説明

複合商品セット

【課題】専用の部材を用いることなく、封筒の外袋内での遊動を抑制するレターセット等の複合商品セットを提供する。
【解決手段】便箋2と、封筒3と、所定の文字等が印字されたリーフレット5と、これら便箋2、封筒3及びリーフレット5を収容可能な収容空間61sを有する外袋6とを具備してなり、リーフレット5に、封筒3が収容空間61s内で遊動することを規制する封筒保持手段Xを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便箋等の第1被収容物と封筒等の第2被収容物とをセットにしてなるレターセット等の複合商品セットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、便箋等の第1被収容物と封筒等の第2被収容物等、平面視寸法が相異なる商品を一の外袋に収容した種々のレターセット等の複合商品セットが知られている。このようなレターセットは、通常、寸法の異なる便箋と封筒とそれぞれ別個に積層した状態で外袋に収容されており、帯封等により束ねられた封筒が外袋内で不規則に遊動し得る状態となり、陳列時や購入後の収納時に煩雑な印象を与えるという不具合が生じる。
【0003】
そこで、このような不具合に鑑み、封筒を保持するための複数のスリットを形成した一の台紙を、便箋及び封筒と共に外袋に収容するタイプのレターセットが考えられている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録番号第3049335号公報(図2等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献記載の態様を採用した場合、封筒を保持するための専用の部材である台紙が必要であるため、部品点数が増えるとともに、台紙にスリットを形成しなければならず、手間が掛かるという問題が発生する。
【0005】
一方、複数枚のプリンタ用紙を外袋に収容してなるプリンタ用紙セットにおいては、当該プリンタ用紙の商品名や説明等を印字した一枚刷りのリーフレットをプリンタ用紙と共に外袋に収容させている態様が知られている。この場合、リーフレットは単に説明書としてのみ機能しているに過ぎない。
【0006】
このようなリーフレットに、レターセットの商品名や使用上の説明等を表示するとともに、封筒の遊動を抑制することができれば好適である。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、専用部材を用いることなく、封筒等の第2被収容物が外袋内で遊動することを抑制するレターセット等の複合商品セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の複合商品セットは、用紙類等の第1被収容物と、当該第1被収容物よりも平面寸法が小さい第2被収容物と、所定の文字等が印字されたリーフレットと、これら第1被収容物、第2被収容物及びリーフレットを収容可能な収容空間を有する外袋とを具備してなる複合商品セットであって、前記リーフレットに、前記第2被収容物が前記収容空間内で遊動することを規制する第2被収容物保持手段を設けていることを特徴とする。
【0009】
ここで、第1被収容物は、用紙類であればどのようなものであってもよく、例えば便箋等が挙げられる。一方、第2被収容部は、第1被収容物よりも平面視寸法が小さくものであればどのようなものであってもよく、例えば、封筒、CDやDVD等の記録媒体(一例としてテンプレート集が記録されたもの等)、第1被収容物よりもサイズが小さい用紙類(一例として第1収容物がB4サイズの用紙類の場合におけるB5サイズの用紙類等)、はがき、ラベル(一例として宛名シール等)が挙げられる。
【0010】
このようなものであれば、第2被収容物保持手段により、第2被収容物が外袋の収容空間内で不規則に動くことを抑制するとともに、説明書として機能するリーフレットに第2被収容物保持手段を設けているため、従来のように封筒等の第2被収容物を保持するための専用の部材を別途用いる必要がない。
【0011】
