説明

複合操作型入力装置

【課題】第2入力部に関係する変更に際し、第1入力部に含まれる筐体を変更させないで済む複合操作型入力装置の提供。
【解決手段】操作部材4と、この操作部材4の摺動操作により固定接点上を摺動する摺動子5を有する第1入力部1と、駆動部材7の押圧操作により固定接点に導通する第1,第2可動接点2a,2bを有する第2入力部2とを備えるとともに、第1入力部1と第2入力部2を分離可能に重ねて配置し、第1入力部1は、摺動子5が収納される収納部3aを有する筐体3を含み、この筐体3に、第2入力部2の駆動部材7を移動可能に案内する案内手段、例えば筐体3に一体に設けられ、駆動部材7を挿通させる貫通孔3b1を有する筒状部3bを設けた構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動操作を行なう第1入力部と押圧操作を行なう第2入力部とを有する複合操作型入力装置に係り、デジタルカメラや携帯電話等のカメラ付き電子機器等に好適な複合操作型入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、ハウジングすなわち筐体の下面側に摺動操作を行なう第1入力部の固定接点を設け、筐体の上面側に押圧操作を行なう第2入力部の固定接点を設けた構成にしてある。また、第1入力部は、スライド操作部に取り付けた摺動子を含み、第2入力部は、ドーム状の可動接点を含んでいる。なお、スライド操作部を介して入力を行なう第1入力部は、ドーム状可動接点が収納される第2入力部に含まれる収納部の側部に一体的に設けた構成になっている。
【0003】
この従来技術は、スライド操作部によって摺動子を摺動させることにより第1入力部の入力を行なうことができ、また、押圧操作によるドーム状可動接点の反転動作によって第2入力部の入力を行なうことができるようになっている。
【特許文献1】特開2004−362813公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術は、1つの筐体に第1入力部の構成要素である固定接点と、第2入力部の構成要素である固定接点とが設けられていることによって、第2入力部に関係する問題点があった。
【0005】
すなわち例えば、第2入力部のドーム状の可動接点に対する押圧操作時の荷重や、この押圧操作時のストロークを変えたいときとか、第2入力部に備えられる2つのドーム状可動接点を1つのドーム状可動接点に変えたいときとか、第2入力部を長寿命品に変更したいときとか、ドーム状の可動接点の押圧操作時の反転感触、つまり操作フィーリングを変更したいときなどにあっては、第1入力部にも関連して設けられている筐体の変更とか、ドーム状可動接点の変更とか、このドーム状可動接点が摺接する固定接点の変更が必要になる。特に、筐体を変更するためには、筐体を製作する金型の変更が必要になり、大掛かりで時間がかかるものとなってしまう。すなわち従来技術は、第2入力部の関係だけを変更したいときでも、第1入力部の関係する筐体の変更が必要になり、汎用性の点で十分なものとは言えなかった。
【0006】
なお、上述したように従来技術は、第2入力部に含まれる収納部の側部に第1入力部が一体的に配置されていることから、投影面積が大きくなり、これに伴って装置の小型化に制約を受けやすかった。
【0007】
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、第2入力部に関係する変更に際し、第1入力部に含まれる筐体を変更させないで済む複合操作型入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、操作部材と、この操作部材の摺動操作により固定接点上を摺動する摺動子を有する第1入力部と、駆動部材の押圧操作により固定接点に導通する可動接点を有する第2入力部とを備えるとともに、上記第1入力部と上記第2入力部を分離可能に重ねて配置し、上記第1入力部は、上記摺動子が収納される収納部を有する筐体を含み、この筐体に、上記第2入力部の上記駆動部材を移動可能に案内する案内手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
このように構成した本発明は、筐体の収納部に収納させた摺動子の摺動によって第1入力部の入力操作を行なうことができ、第1入力部に含まれる筐体の案内手段の案内によって駆動部材を移動させることにより、第2入力部に含まれる可動接点を介してこの第2入力部の入力操作を行なうことができる。
【0010】
