説明

補間フレーム生成装置、補間フレーム生成方法及び放送受信装置

【課題】輝度信号だけでなく色差信号についても動きベクトルを検出することで映像破綻のない補間画像が得られる補間フレーム生成装置を提供する。
【解決手段】与えられた画像信号から第1のフレーム画像(F1)とこれに連続した第2のフレーム画像(F2)を取得し、両者を輝度成分及び色差成分において比較し、比較結果に基づいて動きベクトル(V1)を検出する検出部(3)と、検出部が検出した動きベクトル(V1)から補間用動きベクトル(V2)を生成し、第1のフレーム画像と第2のフレーム画像と補間用動きベクトルとに基づいて、補間フレーム画像(F3)を生成する生成部(5)をもつ補間フレーム生成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、輝度成分だけでなく色差成分も用いて動きベクトルを検出する補間フレーム生成装置、補間フレーム生成方法及び放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、デジタル映像技術の発達及び普及に伴い、デジタル放送受信装置を初め、多くのデジタル映像処理装置が開発され使用されている。このようなデジタル映像処理装置においては、例えば、動画像等の動きを更に自然に見えるようにするため、フレーム画像に補間画像を挿入するという技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、画像フレームを構成する画像ブロックの動きベクトルに基づいて、補間フレームを生成する技術が開示されている。ここでは、画像ブロックの動きベクトルとして、符号化ブロックの動き補償ベクトルを用いることで動きベクトルを検出し、補間フレームが生成される。
【特許文献1】特開2005−006275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の従来技術においては、輝度信号について画像フレームを比較処理することで動きベクトルを検出しているが、色差信号については比較処理を行なわない。従って、輝度成分が同じであるがCb成分やCr成分の色差成分が異なる画像に対して、Y成分のみで動きベクトルを検出すると、正しく動きベクトルを検出できずに映像が破綻してしまう場合が生じる。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、輝度信号だけでなく色差信号についても動きベクトルを検出することで映像破綻の少ない補間画像を提供することができる補間フレーム生成装置、補間フレーム生成方法及び放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための一実施形態は、
与えられた画像信号から第1のフレーム画像(F1)とこれに連続した第2のフレーム画像(F2)を取得し、両者を輝度成分及び色差成分において比較し、比較結果に基づいて動きベクトル(V1)を検出する検出部(3)と、
前記検出部が検出した動きベクトル(V1)から補間用動きベクトル(V2)を生成し、前記第1のフレーム画像と前記第2のフレーム画像と前記補間用動きベクトルとに基づいて、補間フレーム画像(F3)を生成する生成部(5)と、
を具備することを特徴とする補間フレーム生成装置である。
【発明の効果】
【0007】
輝度信号だけでなくCbやCrの色差信号についても動きベクトルを検出することで、動きベクトルに誤差が生じることが少なくなったため、例えば放送受信装置に適用されれば、映像破綻の少ない補間画像による動画を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
<本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置>
初めに、本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置の構成の一例を示すブロック図である。図2は、同じく補間フレーム生成装置に用いられる動きベクトル検出部の一例を示すブロック図である。図3は、同じく補間フレーム生成装置に用いられる動きベクトル検出部の他の一例を示すブロック図である。
【0010】
(構成)
本発明の一実施形態である補間フレーム生成装置1は、図1に示すように、与えられるフレーム画像を格納するフレームメモリ部2と、輝度信号であるY成分,色差信号であるCb成分とCr成分による動きベクトル検出部3と、動きベクトルの複数のマクロブロックのSAD値を比較してベクトル検出の確からしさを判定する判定部4と、第1のフレーム画像と第2のフレーム画像と動きベクトルとに基づいて補間画像を生成する補間画像生成部5を有している。
【0011】
