説明

製造のためのシステムおよび方法

【課題】製造のためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態は、カスタマイズ可能なバイオ分野の製造システムに関し、このシステムは、供給空気を提供するための第1の空気処理システムと、排気空気を処理するための第2の空気処理システムとを有する製造空間を備え、供給空気システムには、必要に応じて、濾過、加熱、冷却および/または加湿の制御の少なくとも1つが提供され、そして、複数の可搬型モジュールが、製造空間内に提供される。少なくとも1つのモジュールは、別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアを有し、そして、各モジュールインテリアは、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上の構成要素を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、米国特許法第119条(e)の下で、2004年2月3日に出願された、米国
仮特許出願第60/541,572号(その全内容は、本明細書中に参考として援用され
る)に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は一般に、製造システムに関し、より具体的には、使い捨ての製造構成要素、自
動化、電子バッチ制御、記録の作製、保存および書類作成を有する、可搬型の環境制御型
製造モジュールを備える、フレキシブルな製造プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ビジネスの世界の公理は、コスト、スピードおよび品質の間で、任意の2つを最大にす
ることにより、第3のものが犠牲になるということである。生物/化学/薬学的な製造も
例外ではない。さらに、バイオ分野における製造(bio−manufacturing
)の重要な要素は、品質である:製品は、適切に作製された場合、生命を救うものであり
、不適切に作製された場合、生命を脅かすものである。
【0004】
臨床治験のための薬物を製造するスピード、および、市場に出すスピードもまた、重要
な要素であり、臨床における画期的な出来事(milestone)は、薬物パイプライ
ンの価値、株式価値、財務、提携、およびライセンス提供の機会に影響を与える。加えて
、薬物開発の高いコストは、産業において関心が高まっているトピックであり、医療費の
上昇についての最大の関心事の一部であるようである。
【0005】
生物薬剤製造の費用の多くは、特定の薬物を製造するための製造基盤を構築するために
必要とされる資本投資によるものであり得る。理想的には、全ての臨床上および商業上の
需要に対応するための製造設備を直ちに利用可能にすることは、薬物の開発速度を大いに
増す。しかし、このようなバイオ分野における製造設備を構築するために必要とされる資
本投資は、高額すぎるものである。これは、特に、薬物を開発パイプラインで待つ間に設
備が遊休している(sit idle)からである。開発の時系列、調剤(dosage
)、市場規模(market size)、臨床における成功および監督機関による認可
が、全て不確実であるので、正確に製造設備を予想することの困難性により、ジレンマが
悪化する。上記の不確実性と、個々の薬物が臨床治験の間に失敗に終わる可能性が高いこ
とに起因して、首尾よい臨床治験および/または監督機関による認可に先立つ、薬物を製
造するための設備へのいかなる投資も、リスクの高い試みである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような費用を減らすために、理想的なバイオ分野における製造設備は、構築に費用
がかからず、新しいプロセスを扱いそして、薬物を早く製造するために、迅速に拡大およ
び再構成することが可能な設備である。さらに、このような製造設備は、薬物製造のため
の現行の優良製造管理(cGMP)(例えば、21 C.F.R.第11章への適合)に
必要とされる高レベルの品質を維持し、そのレベルまで向上することを可能にすることが
有益である。
【0007】
他の製造費用は、例えば、使い捨てでない構成要素の大規模な使用に起因し得る。この
ような構成要素は、毎使用後に清浄されなければならない。さらに、このような構成要素
は高価である。例えば、ステンレス鋼製の容器が、薬物製造プロセスにおいて広範囲にわ
たって使用される。このような容器は、他のユニット動作、媒体および緩衝液の供給、水
、ならびに、定置洗浄(clean−in−place)システムおよび定置蒸気滅菌(
steam−in−place)システムに、ステンレス鋼の配管により接続されなけれ
ばならない。これらの容器およびそれらを支える用役の製造および据付けは、高額であり
、そして、設計および製造にかなりの準備時間を要する。
【0008】
バイオ分野における製造設備が建設され得ることを想定すると、なおさら、得られる設
備は、しばしば、新しいプロセスのために型を変更することが困難であるか、または、複
数の製品を同時に製造するために十分安価に建設され得ない(製造スキームは、エアロッ
クにより隔てられ、清浄なコリダーを通してアクセスされ、そして、専用のHVACユニ
ットにより送達される、数個の平行したひと続きのクリーンルーム内で反復されなければ
ならない)。このような従来の生物薬剤製造システムの一例が、図3に示される。示され
るように、細胞培養プロセス、精製、およびウイルスを一掃した後の処方/充填プロセス
が、全て別個のエリアで提供され、各製造空間の間にはエアロックが提供される。さらに
、各クリーンルームの内側には、手作業が、多量の文書の書類仕事を発生させ、誤りを起
こす多くの機会(many opportunities for error)、長時
間のQAレビュー(long QA review)、および、バッチ解放サイクル(b
atch release cycle)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明の実施形態は、(例えば)生物薬剤を製造するための、フレキシブルでかつ効率
的な製造システム/プラットフォームに関する。本発明は、例えば、従来のスケールの製
造施設(manufacturing suite)(例えば、現在は、薬物もしくは生
物学的な製造プロセスの1つ以上の工程のための制御された環境モジュールで置き換えら
れ得る、別個の環境制御されたクリーンルームを有する施設)において使用される、固定
された発酵および処理のための設備に利用可能である。モジュールの動作は、プロセスの
汚染の代表的な出所(例えば、人員、多目的の設備、および外気)からの隔離を可能にす
る。いくつかの実施形態において、環境制御は、空気流、熱、冷気、湿度および圧力のう
ちの1つ以上を制御するように規定され得る。
【0010】
いくつかの実施形態に従うシステムは、複数の接続されたプロセスモジュール(モジュ
ールトレイン(module train))を用いる、共通した未分類(または分類さ
れた)の製造空間において、複数の製品の同時の生物/化学的な製造を扱うように設計さ
れ得る。未分類の空間を使用する能力は、製造プロセスの1つ以上の工程のためのモジュ
ール内部の環境の統合性および制御に起因する。このような同時の製造活動は、上流およ
び下流の両方の生物学的なプロセス、ならびに、1つ以上の製品のための、バルクの薬物
原料および薬物製品の充填作業の両方を含み得る。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態に従うモジュールは、適切な産業標準の環境基準(例えば
、クラス100、クラス10,000)を保証する、自給自足の製造環境を提供するよう
に設計および条件付けされ得る。モジュールは、製品の製造プロセスにより決定されるよ
うな、任意の順序で接続され得る。従って、(本発明のいくつかの実施形態に従う)生物
薬剤製造のモジュールシステム、ならびに、付属の制御およびモニタリングのシステムは
、上記システムが、より伝統的なプラントのものを上回る、さらなる性能を提供すること
を可能にする。具体的には、システムは、共通した未分類の製造空間において、例えば、
培養物の播種からバルク充填までの複数の製造段階の迅速な再構成および同時の動作を支
援する。
【0012】
さらに、本発明のいくつかの実施形態における使い捨て構成要素の使用は、定置洗浄(
CIP)および定置滅菌(SIP)の作業に対する必要性を排除することにより、より実
用的かつより安価なプラットフォームシステムを可能にし、それによって、流体移動ライ
ン(例えば、蒸気)および対応する必要な操作を最小にする。これらの必要な用役の排除
は、重要である。すなわち、モジュールは、製造作業を支援するために、電力および/ま
たはデータの接続、そして、いくつかの場合においては、気体のみを必要とする。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態はまた、(例えば)中央コントローラ(central
controller)を用いて、製造バッチプロセスのために、集中型および/または
遠隔型の電子によるモニタリング、制御、自動化、ならびにデータ記録の生成および保存
