説明

製紙プロセス

紙または板紙を製造する方法を記載する。好ましい1つの方法は、製紙用パルプに、合成層状ケイ酸塩、ペプタイザおよび少なくとも1種のポリマーを添加することによって処理されたパルプを形成することを含む。合成層状ケイ酸塩は、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムを含むのが好ましく、該ポリマーは、カチオン性、非イオン性および両性ポリマーから選択される。ペプタイザは、好ましくは無機ポリリン酸塩ペプタイザであり、ある市販の合成層状ケイ酸塩製品中に含まれている。驚くべきことに、本発明者は、ペプタイザによって排水性、歩留まりおよび濁度が著しく改善され、それによって製紙プロセスおよび紙または板紙製品が改良されることを発見した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙用パルプ、該パルプを用いる製紙プロセス、製紙装置、および該パルプから製造される紙および板紙製品に関する。さらに具体的には、本発明は、少なくとも1種の微粒子含有歩留まり助剤システムで製紙用パルプを処理することに関する。
本願は2004年1月23日に出願した、先の米国仮特許出願第60/538,622号の米国特許法第119条(e)項に規定する利益を請求しており、その全体を参照により本願明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
製紙用パルプには、微粒子および他の微粒子材料を含む歩留まり助剤システムが加工助剤として添加され、歩留まりや他の特性、例えば形成性や排水性が改良されてきた。たとえば、ピーツらの米国特許第5,194,120号明細書(その全内容を参照により本願明細書に援用する)には、カチオン性ポリマーおよび非晶質金属ケイ酸塩材料を含む歩留まり助剤システムが記載されている。ピーツらが記載するケイ酸塩材料システムの一タイプは、ラポナイト(登録商標)、合成層状ケイ酸塩である。ピーツらによれば、非晶質金属ケイ酸塩材料とカチオン性ポリマーとを含む歩留まり助剤システムを使用すると、パルプに添加するポリマーおよび非晶質金属ケイ酸塩の量を最小にしつつ、歩留まり、排水性および形成性を改良するなど、いくつかの利点が提供される。
【特許文献1】米国特許第5,194,120号
【特許文献2】米国特許第4,753,710号
【特許文献3】米国特許第4,913,775号
【特許文献4】米国特許第4,894,119号
【特許文献5】米国特許第5,571,379号
【特許文献6】米国特許第5,015,334号
【特許文献7】米国特許第5,356,800号
【特許文献8】米国特許第6,342,381号
【特許文献9】国際公開第99/43780号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
歩留まり助剤システムの微粒子成分は、一般的に、製紙用パルプに低粘度の水性コロイド分散体、すなわちゾル状で添加される。製紙用パルプにおいて使用される微粒子ゾルに関する1つの問題は、不安定性である。製紙用パルプ関連で使用されるゾルは不安定なので、ゾルはしばしば現場で製造されて直ちに製紙プロセスへ送られる。製紙プロセスで使用するための安定な微粒子ゾル歩留まり助剤であって、現場の外で形成することができ、長い貯蔵寿命を発揮し、製紙プラントへ送り出し製紙プロセスにおいて直ちにあるいは将来使用することのできる助剤の必要性がある。
【0004】
また、製紙プロセスの間、微粉がより優れた排水性および歩留まりを発揮する製紙用パルプの必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、合成層状ケイ酸塩微粒子と、ペプタイザと、製紙用パルプまたはストック用の歩留まり助剤として少なくとも1種のポリマーとの組合せの使用に関する。合成層状ケイ酸塩として、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムが好ましく、ペプタイザも含む水性コロイド分散体で製紙用パルプに加えるのが好ましい。ポリマーとしては、カチオン性ポリマーでも、非イオン性ポリマーでも、あるいはカチオン性条件下で使用される両性ポリマーでもよい。該ポリマーとしては、窒素含有カチオン性合成ポリマー、たとえば、カチオン性ポリアクリルアミドが好ましい。非イオン性の場合、該ポリマーは、たとえば、非イオン性ポリアクリルアミドまたはポリエチレンオキサイドが使用できる。
【0006】
ペプタイザは、分散体をゾル状に保ち、所定の時間分散体が固化してゲルとなるのを防ぐことを目的として、微粒子分散体中に存在する。こうすることで、現場の外で形成することができ、比較的長い貯蔵寿命を発揮し、直ちにあるいは将来使用するために製紙プラントに送り出すことのできる、比較的濃縮された微粒子ゾルの形成が可能になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明者は、ペプタイザを含むある微粒子分散体は、ペプタイザを用いない微粒子分散体を超える、重要な改良ももたらすことを予想外に発見した。たとえば、本発明者は、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムとペプタイザとを含む微粒子分散体を含む歩留まり助剤を使用することで、微粉の歩留まり、排水性および形成性を著しく向上させ、それにより製紙プロセスおよび紙製品が増強されることを発見した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一態様において、本発明は、紙または板紙を製造する方法であって、(a)製紙用パルプに合成層状ケイ酸塩、ペプタイザおよび少なくとも1種のポリマーを添加することによって処理されたパルプを形成することと、なお、合成層状ケイ酸塩は、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムを含み、少なくとも1種のポリマーは、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーおよびカチオン性条件下での両性ポリマーからなる群の1以上のポリマーを含み、(b)該処理されたパルプを前記紙または板紙に形成すること、とを含む方法を提供する。
【0009】
別の態様において、本発明は、合成層状ケイ酸塩の供給部と、製紙用パルプの供給部と、合成層状ケイ酸塩を合成層状ケイ酸塩の供給部から製紙用パルプの供給部へ送り込むための機器と、歩留まりシステムポリマーの供給部と、歩留まりシステムポリマーを歩留まりシステムポリマーの供給部から製紙用パルプへ送り込むための機器と、合成層状ケイ酸塩および歩留まりシステムポリマーでの処理の後、パルプを紙または板紙に形成するための機器と、を含む製紙装置であって、前記歩留まりシステムポリマーは、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーまたはカチオン性条件下の両性ポリマー、またはこれらの混合物であり、前記合成層状ケイ酸塩は、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムを含み、かつ無機ポリリン酸塩ペプタイザも含む水性分散体状にて製紙用パルプに送り出される製紙装置を提供する。
【0010】
