説明

複合材およびその製造方法

三次元的網目状組織の間隙に金属が緻密に充填されている複合材により、機械的強度が高く耐摩耗性に優れる複合材を実現した。また、ゲルの有する三次元的網目状組織の間隙に金属が緻密に充填されている複合材により、機械的強度が高く耐摩耗性に優れる複合材を実現した。この複合材は、三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させて、間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成する工程と、その間隙に、めっき法によりその溶媒と置き換えて金属を充填させる工程とにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種用途に用いられる金属膜は、その用途に応じた高い機械的強度が要求されている。
【0003】
例えば、半導体集積回路の配線には、スパッタ法によるアルミニウム合金膜やめっき法による銅膜等が用いられており、このような金属膜の機械的強度が低いと配線が断線して半導体装置の信頼性を維持できない。また、電気器具である電源やコネクタには、接合抵抗の低下を目的としてスパッタ法やめっき法による金または銀等の被覆膜が設けられ、機械部品であるビスやボルトには、防錆を目的としてニッケルまたはクロム等の被覆膜が設けられ、光学部品であるレンズの納められた鏡筒の内部には、黒色クロムまたは黒色ニッケルの被覆膜が設けられている。このような被覆膜には、いずれもより高い機械的強度や優れた耐磨耗性についての要請がある。なお、機械的強度の高い配線に関する技術として、特許文献1には、多層構造の配線が記載されている。
【0004】
また、このような金属膜には、より簡便に均一性が確保される製造方法についての要請もある。
【0005】
【特許文献1】特開平5−198691号公報
【発明の開示】
【0006】
本発明は、上記の要請に応えるためになされたものであって、その目的は、金属材料(三次元的網目状組織の間隙に充填された金属)の化学的性質および電気的性質をそのままに保ちつつ、機械的強度、耐磨耗性および膜としての均一性を向上させた、各種金属膜に用いることができる複合材およびその製造方法を提供することにある。それによって、半導体集積回路においては、断線が生じにくく信頼性の確保に優れた配線を提供し、電気器具であるコネクタ等のコーティングまたは機械部品もしくは光学製品のコーティングにおいては、より高い機械的強度や優れた耐摩耗性を有する被覆膜を提供する。
【0007】
上記目的を達成するための本発明の複合材は、三次元的網目状組織の間隙に金属が緻密に充填されていることを特徴とする。また、上記目的を達成するための本発明の複合材は、ゲルの有する三次元的網目状組織の間隙に金属が緻密に充填されていることを特徴とする。
【0008】
これらの複合材によれば、三次元的網目状組織の間隙に充填された金属(以下、充填された金属または充填される金属ということもある。)の化学的性質および電気的性質をそのままに保ちつつ、機械的強度および耐磨耗性を向上させることができる。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の第1の複合材の製造方法は、三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させて、間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成する工程と、上記間隙に、めっき法により上記溶媒と置き換えて金属を充填させる工程を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の複合材の製造方法は、三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させて、間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成する工程と、当該溶媒を乾燥させて、間隙に溶媒を含まない三次元的網目状組織を形成する工程と、物理気相成長法または化学気相成長法により金属を上記間隙に充填させる工程とを有することを特徴とする。
【0011】
これらの複合材の製造方法によれば、複合材における三次元的網目状組織の密度を、(i)三次元的網目状組織に用いるゲルの種類の選択、(ii)三次元的網目状組織の形成方法の選択、(iii)三次元的網目状組織の形成工程において基板に形成されたゲルに含まれる溶媒の量の調整、によって再現性よく均一に制御できる。その結果、充填された金属の転位密度を制御することができ、金属に再現性よく均一に転位を導入することができる。
【0012】
