説明

装飾スリーブを備えたコンテナ又はディスペンサー

本発明は、上部、少なくとも1つの側壁、底部及び内部容積を有するコンテナ又はディスペンサーから成る製造物品を提供するものである。少なくとも1つの側壁は、上部を底部に接合し、上部、側壁及び底部は、少なくとも1つの製品を保持することが可能な内部容積を定める。側壁は、シート部品の外側スリーブにより覆われる外部表面を有する。側壁の外部表面の少なくとも大部分は、シート部品の外側スリーブによって覆われる。シート部品の外側表面は、その上に設置される少なくとも1つの図形、画像又は装飾図案を有し、外側シート部品は、少なくとも1つの収縮可能なポリマー性フィルム層を有する。又、内部容積内には、コンテナ又はディスペンサーに収容される又はそこから取り出される製品が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35USC119(e)の規定により、2006年6月13日付けの「装飾外側スリーブを備えたコンテナ又はディスペンサー」という名称の米国特許仮出願番号60/813,477に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、図形、画像及び/又は装飾図案を含むスリーブを有するコンテナ又はディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
製品、特に消費者用製品のコンテナ又はディスペンサーの外側表面には、図形、装飾図案、有益な情報又はこれらの組み合わせが施されていることがある。このようなコンテナ及びディスペンサーの1つの例としては、取り出し用顔用ティッシュに使用されるコンテナがある。顔用ティッシュディスペンサーは、消費者、使用者、及び非使用者が見ることができるように、図形、装飾用図案、及び/又は有益な情報が予め印刷されていることがある。これらのディスペンサーは、ほぼ家中に配置されているので、ディスペンサーが、消費者の家又は使用する場所の装飾に馴染むような、美的に望ましい図案であることを、消費者は望むことが多い。顔用ティッシュコンテナ又はディスペンサーは、一般的には紙ケースの形態であり、典型的にはボール紙から形成される。これらの紙ケースは、ティッシュの製造者又は梱包者に到着する時は、一般的には平坦で、ティッシュ製造者又は梱包者によりコンテナ又はディスペンサーに形成され、顔用ティッシュの製造者又は梱包者によって顔用ティッシュが搭載されて、シールされる。典型的には、紙ケースは、ボール紙ケースに図形、装飾図案及び/又は情報が予め印刷されている状態で、顔用ティッシュを製造する場所又は顔用ティッシュを梱包する場所に到着する。これらの紙ケースは、顔用ティッシュを取り出すのに大変機能的であるが、これらの紙ケースは、美的に制限されることがあり、ある消費者には、美的な魅力のあるものではない。その結果、これらの取り出し用紙ケースの製造者又は梱包者は、広く種々異なる消費者に受け入れられるように、幾つかの異なる図形図案を形成することが必要である。幾つかの異なる図案が入手可能であっても、消費者並びに小売業者は、限られた数の図案を準備する。
【0004】
図形又は有益な情報を備えた、消費者用製品のコンテナ又はディスペンサーを形成する別の方法は、コンテナ又はディスペンサーの外側表面に、ラベルを形成して付与することである。現在は、紙ベース又はポリマー性フィルムベースのラベルが使用される。ラベルは、消費者用製品のコンテナ又はディスペンサー上に、容易な方法で消費者用製品の製造者又は梱包者に情報を提供することができるが、ほとんどの場合、ラベルはコンテナ又はディスペンサーの外側表面の一部を覆うだけか、又は情報を提供するだけなので、消費者には魅力のあるものではない。その結果、コンテナ又はディスペンサーに付加的な図形又は装飾図案を施した状態で、コンテナ又はディスペンサーにラベルを付与しない限り、ラベルは、消費者にとって魅力のないものとなる。
【0005】
更に、1年の中の特定の休日及び季節の間、消費者用製品の製造者又は梱包者が、1年の季節又は特定の休日に関連する製品を形成することが有益である。例えば、春には、消費者用製品のコンテナ又はディスペンサー上に、花などの春に関連する図形又は装飾図案を消費者に提供することが望ましい。同様に、クリスマスの時期には、クリスマスの飾り又は他のクリスマスに関連する場面を提供することが、消費者用製品の製造者又は梱包者にとって有益とすることができる。
【0006】
消費者用製品のためのコンテナ又はディスペンサーを形成する従来の方法においては、消費者用製品の製造者又は梱包者が、特定の図形又は装飾図案の要求に対処するために、短期間で図形又は装飾図案を変化させる方法は提供されていない。従来の方法においては、製造者は、典型的には、消費者用製品をコンテナ又はディスペンサーに搭載する前に、図形又は図案を備えた紙ケース又はディスペンサーを注文又は形成する。消費者の要求に対処するために、製造者又は梱包者が便利で、迅速に、広く種々異なる図形を小売業者及び消費者に提供することが可能な、消費者用製品のコンテナ又はディスペンサーを形成することが、当技術には必要である。更に、消費者及び/又は小売業者の要望又は必要性に対処するような、顔用ティッシュなどの消費者用製品のコンテナの図形又は装飾図案を、小売業者又は消費者が選択することを可能とさせることが、当技術には必要性である。更に、「流行遅れ」の図形又は図案を有するコンテナの数を通常の供給の流れにおいて減少させることが、当技術には必要である。
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,369,700号公報
【特許文献2】米国特許出願一連番号11/021,317
【特許文献3】米国特許出願公開番号2004/0166258
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、本発明は、上部、少なくとも1つの側壁、底部、及び内部容積を有するコンテナ又はディスペンサーから成る製造物品を提供するものである。少なくとも1つの側壁は、上部から底部まで接合し、上部、側壁、及び底部は、少なくとも1つの製品を保持することが可能な内部容積を定める。側壁は、外部表面を有し、シート部品の外側スリーブにより覆われる。側壁の外部表面の少なくとも主な部分は、シート部品の外側スリーブにより覆われる。シート部品の外側スリーブは、その上に少なくとも1つの図形、画像又は装飾図案を有し、外側シート部品は、少なくとも1つの収縮可能なポリマー性フィルム層を有する。又、内部容積の中に、コンテナ又はディスペンサーに収容される又は取り出される製品が設置される。
【0009】