更に、この動きベクトル検出部3は、図2に示すように、輝度信号であるY成分SAD値計算部6と、色差成分であるCb成分SAD値計算部7と、色差成分であるCr成分SAD値計算部8と、各SAD値を合計するSAD値加算部9と、SAD値加算部9の計算結果に基づいて動きベクトルV1を決定する動きベクトル決定部10を有している。
【0012】
更に、他の実施形態としての動きベクトル検出部3’は、図3に示すように、輝度信号であるY成分SAD値計算部6と、色差成分であるCb成分・Cr成分に対して任意の画素に対してだけSAD値を計算する(間引き処理)SAD値計算部8と、各SAD値を合計するSAD値加算部9と、SAD値加算部9の計算結果に基づいて動きベクトルV1を決定する動きベクトル決定部10を有している。
【0013】
このような構成による本発明の一実施形態である補間フレーム生成装置1は、以下のように補間処理を行なうものである。
【0014】
(補間処理)
すなわち、本発明の一実施形態である補間フレーム生成装置1の補間処理を、図面を用いて詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置によるCb成分・Cr成分の動きベクトルを用いる補間処理の一例を説明する説明図である。図5は、本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置の補間処理の一例を示すフローチャートである。図6は、同じくCb成分・Cr成分の間引き処理を伴う補間処理の一例を示すフローチャートである。図7は、同じく第1候補と第2候補との格差に基づくCb成分・Cr成分の動きベクトルを用いる補間処理の一例を示すフローチャートである。図8は、同じく第1候補と第2候補との格差に基づくCb成分・Cr成分の間引き処理を伴う動きベクトルを用いる補間処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の図5乃至図8のフローチャートの各ステップは、回路ブロックに置き換えることができ、従って、各フローチャートのステップは、全てブロックに定義しなおすことが可能である。
【0015】
(色差成分を含む動きベクトル検出による補間処理:図5)
初めに、色差成分での動きベクトル検出による補間処理を図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。本発明の一実施形態である補間フレーム生成装置1は、図5のフローチャートに示すように、初めに、例えば、Y成分とCb成分とCr成分をもった映像信号を外部からフレームメモリ部2及びY成分・Cb成分・Cr成分による動きベクトル検出部3に供給される。
【0016】
次に、動きベクトル検出部3は、図4に示される補間フレームF3を構成する複数のマクロブロック毎にSAD(sum of absolute difference)値を計算する。
【0017】
ここで、SAD値とは、ブロックマッチング処理の指標である。ブロックマッチングとは、はじめに、補間フレームF3を分割した複数のマクロブロックを想定する。そして、図4に示すように、複数のマクロブロックの内の一つのマクロブロックM1に関して、対象となる前フレームF1のマクロブロックの画素と後フレームF2のマクロブロックの画素について例えば輝度Yの絶対値差分を求め、その総和である絶対値差分和を求める。これがSAD値である。
【0018】
従って、図1のY成分・Cb成分・Cr成分による動きベクトル検出部3は、このようなブロックマッチング処理を行い、補間フレームF3上のあるマクロブロックM1等について、図2のY成分SAD値計算部6により、Y成分で各マクロブロックのSAD値を計算する(ステップS11)。次に、図2のCb成分SAD値計算部7により、Cb成分で各マクロブロックのSAD値を計算し、図2のCr成分SAD値計算部8により、Cr成分で各マクロブロックのSAD値を計算する(ステップS12)。その後、図2のSAD値計算部8により、Y成分・Cb成分・Cr成分によるSAD値の和を計算する(ステップS13)。
【0019】
そして、図2の動きベクトル決定部10は、これらの加算結果に基づいて、最小のSAD値により、例えば図4に示すように動きベクトルV1を決定する(ステップS14)。
【0020】
その後、判定部4により動きベクトルV1から補間用動きベクトルV2を判定して生成する(ステップS15)。補間画像生成部5は、補間用動きベクトルV2とフレームメモリ部2に格納された前フレームF1及び後フレームF2とから、補間フレームF3を生成する(ステップS16)。そして、前フレームF1と後フレームF2に補間フレームF3を挿入して後段に出力する(ステップS17)。
【0021】
