説明

製袋包装機

【課題】包材を連続的に搬送しながらガセットを形成する場合でも、見栄えの良いガセットを形成することができる製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機3では、折り込み部材18a,18bの押部は、中央板18aa,18ba、第1傾斜板18ab,18bb、及び第2傾斜板18ac,18bcそれぞれの端面によって3つの線状の面を成している。この押部が角筒状フィルムFmの外側からスプレッター13c間のガセットG形成予定部分に押し当ったとき、ガセットG形成予定部分は中央板18aa,18ba、第1傾斜板18ab,18bb、及び第2傾斜板18ac,18bcそれぞれの端面に張り付き、ガセットG形成予定部分が立体的に押される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に製袋を行う製袋包装機、特に、袋の両側部にガセット(折り込み部分)を形成するためのガセット形成機構を備えた製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
袋を製造しながら袋の内部にスナック菓子などの被包装物を充填して製袋包装する装置として、製袋包装機が広く普及している。例えば、ピロー包装機と呼ばれる縦型の製袋包装機は、シート状のフィルムである包材をフォーマおよびチューブによって筒状に成形し、その包材の重ねられた縦の縁を縦シール機構によって熱溶着して筒状包材とする。さらに、この製袋包装機は、筒状包材の内部にチューブから被包装物を充填し、チューブ下方の横シール機構によって袋の上端部と後続の袋の下端部とにまたがって熱溶着する。
【0003】
また、このような製袋包装機の中には、袋の両側部となる位置にガセット(折り込み部分)を形成しながら製袋処理を行うものがある。例えば、特許文献1(特開平7−156908号公報)に開示されている縦型の製袋充填包装機は、間欠搬送される包材に対して左右一対のガセット板を抜き差し駆動することによって、袋の側部にガセットを形成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の製袋包装機では、包材を連続的に搬送しながらガセットを形成する場合、包材の搬送に伴って変化するガセット形成予定部分の形状にガセット板が適応しきれておらず、ガセット形成予定部分に弛みが生じ、見栄えの悪いガセットが形成される可能性が高い。
【0005】
本発明の課題は、包材を連続的に搬送しながらガセットを形成する場合でも、見栄えの良いガセットを形成することができる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る製袋包装機は、ガセットの形成を伴う製袋を連続的に行う製袋包装機であって、搬送部と、複数のスプレッターと、折り込み部材とを備えている。搬送部は、筒状包材を搬送する。スプレッターは、筒状包材の搬送方向に沿って延びその筒状包材に内側から当たる。折り込み部材は、ガセットの形状に合わせた立体形状面あるいは複数の線状の面を成す押部を有しており、その押部を筒状包材の外側からスプレッター間に位置する筒状包材のガセット形成予定部分の外面に押し当ててガセットを形成する。
【0007】
この製袋包装機では、押部がガセットの形状に合わせた立体形状面あるいは複数の線状の面を成しているので、筒状包材のガセット形成予定部分の全体に張力が作用するようになる。その結果、ガセット形成予定部分の弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットが形成される。
【0008】
第2発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、複数のスプレッターが筒状包材の4隅を形成している。一般に、筒状包材の4隅はガセット形成時に形状が崩れ易いが、この製袋包装機ではスプレッターが4隅の形状崩れを抑制する。
【0009】
第3発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、押部が3つの線状の面を成している。この製袋包装機では、ガセット形成予定部分が3つの線状の面に張り付いて立体形状を成すので、ガセット形成予定部分の全体に張力が作用するようになる。その結果、弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットが形成される。
【0010】
第4発明に係る製袋包装機は、第1発明に係る製袋包装機であって、第1アクチュエータと第2アクチュエータとをさらに備えている。第1アクチュエータは、押部がガセット形成予定部分に押し当たって離れる第1運動を折り込み部材に行わせる。第2アクチュエータは、第1運動とは別に押部がガセット形成予定部分に押し当たって離れる第2運動を第1運動中の折り込み部材に行わせる。
【0011】