さらに別の態様において、本発明は、排水されたペーパーウェブから製造される紙または板紙であって、ペーパーウェブは処理されたパルプを含み、処理されたパルプは、セルロース系繊維と、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムと、少なくとも1種の歩留まりシステムポリマーと、無機ポリリン酸塩ペプタイザとを含み、歩留まりシステムポリマーは、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、またはカチオン性条件下の両性ポリマー、またはこれらの混合物を含む紙または板紙を提供する。
【0011】
本発明は、製紙用パルプ用の歩留まり助剤システムの使用に関し、該システムは、合成層状ケイ酸塩と、ペプタイザと、少なくとも1種のポリマーとを含む。本発明のプロセスでは、複数のタイプの微粒子、複数のタイプのペプタイザおよび複数のポリマーを使用することができる。該方法によって製造された紙および板紙製品は、優れた不透明度および/または他の望ましい物性を発揮し、好ましい。紙および板紙製品が製造されるパルプのシートは、優れた排水性および/またはパルプ微粉の優れた歩留まりを発揮し、好ましい。
【0012】
合成層状ケイ酸塩は、英国、チェシャー州、ウィドネスのロックウッドアディティブズ社が商標ラポナイト(登録商標)の名のもとで製造、販売する、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムを含むのが好ましい。これらの合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムは、ナトリウム、マグネシウムおよびリチウムの塩とケイ酸ナトリウムとを速度および温度を注意深く調整しながら混合することによって合成する。これによって、非結晶析出物が生成し、次いでこれの一部を高温高圧で結晶化させる。得られた生成物をろ過し、洗浄し、乾燥し、粉砕して、白色微粉末を得る。
【0013】
さらに確実性を増すために、本願明細書で使用される用語「合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム」および「含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム」は、CASNo.533320−86−8で識別されるケイ酸塩を含み、一般的に以下の化学分析値(重量%)を持つ。SiO 59.5;MgO 27.5;LiO 0.8;NaO 2.8;強熱減量8.2。このようなケイ酸塩は、一般的に、かさ密度1,000kg/m、表面積(BET)370mg、pH(2%懸濁液)9.8、ふるい分け分析(<250μm)98%、および含水率10%の易流動性白色粉末を含む。
【0014】
さらに確実性を増すために、本願明細書で使用される用語「合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム」および「含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム」は、TSCAネーム「含水フルオロケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム」およびCAS No.64060−48−6で識別され、一般的に以下の化学組成(重量%、乾燥基準)を持つ合成層状ケイ酸塩は含まない。SiO 51.0;MgO 25.0;LiO 1.3;NaO 6.0;P 3.3;F 5.0;強熱減量8.4。
【0015】
合成層状ケイ酸塩微粒子は、パルプまたはストックからウェブシートまたはウェブを形成する際、微粉の歩留まりまたは排水性を向上させ、または濁度を減らすのに充分な量であればどのような量でも添加することができる。該微粒子は、微粒子および紙原料の乾燥固体重量に対して、1トンの紙原料当たり少なくとも約0.05lb(0.02kg)添加するのが好ましい。微粒子は、紙原料の乾燥固体重量に対して、1トンの紙原料当たり約0.1lb(0.05kg)から1トンの紙原料当たり約5.0lb(2.3kg)、たとえば約0.2lb/ton(0.09kg/トン)から約1.0lb/ton(0.5kg/トン)を加えるのがさらに好ましい。本願の目的にとって、用語「原料」、「パルプ」、「ストック」および「紙原料」は互換的に使用される。
【0016】
合成層状ケイ酸塩は、比較的低粘度の水性コロイド分散体の状態でパルプに添加するのが好ましい。これらの特徴を持つコロイド状分散体は、「ゾル」として知られている。分散体は、合成層状ケイ酸塩の他に、所定の時間、分散体をゾル状に保つのに充分な量のペプタイザも含むのが好ましい。ペプタイザは本質的に、ゾルを安定化し、少なくとも部分的に合成層状ケイ酸塩の濃度に左右される時間、固化してゲル化するのを防止する。これにより、現場の外で分散体を合理的な濃度で形成し、次いで直ちにあるいは将来使用するために製紙プラントに送り出すことが可能になる。
【0017】
ペプタイザは、合成層状ケイ酸塩の分散性を増強する水溶性塩が好ましく、さらに好ましくは、炭酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム塩類、ポリアクリル酸ナトリウム塩類、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム塩類およびピロリン酸ナトリウム塩類からなる群から選択されるナトリウム塩である。本発明の特に好ましい実施形態においては、ペプタイザは無機ポリリン酸塩であり、さらに好ましくは、テトラナトリウムピロリン酸塩である。好ましいペプタイザであるピロリン酸テトラナトリウムは、ラポナイトRDS、ラポナイトXLSおよびラポナイトDSを始めとする、ロックウッドアディティブズ社から入手できる含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムの一定のグレードで存在する。ラポナイトの特に好ましいグレードの1つとして、約5重量%のテトラナトリウムピロリン酸塩と組み合わされた合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム(CAS No.53320−86−8)を含むラポナイトRDSが挙げられる。濃度約10重量%のラポナイトを含むラポナイトRDSゾルは、約3日間安定である。該ゾルはラポナイトの濃度が約6重量%までであるのが好ましく、これは少なくとも約90日間安定である。この範囲の微粒子濃度を持つゾルは、充分に長い保管寿命を発揮し、輸送および製紙プロセスにおける次の用途のために現場外で形成することが可能である。
【0018】
先に記載したように、本発明者は、ペプタイザを含むある微粒子分散体が、ペプタイザを用いない微粒子分散体を超える、重要な改良ももたらすことを予想外に発見した。特に、本発明者は、微粒子分散体内にペプタイザを含ませることによって、微粉の歩留まり、排水性および形成性を著しく改良し、それにより製紙プロセスおよび紙製品が向上されることを発見した。たとえば、本発明者は、ペプタイザテトラナトリウムピロリン酸塩(TSPP)を含むラポナイトRDSは、等量のラポナイトRDより低い濁度で排水性おおび歩留まりを著しく向上することを発見した。
【0019】