を利用する。プロセスの自動化は、手動による作業の数を減らすために使用され得、その
結果、オペレータによる誤りが減り、上記システムの操作性、効率および/または信頼性
が高まる。
【0014】
バイオ分野の処理(bio−processing)のための設備は、各モジュールの
内側に収容され、そして、代表的には、その内部に、物理的かつ電子的に統合される。例
えば、弁は、モジュールの壁またはモジュールの内枠に取り付けられ得、制御パネルは、
アクセスを簡単にするために、別個にされるか、そして/または、モジュールの外側へと
取り外され得る。モーターおよびドライブのユニットは、アクセスを簡単にするために、
モジュールの外側に配置され得るが、一方で、ポンプヘッド、またはモーター/ポンプ/
ドライブユニットの類似のプロセスの構成要素は、モジュールの内側へと(好ましくは、
密封可能に)入れられる。(環境的または他の方法による)モニタリングのためのセンサ
もまた、モジュールの本体内へと統合され得、そして、中央コントローラと通信して、(
全てではないが)作業の多くのパラメータ(例えば、生育不能な微粒子物および生存して
いる微粒子物)の連続的なオンラインのモニタリングを提供する。
【0015】
上述のように、モジュールおよびモジュールの内側の設備は、中央制御装置(cent
ral control unit)(例えば、ソフトウェアおよびユーザインターフェ
ースを伴うコンピュータシステム)を用いて、制御およびモニターされ得る。この中央制
御装置は、従って、モジュール/モジュールトレイン(すなわち、製造プロセス)のセッ
トアップに使用され得、そして、使い捨てのプロセス構成要素の正確な据付け、モニタリ
ング、自動化、プロセスの制御、および、1つ以上の個々のモジュール、そして、好まし
くは、モジュールトレイン全体(例えば、全製造プロセス)についての電子的なバッチ記
録の作成の確認を可能にする。例えば、特定のモジュールの状態が、容易に識別および追
跡され(例えば、特定のプロセスに割り当てられた、清浄、汚染、進行中など)、そして
、モジュール間およびモジュールの外、ならびに/または、製造設備のエリア内への、プ
ロセスの中間物質および材料の流れもまた、モニタリングされ得る。モニタリングは、1
つ以上のセンサを介して達成され得る。
【0016】
本発明の他の局面は、モジュールの可搬性を含み、これは、システムのフレキシビリテ
ィに寄与する、1つの要因である。モジュールは、認定、セットアップ、動作およびクリ
ーニングのために、ある場所から次の場所へと容易に移動され得る。さらに、各モジュー
ルは、互いに容易に連結されることを可能にするために、接続ポートを備え得る。このこ
とにより、ユニットの作業間、または、コンテナへの材料の容易な移動が可能となり、そ
して、製造空間からモジュール内部、そしてモジュールの外への材料の移動が可能となる
。インテリアへのアクセス、モジュールのドアおよびポートへのアクセスは、1つ以上の
グローブポート(glove port)を含めることにより達成され得、これは、モジ
ュール内の環境を維持する。
【0017】
従って、本発明の1つの実施形態において、カスタマイズ可能な製造システムは、別の
モジュールインテリアと相互接続可能なインテリアを有する少なくとも1つのモジュール
を備え、このモジュールインテリアは、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製
造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上の構成要素
を備える。この少なくとも1つのモジュールは、モジュール内の環境を制御するための、
オンボード環境制御システムと、モジュールインテリアを別のモジュールインテリアと相
互接続するための接続手段と、システムの動作のために、少なくとも、1つ以上の動作お
よび情報収集を実行するように動作させる、中央コントローラとを備える。
【0018】
本発明の別の実施形態において、カスタマイズ可能な生物薬剤製造システムを操作する
ための方法が提供される。このシステムは、別のモジュールインテリアと相互接続可能な
インテリアを有する少なくとも1つのモジュールを備え、このモジュールインテリアは、
生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特
定のタスクを実行するための1つ以上の構成要素を備える。この少なくとも1つのモジュ
ールは、モジュール内の環境を制御するための、オンボード環境制御システムと、モジュ
ールインテリアを別のモジュールインテリアと相互接続するための接続手段と、システム
の動作のために、少なくとも、1つ以上の動作および情報収集を実行するように動作させ
る、中央コントローラとを備える。上記方法は、製造プロセスのための1つ以上の手順を
実行するために、1つ以上のモジュールを各々選択する工程、ならびに、1つ以上のモジ
ュールを中央コントローラに接続する工程の1つ以上を包含し、ここで、中央コントロー
ラは、1つ以上のモジュールのセットアップ、モニタリングおよび制御のうちの少なくと
も1つを実行するように動作する。
【0019】
本発明の別の実施形態において、カスタマイズ可能な生物薬剤製造システムのためのプ
ロセスモジュールは、別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアと、空気入
口と、空気出口と、モジュールと別のモジュールとを相互接続するためのうちの少なくと
も1つの接続ポートと、モジュールのインテリアにアクセスするためのアクセスとを備え
、このプロセスモジュールは、モジュール内の環境を制御するための環境制御モジュール
のうちの少なくとも1つの特定の手順を実行するように動作させる。プロセスモジュール
は、プロセスまたはモジュールの動作のセットアップ、モニタリング、制御、自動化、お
よび電子バッチ記録の管理のうちの少なくとも1つを実行するように動作させる、中央制
御装置と電子的に通信する。
【0020】
本発明のなお別の実施形態において、カスタマイズ可能な製造システムは、1つ以上の
モジュールに供給空気を提供するための第1の空気処理システムと、1つ以上のモジュー
ルからの排気空気を処理するための第2の空気処理システムとを有する製造空間を備え、
この供給空気システムには、必要に応じて、濾過、加熱、冷却および/または加湿の制御
のうちの少なくとも1つが提供される。このシステムはまた、製造空間内に提供された複
数の可搬型モジュールを備え得、ここで、少なくとも1つのモジュールは、別のモジュー
ルインテリアと相互接続可能なインテリアを有し、各モジュールインテリアは、生物学的
、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタス
クを実行するための1つ以上の構成要素を備える。この複数のモジュールのうち少なくと
も1つのモジュールは、モジュール内の環境を制御するための、オンボード環境制御シス
テム、およびこのモジュールインテリアを別のモジュールインテリアと相互接続するため
の接続手段とを備える。このシステムはまた、システムおよび1つ以上のモジュールのう
ちの少なくとも1つの動作のために、少なくとも、1つ以上の動作および情報収集を実行
するように動作させる、中央コントローラを備える。
【0021】
本発明のなお他の実施形態は、個々のモジュールユニット、ならびに、モジュールシス
テムを動作させるための任意の方法を達成するための、コンピュータアプリケーションの
プログラムおよび媒体に関する。従って、本発明のこれらの実施形態および他の実施形態
、目的および利点は、本発明の実施形態の詳細な説明および添付の図1〜11において、
より明瞭となる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
カスタマイズ可能な製造システムであって、以下:
別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアを有する少なくとも1つのモジ
ュールであって、該モジュールインテリアは、生物学的、化学的、および/または、薬学
的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上の構
成要素を備え、該少なくとも1つのモジュールは、以下:
該モジュール内の環境を制御するための、オンボード環境制御システム;
該モジュールインテリアを別のモジュールインテリアと相互接続するための接続手段
;ならびに
該システムの動作のために、少なくとも、1つ以上の動作および情報収集を実行する
ように動作させる、中央コントローラ
を備える、カスタマイズ可能な製造システム。
(項目2)
前記モジュールのインテリアにアクセスするための、アクセスをさらに備える、項目1
に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目3)
前記アクセスが少なくとも1つのグローブポートを備える、項目2に記載のカスタマイ
ズ可能な製造システム。
(項目4)
複数のモジュールをさらに備え、該モジュールのうちの少なくとも1対は相互接続されて
いる、項目1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目5)