一般に製袋包装機では、袋が大型化するほどガセット形成時の折り込みの深さが増大するが、折り込み部材の移動できる空間は限られているので、折り込みの深さが不十分となり弛みが生じて見栄えの悪いガセットが形成される可能性がある。しかし、この製袋包装機では、第1運動中の折り込み部材がガセット形成予定部分から離れたあとに弛みが生じた場合でも、第2運動によって折り込み部材が再びガセット形成予定部分を折り込むので、折り込みの深さが増大して弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットが形成される。
【0012】
第5発明に係る製袋包装機は、第4発明に係る製袋包装機であって、第2運動が、押部が水平に対して斜め下方に押し出て戻る往復運動である。
【0013】
一般に製袋包装機では、袋が大型化すると、ガセット形成時の折り込みの深さだけでなく長さも増大するが、折り込み部材の移動できる空間は限られているので、折り込みの長さが不十分となり見栄えの悪いガセットが形成される可能性がある。しかし、この製袋包装機では、第1運動中の折り込み部材がガセット形成予定部分から離れたあと、第2運動によって折り込み部材が水平に対して斜め下方に押し出て再びガセット形成予定部分を折り込むことができる。その結果、筒状包材の搬送方向に沿った折り込み量が増大して弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットが形成される。
【0014】
第6発明に係る製袋包装機は、第4発明に係る製袋包装機であって、第1運動が旋回運動である。第2アクチュエータは、第1運動中の折り込み部材の押部がガセット形成予定部分から離れた後、折り込み部材に第2運動を行わせる。
【0015】
この製袋包装機では、折り込み部材の第1運動は旋回運動であるので移動できる空間は一定でそれ以上増大することはなく、第1運動だけでは折り込み部材の折り込み深さ及び長さを増大させることはできない。しかし、第2運動によって折り込み部材が水平に対して斜め下方に押し出ることによって、折り込みの深さ及び長さともに増大する。しかも、折り込み部材がガセット形成予定部分から離れた後で且つガセット形成予定部分が弛み易いときに、折り込み部材が再びガセット形成予定部分を押すことができる。その結果、見栄えの良いガセットが形成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、押部がガセットの形状に合わせた立体形状面あるいは複数の線状の面を成しているので、筒状包材のガセット形成予定部分の全体に張力が作用するようになる。その結果、ガセット形成予定部分の弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を搭載した組合せ計量システムの斜視図。
【図2】製袋包装機の概略斜視図。
【図3】製袋包装機の概略分解斜視図。
【図4】ガセット形成機構の斜視図。
【図5】(a)第1位置に達した折り込み部材の側面図、(b)第2位置に達した折り込み部材の側面図、(c)第3位置に達した折り込み部材の側面図、(d)第4位置に達した折り込み部材の側面図。
【図6】折り込み部材が押し当てられた状態の角筒状フィルムの正面図。
【図7】(a)折り込み部材が図5(a)の位置に達したときの角筒状フィルムの平面図、(b)折り込み部材が図5(b)の位置に達したときの角筒状フィルムの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
<組合せ計量システム10全体の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機を搭載した組合せ計量システムの斜視図である。図1において、組合せ計量システム10は、主として、組合せ計量機2と製袋包装機3とから成る。
【0020】
組合せ計量機2は、製袋包装機3の上部に配置されており、被計量物を計量ホッパにおいて所定重量ずつ計量した後、これらの計量値を所定の合計重量になるように組み合わせ、商品Cとして順次排出する。製袋包装機3は、組合せ計量機2から排出された商品Cを連続的に搬送されるフィルムFを用いて袋詰めする。
【0021】
<製袋包装機3の構成>
製袋包装機3は、製袋包装ユニット5とフィルム供給ユニット6とを含む。フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の成形機構13にシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。
【0022】
図2は製袋包装機の概略斜視図であり、図3は製袋包装機の概略分解斜視図である。図1〜図3において、製袋包装ユニット5は、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構17と、ガセット形成機構18と、制御部40(図1参照)とを備えている。
【0023】
(成形機構13)
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマ13aとを有している。チューブ13bは、角筒形状の部材であり、上下端が開口している。なお、チューブ13bの形状は角筒形状に限定されず、円筒形状あるいは楕円筒形状でもよい。
【0024】
