説明

製紙用織物糸及び製紙用織物

【課題】 耐摩耗性及び剛性が向上され、更には強度が高く、製紙用織物の形態安定性を向上された製紙用織物糸及び製紙用織物を提供する。
【解決手段】 本製紙用織物糸は、無機質フィラーと母材樹脂とを含有する製紙用織物糸において、無機質フィラーとして、炭化チタンフィラー及びホウ酸アルミニウムウィスカーのうちの少なくとも炭化チタンフィラーを含有し、母材樹脂として、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの一方を含有する。本製紙用織物1は、本製紙用織物1を構成する織物糸の少なくとも一部が本発明の製紙用織物糸であり、更には、本発明の製紙用織物糸は最下層緯糸21の少なくとも一部に用いられていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製紙用織物糸及び製紙用織物に関する。更に詳しくは、耐摩耗性及び剛性が向上され、更には強度が高く、製紙用織物の形態安定性を向上させることができる製紙用織物糸及びこの製紙用織物糸を用いた製紙用織物に関する。
【背景技術】
【0002】
製紙過程において使用される製紙用織物は、例えば、無端ベルト状で使用され、各種ロール等の間を高速周廻される。このため、製紙用織物の最下層側表面(製紙用フォーミングワイヤーの最下層で外部に露出している面)が摩耗し、製紙用織物の寿命低下を引き起こす。近年、製紙用織物を使用する装置は、高速化及び大型化が進んでおり、これらの製紙用織物の交換を要する回数、及び交換に要する時間並びに手間等が、生産効率に及ぼす影響は大きくなっており、より高い耐久性が求められている。更に、近年、中性抄紙が普及拡大されている。中性妙紙は、無機質原料としてクレーが用いられる酸性抄紙と異なり、炭酸カルシウムが用いられ、抄紙の際の製紙用織物の最下層側表面の緯糸の摩耗が著しく大きくなるという問題がある。
【0003】
この耐久性向上の対策として、織物構成繊維の線径を太くすることが考えられるが、製紙用織物の構造が変わり、得られる製品の品質に影響を与えることとなる。即ち、例えば、線径を大きくすると織物の厚さが大きくなり、水持ちが多くなり、抄造における弊害が懸念され、十分な解決策とはなり難い。また、材質自体が耐摩耗性に優れているナイロンモノフィラメント等の単独ポリアミド繊維を用いた場合は製紙用織物の剛性が低下するという問題がある。
【0004】
かかる観点において、製紙用織物の耐摩耗性を向上させるべく、無機質微粒子を含有する剛性プラスチック糸である抄紙用ワイヤー(下記特許文献1)、特定のポリアミドと珪酸塩層からなる被覆部により芯部を部分的に被覆している複合繊維(下記特許文献2)、ポリアミドを含む樹脂に対して所定量の層状珪酸塩を含有させたポリアミド系樹脂組成物から得られるモノフィラメントを裏緯糸として用いた製紙用フォーミングワイヤー(下記特許文献3)、本発明者による無機物質ウィスカー含有ポリアミド繊維及び同様なポリエステル繊維を用いた製紙用フォーミングワイヤー(特許文献4)等が知られている。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−250292号公報
【特許文献2】特開2000−273722号公報
【特許文献3】特開平7−331589号公報
【特許文献4】特開2003−227086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、今日の抄紙機の高速化による生産効率向上の要請にも応え得る、更に優れた耐摩耗性、剛性を備え、強度的に優れた製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物の開発が求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性及び剛性が向上され、更には強度が高く、製紙用織物の形態安定性を向上された製紙用織物糸及び製紙用織物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記目的を達成するべく、製紙用織物糸及び製紙用織物について鋭意検討した結果、炭化チタンフィラーが含有される樹脂繊維が優れた性能を発揮できることを知見した。特に炭化チタンフィラーと、ホウ酸アルミニウムウィスカー及び/又は珪酸カルシウムウィスカーとが併用される場合には、少量の炭化チタンフィラーであっても、その含有により極めて特異な性能が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、以下に示す通りである。
(1)無機質フィラーと母材樹脂とを含有する製紙用織物糸において、
上記無機質フィラーとして、炭化チタンフィラー及びホウ酸アルミニウムウィスカーのうちの少なくとも炭化チタンフィラーを含有し、
