説明

製紙用シーム付きフェルト

【課題】織機上で抄紙機上の経糸となる打ち込み糸の折り返しにより両方の耳部で端部接合用のループが形成されるように基布を製織する場合に、厚さ方向に斜めに傾いた状態に形成されたループの形態を容易に修正して、接合作業の作業性を向上させることができるようにする。
【解決手段】織機上で抄紙機上の経糸5・6となる打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する一端1a側のループ際部において、ループ13を形成する1対の経糸が互いに独立した織物層La2・La3を構成し、また経糸3・4となる打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する他端1b側のループ際部において、ループ12を形成する1対の経糸3・4が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織機上で抄紙機上の経糸となる打ち込み糸の折り返しにより両方の耳部で端部接合用のループが形成されるように製織された基布を有する製紙用シーム付きフェルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
抄紙機への掛け入れ作業性を向上させるため、有端のフェルトをフェルトランに引き込んだ上でその両端部を互いに接合して無端とする、いわゆるシーム付きフェルトが広く普及している。この種のシーム付きフェルトでは、基布を構成する経糸を厚さ方向に折り返して丈方向の両端部にループを形成し、その両端部のループを互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わせて形成された共通孔に芯線を通すことで、両端部を接合するようにした構成が一般的である。
【0003】
このようなシーム付きフェルトの基布は、織機上において、抄紙機上の経糸を打込み糸とし、抄紙機上の緯糸を整経糸として、耳部での打ち込み糸の折り返しにより端部接合用のループが形成されるように製織すれば良いが、このとき、一方の耳部では打ち込み糸が厚さ方向に対して真直に折り返されるのに対して、他方の耳部では次の位置に打ち込み糸を通すために打ち込み糸が厚さ方向に対して斜めに折り返され、この打ち込み糸が斜めに折り返される耳部では、ループが厚さ方向に斜めに傾いた状態に形成され、このループの傾きは、両端部のループをかみ合わせる作業を面倒にして、接合作業の作業性を低下させる大きな原因となる。
【0004】
そこで、打ち込み糸が真直に折り返される耳部でのみ端部接合用のループが形成されるように袋織りで製織して、ループが厚さ方向に対して真直に形成されるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2791773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、厚さ方向に重なり合う4本の経糸による経糸4重構造をなす基布では、袋織りで製織しようとすると、打ち込み糸が8重となり、整経糸の本数が非常に多くなることから、一般的な織機での製織が難しくなり、このために両方の耳部でそれぞれ端部接合用のループを形成する平板織りを採用するしかなく、前記従来の技術を採用することができない問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、織機上で抄紙機上の経糸となる打ち込み糸の折り返しにより両方の耳部で端部接合用のループが形成されるように基布を製織する場合に、厚さ方向に斜めに傾いた状態に形成されたループの形態を容易に修正して、接合作業の作業性を向上させることができるように構成された製紙用シーム付きフェルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、織機上で抄紙機上の経糸となる打ち込み糸の折り返しにより両方の耳部で端部接合用のループが形成されるように製織された基布を有する製紙用シーム付きフェルトにおいて、前記基布が、少なくとも織機上で打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する側のループ際部において、前記ループから所要の丈方向長に渡って、そのループを形成する1対の経糸が互いに独立した織物層を構成するようにしたものとした。
【0008】
これによると、打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する側のループ際部において、ループを形成する1対の経糸が互いに独立した織物層を構成し、その織物層相互のずれが許容されるため、製織工程でループが厚さ方向に斜めに傾いた状態に形成されても、熱セットなどの後工程でループの傾きを真直に修正することが可能になり、接合作業の作業性を向上させることができる。
【0009】
前記製紙用シーム付きフェルトにおいては、請求項2に示すとおり、前記基布が、厚さ方向に重なり合う4本の経糸による経糸4重構造をなし、前記ループ際部において、前記ループを形成する1対の経糸の各々が、1重織構造の織物層を構成するものとすることができる。