本発明の一実施形態においては、コンテナ又はディスペンサーの外側シート部品は、少なくとも2つの別個の層を有する。本発明の1つの特定の実施形態においては、外側部品は2つの層を有し、これらの2つの層は、第一層及び第二層である。第一層には、図形、画像又は装飾図案が施されており、第二層は、収縮可能なポリマー性フィルムから成る。第一層は、ポリマー性フィルムベースの材料又は紙ベースの材料とすることができる。更に、第一層は、コンテナ又はディスペンサーの外部表面に近接し、第二層は、該第一層に近接する。第二層は、第一層及び該第一層に与えられた図形、画像又は装飾図案を保護するように機能する。
【0010】
本発明の異なる実施形態においては、収縮可能なフィルムに、図形、画像又は装飾図案が施される。本発明のこの実施形態の一態様においては、収縮可能なフィルムはフィルムの内部に印刷され、ここで、フィルムの内部とは、コンテナ又はディスペンサーの側壁に近接する収縮可能なフィルムの側である。
【0011】
本発明の一実施形態においては、本発明は、顔用ティッシュディスペンサーに関する。顔用ティッシュディスペンサーは、上部、少なくとも1つの側壁、底部及び内部容積を有する。側壁は、上部から底部までを接合する。上部、側壁、及び底部は、複数の顔用ティッシュを保持することが可能な内部容積を定める。側壁は、シート部品の外側スリーブにより覆われる外部表面を有する。側壁の外部表面の少なくとも主な部分は、シート部品の外側スリーブにより覆われる。シート部品の外側スリーブは、その上に配置される少なくとも1つの図形、画像又は装飾図案を有し、外側シート部品は、少なくとも1つの収縮可能なポリマー性フィルム層を有する。
【0012】
本発明の一実施形態においては、顔用ティッシュディスペンサーの外側シート部品は、少なくとも2つの別個の層を有する。本発明の1つの特定の実施形態においては、外側部品は2つの層を有し、これらの2つの層は第一層と第二層である。第一層には、図形、画像又は装飾図案が施され、第二層は、収縮可能なポリマー性フィルムから成る。第一層は、ポリマー性フィルムベースの材料又は紙ベースの材料とすることができる。更に、第一層は、コンテナ又はディスペンサーの外部表面に近接し、第二層は、該第一層に近接する。第二層は、第一層、及び該第一層に与えられた図形、画像又は装飾図案を保護するように機能する。
【0013】
顔用ティッシュディスペンサーに関する本発明の更なる実施形態においては、収縮可能なフィルムに、図形、画像又は装飾図案が施される。本発明のこの実施形態の一態様においては、収縮可能なフィルムは、顔用ティッシュディスペンサーの側壁に近接する収縮可能なフィルム側であるフィルムの内側に印刷される。
【0014】
本発明の更なる実施形態においては、本発明のコンテナ又はディスペンサーは、ボール紙から形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(定義)
本明細書で使用される場合、「含む」、「含まれる」及び「含む」と言う語源からの他の派生語は、制限なしの用語を意味するものであり、あらゆる述べられた特性、要素、成分、段階又は部品の存在を特定し、1又はそれ以上の他の特性、要素、成分、段階部品、又はこれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。
【0016】
ここで用いられる「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「前」、「後」、「端部」及び「側部」などの用語は、表された視点により参照される。しかしながら、これらの用語は、説明の目的のためだけに使用されるもので、限定する意味で使用されるものではないことを理解するべきである。したがって、物体又は物体の組み合わせの方向は、本発明の範囲から外れることなく変わることがある。特許請求の範囲及び本明細書のための参照する視点としては、「上部」という用語は、開口装置又は開口を備えたパネル又は梱包の側部を意味する。
【0017】
ここで用いられる無地のコンテナ又は無地のディスペンサーという言い回しにおける「無地の」という用語は、少なくとも1つの表面の一部が、図形、画像又は装飾図案を施されておらず、図形、画像又は装飾図案を、コンテナ又はディスペンサーに施すことができるコンテナ又はディスペンサーを意味する。無地は、図形が全くないものとするか、又はコンテナ又はディスペンサーの一部にだけ図形、画像又は装飾図案を有するものとする。ここで用いられる「無地の」という用語は、外側シート部品が付けられていないコンテナ又はディスペンサーを意味する。
【0018】
ここで用いられる「開口」という用語は、本発明のコンテナ又はディスペンサーの内部容積内に収容される製品を、使用者が取り出すことが可能な上部表面の一部を意味する。
【0019】
ここで用いられる「消費者用製品」は、製品の使用者によって、又は使用者のために購入される耐久性のある、及び耐久性のない品物を含む製品を意味する。消費者用製品は、例のためだけであるが、吸収性個人ケアー用物品を含む健康及び衛生品、顔用及び浴用ティッシュ、及び乾燥拭き布及び湿潤性拭き布及び同様のものを含む。製品は、セルロースベースの製品とすることができ、これは、製品がセルロース繊維を含むという意味である。
【0020】
ここで用いられる「吸収性個人ケアー用物品」という用語は、液体を吸収して、収容する装置を意味し、身体から排出された様々な液体を吸収して、収容するために、肌に対して又は肌の近くに配置することができる。個人ケアー用製品の例としては、例えば、オムツ、訓練用パンツ、吸収性下着、大人用失禁用製品、衛生拭き布及び衛生ナプキン及びタンポンなどの女性用衛生製品を含む。
【0021】
ここで用いられる「使い棄て」という用語は、一回の使用の後に、洗濯又は貯蔵、或いは吸収性物品として再使用することが意図されていない製品を示すものである。
【0022】
ここで用いられる「外側表面」という用語は、コンテナ又はディスペンサー内に収容される製品から、典型的には遠い側にあるコンテナ又はディスペンサーの外側表面を意味する。表面は、コンテナ又はディスペンサーの側壁、上部又は底部とすることができる。コンテナ又はディスペンサーの形状に応じて、表面の数は、各々の形状にとって異なるものとすることができる。例えば、一般的には、円柱状又は楕円の紙ケースは、連続する側部表面、上部表面及び底部表面の3つの外側表面を有することができる。立方体のケースは、上部表面、底部表面、4つの側壁表面を含む6つの外側表面を有することができる。
【0023】
ここで用いられる「コンテナ」という用語は、製品を保持することが可能な物品を意味する。又ここで用いられる「ディスペンサー」という用語は、コンテナから製品を取り出すコンテナを意味する。
【0024】