上記母材樹脂として、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの一方を含有することを特徴とする製紙用織物糸。
(2)上記ホウ酸アルミニウムウィスカーは、アスペクト比が5〜35である上記(1)に記載の製紙用織物糸。
(3)上記無機質フィラーの含有量は、本製紙用織物糸100質量%に対して10質量%以下である上記(1)又は(2)に記載の製紙用織物糸。
(4)上記炭化チタンフィラーの含有量は、上記無機質フィラー100質量%に対して5〜60質量%である上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸。
(5)本製紙用織物を構成する織物糸の少なくとも一部が、上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸であることを特徴とする製紙用織物。
(6)上記製紙用織物糸が、最下層緯糸の少なくとも一部に用いられている上記(5)に記載の製紙用織物。
(7)製紙用フォーミングワイヤーである上記(5)又は(6)に記載の製紙用織物。
(8)上記製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされている上記(5)乃至(7)のうちのいずれかに記載の製紙用織物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製紙用織物糸によれば、耐摩耗性が向上されると共に、剛性も向上され、更には、製紙用織物において形態の安定性が向上される。
ホウ酸アルミニウムウィスカーのアスペクト比が5〜35である場合は、各ウィスカーと母材樹脂との接合性がよく、各ウィスカーが含有されることによる効果が特に得られる。
無機質フィラーの含有量が製紙用織物糸100質量%に対して10質量%以下である場合は、製紙用織物糸として十分な柔軟性を確保しつつ、耐摩耗性向上及び剛性向上の各効果が特に得られる。
炭化チタンフィラーの含有量が無機質フィラー100質量%に対して5〜60質量%である場合は、特に高い耐摩耗性が得られ、更には初期弾性に特に優れる。
本発明の製紙用織物によれば、耐摩耗性、剛性及び形態安定性に優れる。
本発明の製紙用織物糸が最下層緯糸の少なくとも一部に用いられている場合は、製紙用織物としての機能を十分に確保しながら、耐摩耗性、剛性及び形態安定性に特に優れる。
本製紙用織物が製紙用フォーミングワイヤーである場合は、本製紙用織物によるメリットを特に効果的に発揮させることができる。
製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされている場合は、更に製紙用織物の剛性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明について、以下詳細に説明する。
[1]製紙用織物糸
本発明の製紙用織物糸は、無機質フィラーと母材樹脂とを含有する製紙用織物糸において、上記無機質フィラーは、炭化チタンフィラー及びホウ酸アルミニウムウィスカーのうちの少なくとも炭化チタンフィラーを含有し、上記母材樹脂は、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの少なくとも一方であることを特徴とする。
【0011】
上記「無機質フィラー」としては、炭化チタンフィラー及びホウ酸アルミニウムウィスカーのうちの少なくとも炭化チタンフィラーを含有する。
但し、フィラーは粒子及びウィスカー等を含むものである。即ち、フィラーは粒子であってもよく、ウィスカーであってもよく、これらの混合物であってもよい。従って、上記炭化チタンフィラーは粒子であってもよく、ウィスカーであってもよく、これらの混合物であってもよい。ホウ酸アルミニウムウィスカーはウィスカーである。
このうち粒子は、粒子形状及び/又は無定形状等である。粒子形状は、アスペクト比が5未満であり、略規則的な形状を呈する。例えば、球形、立方体形、直方体形、紡錘形、その他の多角形等が挙げられる。無定型状は、例えば、不規則な形状等であり、アスペクト比の測定ができない形状等である。また、上記ウィスカーの形状は、長さが断面の最大直径の5倍以上の形状である。即ち、アスペクト比が5以上の形状である。ウィスカーは、例えば、針状及び柱状等の形状を呈する。
【0012】
上記「炭化チタンフィラー」は、炭化チタンを主成分とするフィラーである。通常、炭化チタンフィラー全体に対してTiCは70質量%以上(好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%)含有される。炭化チタンフィラーの形状は特に限定されない。
この炭化チタンフィラーの大きさ及び形状は限定されないが、粒子である場合には、平均粒径が0.01〜20μm(より好ましくは0.05〜10μm、更に好ましくは0.1〜5μm)であることが好ましい。
【0013】