このチューブ13bの上端の開口部には、組合せ計量機2から商品Cが投入される。フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。シート状のフィルムFは、フォーマ13aとチューブ13bとの間を通るときに角筒状に成形される(以後、フィルムFを角筒状フィルムFmとよぶ)。また、成形機構13のチューブ13b及びフォーマ13aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えられる。
【0025】
図3に示すように、チューブ13bの下端の四隅から下方に向けて4つのスプレッター13cが延びている。これらのスプレッター13cは、薄板部材であって、折り込み部材18a,18bが角筒状フィルムFmに押し当たる高さ位置において、チューブ13bの下端の四隅よりも内側に入り込んでいる。また、スプレッター13cは、折り込み部材18a,18bによるガセット形成動作において、角筒状フィルムFmの両側部の四隅部分が必要以上に内側に入り込まないようにサポートする。
【0026】
(プルダウンベルト機構14)
図2に示すように、プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた角筒状フィルムFmを吸着して下方に連続搬送するため、チューブ13bを挟んで左右両側にそれぞれベルト14cを有している。プルダウンベルト機構14は、吸着機能を有するベルト14cを駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回して角筒状フィルムFmを下方に運ぶ。
【0027】
(縦シール機構15)
縦シール機構15は、チューブ13bに巻き付いた角筒状フィルムFmの重なり部分を、一定の圧力でチューブ13bに押しつけながら加熱して縦にシールする。縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に位置し、ヒータ、及び角筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有している。
【0028】
(横シール機構17)
横シール機構17は、成形機構13、プルダウンベルト機構14、および縦シール機構15の下方に配置されている。この横シール機構17は、2つのシールジョー17a,17bをD字状に旋回させながら、角筒状フィルムFmを一対のシールジョー17a,17bで挟み込んで横シール部分を形成する。
【0029】
(ガセット形成機構18)
図4は、ガセット形成機構の斜視図である。図3及び図4において、ガセット形成機構18は、プルダウンベルト機構14と横シール機構17との間に配置されており、一対の折り込み部材18a,18bと、駆動装置180とを有している。なお、折り込み部材18aと折り込み部材18bとは角筒状フィルムFmの鉛直中心線に対して対称に配置され、且つ同様の構成であるので、折り込み部材18aと折り込み部材18bとの間で対応する部品には同じ名称を付し、折り込み部材18bの説明は折り込み部材18aの説明で代用する。
【0030】
図4において、折り込み部材18aは、中央板18aaと第1傾斜板18abと第2傾斜板18acとを有している。第1傾斜板18abは、中央板18aaの下端から斜め上方に延びている。第2傾斜板18acは、中央板18aaを挟んで第1傾斜板18abと反対側に位置し、中央板18aaの下端から斜め上方に延びている。つまり、第1傾斜板18abと第2傾斜板18acとがV字状を成している。その結果、中央板18aa、第1傾斜板18ab、及び第2傾斜板18acそれぞれの端面によって3本の線状の面が形成され、それら3本の線状の面が仮想立体面を形成している。同様に、折り込み部材18bにおいても、中央板18ba、第1傾斜板18bb、及び第2傾斜板18bcそれぞれの端面によって3本の線状の面が形成され、それら3本の線状の面が仮想立体面を形成している。
【0031】
また、第1傾斜板18abと第2傾斜板18acにはバネ性があり、第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18acの先端同士を接近させるような外力が作用したときは、その外力の大きさに応じて第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18acの先端同士の間隔が狭くなる。同様に、折り込み部材18bの第1傾斜板18bb及び第2傾斜板18bcも、外力の大きさに応じて先端同士の間隔が狭くなる。
【0032】
また、中央板18aaは、第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18acよりも角筒状フィルムFm側に突出しており、折り込み部材18aが角筒状フィルムFmに押し当たるとき、中央板18aaが第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18acよりも先に角筒状フィルムFmに接触する。同様に、折り込み部材18bの中央板18baは第1傾斜板18bb及び第2傾斜板18bcよりも先に角筒状フィルムFmに接触する。
【0033】