理論に縛られるものではないが、TSPPをラポナイトのコロイド状分散体と混合し溶解させると、ピロリン酸イオンはラポナイト結晶の正に帯電した先端と結合するようになり、粒子全体を負に帯電させると考えられる。これによって、ラポナイト結晶上の負の電荷は効果的に増加し、結晶が製紙プロセス中に存在するカチオン性粒子を引き付ける力が大きくなる。
【0020】
添加の順番はどのようなものでも採用できるが、微粒子の添加の前にポリマーを製紙用パルプに添加するのが好ましい。好ましくは、ポリマーは、パルプまたは紙の形成に悪影響を与えないどのようなポリマーでも使用でき、凝集剤および/または沈降助剤を含むのが好ましい。ポリマーは、中間分子量から高分子量の合成ポリマー、たとえば、カチオン性ポリアクリルアミドまたはその共重合体、またはカチオン性ジアリルジメチルアンモニウムクロライドまたはその共重合体のようなカチオン性窒素含有ポリマーが好ましい。
【0021】
ポリマーは、カチオン性、非イオン性あるいはでも両性でもよい。両性の場合は、該ポリマーは、カチオン性条件下で使用されるのが好ましい。先に列挙したポリマーに加えて、実質的に本発明の歩留まりの特性に悪影響を与えない限り、他のどのような種類のポリマーでも少なくとも1種使用することができる。該少なくとも1種の他のポリマーとして、ポリアミドアミングリコール(PAAG)ポリマーを好ましいものとして挙げることができる。
【0022】
ポリマーの分子量は、約100,000〜約25,000,000の範囲が好ましく、約500,000〜約18,000,000の範囲がさらに好ましいが、意図する効果が達成できるのであれば、他の分子量も可能である。
【0023】
好ましいポリマーとして、高分子量の線状カチオン性ポリマーまたは架橋ポリエチレンオキサイドを挙げることができる。代表的な高分子量の線状カチオン性ポリマー、および本発明のパルプおよび方法の用途に適した剪断段階加工は、ラングリーらの米国特許第4,753,710号明細書および第4,913,775号明細書(これらは両方とも、その全内容を参照により本願明細書に援用する)に記載されている。
【0024】
ポリマーは、製紙プロセスの重要な剪断工程の少なくとも1工程の前に添加されるのが好ましく、複数の工程において添加されてもよい。微粒子は、製紙プロセスの種々の重要な剪断工程の後または前に添加することができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、ポリマーは、微粒子の前、および製紙プロセスにおける少なくとも1つの重要な剪断工程の前に添加することができる。ポリマーを微粒子の前に添加する場合は、製紙プロセスの最終剪断工程の後または前に微粒子を添加することができる。ポリマーは、製紙プロセスにおける最後の剪断点の前に製紙用パルプに添加するのが好ましいが、該ポリマーを最後の剪断点の後に添加することもできる。
【0025】
微粒子は、種々の粒子の間で架橋または網の目を形成するのが好ましい。ポリマーは、ストック内で粒子の表面に部分的に結合(たとえば吸収される)し、結合部位を提供できるのが好ましい。
【0026】
水性セルロース系製紙用パルプまたはストックは、最初にポリマーをパルプまたはストックに添加し、次いで紙原料を高剪断条件にゆだね、次いでシート形成の前に微粒子を添加することによって処理することができる。先に検討したように、ポリマーは、カチオン性、非イオン性、またはカチオン性条件下での両性でもよい。あるいは、ポリマーは、合成層状ケイ酸塩微粒子と同時に添加することができる。
【0027】
歩留まりシステムポリマーとして使用される、好ましいカチオン性ポリアクリルアミド類については、以下にさらに詳しく記載する。カチオン性ポリアクリルアミドがカチオン性ポリマーとして使用される場合は、カチオン性ポリアクリルアミドの分子量は100,000を超えることができ、約500,000〜18,000,000の分子量が好ましい。ポリマーおよび合成層状ケイ酸塩微粒子の組合せにより、濾水度、脱水性、微粉歩留まり、良好な紙形成性、強度、および剪断抵抗性の間に適切なバランスを提供するのが好ましい。
【0028】
歩留まりシステムのポリマー組成物は、ポリマーが存在しない同じパルプと比べて、排水性またはパルプの歩留まりを好適に向上させるのに有効な量添加される。ポリマーは、ポリマーおよび紙原料の乾燥固体重量に対して、紙原料1トン当たり少なくとも約0.01ポンド(0.005kg)のポリマー量添加されるのが好ましい。より好ましくは、ポリマーは、紙原料の乾燥固体重量に対し、紙原料1トン当たり約0.1lb(0.05kg)から紙原料1トン当たり約5lb(2.3kg)の量、さらにより好ましくは、約0.2lb/ton(0.09kg/トン)から約2lb/ton(1kg/トン)の量であるが、他の量も使用することができる。
【0029】
ポリマーがカチオン性である場合、いかなるカチオン性ポリマーまたはその混合物を使用することができ、通例製紙に関連する従来のカチオン性ポリマーを本発明のパルプまたはストックに好ましく使用することができる。カチオン性ポリマーの例として、カチオン性デンプン類およびカチオン性ポリアクリルアミドポリマー、たとえば、アクリルアミドとカチオン性モノマーとの共重合体であってカチオン性モノマーが中性または四級化された形であってもよい共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。窒素含有カチオン性ポリマーが好ましい。アクリルアミドと共重合し、本発明に有用な好ましいカチオン性ポリマーを形成してもよい代表的なカチオン性モノマーとして、アクリル酸またはメタクリル酸のアミノアルキルエステル、中性または四級化されたジアリルアミン類が挙げられる。代表的なカチオン性モノマーおよびカチオン性ポリアクリルアミドポリマーは、バロンジュニアらの米国特許第4,894,119号明細書(その全内容は参照により本願明細書に援用する)に記載されている。
【0030】
また、ポリマーは、たとえば、1−トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートメトスルフェートなどのコモノマーから形成されるポリアクリルアミドでもよい。カチオン性ポリマーの他の例示として、ジアリルアミンモノマーのホモポリマー、アクリル酸のアミノアルキルエステルのホモポリマー、およびポリアミド類など米国特許第4,894,119号明細書に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。コポリマー、ターポリマーあるいはそれより高い次元のポリマーもまた使用してもよい。さらに、本発明の目的により、2以上のポリマーの混合物を使用してもよい。
【0031】
ポリマーがカチオン性ポリアクリルアミドを含む実施形態において、非イオン性アクリルアミド単位が重合体中に存在するのが好ましく、その量は、好ましくは少なくとも約30モル%であり、通常、95モル%以下である。約5モル%〜約70モル%のポリマーがカチオン性コモノマーから形成されるのが好ましい。
【0032】
製紙用パルプまたはストックは、従来のどのようなタイプのものも使用でき、たとえば、セルロース繊維を水性媒体中に、好ましくはパルプまたはストックの総乾燥固体重量の少なくとも約50重量%の濃度で含むことができる。本発明の歩留まりシステムは、多くの異なるタイプの製紙用パルプ、ストックまたはパルプまたはストックの混合物に添加することができる。たとえば、パルプは、未使用の亜硫酸パルプ、ブロークパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、そのようなパルプの混合物などの未使用および/または再生パルプを含んでもよい。
