と携帯型プレーヤ31との接触を和らげるためのものである。スプリング24dは、一端がシャーシ21に係止されるとともに、他端が支持部本体24bに係止され、可動支持部24の当接部分を正面側に向かって付勢する。
【0075】
可動支持部25は、支持部本体25a、支持シート25b、およびスプリング25cを備えて構成されている。
【0076】
支持部本体25aは、その両側面に形成されている凸部が、シャーシ21に形成されている溝に係合するようにシャーシ21に取り付けられ、シャーシ21の溝に沿って、スライド可能とされている。支持シート25bは、支持部本体25aの正面側の先端部に嵌め込まれ、可動支持部25と携帯型プレーヤ31との接触を和らげるためのものである。スプリング25cは、一端がシャーシ21に係止されるとともに、他端が支持部本体25aに係止され、可動支持部25を正面側に向かって付勢する。
【0077】
ドアダンパ41は、シャーシ21の側面に取り付けられ、歯車と、その歯車の回転速度を規制する機構とを有している。そして、ドアダンパ41の歯車が、ドア本体22bに形成されているラックと噛合することで、ドア部22のロックが解除された際に、スプリング22eおよび22fの付勢力によりドア部22が開く速度を規制する。
【0078】
検出スイッチ42は、シャーシ21の底面付近に設置され、装着部12に携帯型プレーヤ31が装着されるとONとなり、携帯型プレーヤ31が装着されたことを検出して、図示しない制御部などに通知する。
【0079】
ロック機構43は、ロック機構本体43a、スプリング43b、並びに、ネジ43cおよび43dを備えて構成されている。
【0080】
ロック機構本体43aの正面側の両端には、ドア本体22bと係合可能なフックが形成されており、そのフックとドア本体22bとの係合により、ドア部22をロックする。そして、ユーザがオープンボタン14(図1)を操作すると、例えば、ロック機構本体43aが下方に若干移動し、ロック機構本体43aのフックがドア本体22bから外れ、ドア部22のロックが解除される。
【0081】
スプリング43bは、ユーザによるオープンボタン14の操作後、ロック機構本体43aを定位置に戻すためのものである。ネジ43cおよび43dは、ロック機構本体43aをシャーシ21に取り付けるためのものである。
【0082】
以上のように装着部12は構成されており、装着部12内の収納領域に携帯型プレーヤ31を収納することができるので、例えば、筐体に載置するように携帯型プレーヤを装着する出力装置よりも、安定的に携帯型プレーヤ31を装着することができる。これにより、ユーザは、携帯型プレーヤ31が装着された状態の出力装置11を安心して持ち運ぶことができる。
【0083】
また、可動支持部24が、軸24aを中心として回動可能とされ、携帯型プレーヤ31と当接する当接部分が、所定の範囲内で、奥行き方向に移動可能とされているので、厚さが異なる携帯型プレーヤ31でも、安定的に装着することができる。
【0084】
また、所定の高さ以上の携帯型プレーヤ31に対しては、可動支持部25が、携帯型プレーヤ31の背面側の上端をドア部22に向かって押し付けることができるので、所定の高さ以上の携帯型プレーヤ31の装着をより安定的にすることができる。
【0085】
また、コネクタ23aを有するホルダ部23が、ドア部22が閉じられた状態で、装着部12の奥行き方向にスライド可能とされていることにより、ユーザが装着部12に装着されている携帯型プレーヤ31をタッチして操作する際に力が掛かっても、ホルダ部23がスライドすることで、その力を逃がすことができる。これにより、コネクタ23aや携帯型プレーヤ31のコネクタなどが損傷することを回避することができる。
【0086】
なお、出力装置11は、外部の電源から供給される電力や、内蔵するバッテリ(図示せず)に蓄積されている電力などにより、携帯型プレーヤへの充電を行うことができる。また、出力装置11は、CD再生部、AM/FMラジオチューナなど(いずれも図示せず)を内蔵しており、携帯型プレーヤにより再生される音声の他、CDまたはラジオを音源とした音声を出力することができる。
【0087】
また、出力装置11には、音声や映像などを再生する携帯型プレーヤ31の他、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型の端末機器を装着することができる。
【0088】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明を適用した出力装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【図2】装着部12の概略的な構成について説明する図である。
【図3】携帯型プレーヤ31Aが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図4】携帯型プレーヤ31Bが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図5】携帯型プレーヤ31Cが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図6】携帯型プレーヤ31Dが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図7】携帯型プレーヤ31Eが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図8】携帯型プレーヤの寸法などを示す図である。