【0010】
この場合、別のループを形成する経糸が構成する織物層と互いに分離独立した状態となるため、2つのループ列を互いに大きく引き離すことが可能になり、また幅方向に並んだ複数のループの形状を均一化させることができるため、ループをかみ合わせて芯線を通す接合作業及び抄紙機への掛け入れ作業の作業性を向上させることができる。
【0011】
前記製紙用シーム付きフェルトにおいては、請求項3に示すとおり、前記基布が、厚さ方向に重なり合う4本の経糸による経糸4重構造をなし、前記ループ際部において、前記ループを形成する1対の経糸の一方が、1重織構造の織物層を構成し、前記1対の経糸の他方が、別のループを形成する経糸と共に多重織構造の織物層を構成するものとすることができる。
【0012】
前記製紙用シーム付きフェルトにおいては、請求項4に示すとおり、前記基布が、厚さ方向に重なり合う2本の経糸による経糸2重構造をなし、前記ループ際部において、前記ループを形成する1対の経糸の各々が、1重織構造の織物層を構成するものとすることができる。
【0013】
前記製紙用シーム付きフェルトにおいては、請求項5に示すとおり、前記ループの直近に、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなる追加緯糸が織り込まれたものとすることができる。これによると、ループの基部の締め付けが緩和されるため、ループの形態をより一層適正化することができる。
【0014】
また、経糸に対する追加緯糸の絡合形態を工夫することで、斜めに傾いたループの形態を適正化したり、あるいはループの厚さ方向の位置を適正化して、幅方向に並んだ複数のループを1直線上に整列させることも可能であり、これによりループをかみ合わせて芯線を通す接合作業及び抄紙機への掛け入れ作業の作業性を向上させることができる。さらに追加緯糸は、不織繊維層の形成繊維との絡み付きが良いことから、この追加緯糸によりループの近傍の不織繊維層が強固に保持されるため、シームマークを抑制することができる。
【0015】
この場合、追加緯糸は、少なくとも織機上で打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する側のループ際部においては、ループを形成する1対の経糸の各々による織物層相互の独立性を阻害しない、すなわち織物層相互のずれが許容されるように織り込む必要があり、特にループの形態を適正化する上では、平織りなどの1重織で織り込むようにすると良い。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する側のループ際部において、ループを形成する1対の経糸が互いに独立した織物層を構成し、その織物層相互のずれが許容されるため、製織工程でループが厚さ方向に斜めに傾いた状態に形成されても、熱セットなどの後工程でループの傾きを真直に修正することが可能になり、接合作業の作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明によるシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図である。このシーム付きフェルトは、基布1に不織繊維層2を積層一体化してなるものであり、基布1は、織機上での第1の打込み糸で形成される第1・第2の経糸3・4と、第2の打込み糸で形成される第3・第4の経糸5・6とを有し、この4本の経糸3〜6が厚さ方向に重ねて設けられた経糸4重構造の織物組織をなしている。
【0019】
この基布1では、第1〜第4の経糸3〜6のうちの製紙面8側(上側)の第1・第2の経糸3・4となる第1の打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ11・12が形成され、また、製紙面8と相反する走行面9側(下側)の第3・第4の経糸5・6となる第2の打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ13・14が形成されており、これらのループ11〜14は、フェルトの幅方向に多数配列されてループ列を構成し、接合相手となるループ11〜14と互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わされ、これにより形成された共通孔に接合用芯線15・16が幅方向に挿通されてフェルトの両端部が接合される。
【0020】
基布1の地部においては、上側の1対の経糸3・4による第1の織物層Lc1と、下側の1対の経糸5・6による第2の織物層Lc2とが重なり合う2層構造となっている。第1の織物層Lc1では、経糸3・4の双方に緯糸18aを絡合させた2重織部と、2本の経糸3・4の各々に絡合する緯糸18bが厚さ方向に重なり合って1重織を重ね合わせた状態となる1重織重合部とからなる単位組織の繰り返しで構成された複合構造となっており、第2の織物層Lc2も第1の織物層Lc1と同様に緯糸18c・18dにより2重織部と1重織重合部とによる複合構造となっている。また第2・第3の経糸4・5に絡合して第1・第2の織物層Lc1・Lc2を結合する緯糸(接結糸)18eが所定の間隔で織り込まれている。
