説明

複合型管継手

【課題】 内圧推力に対抗する過大なアンカーを不要とし、内部構造がシンプルで、突起物がなく、軸直角方向にも使え、内圧推力を担保するベローズ形無推力伸縮管継手と、ねじりに抗することができるねじり管継手との両方の機能を有する複合型管継手を提供することである。
【解決手段】 ねじり力に応じて変位する管本体部1を備えるねじり管継手部NTと、ベローズBLと内圧推力を常時第二タイロッド72に担保させる推力担保手段100とを備えるベローズ形無推力伸縮管継手部BTとを有する複合型管継手HTとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮管継手に係り、特に、配管の軸方向の伸縮の変位に対応容易なベローズ形伸縮管継手と、配管の軸回りのねじりに対応可能なねじり管継手の両方の機能を有する複合型管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配管部材を介して各種の製造設備や貯蔵設備同士を連結して、蒸気、ガス、LNG、水、油等を移送する際には、配管の伸縮を吸収するために伸縮管継手が用いられている。また、伸縮を吸収するためのベローズを装着したベローズ形伸縮管継手が一般に知られている。
【0003】
ベローズ形伸縮管継手としては、主として軸方向変位を吸収する軸方向型、軸曲げ変位を吸収する軸曲げ型、軸直角方向の変位を吸収する軸直角型、全平面の変位を吸収する万能型が知られている。さらに、それぞれ一個のベローズを用いる単式、複数のベローズを用いる複式のベローズ形伸縮管継手が用いられている。
【0004】
設備間に拘束された配管の温度が変化すると、配管が伸縮しようとする力が生じて、連結された設備に負荷が掛かる。これを緩和するために伸縮管継手を設置するが、配管は三次元に配された連続体であるため、配管には管軸回りのねじりが生じる。伸縮管継手の管軸ねじりに起因するねじり応力が許容を超える場合には、伸縮継手の近傍に、配管ねじり力に対抗するガイドサポートを敷設して伸縮管継手を保護すると共に、そのことによってねじりの基点への反力が許容を越えないかどうかの確認を行っている。
【0005】
上記方式であれば、伸縮管継手がねじれないことから、伸縮管継手は安全に機能し、機器への負担も許容以内に抑えることができる。
【0006】
また、配管に掛かる負荷を緩和するために単式または複式伸縮管継手を設けると、今度は内圧推力によって伸縮管継手を擁する両コーナーが広がろうとし、コーナーを介して繋がる配管が反る形で力が派生し、それが設備や機器などに掛かる。このようなことから温度変化する配管において機器に掛かる力が許容を超える場合には適切な位置に単式または複式伸縮管継手を設け、その機能を発揮するためにコーナー部に内圧推力に対抗するアンカーを敷設している。
【0007】
上記の構成であれば、コーナーが広がらないことから、コーナーを介して接続した配管が反らず機器に掛かる力を抑えることができる。
【0008】
ベローズ形伸縮管継手の基本型である単式ベローズ形伸縮管継手BT1の一例を図9に示す。図に示すようにベローズ形伸縮管継手BT1は端管2、2間にベローズBLを介装して連結した構成であり、それぞれの端管2にはフランジ3とガイドフランジ4が設けられている。また、ガイドフランジ4は端管2に固着されている(必要に応じてリブ5を設ける)と共に両側のガイドフランジ4、4間に張架したタイロッド7で、ベローズBLを一定間隔以内に保持する構成となっている。
【0009】
前記タイロッド7は、軸方向の伸びを抑制するためのガイドであって、万一配管設備のアンカーに故障が生じた場合に、継手が損傷しないようにするための制限ボルトの役割を有している。そのために、最大伸び代を制限するための第一ナット7aと第二ナット7bを有しており、一対でロックナットを形成して設定した長さを固定する構成としている。また、6はセットボルトであって、配管設備を設置完了するまで装着しておき、設置後にナット6aを緩めて取り外すものである。
【0010】
内圧推力を打ち消すベローズ形伸縮継手(バランス形という)BT2の基本形を図10に示す。このベローズ形伸縮継手BT2は直管バランス・ストレート型、直管バランス・ティー型、曲管バランス・エルボ型の基本型であって、複数組のベローズBLa、BLb、BLcを連結して、それらを個別に、または全体で一定間隔以内に保持するタイロッド7A、7Bを備える構成とされている。
【0011】
また、それぞれのタイロッドを装着するために、ガイドフランジ4Aと、これとは別に設ける第二ガイドフランジ4Bを備えている。
【0012】
従来、単式及び複式ベローズ形伸縮管継手におけるタイロッドは、ベローズの異常な伸びきりを予防するための安全装置の役割で通常はフリーの状態にしている。バランス形ベローズ形伸縮管継手においては、ベローズ間の力の伝達部品として機能している。
【0013】
内圧推力を打ち消す伸縮継手としての直管バランス・ストレート型は内部構造が複雑なので、軸直角方向には使えず、また、粉粒体やスラリー流体用には使えない。直管バランス・ティー型は軸直角方向に大きな突起物があり大きなスペースを必要とすることに加えて、突起部への流体を封入することから、封入を嫌う場合には使えない。曲管バランス・エルボ型は伸縮方向に対向する方向に指定される大きな突起物があり、その方向に大きなスペースを必要とする上に、突起部への流体を封入することから封入を嫌う場合には使えない。