【図9】装着部12に携帯型プレーヤ31Cを装着する際の各部の動きを説明する図である。
【図10】装着部12に携帯型プレーヤ31Aを装着する際の各部の動きを説明する図である。
【図11】装着部12に携帯型プレーヤ31Eを装着する際の各部の動きを説明する図である。
【図12】装着部12の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
11 出力装置, 12 装着部, 13aおよび13b スピーカ, 14 オープンボタン, 21 シャーシ, 22 ドア部, 23 ホルダ部, 24および25 可動支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着機構および出力装置に関し、特に、携帯型プレーヤを安定的に装着することができるようにした装着機構および出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体に設けられたコネクタに、音声や映像などを再生する携帯型プレーヤが接続され、携帯型プレーヤにより再生される音声を所定の音量で出力する出力装置がある。
【0003】
一般的に、携帯型プレーヤでは、その機種ごとに、コネクタの形状が統一されていても、外形寸法が異なっていることが多い。従って、外形寸法の異なる携帯型プレーヤが接続可能となるように、出力装置には、例えば、筐体の上面にコネクタが設けられ、携帯型プレーヤを上面に載置するようにして装着する構成となっているものがある。
【0004】
しかしながら、携帯型プレーヤが、出力装置の筐体の上面で装着されていると不安定であり、例えば、ユーザは、携帯型プレーヤを装着したままの出力装置を安心して持ち運ぶことができなかった。
【0005】
そこで、例えば、カセットデッキにカセットテープを装着するように、携帯型プレーヤを出力装置の内部に装着させることで、携帯型プレーヤの装着が安定的になり、ユーザが安心して持ち運ぶことができると考えられる。しかしながら、カセットテープにおいては、外形寸法が統一されているが、携帯型プレーヤにおいては、機種ごとに外形寸法が異なっている。そこで、機種ごとに外形寸法が異なる携帯型プレーヤについて、いずれの携帯型プレーヤでも安定的に装着することができる装着機構、および、その装着機構を備えた出力装置が求められている。
【0006】
ここで、特許文献1には、携帯情報端末を接続可能なクレードルであって、複数の機種の携帯情報端末に対して共通に使用できるクレードルが開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、ポータブルコンピュータおよびドッキングステーションから構成されるコンピュータシステムであって、ポータブルコンピュータとドッキングステーションとの位置合わせを容易に行うことができるコンピュータシステムが開示されている。
【0008】
また、特許文献3には、ノート型のパーソナルコンピュータの機種を認識し、インターフェースコネクタを適宜の高さ設定位置にセットすることができるドッキングステーションが開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−135119号公報
【特許文献2】特許第3660523号
【特許文献3】特許第3299236号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、機種ごとに外形寸法が異なる携帯型プレーヤについて、いずれの携帯型プレーヤでも安定的に装着することができる装着機構、および、その装着機構を備えた出力装置が求められている。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、携帯型プレーヤを安定的に装着することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の側面の装着機構は、端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている。
【0013】
本発明の第2の側面の出力装置は、端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材と、前記端末機器により再生されるコンテンツを出力する出力手段とを備え、前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている。
【0014】