このように、本発明に係る一実施形態の補間フレーム生成装置1では、輝度信号だけでなく色差信号に関してもブロックマッチング処理を行なって、SAD値を求め加算してこれに基づく動きベクトルを決定する。これにより、輝度が変わらなくとも色差において変化があった場合でも、確実に正確な動きベクトルを求めることができるので、色差の変化にも対応した正確な補間フレームを生成することができる。
【0022】
(間引きされた色差成分を含む動きベクトル検出による補間処理:図6)
なお、図5フローチャートに示した色差成分を含めた動きベクトル検出では、輝度成分だけでなく色差成分についても計算を行うこととなり例えば3倍の処理負担を招くこととなる。図6に示す補間処理では、この処理負担増を軽減するべく、間引きされた色差成分を含む動きベクトル検出による補間処理を特定する。
【0023】
ここで、図5フローチャートと共通した工程は、その記載を省略する。すなわち、図6のフローチャートのステップS12’において、図3に示す動きベクトル検出部3’のCb,Cr成分SAD値計算部7’は、小領域上のCb成分及びCr成分について、例えば、x方向につき、1/Nだけの成分を計算する。また、y方向につき、例えば、1/Mだけの成分を計算する。その後、ステップS13では、Cb成分,Cr成分のSAD値は1/NMに間引きしているので、NM倍して和を求めることが好適である。
【0024】
なお、色差信号を用いたブロックマッチング処理の間引き処理は、これに限られるものではなく他の方法であっても負担を軽減するものであれば同様に好適である。
【0025】
このように、図6のフローチャートの処理では、1/NMの間引き処理を行なうことで、色差成分の演算処理の処理負担の軽減を図りながら、輝度成分だけではなく色差成分についても考慮した動きベクトル検出を実現するものである。
【0026】
(一定条件下で色差成分の動きベクトル検出を行なう補間処理:図7)
次に、図7のフローチャートに示した一定条件下による色差成分の動きベクトル検出では、処理負担増となる色差成分の動きベクトル検出を一定条件下の場合だけ行なうことで、全体の処理負担を軽減するものである。
【0027】
すなわち、図7のフローチャートにおいて、判定部4の制御により、Y成分SAD値計算部6だけがY成分によるSAD値を計算する(ステップS21)。この結果に基づいて、動きベクトル決定部10が動きベクトルを検出する(ステップS22)。この場合、複数の小領域の候補の中から、最もSAD値が小さい第1候補と次にSAD値が小さい第2候補とのSAD値の差を予め用意した閾値と比較してこれより大きければ(ステップS23)、色差成分による動きベクトル検出は必要なしとしてステップS27へ移行する。
【0028】
ここで、複数の小領域の候補の中から、最もSAD値が小さい第1候補と次にSAD値が小さい第2候補とのSAD値の差が予め用意した閾値と比較してこれより小さいときは、判断が微妙であるとして、色差成分による動きベクトル検出が必要と判断し、ステップS24に処理を移行する。
【0029】
そして、判定部4の判断と制御により、図2のCb成分SAD値計算部7及びCr成分SAD値計算部8により、色差成分のSAD値を計算する(ステップS24)。そして、輝度成分のSAD値と合計し(ステップS25)、これらの和により動きベクトルを検出する(ステップS26)。
【0030】
その後、判定部4により動きベクトルV1から補間用動きベクトルV2を判定して生成する(ステップS27)。補間画像生成部5は、補間用動きベクトルV2とフレームメモリ部2に格納された前フレームF1及び後フレームF2とから、補間フレームF3を生成する(ステップS28)。そして、前フレームF1と後フレームF2に補間フレームF3を挿入して後段に出力する(ステップS29)。
【0031】
こうすることで、小領域の第1候補と第2候補との差が僅差である場合に限り、処理負担となる色差成分のSAD値計算を行い、正確な動きベクトルを検出する。これにより、処理負担の軽減と確実なベクトル検出を両立させるものである。
【0032】
(一定条件下で間引きされた色差成分を含む動きベクトル検出を行なう補間処理:図8)
次に、図8のフローチャートに示した一定条件下による間引きされた色差成分の動きベクトル検出では、間引きされた色差成分の動きベクトル検出を一定条件下の場合だけ行なうことで、図6及び図7の処理よりも更に処理負担を軽減するものである。
【0033】
ここで、図7のフローチャートと共通した工程は、その記載を省略する。すなわち、図8のフローチャートのステップS23で、複数の小領域の候補の中から、最もSAD値が小さい第1候補と次にSAD値が小さい第2候補とのSAD値の差が予め用意した閾値と比較してこれより小さいときは、判断が微妙であるとして、色差成分による動きベクトル検出が必要と判断し、ステップS24’に処理を移行する。