【0033】
歩留まり助剤システムは、パルプまたはストックを製紙ワイヤー上に析出する前に、パルプまたはストックに添加することができる。歩留まり助剤システムを含むパルプまたはストックは、ワイヤー上にペーパーウェブを形成する間、良好な脱水性を発揮することが見出されている。また、このパルプまたはストックが発揮する繊維微粉およびフィラーの歩留まりは、このパルプまたはストックに高い剪断応力がかけられた条件下のペーパーウェブ製品において所望の高さになる。
【0034】
本発明に従って使用される歩留まり助剤システムに加えて、本発明による製紙用パルプまたはストックは、さらに、他のタイプの微粒子を含んでもよい。プロセスの間のどのような時間に、合成層状ケイ酸塩微粒子とは異なる、1種以上の異なるタイプの第二微粒子添加剤をパルプに添加してもよい。第二微粒子添加剤として、天然または合成ヘクトライト、ベントナイト、ゼオライト、非酸性アルミナゾル、または当業者に知られている従来粒子添加剤のいかなるものも挙げることができる。代表的な合成微粒子が、米国特許第5,571,379号明細書および第5,015,334号明細書(その全内容は参照により本願明細書に援用する)に記載されている。
【0035】
本発明に従って使用される合成層状ケイ酸塩微粒子歩留まり助剤システムに加えて、本発明による製紙用パルプまたはストックには、本発明の歩留まりシステムとは異なる組成を持つ凝集剤/沈降助剤歩留まりシステムをさらに加えてもよい。
【0036】
また、本発明の製紙用パルプは、セルロース分解活性のある従来の製紙用パルプ処理酵素を含んでもよい。酵素組成物は、ヘミセルロース分解活性があるのが好ましい。適切な酵素および酵素含有組成物として、ジャクエースの米国特許第5,356,800号明細書および第6,342,381号明細書、および国際公開第99/43780号パンフレット(これらは全て参照により本願明細書に援用する)に記載されているものが挙げられる。他の代表的な製紙用パルプ処理酵素として、BUZYME(登録商標)2523およびBUZYME(登録商標)2524があり、これらはいずれもテネシー州、メンフィスのバックマンラボラトリーズインターナショナル社から入手可能である。好ましいセルロース分解酵素組成物は、好ましくは、約5重量%〜約20重量%の酵素を含む。好ましい酵素組成物は、さらに、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリビニルピロリドン、テトラヒドロフリルアルコール、グリセリン、水、その他、たとえば米国特許第5,356,800号明細書に記載の従来の酵素組成物添加剤を含むことができる。酵素は、従来使用されているいかなる量で、たとえば、パルプの乾燥重量に対して約0.001重量%〜約0.100重量%の酵素の量、たとえば約0.005重量%〜約0.05重量%の量で、パルプに添加してもよい。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態では、酵素組成物はパルプまたはストック中に含まれ、少なくとも1種のポリアミドオリゴマーと、少なくとも1種の酵素を含む。ポリアミドは、酵素を安定化させるのに有効な量存在する。ポリアミドオリゴマーおよび酵素を含む代表的な酵素組成物は、国際公開第99/43780号パンフレット(その全内容は参照により本願明細書に援用する)に記載されている。
【0038】
酵素組成物が含まれる場合、2種以上の異なる酵素の組合せを含むことができる。酵素組成物は、たとえば、リパーゼとセルラーゼとの組み合わせを含むことができ、場合によっては、安定剤を含むこともできる。安定剤は、本願明細書に記載されるポリアミドオリゴマーであってもよい。
【0039】
本発明の方法に従って使用される特定のひとつの添加剤として、カチオン性デンプンがある。カチオン性デンプンは、本発明のパルプまたはストックに添加され、デンプン処理パルプを形成してもよい。デンプンは、本発明の製紙装置またはシステムによって、製紙用パルプの流れに沿って、1点または複数点で添加されてもよい。たとえば、カチオン性デンプンを、酸性水性アルミナゾルをパルプに添加する時点とほぼ同じ時に、パルプに添加することができる。カチオン性デンプンを使用する場合、合成層状ケイ酸塩微粒子をパルプに導入する前に、パルプに添加するまたはパルプと混合するのが好ましい。または、それに変えてあるいは付加的に、パルプを先ず酵素、凝集剤、あるいはその両方で処理した後に、カチオン性デンプンをパルプに添加することもできる。好ましいカチオン性デンプンとしては、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、および他の湿潤デンプン、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
従来量のデンプンをパルプに添加することができる。本発明に従って使用できる代表的なデンプンの量は、パルプの乾燥固体重量に対して、約5〜約25ポンド/トンである。
【0041】
製紙プロセスにおける殺虫剤の従来の使用に従って、パルプに殺虫剤を添加してもよい。たとえば、パルプを任意の酵素およびポリマーで処理した後、混合室で処理されたパルプに殺虫剤を添加してもよい。本発明による製紙用パルプにおいて有用な殺虫剤として、当業者によく知られた殺虫剤、たとえば、BUSAN(登録商標)殺虫剤のような、テネシー州メンフィスのバックマンラボラトリーズインターナショナル社から入手できる殺虫剤が挙げられる。
【0042】
本発明のパルプまたはストックは、アニオン性および非イオン性ポリマーのようなポリマー、クレー、他のフィラー、染料、顔料、消泡剤、ミョウバンのようなpH調整剤、微生物殺生剤、および他の従来の製紙または加工添加剤を含む他の組成物の1種以上で、付加的に処理してもよい。これらの添加剤は、合成層状ケイ酸塩微粒子の導入の前、間、または後に添加することができる。全てとは言えないが殆どの場合、他の添加剤および成分をパルプに添加した後に、合成層状ケイ酸塩微粒子を添加するのが好ましい。したがって、合成層状ケイ酸塩微粒子は、酵素、凝集剤、沈降助剤、フィラーおよび他の従来のあるいは特殊な製紙用添加剤の添加の後に、製紙用パルプに添加することができる。
【0043】
本発明に従った歩留まりシステムの添加は、全てとは言えないが殆どの場合、従来の製紙機械で実施することができる。
【0044】
本発明の方法を実施するための製紙システムのフローチャートを図1に示す。示されたシステムは本発明の代表的な例であり、本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるであろう。図1のシステムにおいて、場合によっては供給される所望の濃度の酵素組成物が、流動する製紙用パルプの流れと混ざり合い、処理されたパルプを形成する。示されたパルプの供給は、たとえばパルプ収容タンクまたはサイロから供給されるパルプの流れを示す。図1に示されるパルプは、導管、収容タンク、混合タンク、または他の容器、通路、パルプの流れ用混合域から供給できる。酵素組成物は、たとえば、処理されたパルプ用のタンクの入り口と連通した出口を持つ収容タンクから供給できる。
【0045】