前記構成要素のうちの少なくとも一部が使い捨てである、項目1に記載のカスタマイズ
可能な製造システム。
(項目6)
前記環境制御モジュールが、ヒータ、冷却ユニット、および空気処理ユニット、加湿器お
よび除湿器のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のカスタマイズ可能な製造
システム。
(項目7)
前記空気処理ユニットが、空気入口、空気出口および少なくとも1つのファンユニットを
備える、項目6に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目8)
前記空気処理ユニットが、さらに、濾過システムを備える、項目6に記載のカスタマイ
ズ可能な製造システム。
(項目9)
前記空気入口および空気出口の各々が、それぞれの濾過システムを備える、項目7に記
載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目10)
前記接続手段が、少なくとも1つのポートを備える、項目1に記載のカスタマイズ可能
な製造システム。
(項目11)
前記接続手段が、少なくとも1つのモジュールの片側に位置する第1のポートと、該少な
くとも1つのモジュールのもう片側に位置する第2の接続ポートと、接続管とを備える、
項目1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目12)
前記接続管が、前記第1のポートまたは前記第2のポートのいずれか一方と一体になって
いる、項目11に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目13)
専用の空気処理システムを有する製造空間をさらに備える、項目1に記載のカスタマイ
ズ可能な製造システムであって、該空気処理システムは、前記少なくとも1つのモジュー
ルに空気を供給するための第1のダクトと、該少なくとも1つのモジュールからの排気を
集めるための第2のダクトとを備え、該ダクトの各々は、各モジュールのそれぞれの空気
入口および空気排気口の各々のためのシュノーケル接続部を備える、カスタマイズ可能な
製造システム。
(項目14)
前記供給空気および排気空気の流れが、下流モジュールの大半から上流モジュールの大半
へと流れる、項目13に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目15)
1対の相互接続されたモジュールをさらに備え、該1対のモジュールのうち、より下流の
モジュールは、もう一方のモジュールよりも高圧である、項目13に記載のカスタマズ
可能な製造システム。
(項目16)
前記少なくとも1つのモジュール内で、1つ以上の状態および/またはパラメータをモニ
タリングするための1つ以上のセンサをさらに備える、項目1に記載のカスタマイズ可
能な製造システム。
(項目17)
前記1つ以上のセンサが、前記モジュール内への空気流速度、該モジュールから出る空気
流速度、温度、圧力、湿度、および1つ以上の構成要素の接続のうちの少なくとも1つを
モニターする、項目16に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目18)
層流ゾーンをさらに備える、項目1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目19)
前記層流ゾーンが、下向き方向の空気流を含む、項目18に記載のカスタマイズ可能な
製造システム。
(項目20)
前記モジュールが、種子培養拡大モジュール、バイオリアクターモジュール、濾過モジュ
ール、初期回収モジュール、クロマトグラフィーモジュール、大量薬物充填モジュール、
薬物製品充填モジュールからなる群より選択される、項目1に記載のカスタマイズ可能
な製造システム。
(項目21)
前記少なくとも1つのモジュールが、水溜めを備える、項目1に記載のカスタマイズ可
能な製造システム。
(項目22)
前記少なくとも1つのモジュールが、該モジュール内の生育不能な粒子についてのセンサ
を備える、項目16に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
(項目23)
前記少なくとも1つのモジュールが、可搬型である、項目1に記載のカスタマイズ可能
な製造システム。
(項目24)
カスタマイズ可能な生物薬剤製造システムを動作させるための方法であって、該システム
は、別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアを有する少なくとも1つの可
搬型モジュールを備え、該モジュールインテリアは、生物学的、化学的、および/または
、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以
上の構成要素を備え、該少なくとも1つのモジュールは、該モジュール内の環境を制御す
るための、オンボード環境制御システム、該モジュールインテリアを別のモジュールイン
テリアと相互接続するための接続手段、ならびに、該システムの動作のために、少なくと
も、1つ以上の動作および情報収集を実行するように動作させる、中央コントローラ、を
備え、該方法は、以下:
製造プロセスのための1つ以上の手順を実施するために、1つ以上のモジュールを各々
選択する工程;
該1つ以上のモジュールを該中央コントローラに接続する工程であって、該中央コント
ローラは、該1つ以上のモジュールのセットアップ、モニタリングおよび制御のうちの少
なくとも1つを実行するように動作する、工程
を包含する、方法。
(項目25)
複数の選択されたモジュールのインテリアを、プロセスの順序で接続する工程をさらに包
含する、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記接続する工程が、有線接続または無線接続のうちの少なくとも1つを含む、項目2
4に記載の方法。
(項目27)
前記接続する工程が、電気的接続および/またはデータ接続のうちの少なくとも1つを含
む、項目24に記載の方法。
(項目28)
前記動作について特異的なバッチ/ロット番号を処理するために、各モジュールを電子的
に割り当てる工程をさらに包含する、項目24に記載の方法。
(項目29)
それぞれのモジュール内に必要とされる流体を移動させる工程をさらに包含する、項目
24に記載の方法。
(項目30)
原材料および構成要素の移動を電子的に追跡する工程をさらに包含する、項目24に記
載の方法。
(項目31)
使い捨ての構成要素およびプロセス設備の据付けおよび組立てを電子的に確認する工程を
さらに包含する、項目24に記載の方法。
(項目32)
所定の様式で、それぞれのモジュールについて各々それぞれのプロセスを実施する工程を
さらに包含する、項目24に記載の方法。
(項目33)
1つ以上のそれぞれのモジュールから、処理された流体を移動させる工程をさらに包含す
る、項目24に記載の方法。
(項目34)
1つ以上のモジュールの状態を追跡する工程をさらに包含する、項目24に記載の方法

(項目35)
モジュールを解放する工程を包含する、項目24に記載の方法。
(項目36)
カスタマイズ可能な生物薬剤製造システムのための可搬型プロセスモジュールであって、
以下:
別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアであって、該モジュールは、製
造プロセスのうちの少なくとも1つの特定の手順を実行するように動作させる、インテリ
ア;
該モジュール内の環境を制御するための、環境制御モジュール;
空気入口;
空気出口;
該モジュールを別のモジュールと相互接続するためのうちの少なくとも1つの接続ポー
ト;ならびに
該モジュールのインテリアにアクセスするためのアクセスであって、該プロセスモジュ
ールは、該プロセスモジュールの動作のセットアップ、モニタリング、制御、自動化、お
よび、該モジュールについての電子バッチ記録の管理のうちの少なくとも1つを実行する
ように動作させる中央制御装置と電気連絡している、アクセス
を備える、可搬型プロセスモジュール。
(項目37)
カスタマイズ可能な生物薬剤製造システムであって、以下:
供給空気を提供するための第1の空気処理システムと、排気空気を処理するための第2
の空気処理システムとを有する製造空間であって、該供給空気システムには、必要に応じ
て、濾過、加熱、冷却および/または加湿の制御のうちの少なくとも1つが提供される、
製造空間;
該製造空間内に提供される、複数の可搬型モジュールであって、以下:
別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアを有する少なくとも1つのモ
ジュールであって、各モジュールのインテリアは、生物学的、化学的、および/または薬
学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上の
構成要素を備え、該複数のモジュールのうち少なくとも1つのモジュールは、該モジュー
ル内の環境を制御するための、オンボード環境制御システム、および該モジュールインテ
リアを別のモジュールインテリアと相互接続するための接続手段を備える、モジュール;
ならびに