ここで用いられる「図形、画像又は装飾図案」という言い回しは、製造物品上に配置することができる広く種々異なるものを含む意味に意図されている。「図形」という用語は、パターンで、又はモノグラムなどの他の特性で、全体的に繰り返される特性を意味する。例えば、物体の反復パターンは、図形であることが意図される。「画像」という用語は、写真又は絵画などの絵を一般的には意味しているが、影絵又は他の類似した特性などの、他の絵のようなものを含むことができる。「装飾図案」という用語は、それ自体が図形でもなく、かつ画像でもない図案を意味しているが、装飾図案は、図形又はパターンの組合せとすることができる。
【0025】
ここで用いられる「ポリマー」又は「ポリマー性」という用語は、一般的には、これらに限定するものではないが、ホモポリマー、例えばブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー及び交互コポリマーなどのコポリマー、ターポリマーなど、及びこれらの混合物、並びにこれらの変成物を含む。更に、特に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、材料のすべての可能な幾何学的形態を含むことができる。これらの形態は、これらに限定されるものではないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称を含む。
【0026】
本発明の以下の詳細な説明においては、この説明一部を成す添付図面が参照され、該図面には、本発明を実施することができる特定の実施形態が図示されている。これらの実施形態は、本発明を当業者が実施することを可能とするのに十分な程度に、詳細に説明されており、他の実施形態を利用することができ、機械的、手順上の、及び他の変更を、本発明の意図及び範囲から外れることなく行うことができるものと理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲及び特許請求の範囲が権利範囲とすることができる均等範囲によってのみ制限される。
【0027】
本発明のコンテナ又はディスペンサー部品は、本発明の範囲から外れることなく、多くの異なる形状及び大きさで形成することができる。本発明の示した実施形態においては、コンテナ又はディスペンサーは、ほぼ円形又は楕円形状を有する。例えば、立方体のコンテナ又はディスペンサー、平行六面体のコンテナ又はディスペンサー、又はコンテナ又はディスペンサー部品から製品を保持し、取り出すことが可能な他の形状を含む他の形状が、本発明の範囲から外れることなく、本発明のコンテナに使用することができる。
【0028】
本発明を一層理解するために、図1を参照されたい。図1に、本発明のコンテナ又はディスペンサー10が示されている。コンテナ又はディスペンサー10は、上部12、底部14、及び少なくとも1つの側壁16を有する。側壁16は、上部12を底部14に接合又は結合するように機能する。側壁16は、上部壁に、直接又は間接的に接合することができ、側壁16は、底部に、直接又は間接的に接合することができる。「直接接合する」とは、上部12と側壁16又は底部14と側壁16が、互いに直接接触することを意味する。「間接的に接合する」とは、上部12を側壁16に、又は底部14を側壁16に接合するために、別の部材又は構造体を使用することを意味する。更に、コンテナ又はディスペンサー10を形成する上部12、底部14及び側壁16は、コンテナの内部容積11を定める。内部容積11内に製品22が設置され、図1においては顔用ティッシュとして示されている。図1に示されるように、製品22は、ディスペンサー又はコンテナ10の内部容積11に置くことができ、製品22は、飛び出し型取り出しによって取り出すことができる。
【0029】
ディスペンサー10は、更に開口42を含むことができる。開口は、通常は上部12に設置されるが、任意ではあるが、側壁16又は底部14に設置することができる。開口42は、コンテナ又はディスペンサー10内に貯蔵された製品22を取り出すことを可能とさせる。開口は、手挿入型開口又は取り出し用開口とすることができる。手挿入型開口は、その中の製品を取り出すために、使用者がコンテナ又はディスペンサーの開口に到達することを必要とする。図1に示されている取り出し用開口は、コンテナ又はディスペンサー10内の製品22を、使用者がコンテナ又はディスペンサー10の内部容積に到達することなく、コンテナ又はディスペンサーから取り出すことを可能にする。典型的には、取り出し用開口は、ディスペンサー又はコンテナ10から第一製品を給送するために、使用者がコンテナ又はディスペンサーの内部容積に到達することを必要とする。代替的には、コンテナ又はディスペンサー内の第一製品へのタブ又はリンク(図示されず)は、開口を通って給送することができ、消費者又は使用者は第一製品を取り出すために、内部容積11内に到達する必要なく第一製品を取り出すことができる。第一製品22が取り出し用開口を通して給送されると、取り出される製品23の次の束の製品は、図1に示されているように、開口内に位置決めされる。これは、V折り、Z折り及び同様のものなどの周知の折り曲げ技術を使用して、個々の製品の相互挟み込みなどの当業者に知られている技術によって成すことができる。これらの折り曲げ技術の説明のために、Nelsonの米国特許第3,369,700号に注意が向けられ、この特許はその全体が引用によりここに組み入れられる。
【0030】
取り出し用開口42は、任意ではあるが、取り出し用窓44を含む。取り出し用窓44は、飛び出し型取出しのための開口42内に、顔用ティッシュなどの部分的に取り出された製品22を保持することができる、フィルム、不織材料又は紙材料などの適当な材料から形成することができる。取り出し用窓は、取り出し用オリフォス45を有することができ、スリット、曲線、楕円、円、又は三角形などの幾何学的形状、又はX形状、プラスサインの形状、又はH形状のオリフィスとすることができる。代替的には、取り出し用窓44は除去することができ、部分的に取り出されたシート22を保持するために、取り出し用開口42に突き出した指又はタブを使用することができる。
【0031】
取り出し用開口42は、四角、円又は楕円などのあらゆる大きさ又は形状とすることができる。開口42は、一般的に、手挿入型コンテナにおいては大きく、飛び出し型ディスペンサーにおいては小さいものとする。コンテナ又はディスペンサー10は、図2に示されているように、任意の取り外し可能な表面ボード又はカバー46を更に含むことができ、孔あき線又は弱められた線47によりディスペンサー10に取り付けることができる。取り外し可能なカバー46は、充填したディスペンサーに異物が混入するのを妨げるために使用することができ、積み込み及び運搬中に、脆い取り出し用窓44を防護するように機能する。