更に、炭化チタンフィラーの含有量は特に限定されないが、製紙用織物糸全体に対して10質量%以下(好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.01〜3質量%、通常0.001質量%以上)とすることができる。この炭化チタンフィラーは少量の含有であっても極めて優れた効果を発揮できる。また、特に他のウィスカーとの併用により優れた効果を発揮できる。
【0014】
上記「ホウ酸アルミニウムウィスカー」は、ホウ酸アルミニウム(Al:B=2〜9:1)を主成分とするウィスカーである。通常、ホウ酸アルミニウムウィスカー全体に対してホウ酸アルミニウムは70質量%以上(好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%)含有される。
このホウ酸アルミニウムウィスカーの形状は上記ウィスカーの形状を満たすものであればよく特に限定されないが、例えば、アスペクト比は5〜35(より好ましくは5〜30、更に好ましくは5〜25)が好ましい。更に、ホウ酸アルミニウムウィスカーの大きさは特に限定されないが、平均長さは10〜40μm(より好ましくは10〜35μm、更に好ましくは10〜30μm)が好ましい。また、平均径は上記アスペクト比を満たす範囲において、0.5〜1.2μm(より好ましくは0.5〜1.0μm)が好ましい。上記アスペクト比、平均長さ及び平均径の範囲では、特に剛性、寸法安定性、表面平滑性等に優れる。
【0015】
上記無機質フィラーの含有量は特に限定されないが、本製紙用織物糸100質量に対して10質量%以下(より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、通常0.001質量%以上)であることが好ましい。この範囲とすることにより、製紙用織物糸が脆くなることを防止し、本製紙用織物糸を用いて得られる製紙用織物の耐摩耗性及び剛性(特に初期弾性率)を向上させることができる。
【0016】
また、上記無機質フィラーのなかでも、炭化チタンフィラーの含有量は、上記無機質フィラー100質量%に対して1〜100質量%(好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜90質量%、更に好ましくは5〜85質量%、特に好ましくは5〜60質量%、より特に好ましくは15〜60質量%、とりわけ15〜45質量%)とすることができる。
更に、ホウ酸アルミニウムウィスカーの含有量は、上記無機質フィラー100質量%に対して0〜99質量%(好ましくは10〜99質量%、より好ましくは10〜95質量%、更に好ましくは15〜95質量%、特に好ましくは40〜95質量%)とすることができる。
【0017】
これらのなかでも、炭化チタンフィラー及びホウ酸アルミニウムウィスカーの合計含有量が、無機質フィラー100質量%に対して50〜100質量%(より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%)であり、且つ、炭化チタンフィラーとホウ酸アルミニウムウィスカーとの合計を100質量%とした場合に、炭化チタンフィラーの含有量が5〜60質量%(より好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは15〜30質量%)であることが好ましい。更に、この場合には炭化チタンフィラーは粒子形状、即ち、炭化チタン粒子であることがより好ましい。
【0018】
上記「母材樹脂」は、本製紙用織物糸を構成する樹脂であり、上記無機質フィラーに対して母材(マトリックス)となる樹脂である。この母材樹脂は、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの少なくとも一方である。
上記「ポリアミド系樹脂」は、ポリアミド構造を有する樹脂であり、例えば、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、共重合体又はブレンド物等を用いてもよい。更に、ポリアミド系樹脂に他のモノマーとの共重合体や、他の樹脂とのブレンド物等を用いることができる。例えば、上記ポリアミド系樹脂にポリエーテルを共重合したブロックポリエーテルアミド系樹脂又は上記ポリアミド系樹脂とブロックポリエーテルアミド系樹脂のブレンド物等を用いることができる。ここで、ブロックポリエーテルアミド系樹脂としては、具体的には、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸との重縮合によって得られる両末端にカルボキシル基を有するポリアミドと、末端アミノポリオキシアルキレン、及び脂肪族ジアミン又は脂環族ジアミン、芳香族ジアミンから選ばれるジアミンを重縮合させることによって得られるブロックポリエーテルアミド系樹脂(特公昭63−55535号公報)が例示される。
【0019】