【0034】
そして、判定部4の判断と制御により、図2のCb成分SAD値計算部7及びCr成分SAD値計算部7’により、1/NMに間引きされた色差成分のSAD値を計算する(ステップS24’)。そして、輝度成分のSAD値と合計する(ステップS25)。ここで、ステップS24’では、Cb成分,Cr成分のSAD値は1/NMに間引きしているので、NM倍して和を求めることが好適である。そして、これらの和により動きベクトルを検出する(ステップS26)。
【0035】
このように、小領域の第1候補と第2候補との差が僅差である場合に限り、間引きされた色差成分のSAD値計算を行い、正確な動きベクトルを検出する。これにより、図7の処理よりも更に処理負担の軽減された確実なベクトル検出を可能とするものである。
【0036】
<本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置を適用した放送受信装置の一例>
次に、本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置を適用した放送受信装置の一例を図面を用いて説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置を利用した動特性改善部を用いた映像処理部を含む放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
上述した補間フレーム生成装置1は、放送受信装置100においては、映像処理部19の動特性改善部42に用いることが好適である。
【0038】
(放送受信装置の構成と動作)
本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置を適用した放送受信装置の一実施形態であるデジタルテレビジョン装置等の放送受信装置の構成の一例を、以下に図面を用いて詳細に説明する。図9は、補間フレーム生成装置を適用した放送受信装置の一実施形態であるデジタルテレビジョン装置等の放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
放送受信装置100は、図9に示すように一例としてテレビジョン装置であり、制御部30は全体の動作を司るべくデータバスを介して各部に接続されている。放送受信装置100は、再生側を構成するMPEGデコーダ部16と、装置本体の動作を制御する制御部30とを主たる構成要素としている。放送受信装置100は、入力側のセレクタ部14と出力側のセレクタ部20とを有しており、入力側のセレクタ部14には、BS/CS/地上波デジタルチューナ部12と、BS/地上波アナログチューナ部13が接続される。また、LAN等やメール機能をもった通信部11がデータバスに接続されて設けられている。
【0040】
放送受信装置100は、更に、BS/CS/地上波デジタルチューナ部12からの復調信号を一時格納するバッファ部15と、格納された復調信号であるパケットを種類別に分離する分離部17と、分離部17から供給された映像音声用のパケットにMPEGデコード処理を施し映像音声信号を出力するMPEGデコーダ部16と、操作情報等を重畳するための映像信号を生成し映像信号に重畳するOSD(On Screen Display)重畳部34を有している。放送受信装置100は、更に、MPEGデコーダ部16からの音声信号に増幅処理等を施す音声処理部18と、MPEGデコーダ部16及びOSD重畳部34から映像信号を受けて、所望の映像処理を施す映像処理部19と、音声信号及び映像信号の出力先を選択するセレクタ部20と、音声処理部18からの音声信号に応じて音声を出力するスピーカ部21と、セレクタ部20に接続されて与えられた映像信号に応じた映像を液晶表示画面等に表示する表示部22と、外部装置との通信を行うインタフェース部23を有する。
【0041】
ここで、映像処理部19は、インターレス信号をプログレッシブに変換するIP変換部41と、例えば補間フレーム生成部1によりフレーム画像に補間画像を挿入することで
映像信号の動特性を改善する動特性改善部42と、スケーリング処理を行なうスケーリング部43と、映像信号のγ補正を行なうγ補正部44を有している。
【0042】
放送受信装置100は、更に、BS/CS/地上波デジタルチューナ部12及びBS/地上波アナログチューナ部13からの映像情報等を適宜記録する記憶部35と、放送信号等から電子番組情報を取得して画面表示等を行なう電子番組情報処理部36を有しており、これらは、データバスを介して制御部30に接続されている。放送受信装置100は、更に、データバスを介して制御部30に接続されユーザの操作やリモコンRの操作を受ける操作部32及び操作信号を表示する表示部33を有している。ここで、リモコンRは、放送受信装置100の本体に設けられる操作部32とほぼ同等の操作を可能とするものであり、チューナの操作等、各種設定が可能である。
