複合容器
【課題】紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けた複合容器であって、アルミニウム層の積層による外観、検査、電子レンジ使用適性への悪影響を防止した遮光性のある複合容器を提供すること。
【解決手段】紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層を有している複合容器。
【解決手段】紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層を有している複合容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙を主材料とした容器に関し、特に開口部にプラスチック製の開口縁部材を取り付けた複合紙容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、さまざまな材質、形状の容器が使用されているが、近年環境意識の高まりに伴い、有限な石油資源を原料とするプラスチック製容器に対して再生産が可能な木材を原料とする紙製容器が見直されてきている。しかしながら紙だけでは、十分な機能を持った容器が得られないため、紙製の本体に最小限のプラスチック製の開口縁部材を取り付けた複合紙容器が注目されている。
【０００３】
紙を主材料とした容器本体に合成樹脂製の開口縁部材を取り付けた容器の例として、特許文献１および特許文献２に開示された複合容器があるが、この複合容器は、容器本体を成型金型内に挿入配置して樹脂を射出するインサート成型法によって開口縁部材を形成するものである。
この方法によると、溶融した樹脂が細部にまで行き渡るため、精度の高い高品位な製品が得られる特徴があるが、極めて高価な専用の金型を必要とするため、コストの面で制約があった。
【０００４】
紙カップの開口部にプラスチック製の開口縁部材を取り付ける他の手段として、超音波を利用した超音波溶着法が一般的に使用されている。
超音波溶着法によると、比較的簡単な金型によって溶着加工が可能であり金型コスト面での制約は少なくなるが、溶着時の紙カップの異常振動によりプラスチック製の開口縁部材が破損する場合があった。
【０００５】
紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けた複合容器を提供するために、特許文献３には開口部の上端面と開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有する複合容器が提案されている。
【０００６】
開口部の上端面と開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有することによって、超音波溶着法を用いて両者を溶着加工する際の振動によって開口縁部材が破損することがなくなった。また特に、前記隙間が０．５ｍｍ以上である場合には、受け金型の精度、超音波ホーンの精度、容器本体の寸法のばらつき、開口縁部材の寸法のばらつき等、さまざまな要因によって隙間の寸法がばらついた場合であっても容器本体の上端面と開口縁部材の張り出し部が直接接触する可能性は少なくなり、常に安定した生産が可能となった。
また、カップ状の容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直である場合には、特に超音波溶着時の開口縁部材の破損が発生しやすいものであるため、前記隙間の有効性が高まる。
【０００７】
しかしながら、特許文献３に示された複合容器では、加飾性と遮光性を付与するために、紙基材に加えてアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層を積層していたためにこれによる問題点をいくつか含んでいた。たとえば、紙基材の外側にアルミニウム層を積層した場合には印刷ののりが悪い、あるいは金属光沢が見栄えやデザインに影響を与えることがあった。
【０００８】
また、紙基材の内側にアルミニウム層を積層した場合には、容器成型時の背面異物検査において乱反射による誤検知を起こすという問題があった。
さらに、アルミニウム層の積層によって、充填時の導電性でピンホールを判定するチェッ
カーの使用に適しない、あるいは、アルミニウムを用いているために電子レンジでの使用が出来ないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開平９−２３９８７２号公報
【特許文献２】特開平９−２７７４５０号公報
【特許文献３】特開２００９−２８６４０４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けた複合容器であって、アルミニウム層の積層による外観、検査、電子レンジ使用適性への悪影響を防止した遮光性のある複合容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記の課題を解決するための手段として、請求項１に記載の発明は、紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層を有していることを特徴とする複合容器である。
【００１２】
また、請求項２に記載の発明は、前記容器本体の最内面には熱可塑性樹脂層が設けられ、前記開口縁部材が前記容器の内側に溶着することを特徴とする請求項１に記載の複合容器である。