【0021】
基布1の一端1a側のループ際部においては、上側のループ11を形成する1対の経糸3・4の双方に緯糸18fを絡合させた2重織構造の第1の織物層La1と、下側のループ13を形成する1対の経糸5・6の各々に緯糸18h・18gを絡合させた1重織構造の第2・第3の織物層La2・La3とが重なり合う3層構造となっている。
【0022】
一方、他端1b側のループ際部においては、上側のループ12を形成する1対の経糸3・4の各々に緯糸18i・18jを絡合させた1重織構造の第1・第2の織物層Lb1・Lb2と、下側のループ14を形成する経糸5・6の双方に緯糸18gを絡合させた2重織構造の第3の織物層Lb3とが重なり合う3層構造となっている。
【0023】
経糸3〜6は、ポリアミドなどの高強度な合成樹脂材料からなるモノフィラメント糸であり、これと同様に緯糸18a〜18kも、ポリアミドなどの高強度な合成樹脂材料からなるモノフィラメント糸である。
【0024】
また、ループ11〜14の直近には、多数のフィラメントを束ねたマルチフィラメント糸からなる緯糸19が織り込まれており、この緯糸19により、ループ11〜14の基部の締め付けを緩和して、ループ11〜14の形態を適正化することができる。
【0025】
なお、この緯糸19は、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなるものであれば良く、マルチフィラメント糸の他に、ステープルを紡いで得られる紡績糸や、マルチフィラメント糸と紡績糸との撚糸、マルチフィラメント糸及び紡績糸の少なくともいずれかと他の糸との撚糸なども可能である。
【0026】
図2は、図1に示した基布1の製織の要領を示す模式図である。ここでは、抄紙機上の第1〜第4の経糸3〜6が織機上で打込み糸となり、抄紙機上の緯糸18a〜18k及び緯糸19が織機上で経糸(整経糸)となっており、ループ形成用芯材21・22に打込み糸を絡めてループ11〜14を形成しながら基布1が織り上げられる。
【0027】
ループ11〜14は織機上の耳部23・24の双方で形成され、この耳部23・24において、第1・第2の経糸3・4となる第1の打ち込み糸をループ形成用芯材21・22に引っ掛けて折り返すことでループ11・12が形成され、同じく第3・第4の経糸5・6となる第2の打ち込み糸をループ形成用芯材21・22に引っ掛けて折り返すことでループ13・14が形成される。
【0028】
ここで、第1・第2の経糸3・4となる第1の打ち込み糸は、一方の耳部23側で厚さ方向に真直に折り返されてループ11を形成するのに対して、他方の耳部24側では厚さ方向に対して斜めに折り返されてループ12を形成し、この斜めの折り返しで形成されるループ12の近傍のループ際部では、図1に示したように、ループ12を形成する1対の経糸3・4が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成し、この織物層Lb1・Lb2が互いにずれることでループ12の傾きが修正される。
【0029】
また、第3・第4の経糸5・6となる第2の打ち込み糸は、耳部24側で厚さ方向に真直に折り返されてループ14を形成するのに対して、耳部23側では厚さ方向に対して斜めに折り返されてループ13を形成し、この斜めの折り返しで形成されるループ13の近傍のループ際部では、図1に示したように、ループ13を形成する1対の経糸5・6が互いに独立した織物層La2・La3を構成し、この織物層La2・La3が互いにずれることでループ13の傾きが修正される。
【0030】
このようにループ際部において、ループを形成する1対の経糸が互いに独立した織物層を構成する領域は、ループから所要の丈方向長に渡って設けられ、例えば5mm〜10cm、好ましくは1cm〜3cmとすると良い。
【0031】
また、図1に示したように、ループ11〜14の直近に織り込まれる緯糸19は、第1〜第4の経糸3〜6の各々に絡合して1重織構造を構成し、4本の緯糸19による4層構造となっているが、この他の形態も可能である。この場合、少なくとも織機上で打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する側のループ際部においては、ループを形成する1対の経糸の各々による織物層相互の独立性を阻害しない、すなわち織物層相互のずれが許容されるように織り込む必要があり、特にループの形態を適正化する上では、平織りなどの1重織で織り込むようにすると良い。
【0032】
図3・図4・図5は、図1に示した基布1におけるループ際部の構造の例を示す模式図である。
【0033】
図3(A)に示す例では、図1の例と同様に、一端1a側のループ際部において、上側のループ11を形成する1対の経糸3・4の双方に緯糸31aを絡合させた2重織構造の第1の織物層La1と、下側のループ13を形成する1対の経糸5・6の各々に緯糸31b・31cを絡合させた1重織構造の第2・第3の織物層La2・La3とが重なり合う3層構造となっている。