駆動装置180は、クランク181a,181b、連結棒182a,182b、及びエアシリンダ183a,183bを有している。なお、クランク181a、連結棒182a、及びエアシリンダ183aそれぞれと、クランク181b、連結棒182b、及びエアシリンダ183bそれぞれとは角筒状フィルムFmの鉛直中心線に対して対称に配置され、且つ同様の構成であるので、クランク181b、連結棒182b、及びエアシリンダ183bそれぞれの説明は、クランク181a、連結棒182a、及びエアシリンダ183aそれぞれの説明で代用する。
【0034】
クランク181aは、フレーム180aの回転自在に取り付けられ、サーボモータ(図示せず)によって回転する。連結棒182aは、一端部がクランク181aに連結されており、クランク181aの回転に追従して回転運動する。クランク181bはクランク181aに同期して回転し、連結棒182bはクランク181bの回転に追従して回転運動する。
【0035】
エアシリンダ183aは、連結棒182aの他端部に固定されており、連結棒182aの回転に追従して回転運動する。エアシリンダ183aは、シリンダ部183aaとピストン部183abとを含み、シリンダ部183aaにエアが供給されたときピストン部183abが突出する。エアシリンダ183aは、ピストン部183abが斜め下方へ突出するように、予め傾けて取り付けられている。同様に、エアシリンダ183bもシリンダ部183baとピストン部183bbとを含み、ピストン部183bbが斜め下方へ突出するように、予め傾けて取り付けられており、連結棒182bの回転に追従して回転運動する。
【0036】
折り込み部材18aは、エアシリンダ183aのピストン部183abに取り付けられるので、その動作はピストン部183abの動作に追従する。同様に、折り込み部材18bは、エアシリンダ183bのピストン部183bbに取り付けられるので、その動作はピストン部183bbの動作に追従する。
【0037】
(ガセット形成機構18の動作)
図5(a)〜(d)は、折り込み部材の動作位置ごとに示された折り込み部材の側面図である。ここで、(a)は第1位置に達した折り込み部材の側面図、(b)は第2位置に達した折り込み部材の側面図、(c)は第3位置に達した折り込み部材の側面図、(d)は第4位置に達した折り込み部材の側面図とする。
【0038】
図5(a)において、折り込み部材18aは、クランク181aの回転のみによって角筒状フィルムFmを押すことができる第1位置に達している。第1位置では、折り込み部材18aの端面がクランク181aの鉛直中心線から角筒状フィルムFm側へ水平に距離Xa突き出ており、角筒状フィルムFmの一部には、内側へと折り込まれた部分(ガセットG形成予定部分)が形成される。
【0039】
また、図6は、折り込み部材が押し当てられた状態の角筒状フィルムの正面図である。図6において、実線で描かれた折り込み部材18aは図5(a)の位置に達したときの折り込み部材18aと同じであり、その折り込み深さは、まだ必要な深さ(図6の点線)にまで達していない。それゆえ、ガセットG形成予定部分は弛みが生じ易い状態である。
【0040】
しかしながら、本実施形態の折り込み部材18aは、ガセットG形成予定部分に弛みを生じさせ難い構成となっている。図7(a)は、折り込み部材が図5(a)の位置に達したときの角筒状フィルムの平面図である。図7(a)において、角筒状フィルムFmのガセットG形成予定部分は、中央板18aa、第1傾斜板18ab、及び第2傾斜板18acそれぞれの端面に押されている。例えば、中央板18aaだけがガセットG形成予定部分を押している場合、スプレッター13cと中央板18aaとの間隔が広いため、折り込み深さが浅い段階では張力が作用しない。
【0041】
ところが、折り込み部材18aでは、スプレッター13cと中央板18aaとの間が、第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18bcによって押されるので、スプレッター13cと中央板18aaとの間に張力が作用し弛みが解消される。
【0042】
次に、図5(b)において、折り込み部材18aは、ピストン部183abの動作よって角筒状フィルムFmを押すことができる第2位置に達している。第2位置では、既にクランク181aが折り込み部材18aを角筒状フィルムFmから離す方向に一定量回転しているので、本来なら2点鎖線で示される位置に後退するはずであるが、ピストン部183abが斜め下方に突出しているので、押し込み部材18aの端面がクランク181aの鉛直中心線から角筒状フィルムFm側へ水平に距離Xb突き出ており、角筒状フィルムFmを押している深さは第1位置よりも第2位置の方がXb−Xaだけ大きい。図6において、2点鎖線で描かれた折り込み部材18aは図5(b)の位置に達したときの折り込み部材18aと同じであり、その折り込み深さは必要な深さに達している。
【0043】