上記「ポリエステル系樹脂」は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルであれば特にその種類に限定はない。例えば、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分及びグリコール成分は各々1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。即ち、具体的には、上記ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができる。これらは単独でもよく、また、これらの共重合体あるいはブレンド物等を用いることができる。更に、ポリエステル系樹脂に他のモノマーとの共重合体や、他の樹脂とのブレンド物等を用いることができる。
【0020】
上記無機質フィラー及び上記母材樹脂の本製紙用織物糸内における含有量は限定されないが、通常、無機質フィラー及び母材樹脂は合計で、製紙用織物糸100質量%に対して25質量%以上(好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上、100質量%であってもよい)含有される。この範囲では、耐摩耗性の向上効果及び剛性の向上効果が特に発揮される。
本製紙用織物糸は、上記無機質フィラー及び上記母材樹脂以外にも他の成分を含有できる。他の成分としては、有機フィラーが挙げられる。有機フィラーとしては、超高分子量(例えば、粘度平均分子量が100万以上、更には200万以上)樹脂粒子等が挙げられる。この樹脂粒子を構成する樹脂の種類は限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリアミド系樹脂(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等の各種ナイロン等)、ポリアセタール系樹脂(ポリオキシメチレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)及びポリウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明の製紙用織物糸の線径は特に限定はないが、例えば、モノフィラメントにおいては100〜450μm(更に200〜450μm、より更に300〜400μm)とすることができる。この範囲では特に高い耐久性及び剛性を得ることができる。また、モノフィラメントにおいては100〜200μm(更には100〜180μm)とすることができる。この範囲では、交絡部が製品に転写されるマークの発生を特に効果的に防止しつつ、十分な耐久性及び剛性を得ることができる。更に、マルチフィラメントを構成する構成糸である場合には10〜50μm(更には10〜40μm)とすることができる。
【0022】
更に、この製紙用織物糸は、そのままで用いてもよいが、少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされていてもよい。コーティングされることで、製紙用織物の剛性を高めることができる。この熱硬化性樹脂の種類は特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂及びフェノール系樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。この製紙用織物糸をコーティングする方法については特に限定はないが、例えば、製紙用織物糸に対して溶液状又はエマルジョン状の熱硬化性樹脂を塗布(噴霧、刷毛塗り、ロールコート及び含浸等を含む)することでコーティングすることができる。
【0023】
この製紙用織物糸の製造方法は特に限定されず、上記構成であればどのようにして得られたものであってもよいが、例えば、溶融させた母材樹脂に、無機質フィラーを配合し、混練して得られた混練物を紡糸して得ることができる。上記配合する際に、ウィスカー形状の無機質フィラーは、無機質ウィスカーが集合して束状になった集合体を用いることができる。ばらばらに個別化された無機質ウィスカーを練り込むと、無機質ウィスカーが抵抗となって母材樹脂全体に分散させることが困難な場合がある。この場合、無機質ウィスカーの集合体を用いると、練り込む際のせん断力によりこの集合体がほぐされて母材樹脂全体にうまく分散させることができる。
【0024】
また、延伸を行う際には、延伸前に予め上記無機質ウィスカーを配向させておくことにより、延伸時に無機質ウィスカーが回転することを抑制でき、紡糸後のマトリックスとの剥離を抑制できる。この結果、耐摩耗性を著しく向上させることができる。この配向は、例えば、母材樹脂の粘度を下げて流動性を高くすることで得ることができる。また、混練は公知の混練機、例えば二軸混練機で行うことができる。また、上記無機質ウィスカーの分散性の改善のため、有機又は無機アミノ系界面活性剤等の表面処理剤等を用いることができる。
【0025】
[2]製紙用織物