酵素組成物で処理されたパルプを、処理パルプタンクから精製装置へ通し、次いでたとえば殺虫剤のような任意の添加剤と処理されたパルプとを混合してもよい混合室へ通す。精製装置は、処理パルプタンクの出口に連通する入り口を持ち、混合室の入り口と連通する出口を持つ。
【0046】
図1の実施形態によれば、混合室で処理されたパルプを、混合室の出口から、通路へ通し、任意の添加剤と処理されたパルプとが混合されてもよい機械室の入り口へ通す。混合室と機械室とは、当業者に知られている従来のどのようなタイプのものでも使用できる。機械室によって、ヘッドの水準、すなわちシステムの下流部分での、特にヘッドボックスでの、処理されたパルプまたはストックにかかる圧力が確実に一定にされる。
【0047】
パルプを、機械室から白水サイロを通し、ファンポンプへ通す。本発明の歩留まりシステムポリマーは、サイロとファンポンプとの間でパルプの流れに導入するのが好ましい。歩留まりシステムポリマー組成物は、たとえば、白水サイロとファンポンプとの間のラインに連通する出口を持つ収容タンクへ供給してもよい。パルプがファンポンプからスクリーンへ通る時、合成層状ケイ酸塩微粒子を添加するのが好ましい。従来の添加剤を導入するに際して使用される従来の弁調節およびポンプを使用することができる。スクリーニングされたパルプは、湿った紙シートがワイヤー上に製造され排水されるヘッドボックスを通過する。図1のシステムにおいて、ヘッドボックスでの製紙から得られる排水されたパルプは、白水サイロへ再循環する。
【0048】
図2に示される実施形態において、先ず、合成層状ケイ酸塩微粒子を白水サイロとファンポンプとの間で、精製された処理パルプに添加する。その後、歩留まりシステムポリマーをファンポンプの後、スクリーンの前で添加する。
【0049】
本発明の他の実施形態を図3に示す。カチオン性デンプンで処理されてもよいパルプを精製し、混合室へ通し、機械室へ通し、次いで白水サイロへ通す。白水サイロとファンポンプとの間で、歩留まりシステムポリマーをパルプに添加するのが好ましい。合成層状ケイ酸塩微粒子は、パルプがスクリーンを通った後、ヘッドボックス内でシートを形成する直前に添加するのが好ましい。
【0050】
また、本発明の装置は、合成層状ケイ酸塩微粒子または他の添加剤をパルプの流れに適切な濃度で提供するため、計量機器を含むことができる。
【0051】
前記図1〜3のどの実施形態によっても、清浄機、たとえば遠心力清浄機を、たとえば、ファンポンプとスクリーンとの間に配置することができる。
【0052】
図4および5は、本発明の特に好ましい2つの実施形態におけるポリマーおよび微粒子の添加工程を示すフローチャートである。図4および5は、単に、これら好ましいプロセスにおいて、ポリマーおよび微粒子の添加工程を説明するために必要な、それらの構成部品(すなわち、ファンポンプ、スクリーンおよびヘッドボックス)と添加工程のみを示しており、図4および5で示されているプロセスおよび装置は、好ましくは、図1〜3で示され、先に記載した任意の添加剤、装置部品および/またはプロセス工程のいくつかまたは全てを含んでもよいことは、理解される。
【0053】
パルプは、矢印で示される方向に図4および5の装置を通り、ファンポンプを通り、ヘッドボックに向かって、スクリーンを通る。パルプはファンポンプとスクリーンの両方で剪断されるが、スクリーンによってパルプに加えられる剪断は、ファンポンプによって加えられる剪断より大きく、スクリーンは、パルプが製紙装置のヘッドボックスに入る前の、製紙プロセスにおける最終高剪断段階となる。
【0054】
図4および5の両方において、凝集剤ポリマーをファンポンプの前に添加するのが好ましい。凝集剤は、コロイド状粒子、一次アニオン性繊維およびフィラーを除去し集めるために、比較的低分子量のカチオン性、高電荷密度ポリマーを含むのが好ましい。コロイド状粒子は凝集して、寸法が大きく、排水時にシートにより保持されやすいマクロコロイドを形成する。凝集剤としては、ポリアミドまたはジアリルジメチルアンモニウムクロラリド(DADMAC)ポリマーまたはその共重合体が好ましい。図4および5に示されるプロセスで使用される特に好ましい凝集剤は、バックマンラボラトリーズインターナショナル社から入手できる、電荷密度が95%で、分子量が約500,000のカチオン性DADMACである、BUFLOC(登録商標)5376である。凝集剤ポリマーは、乾燥基準でパルプ1トン当たり約0.05〜約1.0kgの量でパルプに添加されるのが好ましく、より好ましくは、約0.1〜約0.5kg/トン、さらにより好ましくは約0.3kg/トンである。
【0055】
図4および5のプロセスはどちらも、歩留まりシステムポリマーと粒子とを含む微粒子含有歩留まり助剤システムの添加が含まれる。微粒子は合成層状ケイ酸塩であり、より好ましくは合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムであり、さらにより好ましくはペプタイザと組み合わされた合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムであり、最も好ましくはペプタイザがテトラナトリウムピロリン酸塩である組合せである。微粒子は、1種以上のラポナイトRDS、XLSおよびDSを含むのが好ましく、ラポナイトRDSを含むのがより好ましい。微粒子は、乾燥基準でパルプ1トン当たり約0.1〜約1.0kgの量で添加されるのが好ましく、より好ましくは約0.2〜約0.6kg/トン、さらにより好ましくは約0.4kg/トンである。
【0056】
歩留まりシステムポリマーとしては、沈降助剤が好ましく、先に記載した、任意の窒素含有カチオン性合成ポリマーを含むものが好ましい。特に好ましい歩留まりシステムポリマーとして、バックマンラボラトリーズインターナショナル社から入手できる、分子量が約10,000,000のカチオン性ポリアクリルアミドである、BUFLOC(登録商標)5511が挙げられる。該歩留まりシステムポリマーは、パルプに乾燥基準でパルプ1トン当たり約0.05〜1.0kgの量で添加されるのが好ましく、より好ましくは約0.05〜約0.5kg/トン、さらにより好ましくは約0.1〜約0.2kg/トンである。
【0057】
図4および5のフローチャートでは、歩留まりシステムポリマーおよび微粒子の添加順序がそれぞれ異なる。図4では、微粒子をスクリーンの前に添加する。より好ましくは、ファンポンプとスクリーンとの間で添加し、歩留まりシステムポリマーをスクリーンの後で添加する。より好ましくは、スクリーンとヘッドボックスとの間で添加する。図5では、添加の順序は逆であり、ポリマーをスクリーンの前に添加する。好ましくは、ファンポンプとスクリーンとの間で添加し、微粒子はスクリーンの後で添加する。より好ましくは、スクリーンとヘッドボックスとの間で添加する。図5における添加順序が好ましい。
【0058】
以下の実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
【0059】
以下の実施例において、実施例で使用した種々の成分を略記する。実施例において、「RD」、「RDS」および「JS」とされる成分は、それぞれ、ラポナイトRD、ラポナイトRDSおよびラポナイトJSであり、ロックウッドアディティブズ社から入手可能である。ラポナイトRDは含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムであり、ラポナイトRDSは、含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムおよびピロリン酸テトラナトリウム塩であり、ラポナイトJSは、含水フルオロケイ酸ナトリウムリチウマグネシウムおよびピロリン酸テトラナトリウム塩である。たとえば「RDS0.5」のように数値が続く場合、該数値は、紙原料の乾燥固体重量に対する紙原料1トン当たりのラポナイト微粒子の乾燥基準のポンドで表す量を表す。