具体的な実施態様としては、前記リーフレットが、前記収容状態において前記第1被収容物の裏面側に当てられる本体部と、当該本体部の端部から折り返してなり前記収容状態において前記第1被収容物及び前記第2被収容物の表面側に位置する第1折返部と、当該第1折返部の端部から延出し且つ前記収容状態において前記第2被収容物を抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部とを具備したものであり、前記第2被収容物保持手段を、前記第2折返部を用いて構成しているものが挙げられる。このようなものであれば、リーフレット自体が簡素なものでありながら、第2被収容物を抱きかかえる第2折返部により、第2被収容物が外袋の収容空間内で不規則に動くことを抑制することができる。なお、第2折返部は、第2被収容物を横断する方向又は縦断する方向の何れか一方向、或いは両方向に抱きかかえ得るもの、何れのタイプであってもよい。
【0012】
特に、前記第2折返部が前記第2被収容物を横断する方向に抱きかかえ得るものであり、前記第2被収容物の長手寸法と前記第2折返部のうち前記第2被収容物の長手方向に沿った寸法との和を、前記外袋の収容空間のうち前記第2被収容物の長手方向に沿った内法寸法よりも大きく設定していれば、第2被収容物を横断する方向に抱きかかえる第2折返部により第2被収容物の短手方向(横断方向)への遊動を規制することができるととともに、第2被収容物が長手方向(縦断方向)へ遊動した場合であっても第2被収容物が第2折返部から抜け出ることがなく、第2折返部による第2被収容物の良好な保持状態を維持することが可能である。
【0013】
リーフレットの別の具体的な実施態様としては、前記リーフレットが、前記収容状態において前記第1被収容物の裏面側に当てられる本体部と、当該本体部の端部から折り返してなり前記収容状態において前記第1被収容物及び前記第2被収容物の表面側に位置する第1折返部と、当該第1折返部の端部から延出し且つ前記収容状態において前記第2被収容物を横断する方向に抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部と、前記第1折返部の端部から延出し且つ前記収容状態において前記第2被収容物の短辺に当接又は近接し得るように折り返してなる第3折返部とを具備したものであり、前記第2被収容物保持手段を、前記第2折返部及び前記第3折返部を用いて構成しているものが挙げられる。このようなものであれば、第2折返部により第2被収容物の短手方向(横断方向)に沿った移動を規制することができるとともに、第3折返部により第2被収容物の長手方向(縦断方向)に沿った移動を規制することができる。なお、第3折返部のうち、「第2被収容物の長手方向に沿った一端部に当接し得る」部位は、第3折返部の折り目であってもよく、第1折返部に対面し得る部位であってもよい。
【0014】
収容状態における第2被収容物の短手方向への移動を確実に規制するには、前記第2折返部が前記第2被収容物を横断する方向に抱きかかえ得るものであり、前記第1折返部の折り目と前記第2折返部の折り目との離間寸法を、前記第2被収容物の短手寸法に対して略同一又は若干大きく設定すればよい。
【0015】
収容状態において第1被収容物と共に第2被収容物も視認することができれば、複合商品セットのセット内容を正確に把握することができ、ユーザの利便性に寄与するとともに、購買意欲を惹起させ得る。そこで、本発明の複合商品セットは、前記第1折返部に、前記収容状態において前記第2被収容物の表面側を視認し得えるようにした第2被収容物視認手段を設けることとした。第2被収容物視認手段の好適な実施形態としては、前記第1折返部を所定形状に切り欠くことにより前記第2被収容物の表面側を視認し得るようにしたものが挙げられる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、リーフレットに設けた第2被収容物保持手段により、封筒等の第2被収容物が外袋内で不規則に動くことを抑制するとともに、リーフレットを用いて第2被収容物の遊動を規制するため、従来のように封筒等の第2被収容物を保持するための専用の部材を別途用意する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る複合商品セットたるレターセット1は、図1及び図2(図1はレターセット1の全体斜視図であり、図2は同分解斜視図であり、図3は同平面図である。)に示すように、複数枚積層した本発明の第1被収容物たる便箋2と、これら便箋2を封入する本発明の第2被収容物たる複数の封筒3と、積層した便箋2の裏面側に当てられこれら便箋2の撓りを防止する単一の台紙4と、商品名や取扱上の説明等所定の文字や記号等が印字された単一のリーフレット5と、これら便箋2、封筒3、リーフレット5及び台紙4を収容する単一の外袋6とを備えたものである。
【0019】