【0034】
一方、他端1b側のループ際部においては、上側のループ12を形成する1対の経糸3・4の各々に緯糸31d・31eを絡合させた1重織構造の第1・第2の織物層Lb1・Lb2と、下側のループ14を形成する1対の経糸5・6の双方に緯糸31fを絡合させた2重織構造の第3の織物層Lb3とが重なり合う3層構造となっている。
【0035】
この構成では、他端1b側のループ際部において上側のループ12を形成する経糸3・4が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成するため、上側の打ち込み糸が他端1b側で斜めに折り返されるように製織すれば、ループ12の傾きを修正することができる。また一端1a側のループ際部において下側のループ13を形成する経糸5・6が互いに独立した織物層La2・La3を構成するため、下側の打ち込み糸が一端1a側で斜めに折り返されるように製織すれば、ループ13の傾きを修正することができる。
【0036】
図3(B)に示す例では、一端1a側のループ際部において、上下のループ11・13を形成する経糸3〜6の各々に緯糸31g〜31jを絡合させた1重織構造の織物層La1〜La4が重なり合う4層構造となっている。
【0037】
一方、他端1b側のループ際部は、一端1a側のループ際部と同一の組織構造であり、上下のループ12・14を形成する経糸3〜6の各々に緯糸31k〜31nを絡合させた1重織構造の織物層Lb1〜Lb4が重なり合う4層構造となっている。
【0038】
この構成では、一端1a側のループ際部において上下のループ11・13を形成する経糸3〜6が互いに独立した織物層La1〜La4を構成し、また他端1b側のループ際部において上下のループ12・14を形成する経糸3〜6が互いに独立した織物層Lb1〜Lb4を構成する。このため、製織時にいずれの位置で打ち込み糸が斜めに折り返されるように製織しても、ループ11〜14の傾きを修正することができる。
【0039】
特にこの構成では、一端1a側及び他端1b側のループ際部の構造が同一となることから、シーム部の特性を均一化する上で有効である。
【0040】
図3(C)に示す例では、一端1a側のループ際部において、上側のループ11を形成する1対の経糸3・4の双方に緯糸31oを絡合させた2重織構造の第1の織物層La1と、下側のループ13を形成する1対の経糸5・6の双方に緯糸31pを絡合させた2重織構造の第2の織物層La2とが重なり合う2層構造となっている。
【0041】
一方、他端1b側のループ際部は、図3(B)の例と同一の組織構造であり、上下のループ12・14を形成する経糸3〜6の各々に緯糸31k〜31nを絡合させた1重織構造の織物層Lb1〜Lb4が重なり合う4層構造となっている。
【0042】
この構成では、他端1b側のループ際部においてループ12・14を形成する経糸3〜6が互いに独立した織物層Lb1〜Lb4を構成する。このため、製織時に上下の打ち込み糸のいずれも他端1b側で斜めに折り返されるように製織すれば、ループ12・14の傾きを修正することができる。
【0043】
図4に示す例では、一端1a側のループ際部において、上側のループ11を形成する1対の経糸3・4の各々に緯糸31q・31rを絡合させた1重織構造の第1・第2の織物層La1・La2と、下側のループ13を形成する1対の経糸5・6の双方に緯糸31sを絡合させた2重織構造の第3の織物層La3とが重なり合う3層構造となっている。
【0044】
一方、他端1b側のループ際部は、図3(B)・(C)の例と同一の組織構造であり、上下のループ12・14を形成する経糸3〜6の各々に緯糸31k〜31nを絡合させた1重織構造の織物層Lb1〜Lb4が重なり合う4層構造となっている。
【0045】
この構成では、他端1b側のループ際部においてループ12・14を形成する経糸3〜6が互いに独立した織物層Lb1〜Lb4を構成するため、製織時に上下の打ち込み糸のいずれも他端1b側で斜めに折り返されるように製織すれば、ループ12・14の傾きを修正することができる。また一端1a側のループ際部においてループ11を形成する経糸3・4が互いに独立した織物層La1・La2を構成するため、上側の打ち込み糸が一端1a側で斜めに折り返されるように製織するようにしても良い。
【0046】
特にこの構成では、少なくとも製紙面側(上側)において一端1a側及び他端1b側のループ際部の構造が同一となることから、シーム部における製紙面側の表面特性を均一化する上で有効である。
【0047】
以上、図3・図4に示した構成では、一端1a側及び他端1b側のループ際部において、上側のループ11・12を形成する経糸3・4が構成する織物層と、下側のループ13・14を形成する経糸5・6が構成する織物層とが互いに分離独立しているため、上側のループ11・12と下側のループ13・14とを互いに大きく引き離すことが可能になり、また幅方向に並んだ複数のループ11〜14の形状を均一化させることができるため、ループ11〜14をかみ合わせて芯線を通す接合作業及び抄紙機への掛け入れ作業の作業性を向上させることができる。