【００１３】
また、請求項３に記載の発明は、前記隙間が０．５ｍｍ以上であることを特徴とする請求項１または２に記載の複合容器である。
【００１４】
また、請求項４に記載の発明は、前記容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の複合容器である。
【００１５】
また、請求項５に記載の発明は、紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体と、熱可塑性樹脂からなり少なくとも張り出し部及び容器本体の胴部と溶着する溶着部を有した開口縁部材とからなり、前記容器本体の胴部に前記開口縁部材の溶着部を溶着した複合容器であって、前記積層材料は遮光性インキ層を有しており、前記容器本体の開口部上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有するように、前記開口縁部材の溶着部が前記容器本体の胴部に溶着したことを特徴とする複合容器である。
【発明の効果】
【００１６】
本発明に係る複合容器は、紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しているので、紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けることが出来る。
【００１７】
また、前記積層材料は、遮光性インキ層を有していることによって、内容物保護機能を維持しながら、アルミニウム層の積層による外観やデザインの制限、ピンホールや異物検
査の妨害、電子レンジ使用適性への悪影響を防止した遮光性のある複合容器を提供することが出来る。
【００１８】
さらに、本発明に係る複合容器は、紙を主材料とした積層材料からなる胴部と底部とを備え、内面に熱可塑性樹脂層を有するカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂製の開口縁部材を溶着してなる複合容器であるから、開口縁部材の形状を工夫することによって紙のみを用いた容器には望めないさまざまな機能を付与することができる。
【００１９】
例を挙げれば、開口縁部材の天面を平坦にすることによって蓋材のシール性を向上することができる。また他の例としては、開口縁部材に嵌合するキャップを用いることによって、再封可能な容器とすることができる。また、紙と紙以外の材料の比率を調節することにより、紙容器として認定される設計が可能であり、石油資源の節約と廃棄物処理に係る費用の低減を図ることができる。
【００２０】
また、本発明に係る複合容器は、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有するものであるため、超音波溶着法によって両者を溶着加工する際の振動によって開口縁部材が破損することがなくなった。
【００２１】
また特に、前記隙間が０．５ｍｍ以上である場合には、受け金型の精度、超音波ホーンの精度、容器本体の寸法のばらつき、開口縁部材の寸法のばらつき等、さまざまな要因によって隙間の寸法がばらついた場合であっても容器本体の上端面と開口縁部材の張り出し部が直接接触する可能性は少なくなり、常に安定した生産が可能となる。
【００２２】
また、前記カップ状の容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直である場合には、特に前記の開口縁部材の破損が発生しやすいものであるため、前記隙間の有効性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明に係る複合容器の一実施例を示した断面模式図。
【図２】本発明に係る複合容器の他の実施例を示した断面模式図。
【図３】本発明に係る複合容器の容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を溶着する方法を示した断面説明図。
【図４】本発明に係る複合容器の胴部材の積層構成の例を示した断面模式図。
【図５】従来の複合容器の胴部材の積層構成の例を示した断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下図面に従い、本発明に係る複合容器を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
図１は、本発明に係る複合容器の一実施例を示した断面模式図であり、図４は胴部材の積層構成の例を示した断面模式図である。
本発明に係る複合容器は、紙を主材料とした積層材料からなる胴部（３）と底部（４）とを備え、内面に熱可塑性樹脂層を有するカップ状の容器本体（１）の開口部（５）に、張り出し部（７）と溶着部（１２）を有する熱可塑性樹脂製の開口縁部材（２）を溶着してなる複合容器であって、前記開口部（５）の上端面（６）と前記開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間に隙間（８）を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層（１８）を有していることを特徴とする複合容器である。隙間の仕上がり寸法ｄについては、後に詳述する。
【００２５】
図２は、本発明に係る複合容器の他の実施例を示した断面模式図である。