本発明は、第1入力部と第2入力部を分離可能に配置してあることから、第2入力部に関係する何らかの変更が考えられるときには、あらかじめ複数の第2入力部を用意しておけばよい。すなわち、第2入力部のドーム状の可動接点の押圧操作時の荷重の変更、第2入力部に備えられる可動接点の数の変更、第2入力部の長寿命化への変更、第2入力部に備えられる駆動部材の操作フィーリングの変更については、複数用意した第2入力部のうちの好適なものに変更して配置すればよい。また、押圧操作時のストロークの変更に際しては、変更する第2入力部の厚さ寸法を考慮したり、第1入力部と第2入力部とを重ねて配置する際の両者間の配置間隔などを考慮すればよく、対応が容易に可能である。
【0011】
したがって、第2入力部を変更する際でも、第1入力部は既存のものを設けておくことができ、第1入力部に含まれる筐体の形状を変更させないで済む。これに伴って、第1入力部に含まれる筐体を変更させるための金型の変更を要することがなく、第2入力部の変更を簡単に行なうことができる。
【0012】
なお、第1入力部と第2入力部とを重ねて配置するようにしたことから、投影面積を小さくすることができる。
【0013】
また、本発明は上記発明において、上記案内手段が、上記筐体に一体に設けられ、上記駆動部材を挿通させる筒状部から成ることを特徴としている。このように構成した本発明は、第1入力部に含まれる筐体の製作時に、同時に筒状部を設けることができ、この筒状部の製作が容易であるとともに、部品数の増加を抑えることができる。
【0014】
また、本発明は上記発明において、上記筐体の上記収納部を覆うとともに、上記駆動部材が挿通される貫通穴を有するカバー部材を備え、このカバー部材が、上記第2入力部に向かって延設される脚部を有し、上記第1入力部の上記摺動子が摺接する上記筐体に設けられる固定接点に接続され、上記筐体の外部に導出される端子部材を備え、この端子部材と上記脚部とによって囲まれる空間部を、上記第2入力部の配置空間に設定したことを特徴としている。このように構成した本発明は、端子部材と脚部とによって第2入力部の配置空間を形成できる。
【0015】
また、本発明は上記発明において、上記筐体の外形形状を平面視が略四角形の形状に形成し、上記操作部材を、上記筐体の上記収納部内に配置させ、上記筐体の4つの側面のうちの1つの側面に、上記操作部材に形成された操作レバーの移動を可能にさせる開口部を設け、上記筐体の4つの側面のうちの他の3つの側面のそれぞれに、上記脚部及び上記端子部材の少なくとも1つを配置させたことを特徴としている。このように構成した本発明は、端子部材が半田付けされる基板に、脚部が当接するようにこの脚部を延設させることにより、操作部材の操作レバーの操作時に、第1入力部の筐体に与えられる力を、第1入力部の3つの側面に配置された端子部材、あるいは脚部で受けさせることができ、すなわち筐体の3方向で受けることができ、強固な安定した構造とすることができる。
【0016】
また、本発明は上記発明において、上記筐体の上記筒状部の内壁に、この筒状部に挿入された上記駆動部材の抜け止め部を設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、筐体の製作時に、筒状部の内壁に筐体からの駆動部材の抜け止め部を同時に形成させることができ、この抜け止め部の形成が容易である。
【0017】
また、本発明は上記発明において、上記カバー部材に、上記筐体の上記筒状部に挿入された上記駆動部材の抜け止め部を設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、カバー部材の製作時に、カバー部材からの駆動部材の抜け止め部を同時に形成させることができ、この抜け止め部の形成が容易である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、第1入力部と上記第2入力部を分離可能に重ねて配置し、第1入力部は、摺動子が収納される収納部を有する筐体を含み、この筐体に、第2入力部の駆動部材を移動可能に案内する案内手段を設けた構成にしてあることから、第2入力部に関連する変更に際し、第1入力部に含まれる筐体を変更しないで済み、すなわち、第2入力部に関連する変更に際し、複数容易された第2入力部のうちの好適な第2入力部を、既存の第1入力部に組み合わせて設ければよい。したがって、第1入力部に含まれる筐体の金型の変更を要することがなく、この第2入力部の変更を容易に行なうことができるとともに、優れた汎用性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下,本発明に係る複合操作型入力装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0020】
[本実施形態の構成]
図1は本発明に係る複合操作型入力装置の一実施形態を示す分解斜視図である。図2は本実施形態の平面図、図3は図2のA方向から見た図、図4は図2のB方向から見た図、図5は図2のC方向から見た図、図6は図2のD−D断面拡大図である。図7は本実施形態に備えられる第1入力部と第2入力部とを分離させた状態を示す図である。
【0021】