また、上記(iii)の溶媒の量の調整によると、溶媒に対する三次元的網目状組織の体積比または重量比を1%以下にでき、充填される金属に対する三次元的網目状組織の量を微細に調整することができる。したがって、三次元的網目状組織が不純物となって、薬品耐性等の化学的性質や充填された金属の電気抵抗等の電気的性質を変化させるのを防止することができる。その結果、充填された金属の化学的性質および電気的性質をそのままに保ちつつ、高い機械的強度および優れた耐磨耗性を有する複合材を容易に製造することができる。
【0013】
なお、ここでいう溶媒に対する三次元的網目状組織の体積比とは、溶媒を含むゲルの体積とそのときの溶媒のみの体積との差(ゲルの三次元的網目状組織の体積)を、溶媒を含むゲルの体積で除した値である。また、ここでいう溶媒に対する三次元的網目状組織の重量比とは、溶媒を乾燥させたゲル(乾燥ゲルという)の重量(ゲルの三次元的網目状組織の重量)を、乾燥ゲルの重量と溶媒の重量との和で除した値である。このとき、溶媒は水であるものとし、仮に、溶媒が水以外であれば、同体積の水の重量と置き換えて算出する。
【0014】
本発明の複合材によれば、充填された金属の化学的性質および電気的性質をそのままに保ちつつ、機械的強度が高く耐磨耗性に優れた金属膜を得ることができる。例えば、半導体集積回路の配線に用いられた場合には、断線の生じにくい配線となり、信頼性の高い半導体集積回路を得ることができる。また、機械部品等の被覆膜に用いられた場合には、機械的強度が高く耐磨耗性に優れ、かつ、基板から剥離し難い被覆膜となる。
【0015】
本発明の複合材の製造方法によれば、機械的強度が高く耐磨耗性に優れ、かつ、基板から剥離し難い複合材を得ることができる。また、本発明の複合材の製造方法によれば、厚さが均一な複合材を得ることができ、このような複合材が各種金属膜に用いられた場合には、その膜の均一性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0017】
【図1】実施形態の複合材の構造を説明するための模式断面図である。
【図2】実施形態の複合材の製造工程の一例を示す製造工程図である。
【図3】実施形態の複合材の製造工程の他の一例を示す製造工程図である。
【図4】実施形態の複合材の作用を説明するための模式断面図である。
【図5】実施例1の複合材の製造工程を示す製造工程図である。
【図6】実施例2の複合材の製造工程を示す製造工程図である。
【図7】実施例3の複合材の製造工程を示す製造工程図である。
【図8】実施例4の複合材の製造工程を示す製造工程図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の複合材において、(1)上記の三次元的網目状組織の一部が取り除かれていること、(2)前記三次元的網目状組織の一部が変成していること、(3)上記の三次元的網目状組織が有機系材料で形成されており、当該三次元的網目状組織の一部が炭化していること、が好ましい。
【0019】
本発明の複合材は、半導体集積回路の配線、または、電気器具、機械部品もしくは光学部品の被覆膜として用いられることが好ましい。
【0020】
本発明の複合材の製造方法において、(1)前記金属を充填させる工程の後に、前記三次元的網目状組織の一部を取り除く工程を有すること、(2)前記金属を充填させる工程の後に、前記三次元的網目状組織の一部を変成させる工程を有すること、(3)前記ゲルが有機系材料で形成されており、前記金属を充填させる工程の後に、前記三次元的網目状組織の一部を炭化させる工程を有すること、が好ましい。
【0021】
以下、本発明の複合材およびその製造方法を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1は、本発明の複合材の一例を示す模式断面図である。本発明の複合材100は、三次元的網目状組織102の間隙に金属103が緻密に充填されている構造を有する。すなわち、別の観点から見れば、本発明の複合材100は、金属103膜内に三次元的網目状組織102が設けられている構造を有する。そして、三次元的網目状組織102は、金属103膜内の全体にわたって略均一に設けられており、金属103膜を内部から支持して、機械的強度などを向上させる。
【0023】
本発明の複合材の製造方法には、三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させることにより間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成し、めっき法により上記溶媒と置き換えて金属をこの間隙に充填させて複合材を製造する第1の製造方法と、三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させることにより間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成し、この溶媒を乾燥させることにより間隙に溶媒を含まない三次元的網目状組織を形成し、化学気相成長法または物理気相成長法により金属をこの間隙に充填させて複合材を製造する第2の製造方法とがある。