開口縁部材（２）としては、図に示されたように張り出し部（７）の外周部や頂部にキャップと嵌合させるための凹凸であるキャップ嵌合部（１１）を設けることもできる。
このようにすることにより、キャップ付の容器とすることができる。また、図２に示されたように、張り出し部（７）の付け根の部分を円弧状としてもよい。
また開口縁部材（２）の溶着部（１２）は、容器本体（１）と溶着する部分であり、図には示されていないが、溶着を容易とするため、容器本体と接触する面に小さな凸条を設けたりしてもよい。
【００２６】
容器本体（１）を構成する紙を主材料とした積層材料としては、容器に要求されるさまざまな特性に応じてその層構成を設定することができる。最も簡単な構成は、遮光性インキ層を施したカップ原紙の両面にシーラントとして熱可塑性樹脂層を設けたものである。
図４には本発明の複合容器の胴部材の積層構成の一例を断面模式図で示した。なお、図５は比較のために示した従来の複合容器の胴部材の類似構成の一例である。ここでは遮光性インキ層（１８）に代えてアルミニウム箔（２１）を含む構成を示した。
【００２７】
本発明の複合容器の胴部材の積層構成としては、たとえば図４に示したように容器外側から、熱可塑性樹脂層（１５）、印刷絵柄層（１６）、カップ原紙（１７）、遮光性インキ層（１８）、無機蒸着バリアフィルム（１９）、熱可塑性樹脂層（２０）のような構成が例示できる。
【００２８】
胴部材としては、容器の意匠性を向上させるために、容器本体の外面に印刷絵柄層や保護層を設けることもできる。
さらに、容器のバリア性を向上させるために、容器の内面側にガスバリア性の層を設けることができる。ガスバリア性の層としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂等公知のガスバリア性樹脂の塗膜あるいはフィルムや、アルミニウム箔を用いることができる。また、アルミニウム蒸着フィルムやガスバリア性蒸着フィルムを用いることもできる。
【００２９】
容器本体（１）の開口部（５）の上端面（６）と、開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間の隙間（８）については、隙間の仕上がり寸法ｄの値として、０．５ｍｍ以上であることが好ましく、さらに好ましくは１ｍｍ程度である。この隙間の仕上がり寸法ｄについては、後に詳述する。
容器本体（１）の開口部（５）に開口縁部材（２）を取り付ける方法としては、超音波溶着装置を用いる方法が一般的に使用される。
【００３０】
図３は、本発明に係る複合容器の容器本体（１）に熱可塑性樹脂製の開口縁部材（２）を溶着する方法を示した断面説明図である。
容器本体（１）を受け金型（１０）の内部に装着し、熱可塑性樹脂製の開口縁部材（２）を上から挿入する。容器本体（１）の内面には熱可塑性樹脂層が存在するので、熱可塑性樹脂同志が接触することになる。次いで超音波ホーン（９）を下降させ、開口縁部材（２）の中に挿入して開口縁部材（２）の外周面を容器本体の内面に圧着する。この状態で超音波ホーン（９）に超音波振動を発生させると、接触している熱可塑性樹脂同志が摩擦熱によって発熱して溶着することにより、容器本体（１）への開口縁部材（２）の取付がなされる。
【００３１】
この時、開口部（５）の上端面（６）と開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間に隙間（８）を設けることが本発明において重要である。
通常、紙容器の開口部に熱可塑性樹脂製の開口縁部材いわゆるプラスチックリングを取り付ける場合、紙容器の開口部上端面を隠すために、上端面を開口縁部材の張り出し面に突き当てた状態で固定するのが一般的である。しかしながら、紙容器の開口部上端面を開
口縁部材に突き当てた状態で超音波振動を印加すると、開口縁部材に破損が発生することがある。
【００３２】
この開口縁部材の破損は、紙容器の形状がテーパーを持ったカップ形状である場合には、まれにしか発生しないが、紙容器の胴部が、円筒形のように開口部から底部に向かって垂直であるまっすぐな柱状の形状である場合には、しばしば発生し、無視できない収率の低下を招くことになる。
まっすぐな柱状の形状としては、円筒形を始めとして、四角柱状や角にＲをもった四角柱状、六角柱状などさまざまな形状が存在するが、いずれも同様な問題を持っている。
【００３３】
発明者らは、この開口縁部材（２）の破損の原因について種々検討した結果、超音波ホーン（９）に超音波を印加した際に紙容器開口部上端面（６）と開口縁部材（２）の張り出し部（７）とが干渉し、異常振動を発生することが開口縁部材（２）の破損する原因であることをつきとめ、開口部上端面（６）と開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間に間隙（８）を設けることにより、この相互の干渉を防止することができることを見出した。
【００３４】
隙間（８）の寸法について種々検討した結果、容器の形状、大きさ、材質等によって異なるが、隙間の仕上がり寸法ｄの値において、０．５ｍｍ以上であれば殆どの場合、開口縁部材（２）の破損が生じないことが分かった。ｄの値が０．５ｍｍ未満である場合には、容器本体の寸法のばらつきや、開口縁部材の寸法のばらつき、その他受け金型（１０）や超音波ホーン（９）の寸法精度等によってｄの値がばらついた場合に、問題が生じることがまれにある。