該システムおよび該1つ以上のモジュールのうちの少なくとも1つの動作のために、少
なくとも、1つ以上の動作および情報収集を実行するように動作させる、中央コントロー

を備える、生物薬剤製造システム。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下に、図面の簡単な説明が示される。
【図1A】図1Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う、製造空間および対応するモジュールトレインの透視図を例示する。
【図1B】図1Bは、本発明のいくつかの実施形態に従う、製造空間および対応するモジュールのブロック図を例示する。
【図2】図2は、本発明のいくつかの実施形態に従う、製造空間および対応するモジュールおよびサポートエリア(support area)のブロック図を例示する。
【図3】図3は、従来の製造プラントのブロック図を例示する。
【図4】図4は、本発明のいくつかの実施形態に従う、サポート用役およびモジュールの空気供給源および排気突出パイプへの接続を例示する、製造空間の側面図を例示する。
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態に従う、空気供給源およびモジュールの復原部(return)の部分側面上面図を例示する。
【図6】図6Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う、固定された接続ポートの透視図を例示する。図6Bは、本発明のいくつかの実施形態に従う、フレキシブルな接続ポートの透視図を例示する。
【図7】図7は、本発明のいくつかの実施形態に従う、アクセス手段の透視図を例示する。
【図8】図8Aは、本発明のいくつかの実施形態に従う、層流ゾーンを有するモジュールの上面図を例示する。図8Bは、図8Aに例示された層流ゾーンを有するモジュールの側面図を例示する。
【図9】図9は、本発明のいくつかの実施形態に従う、モジュールトレインおよび中央コントローラの配置のブロック図を例示する。
【図10】図10は、本発明のいくつかの実施形態に従うモジュールについての、認定ライフサイクルを例示するフローチャートである。
【図11】図11は、本発明に従う製造設備のための、製品、プロセスおよび人員の流れを例示する、建築設計図である。
【図12】図12は、本発明のいくつかの実施形態に従う、モジュールのライフサイクルを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態の詳細な説明)
生物薬剤の製造または他のクリーンルーム型の製造プロセスに使用され得る、フレキシ
ブルな製造システム100が図1Aに示される。示されるように、モジュールトレイン(
モジュール102〜118)は、製造空間120内に位置付けられた単一(共通)の製造
プロセス内で互いに連鎖され得、この各々は、好ましくは、製造空間内で空気処理システ
ムとの接続を有する。図1Bは、単一の室内で相互接続された特定のモジュール内に収容
され得る、プロセスの型の概要を例示する。このようなプロセスは、細胞培養(122)
、回収および精製のモジュール(124)、ならびに、ウイルス除去後の処方および充填
のモジュール(126)を含み得る。各モジュールは、1つ以上のシュノーケルを介して
、製造空間内に含まれる空気処理(供給/排気)システムにアクセスし得る。
【0024】
上述のように、共通の製造空間(図2を参照のこと)は、一般に、共通の製造空間に実
験室等級に相当する空気の品質と、制御された室温とを提供する、専用の空気処理システ
ムを備え得る。共通の製造空間はまた、1つ以上のモジュールに供給空気を提供するため
の専用の空気処理システムと、1つ以上のモジュールからの排気空気を処理するための第
2の空気処理システムとを備え得る。モジュールの空気処理システムは、好ましくは、下
流のプロセスのためのモジュールから、上流のプロセスのためのモジュールまでの一方向
流を維持して、より清浄な環境から、より汚染された環境への空気流れを生じる。製造空
間は、実験室等級のビニール床張り材を含む、容易にクリーニング可能な表面を備え得、
そして、好ましくは、適切な管理制御で維持される。
【0025】
示されるように、モジュールの各々はまた、各モジュールが、空間の周囲を容易に移動
し得るように、一組のホイールを備え得る。モジュールを操縦するための他の手段もまた
、記載される実施形態(例えば、トローリーシステム)の範囲内である。図1Aに示され
るように、各モジュールは、頭文字「_OW」(これは、「ホイール上(on whee
l)」(すなわち、モジュールの移動性)を意味する)で指定され得る。従って、モジュ
ールは、SOW(ホイール上の種子培養)、BOW(ホイール上のバイオリアクター)、
PROW(ホイール上の最初の回収)、COW(ホイール上のクロマトグラフィー)、U
FOW(ホイール上の限外濾過)、BFOW(ホイール上のバルク充填)、およびVOW
(ホイール上のバイアル充填(vialing))を含み得る。
【0026】
図2に示されるように、製造空間は、(例えば)生物薬剤を製造するための空間と方向
付けされ得、そして、好ましくは、製造エリアに隣接した、さらなるエリアを備え得る。
このようなさらなるエリアは、品質保証(QA)セクション、管理セクション、プラント
用役(空気処理、電気および配管)、品質管理エリア、実験室エリアおよび受入エリアを
含み得る。
【0027】
製造空間は、好ましくは、製造空間へとモジュール/トレインを移動させる流れ、およ
び製造空間からモジュール/トレインを移動させる流れに従って配置される。具体的には
、モジュールは、出口エリアを通って製造空間から出て、製品交換エリアで受け取られる
(矢印A)。製品交換エリアへと進んだ後、モジュールは、製造空間に戻されて配置され
得、モジュール鎖内のそれぞれのスポットで再び接続され得る(矢印B)。
【0028】
用役および新鮮な空気の供給、ならびにモジュールからの排気空気の回収は、共通の空
気処理設備および製造空間内に位置する用役への接続を介して達成され得る。製造空間内
のモジュールを支援するHVACシステムは、各プロセストレインエリアの長さ全体にわ
たって延びる2本の母管(1本は、供給用で、もう1本は、排気用)を備え得る。供給用
母管は、共通の供給空気母管に端を発しており、余剰のバックアップを有し得る。排気は
、共通の母管システムを介して屋根へと排出される直通の送風を生じ得る。
【0029】
図4に示されるように、製造空間は、共通の製造気室のための専用の空気処理システム
401a、401b、および、好ましくは、別個のモジュールの固有の空気処理システム
を備える。しかし、本発明の実施形態は、共通の製造空間およびモジュールが、2つの別
個の異なる空気システムを有するシステムに制限されないことは注意すべきことであるが
、このようなシステムが好ましい。
【0030】
モジュールに固有の空気処理システムは、一般に、ドロップダウン式のHVACシュノ
ーケルを備え、その1つ402aは、新鮮な空気402を供給するためのものであり、そ
してもう1つ404aは、排気空気404をモジュールへと回収するためのものであるが
、これらは、各モジュール406(または、1つのシュノーケルのみを必要とするモジュ
ール)へと接続され得る。このようなシュノーケルは、製造空間内のモジュールの位置を
制限しないために、各モジュールへのより容易な接続を可能にするように、完全にフレキ
シブルであり得る。また示されるように、電気的および/またはデータ的な接続408が
、各モジュールに対してなされ得る。モジュールに供給される空気は、温度(15〜30
℃)および相対湿度(10〜69%RH)を制御する空気処理装置(air−handl
er)を介して送達され得る。空気は、フレキシブルなシュノーケルを介してモジュール
の吸気送風機へと送達され、ここで、上記モジュール内に流入する前に、事前濾過そして
さらにHEPA濾過され得る。システムが、より下流のモジュールが好ましくはより高い
圧力を有するように、2つの相互接続されたモジュール内の圧力を維持することは注意す
べきことである。
【0031】
モジュールのためのオンボードの空気処理システムが、図5に示される。示されるよう
に、空気処理ユニットは、2つの別個のユニット(1つは供給空気のためのもの502、
そして、もう1つは、排気のための504)を備え得、その各々が、別個のファン、制御
および配管を備え得る。さらに、各々が、指定されたHEPA濾過システムを備え得る。
吸気または排気の正圧ダンパー制御は、処理の間に、モジュール内の陽圧のためのモジュ
ールの加圧を調節するために使用され得る。例えば、毎分700立方フィートの速度の吸
気ユニットを用いると、システムは、モジュール内で、0.1〜0.3インチ水柱の陽圧
を維持し得る。
【0032】
モジュールは、例えば、図6Aおよび6Bに示されるような、接続ポートを介して互い
に連結され得る。具体的には、ポートは、一般に、1つのモジュールから次のモジュール
へと材料を通過させるのに十分大きなサイズの開口部を備え得、従って、代表的には、直
径3フィート未満のサイズ、そして、より好ましくは、6インチと1フィートとの間のサ
イズであり得るが、任意の直径が選択され得る。接続ポートは、好ましくは、モジュール