【0024】
図2は、本発明の複合材を製造する第1の方法を示す概略図である。第1の製造方法は、めっき法を用いてゲル202の三次元的網目状組織203の間隙に金属206が充填された構造を形成する方法である。
【0025】
具体的には、まず、図2(a)に示すように、基板201にゲル材料を溶媒に分散させた分散液を塗布することによりゲル202を形成させる。その後、図2(b)に示すように、この基板201をめっき液205に浸して金属206を基板201の表面から成長させ、三次元的網目状組織203の間隙に含まれている溶媒204を金属206で置換する。最後に、必要に応じて余分のゲル202を除去して、図2(c)に示すように、複合材200(ゲル202由来の三次元的網目状組織203を内包した金属206の膜)ができる。
【0026】
図3は、本発明の複合材を製造する第2の方法を示す概略図である。第2の製造方法は、化学気相成長法または物理気相成長法を用いて、ゲル302由来の三次元的網目状組織303の間隙306に金属307が充填された構造を形成する方法である。
【0027】
具体的には、まず、図3(a)に示すように、基板301にゲル材料を溶媒に分散させた分散液を塗布することによりゲル302を形成させる。次に、超臨界乾燥法等を用いて、ゲル302の三次元的網目状組織303をつぶさずに溶媒304を除去し、図3(b)に示すように、エアロゲル305(乾燥ゲル)を作る。その後、図3(c)に示すように、化学気相成長法またはスパッタ法もしくは蒸着法等の物理的気相成長法によって、金属307を基板301から成長させて、エアロゲル305の三次元的網目状組織303の間隙306を金属307で緻密に充填する。必要に応じて余分のエアロゲル305(乾燥ゲル)を除去して、図3(d)に示すように、複合材300(ゲル302の三次元的網目状組織303を内包した金属307の膜)ができる。
【0028】
なお、コロイド溶液を加熱したり、冷却したりすると、流動性を失い固化する(粒子どうしがつながり、3次元的な網目構造等をとる)場合がある。コロイド溶液が流動性を失った状態をゲルという。ゲルから水分を強制的に取り去ると、後に網目構造だけが残る。これを三次元的網目状組織といい、乾燥シリカゲルなどがある。これらは多孔質で表面積が広いので吸湿剤や吸着剤としてよく用いられる。
【0029】
すなわち、ゲルとは、原子または分子の一次元的連鎖(原子等の一次元的な結合が連鎖したもの)によって形成された三次元的網目状組織を有し、間隙に溶媒を含む物質である。また、ゲルには、このような原子または分子の一次元的連鎖が架橋点により他の一次元的連鎖と架橋した構造からなる三次元的網目状組織を有し、間隙に溶媒を含む物質も含まれる。
【0030】
すなわち、本発明において、三次元的網目状組織には、架橋構造を有する組織も、架橋構造を有しない組織も含まれる。また、架橋構造を有しなくても、一次元的連鎖が互いに交叉する構造であってもよい。言い換えれば、3次元的網目状組織は、一種の多孔性材料を形成している。すなわち、三次元的網目状の間隙は、多孔性材料に含まれる孔部に相当する。そして、多孔性材料は、架橋点や交叉点を備えるネットワーク構造を有する三次元的網目状組織から構成されている。
【0031】
また、エアロゲル305(乾燥ゲル)とは、三次元的網目状組織がつぶれずに、このゲルの間隙に含まれた溶媒が除去されている物質である。ゲルの有する三次元的網目状組織の態様としては、一次元的な結合が2裂または3裂する架橋点をもって連鎖することにより形成されている態様と、一次元的な結合が連鎖し、この連鎖が絡み合うことにより形成されている態様とがある。
【0032】
ゲルには、表1に示すように天然材料のゲルまたは合成材料のゲルがあり、いずれのゲルも、三次元的網目状組織を有し、間隙に溶媒を含む物質として好ましく適用される。
【0033】
【表1】

【0034】
天然材料のゲルとしては、多糖ゲル、タンパクゲルまたはDNAゲルを挙げることができる。また、それらからの成分抽出物等からなるゲルでもよい。多糖ゲルは、海藻多糖類、植物多糖類または微生物多糖類等のゲル材料から形成される。
【0035】
海藻多糖類のゲル材料としては、β−D−ガラクトース,アンヒドロ−α−D−ガラクトース,アンヒドロ−α−L−ガラクトース,β−D−マンヌロン酸またはα−L−グルロン酸を主成分とするガラクトース類(ガラギーナン,アガロ−ス等)またはアルギン酸が挙げられる。
【0036】
植物多糖類のゲル材料としては、プロトペクチン,ペクチン酸,ペクチニン酸(α−D−ガラクツロン酸),β−D−グルコース,β−D−マンノースまたはα−D−ガラクトースを主成分とするペクチン,コンニャクマンナン,ローカストビーンガムまたはグアーガムを挙げることができる。
【0037】
微生物多糖類のゲル材料としては、直鎖状グルカン,β−D−グルコース,β−D−グルクロン酸,α−L−ラムノース,マンノース,ポリ(γ−グルタミン)またはポリ(ε−リジン)を主成分とするジェランガム,キサンタンガム,カードランまたはアミノ酸が挙げられる。