【0043】
このような構成をもった放送受信装置100は、放送信号が受信アンテナからBS/CS/地上波デジタルチューナ部12等に入力され、ここで選局が行われる。選局され復調されたパケット形式の復調信号は、分離部17により、種類別のパケットに分離され、音声映像用パケットがMPEGデコーダ部16等でデコード処理されて映像音声信号となって、音声処理部18及び映像処理部19に供給される。映像処理部19は、与えられた映像信号について、IP変換部41によりインターレス信号をプログレッシブに変換され、動特性改善部42では動画像が滑らかな動きを示すべく補間フレーム処理が施され、スケーリング部43ではスケーリング処理が施され、γ補正部44では、映像信号のγ補正が施された後に、セレクタ部20に供給される。
【0044】
セレクタ部20は、制御部30の制御信号に応じて例えば表示部22に映像信号を供給し、これにより映像信号に応じた映像が表示部22に表示される。また、音声処理部18からの音声信号に応じた音声がスピーカ部21から出力される。
【0045】
また、OSD重畳部34で生成された各種の操作情報や字幕情報等が放送信号に応じた映像信号に重畳され、映像処理部19を経てこれに応じた映像が表示部22に表示される。
【0046】
このように、上述した放送受信装置100では、一例として、動特性改善部42において図1等により上述した補間フレーム生成部1により補間フレームが追加されることで、動画像がより滑らかな動きを示すようになり自然な動画表示が可能となる。
【0047】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置に用いられる動きベクトル検出部の一例を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置に用いられる動きベクトル検出部の他の一例を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置によるCb成分・Cr成分の動きベクトルを用いる補間処理の一例を説明する説明図。
【図5】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置の補間処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置のCb成分・Cr成分の間引き処理を伴う補間処理の一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置の第1候補と第2候補との格差に基づくCb成分・Cr成分の動きベクトルを用いる補間処理の一例を示すフローチャート。
【図8】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置の第1候補と第2候補との格差に基づくCb成分・Cr成分の間引き処理を伴う動きベクトルを用いる補間処理の一例を示すフローチャート。
【図9】本発明の一実施形態に係る補間フレーム生成装置を利用した動特性改善部を用いた映像処理部を含む放送受信装置の構成の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0049】
1…補間フレーム生成装置、2…フレームメモリ部、3…Y成分,Cb成分,Cr成分による動きベクトル検出部、4…判定部、5…補間画像生成部、6…Y成分SAD値計算部、7…Cb成分SAD値計算部、8…Cr成分SAD値計算部、9…SAD値計算部、10…動きベクトル決定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
与えられた画像信号から第1のフレーム画像とこれに連続した第2のフレーム画像を取得し、両者を輝度成分及び色差成分において比較し、比較結果に基づいて動きベクトルを検出する検出部と、
前記検出部が検出した動きベクトルから補間用動きベクトルを生成し、前記第1のフレーム画像と前記第2のフレーム画像と前記補間用動きベクトルとに基づいて、補間フレーム画像を生成する生成部と、