【0048】
図5(A)に示す例では、一端1a側のループ際部において、上側のループ11を形成する第1の経糸3に緯糸51aを絡合させた1重織構造の第1の織物層La1と、上側のループ11を形成する第2の経糸4、及び下側のループ13を形成する第3の経糸5に緯糸51bを絡合させた2重織構造の第2の織物層La2と、下側のループ13を形成する第4の経糸6に緯糸51cを絡合させた1重織構造の第3の織物層La3とが重なり合う3層構造となっている。
【0049】
一方、他端1b側のループ際部は、一端1a側のループ際部と同一の組織構造であり、第1の経糸3に緯糸51dを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lb1と、第2・第3の経糸4・5の双方に緯糸51eを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lb2と、第4の経糸6に緯糸51fを絡合させた1重織構造の第3の織物層Lb3とが重なり合う3層構造となっている。
【0050】
この構成では、一端1a側のループ際部において上側のループ11を形成する1対の経糸3・4が互いに独立した織物層La1・La2を構成し、また下側のループ13を形成する1対の経糸5・6が互いに独立した織物層La2・La3を構成する。また他端1b側のループ際部において上側のループ12を形成する1対の経糸3・4が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成し、また下側のループ14を形成する1対の経糸5・6が互いに独立した織物層Lb2・Lb3を構成する。このため、製織時にいずれの位置で打ち込み糸が斜めに折り返されるように製織しても、ループ11〜14の傾きを修正することができる。
【0051】
特にこの構成では、一端1a側及び他端1b側のループ際部の構造が同一となることから、シーム部の物性を均一化する上で有効である。
【0052】
図5(B)に示す例では、一端1a側のループ際部において、上側のループ11を形成する1対の経糸3・4の各々に緯糸51g・51hを絡合させた1重織構造の第1・第2の織物層La1・La2と、下側のループ13を形成する1対の経糸5・6の双方に緯糸51iを絡合させた2重織構造の第3の織物層La3とが重なり合う3層構造となっている。
【0053】
一方、他端1b側のループ際部は、図5(A)の例と同一の組織構造であり、第1の経糸3に緯糸51dを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lb1と、第2・第3の経糸4・5の双方に緯糸51eを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lb2と、第4の経糸6に緯糸51fを絡合させた1重織構造の第3の織物層Lb3とが重なり合う3層構造となっている。
【0054】
この構成では、他端1b側のループ際部において上側のループ12を形成する1対の経糸3・4が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成し、また下側のループ14を形成する1対の経糸5・6が互いに独立した織物層Lb2・Lb3を構成するため、製織時に上下の打ち込み糸のいずれも他端1b側で斜めに折り返されるように製織すれば、ループ12・14の傾きを修正することができる。また一端1a側のループ際部において上側のループ11を形成する経糸3・4が互いに独立した織物層La1・La2を構成するため、上側の打ち込み糸が一端1a側で斜めに折り返されるように製織するようにしても良い。
【0055】
特にこの構成では、少なくとも製紙面側(上側)において一端1a側及び他端1b側のループ際部の構造が同一となることから、シーム部における製紙面側の表面特性を均一化する上で有効である。
【0056】
図5(C)に示す例では、一端1a側のループ際部において、上側のループ11を形成する1対の経糸3・4の双方に緯糸51jを絡合させた2重織構造の第1の織物層La1と、下側のループ13を形成する1対の経糸5・6の双方に緯糸51kを絡合させた2重織構造の第2の織物層La2とが重なり合う2層構造となっている。
【0057】
一方、他端1b側のループ際部は、図5(A)・(B)の例と同一の組織構造であり、第1の経糸3に緯糸51dを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lb1と、第2・第3の経糸4・5の双方に緯糸51eを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lb2と、第4の経糸6に緯糸51fを絡合させた1重織構造の第3の織物層Lb3とが重なり合う3層構造となっている。
【0058】
この構成では、他端1b側のループ際部において上側のループ12を形成する1対の経糸3・4が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成し、また下側のループ14を形成する1対の経糸5・6が互いに独立した織物層Lb2・Lb3を構成する。このため、製織時に上下の打ち込み糸のいずれも他端1b側で斜めに折り返されるように製織すれば、ループ12・14の傾きを修正することができる。