本発明の第1および第2の側面においては、ドア部材が、端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、収納領域を開閉し、支持部材が、収納領域の背面側に設けられ、収納領域内に収納される端末機器を、ドア部材に向かって押し付けて支持する。また、支持部材は、支持部材における端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、正面側に向かって付勢されている。さらに、本発明の第2の側面においては、端末機器により再生されるコンテンツが出力される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一側面によれば、携帯型プレーヤを安定的に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用した出力装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、出力装置11は、装着部12、スピーカ13aおよび13b、オープンボタン14を備えて構成されており、図示しない携帯型プレーヤ(例えば、図3乃至図7の携帯型プレーヤ31A乃至31E)を内部に収納することができる。
【0019】
装着部12は、出力装置11の正面の略中央に設けられており、図2を参照して後述するように、その内部の収納領域に携帯型プレーヤを装着する。また、装着部12には、携帯型プレーヤと電気的に接続可能なコネクタ(図2のコネクタ23a)が設けられており、携帯型プレーヤにより再生される音声の信号がコネクタを介して、例えば、出力装置11が内蔵するアンプ(図示せず)に供給される。
【0020】
スピーカ13aおよび13bは、出力装置11の正面の装着部12の左右にそれぞれ設けられており、装着部12に装着された携帯型プレーヤにより再生される音声を出力する。
【0021】
オープンボタン14は、例えば、出力装置11の上面に設けられ、ユーザがオープンボタン14を操作することにより、装着部12のドア部(図2のドア部22)が開かれる。例えば、図1の上側に示されているように、装着部12のドア部が閉じられているときに、ユーザがオープンボタン14を操作すると、図1の下側に示すように、装着部12のドア部が出力装置11の前方に傾動し、ドア部が開かれる。そして、例えば、ユーザは、装着部12の内部にあるコネクタに携帯型プレーヤを差し込み、装着部12のドア部を押して閉じることにより、携帯型プレーヤは、装着部12内の所定位置で保持される。
【0022】
このように出力装置11の装着部12に携帯型プレーヤが装着され、ユーザが、携帯型プレーヤにより音声が再生されるように操作すると、携帯型プレーヤから出力装置11に音声の信号が供給される。そして、出力装置11は、内蔵するアンプなどにより音声を増幅してスピーカ13aおよび13bから出力する。
【0023】
次に、図2を参照して、装着部12の概略的な構成について説明する。
【0024】
図2は、装着部12の主な構成要素を出力装置11の右側面からみたときの概略的な構成を示した図である。なお、図2の左側が、出力装置11の正面側(手前側)であり、図2の右側が、出力装置11の背面側(奥側)である。
【0025】
図2に示すように、装着部12は、シャーシ21、ドア部22、ホルダ部23、並びに、可動支持部24および25から構成される。
【0026】
シャーシ21は、ドア部22、ホルダ部23、並びに、可動支持部24および25が取り付けられる枠組みであり、出力装置11に対して固定的に取り付けられる。シャーシ21の内部には、携帯型プレーヤを収納する収納領域が設けられ、その収納領域は、出力装置11の手前側に向かって開放されており、ドア部22により収納領域が閉鎖される。
【0027】
ドア部22は、その下端の近傍に設けられた軸22aを中心に回動することができるようにシャーシ21に取り付けられており、図2には、ドア部22が閉じられた状態が示されている。また、ドア部22は、図示しないスプリング(例えば、図12のスプリング22eおよび22f)により、図2の紙面に向かって反時計回りに付勢されており、図示しないロック機構によりロックされている。そして、例えば、ユーザが、オープンボタン14(図1)を操作すると、ドア部22のロックが解除され、ドア部22は、図2の矢印Aの方向に傾動し、収納領域が開放される。
【0028】
ホルダ部23は、装着部12に装着可能な、外形寸法の異なる携帯型プレーヤのうちの、底面積が最も広い携帯型プレーヤを保持することができる幅のU字型の断面形状を有している。また、装着部12に装着可能な携帯型プレーヤの底面には、凹型のコネクタが設けられており、ホルダ部23のU字型の底面の略中央には、携帯型プレーヤのコネクタと接続可能な凸型のコネクタ23aが設けられている。
【0029】
また、ホルダ部23は、ドア部22が閉じられた状態で、図2の矢印Bの方向(出力装置11の前後方向)に自在にスライド可能となり、ドア部22が開かれるとロックされ、シャーシ21に対して固定されるように構成されている。また、ホルダ部23は、ドア部22の開閉と連動して傾動し、ドア部22が開かれるのに応じて、図2の矢印Cの方向に傾動するように構成されている。このようにホルダ部23が構成されていることで、ドア部22が開かれた状態で、コネクタ23aが、出力装置11の正面側に向かって傾くとともに固定されるので、ユーザが、携帯型プレーヤをコネクタ23aに差し込みやすくなる。
【0030】
可動支持部24は、その上端の近傍に設けられた軸24aを中心に回動することができるようにシャーシ21に取り付けられており、図示しないスプリング(例えば、図12のスプリング24d)により、図2の矢印Dの方向に付勢されている。
