説明

製品径路を分離し合流させるコンベヤシステム

【課題】製品径路を分離し合流させるコンベヤシステムを提供すること。
【解決手段】一定の製品配送径路の構成により上流側の仕向け元から製品を受け取り、これらの製品を別の製品配送径路の構成により下流側の仕向け先へ配送するために、ループ形状の連続する製品コンベヤシステムを設ける。システムは、例えば上流側の仕向け元から一列の製品径路を送出し、下流側には多数の配送径路を配送するようにされる。システムはまた、上流側の仕向け元から多数の製品配送径路を受け取り、下流側には一列の製品径路やさまざまな数の製品径路を配送するのにも使用できる。システムはさらに大量の製品の流れを受け取り、下流側に1以上の製品配送径路を配送するのにも使用できる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンベヤシステムはたいてい施設の種々な部分、時には遠隔部分に設置された上流側下流側の目的地の間で製品を取り扱い輸送するのに用いられる。この種の通常の作業では、製品は上流側の場所で、例えば1つの作業位置でコンベヤに載置され、それからコンベヤにより下流側での作業に輸送されて、製品の製造や分配における次のステップが行われる。
【0002】
多くの場合、工程は製品を提供する上流側の機械を含み、製品は、製品配送の種々の流れすなわち径路を介して製品を受け取る下流側の機械へ送り込まなければならない。例えば、一つの上流側の機械は製品を一つの製品径路を介して出力できるが、多数の製品送込み配送径路を有した下流側の1以上の機械の用意が必要かもしれない。同様に、上流側の作業、例えば2つの別個の上流側の製品機械は製品を2つの製品配送径路を介して供給できるが、下流側の作業は1つの製品径路による入力を要求するかもしれない。
【0003】
以上は例として挙げたにすぎない。諒解されるように、搬送システムには業種と注文とにより、上流から下流への製品径路の配送について多数の種々の要件がある。
【0004】
今日に至るまで、上流側の製品を円滑かつ効率的に2以上の送出し部(outfeed)に配分したり、多数の上流側ソースからの製品を単一の給送口まで、あるいはさまざまな数の送出し径路まで合体させるような、製品径路分離合流システムは開発されていない。
【0005】
【特許文献1】同時係属の米国特許出願第09/984,682号は、製品供給排出コンベヤとアキュムレータコンベヤとを含む多数のコンベヤ付き製品搬送蓄積システムに関するものである。この同時係属出願のアキュムレータコンベヤは製品を効率的かつ円滑に受け取り、システムに混乱があれば蓄積し、そして混乱状態を解決したあと製品を効果的にコンベヤへ送出して下流の仕向け先へ分配する。ところが、この出願に含まれなかった、また従来のコンベヤシステムでも十分に検討されていない重要な考慮事項が、沸き起こってきた要望と関係する。このようなシステムに製品搬送径路を効果的に分離及び/または合流させる能力を持たせたいという要望である。
【0006】
本発明はアキュムレータシステムではないが、米国特許出願第09/984,682号に開示された原則の一部を用いてコンベヤシステムの製品径路ラインの分離と合流とを達成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の目的は、従来の製品径路配送コンベヤシステムの制約と不利とを克服することにある。
本発明の目的は、上流側の仕向け元から単一の製品配送径路や多数の製品配送径路を受け取り、単一の配送径路や多数の配送径路により製品を円滑かつ効率的効果的に下流側の仕向け先に出力できる製品配送システムを提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、連続するループコンベヤシステムの使用法を利用して、上流側の仕向け元から1以上の製品配送径路を走行する製品を受け取り、これらの製品を製品配送径路の種々の構成により下流側の仕向け先に分配する製品配送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的とその他の目的とは、一定の製品配送径路の構成により上流側の仕向け元から製品を受け取り、これらの製品を別の製品配送径路の構成により下流側の仕向け先に配送するようにされた、ループ形状の連続する製品コンベヤシステムから成る本発明により達成される。システムは、例えば上流側の仕向け元から一列の製品径路を送出し、下流側には多数の配送径路を配送するようにされている。システムはまた、上流側の仕向け元から多数の製品配送径路を受け入れ、下流側には一列の製品径路や諸々の数の製品径路を配送するのにも使用できる。システムはさらに、大量の製品の流れを受け取り、下流側に1以上の製品配送径路を配送するのにも使用できる。
【0010】
本発明の特徴とされる新規な特徴は添付クレームに具体的に述べられる。一方、本発明それ自身は、その追加的特徴並びに利点と共に、その設計、構造、使用法に関して、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を検討すれば最もよく理解されよう。
【実施例】
【0011】
図1は本発明の製品コンベヤシステムの第1の実施形態を示している。システム1は平坦な表面4を有する連続的なコンベヤであるコンベヤ2を具備する。コンベヤ2は、彎曲部6及び8とまっすぐな走行部10及び12とを有した輪形の形状を成す。矢印11及び13で示した方向に走行するコンベヤ2は、基本的形状は先に引用した蓄積システムに関する米国特許出願第09/984,682号に詳細に記述したシステムと同様である。一方、本システムはアキュムレータではなく、上流側の仕向け元から1以上の指定された製品配送の流れすなわち径路により製品を受け取り、これらの製品を諸々の数の配送径路により下流側に配送するようにされている。図1のシステム1は、製品100を20で示した単一の製品配送径路によりコンベヤ18を介して送出する単一の上流側の機械14を示している。矢印19で示した方向に走行するコンベヤ18は位置22でコンベヤ2と隣接して整列し、両コンベヤはこの隣接整列位置から同じ方向に移動している。径路20の製品100はコンベヤ2上を走行し、コンベヤ2はその平坦な表面で製品を輸送する。製品100の一部は、単一の製品配送径路26を介して矢印27で示した方向に直接下流側の機械24に輸送される。その他の製品100は単一の製品配送径路28を介して矢印29で示した方向に輸送される。ガイドレール21または同様の案内装置は確実に製品100をこれらの指定径路に留める。径路26及び28に直接進行しない製品100はコンベヤ2のループを回って移動し、最終的に進入径路26及び28と整列して機械24並びに25に進行する。この構成により、上流側で供給された単一の配送径路の製品は、2つの別個の配送径路により円滑かつ効率的に下流側に−この場合2つの別々の、それぞれが一列の入力を要求する並行した機械に輸送される。