【0038】
タンパクゲルを形成するゲル材料としては、ゼラチン,ゆで卵白または豆腐等のタンパク質全般の高分子材料を用いることができる。
【0039】
DNAゲルを形成するゲル材料としては、DNAまたはRNAを用いることができる。
【0040】
合成材料のゲルとしては、酸化物類、金属塩類もしくはナノチューブ類等のゲル材料から形成される無機系ゲル、または、有機酸塩類、有機金属類もしくは架橋ポリマー等のゲル材料から形成される有機系ゲルを挙げることができる。
【0041】
酸化物類のゲル材料から形成されるゲルとしては、シリカゲル,アルミナゲルまたはチタニアゲル等が挙げられる。シリカゲルの形成材料には、テトラメトキシシランを用いることができる。
【0042】
金属塩類のゲル材料としては、硝酸塩を用いることができる。
【0043】
ナノチューブ類のゲル材料としては、カーボンナノチューブまたは窒化ホウ素ナノチューブ等を用いることができる。
【0044】
有機酸塩類のゲル材料としては、酢酸塩,エチルヘキサンサン塩,ネオデカン酸塩またはオクタン酸塩等を挙げることができる。
【0045】
有機金属類のゲル材料としては、アルコキシド(メトキシド,エトキシド,ブトキシド,プロポキシド,イソプロポキシド,メトキシエトキシド等)またはアセチルアセトナト等を挙げることができ、例えば、Cuメトキシド等を用いることができる。
【0046】
架橋ポリマーのゲル材料としては、ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,アクリルアミド,シリコーン,ポリウレタン,ポリエチレンオキシドまたはポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0047】
三次元的網目状組織として使用されるゲルは、上記に例示したゲル以外のゲルでもよく、多様なゲルを用いることができる。
【0048】
上記のゲル材料のゲル分子は、積極的に添加物の効果を発揮させる目的で、添加物の原子あるいは分子で修飾されていてもよい。
【0049】
溶媒は、ゲル材料を分散させることができればよく、例えば、水またはメタノール等の有機溶媒を用いることができる。なお、ここでいう「分散」には、混合または溶解の双方が含まれる。
【0050】
上記分散液の塗布方法としては、上記分散液に基板を浸すディップ法、スプレー法またはスピンコート法等の各種塗布方法を適用できる。なお、基板(基材)は、複合材が金属膜として形成される被形成基板(基材)であり、例えば、複合材を配線として利用する場合には半導体集積回路基板がここでいう基板となり、複合材を各種被覆膜として利用する場合には被覆される電気器具等が基材となる。
【0051】
基板(基材)でのゲルの形成は、用いたゲル材料の種類に応じて、分散液への架橋剤の添加または基板(基材)に塗布された分散液の冷却もしくは加熱等のゲル化(架橋)の方法を用いて行う。例えば、ゲル材料にテトラメトキシシランを用いる場合には、加水分解反応および重合反応によりゲル化させるための添加物として水を添加し、ゲル材料にポリビニルアルコールを用いる場合には、ゲル化させるための架橋剤としてホウ酸水溶液を添加する。また、ゲル材料にアガロースを用いる場合には、基板(基材)に塗布した分散液を冷却するとゲル化する。
【0052】
めっき法により充填できる金属は、例えば、Ag,Au,Cd,Co,Cr,Cu,Fe,Ni,Pb,Pd,Pt,Rh,Ru,Si,SnまたはZn等の純金属、Ag−Cd,Ag−Co,Ag−Cu,Ag−Sn,Ag−Zn,Al−Mn,Au−Cu,Au−Ni,Au−Pd,Au−Sn,Cd−Sn,Cd−Zn,Co−Cu,Co−Fe,Co−Mo,Co−Ni,Co−Sn,Co−W,Cr−H,Cu−Ni,Cu−Pb,Cu−Sb,Cu−Sn,Cu−Zn,Fe−Mo,Fe−Ni,Fe−W,Fe−Zn,In−Sn,Ni−B,Ni−Mo,Ni−P,Ni−S,Ni−Sn,Ni−W,Ni−ZnまたはSn−Zn等の合金、MgOまたはSnO等の化合物であり、充填させる金属は、複合材が用いられる各種用途に応じて、これらの金属等から選択される。
【0053】
めっき液には、充填させる金属の硫酸塩、塩化物塩もしくはピロリン酸塩等の水溶液、または、これらの塩のエタノール,N−メチルホルムアミド,ホルムアミド,アセトン,酢酸エチル,ベンゼン,ジメチルスルホキシド,N−ジメチルホルムアミド,アセトニトリル,ピリジン,テトラヒドロフランもしくはジ−n−ブチルエーテル等の有機溶媒溶液を用いる。
【0054】