【００３５】
隙間の仕上がり寸法ｄの値の最適値については、使用する材料の性質、加工精度、金型の精度等によって変わって来るので場合によっては、０．５ｍｍ以下でも問題がない場合も有るが、一般的な条件のもとに、さまざまなばらつきの要因を考慮すると１ｍｍ程度が最も好ましいと考えられる。
【００３６】
なお隙間の仕上がり寸法ｄの値を必要以上に大きくすることは、開口縁部材（２）の容器本体への嵌合部分の長さを長くすることになり、結果的に開口縁部材（２）の質量を増すことに繋がるため好ましくない。
以下実施例に基づき、本発明に係る複合容器についてさらに具体的に説明する。
【実施例】
【００３７】
＜実施例１＞
以下に示した層構成を有する積層材料を用いて、円筒状の胴部と円形の底部を有する容器本体を作成した。なお底部に用いた材料には印刷絵柄は含まれていない。
［積層材料の構成］ＭＤＰＥ３０μｍ／印刷絵柄／カップ原紙３２０ｇ/ｍ２／遮光性インキ層／無機蒸着バリアフィルム／ＬＤＰＥ６０μｍ（ＭＤＰＥ：中密度ポリエチレン樹脂、ＰＥＴ：ポリエチレンテレフタレート樹脂、ＬＤＰＥ：低密度ポリエチレン樹脂）。
上記積層材料を使用し、カップ成形機を用いて印刷絵柄が外側になるように胴部を成型し、底部を取り付けた。胴部の外径および高さは６０ｍｍとした。
【００３８】
作成された容器本体にポリエチレン樹脂製の開口縁部材を取り付けるにあたり、容器本体が収まる受け金型と開口縁部材の内径に嵌合する超音波ホーンを準備し、超音波溶着装置に取り付けて溶着加工を行った。
容器本体の開口部上端部と開口縁部材の張り出し部との間の隙間が、仕上がり寸法において平均１ｍｍとなるように開口縁部材をセットし、超音波ホーンから超音波を印加して、複合容器を作成した。この複合容器を５０個作成した。
【００３９】
＜比較例１＞
以下に示した層構成を有する積層材料を用いて、円筒状の胴部と円形の底部を有する容器本体を作成した。なお底部に用いた材料には印刷絵柄は含まれていない。
［積層材料の構成］ＭＤＰＥ３０μｍ／印刷絵柄／カップ原紙３２０ｇ／ｍ２／アルミ蒸着ＰＥＴ１２μｍ／ＬＤＰＥ６０μｍ。
上記積層材料を使用し、カップ成形機を用いて印刷絵柄が外側になるように胴部を成型し、底部を取り付けた。胴部の外径および高さは６０ｍｍとした。
【００４０】
作成された容器本体にポリエチレン樹脂製の開口縁部材を取り付けるにあたり、容器本体が収まる受け金型と開口縁部材の内径に嵌合する超音波ホーンを準備し、超音波溶着装置に取り付けて溶着加工を行った。
容器本体の開口部上端部と開口縁部材の張り出し部との間の隙間が、仕上がり寸法において平均１ｍｍとなるように開口縁部材をセットし、超音波ホーンから超音波を印加して、複合容器を作成した。この複合容器を５０個作成した。
【００４１】
＜比較例２＞
比較例として、実施例１と同様の材料、形状の複合容器を、５０個作成した。比較例においては、容器本体の開口部上端部と開口縁部材の張り出し部との間の隙間が生じないようにした。
【００４２】
目視による評価の結果、実施例１の複合容器においては、５０個のサンプル中、開口縁部材に破損の生じたものは皆無であり、導電性によるピンホール検査と内面反射による異物検査も問題なく出来た。
比較例１の複合容器においては、サンプル中、開口縁部材に破損の生じたものは皆無であったが、導電性によるピンホール検査と内面反射による異物検査のときに誤検知が発生した。
比較例２の複合容器においては、５０個中４２個のサンプルに何らかの開口縁部材の損傷が見られた。損傷の多くは、開口縁部材の割れであった。
【符号の説明】
【００４３】
１…容器本体
２…開口縁部材
３…胴部
４…底部
５…開口部
６…開口部上端面
７…張り出し部
８…隙間
９…超音波ホーン
１０…受け金型
１１…キャップ嵌合部
１２…溶着部
１３…容器外側
１４…容器内側
１５…熱可塑性樹脂層
１６…印刷絵柄層
１７…カップ原紙
１８…遮光性インキ層
１９…無機蒸着バリアフィルム
２０…熱可塑性樹脂層
２１…アルミニウム箔
ｄ…隙間の仕上がり寸法
【技術分野】
【０００１】
本発明は、紙を主材料とした容器に関し、特に開口部にプラスチック製の開口縁部材を取り付けた複合紙容器に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、さまざまな材質、形状の容器が使用されているが、近年環境意識の高まりに伴い、有限な石油資源を原料とするプラスチック製容器に対して再生産が可能な木材を原料とする紙製容器が見直されてきている。しかしながら紙だけでは、十分な機能を持った容器が得られないため、紙製の本体に最小限のプラスチック製の開口縁部材を取り付けた複合紙容器が注目されている。
【０００３】
紙を主材料とした容器本体に合成樹脂製の開口縁部材を取り付けた容器の例として、特許文献１および特許文献２に開示された複合容器があるが、この複合容器は、容器本体を成型金型内に挿入配置して樹脂を射出するインサート成型法によって開口縁部材を形成するものである。
この方法によると、溶融した樹脂が細部にまで行き渡るため、精度の高い高品位な製品が得られる特徴があるが、極めて高価な専用の金型を必要とするため、コストの面で制約があった。
【０００４】
紙カップの開口部にプラスチック製の開口縁部材を取り付ける他の手段として、超音波を利用した超音波溶着法が一般的に使用されている。