【0014】
直管バランス・ストレート型は内部構造が凹凸のはめ込み式になっているので軸方向に限定して使用している。直管バランス・ティー型はストリーム側のベローズは単式のようにシンプルになり軸直角方向にも対応出来るが、ティー状の大きな突起物を必要とする。
曲管バランス・エルボ型も単式のようにシンプルになり軸直角方向にも対応出来るが、伸縮方向に対向する方向に長い突起物を必要とする。
【0015】
そのために、簡単な構成で内圧推力を打ち消す伸縮継手が求められており、例えば、作動側ベローズとバランス側ベローズとをテンションロッドを介して連結すると共に、テンションロッドの傾き方向に転動可能な座金を備えたエキスパンションベローズが既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
また、軸方向とこれに直交する二軸方向の三軸の過大変位を吸収するために、ベローズの中間外周部に設ける内側ガイドリンクと外側ガイドリンクとを円弧状係合部を介して当接するようにし、フランジから突設するアームに設ける長孔部に外側ガイドリンクを摺動可能に保持するとしたベローズ形伸縮管継手が既に出願されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−14457号公報
【特許文献2】特開平10−141565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来の単式及び複式のベローズ形伸縮継手においては、内圧推力とベロー反力により、アンカーポイントに大きな力が掛かる問題が生じる。
【0018】
また、複数のベローズを用いる圧力均衡形伸縮継手では、大型な装置となって、圧縮機出入口配管のような狭い場所には不向きである。特に内面が複雑であって、粉粒体やスラリー流体用としては不向きである。さらに、従来のベローズ形伸縮管継手においては、通常ねじりを吸収するように設計されていないため、ベローズ形伸縮管継手の近傍には配管のねじりに抗する大きな力を受けるガイドサポートを必要とする。
【0019】
そのために、アンカーポイントに内圧推力を掛けない、内部構造のシンプルなコンパクトな構成の伸縮管継手が求められている。さらに、ねじりに抗する大きな力を受けるガイドサポートを不要とし、配管のねじりに応じることができる、シンプルでコンパクトな構成のねじり管継手が求められている。
【0020】
本発明の目的は、上記問題を解決するために、内圧推力に対抗する過大なアンカーを不要とし、内部構造がシンプルで、突起物がなく、軸直角方向にも使え、内圧推力を担保するベローズ形無推力伸縮管継手と、ねじりに抗することができるねじり管継手との両方の機能を有する複合型管継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、ねじり力に応じて変位する管本体部と該管本体部の両側に設ける第一フランジ同士を張架する第一タイロッドを備えるねじり管継手部と、ベローズと該ベローズの両側に設ける第二フランジ同士を張架する第二タイロッドを備えると共に内圧推力を常時第二タイロッドに担保させる推力担保手段を備えるベローズ形無推力伸縮管継手部とを有する複合型管継手としたことを特徴としている。
【0022】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、管軸のねじりと伸縮の両方に対応可能な管継手を得ることができる。
【0023】
請求項2に係る発明は、前記管本体部の両側に連結する第一端管に前記第一フランジを設け、前記第一端管の外側にそれぞれにベローズを連接すると共に、それぞれのベローズの外側に第二端管を連結して前記第二フランジを設け、前記ねじり管継手部を挟んで対向する前記第二フランジ同士を張架するようにして前記第二タイロッドを介装し、該第二タイロッドに常時、内圧推力を担保させる推力担保手段を配設したことを特徴としている。
【0024】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、管軸のねじりに対応可能なねじり管継手機能と、内圧推力に対応可能なベローズ形無推力伸縮管継手機能を発揮する一体構成の複合型管継手を得ることができる。
【0025】
請求項3に係る発明は、前記第一タイロッドを複数装着してタイロッドナットにより止着し、前記タイロッドナットと前記第一フランジとの間に球面座金を介装して、配管のねじれを許容する構成とすると共に、前記管本体部の外周部に膨張防止用バンド部材を装着したことを特徴としている。
【0026】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、管本体部がねじれにより変位しても、第一タイロッドがその変位に追随して、管本体部に付加されるねじり外力を担保し、管本体部を保護することができる。また、管本体部の管径方向の膨張を抑制することができるので、容易にねじれ変形する薄い板金製の管本体部を使用することができる。
【0027】
請求項4に係る発明は、前記第一フランジ上に球面状凹部を有する受け座を介して前記球面座金を配設し、前記膨張防止用バンド部材を締結用金具を介して前記第一タイロッドに固定したことを特徴としている。