間で需要のある、フレキシブルな接続管/接続トンネルを備える。好ましくは、トンネル
は、可撓性の材料から作製される。
【0033】
好ましくは、接続ポートは、静置ポート602およびフレキシブルポート604を備え
る。各ポートは、好ましくは、隣接するモジュールのポートまたは管をクランピングして
、密閉するためのクランピング部材(または他の固定デバイス)を備える。このシステム
は、スリーブを適所に保持して、密閉状態で接続するために、クランプおよびガスケット
の技術を使用し得る。
【0034】
コンテナまたは構成要素は、移動ポートの接続を介してモジュール間で移動され得る。
モジュールは、好ましくは、陽圧下に維持され、そして、接続されるときに、平衡化する
。こうして、プロセスを取り囲む環境は、共通の製造空間内の周囲から、収容および隔離
されたままにする。モジュールは、例えば、モジュールのいずれかの側面上に提供され得
るグローブポート702(図7を参照のこと)を介して、または他のアクセス手段(例え
ば、ドア、窓;好ましくは密閉された状態)を介してアクセスされ得る。
【0035】
図8Aおよび8Bは、モジュール800のための層流ゾーンについての、本発明の特定
の実施形態を例示し、これは、Class 100の分類について特定の実施形態を分類
するために適用可能であり得る。層流ゾーンは、モジュール内にあり、そして、モジュー
ルのHEPA濾過された空気によって供給される(にもかかわらず、供給空気もまた、別
個に供給され得る)。層流ゾーンもまた、さらにHEPA濾過され得る。層流ゾーンは、
好ましくは、(例えば)図に示されるような物理的な障壁802、804によって維持さ
れる。隔離された総流ゾーンが、特定の洗浄および作業手順を有し得、そして、センサを
介して、中央処理装置によりモニタリングされ得る。層流ゾーンへのアクセスは、グロー
ブポート806(または、固有の層流ゾーン得意的なグローブポート)を介してなされ得
る。このような固有のグローブポートは、層流ゾーン内で使用する前に、グローブを消毒
するための消毒工程を必要とし得る。
【0036】
モジュールは、容易にクリーニング可能な材料から構築され得る。例えば、ステンレス
鋼またはアルミニウムが、そのフレーム構造のために使用され得、そして、ガラスまたは
プラスチック(例えば、1/4”Laxan(登録商標))が、モジュールの壁に使用さ
れ得る。モジュールはまた、フレームなしのプラスチック(例えば、射出成型)から構築
され得る。各モジュールは、好ましくは、接合部のために(例えば)室温硬化(RTV)
シリコーン、そして、ドアおよびポートのために、耐腐食性ガスケットを用いて、周囲の
環境から密閉される。各モジュールにはまた、密閉された電子ポートおよびオンボードH
VACシステムが装備され得る。
【0037】
モジュールはまた、例えば、モジュール内で処理される最大のプロセス容量を保持する
ための大きさの、底部の水溜めコンテナを伴って構築され得る。水溜めの構築は、水溜め
内のプロセスコンテナのカタストロフ的破壊のの場合に、モジュール内のプロセス流体の
保持を可能にする。一旦回収されると、プロセス流体は、水溜め内で処理され得、そして
/または、次いで、(例えば)ボール弁により開放され得、そして、ドレインへか、また
は、さらなる処理のためにさらなる回収容器へのいずれかに方向付けられ得る、低点ドレ
インを通して除去され得る。このような水溜めの設計は、共通の製造空間にカタストロフ
的な溢流が漏れることを防止する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、各モジュール内で起こるプロセスは、コンピュ
ータ制御され、そして、コンピュータシステムおよび(「中央コントローラ」と一緒に)
対応するソフトウェアによりモニタリングされ、これにより、システムの自動化が可能と
なる。こうして、システム配置のブロック図を例示する図9に示されるように、各モジュ
ール902内に位置する設備は、有線接続または無線接続のいずれかを介して、中央コン
トローラ904と通信し得る、データ収集センサおよびデータ収集制御機器(contr
ol)を備え得る。各モジュールは、さらに、電子制御パネルを備え得、これはまた、モ
ジュール、およびモジュール内で起こるプロセスをモニタリング、収集および制御するた
めに使用され得る。中央コントローラはまた、データ、ならびに、中央コントローラおよ
びシステム動作のための、アプリケーションおよび/または演算ソフトウェアを格納する
ためのデータ記憶装置906を備え得る。ソフトウェアは、ワークステーション908上
に表示可能なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備え得る。GUIは、モ
ジュールおよび全体の製造プロセスをセットアップ、モニタリング、および制御するため
の、多数の異なるスクリーンを表示し得る。
【0039】
従って、このようなソフトウェアは、モジュールの手順を制御するために使用され得、
そして、モジュール上の中央コンピュータおよび/または電子制御パネルを介してカスタ
マイズされ得る。手順とは、モジュール内で特有のプロセスを実施するためのストラテジ
ー(すなわち、生成された材料か、または、バッチプロセスの単回の実行により生成され
た材料)である。プロセスは、材料またはエネルギーの変換、輸送、または保管のための
、科学的、物理的、または生物学的な活動の順序であり得る。
【0040】
(他の検討材料(Consideration))
全てのモジュールを設置したHVACシステムの認定試験(IQ/OQ/PQ)は、圧
力のモニタリング、煙試験、および粒子サンプルの収集および試験を包含し得る。具体的
には、モジュールの空気処理システムの認定は、代表的な製造システムについての、通常
のプロセスのひと続きの分類と一致する様式で達成され得る。例えば、バイオリアクター
発酵モジュールは、未分類として動作し得るが、精製モジュールは、Class 10,
000として分類され得る。シードおよびバルクの薬物原料を充填するモジュール環境は
、Class 100の環境として分類され得る。
【0041】
本発明のいくつかのシステムの実施形態における品質保証のために、各モジュールは、
認定ライフサイクルを有し得る。具体的には、図10に示されるように、モジュールの認
定ライフサイクルとしては、以下が挙げられる:(例えば)設計、構築、試運転、認定、
動作/使用、維持、変更管理および廃棄(retirement)。このような設定の活
動は、以下を備え得る:
インストールの認定(一般に、モジュールおよびプロセスの設備に適用される):文書の
リスト、ハードウェア/ソフトウェアの仕様書確認、物理的な評価および検証、ならびに
、校正された機器の検証(calibrated instrument verifi
cation)。
HVAC動作認定:圧力制御の検証、空気流速の検証、HEPAフィルターの性能認証、
ならびに空気流パターンの特徴づけおよび検証。
バイオリアクターモジュールの動作認定:モジュール動作(電源、通信、送風機、光、ド
ア機能、ポート接続、センサの検証など)、バイオリアクター動作(温度制御、気流制御
、撹拌制御、安全機能、消耗品(disporsables)の据付け、材料の充填、混
合、サンプリングおよび輸送)、および付属設備の動作(ポンプ、管の溶接部、センサ)

クロマトグラフィーモジュールの動作認定:モジュール動作(電源、通信、送風機、光、
ドア機能、RTP接続、センサなど)、クロマトグラフィーの動作(カラム装填およびH
ETP認定、流路の検証、吸収圧の検証、バブルトラップの機能、安全機能、液体の輸送
および回収、緩衝液供給弁の制御および機能)、および付属設備の動作(ポンプ、センサ
)。
【0042】
濾過モジュールの動作認定:モジュール動作(電源、通信、送風機、光、ドア機能、ポ
ート接続、センサなど)、濾過システムの動作(流れの制御、消耗品の据付け、材料の装
填、混合、サンプリングおよび輸送)、付属設備の動作(ポンプ、センサ)。
【0043】
複数の製品を製造する環境として効率的に機能するために、本発明の実施形態は、所定
の材料および人員の作業の流れを包含し得る。このような流れの一例は、図11に例示さ
れる。具体的には、材料が、倉庫部分で受け取られ、そして、適切に制御された検疫エリ
アに保管される。次いで、材料は、品質管理検査を実施するために、原材料サンプリング
室(好ましくは、受け取りエリアの近くに備え付けられる)でサンプリングされ得る。品
質管理(QC)から解放されると、次いで、材料は、製造の用途に利用可能となり、倉庫
内の隔離かつ制御された保管エリアに移動される。「FLEXMAX」と名付けられた図
11上のエリアが、共通の製造空間に対応することに注目すべきである。
【0044】
材料は、人員の配置された共通の製造空間へと輸送され得るか、または、より多くの材
料および設備のための別個の入口を通して輸送され得る。共通の製造空間へと、または共
通の製造空間から輸送された材料は、好ましくは、環境を維持するために、密閉されたコ
ンテナ内に入れて輸送される。共通の製造空間内への分断材料(shedding ma
terial)の輸送は、好ましくは、最小限にされ、そして、コンテナおよび設備の表
面は、製造エリアに入る前に、設備ステージングエリア内で消毒剤(sanitizin