【0060】
以下の実施例において、略称「B594」および「594」は、バックマンラボラトリーズインターナショナル社から入手可能なBUFLOC(登録商標)594を表し、これは、平均分子量が約5,000,000〜約7,000,000単位、電荷密度は21%の、高分子量のカチオン性ポリアクリルアミドである。たとえば、「594 0.5」のように数値が続く場合、該数値は、紙原料の乾燥固体重量に対する紙原料1トン当たりのBufloc594ポリマーの乾燥基準のポンドで表す量を示す。
【0061】
略称「B5511」および「5511」は、バックマンラボラトリーズインターナショナル社から入手可能なBUFLOC(登録商標)5511を表し、これは、分子量が約10,000,000のカチオン性ポリアクリルアミドである。たとえば、「5511 0. 5」のように数値が続く場合、該数値は、紙原料の乾燥固体重量に対する紙原料1トン当たりのBufloc5511ポリマーの乾燥基準のポンドで表す量を示す。
【0062】
ポリマーおよび微粒子成分の双方を添加する試料では、添加の順序は特定される。たとえば、略称「B5511 0.5/RDS 0.5」は、ポリマー成分Bufloc5511を微粒子成分ラポナイトRDSの前に原料に添加することを示す。これは、ポリマーを最終高剪断段階の前(一般的にスクリーンの前)に添加し、微粒子を最終高剪断段階の後(一般的にスクリーンとヘッドボックスとの間)に添加する製紙プロセスをシミュレートする。同様に、略称「RDS0.5/B 5511 0.5」は、ポリマー成分Bufloc5511を、微粒子成分ラポナイトRDSの後に原料に添加することを示す。これは、微粒子を最終高剪断段階の前(一般的にスクリーンの前)に添加し、ポリマーを最終高剪断段階の後(一般的に、スクリーンとヘッドボックスとの間)に添加する製紙プロセスをシミュレートする。
【実施例1】
【0063】
排水性および濁度試験
試験は製紙工場で行った。排水性は、修正ショッパーリーグラー法を使用して、小型スクリーンに500mlの試料を排水させて行った。混合はフードブレンダーで実施した。
【0064】
該修正ショッパーリーグラー排水性試験用に使用した設備は、以下のものを含んでいた。修正ショッパーリーグラー(MSR)、1000mlメスシリンダー、ストップウォッチ、5ガロン(18.9リットル)プラスチックバケツ、MSR用ワイヤー、真空フラスコおよび漏斗(歩留まり用)、ワットマン無灰ろ紙(灰歩留まり用)、濁度メーター、血球計算板、および顕微鏡
【0065】
試験すべき試料を製紙装置のベッドボックスから採取した。各試験に関し、1000mlを必要とした。温度が排水性に影響を与えるので、各試験は試料を採取すると直ちに行った。歩留まり助剤のラボ検査に関しては、原料をヘッドボックス温度と同じ温度に保った。
【0066】
MSRが冷たく、試料が暖かい場合は、MSRの外側と内側に温水をかけてMSRを暖めた。温水がない場合は、冷水を使用した。試験は全て同じ方法で行った。MSRワイヤーにはいかなる繊維も微粉も付いていないことが不可避であった。試験を行う前に、ワイヤーを水でバックフラッシュした。試料中の繊維、微粉およびフィラーの分布を、バケツ中の繊維スラリーを撹拌することによって確実に均一にした。1000mlのスラリーをメスシリンダーで計量し、プランジャーを押し下げたまま、MSRに注ぎ入れた。メスシリンダーをMSRの下に置いた。次いで、プランジャーを開放し、同時にストップウォッチをスタートさせた。100mlの増分単位における試料の排水性に関する所要時間を測定し、記録した。選ばれた100mlの増分単位は、純粋に経験的なものであった。たとえば、非常に遅い排水ストック試料は、代わりに、100、150、および200mlの排水時間を測定した。いくつかの試験では、出発容量試験を定量する必要があるものもあった。種々の試料のポリマーの異なるレベルを比較し、この目的のために、歩留まり/排水性助剤の添加の前に、原料試料を機械から得た。排水性および歩留まりの値をブランク原料に対して比較し、向上度を定量した。歩留まり性を測定するために、MSRろ液を予め計量したろ紙を通してろ過し、105℃〜120℃のオーブン内で乾燥し、再び計量した。重量差をmg/mlで記録した。
【0067】
排水時間は、原料中の添加剤(すなわちポリマーおよび/または微粒子)の異なるレベルに基づいて比較した。排水時間は、各容量レベルに関し秒で記録した。全懸濁固体を、濁度メーターを用いて評価した。また、ろ液は、懸濁固体を定量するために、ろ過しておくことができた。MSRろ液の固形分含有量は、mg/mlで記録でき、異なるシステムの歩留まり性能を示すために使用した。数値が低いほど歩留まりが良好なことを示す。
【0068】
繰返し試験のために、試料を製紙システムに沿って同じ場所から採取した。原料組成物は繰返し試験のために同じであることが保証された。繰り返し試験では、対応するオリジナル試験と大きくはずれて一致しないものは信用しなかった。
【0069】
MSRを清浄に保ち、常時水で濯ぎ、残留繊維が側面に蓄積するのを回避した。スクリーンは定期的に清掃し、蓄積した樹脂を取り除き、中性洗剤でブラシ洗浄した。ワイヤーをチェックし、曲がったあるいは痛んだワイヤーが使用されていないか確認した。全ての試験を、同じ方法および同じ濃度で行った。
【0070】
粉砕紙を70重量%のサーモメカニカルパルプ(TMP)と30%のインク除去パルプ(DIP)を含む新聞紙原料として使用した。パルプのヘッドボックス伝導率は1,000マイクロジーメンスであり、カチオン需要量は0.001N溶液1リットル当たり0.15mlであり、濃度は0.65であった。紙原料のヘッドボックスpHは4.83であった。紙原料と組み合わされた添加剤は、フィラーとして焼成クレーを、紙原料の乾燥固体重量に対して2重量%含んでいた。焼成クレーはDIP成分中に存在した。
【0071】
ポリマーを、ポリマーおよび紙原料の両方の乾燥固体重量に対して、紙原料1トン当たり0.75lb(0.35kg)までの種々の量で、紙原料に添加した。
【0072】
微粒子を、1.0lb/ton(0.46kg/トン)までの種々の量で紙原料に添加した。全微粒子用量は、乾燥基準で計算した。
【0073】
試験の結果を以下の表1および2に示す(表1は排水性/濁度データを含み、表2は歩留まりデータを含む)。表1において、最上部の欄の「100」、「150」、「200」および「250」は、ワイヤーを通り排水され、集められたろ液のミリリッターの数値を表す。最上部の欄のすぐ下にある数値は、ワイヤーを通って排水され、集められたそれぞれのろ液のミリリッター(ml)の数値に必要な秒の数値が表されている。たとえば、表1の第一エントリーにおいて、「ブランク」(微粒子歩留まりシステムがない)で示されている紙原料は、成形ワイヤーを通り排水されたろ液100mlを集めるのに27秒、ろ液150mlを集めるのに58秒、ろ液200mlを集めるのに90秒必要であった。表1において、比濁計濁度単位(NTU)で測定した濁度を最後の欄に列挙した。微粒子添加剤およびポリマーの両方を含む、試験され表1に挙げられた種々の試料の各々に関し、添加の順番は表に特記している。たとえば、表1の試料5〜7および11〜13では、ポリマーが最初に添加された。試料8〜10では微粒子が最初に添加された。