【0028】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、管本体部がねじれにより変位しても、タイロッドがねじれ変位にさらに容易に追随してねじれを許容する構成となる。さらに、管本体部の所定の位置に膨張防止用バンド部材を保持することができ、その位置のズレを防止可能となる。
【0029】
請求項5に係る発明は、前記受け座と前記球面座金と前記タイロッドナットとを、前記第一フランジの両面に配設して、前記管本体部の軸方向の縮み変位を抑制する構成としたことを特徴としている。
【0030】
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、軸方向の縮み変位を受け易い管本体部素材もしくは形状であっても、縮み変位を確実に防止することができる。
【0031】
請求項6に係る発明は、前記管本体部を軸方向の断面がジグザグの鋸歯状の筒状部材としたことを特徴としている。
【0032】
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、断面が鋸歯状の筒状部材としているので、管本体部にねじり力が付加されると、軸心を保持した状態で容易にねじれ変位することができる。
【0033】
請求項7に係る発明は、前記ベローズ形無推力伸縮管継手部が、前記第二タイロッドを複数備える伸縮管継手であって、ぞれぞれの前記第二タイロッドの両端を両側の前記第二フランジをそれぞれ通過して延設し、この延設部に該延設部を嵌装する押圧力受け座部材を配設し、前記第二タイロッドの先端部に設けるナット部材により止着すると共に、前記押圧力受け座部材と第二フランジとの間、および、前記押圧力受け座部材と前記第二端管との間に配設され、且つ、前記押圧力受け座部材と第二フランジとの両部材に当接するよう付勢される押圧ガイド部材を介して、配管の伸縮による第二フランジの変位に拘わらずに、前記押圧ガイド部材と前記押圧力受け座部材との接触状態を維持して、内圧推力を常時前記第二タイロッドに担保させる推力担保手段を形成していることを特徴としている。
【0034】
上記の構成を有する請求項7に係る発明によれば、配管の伸縮によって生じる内圧推力を、第二フランジ、押圧ガイド部材、押圧力受け座部材、ナット部材から形成される推力担保手段を介して第二タイロッドに伝達するので、内圧推力を常時第二タイロッドで確実に担保するベローズ形無推力伸縮管継手とすることができる。
【0035】
請求項8に係る発明は、前記押圧力受け座部材が、中央部にタイロッド挿通孔を有し、前記第二端管に対向する側に前記押圧ガイド部材と当接する当接面を有していると共に、前記当接面を、第二フランジ表面から立ち上がり第二端管に向かう方向に傾斜した傾斜面とし、前記押圧ガイド部材に、前記傾斜面に当接する第一当接部と第二フランジに当接する第二当接部を設け、該第二当接部を介して第二フランジ表面を移動自在とすると共に、前記傾斜面に前記第一当接部を圧接する方向に付勢する付勢部材を配設したことを特徴としている。
【0036】
上記の構成を有する請求項8に係る発明によれば、配管の伸縮により第二フランジが変位しても、第二フランジ面と押圧力受け座部材の当接面となる傾斜面を介して、押圧ガイド部材を移動してくさび状に食い込ませるように付勢し、第二フランジの変位を確実に第二タイロッドに伝達可能となって、内圧推力を常時タイロッドに担保させることができる。さらに、傾斜面で当接させるので、内圧推力の軸方向とは直交する方向の水平方向分力が小さくなって、第二タイロッドの大きさを適当な大きさとすることができる。
【0037】
請求項9に係る発明は、前記押圧力受け座部材を断面矩形の方形押圧力受け座とし、前記押圧ガイド部材を断面矩形の押圧ガイドブロックとし、前記第二端管の外周部に設けるリブ部材を前記押圧ガイドブロックの両側面部をガイドする左右一対のガイド片を有するリブ部材とすると共に、前記押圧ガイドブロックの第二当接部の上部に段差を設けて付勢部材装着部を配設し、この付勢部材装着部の両側を前記ガイド片で覆い、さらに上部を覆うカバー部材を設けたことを特徴としている。
【0038】
上記の構成を有する請求項9に係る発明によれば、配管の伸縮に応じて移動する押圧ガイドブロックの両側をガイドすることができるので、押圧ガイドブロックと方形押圧力受け座の両部材の回転を防止することができる。さらに、付勢部材を作動領域に収納して保持することができ、付勢部材を適正に作動させることができる。
【0039】
請求項10に係る発明は、前記押圧力受け座部材の頂部に球面状凹部を設けて、該球面状凹部に合致する球面座金を介装して前記ナット部材を止着し、前記押圧力受け座部材が前記第二タイロッドに対して偏芯可能としていることを特徴としている。
【0040】
上記の構成を有する請求項10に係る発明によれば、配管の多少のねじれや芯ズレに対しても対応可能となり、押圧ガイド部材と押圧力受け座部材とを常に面接触状態に当接させることができる。
【0041】
請求項11に係る発明は、前記押圧力受け座部材の外周部に係合して円周上の全ての押圧力受け座部材を一体的に連結する張架部材を配設したことを特徴としている。
【0042】