【0059】
図6・図7・図8・図9は、図1に示した基布1における地部の構造の例を示す模式図である。
【0060】
図6(A)に示す例では、第1〜第4の経糸3〜6の各々に緯糸61a〜61dを絡合させた1重織構造の第1〜第4の織物層Lc1〜Lc4が重なり合う4層構造となっており、内側の第2・第3の経糸4・5に絡合して第2・第3の織物層Lc2・Lc3を相互に結合する緯糸(接結糸)61eが所定の間隔で織り込まれている。
【0061】
この構成では、織物層Lc1〜Lc4が互いに分離することがないため、ループ際部における図3〜図5の各例のいずれと組み合わせることも可能であるが、例えば基本的な組織が同一となる図3(B)の構成と組み合わせると、基布全体の物性を均一化する上で有効である。
【0062】
図6(B)に示す例では、図6(A)の例と同様に、第1〜第4の経糸3〜6の各々に緯糸61f〜61iを絡合させた1重織構造の第1〜第4の織物層Lc1〜Lc4が重なり合う4層構造となっており、特にここでは、第1・第2の経糸3・4に絡合して第1・第2の織物層Lc1・Lc2を結合する緯糸(接結糸)61jと、第3・第4の経糸5・6に絡合して第3・第4の織物層Lc3・Lc4を結合する緯糸(接結糸)61kとが所定の間隔で織り込まれている。さらに地部とループ際部との境界位置に、第2・第3の経糸4・5に絡合して第2・第3の織物層Lc2・Lc3を結合する緯糸(接結糸)61l・61mが織り込まれている。
【0063】
この構成では、図6(A)の例と同様に、ループ際部において基本的な組織構造が同一となる図3(B)の構成と組み合わせると良い。
【0064】
また図6の各例では、1重織構造の織物層Lc1〜Lc4による4層構造となるため、基布の空隙率を高める上で有効である。
【0065】
図7(A)に示す例では、第1の経糸3に緯糸71を絡合させた1重織構造の第1の織物層Lc1と、第2の経糸4に緯糸71bを絡合させた1重織構造の第2の織物層Lc2と、第3・第4の経糸5・6の双方に緯糸71cを絡合させた2重織構造の第3の織物層Lc3とが重なり合う3層構造となっている。
【0066】
この構成では、経糸3・4が繋がっているため、第1の織物層Lc1と第2の織物層Lc2とが互いに分離することはないが、この第1・第2の織物層Lc1・Lc2と第3の織物層Lc3とは分離可能である。このため、図5(A)の例のように、ループ際部において経糸4・5に絡合する緯糸を備えた構成と組み合わせると良い。
【0067】
図7(B)に示す例では、図7(A)の例と同様に、第1の経糸3に緯糸71dを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lc1と、第2の経糸4に緯糸71eを絡合させた1重織構造の第2の織物層Lc2と、第3・第4の経糸5・6の双方に緯糸71fを絡合させた2重織構造の第3の織物層Lc3とが重なり合う3層構造となっており、特にここでは内側の第2・第3の経糸4・5に絡合して第2・第3の織物層Lc2・Lc3を結合する緯糸(接結糸)71gが所定の間隔で織り込まれている。
【0068】
この構成では、図7(A)の例のように、織物層Lc1〜Lc3が互いに分離することがないため、ループ際部における図3〜図5の各例のいずれと組み合わせることも可能であるが、例えば製紙面側(上側)における組織が同一となる図3(B)、図4、図5(A)・(B)の各例と組み合わせると、製紙面側の表面特性を均一化する上で有効である。
【0069】
図7(C)に示す例では、図7(A)・(B)の例と同様に、第1の経糸3に緯糸71hを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lc1と、第2の経糸4に緯糸71iを絡合させた1重織構造の第2の織物層Lc2と、第3・第4の経糸5・6の双方に緯糸71jを絡合させた2重織構造の第3の織物層Lc3とが重なり合う3層構造となっており、特にここでは第1・第2の経糸3・4に絡合して第1・第2の織物層Lc1・Lc2を結合する緯糸(接結糸)71kが所定の間隔で織り込まれている。さらに地部とループ際部との境界位置に、第2・第3の経糸4・5に絡合して第2・第3の織物層Lc2・Lc3を結合する緯糸(接結糸)71l・71mが織り込まれている。
【0070】
この構成では、図7(B)の例と同様に、織物層Lc1〜Lc3が互いに分離することがないため、ループ際部における図3〜図5の各例のいずれと組み合わせることも可能であり、例えば図3(B)、図4、図5(A)・(B)の各例と組み合わせると良い。
【0071】
図8(A)に示す例では、第1・第2の経糸3・4の双方に緯糸81aを絡合させた2重織構造の第1の織物層Lc1と、第3・第4の経糸5・6の双方に緯糸81bを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lc2とが重なり合う2層構造となっている。