【0012】
図2は本発明の製品コンベヤシステムの第2の使用法を示している。この使用法では、コンベヤ2は2つの並行する上流側の機械30及び32から製品100を受け取り、2つの機械30及び32はそれぞれ矢印35及び37の方向に走行する単一の製品径路34及び36を各自で有している。コンベヤ2は図1に示したと同じ方向に走行して位置33でコンベヤ34及び36と隣接整列し、これらのコンベヤはここから同じ方向に移動している。製品100はこれら2つの径路を介してコンベヤ2に進入し、ガイドレール42あるいは同様の案内によりコンベヤの平坦な表面に案内される。製品100の一部は、矢印41で示した方向に走行する単一の製品配送径路40を介して直接下流側の機械38に輸送される。径路40にそのまま進行しない製品100はコンベヤ2のループを回って移動し、最終的に進入径路40と整列して機械38に進行する。この構成により、上流側で供給された2つの独立した製品配送径路による製品は円滑かつ効率的に合流し、単一の配送径路により下流側に、一列の入力を要求する機械に輸送される。
【0013】
図3は本発明の製品コンベヤシステムのまた別の使用法を示している。この使用法では、コンベヤ2は単一の上流側機械44から、矢印48で示した方向に走行するコンベヤ46を介して製品100を受け取る。コンベヤ2は図1に示したと同じ方向に走行している。コンベヤ46は位置52でコンベヤ2と隣接整列し、両コンベヤはこの位置から同じ方向に移動している。コンベヤ2で受け取られた製品100は、4つの別個の配送径路を具備する配送部50に輸送される。製品100は下流側の機械54に向けてこれら4つの径路上をレール56あるいは同様の案内により矢印58の方向に給送される。配送部50への送出に対してそのまま整列しない製品100はコンベヤ2のループに給送され、最終的に位置決めされて配送部50へ移動する。この構成により、上流側で供給された単一の製品配送径路の製品は円滑かつ効率的に合流し、多数の配送径路を介して下流側に、多列入力を要する機械に輸送される。
【0014】
図4は本発明の製品コンベヤシステムのさらに別の使用法を示している。この使用法では、製品100は上流側機械60からの大量の製品の流れとして、矢印62で示された方向に走行するコンベヤ61を介してコンベヤ2に送出される。コンベヤ2及び61は位置63で互いに隣接整列し、整合した関係で移動する。コンベヤ2は図1に示したのと同じ方向に走行し、送出用コンベヤ61から受け取った製品100を矢印66で示した方向に走行する単一のコンベヤ64を介して下流側の機械68に輸送する。レール70あるいは同様の案内は製品100をコンベヤ64に給送する。この構成により、上流側の大量の製品は円滑かつ効率的に合流し、単一の配送径路により下流側へ、一列入力を要する機械へ輸送さる。
【0015】
本発明のいくつかの新規な特徴と構成要素とは詳細に開示され、本発明を以下少なくとも1つの形態により明らかにする。一方、はっきりと諒解すべきは、開示した発明が必ずしも開示した通りの寸分違わぬ形態並びに細部に限定されないことである。なぜなら本発明の精神から逸脱することなく、さまざまな変型や変更を成しうることは明らかであるからである。
【0016】
したがって、本発明は、上流側の仕向け元から一定の製品配送径路の構成により製品を受け取り、これらの製品を効率的かつ円滑に別の製品配送径路の構成により下流側の仕向け先に配送するようにされた、連続する製品コンベヤシステムを開示する。本明細書では特定の製品送込み送出しの形状を議論したが、本発明はこれらの形状に限定されずに、いくつかのシステムを想定している。それらのシステムではコンベヤシステムに送り込まれる上流側の製品配送径路は、システムから抜ける下流側の製品配送径路とは数において異なっている。例えば、これには2つの送込み径路と3つ以上の送出し径路、3つ以上の送込み径路と1つもしくは2つの送出し径路とを有したシステムがあるが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の1実施形態の、1つの製品供給と2つの製品排出形状を示した図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の、1つの製品供給と多数の製品排出形状を示した図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の、2つの製品供給と1つの製品排出形状を示した図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の、大量の製品の流れの供給と1つの製品排出形状を示した図である。
【符号の説明】
【0018】
1 コンベヤシステム
2、18 コンベヤ
4 平坦面
6、8 彎曲部
11、13、19、27、29 矢印
10、12 直線走行部
14 上流側機械
20、26、28 製品配送径路
21 ガイドレール
22 整列位置
25、25 下流側機械
100 製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品搬送システムにおいて、
(a)上流側の仕向け元から製品を移動させる第1の搬送手段であって、製品をその上で移動させる指定された数の製品配送径路手段を具備した第1の搬送手段と、
(b)第1の搬送手段から製品を受け取り、製品を製品搬送システム上を回って移動させて製品を下流側の仕向け先へ配送し、また製品をほぼ連続的な輪形に移動させる輪形の平坦な表面を具備する第2の搬送手段であって、第1の搬送手段の少なくとも一部分を第2の搬送手段の少なくとも一部分とほぼ隣接して整列させ、隣接整列時には常に両搬送手段を互いに予め整合した関係で移動させる第2の搬送手段と、