g agent)を用いて、隅々まで拭かれる。好ましくは、バッチのセットアップ活動
の間に、構成要素が調製され、そしてモジュール内に装填される。露出した外装は、適切
なモジュール内に装填される前に、消毒剤を用いて拭かれ得る。
【0045】
製品は、連続的なバッチ動作により製造され得、そして、1つのモジュールから次のモ
ジュールへと移される。各バッチプロセスの動作の終わりに、モジュールは、接続ポート
を介して連結され得、そして、製品は、(密閉されたコンテナ内でか、または、1つのモ
ジュールから次のモジュールへと配管を通したポンピングによってかのいずれかで)移さ
れ得る。中間のプロセス材料または最終的なバルク物質は、モジュールから除去される前
に、コンテナ内で密閉される。未分類のモジュールから、class 10,000モジ
ュールへと移されるとき、適切な手段を用いて、異なる環境を隔離する。中間物質、仕掛
品、または製品が、指定された保管エリア内の、適切な特定の環境条件に保管され得る。
【0046】
液体プロセス廃棄物は、必要に応じて、当業者に公知の適切な方法を用いて化学的に不
活性化され得、次いで、適用可能な規範で放出するために、pH中和システムへとポンピ
ングされ得る。固体プロセス廃棄物は、その廃棄物に適切な方法を使用して袋詰めされ得
、そして廃棄され得る。
【0047】
人員の流れに関して、好ましくは、全ての人員の流れが、共通の製造空間の周りを回る
。この空間へのアクセスは、権限を与えられた人員に制限され、共通の製造空間の清浄度
を保つために、別の入退室経路がある。
【0048】
共通の製造空間に入るための基本的な更衣要件としては、低剥離性の白衣、安全メガネ
、ヘアカバー(bouffant hair cover)、長靴、および手袋のような
品目が挙げられ得る。モジュールは、好ましくは、その中に収容されるプロセスの周囲の
環境制御を提供するので、(モジュールの外側にいる)オペレーターの動きは、過度に制
限される必要はない(すなわち、適切に訓練されたオペレーターは、全て(またはほとん
ど)のユニットの動作もしくはプロセスについて、共有の製造空間内の全ての進行中のモ
ジュールを担当(work)し得る)。
【0049】
共通の製造空間についての基線のデータは、認定活動の一部として収集され、そして、
モジュールのデータと比較される。モジュールのクリーニング手順の評価は、スワブサン
プリングおよびコンタクトプレート(contact plate)サンプリングの両方
によって、目に見える微生物についての表面上のサンプリングを採用し得る。サンプルの
部位は、モジュール表面、設備表面、手袋の表面、および、製造のためにモジュールに加
えられる材料/構成要素上の適切な位置から選択される。動的な条件下での評価は、単一
のモジュール内で起こる複数の活動、ならびに、共通の製造空間内で起こり得る同時のモ
ジュールのプロセシングまたはモジュールのクリーニングのような他の活動を考慮し得る
。このような人員の動作、クリーニング手順、および材料/構成要素の消毒手順のような
局面もまた、モジュールの内側および外側の溢流のような脱線事象として評価される。
【0050】
製品が接する表面の大部分は、一般に、使い捨ての、単回使用の設備および構成要素を
含み、代表的に多目的設備に必要とされる、クリーニングおよび消毒の必要性を排除する
。さらに、使い捨ての接触表面の使用は、製品の相互汚染の可能性を排除する。代表的な
使い捨ての構成要素としては、バイオリアクターの容器、振盪フラスコ、中空繊維カプセ
ル、フィルタ、配管、接続部、温度プローブ、バルク保管バッグ、およびクロマトグラフ
ィーのカプセルが挙げられる。このような使い捨ての構成要素はまた、認定に供され得る

【0051】
使い捨てでない製品もまた、製造プロセスに使用されることが認識される。使い捨ての
製品接触材料を使用することが不可能である場合(例えば、特定のセンサおよびクロマト
グラフィーシステムの構成要素のフィッティングの場合)、本発明のいくつかの実施形態
に従う方法およびシステムを用いて、相互汚染を最小限にする。小さなフィッティングお
よびセンサの表面についての制御の局面としては、特定のモジュールに設備を専念させる
こと、および、認定された手動のクリーニング手順を用いることが挙げられ得る。
【0052】
モジュールは、好ましくは、生物医薬品の製造において代表的に見受けられるGMP作
業を可能にするように設計され、そして、互いに独立して構築され得、そして、次いで、
必要に応じて、プロセスに特異的な順序の接続ポートを介して接続され得る。いくつかの
種々の潜在的なプロセス工程および対応するモジュール構成の例は、以下の表Iに記載さ
れる。
【0053】
【表1】


(モジュールのライフサイクル)
動作/使用のフェーズの間に、モジュールは、一般に、図12に例示されるような以下
の活動を行なう。以下に提供される表IIは、種々の動作段階で実行される活動について
の詳細を提供する。
【0054】
【表2】


(起動の検証)
オフラインを取る(すなわち、電源およびデータ通信から切断されている)モジュール
は、例えば、汚染除去、改変もしくは再構成のようなオフライン事象を通して処理もしく
は改変され、再び接続された際に、検査され得る。検査は、モジュールが十分に動力を備
え、動作可能であり、そして、SCADA(監視制御データ収集)システムと連絡するこ
とを検証する。検証方法は、物理的な再接続、電源投入(全ての駆動される構成要素を供
給し、そして、動作を検証する)、およびデータ接続(SCADA機器の値の変化を誘導
するためのセンサの操作)、期待される応答の検証を包含する。
【0055】
起動の検証は、認定の構成要素であり得るものの、プロセスにより誘発された事象に応
答して、製造フロアから取り除かれたモジュールに対してのみ適用し、そして、変更管理
手順によって改変されたモジュールについての認定もしくは再認定には適さない。
【0056】
(設計および手順の制御)
モジュールは、好ましくは、各ユニット製造プロセスの周りに制御された環境を提供す
るように設計される。発酵および初期回収は、未分類の空間として作動するモジュールに
おいて実行され得、一方で、その下流の精製は、クラス10,000の環境において実行
され得る。播種およびバルク製剤原料の充填は、クラス100の環境において実行され得
る。モジュール環境の制御に寄与する、例示的な鍵となる特性としては、以下が挙げられ
得る:
・手動による操作がグローブポートを介して行なわれる、密閉されたモジュール;
・1経路のHEPA濾過された空気をモジュールに提供する、個別の隔離された空気処
理システム;
・製造、動作およびクリーニングの間の、陽圧下でのモジュールの動作;
・温度、湿度、空気流および微粒子物の制御および継続的なモニタリング;
・微粒子物全体の製造の間に、モジュールの自動化された、継続的なオンラインモニタ
リングを含む、慣用的な環境モニタリングプログラム(許容できない事象について警告を
発する);
・制御された環境に関して業界標準に従う、生存可能な微粒子物についての、分類され
たモジュールの慣用的なサンプリング;
・別個の入退室経路を有する、共通の製造空間への制限されたアクセス;
・白衣、長靴、ヘアカバー、手袋および安全メガネを含む、共通の製造空間に入る人員の
更衣;
・密閉されたコンテナ内の共有の製造空間の中へ、または、密閉されたコンテナ内の共
有の製造空間から外へと輸送される材料;
・RTP(迅速な輸送ポート)などを介して、密閉されたコンテナの配管またはどうっ
力分配装置(transfer)トランスファーを介してポンプ駆動することにより達成
される、連結されたモジュール間の輸送
・密閉されたコンテナにおける、最終的なバルク製品または中間体の除去;
・モジュールから除去する前の、液体プロセス廃棄物の不活性化;
・密閉されたバッグ内の、固体廃棄物の除去;
・大量の溢流を封じ込めるため、および閉鎖系を介して除去する前に、溢流を不活性化
するために設計されたモジュール;
・従来の設備で使用されるものと同様の、異常な事象に対する手順;
・電子バッチの記録段階において、検証段階により実施される、検証されたクリーニン
グ手順;
・適切な環境モニタリングを含めた手順の完了を必要とする、清浄状態;
・電子文書化システムにより追跡されるモジュールの清浄状態;モジュールがバッチに
割り当てられるためには、「清浄」状態が必要とされる;
・通常の使用、および、異常な事象(例えば、溢流、電源不足)の静的状態下および動
的状態下での、モジュールの統合性および空気処理システムの検証;
・クリーニングの検証による、モジュールのクリーニング手順、および、多目的の設備
/プロセスの構成要素のためのクリーニング手順の支援および検証。
【0057】
表IIIは、製品/プロセスの隔離を保証するための制御に関する情報を提供する。
【0058】
【表3】

【0059】
【表4】


本発明のいくつかの実施形態はまた、オンラインでの品質保証およびcGMP遵守の検
証を含み、それには、原材料、設備、製造の構成要素、作業中の中間物質、および最終的
な生成物のドックからドックへの追跡(dock−to−dock tracking)
が可能になるように特定の実施にカスタマイズされた、認定されたアプリケーションおよ
びハードウェアを備えた、制御かつ認定されたデータベースシステムを用いる電子的なG