上記の構成を有する請求項11に係る発明によれば、押圧力受け座部材の管径方向の膨張に相当する移動を抑制して、円周上に複数設けるタイロッドを一体的に変位させることができ、一本の所定のタイロッドに掛かる負荷を軽減することができる。また、そのために、付勢力によるタイロッドの撓みを防止することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、ねじり力に応じて変位する管本体部を備えるねじり管継手部と、内圧推力を常時タイロッドに担保させる推力担保手段を備えるベローズ形無推力伸縮管継手部とを有する構成の複合型管継手としているので、内圧推力に対抗する過大なアンカーを不要とし、内部構造がシンプルな、配管の伸縮とねじりの両方に対応可能な管継手を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明に係る複合型管継手の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】
図1に、本発明に係る複合型管継手HT全体の概略説明図を示す。図2には本発明に係るねじり管継手部NTの概略説明図を示し、図3には本発明に係るベローズ型無推力伸縮管継手BTの概略説明図を示している。図4は図1のA−A矢視図であり、図5は図1のB−B矢視図であり、図6は図1のC−C矢視図であり、図7は図1のD−D矢視図を示している。
【0046】
本発明に係る複合型管継手HTは、図1に示すように、ねじり力に応じて変位する管本体部1を備えるねじり管継手部NTと、ベローズBLと内圧推力を常時第二タイロッド72に担保させる推力担保手段100とを備えるベローズ形無推力伸縮管継手部BTとを有する管継手部材である。
【0047】
また、ねじり管継手部NTを複合型管継手HTの中央に配置し、その両側に、それぞれ第一フランジ31、31を介してベローズBLを連接し、それぞれのベローズBLの外側に設ける第二フランジ32、32同士を張架する第二タイロッド72を設け、該タイロッド72に常時、内圧推力を担保させる推力担保手段100を配設する構成としている。
【0048】
ねじり管継手部NTとベローズ形無推力伸縮管継手部BTとを有する複合型管継手HTを構成するには、図8に示すように、別体の継手部材とされるねじり管継手部NTとベローズ形無推力伸縮管継手部BTとを配管の軸方向に直列に接続した複合型管継手HT1とすることもできる。しかし、中央部にねじり管継手部NTを配置して、このねじり管継手部NTを挟むようにしてベローズ形無推力伸縮管継手部BTを組み合わせた一体型の複合型管継手HTであれば、コンパクトな構成となると共に、複合型管継手HT単体として保管し搬送可能となり好適となる。
【0049】
次に、ねじり管継手部NTについて図2より詳細に説明する。
【0050】
ねじり管継手部NTは、管本体部1の両端に連結する第一端管2Aと管連結用の第一フランジ31を備える管継手部材であって、管本体部1の両側の第一フランジ31、31同士を張架する第一タイロッド71を複数(例えば、円周上等配した4箇所)装着してタイロッドナット13、14により止着すると共に、前記タイロッドナット13、14と前記第一フランジ31との間に球面座金12を介装して、配管のねじれを許容する構成とし、前記管本体部1の外周部に膨張防止用バンド部材8を装着している。11は受け座であって、前記球面座金12に合致する球面状凹部を有している。
【0051】
上記の構成であれば、管本体部1がねじれにより変位しても、第一タイロッド71がその変位に追随して、付加されるねじり外力から管本体部1を保護することができる。さらに、受け座11の球面状凹部と球面座金12との当接面を低摩擦部材からなる当接面とすると、第一タイロッド71が管軸から傾斜する方向に変位容易となって、管本体部1のねじれ変位にさらに容易に追随してねじれを許容する構成となり好ましい。
【0052】
上記したように、受け座11の球面状凹部に合致する球面座金12を介装してタイロッドナット13、14を止着する構成としているので、この二個のナット部材13、14を互いに締結することで、第一タイロッド71の所定の位置に、ナットの緩みを防止するロックナット状態に締結することができる。つまり、ねじれる前の管本体部1と第一タイロッド71の相関が、ねじれた後も保持されており、異常な外力から管本体部1を保護しながら、内圧推力を担保することができる。
【0053】
また、前記受け座11と前記球面座金12と前記タイロッドナット13、14とを図中の実線に示すように、管本体両側の第一フランジ31、31のそれぞれの外側に設けているが、これに加えて図中の想像線に示すように前記第一フランジ31、31のそれぞれの内側にも設けて、それぞれの第一フランジ31を挟持する構成とすることもできる。
【0054】
管本体部1の軸方向の潰れ力がベローズ反力よりも大きい場合は、管本体両側の第一フランジ31、31のそれぞれの外側のみに設ける構成であればよいが、管本体部1の軸方向の潰れ力がベローズ反力よりも小さい場合は、このように、前記受け座11と前記球面座金12と前記タイロッドナット13、14とを、前記第一フランジ31の両面に配設する構成とすることで、軸方向の縮み変位を受け易い管本体部1であっても、縮み変位を確実に防止することができる。
【0055】
上記の第一フランジ31の両面をタイロッドナット13、14を介して挟持する構成であっても、それぞれ球面状凹部を備える受け座11と球面座金12を介装しているので、管本体部1のねじれを許容する構成となる。