超音波溶着法によると、比較的簡単な金型によって溶着加工が可能であり金型コスト面での制約は少なくなるが、溶着時の紙カップの異常振動によりプラスチック製の開口縁部材が破損する場合があった。
【０００５】
紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けた複合容器を提供するために、特許文献３には開口部の上端面と開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有する複合容器が提案されている。
【０００６】
開口部の上端面と開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有することによって、超音波溶着法を用いて両者を溶着加工する際の振動によって開口縁部材が破損することがなくなった。また特に、前記隙間が０．５ｍｍ以上である場合には、受け金型の精度、超音波ホーンの精度、容器本体の寸法のばらつき、開口縁部材の寸法のばらつき等、さまざまな要因によって隙間の寸法がばらついた場合であっても容器本体の上端面と開口縁部材の張り出し部が直接接触する可能性は少なくなり、常に安定した生産が可能となった。
また、カップ状の容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直である場合には、特に超音波溶着時の開口縁部材の破損が発生しやすいものであるため、前記隙間の有効性が高まる。
【０００７】
しかしながら、特許文献３に示された複合容器では、加飾性と遮光性を付与するために、紙基材に加えてアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層を積層していたためにこれによる問題点をいくつか含んでいた。たとえば、紙基材の外側にアルミニウム層を積層した場合には印刷ののりが悪い、あるいは金属光沢が見栄えやデザインに影響を与えることがあった。
【０００８】
また、紙基材の内側にアルミニウム層を積層した場合には、容器成型時の背面異物検査において乱反射による誤検知を起こすという問題があった。
さらに、アルミニウム層の積層によって、充填時の導電性でピンホールを判定するチェッ
カーの使用に適しない、あるいは、アルミニウムを用いているために電子レンジでの使用が出来ないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開平９−２３９８７２号公報
【特許文献２】特開平９−２７７４５０号公報
【特許文献３】特開２００９−２８６４０４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けた複合容器であって、アルミニウム層の積層による外観、検査、電子レンジ使用適性への悪影響を防止した遮光性のある複合容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記の課題を解決するための手段として、請求項１に記載の発明は、紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層を有していることを特徴とする複合容器である。
【００１２】
また、請求項２に記載の発明は、前記容器本体の最内面には熱可塑性樹脂層が設けられ、前記開口縁部材が前記容器の内側に溶着することを特徴とする請求項１に記載の複合容器である。
【００１３】
また、請求項３に記載の発明は、前記隙間が０．５ｍｍ以上であることを特徴とする請求項１または２に記載の複合容器である。
【００１４】
また、請求項４に記載の発明は、前記容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の複合容器である。
【００１５】
また、請求項５に記載の発明は、紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体と、熱可塑性樹脂からなり少なくとも張り出し部及び容器本体の胴部と溶着する溶着部を有した開口縁部材とからなり、前記容器本体の胴部に前記開口縁部材の溶着部を溶着した複合容器であって、前記積層材料は遮光性インキ層を有しており、前記容器本体の開口部上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有するように、前記開口縁部材の溶着部が前記容器本体の胴部に溶着したことを特徴とする複合容器である。
【発明の効果】
【００１６】
本発明に係る複合容器は、紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しているので、紙容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を破損することなく取り付けることが出来る。
【００１７】
また、前記積層材料は、遮光性インキ層を有していることによって、内容物保護機能を維持しながら、アルミニウム層の積層による外観やデザインの制限、ピンホールや異物検
査の妨害、電子レンジ使用適性への悪影響を防止した遮光性のある複合容器を提供することが出来る。
【００１８】