【0032】
ディスペンサーは、これらに限定するものではないが、厚紙、紙ケース用原材料、ボール紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABSプラスチックなどの熱可塑性材料、金属、木質、及びガラス、並びに他の適当な代替物を含む適当な材料から形成することができる。ティッシュの場合には、一般的には、コンテナ又はディスペンサーは、費用及び材料から与えられる美的価値により、紙ケース用原材料、ボール紙又は熱可塑性材料で形成される。
【0033】
図1に示された一実施形態においては、コンテナ又はディスペンサー10は、ほぼ楕円形状を有し、紙ケース用原材料又はボール紙から形成することができる楕円形状側壁16及び底部14を含む。底部14は、本質的には、図3Aに示されているように、側壁16’の下側端部と平坦とするか、又は図3Bに示されているように、側壁16’の下側端部から押し込まれたもののいずれかとすることができる。側壁16”の上側端部は、図4に示されるように、コンテナ又はディスペンサー10の内側に折り曲げられて、縁部又はリップ17を形成することができる。コンテナ又はディスペンサー10は、取り出し用開口42、任意の取り出し用窓44、及び任意の取り外し可能なカバー46を含むボール紙の中央部分54の周囲に成型される可塑性材料から形成される外側リング48を有するはめ込み型上部12を含む。外側リング48上のフランジは、図4に示されるように、側壁16の内側の縁部又はリップと係合し、上部12を所定の位置に固定する。望まれるならば、外側リング48は、押し込まれた底部14と使用するために積み重ね用リップ56を含み、垂直に積み重ねられたディスペンサーを重ねるか又は相互係合することができる。類似した上部は、2004年12月22日付の米国特許出願一連番号11/021,317に記載されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。
【0034】
コンテナ又はディスペンサー10を形成する代替的方法も使用することができる。例えば、紙ケース用用紙を利用することができる。紙ケース用用紙は、ディスペンサーを形成するために、折り曲げられ、組み立てられて、接着された複数のパネルを含むことができる。ディスペンサーを形成するために、射出成形法又は熱形成法を使用することができる。当業者に知られている他の技術が、コンテナ又はディスペンサー10を形成するために利用することができる。
【0035】
図1及び2に示されているような本発明の一実施形態においては、コンテナ又はディスペンサー10は、全体の高さHd、及び縦方向軸18に沿って計測される全体の長さLd、及び横方向軸19に沿って計測される全体の幅Wdを有する。ディスペンサーは、Wdの長さより大きいLdの長さを有する長楕円形である。一実施形態においては、上部及び底部(12、14)は、楕円形状からなり、ディスペンサーは、約6インチの全体の長さLd及び約4インチの全体の幅Wdを有する。これは、最近販売されている立方体又は長方形(平行六面体)のケースと比較して、視覚的に人目を引き、交互に反復する形状のディスペンサーである楕円のコンテナ又はディスペンサー10を形成する。
【0036】
本発明においては、コンテナ又はディスペンサー10は、外側シート部品80が施されており、少なくとも1つの側壁16に図形、画像又は装飾的視覚効果90を与えるように機能する。この外側シート部品80は、少なくとも1つの側壁16の外部表面のほとんどを覆う。外部表面のほとんどにおいて、少なくとも1つの側壁16の外部表面の外部表面積の少なくとも50%が、外側シート部品によって覆われるように意図される。理想的には、外側シート部品80は、側壁16の外部表面積の少なくとも75%を覆い、側壁16の外部表面積の少なくとも95%を覆うことが望ましい。本発明の1つの特定の実施形態においては、外側シート部品80は、側壁16の外部表面の100%を覆う。外側シート部品は、上部12及び/又は底部16を部分的に又は全体を覆うように、側壁16を越えて延びることができる。
【0037】
本発明においては、外側シート部品80は、単一層を有するものとすることができ、又は多層とすることができる。いずれの場合においても、外側シート部品の少なくとも1つの層は、ポリマー性フィルム層を含むべきであり、ポリマー性フィルム層は、マイクロ波エネルギーなどの熱又はエネルギーをフィルムに付与した時、収縮可能となるべきである。収縮可能なフィルムは当業者に知られており、広く種々異なるポリマー樹脂から形成することができる。外側シート部品の収縮可能なフィルム層を形成するために使用することができる適当な樹脂は、これらに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、環式オレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂及びポリスチレン樹脂を含む。これらのポリマー性材料の中で、熱可塑性ポリエステル樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂から形成されたフィルムが一般的に望まれるが、これは、これらの樹脂が、例えば、透明性、印刷可能性、堅さの程度、光沢、及び処理のしやすさを含む最も望ましい特性を付与しやすいからである。本発明においては、熱収縮可能なフィルムが、使用しやすいという観点から望ましい。
【0038】
熱収縮可能なフィルムは、当業者に知られている方法によって形成することができ、商業的に入手可能である。例えば、熱収縮可能なフィルムは、典型的には、機械方向に熱伸張することにより形成され、ポリマー性フィルムは、上記したポリマー樹脂により形成される。熱伸張は、フィルムに熱を付与する間の、ポリマー性フィルムの伸張である。ポリマー性フィルムは、伸張した状態でアニール加工されて、冷却され、ロールに巻き取られる。熱又はエネルギーがフィルムに付与されると、フィルムは伸張した方向に収縮し、伸張していない状態にまでではないが、伸張した方向に戻る。本発明に使用される温度又は他の条件を含む熱収縮技術は、当業者に知られている技術とすることができ、フィルム製品の樹脂成分、フィルムの厚さ、押し出し温度、延伸比、出口温度、予備加熱条件、伸張比、伸張速度、伸張温度、アニール加工条件、及び冷却条件を適当に選択することにより調整することができる。任意ではあるが、フィルムは、同様に機械横方向に伸張することができる。本発明においては、熱収縮可能なポリマー性フィルムは、その使いやすさのために、本発明において特に使用可能である。
【0039】