【0056】
第一タイロッド71は、例えば図5に示すように、円周上4箇所に等配した構成としている。この配設する数量は円周上3箇所でも6箇所でもよく、配管のサイズと内圧推力の大きさによって適宜選択することができる。また、複数の第一タイロッド71を、円周上等配して設けることで、内圧推力が配管の周囲全体で均等に負荷されることになって、異常な変形が生じずに好適である。また、前述したように、6はセットボルトであって、配管設備を設置完了するまで装着しておき、設置後にナットを緩めて取り外すものである。
【0057】
前記管本体部1は配管の伸縮に応じるベローズBLではなく、配管のねじりに対応可能な配管継手となるように、ねじり力に応じて変位する管本体部形状としている。
【0058】
配管ねじり力に応じて変位する管本体部1を構成するには、この本体部の軸方向の断面をジグザグの凹凸状とすればよく、例えば、鋸歯状の筒状部材とするか、あるいは、本体部の軸方向の断面を円弧状凹凸の波型状の筒状部材とすればよい。
【0059】
このように、軸方向に稜線を有し、断面がジグザグの凹凸状とすることで、容易にねじれ変形する管本体部1を構成することができる。また、薄い板金製の管本体部とすることで、さらに容易にねじれ変形しねじり反力を小さくすることができる。
【0060】
また、管本体部1を端管2(第一端管2A)に固着するので、管本体部1の両端側は前記端管2を被覆する程度の内径を有する円筒部1aとされており、嵌め込んだ重ね合わせ端部を溶接したり、固定バンド9で締結したりして固着することができる。図6のC−C矢視図に示す例では、第一端管2Aに外挿した円筒部1aを、板金製のバンド部9bと、該バンド部9bを締め上げる締結部9aを有する固定バンド9で締結している状態を示している。さらに、溶接による接合と固定バンドによる締結とを組み合わせることも可能である。そのために、円筒部1aを第一端管2Aに嵌め込んだ重ね合わせ端部を溶接し、さらに、該重ね合わせ部を固定バンド9を用いて締結して、接合状態をさらに強固に補強することができる。
【0061】
また、管本体部1の、断面がジグザグの凹凸状の本体中央部に当たる、前記管本体部1の外周部に膨張防止用バンド部材8を装着している。この構成であれば、前記管本体部1の管径方向の異常な膨張を抑制することができ、容易にねじれ変形する薄い板金製の管本体部を使用しても破損しないねじり管継手となる。この膨張防止用バンド部材8の装着数は、一個でも複数個でもよく、配管のサイズと内圧推力の大きさによって適宜選択することができる。
【0062】
また、一個の膨張防止用バンド部材8を装着する際には、管本体部1の本体中央部付近に設けることが好ましい。さらに、図7に示すように、第一タイロッド71に締結する構成の位置保持用金具10を用いて、前記膨張防止用バンド部材8の装着位置がずれないようにすることができる。このように、膨張防止用バンド部材8の設置位置を、第一タイロッド71を利用して保持する構成としているので、管本体部1の所定の位置に膨張防止用バンド部材8を固定し、その位置ズレを防止することができる。
【0063】
膨張防止用バンド部材8は金属製、例えばステンレス製のバンド部材であって、板金製のバンド部8bと、該バンド部8bを締め上げる締結部8aを備えている。また、バンド部8bが締結部8aを挿通自在とすることで、一方の締結部から外した状態でバンド部を管本体部1の本体中央部付近に巻回し、その後でバンド部を締結部に挿通して締め上げていくことができる。
【0064】
前述した固定バンド9も同様な構成であって、共に、締結強度が大きく耐熱性を有する金属製バンド部材からなっている。
【0065】
位置保持用金具10は、膨張防止用バンド部材8のバンド部をその幅方向の両側を挟持する二枚の面板10a、10bを用いて、前記膨張防止用バンド部材8がずれないようにする金具である。図2に示す例では、面板10aが膨張防止用バンド部材8のバンド部の下側の位置を規制し、面板10bが前記バンド部の上側の位置を規制する構成とされている。
【0066】
図2には、管本体部1の本体中央部付近に一個の膨張防止用バンド部材8を設け、その位置に応じたタイロッド7の所定位置に位置保持用金具10を設けているが、図7に示すように、円周上等配して複数設ける第一タイロッド71の全てに、それぞれ位置保持用金具10を設けることもできる。
【0067】
また、管本体部1の本体中央部以外の部分に別の膨張防止用バンド部材8を設けてもよく、複数の膨張防止用バンド部材8を装着して要所をバンドで縛る構成としてもよい。この際に、それぞれの膨張防止用バンド部材8を位置固定しておく位置保持用金具10をそれぞれ設けることは明らかである。
【0068】
上記した構成のねじり管継手NTであれば、薄い板金製の管本体部1であっても、膨張防止用バンド部材8を介して異常な膨張を抑制して破損を防止することができる。また、位置保持用金具10を介して膨張防止用バンド部材8の締着位置を規制しているので、管のねじり変位の繰り返しや膨張伸縮の繰り返しに拘らずに、膨張防止用バンド部材8の締着位置を所望の位置に保持しておくことができ、安定した機能を発揮可能となる。
【0069】
次に、図3よりベローズ形伸縮管継手BTについて説明する。
【0070】