本実施形態に係る複合操作型入力装置は、図6,7に示すように、第1入力部1と第2入力部2とを分離可能に重ねて配置した構成にしてある。
【0022】
第1入力部1は、図1に示すように、筐体3と、この筐体3内に収納される摺動子5と、この摺動子5が取り付けられる操作部材4と、この操作部材4を初期位置に復帰させるトーションばね6とを含んでいる。
【0023】
筐体3は、平面視が略四角形の形状に形成され、摺動子5及び操作部材4が収納される収納部3aと、この収納部3aの中央位置に配置され、第2入力部2の駆動部材7を移動可能に案内する案内部材、例えば筐体3に一体に設けられ、駆動部材7を挿通させる貫通孔3b1を有する円筒形の筒状部3bとを備えている。収納部3aの底部には、摺動子5が摺接する固定接点3cを形成してある。また、この固定接点3cに接続され、筐体3の外部に導出される端子部材3dを設けてある。
【0024】
筐体3の側面には係合突起3eを形成してある。また、この筐体3に係止部3fを設けてある。さらに、この筐体3の筒状部3bの内壁には、図6に示すように、駆動部材7の抜け止め部3gを形成してある。また、この筐体3の収納部3aには、操作部材4が摺接する段差部3hを形成してある。また、この筐体3の側面のうちの1つの側面に、操作部材4に形成された操作レバー4aの移動を可能にさせる開口部3iを設けてある。
【0025】
上述した操作部材4の中央部には、筐体3の筒状部3bが挿通される挿通孔4bを形成してある。また、図1に示すように、この操作部材4の操作レバー4aにも係止部4cを形成してある。上述したトーションばね6は、操作部材4に収納されるとともに、筐体3の筒状部3bに係着される。このトーションばね6の一端6aは、筐体3の係止部3fに係止され、他端6bは、操作部材4の係止部4cに係止される。
【0026】
第2入力部2に含まれる駆動部材7は、棒状部材から成り、上下端付近に小径部7aを有し、中央部分に大径部7bを有している。
【0027】
さらに、本実施形態は図1に示すように、筐体3の収納部3a及び操作部材4を覆うとともに、駆動部材7が挿通される貫通穴8cを有するカバー部材8を備えている。このカバー部材8は、同図1及び図3等に示すように、第2入力部2に向かって延設され、筐体3に形成された係合突起3eに係合する係合穴8a1を有する第1脚部8aと、図2,4に示すように、この第1脚部8aが形成された側面とは異なる側面に形成された第2脚部8bとを有する。また、このカバー部材8は、図1,6,7等に示すように、駆動部材7の小径部7aが挿通される貫通穴8cの周辺に設けられ、筐体3の筒状部3bに挿入された駆動部材7の大径部7bに係合可能な抜け止め部8dを備えている。この抜け止め部8dによって駆動部材7のカバー部材8からの抜け止めが防止される。
【0028】
上述した筐体3の筒状部3bの内壁に形成した抜け止め部3gも、図6に示すように、駆動部材7の大径部7bが係合することによって、この駆動部材7の筐体3からの抜け止めが防止される。
【0029】
また、図6に示すように、操作部材4は、図示下側部分が筐体3eの段差部3hに当接し、図示上側部分がカバー部材8によって図示上方向の移動が規制されている。
【0030】
図3〜5,6等に示すように、筐体3の固定接点3cに接続させた端子部材3dと、カバー部材8の第1脚部8a及び第2脚部8bとによって囲まれた空間部9を、第2入力部2の配置空間に設定してある。
【0031】
操作部材4の操作レバー4aを、筐体3の4つの側面のうちの1つの側面に形成した開口部3iから突出させるように設けてあるが、筐体3の4つの側面のうちの他の3つの側面のそれぞれに、カバー部材8の第1脚部8a、第2脚部8b、及び端子部材3dの少なくとも1つを配置させてある。例えば、図2,3に示すように、筐体3の他の3つの側面のうちの、操作部材4の操作レバー4aが配置される側面と対向する側面にカバー部材8の第1脚部8aを配置してあり、操作部材4の操作レバー4aが配置される側面と直交する両側面のうちの一方の側面に、図2,3に示すように、2つの端子部材3dとカバー部材8の第2脚部8bを配置してあり、他方の側面に図2,5に示すように、3つの端子部材3dを配置してある。
【0032】
カバー部材8の第1脚部8a及び第2脚部8bの長さ寸法は、第1入力部1と第2入力部2とを重ねて図示しない基板上に配置した状態で、図示しない基板に当接可能な長さ寸法となっている。筐体3の固定接点3cに接続される各端子部材3dは、上述した図示しない基板に半田付けされるようになっている。
【0033】