さらに、本発明に係る複合容器は、紙を主材料とした積層材料からなる胴部と底部とを備え、内面に熱可塑性樹脂層を有するカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂製の開口縁部材を溶着してなる複合容器であるから、開口縁部材の形状を工夫することによって紙のみを用いた容器には望めないさまざまな機能を付与することができる。
【００１９】
例を挙げれば、開口縁部材の天面を平坦にすることによって蓋材のシール性を向上することができる。また他の例としては、開口縁部材に嵌合するキャップを用いることによって、再封可能な容器とすることができる。また、紙と紙以外の材料の比率を調節することにより、紙容器として認定される設計が可能であり、石油資源の節約と廃棄物処理に係る費用の低減を図ることができる。
【００２０】
また、本発明に係る複合容器は、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有するものであるため、超音波溶着法によって両者を溶着加工する際の振動によって開口縁部材が破損することがなくなった。
【００２１】
また特に、前記隙間が０．５ｍｍ以上である場合には、受け金型の精度、超音波ホーンの精度、容器本体の寸法のばらつき、開口縁部材の寸法のばらつき等、さまざまな要因によって隙間の寸法がばらついた場合であっても容器本体の上端面と開口縁部材の張り出し部が直接接触する可能性は少なくなり、常に安定した生産が可能となる。
【００２２】
また、前記カップ状の容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直である場合には、特に前記の開口縁部材の破損が発生しやすいものであるため、前記隙間の有効性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明に係る複合容器の一実施例を示した断面模式図。
【図２】本発明に係る複合容器の他の実施例を示した断面模式図。
【図３】本発明に係る複合容器の容器本体に熱可塑性樹脂製の開口縁部材を溶着する方法を示した断面説明図。
【図４】本発明に係る複合容器の胴部材の積層構成の例を示した断面模式図。
【図５】従来の複合容器の胴部材の積層構成の例を示した断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下図面に従い、本発明に係る複合容器を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
図１は、本発明に係る複合容器の一実施例を示した断面模式図であり、図４は胴部材の積層構成の例を示した断面模式図である。
本発明に係る複合容器は、紙を主材料とした積層材料からなる胴部（３）と底部（４）とを備え、内面に熱可塑性樹脂層を有するカップ状の容器本体（１）の開口部（５）に、張り出し部（７）と溶着部（１２）を有する熱可塑性樹脂製の開口縁部材（２）を溶着してなる複合容器であって、前記開口部（５）の上端面（６）と前記開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間に隙間（８）を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層（１８）を有していることを特徴とする複合容器である。隙間の仕上がり寸法ｄについては、後に詳述する。
【００２５】
図２は、本発明に係る複合容器の他の実施例を示した断面模式図である。
開口縁部材（２）としては、図に示されたように張り出し部（７）の外周部や頂部にキャップと嵌合させるための凹凸であるキャップ嵌合部（１１）を設けることもできる。
このようにすることにより、キャップ付の容器とすることができる。また、図２に示されたように、張り出し部（７）の付け根の部分を円弧状としてもよい。
また開口縁部材（２）の溶着部（１２）は、容器本体（１）と溶着する部分であり、図には示されていないが、溶着を容易とするため、容器本体と接触する面に小さな凸条を設けたりしてもよい。
【００２６】
容器本体（１）を構成する紙を主材料とした積層材料としては、容器に要求されるさまざまな特性に応じてその層構成を設定することができる。最も簡単な構成は、遮光性インキ層を施したカップ原紙の両面にシーラントとして熱可塑性樹脂層を設けたものである。
図４には本発明の複合容器の胴部材の積層構成の一例を断面模式図で示した。なお、図５は比較のために示した従来の複合容器の胴部材の類似構成の一例である。ここでは遮光性インキ層（１８）に代えてアルミニウム箔（２１）を含む構成を示した。
【００２７】
本発明の複合容器の胴部材の積層構成としては、たとえば図４に示したように容器外側から、熱可塑性樹脂層（１５）、印刷絵柄層（１６）、カップ原紙（１７）、遮光性インキ層（１８）、無機蒸着バリアフィルム（１９）、熱可塑性樹脂層（２０）のような構成が例示できる。
【００２８】
胴部材としては、容器の意匠性を向上させるために、容器本体の外面に印刷絵柄層や保護層を設けることもできる。
さらに、容器のバリア性を向上させるために、容器の内面側にガスバリア性の層を設けることができる。ガスバリア性の層としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂等公知のガスバリア性樹脂の塗膜あるいはフィルムや、アルミニウム箔を用いることができる。また、アルミニウム蒸着フィルムやガスバリア性蒸着フィルムを用いることもできる。
【００２９】