ベローズ形伸縮管継手BTは、ベローズBLを挟む両側の第二フランジ32、32同士を張架する第二タイロッド72を複数張架した構成である。また、配管フランジ33に接続される配管に伸縮が生じ長さが変位するとその変位が第二端管2Bを移動し、第二フランジ32が移動しようとする。本実施の形態においては、推力担保手段100を介して配管の伸縮により生じる内圧推力を常時第二タイロッド72に担保させる構成としている。
【0071】
推力担保手段100は、第二タイロッド72の先端部に設けるナット部材13、14と第二フランジ32との間に第二タイロッド72を嵌装するように設けられる押圧力受け座部材18と該押圧力受け座部材18が備える当接面(傾斜面18a)と当接する第一当接部15aを有する押圧ガイド部材15と、該押圧ガイド部材15を前記押圧力受け座部材方向に付勢する付勢部材16を備える構成とされている。
【0072】
押圧ガイド部材15は、押圧力受け座部材18が備える当接面と当接する第一当接部15aと、第二フランジ32に当接する第二当接部15bを有しており、付勢部材16を介して前記第一当接部15aを常時当接面(傾斜面18a)に圧接する構成とされている。
【0073】
この際に、前記押圧力受け座部材18が、中央部にタイロッド挿通孔18dを有し、前記当接面として第二端管に対向する側に傾斜面18aを設け、該傾斜面18aと前記第二フランジ面とで形成される開口角度を鋭角にし、この鋭角な開口部に付勢部材16を介して前記押圧ガイド部材15を楔状に押し込むようにして、前記第二フランジ32の変位に拘わらずに、前記傾斜面18aに前記第一当接部15aを圧接する構成としている。
【0074】
また、前記傾斜面18aと前記第一当接部15aとの当接部の側面部を凹凸の嵌め合い構成とすることで、押圧力受け座部材18と押圧ガイド部材15とが回転せずに正しく確実に当接し、この当接した状態を維持することができる。この凹凸嵌め合い構成は、いずれか一方の部材に、他方の部材を嵌合して収容するガイド部を突出して設けることで構築することができる。
【0075】
上記した構成であれば、配管の伸縮により生じる内圧推力を、第二フランジ32から押圧ガイド部材15を介して、押圧力受け座部材18からナット部材13、14に伝達し、第二タイロッド72に担保させる構成となる。また、当接面を、第二フランジ表面から立ち上がり第二端管2Bに向かう方向に傾斜した傾斜面18aとしているので、内圧推力の軸方向とは直交する方向の水平方向分力が小さくなって、第二タイロッド72の大きさを適当な大きさとすることができる。
【0076】
この際に、傾斜面18aと第一当接部15aとの当接部と、第二当接部15bと第二フランジ32との当接部とに低摩擦部材を装着して摺動容易な構成とすると、配管の収縮によって第二フランジ32が変位しても、押圧ガイド部材15がフランジ上を容易に摺動し、押圧力受け座部材18に確実に当接する構成となり好適である。
【0077】
また、図4に示すように、第二タイロッド72および推力担保手段100(100A、100B、100C、100D)を円周上4箇所に等配した構成としている。この配設する数量は円周上3箇所でも6箇所でもよく、配管のサイズと内圧推力の大きさによって適宜選択することができる。また、複数の第二タイロッド72と推力担保手段100とを、円周上等配して設けることで、内圧推力が配管の周囲全体で均等に負荷されることになって、異常な変形が生じずに好適である。
【0078】
この実施形態では、前記押圧力受け座部材18を断面矩形の方形押圧力受け座とし、前記押圧ガイド部材15を断面矩形の押圧ガイドブロックとしている。また、前記第二端管2Bの外周部に設けるリブ部材として、前記押圧ガイドブロック15の側面をガイドする一対のガイド片を有する形状とし、前記方形押圧力受け座と前記押圧ガイドブロックとの当接部の側面部を凹凸の嵌め合い構成としている。また、この凹凸嵌め合い構成としては、一方の部材を凸状とし、他方の部材を凹状とすればよく、いずれの構成であっても、方形押圧力受け座と押圧ガイドブロックとを凹凸の嵌め合い構成とすることで、傾斜面18aと第一当接部15aとが当接する状態を維持して、方形押圧力受け座の回転を防止することができる。
【0079】
そのために、配管の伸縮に連動して押圧ガイド部材15が半径方向に移動しても、押圧力受け座部材18と押圧ガイド部材15とが回転せずに正しく確実に当接し、この当接した状態を維持することができる。ここで、22はリブ基部であって、該リブ基部22に一対のガイド片を固着してリブ部材5Aが形成されている。
【0080】
また、押圧ガイド部材15と端管2(第二端管2B)の間に付勢部材16を配設しているが、このために第二当接部15bの上部に段差を設けて付勢部材装着部を配設している。この付勢部材装着部は、この両側を前述したガイド片を有するリブ部材5Aで覆い、さらに付勢部材16の上部をカバー部材17で覆う構成としている。
【0081】
そのために、付勢部材16をこの付勢部材装着部に収納可能となり、種々のタイプの付勢部材16を採用して装着することが可能である。例えば、図に示すコイルスプリングを収納することも、座屈板等の弾性部材を収納して使用することもできる。
【0082】
また、その他の付勢部材や付勢装置を用いることも可能であって、付勢部材16のタイプを特に限定するものではない。
【0083】