めっき液としては、具体的には、表2に示したものが使用できる。すなわち、Agのめっき液としては、ヨウ化銀浴:AgI(0.05mol/L)+KI(2mol/L)を使用でき、Auのめっき液としては、シアン浴:KAu(CN)(0.05mol/L)、亜硫酸浴:NaAu(SO(0.05mol/L)または塩化金酸浴:HAuCl(0.02mol/L)等を使用できる。また、Crのめっき液としては、サージェント浴:CrO(2.5mol/L)+HSO(0.025mol/L)を使用でき、Cuのめっき液としては、Cu硫酸浴:CuSO・HO(1.0mol/L)またはピロリン酸浴:CuP・3HO(0.2mol/L)+KP・3HO(0.7mol/L)を使用できる。さらに、Feのめっき液としては、硫酸浴:FeSO(1.0mol/L)+HBO(0.5mol/L)、塩化物浴:FeCl(1.0mol/L)+HBO(0.5mol/L)またはスルファミン酸浴:Fe(SNH(1.0mol/L)+HFNH(0.1mol/L)等を使用できる。さらに、Niのめっき液としては、硫酸浴:NiSO(1.0mol/L)+HBO(0.5mol/L)、塩化物浴:NiCl(1.0mol/L)+HBO(0.5mol/L)、ワット浴:NiSO(0.9mol/L)+NiCl(0.09mol/L)+HBO(0.5mol/L)またはスルファミン酸浴:Ni(SNH(1.0mol/L)+HBO(0.5mol/L)等を使用することができる。合金のめっき液の具体的な例を挙げると、Ag−Sn合金のめっき液としては、AgI(0.02mol/L)+SnCl・2HO(0.18mol/L)+KI(2mol/L)+K(0.54mol/L)を使用でき、Cu−Sn合金のめっき液としては、SnSO(Xmol/L)+CuSO(0.5−Xmol/L)+HSO(1mol/L)+クレゾールスルホン酸(0.25mol/L)を使用することができる。
【0055】
【表2】

【0056】
めっき法としては、電解めっき法または無電解めっき法を適用できるが、緻密な充填を行う観点から電解めっき法を適用することが好ましい。
【0057】
充填された金属は、複数種類の金属の多層構造とすることもできる。その場合には、三次元的網目状組織が形成された基板を所望の金属のめっき液に浸した後、さらに他の金属のめっき液に浸すことにより、容易に形成することができる。
【0058】
三次元的網目状組織の間隙に金属を充填した後は、必要に応じて、余分なゲルを除去することが好ましい。例えば、ゲルを厚めに形成し、金属を必要な厚さだけ充填させた後、金属が充填されていない部分のゲルを除去する。ゲルを取り除く方法としては、ケミカルメカニカルポリッシングしたり、ジェット水流もしくは80℃以上の湯により洗浄したりする方法を利用することができる。また、ケミカルメカニカルポリッシングによると、余分なゲルとともに充填された金属のうち余分な部分を取り除くこともできる。
【0059】
第2の製造方法における溶媒の乾燥は、ゲルの有する三次元的網目状構造をつぶさないように行う。このような乾燥方法としては、超臨界乾燥法または冷凍乾燥法等を適用でき、三次元的網目状構造をつぶさない観点からは、超臨界乾燥法が好ましい。超臨界乾燥法は、溶媒を、臨界温度以上かつ臨界圧力以上の条件下で乾燥させる方法であり、溶媒の表面張力がゼロになるのでゲルの有する三次元的網目状構造をつぶさずに溶媒を乾燥させることができる。
【0060】
化学気相成長法(CVD法)による金属の充填に用いられる原料ガスとしては、一般に使用されているハロゲン化タングステン等の無機金属化合物やトリメチルアルミニウム等の有機金属化合物が挙げられる。化学気相成長法としては、熱CVD法、プラズマCVD法または光CVD法を利用でき、その方法や条件等には周知一般の方法等を用いることができる。なお、複合材の製造工程で熱CVD法を用いて金属を充填する場合には、上記ゲル材料のうち金属の成長温度に対する耐熱性を有するゲル材料を選択する。
【0061】
物理気相成長法による金属の充填には、スパッタ法による充填と蒸着法による充填がある。スパッタ法または蒸着法により金属を充填する場合には、緻密な充填が可能となるように、充填される金属に基板表面で拡散しやすい金属を選択し、その金属の厚さを薄くすることが好ましい。スパッタ法または蒸着法を用いる場合には、スパッタ等された金属の原料原子が基板に到達する前に三次元的網目状組織に付着してしまい金属の充填性がやや低下するが、上記したような条件で充填すれば三次元的網目状組織の間隙に金属を緻密に充填できる。
【0062】
これらの複合材によれば、三次元的網目状組織の間隙に充填された金属(以下、充填された金属または充填される金属ということもある)の化学的性質および電気的性質をそのままに保ちつつ、機械的強度および耐磨耗性を向上させることができる。
【0063】
その理由は、充填された金属の結晶格子に、三次元的網目状組織を形成するゲルの原子または分子の一次元的連鎖(ゲルの原子または分子の一次元的な結合が連鎖して形成されたもの)を芯にして転位と同様の格子欠陥構造が導入されるからであり、金属に単に不純物原子が添加されたからではない。つまり、充填された金属の結晶は、網目状に絡みついた転位が高密度に導入された状態となっており、この転位が以下の2つの作用を奏することにより上記の効果が得られる。