本発明においては、外側シート部品80は、上記した1又はそれ以上のポリマー樹脂のために形成した単一層の収縮可能なフィルムとすることができる。任意ではあるが、層の1つが収縮可能なフィルムであれば、外側シート部品80は、多層部品とすることができる。シート部品の付加的層は、同様に収縮可能である他のポリマー性フィルムとすることができる。フィルムの収縮特性は、異なるものとすることができるので、1つより多い収縮可能な層を有することは、異なる収縮の層を形成することとなり、その結果美的に望ましくないコンテナ又はディスペンサーを形成することとなる。したがって、外側シート部品80に1つより多い収縮可能な層を使用する場合は、注意しなければならない。その結果、本発明の外側スリーブ部品には、単一の収縮可能なフィルム層を使用することが、一般的には望ましい。
【0040】
本発明のコンテナ又はディスペンサー10上に現れる図形、画像又は装飾図案90又は美的に喜ばせる図案は、多くの方法で施すことができる。一方法においては、外側シート部品を形成する収縮可能なフィルムは、外側部品80の収縮可能なフィルムの1つの表面上に印刷された図形、画像又は装飾図案を有する。これに関しては、図5に注目されたい。収縮可能なフィルム81は、内部表面82及び外部表面83を有し、外部表面は、本発明の物品の外側表面を形成し、収縮可能なフィルムの内部表面は、ディスペンサー又はコンテナ10の側壁16の外部表面に面する。一般的には、収縮可能なフィルムは、透明又は半透明であり、透明である以外のどんな色も有さない。代替的には、収縮可能なフィルムは、着色することができる。図形、画像又は装飾図案は、例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷を含む、当業者に知られている方法を使用して、収縮可能なフィルムに被膜又は与えることができる。印刷は、単一層で形成されるか、又は一連の層を印刷することにより形成することができる。更に、印刷した図形、画像又は装飾図案に基本色を施すために、フィルムに一色を付与することができる。図形、画像又は装飾図案90は、収縮可能なフィルムの外部表面83上に与えることができるか、又は収縮可能な内部表面82上に与えることができる.耐久性の視点から、図5に示されるように、収縮可能なフィルム81の内部表面82に、図形、画像又は装飾図案を与えることができる。図形、画像又は装飾図案90が収縮可能なフィルム81の内部表面82上にある場合に、収縮可能なフィルム81は、コンテナ又はディスペンサーを使用して、他の物体と接触したり、又はある場所から別の場所にコンテナ又はディスペンサーを移動することによる損傷から、図形、画像又は装飾図案90を守るように機能する。
【0041】
熱又はエネルギーがインクに付与された時イングが分解しやすいものでなければ、収縮可能なフィルムに印刷するために、あらゆる型のインクを使用することができる。フィルムに、図形、画像又は装飾図案を印刷するために、本発明においては、金属インク及び非金属インクの両方を使用することができる。従来のインクに加えて、暗闇で光る特性などの特定の特性を有するインクも使用することができる。一般的には、収縮可能なフィルムの表面全体に印刷することができるが、フィルムの一部だけに印刷することが可能である。例えば、フィルム表面の50%に印刷することができる。典型的には、収縮可能なフィルムの少なくとも80%又は90%に印刷することができる。代替的には、望まれるならば、フィルムのより小さい部分に印刷することができる。例えば、望まれる印刷がモノグラム又は同様のものであるような場合に、望まれるならば、収縮可能なフィルムのかなり小さい部分に印刷することができる。
【0042】
コンテナ又はディスペンサー上に図形、画像、又は装飾図案を配置することに加えて、他の特性を、コンテナ又はディスペンサー上に付与することができる。例えば、外側シート部品の表面の外側に、香り、臭気制御、手触り、RFIDタグ又は同様のものなどの他の特性を与えることができる。任意ではあるが、外側シート部品の内側表面にも、これらの特性を与えることができる。
【0043】
図6に示されているように、本発明の代替的実施形態においては、収縮可能なフィルム81は、図形、画像又は装飾図案が印刷されていない。その代わりに、図形、画像又は装飾図案90を含む図形、画像又は装飾図案の層が第一層84上に印刷され、コンテナ又はディスペンサー10の側壁16の外側表面上に配置される。第一層84は、ポリマー性フィルム材料、紙ベースの材料又は別の類似した層から形成することができ、少なくとも1つの側壁16に付与することができる。この第一層84は、側壁16の外部表面に粘着剤で取り付けることができるか、又は側壁の外部表面周囲をラップして、収縮可能なフィルム81により所定の位置に保持することができる。この場合には、収縮可能なフィルム81は、図形、画像又は装飾図案がないか、又は付加的又は相補的装飾図案を含むことができる。本発明の1つの特定の実施形態においては、第一層は、印刷した紙の層であり、第二層は、該第一層に付与された収縮可能なポリマー性フィルムである。
【0044】
本発明のコンテナ又はディスペンサー10に収縮可能なフィルム81を付与するために、収縮可能なフィルム81は、コンテナ又はディスペンサーの周囲をラップし、フィルムの第一端部85は、図7に示されるように、フィルムの第二端部86と接触し、重なる。これは、連続する外部表面83を有する収縮可能なフィルムを形成する。重なり領域87においては、フィルムの2つの端部を互いに保持するための手段が使用される。重なり領域87は、側壁に沿ってあらゆる所に配置することができるが、美的な理由から、もし存在するならば縁部に近位に、又は楕円のコンテナ又はディスペンサーの場合においては、湾曲の最も小さい半径を有する側壁の領域が、一般的には、重なり領域87を設置するのに最も良い位置である。これは、使用者から最も頻繁に見られるコンテナの領域において、全体的に重なり87が見えないようにし、コンテナ又はディスペンサーの美的価値を損なわないようにする。代替的には、図7に示されているような楕円のコンテナの場合には、重なり領域は、湾曲の最も大きい半径を有する領域で側壁上に配置することができ、これによりコンテナ内に前部及び後部を形成することができ、前部は、後部より、見る人に美的に喜ばしいものとなる。
【0045】