いずれの方式であっても、ベローズBLの伸縮範囲の全領域に亘って、押圧ガイド部材15を押圧力受け座部材18方向に付勢し、常時当接させておく付勢部材16を装着しておくことが肝要となる。
【0084】
また、押圧ガイド部材15の形状は、該押圧ガイド部材15の変位に拘らずに第二タイロッド72と干渉しない形状であればよく、その形状は特には限定されない。また、押圧力受け座部材18の頂部に球面状凹部を設けて、該球面状凹部に合致する球面座金12Aを介装してナット部材13、14を止着する構成としている。そのために、この二個のナット部材13、14を互いに締結することで、ナットの緩みを防止するロックナット状態に締結することができる。
【0085】
上記の構成であれば、タイロッド挿通孔18dを介して第二タイロッド72に嵌装した状態で止着される押圧力受け座部材18が、第二タイロッド72に対して調芯可能となり、配管に多少の芯ズレが生じても、前記押圧力受け座部材18と押圧ガイド部材15とが常に面接触する構成となる。
【0086】
さらに、円周上に複数装着される押圧力受け座部材18同士を連結する張架部材20を装着することで、円周上等配して複数設けられる第二タイロッド72を一体的に変位させることができ、一本の所定のタイロッドに掛かる負荷を軽減することができる。また、張架部材20にターンバックル21を配設すると、円周上の複数のタイロッドが相対互助となり、タイロッドの撓みを防止することが可能となる。
【0087】
この際に、押圧力受け座部材18の外側に円弧状のガイド溝を有するガイド部材19を装着し、このガイド溝に沿って張架部材20を装着する構成としている。また、この張架部材20を張架する位置は、付勢部材16によって付勢される位置近辺であることが好ましい。
【0088】
上記したように、第二端管2Bの外周部に略等配して複数の第二タイロッド72を設けると共に、それぞれのタイロッド72に推力担保手段100(例えば、100A、100B、100C、100D)を介装し、さらに、球面座金12Aを介装する押圧力受け座部材18同士を、ターンバックル21を備える張架部材20で連結する構成としているので、付勢部材の異常な付勢力が生じても、複数の第二タイロッド72を一体的に変位させることができ、第二タイロッド72の破損を防止することができる。
【0089】
また、リブ部材5Aに、治具係止孔23aを有する耳状の治具係止部材23を前記付勢部材装着部の両側に対向させて一対配設している。この構成であれば、付勢力の強い付勢部材16であっても、治具係止孔23aに治具の一部を係止して(引っ掛けて)付勢部材16と押圧ガイド部材15とを押し込む治具(不図示)を用いて押し込みタイロッド72をセットすることで、付勢部材16を圧縮して容易に組み付けることが可能となり、装置の組み付け作業を安全に行うことができる。この治具係止部材23は、リブ部材5Aを形成するガイド片もしくはリブ基部22のいずれかに、または両者に跨って固着することができる。
【0090】
上記した本発明に係るベローズ形無推力伸縮管継手部BTは、押圧ガイド部材15と押圧力受け座部材18との接触状態を維持して、内圧推力を常時第二タイロッド72に担保させる推力担保手段100を備えるベローズ形無推力伸縮管継手BTとしているので、押圧力受け座部材とガイドフランジとの両部材に当接するよう付勢される押圧ガイド部材を介して、配管の伸縮によるガイドフランジの変位に拘わらずに、前記押圧ガイド部材と前記押圧力受け座部材との接触状態を維持して、内圧推力を常時タイロッドに担保させる構成のベローズ形無推力伸縮管継手となる。
【0091】
つまり、本発明に係る複合型管継手HTは、内圧推力を常時タイロッドに担保させる構成のベローズ形無推力伸縮管継手部BTと、ねじり力に応じて変位する管本体部1を備えるねじり管継手部NTとを有する管継手となる。そのために、本発明に係る複合型管継手HTによれば、配管の伸縮とねじりの両方に対応可能となる。
【0092】
上記したように本発明によれば、内圧推力はタイロッドで引受けることから内圧推力に対抗する過大なアンカーが不要となり経済的であるといえる。また、内部構造が複雑で、突起物がないことから、大きなスペースを必要とせず、内筒30を設けることができ、粉粒体やスラリー流体にも使用可能となって、内圧推力に対抗する過大なアンカーを不要とし、内部構造がシンプルで、突起物がなく、軸直角方向にも使え、内圧推力を担保するベローズ形無推力伸縮管継手と、ねじりに抗することができるねじり管継手との両方の機能を有する複合型管継手を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る複合型管継手の一例を示す概略説明図である。
【図2】本発明に係るねじり管継手部の一例を示す概略説明図である。
【図3】本発明に係るベローズ形無推力伸縮管継手部の一例を示す概略説明図である。
【図4】図1のA−A矢視図である。
【図5】図1のB−B矢視図である。
【図6】図1のC−C矢視図である。
【図7】図1のD−D矢視図である。
【図8】複合型管継手の他の例を示す概略説明図である。
【図9】従来の単式ベローズ伸縮管継手の断面図である。
【図10】従来のバランス形のベローズ伸縮管継手の概略説明図である
【符号の説明】
【0094】
1 管本体部
2 端管
2A 第一端管
2B 第二端管
12 球面座金
15 押圧ガイド部材