(c)製品を第2のコンベヤ手段から下流側の仕向け先に移動させる指定された数の製品配送径路手段であって、第2の搬送手段からの製品配送径路手段の数を、第1の搬送手段の製品配送径路の数とは異なる、指定された数の製品配送径路手段と、
(d)製品を第2の搬送手段からの指定された製品配送径路上を下流側の仕向け先に配送するための案内手段と、を備えることを特徴とする製品搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段と第2の搬送手段とは隣接整列時にはほぼ同じ方向に移動することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項3】
請求項1に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段の配送径路手段と、第2の搬送手段からの配送径路手段とは、それぞれ1以上の製品径路を具備することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段の製品径路の数は、第2の搬送手段からの製品径路の数より大きいことを特徴とする製品搬送システム。
【請求項5】
請求項3に記載の製品搬送システムにおいて、第2の搬送手段からの製品径路の数は、第1の搬送手段の製品径路の数より大きいことを特徴とする製品搬送システム。
【請求項6】
請求項3に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段は1つの製品径路を具備し、第2の搬送手段からの配送径路手段は2つの製品径路を具備することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項7】
請求項3に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段は1つの製品径路を具備し、第2の搬送手段からの配送径路手段は4つの製品径路を具備することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項8】
請求項3に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段は2つの製品径路を具備し、第2の搬送手段からの配送径路手段は1つの製品径路を具備することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項9】
請求項3に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段は4つの製品径路を具備し、第2の搬送手段からの配送径路手段は1つの製品径路を具備することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項10】
請求項1に記載の製品搬送システムにおいて、第1の搬送手段の指定された配送径路手段は大量の製品の流れ径路を具備し、第2の搬送手段からの配送径路手段は1つの製品径路を具備することを特徴とする製品搬送システム。
【請求項11】
製品コンベヤシステムにより製品を搬送する方法において、
製品を上流側の仕向け元から第1のコンベヤシステム上に輸送するステップと、
第1のコンベヤシステムを所定の速度で移動させるステップと、
指定された数の製品配送径路手段により製品を第1のコンベヤシステムで輸送するステップと、
ほぼ連続したループと指定された数の製品配送径路手段とを具備する第2のコンベヤシステムを、第1のコンベヤシステムにほぼ隣接しかつこれと近接して整列させるステップと、
第2のコンベヤシステムを第1のコンベヤシステムと連係して所定の速度により移動させるステップと、
製品を第1のコンベヤシステムの1以上の指定された製品搬送径路手段から第2の搬送システムへ移送するステップと、
製品を第2の搬送システム上を回って移動させるステップと、
製品を第2の搬送システム上で位置決めし、製品を、第1の搬送システムの指定された製品配送径路手段とは異なる数の指定された製品搬送径路手段上を下流側の仕向け先へと配送するステップと、
製品を第2のコンベヤシステムから下流側の仕向け先へ、第1のコンベヤシステムの指定された製品配送径路より大きい数の指定された製品配送径路により移送するステップと、を含むことを特徴とする製品搬送方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、第2のコンベヤシステムを第1のコンベヤシステムと同じ方向に隣接整列した状態で移動させるさらなるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、第1のコンベヤシステムと第2のコンベヤシステムとをほぼ同じ所定の速度で移動させるさらなるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、第1のコンベヤシステムと第2のコンベヤシステムとをほぼ同じ速度で移動させるさらなるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、製品を、第2の搬送手段からの指定された製品配送径路手段上を下流側の仕向け先へ配送するための案内手段を設けるさらなるステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−500299(P2006−500299A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537637(P2004−537637)
【出願日】平成15年8月1日(2003.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2003/024041
【国際公開番号】WO2004/026730
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(504164561)ガーヴィー コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】