図7(b)は、折り込み部材が図5(b)の位置に達したときの角筒状フィルムの平面図である。図7(b)において、角筒状フィルムFmのガセットG形成予定部分は、中央板18aa、第1傾斜板18ab、及び第2傾斜板18acそれぞれの端面に押されている。但し、折り込み深さが増えた分、ガセットG形成予定部分の幅が狭まり第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18bcがガセットG形成予定部分によって圧縮されるので、第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18bcは中央板18aa側に近づく。つまり、折り込み深さに応じて第1傾斜板18ab及び第2傾斜板18bcの上端同士が近接するので、ガセット形成予定部に必要以上の張力が作用せず、角筒状フィルムFmの搬送が妨げられることはない。
【0044】
なお、ピストン部183abが折り込み部材18aを斜め下方に突出させる時点が、クランク181aが折り込み部材18aを角筒状フィルムFmから離す方向に一定量回転した時点に設定されている理由は、第1位置における折り込み部材18aをピストン部183abによって斜め下方に突出させた場合、折り込み深さが過度になり角筒状フィルムFmの搬送を妨げるからである。したがって、ピストン部183abが折り込み部材18aを斜め下方に突出させても、角筒状フィルムFmの搬送を妨げることなく、且つ角筒状フィルムFmを押している深さは第1位置よりも大きくなる時点が設定されている。
【0045】
また、ピストン部183abが折り込み部材18aを斜め下方に突出させるので、折り込み部材18aは角筒状フィルムFmの搬送を妨げないだけでなく、ガセットG形成予定部分を搬送方向に沿ってならす作用があり、ガセットG形成予定部分の搬送方向の弛みが防止される。
【0046】
図5(c)において、折り込み部材18aは、クランク181aの回転よって角筒状フィルムFmから最も離れた第3位置に達している。このとき、ピストン部183abは折り込み部材18aを引き戻しており、ガセットG形成予定部分に完全なガセットGが形成される。
【0047】
図5(d)において、折り込み部材18aは、クランク181aの回転によって角筒状フィルムFmを押しに行く途中であり、且つ鉛直方向に最も高い第4位置に達している。
【0048】
以上のように、折り込み部材18a,18bは、クランク181a,181bの回転に追従して円形軌道に沿って移動しながら、角筒状フィルムFmの左右の側面(ガセットG形成予定部分)を挟み込むようにして角筒状フィルムFmに当接し、角筒状フィルムFmのガセットG形成予定部分を内側へ折り込む。その後、折り込み部材18a,18bは、一旦、角筒状フィルムFmから離れる方向に移動して、再び、角筒状フィルムFmのガセットG形成予定部分を折り込む。その結果、弛みのないガセットGが形成される。
【0049】
(制御部40)
制御部40は、組合せ計量機2の制御および製袋包装機3の制御を行うものであって、CPU、ROM、RAMなどから構成されている。制御部40は、図1に示す操作スイッチ類7やタッチパネル式ディスプレイ8から入力された操作および設定に従って、フィルム供給ユニット6においてフィルムローラ6bを回転させてフィルムFを繰り出させる送出モータ(図示せず)、および製袋包装ユニット5の各機構の駆動部分を制御する。また、制御部40は、組合せ計量機2および製袋包装機3に設置されている各種センサから必要な情報を取り込み、その情報を各種制御において利用する。
【0050】
<製袋包装機3の動作>
シート状のフィルムFは、フィルム供給ユニット6から成形機構13に送られ、フォーマ13aからチューブ13bに巻き付けられて角筒状に成形された後、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。フィルムFは、チューブ13bに巻き付けられたとき、その両端部が周面上で重ね合わせられ、その重ね合わせ部分が縦シール機構15によって縦にシールされる。
【0051】
縦にシールされた角筒状フィルムFmは、チューブ13bを抜けて横シール機構17へと降りていく。また、このときには、商品Cの固まりが組合せ計量機2からチューブ13bを通って落下してくる。そして、ガセット形成機構18でガセットが形成された角筒状フィルムFmは、商品Cが中にある状態で、横シール機構17において、袋Bの上端となる部分およびその袋Bの上部の袋の下端となる部分が、環状の軌跡を描きながら旋回移動する一対のシールジョー17a,17bによって、横に熱シールされる。
【0052】
<製袋包装機3の特徴>
(1)
製袋包装機3では、折り込み部材18a,18bの押部は、中央板18aa,18ba、第1傾斜板18ab,18bb、及び第2傾斜板18ac,18bcそれぞれの端面によって3つの線状の面を成している。押部は、角筒状フィルムFmの外側からスプレッター13c間のガセットG形成予定部分に押し当たる。このとき、ガセットG形成予定部分は中央板18aa,18ba、第1傾斜板18ab,18bb、及び第2傾斜板18ac,18bcそれぞれの端面に張り付き、ガセットG形成予定部分が立体的に押される。その結果、ガセットG形成予定部分の弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットが形成される。
【0053】
(2)