【0072】
この構成では、第1の織物層Lc1と第2の織物層Lc2とが分離可能であるため、図5(A)の例のように、ループ際部において経糸4・5に絡合する緯糸を備えた構成と組み合わせると良い。
【0073】
図8(B)に示す例では、図8(A)の例と同様に、第1・第2の経糸3・4の双方に緯糸81cを絡合させた2重織構造の第1の織物層Lc1と、第3・第4の経糸5・6の双方に緯糸81dを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lc2とが重なり合う2層構造となっており、特にここでは第2・第3の経糸4・5に絡合して第1・第2の織物層Lc1・Lc2を結合する緯糸(接結糸)81eが所定の間隔で織り込まれている。
【0074】
この構成では、図8(A)の例のように、第1の織物層Lc1と第2の織物層Lc2とが分離することがないため、ループ際部における図3〜図5の各例のいずれと組み合わせることも可能である。
【0075】
図9(A)に示す例では、第1の経糸3に緯糸91aを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lc1と、第2・第3の経糸4・5の双方に緯糸91bを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lc2と、第4の経糸6に緯糸91cを絡合させた1重織構造の第3の織物層Lc3とが重なり合う3層構造となっている。
【0076】
この構成では、織物層Lc1〜Lc3が互いに分離することがないため、ループ際部における図3〜図5の各例のいずれと組み合わせることも可能であるが、例えば全体的な組織が同一となる図5(A)の構成や、製紙面側(上側)における組織が同一となる図3(B)の構成と組み合わせると良い。
【0077】
図9(B)に示す例では、図9(A)の例と同様に、第1の経糸3に緯糸91dを絡合させた1重織構造の第1の織物層Lc1と、第2・第3の経糸4・5の双方に緯糸91eを絡合させた2重織構造の第2の織物層Lc2と、第4の経糸6に緯糸91fを絡合させた1重織構造の第3の織物層Lc3とが重なり合う3層構造となっており、特にここでは第1・第2の経糸3・4に絡合して第1・第2の織物層Lc1・Lc2を結合する緯糸(接結糸)91gと、第3・第4の経糸5・6に絡合して第2・第3の織物層Lc2・Lc3を結合する緯糸(接結糸)91hとが所定の間隔で織り込まれている。
【0078】
この構成では、図9(A)の例と同様に、ループ際部における図3〜図5の各例のいずれと組み合わせることも可能であり、例えばループ際部における図5(A)の例や、図3(B)の例と組み合わせると良い。
【0079】
図10は、本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。このシーム付きフェルトは、基布101に不織繊維層102を積層一体化してなるものであり、基布101は、織機上での打込み糸で形成される第1・第2の経糸103・104を有し、この2本の経糸103・104が厚さ方向に重ねて設けられた経糸2重構造の織物組織をなしている。
【0080】
この基布101では、経糸3・4となる打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ105・106が形成されており、このループ105・106を交互にかみ合わせ、これにより形成された共通孔に接合用芯線107を挿通することでフェルトの両端部が接合される。
【0081】
基布101の地部においては、経糸103・104の双方に緯糸108aを絡合させた2重織部と、2本の経糸103・104の各々に絡合する緯糸108bが厚さ方向に重なり合って1重織を重ね合わせた状態となる1重織重合部とからなる単位組織の繰り返しで構成された複合構造の織物層Lcの1層構造となっている。
【0082】
基布101の一端101a側のループ際部においては、経糸103・104の双方に緯糸108cを絡合させた2重織構造の織物層Laの1層構造となっている。一方、他端101b側のループ際部においては、経糸103・104の各々に緯糸108d・108eを絡合させた1重織構造の第1・第2の織物層Lb1・Lb2が重なり合う2層構造となっている。
【0083】
図11は、図10に示した基布101の製織の要領を示す模式図である。ここでは、抄紙機上の第1・第2の経糸103・104が織機上で打込み糸となり、抄紙機上の緯糸108a〜108e及び緯糸19が織機上で経糸(整経糸)となっている。ループ105・106は織機上の耳部113・114の各々で形成され、この耳部113・114において、第1・第2の経糸103・104となる打ち込み糸をループ形成用芯材111・112に引っ掛けて折り返すことでループ105・106が形成される。
【0084】