便箋2は、どのようなタイプのものであってもよく、本実施形態では、一例としてプリンタ等を利用して印刷可能な例えばB5サイズ等の標準規格を有するものを適用している。
【0020】
複数の封筒3は、例えば透明のナイロン素材からなる帯部材7によって帯封されている。
【0021】
台紙4は、例えば厚紙からなり、積層した便箋2のうち最も裏面側に位置する便箋2の裏面に当てられるものであり、平面寸法を便箋2の平面寸法に略対応させている。
【0022】
リーフレット5は、表面部に商品名や便箋に印字する際の注意事項等、所定の文字や記号、図形等を印字したものであり、本実施形態では、このリーフレットに、封筒3が外袋6の収容空間61s内で遊動することを規制する本発明の第2被収容物保持手段たる封筒保持手段Xを設けている。具体的には、図4(同図(a)はリーフレット5の平面図であり、同図(b)は同平面展開図である。)に示すように、例えば便箋2よりも厚み寸法が大きい紙素材からなり、外袋6に収容した収容状態において台紙4を介して便箋2の裏面側に当てられる本体部51と、本体部51の端部51aから折り返してなり収容状態において便箋2及び封筒3の表面側に位置する第1折返部52と、第1折返部52の端部52aから延出し且つ収容状態において封筒3を横断する方向に抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部53とを一体に有するものである。
【0023】
本体部51は、その平面寸法を便箋2の平面寸法に略対応させたものである。
【0024】
第1折返部52は、本体部51の一方の長辺(図示例では右側辺)51aから第1折り目521を介して外側方に向かって延出するものであり、本実施形態では、第1折返部52のうち延出端側の端部52aを平面視略部分円弧状に切り欠いた形状にしている。
【0025】
第2折返部53は、第1折返部52の延出端側の端部52aにおける下端部位からさらに外側方に向かって延出する平面視略帯状のものであり、第1折返部52の第1折り目521から所定距離離間した位置に、第1折り目521と平行をなす第2折り目531を形成している。本実施形態では、第1折り目521と第2折り目531との離間寸法を、封筒3の短手寸法3yより若干大きく設定している。なお、第1折り目521には、便箋2、封筒3及び台紙4を積層した厚み寸法に対応する第1折代522を形成し、第2折り目531には、積層した封筒3の厚み寸法に対応する第2折代532を形成している(図4(b)参照)。また、第2折返部53の延出方向に直交する方向(図示例では上下方向)に沿った寸法53xを、当該寸法53xと封筒3の長手寸法3xとの和が、後述する外袋6の収容空間61sの長手方向に沿った寸法61xよりも大きくなるように設定している。しかして本実施形態では、前記封筒保持手段Xを第2折返部53を用いて構成している。
【0026】
外袋6は、例えば透明のポリプロピレンからなり、一方の短辺(図示例では下辺)61a側に開放可能な収容空間61sを有する袋体61と、袋体61の上端部に設けられ陳列時等に図示しない所定の吊り金具に挿し通される挿通孔62aを形成した吊り部62とを備えた一体成型品である。本実施形態では、袋体61の収容空間61sの内法寸法(平面内法寸法)を、便箋2の平面寸法より若干大きく設定している。また、袋体61は、一方の短辺61aに舌片部611を設け、この舌片部611と、袋体61の裏面側に塗着したテープ糊等の図示しない接着部との接着状態を適宜解除することにより、収容空間61sを一方の短辺61a側に開放し得る周知のものである。吊り部62の挿通孔62aは、後述する外袋6に対する封筒3の収容位置を考慮して吊り部62の中心に対して偏心させた位置に形成し、これにより、挿通孔62aに吊り金具を挿通した状態でレターセット1全体の良好なバランス状態を保つことができ、陳列した状態の美観を損ねることがないようにしている。すなわち、リーフレット5に設けた封筒保持手段Xにより封筒3の収容位置が位置決めされ、レターセット1全体の重心が定まるため、挿通孔62aの形成箇所を容易かつ的確に決定することができる。
【0027】
次に、上述した便箋2、封筒3、台紙4、リーフレット5を外袋6に収容する手順及び本発明のレターセット1の作用について説明する。
【0028】