15a 第一当接部
18 押圧力受け座部材
18a 傾斜面(当接面)
20 張架部材
31 第一フランジ
32 第二フランジ
71 第一タイロッド
72 第二タイロッド
100 推力担保手段
BL ベローズ
BT ベローズ形無推力伸縮管継手部
NT ねじり管継手部
HT 複合型管継手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじり力に応じて変位する管本体部と該管本体部の両側に設ける第一フランジ同士を張架する第一タイロッドを備えるねじり管継手部と、ベローズと該ベローズの両側に設ける第二フランジ同士を張架する第二タイロッドを備えると共に内圧推力を常時第二タイロッドに担保させる推力担保手段を備えるベローズ形無推力伸縮管継手部とを有することを特徴とする複合型管継手。
【請求項2】
前記管本体部の両側に連結する第一端管に前記第一フランジを設け、前記第一端管の外側にそれぞれにベローズを連接すると共に、それぞれのベローズの外側に第二端管を連結して前記第二フランジを設け、前記ねじり管継手部を挟んで対向する前記第二フランジ同士を張架するようにして前記第二タイロッドを介装し、該第二タイロッドに常時、内圧推力を担保させる推力担保手段を配設したことを特徴とする請求項1に記載の複合型管継手。
【請求項3】
前記第一タイロッドを複数装着してタイロッドナットにより止着し、前記タイロッドナットと前記第一フランジとの間に球面座金を介装して、配管のねじれを許容する構成とすると共に、前記管本体部の外周部に膨張防止用バンド部材を装着したことを特徴とする請求項1または2に記載の複合型管継手。
【請求項4】
前記第一フランジ上に球面状凹部を有する受け座を介して前記球面座金を配設し、前記膨張防止用バンド部材を締結用金具を介して前記第一タイロッドに固定したことを特徴とする請求項3に記載の複合型管継手。
【請求項5】
前記受け座と前記球面座金と前記タイロッドナットとを、前記第一フランジの両面に配設して、前記管本体部の軸方向の縮み変位を抑制する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の複合型管継手。
【請求項6】
前記管本体部を軸方向の断面がジグザグの鋸歯状の筒状部材としたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の複合型管継手。
【請求項7】
前記ベローズ形無推力伸縮管継手部が、前記第二タイロッドを複数備える伸縮管継手であって、
ぞれぞれの前記第二タイロッドの両端を両側の前記第二フランジをそれぞれ通過して延設し、この延設部に該延設部を嵌装する押圧力受け座部材を配設し、前記第二タイロッドの先端部に設けるナット部材により止着すると共に、
前記押圧力受け座部材と第二フランジとの間、および、前記押圧力受け座部材と前記第二端管との間に配設され、且つ、前記押圧力受け座部材と第二フランジとの両部材に当接するよう付勢される押圧ガイド部材を介して、配管の伸縮による第二フランジの変位に拘わらずに、前記押圧ガイド部材と前記押圧力受け座部材との接触状態を維持して、内圧推力を常時前記第二タイロッドに担保させる推力担保手段を形成していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合型管継手。
【請求項8】
前記押圧力受け座部材が、中央部にタイロッド挿通孔を有し、前記第二端管に対向する側に前記押圧ガイド部材と当接する当接面を有していると共に、前記当接面を、第二フランジ表面から立ち上がり第二端管に向かう方向に傾斜した傾斜面とし、
前記押圧ガイド部材に、前記傾斜面に当接する第一当接部と第二フランジに当接する第二当接部を設け、該第二当接部を介して第二フランジ表面を移動自在とすると共に、前記傾斜面に前記第一当接部を圧接する方向に付勢する付勢部材を配設したことを特徴とする請求項7に記載の複合型管継手。
【請求項9】
前記押圧力受け座部材を断面矩形の方形押圧力受け座とし、前記押圧ガイド部材を断面矩形の押圧ガイドブロックとし、前記第二端管の外周部に設けるリブ部材を前記押圧ガイドブロックの両側面部をガイドする左右一対のガイド片を有するリブ部材とすると共に、前記押圧ガイドブロックの第二当接部の上部に段差を設けて付勢部材装着部を配設し、この付勢部材装着部の両側を前記ガイド片で覆い、さらに上部を覆うカバー部材を設けたことを特徴とする請求項7または8に記載の複合型管継手。
【請求項10】
前記押圧力受け座部材の頂部に球面状凹部を設けて、該球面状凹部に合致する球面座金を介装して前記ナット部材を止着し、前記押圧力受け座部材が前記第二タイロッドに対して偏芯可能としていることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の複合型管継手。
【請求項11】
前記押圧力受け座部材の外周部に係合して円周上の全ての押圧力受け座部材を一体的に連結する張架部材を配設したことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の複合型管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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