ここで、経糸103・104となる打ち込み糸は、一方の耳部113側で厚さ方向に真直に折り返されてループ105を形成するのに対して、他方の耳部114側では厚さ方向に対して斜めに折り返されてループ106を形成し、この斜めの折り返しで形成されるループ106の近傍のループ際部では、図10に示したように、ループ106を形成する1対の経糸103・104が互いに独立した織物層Lb1・Lb2を構成し、この織物層Lb1・Lb2が互いにずれることでループ106の傾きが修正される。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明にかかる製紙用シーム付きフェルトは、織機上で抄紙機上の経糸となる打ち込み糸の折り返しにより両方の耳部で端部接合用のループが形成されるように基布を製織した場合に、厚さ方向に斜めに傾いた状態に形成されたループの形態を容易に修正して、接合作業の作業性を向上させることができる効果を有し、抄紙機のプレスパート(圧搾部)で用いられるプレスフェルトや、ドライパート(乾燥部)で用いられるドライヤーフェルトなどとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明によるシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図である。
【図2】図1に示した基布の製織の要領を示す模式図である。
【図3】図1に示した基布におけるループ際部の構造の例を示す模式図である。
【図4】図1に示した基布におけるループ際部の構造の例を示す模式図である。
【図5】図1に示した基布におけるループ際部の構造の例を示す模式図である。
【図6】図1に示した基布における地部の構造の例を示す模式図である。
【図7】図1に示した基布における地部の構造の例を示す模式図である。
【図8】図1に示した基布における地部の構造の例を示す模式図である。
【図9】図1に示した基布における地部の構造の例を示す模式図である。
【図10】本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。
【図11】図10に示した基布の製織の要領を示す模式図である。
【符号の説明】
【0087】
1 基布、1a 一端、1b 他端
2 不織繊維層
3〜6 経糸
8 製紙面
9 走行面
11〜14 ループ
15・16 接合用芯線
18a〜18k 緯糸
19 緯糸
21・22 ループ形成用芯材
23・24 耳部
31a〜31s、51a〜51k、61a〜61m、71a〜71m、81a〜81e、91a〜91h 緯糸
101 基布、101a 一端、101b 他端
102 不織繊維層
103・104 経糸
105・106 ループ
107 接合用芯線
108a〜108e 緯糸
111・112 ループ形成用芯材
113・114 耳部
La、La1、La2、La3、La4、Lb1、Lb2、Lb3、Lc、Lc1、Lc2、Lc3、Lc4 織物層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織機上で抄紙機上の経糸となる打ち込み糸の折り返しにより両方の耳部で端部接合用のループが形成されるように製織された基布を有する製紙用シーム付きフェルトであって、
前記基布が、少なくとも織機上で打ち込み糸が斜めに折り返される耳部に対応する側のループ際部において、前記ループから所要の丈方向長に渡って、そのループを形成する1対の経糸が互いに独立した織物層を構成するようにしたことを特徴とする製紙用シーム付きフェルト。
【請求項2】
前記基布が、厚さ方向に重なり合う4本の経糸による経糸4重構造をなし、前記ループ際部において、前記ループを形成する1対の経糸の各々が、1重織構造の織物層を構成することを特徴とする請求項1に記載の製紙用シーム付きフェルト。
【請求項3】
前記基布が、厚さ方向に重なり合う4本の経糸による経糸4重構造をなし、前記ループ際部において、前記ループを形成する1対の経糸の一方が、1重織構造の織物層を構成し、前記1対の経糸の他方が、別のループを形成する経糸と共に多重織構造の織物層を構成することを特徴とする請求項1に記載の製紙用シーム付きフェルト。
【請求項4】
前記基布が、厚さ方向に重なり合う2本の経糸による経糸2重構造をなし、前記ループ際部において、前記ループを形成する1対の経糸の各々が、1重織構造の織物層を構成することを特徴とする請求項1に記載の製紙用シーム付きフェルト。
【請求項5】
前記ループの直近に、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなる追加緯糸が織り込まれたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の製紙用シーム付きフェルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−280647(P2008−280647A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126590(P2007−126590)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000229852)日本フエルト株式会社 (55)
【Fターム(参考)】