【0031】
また、可動支持部24は、出力装置11の手前側を向く面が、上側から下側に向かうに従い手前方向に広がるように傾斜し、その手前側を向く面と、底面とが円弧状の曲面により繋がっている。この曲面のうち、収納領域内で最も手前側となる部分が、装着部12に装着される携帯型プレーヤと当接する当接部分となる。そして、可動支持部24が、軸24aを中心に回動することにより、可動支持部24の当接部分は、収納領域内の所定範囲内で、収納領域の奥行き方向(図2の左右方向)に移動可能となっている。また、図2では、スプリングの付勢により、当接部分が移動可能な範囲の最も手前側に位置している状態の可動支持部24が示されている。
【0032】
このように、可動支持部24が、その当接部分が移動可能で、スプリングにより収納領域の手前側に付勢されるように構成されていることにより、可動支持部24は、当接部分が移動可能な範囲内で、厚みの異なる携帯型プレーヤを確実に支持することができる。
【0033】
可動支持部25は、装着部12の内部の上端の近傍に、収納領域の奥行き方向にスライド可能となるようにシャーシ21に取り付けられており、図示しないスプリング(例えば、図12のスプリング25c)により、図2の矢印Eの方向に付勢されている。可動支持部25は、所定の高さ以上の携帯型プレーヤが装着される際に、その携帯型プレーヤの上端の近傍を支持することができる。
【0034】
このように装着部12は構成されており、ユーザは、装着部12の内部に携帯型プレーヤを収納するときに、ドア部22を開け、携帯型プレーヤの底面に設けられているコネクタを、ホルダ部23のコネクタ23aに嵌め込む。これにより、携帯型プレーヤの下端がホルダ部23に対して固定される。
【0035】
その後、ユーザがドア部22を閉めることで、可動支持部24および25の少なくとも一方が、携帯型プレーヤの背面に当接して、携帯型プレーヤをドア部22に向かって押し付ける。即ち、上述したように、可動支持部24は、図2の矢印Dの方向にスプリングにより付勢されており、その力により、携帯型プレーヤをドア部22に向かって押し付ける。また、可動支持部25は、図2の矢印Eの方向にスプリングにより付勢されており、その力により、携帯型プレーヤをドア部22に向かって押し付ける。
【0036】
ここで、ドア部22の奥側(図2の右側)を向く面と、シャーシ21の収納領域内の手前側(図2の左側)を向く面との距離を、収納領域の第1の奥行きD1とする。また、ホルダ部23のU字型の底面(携帯型プレーヤを装着するときに携帯型プレーヤの底面が当接する面)と、シャーシ21の収納領域内の下側を向く面との間の距離を、収納領域の第1の高さH1とする。このとき、装着部12は、第1の奥行きD1未満の厚さで、かつ、第1の高さH1未満の高さの携帯型プレーヤを収納することができる。
【0037】
また、ドア部22の奥側を向く面と、回動可能な可動支持部24が収納領域内で最も手前側となる当接部分(即ち、図2において可動支持部24の左側を向く曲面の先端部)との距離を、収納領域の第2の奥行きD2とする。また、ホルダ部23のU字型の底面と、回動可能な可動支持部24が収納領域内で最も手前側となる当接部分との距離を、収納領域の第2の高さH2とする。このとき、装着部12は、第2の奥行きD2以上の厚さで、かつ、第2の高さH2以上の高さの携帯型プレーヤを安定的に装着することができる。即ち、第2の奥行きD2以上の厚さで、かつ、第2の高さH2以上の高さの携帯型プレーヤであれば、可動支持部24が、携帯型プレーヤの背面を押し付けることができ、ホルダ部23、可動支持部24、およびドア部22により携帯型プレーヤが安定的に装着される。
【0038】
即ち、可動支持部24の当接部分は、第2の奥行きD2から第1の奥行きD1までの範囲で移動可能とされており、装着部12は、ドア部22の奥側を向く面を基準として、第2の奥行きD2から第1の奥行きD1までの厚みの携帯型プレーヤであれば、その厚みの差を吸収して、安定的に装着することができる。
【0039】
また、ホルダ部23のU字型の底面と、可動支持部25の下側を向く面との距離を、収納領域の第3の高さH3とすると、装着部12は、高さH3以上の高さの携帯型プレーヤを、より安定的に装着することができる。即ち、高さH3以上の高さの携帯型プレーヤであれば、可動支持部25が、その上端の近傍の背面を押し付けることができる。
【0040】
具体的には、装着部12は、例えば、奥行きD1が19.1mmとなり、奥行きD2が6.5mmとなるように設計され、これにより、厚さ19.1〜6.5mmの携帯型プレーヤに対応することができる。即ち、装着部12は、携帯型プレーヤの機種による厚さの寸法差が12.6mm(19.1mm−6.5mm)あっても、いずれの機種の携帯型プレーヤでも、安定的に装着することができる。
【0041】
また、装着部12は、例えば、高さH1が120mmとなり、高さH2が50mmとなり、高さH3が105mmとなるように設計される。これにより、高さ50mm以上の携帯型プレーヤであれば、可動支持部24により押し付けられ、さらに、高さ105mm以上の携帯型プレーヤは、その上端の近傍が可動支持部25により押し付けられることで、携帯型プレーヤの装着が安定的になる。