第一端部85と重なる第二端部86の外部表面83は、接着剤、両面粘着テープ、又は収縮可能なフィルム81の内部表面82、第一端部85及び第二端部86を互いに効率的に保持する他の手段で与えることができる。代替的には、第二端部86と重なる第一端部85の内部表面82は、2つの端部を互いに保持する手段で与えることができる。一般的には、接着剤を使用する場合には、接着剤は、接着剤に熱又はエネルギーを付与することにより可逆的に影響されることのないような接着剤から選択するべきである。溶媒ベースの接着剤はこの付与において良好に機能し、該接着剤は、収縮可能なフィルムの2つの端部85、86を互いに溶着することができる。代替的には、収縮可能なフィルムは、収縮可能なフィルムをコンテナ又はディスペンサー10の周囲に設置する前に、連続する外部表面を有する筒状構造に形成することができる。いずれの場合においても、設置された収縮可能なフィルムは、コンテナ又はディスペンサーの少なくとも1つの側壁16の外側表面の周辺より僅かに大きいものでなければならない。一般的には、収縮可能なフィルムは、少なくとも1つの側壁16の外部表面の周辺より2−10%大きいものとするべきである。周辺が、コンテナ又はディスペンサー10の周辺の約10%より大きい場合は、収縮可能なフィルムは均等に収縮できず、コンテナに魅力のない表面を与えることとなる。
【0046】
収縮可能なフィルム81が、側壁の外部表面の周囲に設置されると、エネルギーがフィルムに付与されて、収縮可能なフィルムを収縮させて、コンテナ又はディスペンサーに順応させる。例えば、収縮可能なフィルムが熱収縮可能なフィルムの場合は、熱収縮可能なフィルム81は、側壁の外部表面の周囲に設置され、フィルムは、例えば熱風などの適当な加熱手段で加熱されて、コンテナ又はディスペンサーの周囲のフィルムを収縮する。フィルムが、他の手段により収縮することができる場合は、電磁波エネルギーなどの他の手段を使用することができる。熱収縮可能なフィルムが加熱される温度は、熱収縮可能なフィルムを形成するために使用されるポリマーの型、或いは熱収縮可能なフィルム上に、又はコンテナ又はディスペンサー上に存在するその他のものに図形、画像又は装飾図案を形成するために使用されるインクを含む幾つかの要因に応じるものである。
【0047】
本発明のコンテナ又はディスペンサー10の側壁16の外部表面を覆うことに加えて、収縮可能なフィルムは、側壁16を越えて延び、底部14又は上部12を部分的に覆うことができる。図3A、3B及び4に示されている実施形態においては、外側シート部品80は、収縮可能なフィルムであり、本発明のコンテナ又はディスペンサーの上部12及び底部14まで延びることができる。収縮可能なフィルムを上部12及び底部14まで延ばすことにより、ディスペンサー又はコンテナは、収縮可能なフィルムが外部表面の一部を覆うだけのコンテナと比較して、全体的に完成した外観を有する。図3Bに示されるように底部が押し込まれた場合は、収縮可能なフィルムは、側壁の底部縁16’を越えて延びることができる。これは、図3Bに示されているように、フィルムの底部縁がコンテナ又はディスペンサーの底部に接触しないようにする。
【0048】
本発明により達成される視覚的効果は、側壁16の外部表面又は第一層84に、収縮可能なフィルム上に存在する印刷した図形、画像又は装飾図案を通して可視できる基本色を付与することにより、一層促進することができる。更に、視覚的効果は、側壁16の外部表面に、三次元効果を形成するか、又は実際の三次元の感触を形成する材料を付与することにより一層促進することができる。このような材料の例としては、側壁の外部と収縮可能なフィルムとの間に設置することができる金属被膜したフィルムを含む。金属被膜したフィルムは、ホログラフィック及び三次元効果を形成することが可能である。更に、収縮可能なフィルム上に印刷された図形、画像又は装飾図案の三次元効果を促進するために、フレネルレンズも使用することができる。このような金属被膜したフィルムは、当業者に知られている。ホログラフィック及び/又はフレネルレンズを含むフィルムを形成することが可能な1つの会社は、ニュージャージー州08701レイクウッド、Corporate Road West1650に所在するCobum Graphic Films,Inc.である。これらのフィルムを利用するティッシュ用紙ケースは、Decorative Film,Carton,And Method Of Makingという名称の米国一連番号10/374,185で2003年2月25日に米国特許事務所に提出され、2004年8月25日付けでUS2004/0166258として公開された。この特許出願公開は、一貫性がある範囲で引用によりここに組み入れられる。
【0049】
本発明においては、図形、画像又は装飾図案は、広く種々異なる項目を含む。例えば、図案に装飾性を考慮する物体は、花、風景、町並み、ビルの絵、人々の絵、抽象的図案、パターン化した図案、又は他の類似した図形又は図案を含む。本発明の製造物品に施される特定の図案は、本発明には重要なものではない。しかしながら一般的には、図形、画像又は装飾図案は、多くの人々にとって不快ではないものが望ましい。
【0050】
本発明においては、外側シート部品は、製品をコンテナ又はディスペンサーに梱包するのに、インラインで形成することができるか、又は外側シート部品は、オフラインで形成することができる。
【0051】
コンテナ又はディスペンサー10は、任意の取り外し可能なフィルム包み(図示されず)を含むことができ、取り出し用開口42又はディスペンサーの外側部分を更に覆うことができる。フィルム包みは、目立つ商標、シートの大きさ、シートの数、コンテナ又はディスペンサーの開け方の情報、又は特許情報などの印刷した情報を示すために使用することができ、以下に示した外側シート部品により与えられた、コンテナ又はディスペンサーの図形、画像又は装飾図案を損なわないように、後に消費者により取り除くことができる。この包みは、更に外側シート部品80に施されるものである。
【0052】
上記したような図形、画像又は図案を備えた本発明のコンテナ又はディスペンサーを形成することにより、多くの利点が導かれる。例えば、製造者又は梱包者は、時期によって急激に変化する人気のある特定の図案を、容易に形成することができる。以前は、製造者又は梱包者は、コンテナの供給が供給不足になった場合に、人気のあるパターンを含むコンテナをより多く注文又は製造するか、又は代替的には、望ましい図形、画像又は装飾図案を備えたより多くのコンテナ又はディスペンサーを貯蔵することが必要となる。これは、望ましい、又は需要に応じた図形、画像又は装飾図案を備えたコンテナ又はディスペンサーを製造するのに遅れを生じることとなり、すなわち望ましい図形、画像又は装飾図案を備えた望ましい製品が不足する結果となる。本発明においては、一般的な又は無地のコンテナ又はディスペンサーが製造又は注文され、本発明を使用して部品の外側スリーブで変成し、必要とされる図形、画像又は装飾図案を付与することができる。
【0053】
他の利点は、小売業者に、与えられた図案で大量の注文をする前に、幾つかの選択した店において人気があると思われるコンテナ又はディスペンサーの図案又はテスト用図案を注文する方法を提供することである。このようにして、小売業者及び製造者は、消費者にあまり受け入れられない図案、人気がある図案を容易に認識することができる。更に、本発明は、コンテナ又はディスペンサーを大量に注文する必要なく、与えられた図案を短期間のために、又は季節的図形を短期間のために製造するための、容易で経済的な方法を提供する。