容器本体（１）の開口部（５）の上端面（６）と、開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間の隙間（８）については、隙間の仕上がり寸法ｄの値として、０．５ｍｍ以上であることが好ましく、さらに好ましくは１ｍｍ程度である。この隙間の仕上がり寸法ｄについては、後に詳述する。
容器本体（１）の開口部（５）に開口縁部材（２）を取り付ける方法としては、超音波溶着装置を用いる方法が一般的に使用される。
【００３０】
図３は、本発明に係る複合容器の容器本体（１）に熱可塑性樹脂製の開口縁部材（２）を溶着する方法を示した断面説明図である。
容器本体（１）を受け金型（１０）の内部に装着し、熱可塑性樹脂製の開口縁部材（２）を上から挿入する。容器本体（１）の内面には熱可塑性樹脂層が存在するので、熱可塑性樹脂同志が接触することになる。次いで超音波ホーン（９）を下降させ、開口縁部材（２）の中に挿入して開口縁部材（２）の外周面を容器本体の内面に圧着する。この状態で超音波ホーン（９）に超音波振動を発生させると、接触している熱可塑性樹脂同志が摩擦熱によって発熱して溶着することにより、容器本体（１）への開口縁部材（２）の取付がなされる。
【００３１】
この時、開口部（５）の上端面（６）と開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間に隙間（８）を設けることが本発明において重要である。
通常、紙容器の開口部に熱可塑性樹脂製の開口縁部材いわゆるプラスチックリングを取り付ける場合、紙容器の開口部上端面を隠すために、上端面を開口縁部材の張り出し面に突き当てた状態で固定するのが一般的である。しかしながら、紙容器の開口部上端面を開
口縁部材に突き当てた状態で超音波振動を印加すると、開口縁部材に破損が発生することがある。
【００３２】
この開口縁部材の破損は、紙容器の形状がテーパーを持ったカップ形状である場合には、まれにしか発生しないが、紙容器の胴部が、円筒形のように開口部から底部に向かって垂直であるまっすぐな柱状の形状である場合には、しばしば発生し、無視できない収率の低下を招くことになる。
まっすぐな柱状の形状としては、円筒形を始めとして、四角柱状や角にＲをもった四角柱状、六角柱状などさまざまな形状が存在するが、いずれも同様な問題を持っている。
【００３３】
発明者らは、この開口縁部材（２）の破損の原因について種々検討した結果、超音波ホーン（９）に超音波を印加した際に紙容器開口部上端面（６）と開口縁部材（２）の張り出し部（７）とが干渉し、異常振動を発生することが開口縁部材（２）の破損する原因であることをつきとめ、開口部上端面（６）と開口縁部材（２）の張り出し部（７）との間に間隙（８）を設けることにより、この相互の干渉を防止することができることを見出した。
【００３４】
隙間（８）の寸法について種々検討した結果、容器の形状、大きさ、材質等によって異なるが、隙間の仕上がり寸法ｄの値において、０．５ｍｍ以上であれば殆どの場合、開口縁部材（２）の破損が生じないことが分かった。ｄの値が０．５ｍｍ未満である場合には、容器本体の寸法のばらつきや、開口縁部材の寸法のばらつき、その他受け金型（１０）や超音波ホーン（９）の寸法精度等によってｄの値がばらついた場合に、問題が生じることがまれにある。
【００３５】
隙間の仕上がり寸法ｄの値の最適値については、使用する材料の性質、加工精度、金型の精度等によって変わって来るので場合によっては、０．５ｍｍ以下でも問題がない場合も有るが、一般的な条件のもとに、さまざまなばらつきの要因を考慮すると１ｍｍ程度が最も好ましいと考えられる。
【００３６】
なお隙間の仕上がり寸法ｄの値を必要以上に大きくすることは、開口縁部材（２）の容器本体への嵌合部分の長さを長くすることになり、結果的に開口縁部材（２）の質量を増すことに繋がるため好ましくない。
以下実施例に基づき、本発明に係る複合容器についてさらに具体的に説明する。
【実施例】
【００３７】
＜実施例１＞
以下に示した層構成を有する積層材料を用いて、円筒状の胴部と円形の底部を有する容器本体を作成した。なお底部に用いた材料には印刷絵柄は含まれていない。
［積層材料の構成］ＭＤＰＥ３０μｍ／印刷絵柄／カップ原紙３２０ｇ/ｍ２／遮光性インキ層／無機蒸着バリアフィルム／ＬＤＰＥ６０μｍ（ＭＤＰＥ：中密度ポリエチレン樹脂、ＰＥＴ：ポリエチレンテレフタレート樹脂、ＬＤＰＥ：低密度ポリエチレン樹脂）。
上記積層材料を使用し、カップ成形機を用いて印刷絵柄が外側になるように胴部を成型し、底部を取り付けた。胴部の外径および高さは６０ｍｍとした。
【００３８】
作成された容器本体にポリエチレン樹脂製の開口縁部材を取り付けるにあたり、容器本体が収まる受け金型と開口縁部材の内径に嵌合する超音波ホーンを準備し、超音波溶着装置に取り付けて溶着加工を行った。
容器本体の開口部上端部と開口縁部材の張り出し部との間の隙間が、仕上がり寸法において平均１ｍｍとなるように開口縁部材をセットし、超音波ホーンから超音波を印加して、複合容器を作成した。この複合容器を５０個作成した。
【００３９】
＜比較例１＞
以下に示した層構成を有する積層材料を用いて、円筒状の胴部と円形の底部を有する容器本体を作成した。なお底部に用いた材料には印刷絵柄は含まれていない。
［積層材料の構成］ＭＤＰＥ３０μｍ／印刷絵柄／カップ原紙３２０ｇ／ｍ２／アルミ蒸着ＰＥＴ１２μｍ／ＬＤＰＥ６０μｍ。