先ず、展開状態にあるリーフレット5の本体部51に台紙4を載置し、この台紙4に所定枚数積層した便箋2を載置するとともに、展開状態にあるリーフレット5の第1折返部52に帯封した封筒3を載置する。次いで、第2折り目531に沿って第2折返部53を谷折りすることにより第2折返部53を封筒3を横断する方向に巻回させ、引き続き、第1折り目521に沿って第1折返部52を谷折りすると、封筒3が便箋2の表面側に位置し、これら封筒3及び便箋2の表面側に第1折返部52が位置する。なお、第1折返部52の端部52aを平面視略円弧状に切り欠いているため、封筒3の表面側の一部が表出して視認可能な状態となる。このように、本実施形態に係るレターセット1は、第1折返部52に、収容状態において封筒3の表面側を視認し得えるようにした本発明の第2被収容物視認手段たる封筒視認手段を設けている。この状態においてリーフレット5の第1折り目521と第2折り目531との間に封筒3が位置している。最後に、積層状態にあるリーフレット5、台紙4、便箋2及び封筒3を、外袋6の袋体61に形成した収容空間61sに収容し、袋体61の舌片部611により収納空間61sを閉止することにより一のレターセット1が完成する。
【0029】
この収容状態において、リーフレット5の第1折り目521と第2折り目531との間に封筒3が位置しているため、封筒3の短手方向への移動が規制されている。また、収容状態において封筒3が長手方向に若干移動し得るが、封筒3の長手寸法3xと、第2折返部53の延出方向に直交する方向(図示例では上下方向)に沿った寸法3x、すなわち第2折返部53のうち封筒3の長手方向に沿った寸法53xとの和を、外袋6の収容空間61sのうち封筒3の長手方向に沿った内法寸法61xよりも大きくなるように設定しているため、封筒3が長手方向に沿って移動した場合であっても、封筒3が第2折返部53を乗り越える前に袋体61の上端部に当接し、第2折返部53による封筒3の保持状態が解除されることがない。本実施形態では、外袋6に対する封筒3の収容位置が右側に偏るため、外袋6の吊り部62の挿通孔62aを吊り部62の中心に対して右側に変位した位置に形成している。
【0030】
なお、便箋2及び封筒3を使用する場合には、リーフレット5と共に封筒3及び便箋2を外袋6から取り出し、リーフレット5を展開状態にした後、封筒3及び便箋2をそれぞれ必要な枚数だけ取り出せばよい。
【0031】
このように、本実施形態に係るレターセット1は、リーフレット5に、封筒3が収容空間61s内で遊動することを規制する封筒保持手段Xを第2折返部53を用いて構成したものであるため、封筒保持手段X(第2折返部53)により、封筒3が外袋6内で不規則に動くことを抑制するとともに、説明書等として機能するリーフレット5に封筒保持手段X(第2折返部53)を設けているため、封筒3を収容空間61s内で保持するための専用の部材を別途用意する必要がなく、最小限の構成部材でレターセット1を構成することができる。
【0032】
特に、リーフレット5が、収容状態において便箋2の裏面側に当てられる本体部51と、本体部51の端部から折り返してなり収容状態において便箋2及び封筒3の表面側に位置する第1折返部52と、第1折返部52の端部から延出し且つ収容状態において封筒3を抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部53とを具備したものであるため、リーフレット5自体の形状を単純なものとして製作容易化及びコストの削減を有効に図るとともに、第2折返部53により封筒3が収容空間61s内で遊動することを規制することができる。
【0033】
さらに、第2折返部53が封筒3を横断する方向に抱きかかえ得るものであり、封筒3の長手寸法3xと第2折返部53のうち封筒3の長手方向に沿った寸法53xとの和を、外袋6の収容空間61sのうち封筒3の長手方向に沿った内法寸法61xよりも大きく設定しているため、封筒3の短手方向への遊動を第2折返部53により規制するとともに、封筒3が長手方向へ遊動した場合であっても封筒3が第2折返部53から抜け出ることを確実に防止する。
【0034】
加えて、第1折返部52の折り目521と第2折返部53の第2折り目531との離間寸法を、封筒3の短手寸法3yより若干大きく設定しているため、封筒3の短手方向への移動を最小限に抑えることができる。
【0035】
また、本発明に係るレターセット1は、リーフレット5の第1折返部53を所定形状(図示例では平面視略部分円弧状)に切り欠くことにより収容状態において封筒3の表面側を視認し得るようにした封筒視認手段を備えているため、陳列時にユーザが封筒の大きさや柄をも正確に把握することができ、レターセット1の内容を的確に理解した上で購入することができ、ユーザの利便性に寄与するとともに、購買意欲を惹起させ得る。しかも、第1折返部53を所定形状に切り欠くという極めて単純な加工により封筒視認手段を具現化することができ好適である。