本発明の製紙用織物は、本製紙用織物を構成する製紙用織物糸の一部が本発明の製紙用織物糸であることを特徴とする。
上記「製紙用織物を構成する製紙用織物糸」は、製紙用織物を構成する緯糸及び経糸等であり、これらが組まれて(織られて)製紙用織物を構成している。この製紙用織物糸の形態は限定されず、例えば、モノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよく、スパンヤーンであってもよい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちではモノフィラメント及び/又はマルチフィラメントが好ましい。更に、各織物糸は、捲縮加工や嵩高加工等を施した加工糸(テクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーン等)であってもよく、非加工糸であってもよく、マルチフィラメントにおいては加工糸と非加工糸との併用糸であってもよい。また、本製紙用織物糸以外の糸は合成繊維であってもよく、天然繊維であってもよく、これらの複合繊維であってもよい。
【0026】
上記「一部」は、上記製紙用織物を構成する製紙用織物糸の一部、及び/又は上記製紙用織物糸がマルチフィラメントである場合にはマルチフィラメント構成糸の一部、を表す。従って、例えば、モノフィラメントのみから構成された製紙用織物においては、モノフィラメントのうちの少なくとも一部(少なくともいずれかのモノフィラメント)が本製紙用織物糸であることを表す。また、マルチフィラメントのみから構成された製紙用織物においては、各マルチフィラメントのうちの少なくとも一部(少なくともいずれかのモノフィラメント)が本製紙用織物糸であることを表すと共に、各マルチフィラメントを構成する構成糸の少なくとも一部(少なくともいずれかの構成糸)が本製紙用織物糸であることを表す。尚、マルチフィラメントは、通常700本以下(好ましくは200〜700本、更に好ましくは200〜500本)の構成糸からなる。
【0027】
本発明の製紙用織物の構成は特に限定されない。即ち、例えば、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。また、本発明の製紙用織物では、製紙用織物のどの部位に上記製紙用織物糸が用いられていてもよいが、特に、最下層緯糸及び最下層経糸のうちの少なくとも一部として用いることが好ましい。即ち、例えば、最下層緯糸及び最下層経糸の各々一部を上記製紙用織物糸とし残りの糸は他の繊維を用いてもよい。更に、最下層緯糸及び最下層経糸の各々全部を上記製紙用織物糸とすることもできる。更には、本発明の製紙用織物では最下層緯糸のうちの少なくとも一部として用いることがより好ましい。即ち、例えば、最下層緯糸の一部を上記製紙用織物糸とし、残りの最下層経糸は他の繊維を用いてもよい。更に、最下層経糸の全部を上記製紙用織物糸とすることもできる。即ち、例えば、図1に示すように、製紙用織物1が最上層緯糸21と最下層緯糸22と経糸3とを有する場合には、最下層緯糸22の一部又は全部として用いることがより好ましい。
【0028】
本発明の上記製紙用織物糸の耐摩耗性の向上は、製紙用織物を構成する糸のうちの一部に用いるだけであってもその効果が十分に発揮される。即ち、最下層緯糸及び/又は最下層経糸の少なくとも一部として用いることができる。これらのうちでは、最下層緯糸の少なくとも一部として用いることが好ましい。最下層は製紙用織物の寿命に大きく影響するためである。この最下層の製紙用織物糸の損傷を抑制することで、製紙用織物全体の寿命延長を効率よく実現できる。尚、最下層とは、製紙用織物において、経糸と緯糸で構成される織物層のうち、ロール等に接することが多い側の層、即ち、湿紙等を載置する層である最上層の反対側の層を意味する。
【0029】
上記その他の最下層緯糸及びその他の最下層経糸、並びに、その他の部位に用いられる緯糸及び経糸は特に限定されず種々のものを用いることができる。即ち、例えば、ポリエステルフィラメント、ナイロンフィラメント(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等)等のポリアミドフィラメントなどが挙げられる。この場合、上記経糸や緯糸は、単一材質で構成されているものの他、経糸又は緯糸ごとに材質が異なる2種以上の材質で構成されているものとすることができる。これらの繊維は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】