上記積層材料を使用し、カップ成形機を用いて印刷絵柄が外側になるように胴部を成型し、底部を取り付けた。胴部の外径および高さは６０ｍｍとした。
【００４０】
作成された容器本体にポリエチレン樹脂製の開口縁部材を取り付けるにあたり、容器本体が収まる受け金型と開口縁部材の内径に嵌合する超音波ホーンを準備し、超音波溶着装置に取り付けて溶着加工を行った。
容器本体の開口部上端部と開口縁部材の張り出し部との間の隙間が、仕上がり寸法において平均１ｍｍとなるように開口縁部材をセットし、超音波ホーンから超音波を印加して、複合容器を作成した。この複合容器を５０個作成した。
【００４１】
＜比較例２＞
比較例として、実施例１と同様の材料、形状の複合容器を、５０個作成した。比較例においては、容器本体の開口部上端部と開口縁部材の張り出し部との間の隙間が生じないようにした。
【００４２】
目視による評価の結果、実施例１の複合容器においては、５０個のサンプル中、開口縁部材に破損の生じたものは皆無であり、導電性によるピンホール検査と内面反射による異物検査も問題なく出来た。
比較例１の複合容器においては、サンプル中、開口縁部材に破損の生じたものは皆無であったが、導電性によるピンホール検査と内面反射による異物検査のときに誤検知が発生した。
比較例２の複合容器においては、５０個中４２個のサンプルに何らかの開口縁部材の損傷が見られた。損傷の多くは、開口縁部材の割れであった。
【符号の説明】
【００４３】
１…容器本体
２…開口縁部材
３…胴部
４…底部
５…開口部
６…開口部上端面
７…張り出し部
８…隙間
９…超音波ホーン
１０…受け金型
１１…キャップ嵌合部
１２…溶着部
１３…容器外側
１４…容器内側
１５…熱可塑性樹脂層
１６…印刷絵柄層
１７…カップ原紙
１８…遮光性インキ層
１９…無機蒸着バリアフィルム
２０…熱可塑性樹脂層
２１…アルミニウム箔
ｄ…隙間の仕上がり寸法
【特許請求の範囲】
【請求項１】
紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層を有していることを特徴とする複合容器。
【請求項２】
前記容器本体の最内面には熱可塑性樹脂層が設けられ、前記開口縁部材が前記容器の内側に溶着することを特徴とする請求項１に記載の複合容器。
【請求項３】
前記隙間が０．５ｍｍ以上であることを特徴とする請求項１または２に記載の複合容器。
【請求項４】
前記容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の複合容器。
【請求項５】
紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体と、熱可塑性樹脂からなり少なくとも張り出し部及び容器本体の胴部と溶着する溶着部を有した開口縁部材とからなり、前記容器本体の胴部に前記開口縁部材の溶着部を溶着した複合容器であって、前記積層材料は遮光性インキ層を有しており、前記容器本体の開口部上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有するように、前記開口縁部材の溶着部が前記容器本体の胴部に溶着したことを特徴とする複合容器。
【請求項１】
紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体の開口部に、張り出し部と溶着部を有する熱可塑性樹脂からなる開口縁部材を溶着してなる複合容器であって、前記開口部の上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有しており、前記積層材料は、遮光性インキ層を有していることを特徴とする複合容器。
【請求項２】
前記容器本体の最内面には熱可塑性樹脂層が設けられ、前記開口縁部材が前記容器の内側に溶着することを特徴とする請求項１に記載の複合容器。
【請求項３】
前記隙間が０．５ｍｍ以上であることを特徴とする請求項１または２に記載の複合容器。
【請求項４】
前記容器本体の胴部が開口部から底部に向かって垂直であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の複合容器。
【請求項５】
紙を主材料として熱可塑性樹脂を積層した積層材料からなる胴部と底部とを備えたカップ状の容器本体と、熱可塑性樹脂からなり少なくとも張り出し部及び容器本体の胴部と溶着する溶着部を有した開口縁部材とからなり、前記容器本体の胴部に前記開口縁部材の溶着部を溶着した複合容器であって、前記積層材料は遮光性インキ層を有しており、前記容器本体の開口部上端面と前記開口縁部材の張り出し部との間に隙間を有するように、前記開口縁部材の溶着部が前記容器本体の胴部に溶着したことを特徴とする複合容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−２０７５０７（Ｐ２０１１−２０７５０７Ａ）
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−７７１３１（Ｐ２０１０−７７１３１）
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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