【0054】
本発明により施される1つの大きな利点は、製造者又は梱包者が、本発明を使用して、本質的には同一のディスペンサー又はコンテナ上に複数の異なる図形、画像又は装飾図案を施すことができることである。このように、複数の「無地の」ディスペンサー又はコンテナに、種々異なる図形、画像又は装飾図案を施すことができる。各々の無地のものは、同じもの又は異なるものとすることができる。一般的には、すべての無地のものは、本質的には同じものであり、その中に幾つかの小さい変更を有する。このように、複数の無地のものから、複数の本発明のディスペンサー又はコンテナを含むケースを形成することができるが、ディスペンサー又はコンテナは、与えられたケースの中に複数の異なる図形、画像又は装飾図案を有する。別の言い方をすると、少なくともあるシート部品の外側スリーブ上の図形、画像又は装飾図案は、物品のケースに存在する少なくとも他のシート部品の外側スリーブ上の図形、画像又は装飾図案と異なるものである。理想的には、与えられたケースの中に、2、3、4又はそれ以上の異なる図形、画像又は装飾図案が存在することができる。一態様においては、ケースの中の各々のディスペンサー又はコンテナは、異なる図形、画像又は装飾図案を有することができるが、各々の無地の紙ケースは同じものとすることができる。これは、小売業者に、与えられたディスペンサー又はコンテナのケースに種々異なる図案を効率的に提供するような方法で、これらのディスペンサー又はコンテナの製造者又は梱包者に提供することができる。その結果、消費者は、種々異なる図案を提供されて、小売店で図案を選択することができる。
【0055】
本発明は、様々な実施形態を参照して示されているが、本発明の意図及び範囲から外れることなく形態及び詳細において変更が成されることを、当業者は理解するであろう。したがって、前述した詳細な説明は、限定するものではなく説明するものとみなされ、すべての均等手段を含む添付した特許請求の範囲が、本発明の範囲を定めるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のコンテナの切り取った上部斜視図である。
【図2】本発明のコンテナ又はディスペンサー部品の平面図である。
【図3A】本発明のコンテナ又はディスペンサー部品の底部と側壁との結合構造の断面図である。
【図3B】本発明のコンテナ又はディスペンサー部品の底部と側壁との結合構造の断面図である。
【図4】本発明のコンテナ又はディスペンサー部品の上部と側壁との結合構造の断面図である。
【図5】収縮可能なフィルムの内部表面上に印刷された図形、画像又は装飾図案の図である。
【図6】第一層が図形、画像又は装飾図案を含む場合の、本発明の別の実施形態の図である。
【図7】コンテナ又はディスペンサーの周囲の収縮可能なフィルムに設置する方法を示した図である。
【符号の説明】
【0057】
10 コンテナ又はディスペンサー
12 上部
14 底部
16 側壁
42 開口
44 窓
48 外側リング
80 外側シート部品
81 収縮可能なフィルム
87 重なり
90 図形、画像又は装飾図案

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部と、少なくとも1つの側壁と、底部と、内部容積とから成り、前記少なくとも1つの側壁は、前記上部を前記底部に接合し、前記上部と、前記少なくとも1つの側壁と、前記底部とが、少なくとも1つの製品を保持することが可能な前記内部容積を定め、前記少なくとも1つの側壁は外部表面を有するコンテナと、
前記内部容積内に収容される少なくとも1つの製品と、
前記少なくとも1つの側壁の前記外部表面の少なくとも大部分を覆うシート部品の外側スリーブと、
から成り、
前記シート部品の外側スリーブには、少なくとも1つの図形、画像又は装飾図案が配置され、該シート部品の外側スリーブは、少なくとも1つの収縮可能なポリマー性フィルムを含むことを特徴とする製造物品。
【請求項2】
前記コンテナの前記上部表面は、前記コンテナの前記内部容積内に収容される少なくとも1つの製品に対し、使用者がアクセスできるようにする開口を含むことを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの製品は、顔用ティッシュから成ることを特徴とする請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記コンテナは、曲線形状を有する単一の側壁から成り、実質的に、前記単一の側壁の前記周辺に沿って角部がないことを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記側壁の前記曲線形状は、ほぼ楕円形状から成ることを特徴とする請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記コンテナは側部シームを有し、該側部シームは、前記楕円形状の最も小さい半径の湾曲を有する部分に位置することを特徴とする請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記シート部品の外側スリーブは、少なくとも2つの層から成ることを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記シート部品の外側スリーブは、第一層と第二層とから成る2つの層を含み、前記第一層には、前記図形、画像又は装飾図案が施され、前記第二層は、前記収縮可能なポリマー性フィルムから成ることを特徴とする請求項7に記載の物品。
【請求項9】
前記第一層は前記コンテナの前記外部表面に近接しており、前記第二層は前記第一層に近接していることを特徴とする請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記第一層は紙ベースの材料から成ることを特徴とする請求項9に記載の物品。
【請求項11】
各々の外側シート部品は、他方のシート部品の外側スリーブの前記図形、画像又は装飾図案とは異なる図形、画像又は装飾図案を含むことを特徴とする請求項7に記載の物品。
【請求項12】
前記収縮可能なポリマー性フィルムには、前記図形、画像又は装飾図案が印刷されたことを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記収縮可能なポリマー性フィルムは、内部表面と外部表面とから成り、前記収縮可能なポリマー性フィルムの前記内部表面は、前記側壁の前記外部表面に近接しており、前記図形、画像又は装飾図案が施されたことを特徴とする請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記収縮可能なフィルムは、熱収縮可能なフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項15】