なお、第2入力部2には、図6に示すように、駆動部材7の押圧操作によってそれぞれ反転可能なドーム状金属製の第1可動接点2aと、第2可動接点2bとを収納させてある。また、この第2入力部2は、同図6の上側に配置される第2可動接点2bの表面を覆うように配置されるシート2cを備えている。図示省略するが、この第2入力部2の内部には、第1可動接点2aが導通、あるいは導通可能な固定接点、及び第2可動接点2bが導通する固定接点が備えられている。このような構成を有する第2入力部2は、この第2入力部2に関連する変更、例えば第2入力部2のドーム状の第1可動接点2a、第2可動接点2bの押圧操作時の荷重の変更、駆動部材7のストロークの変更、第2入力部2に備えられる第1可動接点2a、第2可動接点2bの数の変更、第2入力部の長寿命化への変更、第2入力部2に備えられる駆動部材7の操作フィーリングの変更等を考慮して、例えばあらかじめ複数の異なる第2入力部2が用意されている。
【0034】
[本実施形態の動作]
上述した本実施形態が、例えばデジタルカメラ等に適用された場合について、本実施形態の動作を以下に説明する。
【0035】
操作部材4の操作レバー4aをトーションばね6の付勢力に抗して回動させると、この操作部材4に取り付けられた摺動子5が筐体3の収納部3aに設けられた固定接点3c上を摺動し、これによってオン信号が出力されてデジタルカメラ等のズーミングが行なわれる。
【0036】
また、駆動部材7を押圧し、一定量押し込むと、第2入力部2の第2可動接点2bが反転し、この第2可動接点2bが第1可動接点2aに導通する。これによってオン信号が出力され、例えばデジタルカメラ等の焦点合わせが行なわれる。
【0037】
この状態から、駆動部材7をさらに押圧し、押し込むと、第2入力部2の第2可動接点2bを介して第1可動接点2aが反転し、この第1可動接点2aが図示しない固定接点に導通する。これによってオン信号が出力され、例えばデジタルカメラ等のシャッター操作が行なわれる。
【0038】
なお、駆動部材7に加えていた押圧力を解くと、第1可動接点2a、第2可動接点2bのそれぞれ自身が保有する弾性力により、これらの第1可動接点2a及び第2可動接点2bが初期形態、すなわち図6に示す形態に復帰し、第2入力装置2の信号がオフとなるとともに、これらの第1可動接点2a及び第2可動接点2bの復帰に伴って駆動部材7が押し戻されて、初期位置に復帰する。また、操作部材4の操作レバー4aに加えていた操作力を解くと、トーションばね6の付勢力により操作部材4及び摺動子5が初期位置に復帰し、第1入力装置1の信号がオフとなる。
【0039】
このように、操作部材4の操作レバー4aの摺動操作によって、デジタルカメラ等のズーミング操作を行なうことができ、駆動部材7の押圧操作によって、デジタルカメラ等の焦点合わせ操作、及びシャッター操作を実施できる。
【0040】
[本実施形態の効果]
このように構成した本実施形態によれば、上述したように、筐体3の収納部3aに収納させた摺動子5の摺動によって第1入力部1の入力操作を行なうことができ、第1入力部1に含まれる筐体3の筒状部3bの案内によって駆動部材7を移動させることにより、第2入力部2に含まれる第1可動接点2a、第2可動接点2bの反転による入力操作を行なうことができる。すなわち、複数の入力操作を行なうことができる。
【0041】
また、第1入力部1と第2入力部2とを分離可能に配置してあることから、第2入力部2に関係する何らかの変更を要するときには、あらかじめ用意された複数の第2入力部2のうちの好適なものに交換すればよい。すなわち、第2入力部2のドーム状の第1可動接点2a、第2可動接点2bの押圧操作時の荷重の変更、第2入力部2に備えられる可動接点の数の変更、第2入力部2の長寿命化への変更、第2入力部2に備えられる駆動部材7の操作フィーリングの変更については、複数用意した第2入力部2のうちの好適なものに変更して配置すればよい。また、押圧操作時の駆動部材7のストロークの変更に際しては、変更する第2入力部2の厚さ寸法を考慮したり、第1入力部1と第2入力部2とを重ねて配置する際の両者間の配置間隔などを考慮すればよく、対応が容易に可能である。
【0042】
したがって、第2入力部2を変更する際でも、第1入力部1は既存のものを設けておくことができ、第1入力部1に含まれる筐体3の形状を変更させないで済む。これに伴って、筐体3を変更させるための金型の変更を要することがなく、第2入力部2の変更を簡単に行なうことができる。なお、第1入力部1と第2入力部2とを重ねて配置するようにしたことから、投影面積を小さくすることができ、装置の小型化を実現できる。
【0043】
また、第2入力部2に含まれる駆動部材7を案内する案内手段を筐体3に一体に設けられる筒状部3bによって構成したとこから、この筒状部3bを筐体3の製作時に、同時に設けることができ、この筒状部3bの製作が容易であるとともに、部品数の増加を抑えることができる。
【0044】
また、カバー部材8に形成した第1脚部8a、第2脚部8bと、端子部材3dとによって、第2入力部2の配置空間を形成でき、第1入力部1と第2入力部2との組み込みが容易である。
【0045】