【0042】
例えば、図3乃至7には、それぞれ外形寸法が異なる5つの携帯型プレーヤ31A乃至31Eが、装着部12に装着された状態が示されている。
【0043】
図3には、例えば、高さ×幅×厚さが115×60×11.5mmである携帯型プレーヤ31Aが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Aは、その背面の上端部が可動支持部25によりドア部22に押し付けられるとともに、その背面部の中央より若干下側の部分が可動支持部24によりドア部22に押し付けられている。
【0044】
図4には、例えば、高さ×幅×厚さが110×61.8×8.0mmである携帯型プレーヤ31Bが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Bは、携帯型プレーヤ31Aと同様に、可動支持部24および25によりドア部22に押し付けられている。
【0045】
図5には、例えば、高さ×幅×厚さが104.1×60.9×19.1mmである携帯型プレーヤ31Cが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Cの高さは、収納領域の第3の高さH3(図2)よりも低いため、可動支持部24によりドア部22に押し付けられている。また、携帯型プレーヤ31Cの厚さは、収納領域の奥行きD1(図2)と一致しているので、携帯型プレーヤ31Cの背面と、シャーシ21の収納領域内の手前側を向く面(可動支持部24および25の間にある面)とが接する状態となる。
【0046】
図6には、例えば、高さ×幅×厚さが69.8×52.3×6.5mmである携帯型プレーヤ31Dが、装着部12に装着された状態が示されている。また、図7には、例えば、高さ×幅×厚さが90×40×6.5mmである携帯型プレーヤ31Eが、装着部12に装着された状態が示されている。携帯型プレーヤ31Dおよび31Eは、可動支持部24によりドア部22に押し付けられている。
【0047】
図3乃至図7に示すように、装着部12は、厚さ19.1mmの携帯型プレーヤ31Cでも、厚さ6.5mmの携帯型プレーヤ31Eでも、安定的に装着することができる。
【0048】
また、図3乃至図7に示すように、携帯型プレーヤ31A乃至Eは、その底面に設けられているコネクタの位置がそれぞれ異なっている。図2を参照して説明したように、ホルダ部23は、ドア部22が閉じられた状態で、図2の矢印Bの方向に自在にスライド可能とされており、ホルダ部23がスライドすることで、コネクタの位置が異なっていても、装着部12は、ドア部22の奥側を向く面を基準として、携帯型プレーヤ31A乃至Eを安定的に装着することができる。
【0049】
例えば、図8には、厚みが最も大きな携帯型プレーヤ31C、および、厚みが最も小さな携帯型プレーヤ31Eのコネクタの位置が示されている。
【0050】
即ち、携帯型プレーヤ31Cは、厚みが19.1mmであり、携帯型プレーヤ31Cのコネクタセンタ(コネクタの厚み方向の中心)に対して、正面までの寸法が9.52mmとなり、背面までの寸法差が9.52mmとなるように設計されている。また、携帯型プレーヤ31Eは、厚みが6.5mmであり、携帯型プレーヤ31Eのコネクタセンタに対して、正面までの寸法が3.25mmとなり、背面までの寸法差が3.25mmとなるように設計されている。
【0051】
装着部12は、携帯型プレーヤ31の正面をドア部22に押し付けるように装着するので、携帯型プレーヤ31の正面を基準として、それぞれのコネクタまでの位置の差に対応するように、ホルダ部23がスライド可能とされている。即ち、携帯型プレーヤ31Cのコネクタセンタから正面までの寸法9.52mmと、携帯型プレーヤ31Eのコネクタセンタから正面までの寸法3.25mmとの寸法差は6.27mmであり、ホルダ部23が、少なくとも6.27mmスライドすることができれば、このような寸法差がある携帯型プレーヤ31でも、装着可能となる。
【0052】
また、可動支持部24の当接部分の可動範囲が、携帯型プレーヤ31Cの厚み19.1mmと、携帯型プレーヤ31Eの厚み6.5mmとの寸法差12.6mmであれば、このような厚みの寸法差のある携帯型プレーヤ31でも、装着可能となる。
【0053】
次に、図9を参照して、装着部12に携帯型プレーヤ31Cを装着する際の各部の動きについて説明する。
【0054】
図9では、左側から右側に向かって、ドア部22が完全に開いた状態の装着部12−1、ドア部22が開閉途中の状態の装着部12−2および12−3、並びに、ドア部22が閉じた状態の装着部12−4が示されている。
【0055】
上述したように、ユーザがオープンボタン14(図1)を操作すると、ドア部22のロックが開放され、装着部12−1のように、ドア部22は完全に開き、収納領域が開放される。このとき、ホルダ部23は、ドア部22が開放されるのに連動して正面側に向かって傾動する。ユーザは、ホルダ部23のコネクタ23aに、携帯型プレーヤ31Cの底面に設けられているコネクタを差し込む。このとき、携帯型プレーヤ31Cは、ホルダ部23の傾きに従って、前方に向かって傾斜している。