MPのデータ管理が含まれる。これにより、貯蔵場所に電子データを保存する、ペーパレ
スシステムが可能となり、連続的な「リアルタイム」の点検および意思決定が可能となり
、品質保証および手順の遵守をもたらす。さらに、このシステムはまた、電子報告書の紙
バージョンを作成する能力も含み得る。
【0060】
従って、オンラインシステムの構成要素のいくつかとしては、電子的な材料の制御、電
子的な文書の制御、電子的なバッチ記録、自動化されたプロセスの制御、モジュール内で
の処理および環境のリアルタイムの自動化されたモニタリング、バッチおよび環境のデー
タのリアルタイムの自動化された収集が挙げられ得る。
【0061】
オンラインQAの能力は、21 C.F.R.第11章の要件を満たし、かつソフトウ
ェア開発および検証のための発展型の期待値を考慮するように作製され得る。リアルタイ
ムの品質保証は、データが得られると、バッチの性質の効率的な評定/評価を促進する。
リアルタイムベースで製品の品質に有害な影響を与え得るプロセスの脱線は、適時の様式
で識別および評定され得る。
【0062】
製造プロセスからのデータは、連続的に収集され、そして、プロセス設備を制御するた
め、およびバッチ順序付けの承認(batch sequencing permiss
ion)を決定するために使用され得る。好ましくは連続的に収集されるデータの型は、
表Vに詳述される。
【0063】
【表5】


(中央制御モジュール)
電子的なプロセスの制御、バッチ記録、標準操作手順(SOP)およびデータの保存は
、中央制御装置内に組み込まれ得る。制御装置は、製造プロセスの種々のパラメータのリ
アルタイムでのモニタリングおよび制御を組み込むことを可能にする。このようなモニタ
リングは、オペレーターが、制御される領域への最小限の侵入との相互作用を可能にし、
そして、人的な誤りの可能性を最小限にする。このようなプロセスの分析的な構成要素の
例は、表VIに記載される。
【0064】
【表6】


本発明が、現在好ましい実施形態を参照して記載されてきたが、このようなシステムお
よび方法の作製および操作において、多数の変更が、本発明の真の精神から逸脱すること
なく導入され得ることが理解されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズ可能な製造システムであって、以下:
少なくとも2つの可搬型モジュールであって、各モジュールが、別のモジュールインテリアと相互接続可能なインテリアを有し、各モジュールインテリアは、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上の構成要素を備え、少なくとも1つの該モジュールは、以下:
該モジュール内の環境を制御するための環境制御システム;
該モジュールインテリアを別のモジュールインテリアと相互接続するための接続管;ならびに
該製造システムの少なくとも1つのモジュールについて、動作、プロセスの制御および情報収集のうちの1つ以上を実行するように動作させる、少なくとも1つのコントローラ
を備える、カスタマイズ可能な製造システム。
【請求項2】
カスタマイズ可能な製造システムであって、以下:
少なくとも2つの可搬型モジュールであって、各モジュールが、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上のユニット動作構成要素を備えるインテリアを有する、可搬型モジュール;
該モジュールを相互接続するために該モジュールの各々に付随する接続ポート、
を備え、接続の際に、各モジュールは、該接続を外すことなく互いに対して移動可能であり;そして
各モジュールは、該モジュール内の環境を制御するための環境制御システムに付随している、
カスタマイズ可能な製造システム。
【請求項3】
カスタマイズ可能な生物学的、化学的、および/または薬学的な製造システムであって、以下:
少なくとも2つの可搬型モジュールであって、各モジュールが、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上のユニット動作構成要素を備えるインテリアを有する、可搬型モジュール;
該モジュールインテリアが互いに流体連絡するように該モジュールを相互接続するために該モジュールの各々に付随する接続ポートであって、少なくとも1つの接続ポートは可撓性部分を備える、接続ポート;
該モジュールインテリアの内部に位置するユニット動作構成要素であって、該ユニット動作構成要素は、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するように構成されている、ユニット動作構成要素;ならびに
該モジュール内の環境を制御するための、該モジュールに付随している空気処理システム、
を備える、カスタマイズ可能な生物学的、化学的、および/または薬学的な製造システム。
【請求項4】
カスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法であって、
第1の生物学的、化学的、および/または薬学的な製造プロセスを、第1のユニット動作構成要素において実行する工程であって、該第1のユニット動作構成要素は、第1の可搬型モジュールのインテリア内に位置している、工程;
該第1のユニット動作構成要素から、第2の可搬型モジュールのインテリア内に位置する第2のユニット動作構成要素へと、該第1のユニット動作構成要素と第2のユニット動作構成要素とを流体相互接続する管を通して材料を移動させる工程;
該材料を用いて、第2の生物学的、化学的および/または薬学的な製造プロセスを、該第2のユニット動作構成要素において実行する工程であって、該第2のプロセスは該第1のプロセスと異なる、工程;ならびに
第3の生物学的、化学的および/または薬学的な製造プロセスを、該第1のモジュールにおいて実行する工程であって、該第3のプロセスは、該第1のプロセスおよび第2のプロセスと異なる、工程、
を包含する、方法。
【請求項5】
カスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法であって、
インテリアを有する第1の可搬型モジュールを提供する工程であって、該インテリアは、生物学的、化学的、および/または薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための第1のユニット動作構成要素を収容する、工程;
インテリアを有する第2の可搬型モジュールを提供する工程であって、該インテリアは、生物学的、化学的、および/または薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための第2のユニット動作構成要素を収容し、該第1のユニット動作構成要素および第2のユニット動作構成要素の各々は、該ユニット動作構成要素を相互接続するための、該ユニット動作構成要素に付随する少なくとも1つの接続ポートを備える、工程;
第1の順序で該モジュールを配置し、そして該モジュール内の該第1のユニット動作構成要素および第2のユニット動作構成要素を相互接続して、第1の製品を製造し、そして/あるいは生物学的、化学的、および/または薬学的な製造プロセスのうちの第1の一連の特定のタスクを実行するために構成された製造システムを作製する、工程;
該ユニット動作構成要素の接続を外す工程;ならびに
第2の順序で該モジュールを配置し、そして該モジュール内の該ユニット動作構成要素を相互接続して、第2の製品を製造し、そして/あるいは生物学的、化学的、および/または薬学的な製造プロセスのうちの第2の一連の特定のタスクを実行するために構成された製造システムを作製する、工程;
を包含する、方法。
【請求項6】
カスタマイズ可能な生物学的、化学的、および/または薬学的な製造システムであって、
少なくとも2つの可搬型モジュールであって、各モジュールが、生物学的、化学的、および/または、薬学的な製造プロセスのうちの少なくとも1つの特定のタスクを実行するための1つ以上のユニット動作構成要素を備えるインテリアを有する、可搬型モジュール;
該モジュールを相互接続するために該モジュールの各々に付随する接続ポートであって、該少なくとも2つの可搬型モジュールは、該接続ポートを介して互いに直接相互接続され得る、接続ポート、
を備え、該モジュールは、該モジュール内の環境を制御するための環境制御システムに付随している、カスタマイズ可能な生物学的、化学的、および/または薬学的な製造システム。
【請求項7】
前記モジュールのインテリアにアクセスするためのグローブポートをさらに備える、請求項1または2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項8】
前記構成要素のうちの少なくとも一部が使い捨てである、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項9】
前記環境制御モジュールが、ヒータ、冷却ユニット、および空気処理ユニット、加湿器および除湿器のうちの少なくとも1つを備える、請求項1または2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項10】