を具備することを特徴とする補間フレーム生成装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記第1のフレーム画像及び第2のフレーム画像の全ての画素ではなく一部の画素を対象として色差成分の比較処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の補間フレーム生成装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記補間フレーム画像を複数の小領域に分割し、前記小領域に関して、第1のフレーム画像の複数の領域と前記第2のフレーム画像の複数の領域の輝度成分または色差成分の絶対値差分の総和をそれぞれ求め、この総和を比較して最小の総和をもつ前記第1のフレーム画像の領域と前記第2のフレーム画像の領域の組合せを検出することで、前記動きベクトルを検出することを特徴とする請求項1記載の補間フレーム生成装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記補間フレーム画像を複数の小領域に分割し、前記小領域に関して、前記第1のフレーム画像の複数の小領域に対応する前記第2のフレーム画像の複数の小領域の輝度成分をそれぞれ比較して絶対値差分の総和をそれぞれ求め、この複数の総和を比較して最小の総和をもつ前記第1のフレーム画像の領域と前記第2のフレーム画像の領域の組合せを検出する際に、第1候補と第2候補との差が閾値よりも小さい場合、前記第1のフレーム画像の複数の小領域とこれに対応する前記第2のフレーム画像の複数の小領域の色差成分の絶対値差分の総和を求め、前記輝度成分の絶対値差分の総和と前記色差成分の絶対値差分の総和を加算したものが最小となる組合せを検出することで、前記動きベクトルを求めることを特徴とする請求項1記載の補間フレーム生成装置。
【請求項5】
前記小領域の色差の総和を求める処理は、前記第1のフレーム画像の小領域と前記第2のフレーム画像の小領域の全ての画素ではなく一部の画素を対象とすることを特徴とする請求項1記載の補間フレーム生成装置。
【請求項6】
放送信号を復調して復調信号を出力するチューナ部と、
前記チューナ部からの前記復調信号をデコードして映像信号を出力するデコーダ部と、
前記デコーダ部からの前記映像信号から第1のフレーム画像とこれに連続した第2のフレーム画像を取得し、両者を輝度成分及び色差成分において比較し、比較結果に基づいて動きベクトルを検出する検出部と、
前記検出部が検出した動きベクトルから補間用動きベクトルを生成し、前記第1のフレーム画像と前記第2のフレーム画像と前記補間用動きベクトルとに基づいて、補間フレーム画像を生成して前記第1のフレーム画像と前記第2のフレーム画像の間に挿入して出力する生成部を具備することを特徴とする放送受信装置。
【請求項7】
与えられた画像信号から第1のフレーム画像とこれに連続した第2のフレーム画像を取得し、両者を輝度成分及び色差成分において比較し、比較結果に基づいて動きベクトルを検出し、
前記検出した動きベクトルから補間用動きベクトルを生成し、前記第1のフレーム画像と前記第2のフレーム画像と前記補間用動きベクトルとに基づいて、補間フレーム画像を生成することを特徴とする補間フレーム生成方法。
【請求項8】
前記動きベクトルの検出の際は、前記第1のフレーム画像及び第2のフレーム画像の全てではなく一部を対象として色差成分の比較処理を行なうことを特徴とする請求項7記載の補間フレーム生成方法。
【請求項9】
前記動きベクトルの検出の際は、前記補間フレーム画像を複数の小領域に分割し、前記小領域に関して、第1のフレーム画像の複数の領域と前記第2のフレーム画像の複数の領域の輝度成分または色差成分の絶対値差分の総和をそれぞれ求め、この総和を比較して最小の総和をもつ前記第1のフレーム画像の領域と前記第2のフレーム画像の領域の組合せを検出することで、前記動きベクトルを検出することを特徴とする請求項7記載の補間フレーム生成方法。
【請求項10】
前記動きベクトルの検出の際は、前記補間フレーム画像を複数の小領域に分割し、前記小領域に関して、前記第1のフレーム画像の複数の小領域に対応する前記第2のフレーム画像の複数の小領域の輝度成分をそれぞれ比較して絶対値差分の総和をそれぞれ求め、この複数の総和を比較して最小の総和をもつ前記第1のフレーム画像の領域と前記第2のフレーム画像の領域の組合せを検出する際に、第1候補と第2候補との差が閾値よりも小さい場合、前記第1のフレーム画像の複数の小領域とこれに対応する前記第2のフレーム画像の複数の小領域の色差成分の絶対値差分の総和を求め、輝度成分の絶対値差分の総和と色差成分の絶対値差分の総和を加算したものが最小となる組み合わせを検出することで、前記動きベクトルを求めることを特徴とする請求項7記載の補間フレーム生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−252591(P2008−252591A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92092(P2007−92092)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】