【0056】
そして、ユーザが、ドア部22を閉じるために、指などでドア部22を回動させると、装着部12−2のように、可動支持部24の当接部分が携帯型プレーヤ31Cの背面と当接する。さらに、ユーザがドア部22の回動を続けると、装着部12−3のように、携帯型プレーヤ31Cにより可動支持部24が奥側に押し込まれる。
【0057】
その後、ドア部22が閉じて収納領域が閉鎖されると、装着部12−4のように、携帯型プレーヤ31Cは直立し、可動支持部24の付勢力によりドア部22に押し付けられた状態で装着される。
【0058】
また、図10には、装着部12に携帯型プレーヤ31Aを装着する際の各部の動きが示されており、図11には、装着部12に携帯型プレーヤ31Eを装着する際の各部の動きが示されている。図10および図11の例では、図9を参照して説明したのと同様に、装着部12の各部が動作する。
【0059】
なお、図10に示されている携帯型プレーヤ31Aは、その高さが高さH3(図2)より高いので、ドア部22が閉じられるのに応じて、携帯型プレーヤ31Aの上端の背面が可動支持部25を奥側に押し込むことになる。そして、可動支持部25の付勢力により携帯型プレーヤ31Aの上端が押し付けられる。
【0060】
また、図11に示されている携帯型プレーヤ31Eは、その厚みが奥行きD2(図2)とほぼ同じであるので、可動支持部24は、ほぼ押し込まれることなく、その付勢力により携帯型プレーヤ31Eの背面を支持している。
【0061】
次に、図12は、装着部12の分解斜視図である。
【0062】
図12に示すように、装着部12は、シャーシ21、ドア部22、ホルダ部23、可動支持部24および25、ドアダンパ41、検出スイッチ42、およびロック機構43を備えて構成されている。
【0063】
シャーシ21には、各部品を取り付けるための取り付け部や、出力装置11に対して取り付けるための取り付け部などが設けられている。また、シャーシ21の背面側の壁面には、可動支持部24および25の一部を貫通させるための開口部が設けられている。
【0064】
ドア部22は、軸22aが形成されているドア本体22b、ドア枠22c、窓板22d、スプリング22eおよび22f、並びに、支持シート22gおよび22hを備えて構成されている。
【0065】
ドア本体22bは、軸22aによりシャーシ21に取り付けられるとともに、その上端部の両側は、ロック機構43が有するフックと係合可能とされている。また、ドア本体22bは、軸22aを中心とした円弧状にラック(歯車の一部分)が形成されており、シャーシ21に組み付けられると、このラックとドアダンパ41の歯車とが噛合するように構成されている。
【0066】
ドア本体22bの正面側には、ドア枠22cが着脱可能に取り付けられ、ドア枠22cには、例えば、透明な部材からなる窓板22dが貼着されている。なお、例えば、装着部12に装着される携帯型プレーヤ31が、タッチパネルなどの操作部を備えている場合など、ユーザが操作部を利用して携帯型プレーヤ31を直接操作することを想定し、ドア枠22cに替えて、ドア枠22c’が、ドア本体22bの正面側に取り付けられるように構成されている。即ち、装着部12は、携帯型プレーヤ31に応じて、ユーザが、ドア枠22cとドア枠22c’とを交換することができるように構成されている。
【0067】
スプリング22eおよび22fは、一端がシャーシ21に係止されるとともに、他端がドア本体22bに係止され、ドア本体22bを正面側に向かって付勢する。
【0068】
支持シート22gおよび22hは、ドア本体22bの背面側の下端の近傍に貼着される。支持シート22gおよび22hは、例えば、可動支持部24により携帯型プレーヤ31の背面が押し付けられるときに、携帯型プレーヤ31の正面とドア部22との接触を和らげるためのものである。
【0069】
ホルダ部23は、コネクタ23aが設けられたコネクタ基板23b、ホルダ本体23c、シャフト23d、固定スプリング23e、ホルダ基部23f、スプリング23g、およびネジ23hを備えて構成されている。
【0070】
コネクタ基板23bには、コネクタ基板23bに実装されているコネクタ23aと、出力装置11が内蔵する電子部品とを接続するための回路がプリントされた基板であり、ホルダ本体23cに固定的に取り付けられる。
【0071】
ホルダ本体23cは、出力装置11に装着可能な最も大きな携帯型プレーヤ31の底部の形状に沿った凹部を有している。ホルダ本体23cには、その凹部の略中央に設けられた開口部から、コネクタ23aが凹部内に突出するようにコネクタ基板23bが装着される。また、ホルダ本体23cの後端部の近傍には、シャフト23dが貫通可能な穴が設けられており、ホルダ本体23cは、シャフト23dと、ホルダ本体23cの前端部の近傍に形成されている凸部とにより、出力装置11の前後方向(図2の矢印B方向)に自在にスライド可能となるようにホルダ基部23fに取り付けられる。
【0072】