【0064】
まず、第1の作用について説明する。
【0065】
本発明の複合材は、金属の結晶中に網目状に絡みついた転位が高密度に導入されているので、この金属の格子欠陥がナノメータオーダで変化し、格子歪みが不均一な状態となっている。一般に、金属に外力が加わると金属原子は拡散しようとするが、本発明の複合材では、上記の不均一な格子歪みによって、そのような金属原子の拡散経路を複雑に曲折させる。その結果、この複合材は、充填された金属の塑性変形の速度が遅くなるので、機械的強度および耐磨耗性が向上する。
【0066】
次に、第2の作用について図面を参照しつつ説明する。
【0067】
一般的に、図4(a)に示すように、金属401に引張り応力403が加わると、金属結晶中に含まれる転位405が活動することにより、金属401の粒界402に応力集中が生じてボイド(クラック)404が成長する。したがって、従来の金属401は、破壊や切断が生じやすく機械的強度が低い。一方、本発明の複合材400は、図4(b)に示すように、三次元的網目状組織406により金属401の結晶中に網目状に絡みついた転位407が高密度に導入されているので、引張り応力403が加えられた場合に、これらの転位が僅かずつずれる。その結果、金属401は、結晶粒オーダでは歪みを均一に分散させつつ変形するので、粒界402に破壊や切断に至る応力集中が生じない。したがって、本発明の複合材は、機械的強度および耐磨耗性が向上する。なお、図4において、三次元的網目状組織406は実線で示され、転位407は破線で示されている。また、本明細書において「転位」とは、格子欠陥の一種で、結晶内の線(転位線)に沿って起こった一連の原子の変位をいう。
【0068】
また、本発明の複合材によれば、上記2つの作用により、金属膜として基板に形成された場合にその基板との界面応力を緩和できるので、この複合材は、基板から剥離し難い金属膜(被覆膜)となる。
【0069】
本発明の複合材の製造方法によれば、上記(iii)の溶媒の量の調整により、多様な効果が得られる。例えば、溶媒に対する三次元的網目状組織の体積比または重量比を10%以下に調整すると、充填される金属の電気的性質の変化を充分に抑制することができる。また、この体積比等を5%以下に調整すると、充填される金属の色合いの変化を十分抑制することができる。さらに、この体積比等を20%以下に調整すると、めっき法により三次元的網目状組織の間隙に金属を充填する際に、金属の緻密な充填を容易に行うことができる。加えて、この体積比等を2%以下に調整すると、スパッタ法や蒸着法等の物理気相成長法により三次元的網目状組織の間隙に金属を充填する際に、金属の緻密な充填を容易に行うことができる。
【0070】
また、上記(iii)の溶媒の量の調整により、三次元的網目状組織の網目の大きさを、数ナノメータから数十ナノメータの範囲で調整でき、十分な強度と複合材の用途に応じた機能との両立を図ることができる。
【0071】
さらに、本発明の複合材の製造方法によれば、三次元的網目状組織によって、複合材が形成される基板の表面の粗さ、電界集中または温度差等に起因するめっき液や原料ガスの対流が抑制されるので、得られる複合材の厚さが均一となる。したがって、このような複合材が各種金属膜に用いられた場合には、その膜の均一性が向上するという効果もある。
【実施例】
【0072】
本発明の実施例を、図を参照しつつ説明する。
【0073】
(実施例1)
実施例1の複合材として半導体集積回路(LSI)のCu配線を、図5に示す方法により製造した。
【0074】
まず、TaNバリア膜505などを施した集積回路の配線となる溝やビアホールの層間絶縁膜504パターンを有するSiウエハ501に電解めっきの前処理として、100nm厚程度のスパッタCu膜507を堆積した。その後、架橋前のポリビニルアルコール水溶液と架橋剤としてのホウ酸水溶液を順次スピンコートして、ポリビニルアルコールゲル506を形成した。そのまま、Cu電解めっき液に浸してゲルの三次元網目状組織を内包したCu膜508(500nm厚以上)を成長させた後、ケミカルメカニカルポリッシング工程によって、余分のポリビニルアルコールゲル506とCu膜508を同時に除去した。多層配線が必要なら、続けて層間絶縁膜504を設けて上記工程を繰り返す。
【0075】
このようにして実施例1の複合材であるゲルの三次元的網目状組織を内包したCu配線509を得た。このCu配線509は、従来のCu配線と比較して、ストレスマイグレーションおよびエレクトロマイグレーションによる断線率を1/1000にすることができた。
【0076】
(実施例2)
実施例2としてLSIのAl−Si−Cuの合金(以下、Al合金という。)からなる配線を、図6に示す工程により製造した。
【0077】