本発明の製紙用織物は、製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされたものとすることができる。この製紙用織物には、前述のように、熱硬化性樹脂をコーティングした製紙用織物糸を用いて得られた製紙用織物であってもよく、また、製紙用織物糸(コーティングされていなくてもよく、コーティングされていてもよい)を織り込んで製紙用織物とした後、この製紙用織物に熱硬化性樹脂をコーティングした製紙用織物も含まれる。即ち、例えば、液状の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂溶液、熱硬化性樹脂が分散されて含有された熱硬化性樹脂含有エマルジョン等を製紙用織物に塗布(噴霧、刷毛塗り、ロールコート及び含浸等を含む)してコーティングされた製紙用織物である。更に、製紙用織物糸を最下層緯糸として織り込んだ製紙用織物の表面に溶液状又はエマルジョン状の熱硬化性樹脂を塗布し、その後、自然乾燥又はロールドライヤー等による加熱乾燥を行うことによりコーティングを行うこともできる。
【0031】
この製紙用織物糸を織り込んだ製紙用織物をコーティングする方法によれば、ナックル部等、経糸と緯糸の接触する部分をもコーティングすることができる。このため経糸と緯糸とが樹脂で固められて織成状態を安定化できる。
また、コーティングに用いる熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む液体等は、粘度が過度に高いと、製紙用織物の目詰まりを生じて脱水効率が低下する等の問題を生じることがあるため粘度の低い液体(即ち、熱硬化性樹脂の含有量が少ない液体等)を用いることが好ましい。必要に応じてコーティングは複数回に分けて行うこともできる。
【0032】
本発明の製紙用織物としては、例えば、製紙用フォーミングワイヤー、織り生地、編み生地、フエルト生地、コンベアベルト、製紙用プレスフエルト及び繋ぎ合わせプレスフエルト、製紙用ドライヤーキャンバス等が挙げられる。これらのなかでも、特に製紙用フォーミングワイヤーとして用いると本製紙用織物の効能が特に効果的に得られる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の製紙用織物糸及び製紙用織物について更に具体的に説明する。
[1]製紙用織物糸
(1)製紙用織物糸の製造
母材樹脂として6ナイロン樹脂(ユニチカ株式会社製、品名「M1040」)、無機質ウィスカーとしてホウ酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業株式会社製、品名「アルボレックス」、組成9Al・2B、平均長さ10〜30μm、平均径0.5〜1.0μm)、及び、炭化チタンフィラー{Pacific Particulate Materials社製、品名「TiC−FineParticles」、平均粒径(FSSS径)1.2〜1.6μm}を用いた。
溶融させた母材樹脂に対して、ホウ酸アルミニウムウィスカーと炭化チタンフィラーとの配合比(質量比)が下記表1及び表2に示す比となるように無機質フィラーを添加し、二軸混練機により混練し、次いで延伸して、線径350μmの製紙用織物糸(実施例1〜4及び比較例1)を製造した。
【0034】
(2)製紙用織物糸の評価
上記(1)で得られた各製紙用織物糸の各々について、強伸度試験と、潤滑摩耗試験とを行った。この結果を表1及び表2に示した。
上記強伸度試験は、強伸度試験器(東洋精機工業株式会社製、装置名「ストログラフ(STROGRAPH)VB−10」)を用い、チャック間距離を200mmとし、試験速度を100mm/分として、2.5%、5.0%、7.5%、10.0%の各伸張率において測定を行った。更に、完全に切断された時の切断伸度を計測し、表1に示した。また、その結果をグラフに表し図2に示した。
上記潤滑摩耗試験は、長さ65cmに切断した実施例1〜4及び比較例1の各製紙用織物糸を試験片として、摩耗試験機により切断に至るまでのカウント数を計測した。この摩耗試験機は、粒度320の研磨紙(NCA社製、品名「WATER+PRO OF PAPER A955R」)を表面に巻いたドラムを備える。また、試験片の一端を固定し他端に12.5gの荷重を掛けて固定し、pH7の水を試験片に散水しながら、試験片の中央部が研磨紙により摺動されるようにドラムを回転させるものである。ドラムは回転速度500rpmで回転させ、試験片が完全に切断するまでのカウント数(ドラムが1回転した時を1カウントとする)を計測した。この測定は各10回行った。その結果を表2に示した。また、その結果をグラフに表し図3に示した。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
(3)製紙用織物糸に対する実施例の効果
上記表1及び図2の結果から、炭化チタンフィラーを含有しない比較例1に対して、炭化チタンフィラーを含有する実施例1〜4の製紙用織物糸はいずれも高い強伸度を有することが分かる。特に実施例4の炭化チタンフィラーを25質量%含有する糸、及び実施例3の炭化チタンフィラーを50質量%含有する糸は、各々特異的に高い強伸度を有していることが分かる。即ち、炭化チタンフィラーのみを含有する実施例1及び炭化チタンフィラーを75質量%含有する実施例2に対しても高い強伸度を有していることが分かる。更に、比較例1に対する切断時伸びは、実施例1で110%、実施例2で120%、実施例3で113%、実施例4で105%といずれも向上されていることが分かる。この結果から、比較例1に比べて実施例1〜4はいずれも初期弾性率が高く、更には、高い伸び率を有することを示す。なかでも、実施例3及び実施例4はこれらの特性に優れている。即ち、実施例1〜4はいずれも優れた剛性を有し、特に実施例3及び実施例4が優れていることが分かる。