製袋包装機3では、4つのスプレッター13cが筒状包材の4隅を形成して、その4隅の形状崩れを抑制している。
【0054】
(3)
製袋包装機3では、クランク181a,181bは、押部がガセットG形成予定部分に押し当たって離れるための旋回運動を折り込み部材18a,18bに行わせる。また。エアシリンダ183a,183bは、押部が斜め下方に出てガセットG形成予定部分を押して離れるための往復運動を、旋回運動中の折り込み部材18a,18bに行わせる。旋回運動中の折り込み部材18a,18bがガセットG形成予定部分から離れたあとに弛みが生じた場合でも、折り込み部材18a,18bの往復運動によって折り込み部材18a,18bが再びガセットG形成予定部分を折り込むので、折り込みの深さが増大するとともに、筒状包材の搬送方向に沿った折り込み量が増大し、弛みがほぼ解消され、見栄えの良いガセットGが形成される。
【0055】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態に係る製袋包装機3について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。
【0056】
上記実施形態では、折り込み部材18a,18bの押部は、中央板18aa,18ba、第1傾斜板18ab,18bb、及び第2傾斜板18ac,18bcそれぞれの端面によって3つの線状の面を成している。しかし、折り込み部材18a,18bの押部が立体形状面であってもよい。
【0057】
ガセットG形成予定部分が角筒状フィルムFmの搬送方向と垂直な平面でカットされたときの断面形状は、チューブ13bの下端側からシールジョー17a,17b側に近づくほど頂角の小さい2等辺三角形に変化している。そこで、例えば、折り込み部材18a,18bの押部の断面形状がチューブ13bの下端側からシールジョー17a,17b側に近づくほど頂角が小さくなる正三角形または2等辺三角形となるように、折り込み部材18a,18bの押部が立体形状面を成すならば、ガセットGの形成はより正確で容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明は、連続的に包材を搬送しながらガセットを形成する製袋包装機に有用である。
【符号の説明】
【0059】
3 製袋包装機
13c スプレッター
14 プルダウンベルト機構(搬送部)
18a,18b 折り込み部材
18aa,18ba 中央板(押部)
18ab,18bb 第1傾斜板(押部)
18ac,18bc 第2傾斜板(押部)
181a,181b クランク(第1アクチュエータ)
183a,183b エアシリンダ(第2アクチュエータ)
Fm 角筒状フィルム(筒状包材)
G ガセット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開平7−156908号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガセットの形成を伴う製袋を連続的に行う製袋包装機であって、
筒状包材を搬送する搬送部と、
前記筒状包材の搬送方向に沿って延び前記筒状包材に内側から当たる複数のスプレッターと、
前記ガセットの形状に合わせた立体形状面あるいは複数の線状の面を成す押部を有し、前記押部を前記筒状包材の外側から前記スプレッター間に位置する前記筒状包材のガセット形成予定部分の外面に押し当てて前記ガセットを形成する、折り込み部材と、
を備えた、
製袋包装機。
【請求項2】
複数の前記スプレッターが、前記筒状包材の4隅を形成する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記押部は、3つの線状の面を成している、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記押部が前記ガセット形成予定部分に押し当たって離れる第1運動を前記折り込み部材に行わせる第1アクチュエータと、
前記第1運動とは別に前記押部が前記ガセット形成予定部分に押し当たって離れる第2運動を前記第1運動中の前記折り込み部材に行わせる第2アクチュエータと、
をさらに備えた、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記第2運動は、前記押部が水平に対して斜め下方に押し出て戻る往復運動である、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記第1運動は旋回運動であって、
前記第1運動中の折り込み部材の前記押部が前記ガセット形成予定部分から離れた後、前記第2アクチュエータが前記折り込み部材に前記第2運動を行わせる、
請求項4に記載の製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−116436(P2011−116436A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277504(P2009−277504)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】