まず、TiNバリア膜605などを施した層間絶縁膜504を有するSiウエハ601に、テトラメトキシシラン−メタノール−水(加水分解と重合に用いられる)の混合溶液をスピンコートして、シリカゲルを形成した。これをメタノールの臨界条件である、温度239.4℃以上、圧力8.09MPa以上の条件下でメタノールを乾燥させて、気孔率98%、厚さ1μmのシリカエアロゲル607を形成した。その後は、通常のLSI工程である、Al合金スパッタ(500nm厚)→フォトリソグラフィ→Al合金ドライエッチングを行って、ゲルの三次元的網目状組織を内包したAl合金膜608を形成した。この後、シリケート系の層間絶縁膜604を堆積する場合には、余分のシリカエアロゲル607は、フォトリソグラフィ時にシリ力薄膜になってAl合金パターンに付着しており、層間絶縁膜604と一体化するので、除去しなくてもよい。多層配線が必要なら、続けて層間絶縁膜604を設けて上記工程を繰り返す。
【0078】
このようにして実施例2の複合材であるゲルの三次元的網目状組織が内包されたAl合金配線609を得た。このAl合金配線609は、従来のAl合金配線と比較して、ストレスマイグレーションおよびエレクトロマイグレーションによる断線率を1/1000にすることができた。
【0079】
(実施例3)
実施例3として、NiとAgの2層またはNiとAuの2層からなるBNCコネクタの被覆膜を、図7に示す工程により製造した。
【0080】
まず、コネクタの芯701とシールドに接続されるコネクタリング702とを、80℃に加熱した0.8wt%アガロース溶液に浸して出した後、直ちに冷水に入れてコネクタの芯701およびコネクタリング702の表面をゲルコートした。そのまま、これらをNi電解めっき液に浸して、ゲルの三次元的網目状組織を内包したNi層704を形成し、続けてAg電解めっき液またはAu電解めっき液に浸して、ゲルの三次元的網目状組織を内包したAg層またはAu層705を形成した。その後、ジェット水流または80℃以上の湯によって余分のアガロースゲル703を除去した。
【0081】
このようにして実施例3の複合材である、ゲルの三次元的網目状組織を内包したNi層704とAg層705の2層からなる被覆膜またはNi層704とAu層705の2層からなる被覆膜を得た。これらの被覆膜は、従来のコネクタの被覆膜と比較して耐摩耗性が向上した。
【0082】
(実施例4)
実施例4の複合材としてCrからなるねじの被覆膜を、図8に示す工程により製造した。
【0083】
まず、加工後のねじ801を金属製の網の上に適当に敷き並べ、80℃に加熱した0.8wt.%アガロース溶液に浸して出した後、直ちに冷水に入れて表面をゲルコートした。そのままCr電解めっき液に浸して、ゲルの三次元的網目状組織を内包したCr層803を形成し、その後、80℃以上の湯によって余分のアガロースゲル802を除去した。
【0084】
このようにして実施例4の複合材である、ゲルの三次元的網目状組織を内包したCr層803からなる被覆膜を得た。この被覆膜は、従来のねじの被覆膜と比較して耐摩耗性が向上した。
【0085】
(実施例5)
実施例5の複合材として、近年需要が増加している無鉛ハンダのための、プリント基板のCu層表面に設けられるAg−Sn合金またはCu−Sn合金からなるベース膜を製造した。
【0086】
まず、プリント基板にCuメトキシドのエチルエチルアセトアセテート溶液をスプレー塗布してゲルを形成し、これをそのままAg−Sn合金またはCu−Sn合金の電解めっき液に浸して合金膜を成長させた。引き続き、ジェット水流で余分のCuメトキシドゲルを除去した。こうして、形成された実施例5の複合材である無鉛ハンダのためのベース層は、剥離がなく均一な金属膜となった。
【0087】
なお、上記の各実施例におけるめっき液には、表2に挙げたものを適宜用いることができ、いずれのめっき液でも同様の結果が得られる。また、上記した実施例において用いることのできるゲルは、表1に分類したように、無数に存在する。
【0088】
本発明の実施例としては、上記の実施例以外にも、光学部品であるレンズの納められた鏡筒の内部の被覆膜、金属製ガスケットの表面層やカミソリなどの刃物の被覆膜等の数多くの応用が考えられる。
【0089】
また、その他の実施の態様として、本発明の複合材を用いた金属膜に鉄鋼の表面処理として知られる炭浸処理を施した態様が挙げられる。この場合、鉄鋼(基板)の表面に、有機系ゲルの三次元的網目状組織の間隙に鉄を充填させて形成した複合材を設けた後、還元雰囲気中で熱処理して有機系ゲルの三次元的網目状組織を炭化させ、これにより生じた炭素を鉄に浸透させて炭化層を形成させる。この熱処理は、たとえば400℃、30分間で行うことが可能であり、従来法の800℃、4時間に比べて圧倒的に低温化と短時間化を図ることができる。
【0090】