上部と、少なくとも1つの側壁と、底部と、内部容積とから成り、前記少なくとも1つの側壁は、前記上部を前記底部に接合し、前記上部と、前記少なくとも1つの側壁と、前記底部は、少なくとも1つの製品を保持することが可能な前記内部容積を定め、前記少なくとも1つの側壁は外部表面を有するコンテナと、
前記少なくとも1つの側壁の前記外部表面の少なくとも大部分を覆うシート部品の外側スリーブと、
前記内部容積内に設置された複数の顔用ティッシュと、
から成り、前記シート部品の外側スリーブには、少なくとも1つの図形、画像又は装飾図案が形成され、前記シート部品の外側スリーブは少なくとも1つの収縮可能なポリマー性フィルムを含むことを特徴とする顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項16】
前記ディスペンサーの前記上部表面は、前記ディスペンサーの前記内部容積内に収容される少なくとも1つの製品に対し、使用者がアクセスできるようにする開口を含むことを特徴とする請求項15に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項17】
前記ディスペンサーは、曲線形状を有する単一の側壁から成り、実質的に、前記単一の側壁の前記周辺に沿って角部がないことを特徴とする請求項15に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項18】
前記側壁の前記曲線形状は、ほぼ楕円形状から成ることを特徴とする請求項17に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項19】
前記シート部品の外側スリーブは、少なくとも2つの層から成ることを特徴とする請求項15に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項20】
前記シート部品の外側スリーブは、第一層と第二層とから成る2つの層を含み、前記第一層には、前記図形、画像又は装飾図案が施され、前記第二層は、前記収縮可能なポリマー性フィルムから成ることを特徴とする請求項19に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項21】
前記第一層は、前記ディスペンサーの前記外部表面に近接しており、前記第二層は、前記第一層に近接していることを特徴とする請求項20に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項22】
前記第一層は、紙ベースの材料から成ることを特徴とする請求項21に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項23】
前記収縮可能なポリマー性フィルムには、前記図形、画像又は装飾図案が印刷されたことを特徴とする請求項15に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項24】
前記収縮可能なポリマー性フィルムは、内部表面と外部表面とから成り、前記内部表面は、前記側壁の前記外部表面に近接しており、前記フィルムの前記内部表面には、前記図形、画像又は装飾図案が施されたことを特徴とする請求項23に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項25】
前記収縮可能なフィルムは、熱収縮可能なフィルムであることを特徴とする請求項15に記載の顔用ティッシュディスペンサー。
【請求項26】
請求項1に記載の複数のコンテナからなる物品用ケースであって、
各々のコンテナは、前記シート部品の外側スリーブのない前記他のコンテナと類似しており、
前記側壁の前記外部表面上にシート部品の外側スリーブを有し、前記シート部品の外側スリーブの少なくとも1つ上の前記図形、画像又は装飾図案は、前記物品用ケース内に存在する少なくとも1つの他のシート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案とは異なることを特徴とするケース。
【請求項27】
少なくとも2つの前記シート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案は、物品の前記ケース内に存在する少なくとも1つの他のシート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案とは異なることを特徴とする請求項26に記載の物品のケース。
【請求項28】
各々の顔用ティッシュディスペンサーは、前記シート部品の外側スリーブのない前記他のコンテナと類似しており、各々のコンテナは、前記側壁の前記外部表面上にシート部品の外側スリーブを有し、少なくとも1つの前記シート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案は、顔用ティッシュディスペンサーの前記ケース内に存在する少なくとも1つの他のシート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案とは異なることを特徴とする請求項15に記載の複数の顔用ティッシュディスペンサーから成る顔用ティッシュディスペンサーのケース。
【請求項29】
少なくとも2つの前記シート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案は、顔用ティッシュディスペンサーの前記ケース内に存在する少なくとも1つの他のシート部品の外側スリーブ上の前記図形、画像又は装飾図案とは異なることを特徴とする請求項28に記載の顔用ティッシュディスペンサーのケース。
【請求項30】
前記コンテナは、ディスペンサーから成ることを特徴とする請求項1に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−539715(P2009−539715A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514937(P2009−514937)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051615
【国際公開番号】WO2007/144790
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】