【0036】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0037】
例えば、上記実施形態では、収容状態において便箋の長手方向と封筒の長手方向とが一致する態様を示したが、これに限らず、収容状態において便箋の長手方向と封筒の短手方向とが一致する態様を採用してもよい。この場合、リーフレットの第1折返部を、本体部の一方の短辺から第1折り目を介して延出させ、第2折返部を、第1折返部の延出端側の端部における所定部位から延出し且つ収容状態において封筒を横断する方向に抱きかかえ得るように折り返してなるものとし、封筒の長手寸法と第2折返部のうち封筒の長手方向に沿った寸法との和を、外袋の収容空間のうち封筒の長手方向に沿った内法寸法(換言すれば、外袋の収容空間のうち便箋の短手方向に沿った内法寸法)よりも大きく設定すれば、前記実施形態と同様に、封筒が封筒の長手方向に沿って遊動した場合であっても第2折返部から抜け出ることを確実に防止することができる。
【0038】
また、以下に示す変形例に係るリーフレットA5を適用したレターセットA1を採用してもよい。なお、変形例に係るレターセットA1に適用されるリーフレットA5以外の部材は、前記実施形態に係る部材を適用しており、特に断りがない限り前記実施形態における各部材にそれぞれ対応する部材には同一の符号を付すとともに、リーフレットA5は、特に断りがない限り前記実施形態におけるリーフレット5の各部位に略対応する部位にそれぞれ符号の頭に「A」を付すこととする。
【0039】
〈変形例〉
変形例に係るレターセットA1に適用されるリーフレットA5は、図5(同図(a)はリーフレットA5の平面図であり、同図(b)は同平面展開図である。)に示すように、収容状態において本発明の第1被収容物たる便箋2の裏面側に当てられる本体部A51と、本体部A51の端部A51aから折り返してなり収容状態において便箋2及び本発明の第2被収容物たる封筒3の表面側に位置する第1折返部A52と、第1折返部A52の端部A52aから延出し且つ収容状態において封筒3を横断する方向に抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部53と、第1折返部A52の端部A52aから延出し且つ収容状態において封筒3の短辺(図示例では上辺)3aに当接又は近接し得るように折り返してなる第3折返部A54とを具備したものであり、封筒保持手段AXを、第2折返部53及び第3折返部A54を用いて構成している。
【0040】
本体部A51、第1折返部A52及び第2折返部A53は、前記実施形態におけるそれぞれと略同一の形状であるため、詳細な説明は省略する。
【0041】
第3折返部A54は、第1折返部A52の延出端側の端部A52aにおける上端部からさらに外側方に向かって延出し、第1折返部A52aの第1折り目A521から所定距離離間した位置に、第1折り目A521と平行をなす第3折り目A541を形成している。本実施形態では、この第3折り目A541を第2折り目A531よりも第1折り目A521に近寄った位置に形成している。また、第3折返部A54は、第3折り目A541を境にして、延出方向に沿って下辺が漸次下方に延びる形状に設定している。
【0042】
そして、前記実施形態に示すレターセット1と略同様の手順で便箋2、封筒3、台紙4、リーフレットA5を外袋6に収容する。前記実施形態と異なる点は、リーフレットA5の第1折返部A52に封筒3を載置した後、第2折り目A531に沿って第2折返部A53を谷折りするとともに、第3折り目A541に沿って第3折返部A54を谷折りする点である。これにより、第3折返部A54の第3折り目A541の下縁部A541aが封筒3の上辺3aに当接又は近接し、第3折返部A54が封筒3の裏面側に位置する。上記手順を経た後、上記実施形態と同様の手順により一のレターセット1が完成する。
【0043】
この収容状態において、リーフレットA5の第1折り目A521と第2折り目A531との間に封筒3が位置し、第2折返部A53により封筒3の短手方向に沿った移動が規制されるとともに、第3折返部A54の第3折り目A541の下縁部A541aが封筒3の上辺3aに当接又は近接し、第3折返部A54により封筒3の長手方向に沿った移動も規制される。このように、本変形例に係るリーフレットA5を用いることにより、外袋6の収容空間61sに収容した封筒3が収容空間61s内で不規則に移動することをより確実に規制することができる。