【0038】
上記表2及び図3の結果から、比較例1は平均2882回転で切断されているのに対して、炭化チタンフィラーのみを含有する実施例1の切断時平均回転数は3828回転であり、比較例1に対して33%高い値を示している。また、炭化チタンフィラーの含有量が75質量%である実施例2では、切断時平均回転数は4500回転であり、比較例1に対して56%高い値を示している。更に、炭化チタンフィラーの含有量が50質量%である実施例3では、切断時平均回転数は4549回転であり、比較例1に対して58%高い値を示している。また、炭化チタンフィラーの含有量が25質量%である実施例4では、切断時平均回転数は4791回転であり、比較例1に対して66%高い値を示している。即ち、全ての実施例において比較例1を超える耐摩耗性を有していることが分かる。特に炭化チタンフィラーの含有量は25%において最も高い耐摩耗性を示している。
【0039】
上記表1、表2、図2及び図3の結果より、本製紙用織物糸は、炭化チタンフィラーを含有することで、耐摩耗性を及び剛性のいずれもの性質が向上されることがわかる。特に意外にも、炭化チタンフィラーのみからなる場合に比べて、より少ない含有量において優れた性質を示すことが分かる。即ち、上記実施例においては、炭化チタンフィラーの含有量が25質量%である実施例4が最も優れた性能を発揮していることが分かる。
【0040】
[2]製紙用織物
(1)製紙用織物の製造
経糸として線径220μmのポリエチレンテレフタレートを用い、最上層緯糸として線径250μmのポリエチレンテレフタレートを用い、最下層緯糸として線径350μmのポリエチレンテレフタレートと上記実施例4の製紙用織物糸とを1対1の数量比で用いて二重織構造の製紙用織物(織物1)を製造した。但し、経糸本数は100本/2.54cm、最上層緯糸本数は35本/2.54cm、最下層緯糸本数は35本/2.54cm{このうちの半数が実施例4の製紙用織物糸である}とした。
一方、上記織物1に用いた実施例4の製紙用織物糸に換えて、上記[1]で得られた比較例1の製紙用織物糸を同様に用いた二重織構造の製紙用織物(織物2)を製造した。
【0041】
(2)製紙用織物の評価(耐摩耗性試験)
上記織物1(発明品)及び上記織物2(比較品)を用いて耐摩耗性試験を行った。この結果を表3及び図4に示した。耐摩耗性試験は、幅2cm、長さ65cmに切断した織物1及び織物2の各製紙用織物を試験片として、上記[1](2)と同じ摩耗試験機により切断に至るまでのカウント数を計測した。但し、試験片(織物1及び織物2)の他端には350gの荷重を掛けた。
【0042】
(3)製紙用織物の評価(曲げ剛性試験)
経糸として線径270μmのポリエチレンテレフタレートを用い、緯糸として線径350μmのポリエチレンテレフタレートと上記実施例4の製紙用織物糸とを1対1の数量比で用いて一重織(3/1クズシ)構造の製紙用織物(織物3)を製造した。但し、経糸本数は54本/2.54cm、緯糸本数は43本/2.54cm{このうちの半数が実施例4の製紙用織物糸である}とした。一方、上記織物3に用いた実施例4の製紙用織物糸に換えて、上記[1]で得られた比較例1の製紙用織物糸を同様に用いた一重織(3/1クズシ)構造の製紙用織物(織物4)を製造した。
上記織物3(発明品)及び上記織物4(比較品)を用いて曲げ剛性試験を行った。この結果を表4及び図5に示した。曲げ剛性試験は、幅5cm、長さ10cmに切断した織物3及び織物4の各製紙用織物を試験片として、曲げ剛性試験機(カトーテック株式会社製、形式「KES−FB2型」)を用いて測定した。
【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
(4)製紙用織物に対する実施例の効果
上記表3より、ホウ酸アルミニウムウィスカーのみが含有される製紙用織物糸(比較例1)を用いた織物2は、1回目の測定ではドラム回転数が2633回で、2回目の測定ではドラム回転数が2956回で、各々切断された。これに対してホウ酸アルミニウムウィスカーと炭化チタンフィラーとを共に含有する製紙用織物糸(実施例4)を用いた織物1では、2回の測定のいずれにおいてもドラム回転数3000回においても切断されなかった。また、ドラム回転数3000回転後においても、織物1の厚みは、1回目が0.510mm、2回目が0.522mm、各々残存されており(平均0.516mm)、更なる耐摩耗が可能な状態である。表3をグラフ化した図4からは、ドラム回転数1000回時の織物2の織物厚さは、織物1においてはドラム回転数2500〜3000回における織物厚さに相当していることが分かる。即ち、ドラム回転数からみれば倍以上の耐摩耗性が得られていることが分かる。また、特にドラム回転数1000回までの間での耐久性が織物2に比べて織物1は優れていることが分かる。即ち、最下層緯糸の半数という織物全体からすれば僅かな使用本数にもかかわらず、優れた耐摩耗性の向上効果が認められる。