【0074】
表1−排水性および濁度
【表1】

*試料の組成は全てlb/tonにて示す。

表1で示されるデータは図6および7にグラフで示す。
【実施例2】
【0075】
歩留まり試験
ブリットジャー試験を1,000rpmで行い、増加した初回通過歩留まりおよび増加した初回通過灰歩留まりに基づいて、本発明による歩留まり助剤システムの性能を評価した。ブリットジャー中では、原料は連続して移動しているため、繊維マットは形成せず、水は連続的にワイヤーを通って流れることができる。これは、ストックと水の製紙機械で起こる脱水性をシミュレートする。
【0076】
ブリットジャー試験で使用される原料は、実施例1で使用した原料と同じものであった。
【0077】
ブリットジャー試験では、化学薬品を正しい順番で適用し、ファンポンプおよびセントリスクリーンのような製紙機械によって、原料の処理がシミュレートされる程度まで、原料を混合する。ストックは、剪断される時にはファンポンプまたはスクリーン中で実際(最大で)1秒を費やす。剪断をシミュレートし、実際の短い接触時間を表す他の方法は、ブリットジャー歩留まりテスターの外で全化学薬品を混合して行う。化学薬品添加剤の混合は普通の家庭用フードブレンダーを使用して行う。
【0078】
混合手順は、歩留まりおよび排水性と同じである。
【0079】
高剪断混合は、製紙プロセスにおけるより典型的な高剪断点であるので、全てブリットジャーの外でフードブレンダーを使用して行う。また、これはブリットジャーワイヤーが詰まるのを防ぐ。各化学薬品は、フードブレンダー中、短い2秒間のバーストの後で添加する。これは(凝集剤、デンプン、高分子ポリマーを含む)ファンポンプを通るストックをシミュレートする。
【0080】
ポリマーまたは微粒子成分のプレスクリーン添加をシミュレートするために、フードブレンダー中で短い1秒間のバーストを使用する。ポリマーまたは微粒子のポストスクリーン添加をシミュレートするために、処理されたストック試料をシリンダーに注ぎ込み、次いでポリマーまたは微粒子成分を添加し、ブリットジャーを4回反転させる。
【0081】
以下の装置をブリットジャー試験で使用した。ブリットジャー試験機、ワイヤー:80P、新聞紙原料用、予め調整した無灰ろ紙:ワットマン#41または43;希釈したポリマー試料、ストック試料(少なくとも20リットル)、バランス0.001g、ブーフナー漏斗と;乾燥オーブン、灰測定用の炉、ふた付プラスチック容器、シリンジ:1、5、および10mL、およびブレンダー:標準的な家庭用パルス付フードブレンダー。
【0082】
ストックおよびポリマー試料のそれぞれを以下のようにして製造した。ストックおよびポリマー試料を準備し、ブリットジャーのワイヤーが湿っているかを確認し、ブリットジャー速度を要求される設定温度に合わせ、スイッチを入れ、化学薬品を混合してストックとし、処理したストックをブリットジャーに注ぎ込み、5秒待ち、クランプを開け、ろ液を集め始め、先ず100mLのろ液を集め、ろ液を予備調整されたろ紙を通してろ過して110℃のオーブンで乾燥し、%TFPRを計算した。必要な場合は、乾燥ろ紙を灰化して%FPARを定量した。
【0083】
必要な場合は、乾燥ろ紙を灰化して%FPARを定量した。
計算
1.濃度=試料中の固体%、[]シンボルで表される
=100×(懸濁固体の重量)/(元試料の重量または容量)
2.FPR、初回通過歩留まり=シート中に留まったHB固体の%
=([HB]−[TW])/[HB]×100
例:[HB]=0.75%、[TW]=0.18% FPR=100(0.75−0.18)/0.75=76% 3.FPAR、初回通過灰歩留まり=([HB灰]−[TW灰])/[HB灰]×100
【0084】
[HB灰]は、HBを灰化し、次いで%灰量に[HB]を掛けて得る。[TW灰]は、TWを灰化し、次いで%灰量に[TW]を掛けて得る。
【0085】
歩留まり試験の結果を以下の表2に示す。
【0086】
表2−歩留まり
【表2】

表2に示したデータを図8にグラフで示す。
【実施例3】
【0087】
ラポナイトRD、RDSおよびJSを比較する排水性試験
排水性試験は、アルカリ原料上で、実施例1で記載した以下の手順で行った。
【0088】
微粒子含有試料は、全てポリマーBufloc5511も含んでいた。これらの試験の殆どは、Bufloc5511を微粒子の前に原料に添加した。ラポナイトRDSに関しては、添加の順序を反対にした試験も行った。
【0089】
排水性試験の結果を図9および10に示す。これらの図に示されるように、ラポナイトRDSを含む原料は、ラポナイトJS、ラポナイトRDのいずれかを含む原料より優れた排水特性を有していた。さらに、RDSを使用した排水性の結果は、ポリマー(Bufloc5511)をラポナイトRDSの前に添加した場合の方が、ラポナイトRDSを最後に添加した場合より優れていた。
【実施例4】
【0090】
ラポナイトRD、RDSおよびJSを比較する歩留まり試験
実施例2で記載したブリットジャー試験を、ポリマー(Bufloc5511)および微粒子の種々の組合せを使用して行った。試験は、60%の広葉樹材と40%の針葉樹材とを含み、pHが7.9、伝導度が670マイクロジーメンス、灰分量が20%、紙プロセスの機械室で沈降炭酸カルシウム(PCC)が添加されたアルカリ微粉紙原料で行った。総初回通過歩留まり(TFPR)および初回通過灰歩留まり(FPAR)の両方を含む歩留まりデータを以下の表3およびまた図11にも示す。
【0091】
【表3】

【0092】
表3および図11に示すように、ラポナイトRDSに関する歩留まりの結果は、匹敵する濃度のラポナイトJSおよびラポナイトRDで得られた結果より優れていた。
また、Bufloc5511を添加し、次いでラポナイトRDSを添加した結果が最も優れた結果を示した。
【0093】
本発明の要旨および範囲を逸脱しない限り本発明の実施形態に種々の修正および変形がなされうることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれに均等なものの範囲内にある本発明の修正および変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
以下、本発明を、単なる例示であるが、以下の図面を参照して説明する。
【図1】本発明の実施形態に依る製紙プロセスを示すフローチャート。
【図2】本発明の他の実施形態に依る製紙プロセスを示すフローチャート。
【図3】本発明の更に他の実施形態に依る製紙プロセスを示すフローチャート。
【図4】本発明の更に他の実施形態に依る製紙プロセスを示すフローチャート。
【図5】本発明の更に他の実施形態に依る製紙プロセスを示すフローチャート。
【図6】種々の代表的な比較目的の紙原料配合物で製造されたペーパーウェブから、ろ液200mlの排水を得る時間を示す棒グラフ。
【図7】種々の代表的な比較目的の紙原料配合物の濁度を比較した棒グラフ。
【図8】種々の代表的な比較目的の紙原料配合物の総初回通過歩留まり(TFPR)%を示す棒グラフ。
【図9】種々の代表的な比較目的の紙原料配合物の排水性を示す時間対容量のプロット図。