【0044】
なお、第3折返部A54を略帯状にし、第3折返部A54の下縁部全体及び第3折り目A541の下縁部A541aが封筒3の上辺3aに当接又は近接し得るようにしてもよい。
【0045】
また、当該変形例においても、収容状態において便箋の長手方向と封筒の短手方向とが一致する態様を採用して構わない。この場合、リーフレットの第1折返部を、本体部の一方の短辺から第1折り目を介して延出させ、第2折返部を、第1折返部の延出端側の端部における所定部位から延出し且つ収容状態において封筒を横断する方向に抱きかかえ得るように折り返してなるものとし、第3折返部を、第1折返部の端部から延出し且つ収容状態において封筒の短辺に当接又は近接し得るように折り返したものとすればよい。
【0046】
さらに、第1折返部A52を所定形状(例えば平面視略部分円弧状)に切り欠くことにより収容状態において封筒3の表面側を視認し得るようにした第2被収容物視認手段たる封筒視認手段を備えたものとしてもよい。
【0047】
また、前記実施形態及び変形例に共通する変形態様として、例えば、リーフレットの第2折返部が、封筒を縦断する方向に抱きかかえ得るもの、又は封筒を横断する方向及び縦断する方向に抱きかかえ得るものを採用してもよい。
【0048】
また、袋体の収納空間が開放する方向は特に限定されるものはなく、封筒、便箋の平面形状も特に限定されるものではない。なお、複数種類の封筒を収容空間に収容する態様を採用する場合、複数種類の封筒のうち最も平面寸法の大きい封筒に対応させてリーフレットの各部の寸法を設定すればよい。
【0049】
さらに、リーフレットをある程度硬い紙素材から形成すれば、このリーフレットを便箋の撓りを防止する台紙としても機能させることができ、この場合、前記実施形態における台紙が不要となり、部品点数の簡素化を有効に図ることができる。
【0050】
また、封筒として、帯部材により予め帯封されたものを図示したが、第2被収容物保持手段(封筒保持手段)によって複数の封筒を束ねることが可能であるため、帯部材を用いなくてもよく、部品点数の簡素化を図ることができる。特に、リーフレットが厚紙等の比較的硬い素材であれば、第2被収容物保持手段による封筒の束ね具合もより良好なものとなる。このように、本発明におけるリーフレットは、説明書としての機能に加え、第2被収容物を束ねる帯部材としても機能する。
【0051】
また、収容状態における封筒の短手方向への移動をより確実に規制するには、第1折返部の折り目と前記第2折返部の折り目との離間寸法を、封筒の短手寸法と略同一に設定すればよい。
【0052】
さらに、封筒の長手寸法を収容空間の内法長手寸法又は内法短手寸法と略同一に設定し、封筒の長手方向を、当該長手寸法と略同一寸法の収容空間の長手又は短手方向に沿うように収容空間に収容するとともに、リーフレットの第2折返部が、封筒を横断する方向に抱きかかえ得るものであれば、収容状態において、封筒の長手方向及び短手方向に沿った移動をともに規制することができ、好適である。
【0053】
第2被収容物視認手段(封筒視認手段)を実現する一態様として、第1折返部を平面視部分円弧状に切り欠いた態様を示したが、切り欠く形状は部分円弧状に限られないのはもちろんである。また、第2被収容物視認手段として、第1折返部に平面視略円状等の所定形状の抜き加工を施すことにより収容状態において封筒の表面側を視認し得るようにしたものであってもよい。さらに、第2被収容物視認手段が、第1折返部を透明又は半透明のものとすることにより収容状態において封筒の表面側を視認し得るようにしたものであっても構わない。この場合、第1折返部に切欠加工又は抜き加工を施す必要がなく、製作工程の簡素化に資する。
【0054】
リーフレットに、封筒の所定部位(例えば角部等)が挿し込み可能な一又は複数のスリットを形成し、封筒保持手段をこのスリットを用いて構成しても構わない。
【0055】
さらに、第1被収容物として、便箋以外の用紙類(例えばプリンタ用紙)を採用してもよい。一方、第2被収容物は、第1被収容物よりも平面視寸法が小さくものであればどのようなものであってもよく、封筒の他、例えば、CDやDVD等の記録媒体(一例としてテンプレート集が記録されたもの等)、第1被収容物よりもサイズが小さい用紙類(一例として第1収容物がB4サイズの用紙類の場合におけるB5サイズの用紙類等)、はがき、ラベル(一例として宛名シール等)が挙げられる。このように、本発明の複合商品セットは、相異なるサイズの商品を外袋の収容空間に収容するものであればよく、レターセットに限られるものではないことはいうまでもない。