固定スプリング23eは、ホルダ本体23cとホルダ基部23fとの間に取り付けられ、ドア部22が開かれるのに連動してホルダ部23が傾動したときに、ホルダ本体23cがスライドされないようにロックする。ホルダ基部23fは、ホルダ本体23cをスライド可能に支持するとともに、ホルダ基部23fの後側の上端の近傍に形成されている軸を介して、シャーシ21に対し傾動可能に取り付けられる。スプリング23gは、ドア部22が開かれるのに連動してホルダ部23が傾動するように、ホルダ基部23fを付勢し、ネジ23hにより取り付けられる。
【0073】
可動支持部24は、軸24aが形成されている支持部本体24b、支持シート24c、およびスプリング24dを備えて構成されている。
【0074】
支持部本体24bは、軸24aにより回動可能にシャーシ21に取り付けられ、携帯型プレーヤ31と当接する当接部分となる曲面に、支持シート24cが嵌め込まれている。支持シート24cは、可動支持部24と携帯型プレーヤ31との接触を和らげるためのものである。スプリング24dは、一端がシャーシ21に係止されるとともに、他端が支持部本体24bに係止され、可動支持部24の当接部分を正面側に向かって付勢する。
【0075】
可動支持部25は、支持部本体25a、支持シート25b、およびスプリング25cを備えて構成されている。
【0076】
支持部本体25aは、その両側面に形成されている凸部が、シャーシ21に形成されている溝に係合するようにシャーシ21に取り付けられ、シャーシ21の溝に沿って、スライド可能とされている。支持シート25bは、支持部本体25aの正面側の先端部に嵌め込まれ、可動支持部25と携帯型プレーヤ31との接触を和らげるためのものである。スプリング25cは、一端がシャーシ21に係止されるとともに、他端が支持部本体25aに係止され、可動支持部25を正面側に向かって付勢する。
【0077】
ドアダンパ41は、シャーシ21の側面に取り付けられ、歯車と、その歯車の回転速度を規制する機構とを有している。そして、ドアダンパ41の歯車が、ドア本体22bに形成されているラックと噛合することで、ドア部22のロックが解除された際に、スプリング22eおよび22fの付勢力によりドア部22が開く速度を規制する。
【0078】
検出スイッチ42は、シャーシ21の底面付近に設置され、装着部12に携帯型プレーヤ31が装着されるとONとなり、携帯型プレーヤ31が装着されたことを検出して、図示しない制御部などに通知する。
【0079】
ロック機構43は、ロック機構本体43a、スプリング43b、並びに、ネジ43cおよび43dを備えて構成されている。
【0080】
ロック機構本体43aの正面側の両端には、ドア本体22bと係合可能なフックが形成されており、そのフックとドア本体22bとの係合により、ドア部22をロックする。そして、ユーザがオープンボタン14(図1)を操作すると、例えば、ロック機構本体43aが下方に若干移動し、ロック機構本体43aのフックがドア本体22bから外れ、ドア部22のロックが解除される。
【0081】
スプリング43bは、ユーザによるオープンボタン14の操作後、ロック機構本体43aを定位置に戻すためのものである。ネジ43cおよび43dは、ロック機構本体43aをシャーシ21に取り付けるためのものである。
【0082】
以上のように装着部12は構成されており、装着部12内の収納領域に携帯型プレーヤ31を収納することができるので、例えば、筐体に載置するように携帯型プレーヤを装着する出力装置よりも、安定的に携帯型プレーヤ31を装着することができる。これにより、ユーザは、携帯型プレーヤ31が装着された状態の出力装置11を安心して持ち運ぶことができる。
【0083】
また、可動支持部24が、軸24aを中心として回動可能とされ、携帯型プレーヤ31と当接する当接部分が、所定の範囲内で、奥行き方向に移動可能とされているので、厚さが異なる携帯型プレーヤ31でも、安定的に装着することができる。
【0084】
また、所定の高さ以上の携帯型プレーヤ31に対しては、可動支持部25が、携帯型プレーヤ31の背面側の上端をドア部22に向かって押し付けることができるので、所定の高さ以上の携帯型プレーヤ31の装着をより安定的にすることができる。
【0085】
また、コネクタ23aを有するホルダ部23が、ドア部22が閉じられた状態で、装着部12の奥行き方向にスライド可能とされていることにより、ユーザが装着部12に装着されている携帯型プレーヤ31をタッチして操作する際に力が掛かっても、ホルダ部23がスライドすることで、その力を逃がすことができる。これにより、コネクタ23aや携帯型プレーヤ31のコネクタなどが損傷することを回避することができる。
【0086】
なお、出力装置11は、外部の電源から供給される電力や、内蔵するバッテリ(図示せず)に蓄積されている電力などにより、携帯型プレーヤへの充電を行うことができる。また、出力装置11は、CD再生部、AM/FMラジオチューナなど(いずれも図示せず)を内蔵しており、携帯型プレーヤにより再生される音声の他、CDまたはラジオを音源とした音声を出力することができる。
【0087】
また、出力装置11には、音声や映像などを再生する携帯型プレーヤ31の他、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型の端末機器を装着することができる。