さらに、その他の実施態様として、得られた複合材のうち、三次元的網目状組織の一部を取り除き、または、変成させる態様が挙げられる。例えば、複合材を高真空装置内の部品等の被覆膜に用いる場合に、ゲルにより装置内が汚染されるのを防ぐために、複合材の表面に露出している三次元的網目状組織を取り除き、または、変成させることができる。三次元的網目状組織の一部を取り除く方法としては、例えば、エッチングや酸素プラズマ処理等により複合材の表面から一定の深さの三次元的網目状組織を取り除く方法が挙げられる。三次元的網目状組織の一部を変成させる方法としては、例えば、熱処理によって複合材の表面付近に位置するゲルの三次元的網目状組織と金属とを反応させる方法が挙げられる。このように芯となる三次元的網目状組織が消失した複合材であっても、充填された金属には転位構造が保存されるため、機械的強度、耐摩耗性および耐剥離性等の効果は維持される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元的網目状組織の間隙に金属が緻密に充填されていることを特徴とする複合材。
【請求項2】
前記三次元的網目状組織が有機系材料で形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の複合材。
【請求項3】
半導体集積回路の配線として用いられることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の複合材。
【請求項4】
電気器具、機械部品または光学部品の被覆膜として用いられることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の複合材。
【請求項5】
ゲルの有する三次元的網目状組織の間隙に金属が緻密に充填されていることを特徴とする複合材。
【請求項6】
金属膜と、
前記金属膜の内部に設けられている三次元網目状組織と、
を備えることを特徴とする複合材。
【請求項7】
請求項6に記載の複合材において、
前記三次元網目状組織は、複数の架橋点または交叉点を有するネットワーク構造を有することを特徴とする複合材。
【請求項8】
請求項6に記載の複合材において、
前記三次元網目状組織は、多孔性材料で構成されていることを特徴とする複合材。
【請求項9】
請求項6に記載の複合材において、
前記三次元網目状組織は、有機系材料で形成されていることを特徴とする複合材。
【請求項10】
請求項6に記載の複合材において、
前記三次元網目状組織は、ゲル材料で形成されていることを特徴とする複合材。
【請求項11】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられており、請求項6に記載の複合材からなる導電部材と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
基材と、
前記基材の表面に設けられており、請求項6に記載の複合材を用いる被腹膜と、
を備えることを特徴とする装置部品。
【請求項13】
三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させて、間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成する工程と、
前記間隙に、めっき法により前記溶媒と置き換えて金属を充填させる工程とを有することを特徴とする複合材の製造方法。
【請求項14】
前記ゲルが有機系材料で形成されていることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の複合材の製造方法。
【請求項15】
三次元的網目状組織を有するゲルを基板上に形成させて、間隙に溶媒を含む三次元的網目状組織を形成する工程と、
当該溶媒を乾燥させて、間隙に溶媒を含まない三次元的網目状組織を形成する工程と、
物理気相成長法または化学気相成長法により金属を前記間隙に充填させる工程とを有することを特徴とする複合材の製造方法。
【請求項16】
基材上に、ゲルを形成する工程と、
前記ゲルに含まれる三次元網目状組織の間隙に含まれる溶媒をめっき法により金属と置換させ、金属膜内に前記三次元網目状組織が設けられている複合材を形成する工程と、
を含むことを特徴とする複合材の製造方法。
【請求項17】
基材上に、ゲルを形成する工程と、
前記ゲルに含まれる三次元網目状組織の間隙に含まれる溶媒を乾燥させて、乾燥ゲルを形成する工程と、
前記三次元網目状組織の前記間隙に気相成長法により金属を堆積させ、金属膜内に前記三次元網目状組織が設けられている複合材を形成する工程と、
を含むことを特徴とする複合材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【国際公開番号】WO2005/028706
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514009(P2005−514009)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012070
【国際出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】