前記空気処理ユニットが、空気入口、空気出口および少なくとも1つのファンユニットを備える、請求項9に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項11】
前記空気処理ユニットが、さらに、濾過システムを備える、請求項9に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項12】
前記空気入口および空気出口の各々が、それぞれの濾過システムを備える、請求項10に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項13】
前記環境制御ユニットが、少なくとも1つのモジュールのオンボード環境制御ユニットである、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項14】
前記接続管が、前記少なくとも2つの可搬型モジュールのうちの一方と一体になっている、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項15】
専用の空気処理システムを有する製造空間をさらに備える、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システムであって、該空気処理システムは、少なくとも1つのモジュールに空気を供給するための第1のダクトと、該少なくとも1つのモジュールからの排気を集めるための第2のダクトとを備え、該ダクトの各々は、前記少なくとも2つのモジュールの空気入口および空気出口の各々のためのシュノーケル接続部を備える、カスタマイズ可能な製造システム。
【請求項16】
前記供給空気および排気空気の流れが、下流のモジュールから上流のモジュールへと流れ、より下流のモジュールは、もう一方のモジュールよりも高圧である、請求項15に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項17】
前記モジュール内への空気流速度、該モジュールから出る空気流速度、温度、圧力、湿度、少なくとも1つのモジュール内での1つ以上の構成要素の接続、および該モジュール内の生育不能な粒子のうちの少なくとも1つをモニタリングするための1つ以上のセンサをさらに備える、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項18】
層流ゾーンをさらに備え、該層流ゾーンが、下向き方向の空気流を含む、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項19】
前記モジュールが、種子培養拡大モジュール、バイオリアクターモジュール、濾過モジュール、初期回収モジュール、クロマトグラフィーモジュール、大量薬物充填モジュール、薬物製品充填モジュールからなる群より選択される、請求項1、2、または3に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項20】
少なくとも1つのモジュールが、水溜めを備える、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項21】
複数の選択されたモジュールのインテリアを、プロセスの順序で接続する工程をさらに包含する、請求項4に記載の方法。
【請求項22】
前記接続する工程が、有線接続または無線接続ならびに電気的接続および/もしくはデータ接続のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項23】
前記動作について特異的なバッチ/ロット番号を処理するために、各モジュールを電子的に割り当てる工程、原材料および構成要素の移動を電子的に追跡する工程、または1つ以上のモジュールの状態を追跡する工程をさらに包含する、請求項4に記載の方法。
【請求項24】
前記相互接続が、前記モジュールインテリアが互いに流体連絡するように該モジュールインテリアを接続する、請求項2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項25】
前記相互接続が、前記ユニット動作構成要素が互いに流体連絡するように該ユニット動作構成要素を接続する、請求項2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項26】
前記少なくとも2つのモジュールの接続ポートを相互接続するために適合された接続管をさらに備える、請求項2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項27】
前記接続管が可撓性である、請求項1または26に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項28】
前記接続ポートの直径が3フィート未満である、請求項2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項29】
前記第3の生物学的、化学的および/または薬学的な製造プロセスを前記第1のモジュールにおいて実行する前に、前記第1のユニット動作構成要素を前記第2のユニット動作構成要素から解放する工程をさらに包含する、請求項4に記載のカスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法。
【請求項30】
前記第1のモジュールおよび/または第2のモジュールのインテリアの内部の環境が、環境制御システムによって維持される、請求項4または5に記載のカスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法。
【請求項31】
前記第1のモジュールおよび/または第2のモジュールのインテリアに間接的にアクセスする工程をさらに包含する、請求項4に記載のカスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法。
【請求項32】
前記第1のユニット動作構成要素および第2のユニット動作構成要素を相互接続する前に、該第1のユニット動作構成要素において前記第1の製品を形成する工程を包含する、請求項5に記載のカスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法。
【請求項33】
前記第1のユニット動作構成要素および第2のユニット動作構成要素を相互接続した後に、該第1のユニット動作構成要素において前記第1の製品を形成する工程を包含する、請求項5に記載のカスタマイズ可能な生物薬学的な製造システムを再構成するための方法。
【請求項34】
前記環境制御システムがHEPA濾過システムである、請求項1または2に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項35】
前記バイオリアクターが、バッグの形態のプロセス容器を備える、請求項19に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項36】
少なくとも1つのモジュールが、モーターおよび/またはドライブのユニットを備える、請求項1、2、または3に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項37】
前記モーターおよび/またはドライブのユニットの少なくとも一部が、前記少なくとも1つのモジュールの外側に位置しており、そして該モーターおよび/またはドライブのユニットが、該モジュールのインテリアに位置するプロセス構成要素に付随している、請求項36に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項38】
少なくとも1つのモジュールが、混合器を備える構成要素を備える、請求項1、2または6に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項39】
各モジュールの少なくとも1つのユニット動作構成要素が、別のモジュール内のユニット動作構成要素の接続ポートと相互接続されるように構成された少なくとも1つの接続ポートを備える、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。
【請求項40】
前記少なくとも2つの可搬型モジュールの各々が、ホイールを備える、請求項1に記載のカスタマイズ可能な製造システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図2】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−150720(P2011−150720A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−58610(P2011−58610)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【分割の表示】特願2006−551538(P2006−551538)の分割
【原出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506260799)エクセラーエックス, エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】