また、筐体3の4つの側面のうちの1つの側面に、開口部3iを設けて、操作部材4の操作レバー4aをこの開口部3iから突出させ、筐体3の4つの側面のうちの他の3つの側面のそれぞれに、第1脚部8a、第2脚部8b、及び端子部材3dの少なくとも1つを配置させたことから、操作レバー4aの操作時に、第1入力部1の筐体3に与えられる力を、第1入力部1の3つの側面に配置された端子部材3d、あるいは第1脚部8a及び第2脚部8bで受けさせることができ、すなわち筐体3の3方向で受けることができる。これによって、強固な安定した構造とすることができ、信頼性の高い装置が得られる。
【0046】
また、筐体3の筒状部3bの内壁に、駆動部材7の抜け止め部3gを設けたことから、この抜け止め部3gを筐体3の製作時に、同時に形成することができ、この抜け止め部3gの形成が容易である。
【0047】
また、カバー部材8に、駆動部材7の抜け止め部8dを設けたことから、この抜け止め部8dをカバー部材8の製作時に、同時に形成させることができ、この抜け止め部8dの形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る複合操作型入力装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】本実施形態の平面図である。
【図3】図2のA方向から見た図である。
【図4】図2のB方向から見た図である。
【図5】図2のC方向から見た図である。
【図6】図2のD−D断面拡大図である。
【図7】本実施形態に備えられる第1入力部と第2入力部とを分離させた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 第1入力部
2 第2入力部
2a 第1可動接点
2b 第2可動接点
3 筐体
3a 収納部
3b 筒状部(案内手段)
3c 固定接点
3d 端子部材
3g 抜け止め部
4 操作部材
4a 操作レバー
5 摺動子
7 駆動部材
7a 小径部
7b 大径部
8 カバー部材
8a 第1脚部
8b 第2脚部
8d 抜け止め部
9 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材と、この操作部材の摺動操作により固定接点上を摺動する摺動子を有する第1入力部と、駆動部材の押圧操作により固定接点に導通する可動接点を有する第2入力部とを備えるとともに、
上記第1入力部と上記第2入力部を分離可能に重ねて配置し、
上記第1入力部は、上記摺動子が収納される収納部を有する筐体を含み、この筐体に、上記第2入力部の上記駆動部材を移動可能に案内する案内手段を設けたことを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項2】
上記請求項1記載の発明において、
上記案内手段が、上記筐体に一体に設けられ、上記駆動部材を挿通させる筒状部から成ることを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項3】
上記請求項1または2記載の発明において、
上記筐体の上記収納部を覆うとともに、上記駆動部材が挿通される貫通穴を有するカバー部材を備え、このカバー部材が、上記第2入力部に向かって延設される脚部を有し、
上記第1入力部の上記摺動子が摺接する上記筐体に設けられる固定接点に接続され、上記筐体の外部に導出される端子部材を備え、
この端子部材と上記脚部とによって囲まれる空間部を、上記第2入力部の配置空間に設定したことを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項4】
上記請求項3記載の発明において、
上記筐体の外形形状を平面視が略四角形の形状に形成し、
上記操作部材を、上記筐体の上記収納部内に配置させ、
上記筐体の4つの側面のうちの1つの側面に、上記操作部材に形成された操作レバーの移動を可能にさせる開口部を設け、
上記筐体の4つの側面のうちの他の3つの側面のそれぞれに、上記脚部及び上記端子部材の少なくとも1つを配置させたことを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項5】
上記請求項2記載の発明において、
上記筐体の上記筒状部の内壁に、この筒状部に挿入された上記駆動部材の抜け止め部を設けたことを特徴とする複合操作型入力装置。
【請求項6】
上記請求項3記載の発明において、
上記カバー部材に、上記筐体の上記筒状部に挿入された上記駆動部材の抜け止め部を設けたことを特徴とする複合操作型入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−159308(P2008−159308A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344344(P2006−344344)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】