【0088】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明を適用した出力装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【図2】装着部12の概略的な構成について説明する図である。
【図3】携帯型プレーヤ31Aが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図4】携帯型プレーヤ31Bが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図5】携帯型プレーヤ31Cが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図6】携帯型プレーヤ31Dが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図7】携帯型プレーヤ31Eが、装着部12に装着された状態を示す図である。
【図8】携帯型プレーヤの寸法などを示す図である。
【図9】装着部12に携帯型プレーヤ31Cを装着する際の各部の動きを説明する図である。
【図10】装着部12に携帯型プレーヤ31Aを装着する際の各部の動きを説明する図である。
【図11】装着部12に携帯型プレーヤ31Eを装着する際の各部の動きを説明する図である。
【図12】装着部12の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
11 出力装置, 12 装着部, 13aおよび13b スピーカ, 14 オープンボタン, 21 シャーシ, 22 ドア部, 23 ホルダ部, 24および25 可動支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、
前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材と
を備え、
前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている
装着機構。
【請求項2】
前記収納領域の底面側に設けられ、前記端末機器と電気的に接続可能なコネクタ
をさらに備え、
前記コネクタは、前記ドア部材により前記収納領域が閉鎖された状態で、前記収納領域の奥行き方向に自在に摺動可能である
請求項1に記載の装着機構。
【請求項3】
前記収納領域の背面側の上端の近傍に設けられ、所定の高さ以上の前記端末機器の上端の近傍を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する第2の支持部材
をさらに備える請求項1に記載の装着機構。
【請求項4】
端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、
前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材と、
前記端末機器により再生されるコンテンツを出力する出力手段と
を備え、
前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている
出力装置。
【請求項1】
端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、
前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材と
を備え、
前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている
装着機構。
【請求項2】
前記収納領域の底面側に設けられ、前記端末機器と電気的に接続可能なコネクタ
をさらに備え、
前記コネクタは、前記ドア部材により前記収納領域が閉鎖された状態で、前記収納領域の奥行き方向に自在に摺動可能である
請求項1に記載の装着機構。
【請求項3】
前記収納領域の背面側の上端の近傍に設けられ、所定の高さ以上の前記端末機器の上端の近傍を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する第2の支持部材
をさらに備える請求項1に記載の装着機構。
【請求項4】
端末機器を収納する収納領域の正面側に設けられ、前記収納領域を開閉するドア部材と、
前記収納領域の背面側に設けられ、前記収納領域内に収納される前記端末機器を、前記ドア部材に向かって押し付けて支持する支持部材と、
前記端末機器により再生されるコンテンツを出力する出力手段と
を備え、
前記支持部材は、前記支持部材における前記端末機器と当接する当接部分が、所定の可動範囲内で前記収納領域の奥行き方向に移動可能とされ、前記正面側に向かって付勢されている
出力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−27130(P2010−27130A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186100(P2008−186100)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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