【0056】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係るレターセットの全体斜視図。
【図2】同実施形態に係るレターセットの分解斜視図。
【図3】同実施形態に係るレターセットの平面図。
【図4】同実施形態におけるリーフレットの平面図。
【図5】本発明の一変形例におけるリーフレットを図4に対応して示す図。
【図6】同変形例に係るレターセットを図3に対応して示す図。
【符号の説明】
【0058】
1、A1…複合商品セット(レターセット)
2…第1被収容物(便箋)
3…第2被収容物(封筒)
3a…(封筒の)短辺
5、A5…リーフレット
51、A51…本体部
52、A52…第1折返部
521、A521…第1折り目
53、A53…第2折返部
531、A531…第2折り目
6…外袋
61s…収容空間
A54…第3折返部
X、AX…第2被収容物保持手段(封筒保持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙類等の第1被収容物と、当該第1被収容物よりも平面寸法が小さい第2被収容物と、所定の文字等が印字されたリーフレットと、これら第1被収容物、第2被収容物及びリーフレットを収容可能な収容空間を有する外袋とを具備してなる複合商品セットであって、
前記リーフレットに、前記第2被収容物が前記収容空間内で遊動することを規制する第2被収容物保持手段を設けていることを特徴とする複合商品セット。
【請求項2】
前記リーフレットが、前記収容状態において前記第1被収容物の裏面側に当てられる本体部と、当該本体部の端部から折り返してなり前記収容状態において前記第1被収容物及び前記第2被収容物の表面側に位置する第1折返部と、当該第1折返部の端部から延出し且つ前記収容状態において前記第2被収容物を抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部とを具備したものであり、
前記第2被収容物保持手段を、前記第2折返部を用いて構成している請求項1記載の複合商品セット。
【請求項3】
前記第2折返部が前記第2被収容物を横断する方向に抱きかかえ得るものであり、
前記第2被収容物の長手寸法と前記第2折返部のうち前記第2被収容物の長手方向に沿った寸法との和を、前記外袋の収容空間のうち前記第2被収容物の長手方向に沿った内法寸法よりも大きく設定している請求項2記載の複合商品セット。
【請求項4】
前記リーフレットが、前記収容状態において前記第1被収容物の裏面側に当てられる本体部と、当該本体部の端部から折り返してなり前記収容状態において前記第1被収容物及び前記第2被収容物の表面側に位置する第1折返部と、当該第1折返部の端部から延出し且つ前記収容状態において前記第2被収容物を横断する方向に抱きかかえ得るように折り返してなる第2折返部と、前記第1折返部の端部から延出し且つ前記収容状態において前記第2被収容物の短辺に当接又は近接し得るように折り返してなる第3折返部とを具備したものであり、
前記第2被収容物保持手段を、前記第2折返部及び前記第3折返部を用いて構成している請求項1記載の複合商品セット。
【請求項5】
前記第2折返部が前記第2被収容物を横断する方向に抱きかかえ得るものであり、
前記第1折返部の折り目と前記第2折返部の折り目との離間寸法を、前記第2被収容物の短手寸法に対して略同一又は若干大きく設定している請求項2、3又は4記載の複合商品セット。
【請求項6】
前記第1折返部に、前記収容状態において前記第2被収容物の表面側を視認し得えるようにした第2被収容物視認手段を設けている請求項2、3、4又は5記載の複合商品セット。
【請求項7】
第2被収容物視認手段が、前記第1折返部を所定形状に切り欠くことにより前記第2被収容物の表面側を視認し得るようにしたものである請求項6記載の複合商品セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−50570(P2007−50570A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236347(P2005−236347)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(304047004)コクヨS&T株式会社 (56)
【Fターム(参考)】