【0046】
また、上記表4より、使用前の曲げ剛性は織物4に比べて織物3で、縦方向が約15%向上されている。また、横方向は約111%と大幅に向上されていることが分かる。織物厚さが0.47mmまで摩耗された際にも、曲げ剛性は織物4に比べて織物3で、縦方向が約15%向上されている。また、横方向は約112%と大幅に向上されていることが分かる。このことは、表4をグラフ化した図5においても分かる。即ち、図5より織物3の曲げ剛性は、特に横方向で大幅に向上され、織物4の縦方向の曲げ剛性に迫る程度にまで向上されていることが分かる。また、摩耗過程では常時、織物4の曲げ剛性を上回る結果が得られている。即ち、最下層緯糸の半数という織物全体からすれば僅かな使用本数にもかかわらず、優れた曲げ剛性の向上効果が認められ、その効果は特に横方向で大きいことが分かる。
【0047】
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更した実施例とすることができる。例えば、本発明の製紙用フォーミングワイヤーにおいて、経糸及び緯糸の線径については特に限定はなく、網厚が必要以上に厚くならないようにして、適度な空隙量を有する構造となるように選別し、組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の製紙用織物繊維及び製紙用織物は製紙分野において広く用いられる。特に、製紙用フォーミングワイヤー、織り生地、編み生地、フエルト生地、コンベアベルト、製紙用プレスフエルト及び繋ぎ合わせプレスフエルト、製紙用ドライヤーキャンバス等として利用される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本製紙用織物の縦断面模式図である。
【図2】表1の強伸度をグラフ化した説明図である。
【図3】表2の潤滑摩耗試験における切断時カウント数をグラフ化した説明図である。
【図4】表3の耐摩耗性をグラフ化した説明図である。
【図5】表4の曲げ剛性をグラフ化した説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1;製紙用織物、21;最上層緯糸、22;最下層緯糸、3;経糸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機質フィラーと母材樹脂とを含有する製紙用織物糸において、
上記無機質フィラーとして、炭化チタンフィラー及びホウ酸アルミニウムウィスカーのうちの少なくとも炭化チタンフィラーを含有し、
上記母材樹脂として、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂のうちの一方を含有することを特徴とする製紙用織物糸。
【請求項2】
上記ホウ酸アルミニウムウィスカーは、アスペクト比が5〜35である請求項1に記載の製紙用織物糸。
【請求項3】
上記無機質フィラーの含有量は、本製紙用織物糸100質量%に対して10質量%以下である請求項1又は2に記載の製紙用織物糸。
【請求項4】
上記炭化チタンフィラーの含有量は、上記無機質フィラー100質量%に対して5〜60質量%である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸。
【請求項5】
本製紙用織物を構成する織物糸の少なくとも一部が、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸であることを特徴とする製紙用織物。
【請求項6】
上記製紙用織物糸が、最下層緯糸の少なくとも一部に用いられている請求項5に記載の製紙用織物。
【請求項7】
製紙用フォーミングワイヤーである請求項5又は6に記載の製紙用織物。
【請求項8】
上記製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされている請求項5乃至7のうちのいずれかに記載の製紙用織物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−16337(P2007−16337A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197900(P2005−197900)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000229852)日本フエルト株式会社 (55)
【Fターム(参考)】