【図10】種々の代表的な比較目的の紙原料配合物の排水性を秒で示す棒グラフ。
【図11】種々の代表的な比較目的の紙原料組成物の歩留まりを示す棒グラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙または板紙を製造する方法であって、
(a)製紙用パルプに、合成層状ケイ酸塩、ペプタイザおよび少なくとも1種のポリマーを添加することによって処理されたパルプを形成すること、なお、合成層状ケイ酸塩は、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムを含み、少なくとも1種のポリマーは、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーおよびカチオン性条件下の両性ポリマーからなる群の1種以上のポリマーを含み、および
(b)該処理されたパルプを前記紙または板紙に形成すること、
を含む方法。
【請求項2】
合成層状ケイ酸塩がラポナイトを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
パルプに合成層状ケイ酸塩を添加するに当たり、パルプの乾燥固体重量1トンに対して合成層状ケイ酸塩が乾燥基準で少なくとも約0.05ポンドである請求項1記載の方法。
【請求項4】
パルプに合成層状ケイ酸塩を添加するに当たり、パルプの乾燥固体重量1トンに対して合成層状ケイ酸塩が乾燥基準で約0.1ポンド〜約5.0ポンドである請求項1記載の方法。
【請求項5】
パルプに合成層状ケイ酸塩を添加するに当たり、パルプの乾燥固体重量1トンに対して合成層状ケイ酸塩が乾燥基準で約0.2ポンド〜約1.0ポンドである請求項1記載の方法。
【請求項6】
ペプタイザが、無機ポリリン酸塩ペプタイザを含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
ペプタイザが、ピロリン酸テトラナトリウム塩を含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
パルプに合成層状ケイ酸塩を水性分散体で添加し、かつその分散体に無機ポリリン酸塩ペプタイザを、前記分散体が所定の時間ゾル状態を維持するのに充分な量を含有させる請求項1記載の方法。
【請求項9】
水性分散体に合成層状ケイ酸塩を約10重量%までの量を含有させる請求項5記載の方法。
【請求項10】
カチオン性ポリマーが存在し、それが合成窒素含有カチオン性ポリマーを含む請求項1記載の方法。
【請求項11】
カチオン性ポリマーが存在し、それがカチオン性ポリアクリルアミドおよびその共重合体、およびカチオン性ジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよびその共重合体からなる群の1種以上を含む請求項1記載の方法。
【請求項12】
カチオン性ポリマーが存在し、パルプにそれを添加するに当たり、パルプの乾燥固体重量1トンに対してそれが乾燥基準で少なくとも約0.01ポンドである請求項1記載の方法。
【請求項13】
カチオン性ポリマーが存在し、パルプにそれを添加するに当たり、パルプの乾燥固体重量1トンに対してそれが乾燥基準で約0.1ポンド〜約5ポンドである請求項1記載の方法。
【請求項14】
カチオン性ポリマーが存在し、パルプにそれを添加するに当たり、パルプの乾燥固体重量1トンに対してそれが乾燥基準で約0.2ポンド〜約2ポンドである請求項1記載の方法。
【請求項15】
さらに、パルプを1以上の剪断段階において剪断し、その最終高剪断段階でパルプをスクリーンに通し、次に製紙装置のヘッドボックスに送ることを含む請求項1記載の方法。
【請求項16】
最終高剪断段階の前にポリマーをパルプに添加し、最終高剪断段階の後に合成層状ケイ酸塩をパルプに添加する請求項15記載の方法
【請求項17】
最終高剪断段階の前に合成層状ケイ酸塩をパルプに添加し、最終高剪断段階の後にポリマーをパルプに添加する請求項15記載の方法。
【請求項18】
請求項1記載の方法により製造される紙または板紙。
【請求項19】
合成層状ケイ酸塩の供給部と、製紙用パルプの供給部と、合成層状ケイ酸塩を合成層状ケイ酸塩の供給部から製紙用パルプの供給部へ送り込む機器と、歩留まりシステムポリマーの供給部と、歩留まりシステムポリマーを歩留まりシステムポリマーの供給部から製紙用パルプへ送り込む機器と、合成層状ケイ酸塩および歩留まりシステムポリマーでの処理後に、パルプを紙または板紙に形成する機器と、を含む製紙装置であって、歩留まりシステムポリマーは、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーまたはカチオン性条件下の両性ポリマー、またはこれらの混合物であり、合成層状ケイ酸塩は、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムを含みかつ製紙用パルプに供給される場合には無機ポリリン酸塩ペプタイザも含む水性分散体の状態である製紙装置。
【請求項20】
パルプを形成する機器が、処理されたパルプの供給部に連通する混合室と、混合室に連通するファンポンプと、ファンポンプに連通するスクリーンと、スクリーンに連通するヘッドボックスとを含む請求項19記載の装置。
【請求項21】
パルプの供給を保持するために供給タンクが備えられ、供給タンクと混合室との間の通路に、混合室に入る前にパルプを精製する精製装置が含まれる請求項20記載の装置。
【請求項22】
さらに白水サイロを含み、該白水サイロに、混合室と連通する入り口と、ヘッドボックスと連通する入り口と、ファンポンプと連通する出口とがある請求項20記載の装置。
【請求項23】
さらに、ヘッドボックス内でパルプに形成される前にパルプを精製する1以上の精製機を含む請求項22記載の装置。
【請求項24】
排水ペーパーウェブから製造される紙または板紙であって、該ペーパーウェブが処理されたパルプを含み、該処理されたパルプが、セルロース系繊維と、合成含水ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムと、少なくとも1種の歩留まりシステムポリマーと、無機ポリリン酸塩ペプタイザとを含み、該歩留まりシステムポリマーが、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーまたはカチオン性条件下の両性ポリマー、またはこれらの混合物を含む紙または板紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−518897(P2007−518897A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551351(P2006−551351)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/002120
【国際公開番号】WO2005/071160
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(590003238)バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッド (18)
【氏名又は名称原語表記】BUCKMAN LABORATORIES INTERNATIONAL INCORPORATED
【Fターム(参考)】